説明

半導体装置、光測定装置、光検出装置、及び半導体装置の製造方法

【課題】信号処理回路に対して斜めに入射することで遮光層により遮られない光によって、信号処理回路の動作が不安定にならないようにし、且つ遮光層に照射される光によって生じる浮遊電荷の影響で信号処理回路の動作が不安定にならないようにする。
【解決手段】受光素子36と受光素子36から出力される信号を処理する信号処理回路38とがSOI基板上に形成された光入射部12において、信号処理回路38上の配線層のうち最上層を、太陽光を遮光する遮光層42とし、遮光層42と電気的に接続される複数のコンタクトプラグ52が遮光層の端部に沿ってSOI基板の厚さ方向に積層される。複数のコンタクトプラグ52は、グランドもしくは遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置、光測定装置、光検出装置、及び半導体装置の製造方法に係り、特に、受光部からの出力信号に基づいて処理を行う信号処理部に入射する光を遮る半導体装置、半導体装置を用いた光測定装置、半導体装置を用いた光検出装置、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フロンガスの外気への放出等の環境汚染により、オゾン層が破壊されつつあり、今までオゾン層によって吸収されていた人体に有害な紫外線(UV:Ultra Violet)が、以前に比べてより多く地表面に達するようになった。
【0003】
紫外線は波長の長さにより、UV−A(紫外線A波:315nm−400nm)、UV−B(紫外線B波:280nm−315nm)、UV−C(紫外線C波:100−280nm)に分けられる。UV−Cはオゾン層で吸収され、地上に達することはない。従って、UV−AとUV−Bとが、日常、人体が浴びている紫外線である。これら紫外線から人体を保護する上で、紫外線量を検知することは重要であり、1995年に世界保健機構等が毎日の紫外線量の指標となる「UV Index」を作り、マスメディアで天気予報と共にこの値を発表するように勧めている。
【0004】
さらに、近年、個人が携帯可能な小型の紫外線測定装置が販売されている。これに搭載されている紫外線受光素子として、例えば、GaN、AlGaN、GaP等の化合物半導体系の受光素子に紫外線領域の波長の光のみを透過する紫外線測定用フィルターを備えているものがある。そして、受光素子が紫外線を受光して得られた光電流は、信号処理回路で電圧に変換され、増幅器、ADC(Analog−Digital Converter)を介して、デジタル信号化された上でCPUにより紫外線量として演算される。演算結果は、メモリへ記憶され、所定の処理が行われ液晶表示部に表示される。
【0005】
しかしながら、化合物半導体系の受光素子を使用する場合は、紫外線受光素子と信号処理回路等を別チップとしなければならず、その構成を小型化しづらい。一方、シリコン系の材料を使用した紫外線受光素子は、同一半導体基板上に、受光素子と信号処理回路とを作製できるため1チップ化でき、小型化が可能である。
【0006】
図8(A)、(B)にシリコン系の材料を用いた受光素子と信号処理回路とを1チップ化した半導体回路である光入射部12’の構成例を示す。図8(A)は光入射部12’の上面図、図8(B)は光入射部12’の断面図である。
【0007】
図8(A)、(B)に示すように、紫外線を受光する光入射部12’に設けられた、受光素子36’及び信号処理回路38’の任意の信号線は、信号入出力用パッド40’に接続されているワイヤー78、パッケージ端子41を介して図示しない他のLSI等に、電気的に接続されている。
【0008】
図8(B)に示すように、光入射部12’の上面には、紫外線領域の波長の光のみを透過する紫外線測定用フィルター80が設けられている。紫外線測定用フィルター80の下面には、紫外線を透過させる透明樹脂82が設けられ、さらにその下面に受光素子36’と信号処理回路38’とが配置される。また、透明樹脂82と受光素子36’及び信号処理回路38’との間には、図示しない保護膜、及び層間膜が介在されている。
【0009】
また、光入射部12’は、受光素子36’のみならず、信号処理回路38’を含めてチップ表面全体に太陽光が入射する構成となっている。このような構成では、信号処理回路38’の動作が太陽光の影響により不安定になる。そこで、1チップ上に形成された受光素子36’と信号処理回路38’のうち、信号処理回路38’に対して、遮光層を設けた技術が知られている。
【0010】
このような信号処理回路上に遮光層を設けた技術として、特許文献1には、シリコン基板上に形成された信号処理回路及び受光素子の上に透明保護膜を形成し、受光素子上と外部導出端子上以外、すなわち主に信号処理回路上の透明保護膜上にアルミニウムなどの金属製の遮光層を形成した技術が開示されている。
【0011】
受光素子と遮光層を有する信号処理回路とが形成される半導体回路の断面形状を、その製造工程と共に図9(A)乃至図9(G)に示す。なお、半導体基板はSOI(Silicon On Insulator)基板とする。これにより、受光素子の上面に紫外線測定用フィルター80を設ける必要がなくなる。
【0012】
図9(A)は、SOI基板であり、P型Si基板の上層に埋め込み酸化膜が形成され、さらにその上層にシリコン薄膜層が形成されている。そして、既知のフォトリソ・エッチングで、異なる厚さとされた第1シリコン薄膜層と第2シリコン薄膜層とを形成する(図9(B))。第1シリコン薄膜層に受光素子36’が、第2シリコン薄膜層に信号処理回路38’が形成される。次に、酸化工程を経た後、受光素子36’、及び信号処理回路38’が形成される部分を低濃度拡散層(低濃度P型拡散層)にするためのインプラ工程を行い、さらに、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成する(図9(C))。次に、高濃度N型拡散層を形成する(図9(D))。続いて、高濃度P型拡散層を形成する(図9(E))。次に、第1配線層50A’と第1コンタクトプラグ52A’とを設ける(図9(F))。さらに、図示しない層間膜を形成後、第2配線層50B’と第2コンタクトプラグ52B’とを形成し、さらに層間膜を形成後、第3配線層50C’と第3コンタクトプラグ52C’とを形成する。そして、さらに層間膜を形成後、遮光層として使用される第4配線層50D’を形成する。そして、第4配線層50D’の上に、層間膜を形成し、紫外線が透過可能な紫外線透過保護膜56’を設ける(図9(G))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−294755公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、遮光層を信号処理回路38’上に形成しても、図9(G)の線Aに示されるように、遮光層に遮られることなく、信号処理回路38’に対して斜めに太陽光が入射する場合がある。
【0015】
図10は、受光素子36’から出力される信号を信号処理回路38’で電圧値に変換した実測値と、受光素子36’へ入射した紫外線の強度を示す光電流との関係を表したものである。実測値例1は設計値と比較して特性がずれており、実測値例2は設計値と比較して線形性が失われている。この実測値例1及び実測値例2と設計値とのずれは、製造プロセス、温度、及び電源のバラツキとは無関係であり、遮光層に遮られることなく、信号処理回路38’に対して斜めに入射してくる太陽光が原因で信号処理回路の動作が不安定になるためと考えられる。また、遮光層に太陽光が照射されることで遮光層に浮遊電荷が生じ、当該浮遊電荷が遮光層に溜まることの影響で信号処理回路の動作が不安定になる場合もある。
【0016】
なお、このような、信号処理回路に対して斜めに入射してくる太陽光により生じる問題は、紫外線測定装置だけでなく、紫外線の波長領域とは異なる波長領域の光を測定するための信号処理回路にも生じる問題である。
【0017】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、信号処理部に対して斜めに入射することで遮光層により遮られない光によって、信号処理部の動作が不安定にならないようにし、且つ遮光層に照射される光によって生じる浮遊電荷の影響で信号処理部の動作が不安定にならないようにする半導体装置、光測定装置、光検出装置、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基板上に形成された受光部と、前記基板上に形成され、かつ前記受光部からの出力信号に基づいて処理を行う信号処理部と、前記信号処理部の上方に配置される遮光層と、前記遮光層の端部において前記遮光層と前記基板との間に形成され、かつ各々が離間して形成される複数の電気的接続部材とを有し、前記複数の電気的接続部材は、グランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続され、かつ前記信号処理部の外周を囲むように配置されていることを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の半導体装置によれば、信号処理部によって、受光部からの出力信号に基づいて処理が行われる。そして、遮光層が当該信号処理部の上方に配置され、複数の電気的接続部材が遮光層の端部において遮光層と前記基板との間に形成される。なお、複数の電気的接続部材は各々が離間して形成され、かつ信号処理部の外周を囲むように配置されている。また、当該複数の電気的接続部材は、グランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続される。
【0020】
このように、請求項1に記載の半導体装置によれば、信号処理部に対して斜めに入射することで遮光層により遮られず、信号処理部に達する光を電気的接続部材が遮るので、信号処理部に光が入射することで動作が不安定にならないようにできる。また、遮光層に光が照射されることによって、浮遊電荷が生じこれにより信号処理部の動作が不安定になる場合がある。しかし、遮光層に接続される電気的接続部材がグランドもしくは遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続されるので、浮遊電荷が遮光層に溜まることは無く浮遊電荷の影響で動作信号処理部が不安定にならないようにできる。
【0021】
なお、本発明は、請求項23に記載の発明のように、基板上に受光部、及び遮光層を備え前記受光部からの出力信号に基づいて処理を行う信号処理部を有する半導体装置の製造方法であって、前記受光層を構成する複数の第1の拡散層と、前記信号処理部を構成する複数のトランジスタのソースおよびドレインと、グランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に固定するための第2の拡散層とを、前記基板表面に同時に形成する工程と、前記第1及び第2の拡散層、前記ソース、および前記ドレインの夫々に電気的接続部材を同時に形成する工程と、前記第2の拡散層と前記電気的接続部材を介して電気的に接続される前記遮光層を形成する工程とを有し、前記複数の電気的接続部材は、前記信号処理部の外周を囲むように配置されることを特徴とする。
【0022】
請求項23に記載の半導体装置の製造方法によると、電気的接続部材を第1及び第2の拡散層、ソース、ドレインの夫々に同時に形成する工程、並びに第2の拡散層と電気的接続部材を介して電気的に接続される遮光層を形成する工程は、半導体装置のコンタクトプラグや配線層を形成する工程と共にできるので、電気的接続部材と遮光層とを従来の製造工程に比べ工程数を増やすことなく作製することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明した如く本発明によれば、信号処理部に対して斜めに入射することで遮光層により遮られない光によって、信号処理部の動作が不安定にならないようにし、且つ遮光層に照射される光によって生じる浮遊電荷の影響で信号処理部の動作が不安定にならないようにすることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態に係る、紫外線測定装置の外観図を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る、紫外線測定装置の電気系の要部構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る、遮光部材を有する光入射部の断面形状を、製造工程と共に示す図である。
【図4】本実施の形態に係る、受光素子、信号処理回路及びコンタクトプラグの位置関係を示す図である。
【図5】本実施の形態に係る、受光素子から出力される信号を遮光部材を有する信号処理回路で電圧値に変換した実測値と、受光素子へ入射した紫外線の強度を示す光電流との関係を示す図である。
【図6】第1の変形例に係る、遮光層がグランドレベル又は浮遊電荷を引き抜くことが可能な任意の電位レベルに接続される場合を示す図である。
【図7】第2の変形例に係る、最上層の配線層以外の配線層を遮光層として用いる場合の例を示す図である。
【図8】受光素子と信号処理回路とを有する半導体回路の上面図及び断面図である。
【図9】光入射部の断面形状を製造工程と共に示す図である。
【図10】受光素子から出力される信号を信号処理回路で電圧値に変換した実測値と、受光素子へ入射した紫外線の強度を示す光電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を紫外線の測定に適した場合の実施の形態例について説明する。
【0026】
図1に示すように、図1の紫外線測定装置10は、光入射部12を備えている。光入射部12は、紫外線を受光し、受光した紫外線の強度に基づいた信号を出力する。なお、光入射部12の詳細は後述する。
【0027】
また、紫外線測定装置10は、各種操作ボタンを備えている。操作ボタンのうち、電源ボタン14を押圧操作することにより、紫外線測定装置10の動作が開始される。そして、測定ボタン16を押圧操作することで、光入射部12に入射する太陽光のうち、紫外線の波長領域の受光量の測定が開始される。また、停止ボタン18を押圧操作することで、紫外線の測定が終了される。
【0028】
液晶表示部20には、測定された紫外線量が表示される。液晶表示部20は、UV−A領域の紫外線量、UV−B領域の紫外線量、及びUV Indexの値をデジタル表示する。
【0029】
図2(A)に、紫外線測定装置10の電気系の要部構成について示す。
【0030】
紫外線測定装置10は、光入射部12の他、CPU30、メモリ32、表示用ドライバ34、液晶表示部20を含んで構成されている。
【0031】
光入射部12は、SOI基板に形成されており、光入射部12には受光素子36、信号処理回路38、及び信号入出力用パッド40が設けられている。また、信号処理回路38の上面には遮光層42(図2(A)の一点鎖線で囲まれた斜線部分)が設けられている。なお、遮光層42を、信号処理回路38の上面だけでなく図2(B)に示されるように、受光素子36と信号入出力用パッド40が設けられた領域を避けて形成し、図2(A)に示される遮光層42に比べより広い範囲を遮光するようにとしてもよい。
【0032】
受光素子36は、紫外線の受光量に応じた光電流を発生し、発生した光電流を信号処理回路38へ出力する。信号処理回路38は、光電流を電圧に変換し変換した電圧を増幅し、その後ADCによりCPU30で処理が可能なようにデジタル信号に変換する。信号入出力用パッド40からは、受光素子36や信号処理回路38を動作させるための信号や電力が供給される。
【0033】
CPU30は、紫外線測定装置10の全体の制御を司り、また、所定の計算式を用いて変換後のデジタル信号から紫外線量を算出し、紫外線量を示す紫外線量データをメモリ32に記憶する。
【0034】
表示用ドライバ34は、メモリ32に記憶された紫外線量データを、液晶表示部20に表示できるように所定の処理を行い、数値やドット(絵)を表示するための表示回路などのLSIを介して、液晶表示部20に光入射部12に入射した紫外線量を表示させる。
【0035】
なお、光入射部12とCPU30、メモリ32、及び表示用ドライバ34等、これら全てを1チップ上に構成しても良い。
【0036】
次に、光入射部12の断面形状を、その製造工程と共に図3(A)乃至図3(G)に示す。
【0037】
図3(A)は、SOI基板であり、P型シリコン(Si)基板の上層に埋め込み酸化膜が形成され、さらにその上層にシリコン薄膜層が形成されている。
【0038】
受光素子36はSOI基板のシリコン薄膜層に形成される。受光素子36が形成されるシリコン薄膜層の厚さを、紫外線領域の太陽光のみを吸収し可視光領域等の太陽光を透過させる厚さにすることで、紫外線領域の光のみに感度を有する受光素子36とすることができる。
【0039】
そして、第1シリコン薄膜層に受光素子36を、第2シリコン薄膜層に信号処理回路38を各々形成するために最適な厚さとなるように、既知のフォトリソ・エッチングで第1シリコン薄膜層と第2シリコン薄膜層との厚さを調整する(図3(B))。なお、紫外線を吸収し且つ可視光線等を透過させる受光素子36とするために適した第1シリコン薄膜層の厚さは、例えば3nm〜36nmである。また、厚さ調整が必要のない場合は、本工程をスキップしてもよい。
【0040】
次に素子領域と素子領域以外とを電気的に絶縁するためのフィールド酸化膜領域を形成する酸化工程を行う。その後、受光素子36、及び信号処理回路38が形成される部分を低濃度拡散層(低濃度P型拡散層)にするためのインプラ工程を行い、さらに、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成する(図3(C))。なお、図3(C)には、低濃度P型拡散層が示されているが、本工程での低濃度拡散層は、N型(N)、P型(P)のインプラ工程を両方実施する。
【0041】
次に、高濃度N型拡散層を形成する(図3(D))。高濃度N型拡散層は、シリコン薄膜層にリン(P)や砒素(As)などのN型不純物を比較的高濃度に拡散させて形成された拡散層である。
【0042】
続いて、高濃度P型拡散層を形成する(図3(E))。高濃度P型拡散層は、シリコン薄膜層にボロン(B)などのP型不純物を比較的高濃度に拡散させて形成された拡散層である。
【0043】
受光素子36は、図3(C)から図3(E)に示される工程により、高濃度N型拡散層及び高濃度P型拡散層よりもインプラ濃度が低い拡散層(低濃度P型拡散層又は低濃度N型拡散層)が、横方向の一方で高濃度N型拡散層と接触し、もう一方で高濃度P型拡散層と接触するように配置される構造として形成される(ラテラルダイオード)。
【0044】
次に、図示しない層間膜形成後、第1配線層50Aと第1コンタクトプラグ52Aとを設ける(図3(F))。第1コンタクトプラグ52Aは、層間膜にコンタクトホールを形成した後にスパッタ法あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)法により導電材料を成膜することで、コンタクト孔内に導電材料を埋め込んで形成される。この様に形成された第1コンタクトプラグ52Aは、高濃度P型拡散層および高濃度N型拡散層とその後に形成される第1配線層50Aとを電気的に接続する。なお、導電材料としては、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、半導体基板にドープされたポリシリコン等が挙げられる。
【0045】
また、第1コンタクトプラグ52Aを形成するためにコンタクトホールに導電材料を埋め込む工程では、層間膜の上面にも導電材料が成膜されるため、第1コンタクトプラグ52Aを残しつつ層間膜の上面に成膜された導電材料をエッチング処理により導電材料を除去する。そして、その後に層間膜の上面に第1配線層50Aを形成する。
【0046】
第1配線層50Aを形成後、図示しない層間膜を形成し、第1コンタクトプラグ52Aと第1配線層50Aとの形成工程と同様にして、第2コンタクトプラグ52Bと第2配線層50Bとを形成する。さらに、第2配線層50Bを形成後、図示しない層間膜を形成し、第3コンタクトプラグ52Cと第3配線層50Cとを形成する。
【0047】
そして、さらに第1配線層50Aを形成後、図示しない層間膜を形成し、第4コンタクトプラグ52Dと遮光層42として用いる第4配線層50Dを形成する。この第4配線層50Dは、その上面から照射される太陽光を下面へ透過させないために金属層とする。そして、第4配線層50Dの上に、さらに層間膜を形成し、さらにその上面に紫外線を透過可能な紫外線透過保護膜56を形成する(図3(G))。
【0048】
なお、図3(F)、(G)に示される工程において、信号処理回路38に対して斜めに入射してくる太陽光に対する遮光性を高めるために、信号処理回路38を囲むように第1コンタクトプラグ52A、第2コンタクトプラグ52B、第3コンタクトプラグ52Cを設ける。なお、第1コンタクトプラグ52A、第2コンタクトプラグ52B、第3コンタクトプラグ52Cについて、第1、第2、第3を区別する必要がない場合は、第1、第2、第3及びA、B、Cを省略し、単にコンタクトプラグ52と言う。また、第1配線層50A、第2配線層50B、第3配線層50C、第4配線層50D、についても、第1、第2、第3、第4を区別する必要がない場合は、第1、第2、第3、第4及びA、B、C、Dを省略し、単に配線層50と言う。
【0049】
コンタクトプラグ52は、遮光層42となる第4配線層50Dが高濃度拡散層と電気的に接続されるように設ける。図3(G)では、第4配線層50Dと接続されているコンタクトプラグ52が、高濃度N型拡散層に接続されている。コンタクトプラグ52が接続されている高濃度N型拡散層の電位レベルがグランドレベルの場合、第4配線層50Dの電位レベルは、コンタクトプラグ52を介してグランドレベルとなる。また、コンタクトプラグ52が接続されている高濃度N型拡散層の電位レベルが第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルの場合、第4配線層50Dの電位レベルは、コンタクトプラグ52を介して第4配線層に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとなる。なお、第4配線層に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルは図示しない電源によって任意に設定することができる。
【0050】
なお、本製造工程では、コンタクトプラグ52並びに配線層50を形成するときに層間膜の上面に成膜される導電材料をエッチングにより除去しているが、層間膜の上面に成膜される導電材料を配線層50を形成するのに十分な量とし、エッチングにより除去せずにそのまま配線層50として用いても良い。こうすることで、コンタクトプラグ52と配線層50を同時に形成することができ、コンタクトプラグ52を形成するときに層間膜の上面に成膜される導電材料を除去する工程を省くことができる。
【0051】
次に、受光素子36、信号処理回路38及びコンタクトプラグ52の位置関係を図4(A)に示す。図4(A)の上の図が光入射部12の断面図であり、下の図がコンタクトプラグ52の配置位置を示す模式図である。なお、図4(A)の下の図において、受光素子36、信号処理回路38に設けられるコンタクトプラグ52は、省略する。
【0052】
図4(A)に示されるように、コンタクトプラグ52は、信号処理回路38を囲む様に配置される。なお、コンタクトプラグ52は、受光素子36と信号処理回路38とを接続する配線を遮断しないように設けられている。
【0053】
図4(B)乃至図4(D)は、図4(A)の受光素子36と信号処理回路38との間の破線で囲まれた部分を拡大して示した図である。
【0054】
図4(B)の配置例では、コンタクトプラグ52が1列のみ配置されている。この場合は、図4(B)の線Aや線Bのように入射してくる一部の太陽光は遮光されずに信号処理回路38に達してしまう。また、コンタクトプラグ52から信号処理回路38の距離を短くすると、光入射部12の大きさを小さくすることができるが、コンタクトプラグ52で遮光できなかった太陽光による信号処理回路38に対する影響が大きくなる。そのため、信号処理回路38の動作への太陽光の影響が強いほど、複数列にコンタクトプラグ52を配置することが考えられる。
【0055】
図4(C)の配置例では、コンタクトプラグ52が2列配置された構造となっている。この構造の場合は、コンタクトプラグ52が1列のみ配置されている場合に比べ、図4(C)の線Bの様に角度を有して入射してくる太陽光をより多く遮光することができる。
【0056】
図4(D)の配置例は、3列のコンタクトプラグ52が基板面に対して千鳥格子状に立設された配置となっている。このような配置の場合は、図4(B)、(C)では遮光することができなかった線A、Bのように入射してくる太陽光も遮光することができる。図4(D)では、遮光層の端部に沿って3列のコンタクトプラグ52を千鳥格子状に配列しているが、これに限らず2列のコンタクトプラグ52を千鳥格子状に配列するものとしても良い。
【0057】
上述の図4に示している遮光の役目をする配線及びコンタクトプラグ52は、受光素子36及び信号処理回路38に対して寄生容量となりうるが、信号処理の遅延等に影響のない構成をしている。
【0058】
なお、コンタクトプラグ52の径(四角形の場合は1辺)をD(μm)、コンタクトプラグ52間の最小間隔をS(μm)とした場合、DはSより大きいことが好ましい。
【0059】
以上のように、受光素子36と受光素子36から出力される信号を処理する信号処理回路38とがSOI基板上に形成された光入射部12において、信号処理回路38上の配線層のうち最上層を、太陽光を遮光する遮光層42とし、遮光層42と接続される複数のコンタクトプラグ52が遮光層の端部に沿ってSOI基板の厚さ方向に積層される。そのため、信号処理回路38に対して斜めに入射することで遮光層42により遮ることができない太陽光を遮光することができ、信号処理回路38の動作が太陽光の影響を受けて不安定にならないようにすることができる。
【0060】
また、遮光層42は、コンタクトプラグ52と電気的に接続されている。そのため、遮光層42は、コンタクトプラグ52を介してグランドレベル又は、遮光層42に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な任意の電位レベルとされ、遮光層42に生じる浮遊電荷を逃がすことができ、浮遊電荷が遮光層42に溜まることが無くなり浮遊電荷が信号処理回路38に影響を与えることが無くなる。
【0061】
また、受光素子36と信号処理回路38とを製造する工程で作製されるコンタクトプラグ52を、遮光部材として用いるため、遮光部材を従来の製造工程を用いて簡易に作製することができる。
【0062】
ここで、図5に、受光素子36から出力される信号を信号処理回路38で電圧値に変換した実測値と、受光素子36に入射した紫外線の強度を示す光電流との関係を表す。図5の、遮光部材無し実測値例1及び遮光部材無し実測値例2とは、図10で説明したように、設計値からのずれが生じている。しかし、遮光部材有り実施例は、遮光部材無し実測値例1、2に比べ設計値からのずれが小さく、また受光素子36から出力される光電流と信号処理回路38で変換された後の電圧値との関係も直線性を示し、遮光部材による遮光の効果を確認することができる。
【0063】
(第1の変形例)
上記実施の形態では、遮光層42である第4配線層50Dと接続されているコンタクトプラグ52を、電位レベルがグランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる高濃度N型拡散層に接続される場合を説明したが、これとは異なる接続方法により第4配線層50Dの電位レベルを、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとしても良い。
【0064】
ここで、図6に、第4配線層50Dの電位をグランドレベル又は浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルにする場合の変形例を示す。
【0065】
図6(A)に示される光入射部12の線A−Aの断面図を、図6(B)乃至(D)に示す。図6(B)乃至(D)は、各々異なる接続方法で、第4配線層50Dの電位をグランド(GND)レベル又は第4配線層50Dの浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとしている。
【0066】
図6(B)では、第4配線層50Dに接続されているコンタクトプラグ52が、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる高濃度N型拡散層に接続されており、且つ第1配線層50Aを介して受光素子36の第1コンタクトプラグ52Aと接続されている。受光素子36の前記第1コンタクトプラグ52Aは、高濃度P型拡散層に接続されている。この高濃度P型拡散層の電位レベルは、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる。これにより、第4配線層50Dに生じる浮遊電荷の引き抜きをより強化することができる。
【0067】
図6(C)は、第4配線層50Dに接続されているコンタクトプラグ52に接続される高濃度N型拡散層の電位が、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされていない場合である。この場合は、第1配線層50Aを介して信号処理回路38における第1コンタクトプラグ52Aと接続される。前記第1コンタクトプラグ52Aは、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる高濃度N型拡散層、又は高濃度P型拡散層に接続されている(図6(C)では高濃度N型拡散層に接続)。これにより、第4配線層50Dと接続されるコンタクトプラグ52が直接、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる拡散領域に接続されていなくても、第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜きくことができる。
【0068】
図6(D)では、第4配線層50Dに接続されているコンタクトプラグ52が、グランドレベル又は第4配線層50Dに生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる高濃度N型拡散層に接続しており、且つ第1配線層50Bを介して受光素子36の第1コンタクトプラグ52Aと、信号処理回路38の第1コンタクトプラグ52Aと接続される。これにより、第4配線層50Dに生じる浮遊電荷の引き抜きをより強化することができる。
【0069】
(第2の変形例)
本実施の形態では、配線層50を4層とし、遮光層42を第4配線層50Dとし第3配線層50C以下を信号線としているが、これに限られず、複数の配線層50のうち最上層を遮光層42とすれば良く、例えば、配線層50を5層とし第5配線層を遮光層42とする場合は、第4配線層50D以下を信号線として使用される配線層50とする。また、例えば、配線層50を3層とし第3配線層を遮光層42とする場合は、第2配線層50B以下を信号線として使用される配線層50とする。
【0070】
ここで、図7に、配線層が4層で第4配線層50D以外の配線層50も遮光層42とする場合の変形例を示す。
【0071】
図7(A)に示される光入射部12の線A−Aの断面図を、図7(B)、(C)に示す。
【0072】
図7(B)では、第4配線層50Dの他に第3配線層50Cが、遮光層42とされている。この場合、遮光層42となる第4配線層40Dと第3配線層50Cとの間の第4コンタクトプラグ52Dを、図3(B)乃至(D)に示されるように遮光層の端部に沿って複数本設けることで、信号処理回路38に入射してくる太陽光を遮光する。
【0073】
また、図7(C)では、第4配線層50Dの他に第2配線層50Bが、遮光層42とされている。この場合、遮光層42となる第4配線層40Dと第2配線層50Bとの間の第3コンタクトプラグ52C、第4コンタクトプラグ52Dを、図3(B)乃至(D)に示されるように複数本設けることで、信号処理回路38に入射してくる太陽光を遮光する。
【0074】
なお、図7(B)、(C)では、特に図示していないが、遮光層42とされる各配線層に接続されるコンタクトプラグ52は、グランドレベル又は遮光層42に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとされる高濃度N型拡散層に接続される。しかし、これに限らず、図7(B)、(C)の遮光層42の電位レベルをグランドレベル又は遮光層42に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な電位レベルとするための接続関係を図6(B)乃至(D)に示されるような接続関係としても良い。
【0075】
また、本実施の形態、第1の変形例、及び第2の変形例では、遮光層42を遮光専用の層としているが、遮光層42にも信号線を形成し、そして信号線と電気的に接触しないように金属膜を形成しても良い。なお、配線層の信号線のうち、グランドレベル又は遮光層42に生じる浮遊電荷を引き抜くことが可能な任意の電位レベル等に接続される信号線以外は、遮光層42と接続されないようにする。また、最上層の遮光層42は、例えば、レーザーを使用したトリミングのために遮光層42の一部を開口しても良い。この場合、信号処理回路38が開口部から斜めに入射してくる太陽光の影響を受けないようにするために、この開口部端で配線層50及びコンタクトプラグ52を用いて遮光を行う。さらに、開口部の直下やその付近には、光照射による特性の変化の大きなトランジスタ等を配置しないようにする。
【0076】
さらに、本実施の形態、第1の変形例、及び第2の変形例では、光入射部12に紫外線透過保護膜56を設けているが、光入射部12に紫外線透過保護膜56を設けない構造としてもよい。
【0077】
また、本実施の形態、第1の変形例、及び第2の変形例では、光入射部12が構成される基板を、シリコン基板の表面に絶縁層としてシリコン酸化膜層が形成され、当該シリコン酸化膜層の表面にシリコン薄膜層が形成されるSOI基板として説明したが、絶縁層としてのサファイア基板上にシリコン薄膜層を形成したSOS(Silicon On Sapphire)構造や、絶縁層としてのクオーツ基板上にシリコン薄膜層を形成したSOQ(Silicon On Quartz)構造の基板としてもよい。また、光入射部12が構成されるシリコン基板を、SOI基板等の絶縁層を有するシリコン基板ではなく、シリコン単結晶のみで構成されるバルク基板としても良い。この場合、バルク基板上に形成される受光素子36は、紫外線領域の光以外に可視光領域の光等にも感度を有するため、受光素子36の上方に紫外線領域以外の太陽光を遮光するフィルターを設ける構造とする。そして、信号処理回路38に対して遮光層42と遮光部材とを設け、前記フィルターを透過する紫外線領域の太陽光と一部の可視光領域及び赤外線領域の太陽光とが信号処理回路38に入射しないようにする。
【0078】
また、本実施の形態、第1の変形例、及び第2の変形例では、光入射部12を受光素子36に入射した紫外線量を測定する紫外線測定装置10に用いているが、光入射部12を紫外線検出装置に用いても良い。紫外線検出装置は、受光素子36への紫外線の入射の有無を検出し、その結果を表示部に表示する。より具体的には、制御部が受光素子36に紫外線が入射したことにより出力される信号を信号処理回路38が処理し、信号処理回路38により処理された信号に基づいて、受光素子36に紫外線が入射したか否かを表示部に表示させるように制御部が表示部を制御する。
【符号の説明】
【0079】
10 紫外線測定装置
12 光入射部(半導体装置)
36 受光素子(受光部)
38 信号処理回路(信号処理部)
42 遮光層
52 コンタクトプラグ(電気的接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された受光部と、
前記基板上に形成され、かつ前記受光部からの出力信号に基づいて処理を行う信号処理部と、
前記信号処理部の上方に配置される遮光層と、
前記遮光層の端部において前記遮光層と前記基板との間に形成され、かつ各々が離間して形成される複数の電気的接続部材とを有し、
前記複数の電気的接続部材は、グランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続され、かつ前記信号処理部の外周を囲むように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数の電気的接続部材は、前記遮光層の端部に沿って1列に配置されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の電気的接続部材は、前記遮光層の端部に沿って複数列に配置されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記遮光層の端部に沿って複数列に配置される前記複数の電気的接続部材は、千鳥格子状に配置されることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の電気的接続部材は、前記受光部においてグランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続されると電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の電気的接続部材は、前記信号処理部においてグランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続されると電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の電気的接続部材は、前記受光部および前記信号処理部においてグランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に接続されると電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方に形成される複数の配線層のうち最上層で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方に形成される複数の配線層のうち中間配線層で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方に形成される複数の配線層のうち最上層及び中間配線層で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
前記電気的接続部材は、前記基板の厚さ方向に複数個積層されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記電気的接続部材は、コンタクトプラグであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項13】
前記コンタクトプラグは、タングステン、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、ドープされたポリシリコンの少なくとも一つから選ばれた材料からなることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記コンタクトプラグがこのコンタクトプラグと接続される配線層と同じ材料で一体化形成されていることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項15】
前記コンタクトプラグ及び配線層は、タングステン、銅、アルミニウム、アルミニウム合金の少なくとも一つから選ばれた材料からなることを特徴とする請求項14記載の半導体装置。
【請求項16】
前記基板は、シリコン層を有するSOI基板であり、前記受光部および前記信号処理部が前記シリコン層に形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項17】
前記受光部の前記シリコン層は、紫外線の波長帯域の光のみを吸収できるように膜厚を設定されることを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
【請求項18】
前記シリコン層の膜厚は、3nm〜36nmであることを特徴とする請求項17記載の半導体装置。
【請求項19】
前記基板はバルク基板であり、前記受光部の上方に紫外線の波長帯域の光のみを透過させるフィルターを備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項20】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方を完全に覆って形成されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置の前記受光部に入射した光量を表示する表示手段と、
前記半導体装置からの出力信号に基づいて前記受光部に入射した光量を表示するように前記表示手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする光測定装置。
【請求項22】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置の前記受光部への光の入射の有無を表示する表示手段と、
前記半導体装置からの出力信号に基づいて前記受光部への光の入射の有無を表示するように前記表示手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする光検出装置。
【請求項23】
基板上に受光部、及び遮光層を備え前記受光部からの出力信号に基づいて処理を行う信号処理部を有する半導体装置の製造方法であって、
前記受光層を構成する複数の第1の拡散層と、前記信号処理部を構成する複数のトランジスタのソースおよびドレインと、グランドもしくは前記遮光層に生じる浮遊電荷を引き抜くのに十分な電位に固定するための第2の拡散層とを、前記基板表面に同時に形成する工程と、
前記第1及び第2の拡散層、前記ソース、および前記ドレインの夫々に電気的接続部材を同時に形成する工程と、
前記第2の拡散層と前記電気的接続部材を介して電気的に接続される前記遮光層を形成する工程とを有し、
前記複数の電気的接続部材は、前記信号処理部の外周を囲むように配置されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記受光部および前記信号処理部に夫々形成される電気的接続部材の寸法は実質的に同一であることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記第2の拡散層を前記信号処理部の端部に形成することを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記第2の拡散層に形成される複数の前記電気的接続部材はその上面で配線と共通接続されていることを特徴とする請求項25記載の半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記複数の電気的接続部材は、前記遮光層の端部に沿って1列に配置されることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項28】
前記複数の電気的接続部材は、前記遮光層の端部に沿って複数列に配置されることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項29】
前記遮光層の端部に沿って複数列に配置される前記複数の電気的接続部材は、千鳥格子状に配置されることを特徴とする請求項28記載の半導体装置の製造方法。
【請求項30】
前記遮光層は、前記信号処理部の複数の配線層のうち最上層であることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項31】
前記遮光層は、前記信号処理部の複数の配線層のうち中間配線層であることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項32】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方に形成される複数の配線層のうち最上層及び中間層で形成されていることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項33】
前記電気的接続部材は、前記コンタクトプラグとして形成されることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項34】
前記コンタクトプラグは、タングステン、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、ドープされたポリシリコンの少なくとも一つから選ばれた材料からなることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項35】
前記基板は、シリコン層を有するSOI基板であり、前記受光部および前記信号処理部が前記シリコン層に形成されることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項36】
前記基板はバルク基板であり、前記受光部の上方に紫外線の波長帯域の光のみを透過させるフィルターが形成されることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項37】
前記遮光層は、前記信号処理部の上方を完全に覆って形成されていることを特徴とする請求項23乃至36のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−109603(P2012−109603A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25445(P2012−25445)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2007−113422(P2007−113422)の分割
【原出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】