説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】可溶性でありながら安定性を有する有機半導体材料を用いることで簡便な手法での製造が可能でかつ特性が良好で信頼性の高い半導体装置を提供する。
【解決手段】ゲート電極3、ゲート絶縁膜5、ソース7s、ドレイン7d、およびソース7s−ドレイン7d間のチャネル層を構成する半導体薄膜9を有し、下記一般式(1)に示す有機半導体材料を用いてソース7s−ドレイン7d間のチャネル層を構成してなる有機薄膜トランジスタ(半導体装置)1である。


ただし、一般式(1)中において、X1〜X4は硫黄(S)であり、R1およびR2の少なくとも一方は溶解性を得るためのアルキル基を有する置換基であり、互いに連結して環を形成していても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特にはテトラチアフルバレン系化合物の誘導体からなる有機半導体材料を用いた半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機半導体材料を用いた半導体装置に関する研究が盛んに行われてきており、その性能も実用化レベルまであと一歩というところまで到達している。現在、この半導体装置に用いるチャネル材料としては、ペンタセンとよばれる縮合芳香族化合物が最高の性能を示すことが報告されている。
【0003】
また、高いキャリア移動度を示す材料として、ペンタセン誘導体の1つであるヘキサチオペンタセンが示され、さらに他の構成としてビス(メチレンジチオ)テトラチアフルバレン(BMDT−TTF)やこれにアルキル基を導入したTTF誘導体が開示されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−5036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したヘキサチオペンタセンは、溶媒に不溶であるため、スピンコートやインクジェットといった塗布プロセスを用いての成膜およびパターニングを行うことができない。このため、高真空下でペンタセンを昇華させて基板に蒸着させるプロセスが必要となり、製造装置の大型化および製造コストの上昇を引き起こす要因となっている。
【0006】
一方、アルキル基を導入したBMDT−TTF誘導体は、溶媒に対する溶解性はあるものの、光の存在下、大気中で不安定で容易に酸化されてしまうという欠点がある。これは、TTF誘導体を実用化デバイス材料として考えたとき、プロセス中の歩留まりを低下させるだけではなく、TTF誘導体を用いて作製された半導体装置の特性劣化による信頼性の低下を引き起こす要因となる。
【0007】
そこで本発明は、可溶性でありながら構造安定性を有する有機半導体材料を提供すること、およびこの半導体材料を用いることで簡便な手法での製造が可能でかつ特性が良好で信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明の半導体装置は、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース、ドレイン、および当該ソース−ドレイン間のチャネル層を有し、下記一般式(1)に示す有機半導体材料を用いてチャネル層を構成したものである。
【化3】

【0009】
上記一般式(1)中において、X1〜X4はそれぞれ独立にカルコゲン原子を示し、特に硫黄(S)である。また、R1およびR2の少なくとも一方は溶解性を得るためのアルキル基を有する置換基であり、互いに連結して環を形成していても良い。また本発明は、このような半導体材料を用いて構成された半導体装置の製造方法でもあり、この半導体材料を用いたチャネル層を塗布プロセスによって形成する。
【0010】
このような半導体材料は、主骨格となる部分を構成するテトラチアフルバレン系骨格が強力な電子供与体であるため、キャリア移動度が高く、この有機半導体材料を用いて構成された半導体薄膜は良好な特性を示すものとなる。また、電子吸引性の大きなチアジアゾール環を、テトラチアフルバレン系骨格に対して縮合させたことにより、大気に対する安定性が大幅に向上する。しかも、溶解性を担う置換基を合わせて導入することにより有機溶媒への溶解性が向上するため、塗布法による半導体薄膜の成膜が可能になる。
【発明の効果】
【0011】
したがって、可溶性でありながら大気に対する安定性を有する本発明の有機半導体材料を用いることにより、塗布プロセスを適用した簡便な手法を適用した製造が可能で、かつ特性が良好で信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の半導体装置を電界効果型の有機薄膜トランジスタに適用した一構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)のクロロホルム溶液を用いてスピンコート法によって成膜した半導体薄膜のXRDの測定結果を示す図である。
【図3】本発明の構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)からなる半導体薄膜をチャネル層とした有機薄膜トランジスタおよび比較例のVg−Id特性を示す図である。
【図4】本発明の構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)からなる半導体薄膜をチャネル層とした有機薄膜トランジスタについての1週間放置前後のVg−Id特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を有機半導体材料、その合成方法、これを用いた半導体装置の順に説明する。
【0014】
<有機半導体材料>
以上一般式(1)で示される有機半導体材料のより具体的な構成を、下記一般式(2)〜(7)に示す。尚、これらの一般式(2)〜(7)においては、一般式(1)中のX1〜X4のカルコゲン原子が硫黄(S)であるテトラチアフルバレン(C644:TTF)誘導体を示している。
【化4】

【0015】
これらの一般式(2)〜(7)に示す有機半導体材料は、TTF骨格の2,3位にチアジアゾール環が縮合され、かつTTF骨格の6,7位の少なくとも一方に溶解性を得るための置換基が修飾された構造である。これら一般式(2)〜(7)中におけるnは1以上の整数である。また一般式(2)におけるmは0以上の整数である。また、これらのn,mは、本有機半導体材料としてのTTF誘導体が溶剤に可溶となる範囲の整数であることとする。
【0016】
上記一般式(2)においては、溶解性をもたらす置換基として、TTF骨格の6,7位の少なくとも一方に、アルキル基が修飾されている。また6,7位のうち、アルキル基が修飾されない位置の水素は、ハロゲンで置換されていても良い。
【0017】
上記一般式(3)においては、溶解性をもたらす置換基として、TTF骨格の6,7位に、アルキルメチレンジチオ基が修飾されている。同様に、一般式(4)においてはアルキルエチレンジチオ基が修飾され、一般式(5)においてはアルキルプロピレンジチオ基が修飾され、一般式(6)においてはアルキルピロール基が修飾され、一般式(7)においてはチオアルキル基が修飾されている。
【0018】
また以上の一般式(2)〜(7)で示される末端のアルキル基部分は、直鎖であっても分岐していても良い。またこれらのアルキル基の水素は、さらにハロゲンで置換されていても良い。
【0019】
特に一般式(3)〜(5)においてTTF骨格の6,7位に導入した溶解性をもたらす置換基においては、同一置換位置に2つのアルキル基が導入されていても良く、このような構成の化合物も、本発明の有機半導体材料として例示される。この場合、同一置換位置に導入される2つのアルキル基は、それぞれ異なる炭素数であっても良い。
【0020】
以上で示されるTTF誘導体からなる本発明の有機半導体材料は、主骨格であるTTFが強力な電子供与体であるため、キャリア移動度が高く、この有機半導体材料を用いて構成された半導体薄膜は良好な特性を示すものとなる。また、電子吸引性の大きなチアジアゾール環を縮合させたことにより、TTFの大気に対する安定性が大幅に向上し、酸化され難い材料となっている。これにより、特性が良好で信頼性の高い有機半導体装置を得ることができる。
【0021】
しかも、末端にアルキル基を有することにより、溶解性を担う置換基が合わせて導入された構成となっており、有機溶媒への溶解性が向上する。これにより、塗布法による半導体薄膜の成膜が可能になる。
【0022】
この結果、可溶性でありながら大気に対する安定性を有する本発明の有機半導体材料を用いることにより、塗布プロセスを適用した簡便な手法を適用した製造が可能で、かつ特性が良好で信頼性の高い半導体装置を得ることが可能である。
【0023】
尚、以上の一般式(2)〜(7)については、カルコゲン原子として硫黄(S)を用いた有機半導体材料を例示した。しかしながら、本発明の有機半導体材料は、上記一般式(1)中のX1〜X4が、それぞれ独立に酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)等のカルコゲン原子である、いわゆるTTF系骨格に対して、その2,3位にチアジアゾール環が縮合され、かつTTF系骨格の6,7位の少なくとも一方に溶解性を得るための置換基が修飾された構造であれば良い。
【0024】
このような例として、例えば一般式(1)中のX1〜X4をセレン(Se)としたTSeF(C64Se4)誘導体や、一般式(1)中のX1〜X4をテルル(Te)としたTTeF(C64Te4)誘導体などが示される。そして、これらの誘導体の具体例としては、一般式(2)〜(7)中におけるTTF骨格中の4つの硫黄(S)を、セレン(Se)またはテルル(Te)に置き換えた構成が示される。
【0025】
またこれ以外にも、X1〜X4が、さらに異なるカルコゲン原子であっても良く、さらにX1〜X4のそれぞれが異なるカルコゲン原子であっても良い。
【0026】
このような化合物は、全て一般式(1)で示されるTTF系化合物の誘導体であり、同様の効果を得ることが可能である。
【0027】
<有機半導体材料の合成方法>
以上のような構成のTTF系化合物の誘導体からなる本発明の有機半導体材料の合成方法は、下記合成式(1)に示される。
【化5】

【0028】
TTF系化合物の誘導体の合成は、合成式(1)に示すように、先ず、化合物Aを出発物質として、化合物A-1および化合物A-2を経て化合物A-3を合成する。そして、この化合物A-3と、溶解性をもたらす置換基が修飾された化合物Bとを縮合反応させる。そして、最終反応物をシリカゲルカラムを用いて精製することにより、構造式(1)に示す構造(C3MDT-TDz-TTF)の有機半導体材料が、目的物として50%程度の収率で得られる。尚、構造式(1)は、上記一般式(3)で示したTTF誘導体におけるアルキル基[Cn2n+1]を、プロピル基としたものである。
【0029】
また、一般式(2)〜(7)に示した他のTTF誘導体を合成する場合には、上記合成式(1)に示した化合物Bを、それぞれの溶解性をもたらす置換基が修飾された化合物(チオン)Bに置き換えれば良い。
【0030】
<半導体装置>
図1は、上記有機半導体材料を用いた半導体装置の一例を示す断面図である。この図に示す半導体装置は、電界効果型の有機薄膜トランジスタ1であり、p+ポリシリコンからなるゲート電極3上に、ゲート絶縁膜5が成膜されている。そして、このゲート絶縁膜5上に、ソース7sとドレイン7dとがパターン形成され、このソース7s−ドレイン7d間に上記有機半導体材料からなる半導体薄膜9がチャネル層として設けられている。
【0031】
このような半導体装置(有機薄膜トランジスタ)1の製造において、半導体薄膜9の形成は、蒸着成膜によって行うことができる他、溶剤に可溶である上記有機半導体材料を用いていることから塗布成膜を適用することができる。
【0032】
塗布成膜を行う場合には、上記有機半導体材料を溶剤に溶解させた塗布液を調整する。溶剤としては、一般的な有機溶媒が用いられ、例えばトルエン、キシレン等メチル置換ベンゼン、ジクロロベンゼン等クロル置換ベンゼン、クロロホルム、テトラリン、デカリン等が使用される。これにより、スピンコート法やインクジェット法、さらには印刷法などの塗布プロセスにより、有機半導体材料からなる半導体薄膜9を、全面または一部にパターン形成することができる。
【0033】
このように有機半導体材料からなる半導体薄膜9を、蒸着成膜と比較してより簡便な塗布成膜によって形成することが可能となった。これにより、この半導体薄膜9を備えた半導体装置1の製造コストの低減を図ることが可能になる。そして、大面積の基板上への半導体薄膜9の形成も、上記塗布成膜によって簡便にかつ低コストで行うことが可能になることから、例えば表示領域に薄膜トランジスタアレイが設けられた大面積の表示装置の製造においても、工程の簡略化とコストの低減を図ることが可能になる。
【0034】
また、上述した本発明の有機半導体材料は、大気中での安定性も良好であることから、これを用いた有機薄膜トランジスタ1の劣化が抑えられ、素子特性の維持と信頼性の向上を図ることが可能である。さらに、本発明の有機半導体材料は、キャリア移動度が高い材料であることから、この有機半導体材料を用いて構成された半導体薄膜9は良好な特性を示すものとなる。
【0035】
また、下記実施例に示すように、いわゆるTTF系骨格に対してチアジアゾール環を縮合させたことにより、この有機半導体材料を用いた半導体薄膜に対して、電圧の印加(オン)、無印加(オフ)状態においての電流値のオン−オフ比に高い値が得られることが判った。これにより、この有機半導体材料をチャネル層として用いた半導体装置におけるチャネル性能の向上を図ることが可能である。
【0036】
尚、本発明の有機半導体材料からなる半導体薄膜(チャネル層)9を備えた電界効果型の有機薄膜トランジスタ1としては、図1に示したボトムゲート・ボトムコンタクト型に限定されることはなく、ボトムゲート・トップコンタクト型、トップゲート・ボトムコンタクト型、さらにはトップゲート・トップコンタクト型が示される。これらの有機薄膜トランジスタにおいては、各チャネル層を構成する半導体薄膜9を、塗布成膜によって形成したものとすることができる。
【0037】
また、本発明の有機半導体材料を用いた半導体装置は、電界効果型の有機薄膜トランジスタに限定されることはなく、有機半導体材料を用いて構成される半導体装置に広く適用可能である。特に、有機半導体材料からなる半導体薄膜を備えた半導体装置のうち、半導体薄膜における薄膜面に沿った方向にキャリアを移動させる構成の半導体装置に好ましく適用され、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【実施例】
【0038】
1)イオン化ポテンシャルの算出
本発明の有機半導体材料の大気中での安定性を確認するために、下記表1のように、酸化耐性を示すイオン化ポテンシャル(IP)を算出した。イオン化ポテンシャル(IP)の算出は、Gaussian03の密度汎関数法(B3LYP)により行い、基底関数系としては6-31G(d,p)を用いた。
【表1】

【0039】
尚、酸化耐性にはアルキル基は関与しないため、上記構造式(1)において、溶解性をもたらす置換基としてのアルキル基[Cn2n+1]が導入されていない構造式(1)’についてのイオン化ポテンシャルを算出した。また、比較例として、チアジアゾール環が縮合されていない構造式(2)および構造式(3)のTTF誘導体についてイオン化ポテンシャルを算出した結果も合わせて示す。
【0040】
上記表1から明らかなように、チアジアゾール環が縮合されたTTF誘導体[構造式(1)’]のイオン化ポテンシャル(IP)は、他のTTF誘導体[構造式(2),(3)]のイオン化ポテンシャル(IP)よりも大きい値を示した。これにより、TTF系骨格にチアジアゾール環を縮合させた本発明の有機半導体材料は、酸化耐性が高く大気中での安定性が良好であることが確認された。
【0041】
2)薄膜物性
本発明の有機半導体材料の溶解性を確認するために、上記構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)のクロロホルム溶液を用い、スピンコート法によって半導体薄膜を成膜し、この半導体薄膜についてXRDを測定した。この結果を図2に示す。図2に示すように、15.88Åの面間隔(001)に対応する鋭い回折ピークが観測された(x線波長λ=1.54Å)。これにより、本発明の有機半導体材料が高い溶解性を持つ結果として、溶液を用いた塗布プロセスにより配向性の高い薄膜が形成されていることが確認された。尚、このXRD測定によって得られた面間隔(001)は、分子の長軸方向の長さとほぼ等しくなっており、分子長軸が基板に対して垂直に配向していることを示している。
【0042】
3)素子特性−1
本発明の有機半導体材料のキャリア移動度を確認するために、上記構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)からなる半導体薄膜をチャネル層として用いた有機薄膜トランジスタ(図1参照)を作製し、ゲート電圧(Vg)−ドレイン電流(Ig)特性を測定した。また比較例として、チアジアゾール環が縮合されていない構造式(2)および構造式(3)’[構造式(3)にプロピル基を導入した構造]を用いた有機薄膜トランジスタについて、同様の測定を行った。この結果を図3に示す。
【0043】
図3から明らかなように、本発明のチアジアゾール環が縮合されたTTF誘導体[構造式(1)]を用いた有機薄膜トランジスタは、他のTTF誘導体[構造式(2),(3)’]を用いた有機薄膜トランジスタと比較して、非常に大きなオン/オフ比(105〜106)を示しチャネル特性が良好であることが確認された。また、本発明のチアジアゾール環が縮合されたTTF誘導体[構造式(1)]を用いた有機薄膜トランジスタにおけるキャリア移動度は0.02〜0.03cm2/Vsであった。この結果から、本発明の有機半導体材料が、酸化に対して安定であることが確認された。また図3に示した結果は、先に示したイオン化ポテンシャル(IP)の算出結果と一致している。
【0044】
4)素子特性−2
上記構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)からなる半導体薄膜をチャネル層として用いた有機薄膜トランジスタを、大気中に1週間放置した後のゲート電圧(Vg)−ドレイン電流(Ig)特性を測定した。図4には、放置前の値をInitialとし、1週間放置後の値(1week later)と合わせて示す。
【0045】
図4から明らかなように、構造式(1)のTTF誘導体(C3MDT-TDz-TTF)からなる半導体薄膜をチャネル層として用いた有機薄膜トランジスタは、大気中に1週間放置しても放置前とほぼ同等にキャリア移動度とオン−オフ比が維持されることが確認された。この結果からも、本発明の有機半導体材料が、大気による酸化に対して安定であることが確認された。
【符号の説明】
【0046】
1…有機薄膜トランジスタ(半導体装置)、7s…ソース、7d…ドレイン、9…半導体薄膜(チャネル層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース、ドレイン、および当該ソース−ドレイン間のチャネル層を有し、
下記一般式(1)に示す有機半導体材料を用いて前記ソース−ドレイン間のチャネル層を構成してなる
半導体装置。
【化1】

ただし、一般式(1)中において、X1〜X4は硫黄(S)であり、R1およびR2の少なくとも一方は溶解性を得るためのアルキル基を有する置換基であり、互いに連結して環を形成していても良い。
【請求項2】
前記有機半導体材料からなる半導体薄膜を備え、当該半導体薄膜における薄膜面に沿った方向にキャリアを移動させる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記一般式(1)中のR1,R2は、アルキル基、アルキルメチレンジチオ基、アルキルエチレンジチオ基、アルキルプロピレンジチオ基、アルキルピロール基、またはチオアルキル基である
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース、ドレイン、および当該ソース−ドレイン間のチャネル層を有し、下記一般式(1)に示す有機半導体材料を用いて前記チャネル層を構成してなる半導体装置の製造方法であって、
前記チャネル層の形成は、塗布プロセスによって行う
半導体装置の製造方法。
【化2】

ただし、一般式(1)中において、X1〜X4は硫黄(S)であり、R1およびR2の少なくとも一方は溶解性を得るためのアルキル基を有する置換基であり、互いに連結して環を形成していても良い。
【請求項5】
前記塗布プロセスは、スピンコート法、インクジェット法、および印刷法の何れかである
請求項4記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−260360(P2009−260360A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118167(P2009−118167)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【分割の表示】特願2006−180688(P2006−180688)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】