説明

半導体装置の検査用ソケット

【課題】電極から確実に酸化膜及び有機物を除去することができる、半導体装置の検査用ソケットを提供する。
【解決手段】第1方向に沿って伸びる貫通孔を有する基材と、前記第1方向に沿って伸び、先端が前記貫通孔の一端から突き出るように前記貫通孔に配置され、検査時に先端で被検査対象装置に設けられた被検査装置電極に押し当てられる、第1ピン部と、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1ピン部が前記基材に対して前記第1方向に沿って変位するように、前記第1ピン部を弾性的に支持する、弾性支持機構と、前記第1ピン部が変位したときに、前記第1ピン部を回転させる、第1ピン部用誘導機構とを具備する。前記第1ピン部は、2重構造であり、被検査装置電極に押し当てられたときに何れか一方の電極が回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージ(半導体装置)は、製造後に検査され、所望する電気的特性が得られているか否かが判定される。検査時には、検査基板上に半導体装置が装着され、検査基板に設けられた検査回路により、半導体装置の電気的特性が調べられる。
【0003】
半導体装置を装着するために、検査用ソケットが用いられる。検査用ソケットに関連して、特許文献1(特許第3527724号公報)には、ハウジングに設けられた貫通孔にプローブピンが収容支持されてなるICソケットが開示されている。また、特許文献2(特開平10−214649号公報)には、スプリングコネクタを用いた集積回路素子用ソケットが開示されている。
【0004】
図1は、検査用ソケット100の一例を概略的に示す断面図である。図1(a)には、装着前の検査用ソケット100が示されている。図1(a)に示されるように、検査用ソケット100は、基材105、ピン107、及びピン108を備えている。基材105には、貫通孔106が設けられている。ピン107は、被検査対象である半導体装置101に設けられたボール状の電極103に接触する部分である。一方、ピン108は、検査基板102に設けられた端子(図示せず)に接触する部分である。ピン107及びピン108は、共に、貫通孔106内に配置されている。ピン107の先端は、貫通孔106の一端から突き出ており、ピン108の先端は、貫通孔106の他端から突き出ている。ピン107とピン108との間には、バネ部材109が設けられている。バネ部材109は、導電性を有しており、ピン107及びピン108は、バネ部材109を介して電気的に接続されている。
【0005】
図1(b)には、装着後の検査用ソケット100が示されている。図1(b)に示されるように、検査用ソケット100は、ピン108が検査基板端子(図示せず)と接触するように、検査基板102上に配置される。また、検査用ソケット100上には、電極103がピン107と接触するように、半導体装置101が配置される。この際、バネ部材109が圧縮され、ピン107が適切な力で電極103に押し当てられる。同様に、ピン108も、適切な力で、検査基板102に押し当てられる。これにより、検査基板102と半導体装置101とが、ピン108、バネ部材109、及びピン107を介して、電気的に接続される。
【0006】
検査用ソケット100に対しては、半導体装置101と検査基板102とを確実に導通させることが求められる。しかし、電極103上には、酸化膜が形成されている場合がある。また、電極103上には、有機物が汚れとして付着している場合もある。酸化膜及び有機物などにより、電極103とピン107との間の電気的接続が妨げられ、検査を正確に実行することが困難になる場合がある。
【0007】
電極とピンとを確実に導通させるために、ピンを回転させながら電極に接触させる技術が知られている。ピンを回転させながら電極に接触させることにより、電極上に存在する酸化膜などを除去することができ、電極とピンとを確実に導通させることができる。
【0008】
上記に関連する技術が、特許文献3(特開2001−41976号公報)、特許文献4(特開2009−115659号公報)、及び特許文献5(特開平6−148237号公報)に記載されている。
【0009】
すなわち、特許文献3には、プリント配線板上の検査用パッドにプローブピンの先端部を接触させた状態で、内蔵する弾性体または圧縮空気により加圧することにより、プローブピンを回転させる機構を有することを特徴とする、電気検査用プローブが開示されている。
【0010】
また、特許文献4には、パッドとの電気的接触を行なうときに、プローブピンを回転させながらその先端をパッドの表面に押し当てる点が開示されている。
【0011】
また、特許文献5には、コンタクトピンが、円筒ハウジングと、円筒ハウジングに設けられたバネと、バネ圧によってフラックスを突き破るための可動ピンとを備える点が開示されている。また、可動ピンが、先端に検査箇所と接触する接触片を有し、且つ、その表面に溝を有する回転体からなる点が開示されている。更に、円筒ハウジングが、接触片が検査箇所に接触するときに、バネ圧でもって溝に沿って接触片を回転案内する突起を内壁に備える点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3527724号公報
【特許文献2】特開平10−214649号公報
【特許文献3】特開2001−41976号公報
【特許文献4】特開2009−115659号公報
【特許文献5】特開平6−148237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献3乃至5に記載されるように、ピンを回転させながら電極に接触させることにより、電極の表面から酸化膜及び有機物を除去することができる。しかしながら、電極とピンとを確実に導通させるためには、十分な力でピンを電極に押し当てる必要がある。そのような十分な力が加えられると、電極とピンとの間の摩擦力が大きくなり、ピンが回転し難くなる場合がある。その結果、電極から確実に酸化膜及び有機物を除去することができない場合がある、という問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る半導体装置の検査用ソケットは、第1方向に沿って伸びる貫通孔を有する基材と、前記第1方向に沿って伸び、先端が前記貫通孔の一端から突き出るように前記貫通孔に配置され、検査時に先端で被検査対象装置に設けられた被検査装置電極に押し当てられる、第1ピン部と、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1ピン部が前記基材に対して前記第1方向に沿って変位するように、前記第1ピン部を弾性的に支持する、弾性支持機構と、前記第1ピン部が変位したときに、前記第1ピン部を回転させる、第1ピン部用誘導機構とを具備する。前記第1ピン部は、筒状であり、前記第1方向に沿って伸びる、第2電極部材と、前記第2電極部材内に配置され、前記第1方向に沿って伸びる、第1電極部材とを備える。前記第1ピン部用誘導機構は、前記第1ピン部が変位したときに、前記第1電極部材及び前記第2電極部材の少なくとも一方を回転させるように、構成される。前記弾性支持機構は、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1電極部材及び前記第2電極部材に異なる大きさの弾性力が加わるように、前記第1ピン部を支持している。
【0015】
この発明によれば、第1ピン部が第1電極部材と第2電極部材とを有している。そして、第1電極部材及び第2電極部材の少なくとも一方は、被検査装置電極に接触するときに、回転する。回転により、被検査装置電極に形成された酸化膜や有機物などを除去することができる。ここで、第1ピン部は、弾性支持機構により、第1ピン部が被検査装置電極に押し当てられたときに、第1電極部材及び第2電極部材に異なる大きさの弾性力が加わるように、支持されている。一方の電極部材には大きな弾性力が加えられるので、第1ピン部と被検査装置電極との間の接触圧を確保することができる。また、他方の電極部材には、小さな弾性力が加えられるので、被検査装置電極との間に働く摩擦力を抑制することができ、十分に回転させることができる。従って、接触圧を十分に確保した上で、電極部材を十分に回転させ、清浄化された被装置電極に第1ピン部を接触させることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電極から確実に酸化膜及び有機物を除去することができる、半導体装置の検査用ソケットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】検査用ソケットの一例を概略的に示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体装置の検査用ソケットを概略的に示す断面図である。
【図3】第1ピン部用誘導機構を概略的に示す断面図である。
【図4A】第2電極部材の先端形状の一例を示す図である。
【図4B】第2電極部材の先端形状の一例を示す図である。
【図5A】第2の実施形態に係る検査用ソケットを概略的に示す断面図である。
【図5B】第2の実施形態に係る検査用ソケットを示す模式図である。
【図6A】第3の実施形態に係る検査用ソケットを概略的に示す断面図である。
【図6B】検査用ソケットを模式的に示す図である。
【図6C】第1ピン部用誘導機構を概略的に示す断面図である。
【図6D】半導体装置が取り付けられた後の検査用ソケットを示す断面図である。
【図7A】第4の実施形態における溝を示す展開図である。
【図7B】第4の実施形態における第1の変形例に係る溝を示す展開図である。
【図7C】第4の実施形態における第2の変形例に係る溝を示す展開図である。
【図7D】第4の実施形態における第3の変形例を説明するための説明図である。
【図7E】第4の実施形態における第4の変形例に係る溝を示す展開図である。
【図7F】第4の実施形態における第5の変形例に係る溝を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態に係る半導体装置の検査用ソケット1を概略的に示す断面図である。検査用ソケット1は、被検査対象装置である半導体パッケージ(以下、半導体装置2)を、検査基板4上に実装するために用いられる。検査基板4上には、パッド27が設けられている。半導体装置2には、ボール状の電極(以下、被検査装置電極3)が設けられている。半導体装置2は、被検査装置電極3とパッド27とが電気的に接続されるように、検査用ソケット1を介して検査基板4に実装される。
【0020】
検査用ソケット1は、基材12、第1ピン部5、第2ピン部材19、弾性支持機構28、第1ピン部用誘導機構11、及び第2ピン部材用誘導機構15を備えている。
【0021】
基材12は、上面a及び下面bを有している。基材12には、貫通孔8が設けられている。貫通孔8は、第1方向に沿って伸びており、上面aと下面bとの間で基材12を貫通している。
【0022】
第1ピン部5は、先端で被検査装置電極3に押し当てられる部分である。第1ピン部5は、導電性を有している。第1ピン部5は、第1方向に沿って延びており、貫通孔8に配置されている。第1ピン部5の先端は、上面aから突き出ている。
【0023】
第1ピン部5は、2重構造になっている。第1ピン部5は、第1電極部材6及び第2電極部材7を有している。第2電極部材7は、円筒状であり、第1方向に沿って伸びている。第1電極部材6は、鍔部6−1と、延在部6−2とを備えている。鍔部6−1は、第2電極部材7の下方に配置されている。延在部6−2は、一部が第2電極部材7内に挿入されるように、鍔部6−1から上方に向かって伸びている。また、第1電極部材6及び第2電極部材7は、それぞれ、先端において上面aから突き出ている。ここで、第2電極部材7の突出量は、第1電極部材6の突出量よりも、大きい。従って、第1ピン部5に被検査装置電極3が押し当てられる場合、第2電極部材7の方が、第1電極部材6よりも先に、被検査装置電極3に接触する。
【0024】
第2ピン部材19は、パッド27と接触する部分である。第2ピン部材19は、導電性を有している。第2ピン部材19は、貫通孔8の内部に配置されている。第2ピン部材19の先端は、下面bから突き出ている。
【0025】
弾性支持機構28は、第1ピン部5及び第2ピン部材19を弾性的に支持するために設けられている。弾性支持機構28は、第1電極部材6及び第2電極部材7が互いに独立に変位するように、第1ピン部5を支持している。
【0026】
具体的には、弾性支持機構28は、弾性部材9(第1弾性部材)、及び弾性部材10を有している。弾性部材9及び弾性部材10は、それぞれ、貫通孔8内に配置されている。弾性部材9は、下端で第2ピン部材19に接触し、上端で鍔部6−1に接触している。また、弾性部材10は、下端で鍔部6−1に接触し、上端で第2電極部材7に接触している。
【0027】
弾性支持機構28により、第1ピン部5及び第2ピン部材19のそれぞれは、基材12に対して弾性的に変位可能になるように、支持されている。すなわち、第1ピン部5が被検査装置電極3に押し当てられ、第2ピン部材19がパッド27に押し当てられた場合、弾性部材9及び弾性部材10が圧縮する。その結果、第1ピン部5及び第2ピン部材19が、それぞれ、貫通孔8内に押し込まれるように、変位する。
【0028】
また、弾性支持機構28は、第1ピン部5が押し込まれる際に、第1電極部材6及び第2電極部材7に対して異なる大きさの弾性力が加わるように、第1ピン部5を支持している。具体的には、第2電極部材7が被検査装置電極3を押す力の方が、第1電極部材6が被検査装置電極3を押す力よりも小さくなるように、弾性部材9及び弾性部材10として用いられる材料が決定されている。
【0029】
第1ピン部用誘導機構11は、第2電極部材7を回転させるために設けられている。第1ピン部用誘導機構11は、溝13(第2溝)、及び突起14(第2突起)を備えている。図3は、第1ピン部用誘導機構11を概略的に示す断面図である。図3に示されるように、溝13は、貫通孔8の壁面に設けられている。一方、突起14は、第2電極部材7の外周面に設けられており、溝13に嵌まり込んでいる。また、図2に示されるように、溝13は、第1方向に対して斜めになるように伸びている。
【0030】
第1ピン部用誘導機構11が設けられていることにより、第2電極部材7は、変位したときに、回転する。すなわち、第2電極部材7の先端に被検査装置電極3に押し当てられた場合、第2電極部材7は、貫通孔8内に押し込まれる。このとき、突起14が溝13に沿って移動し、第2電極部材7が回転する。
【0031】
第2ピン部材用誘導機構15は、第2ピン部材19を回転させる為に設けられている。第2ピン部材用誘導機構15は、第1ピン用誘導機構11と同様に、突起17(第3突起)及び溝16(第3溝)を有している。溝16は、貫通孔8の壁面に設けられている。突起17は、第2ピン部材19に設けられており、溝16に嵌まり込んでいる。溝16は、溝13と同様に、第1方向に対して斜めになるように伸びている。これにより、第2ピン部材19が押し込まれたときに、第2ピン部材19は、回転方向に沿って回転する。
【0032】
続いて、本実施形態に係る検査用ソケット1の動作方法について説明する。
【0033】
半導体装置2を検査する場合、まず、第2ピン部材19がパッド27と接触するように、検査用ソケット1が検査基板4上に配置される。第2ピン部材19は、パッド27によって押され、貫通孔8内に押し込まれる。このとき、第2ピン部材19は、2ピン部材用誘導機構15により、回転しながら押し込まれる。パッド27上には、酸化膜や有機物が形成されていることがある。第2ピン部材19が回転しながらパッド27に接触するため、酸化膜や有機物が除去される。その結果、第2ピン部材19とパッド27とが、確実に電気的に接続される。
【0034】
次いで、被検査装置電極3が第1ピン部5に接触するように、半導体装置2が検査用ソケット1上に搭載される。この際、第2電極部材7が、第1電極部材6よりも先に、被検査装置電極3に接触する。第1ピン部材用誘導機構11が設けられているため、第2電極部材7は、回転しながら、貫通孔8内に押し込まれる。第2電極部材7が被検査装置電極3に接触した後に、第1電極部材6が被検査装置電極3に接触する。第1電極部材6も、被検査装置電極3に押され、貫通孔8内に押し込まれる。
【0035】
第1ピン部5が被検査装置電極3と接触することにより、検査基板4と半導体装置2とが、パッド27、第2ピン部材19、弾性部材9、弾性部材10、及び第1ピン部5を介して、電気的に接続される。この状態で、検査基板4により、半導体装置2の電気的特性が検査される。
【0036】
本実施形態によれば、第2電極部材7が第1電極部材6よりも先に被検査装置電極3に接触し、回転する。既述のように、被検査装置電極3上には、酸化膜及び有機物などが存在することがある。第2電極部材7が回転することにより、被検査装置電極3上から酸化物及び有機物などが除去され、被検査装置電極3の表面が清浄化される。これにより、被検査装置電極3及び第1ピン部5を、確実に導通させることができる。
【0037】
加えて、既述のように、第1ピン部5が押し込まれる際に第2電極部材7が被検査装置電極3を押す力は、第1電極部材6が被検査装置電極3を押す力よりも小さい。従って、第2電極部材7と被検査装置電極3との間に生じる摩擦力は小さく、第2電極部材7は回転し易い。第2電極部材7を十分に回転させることができ、被検査装置電極3の表面を確実に清浄化することが可能である。一方、第1電極部材6が被検査装置電極3を押す力は、第2電極部材7のそれよりも、大きい。第1電極部材6は、十分な大きさの力で、被検査装置電極3に押し当てられる。これにより、第1ピン部5と被検査装置電極3との間の接触圧を、十分に確保できる。
【0038】
すなわち、本実施形態においては、第1ピン部5が二重構造となっており、回転により被検査装置電極3を清浄化する機能が第2電極部材7に割り当てられ、第1電極部材6に接触圧を確保するための機能が割り当てられている。従って、接触圧を十分に確保した上で、電極部材を十分に回転させることができ、被検査装置電極3と第1ピン部5との間の接続信頼性をより向上させることが可能である。
【0039】
尚、第2電極部材7の先端は、回転方向に沿って回転する方が、回転方向と逆方向に回転する場合よりも抵抗(摩擦力)が少なくなるような形状を有していることが好ましい。図4A及び図4Bは、第2電極部材7の先端形状の一例を示す図である。図4Aは、上方から第2電極部材7の先端を見たときの図であり、図4Bは側方(図4Aに示されるA方向)から第2電極部材7の先端部分を見たときの図である。図4A及び図4Bに示されるように、第2電極部材7の先端には、4個の突起25が設けられている。各突起25は、三角錐形状であり、第1方向(上方向)に向かって突き出すように伸びている。各突起25は、被検査装置電極3と接触する、受け面26を有している。受け面26は、回転方向に沿って伸びている。このような構成を採用することにより、第2電極部材7が回転方向に回転する場合のほうが、回転方向と逆方向に回転する場合よりも、第2電極部材7が被検査装置電極3から受ける抵抗が小さくなる。すなわち、第2電極部材7をより回転させ易くすることができる。尚、第2電極部材7の先端面は、回転方向に回転する場合に被検査装置電極3から受ける抵抗が小さくなるように、波打つような曲面により形成されていてもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図5Aは、本実施形態に係る検査用ソケット1を概略的に示す断面図である。本実施形態では、第1の実施形態に対して、弾性支持機構28の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
図5Aに示されるように、本実施形態においては、弾性支持機構28に、弾性部材18(第2弾性部材)が追加されている。図5Bは、本実施形態に係る検査用ソケット1を示す模式図である。図5A、Bに示されるように、弾性部材18は、上面a側の端部(上端)で基材12に接続されており、下面b側の端部(下端)で第2ピン部材19に接続されている。尚、図5Bには、説明の便宜上、弾性部材18が2ヶ所に示されているが、実際には、弾性部材18は、一つの部材である。弾性部材10も同様である。
【0042】
本実施形態においては、検査用ソケット1を検査基板4上に配置する際に、弾性部材18が圧縮される。弾性部材18により、第2ピン部材19は、パッド27を押す。一方、半導体装置2を検査用ソケット1上に配置する際には、弾性部材9及び弾性部材10が圧縮される。第1電極部材6は、弾性部材9の弾性力により被検査装置電極3を押し、第2電極部材7は、弾性部材10の弾性力により被検査装置電極3を押す。
【0043】
本実施形態によれば、弾性部材18が設けられていることにより、第2ピン部材19とパッド27との間に発生する接触圧と、第1ピン部5と被検査装置電極3との間に発生する接触圧とを、別々の大きさに設定することができる。従って、これらの接触圧をそれぞれ最適な大きさに設定することができ、半導体装置2と検査基板4との間の電気的接続の信頼性を、更に高めることができる。
【0044】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。図6Aは、本実施形態に係る検査用ソケット1を概略的に示す断面図である。本実施形態においては、第2の実施形態に対して、第1ピン部5、第1ピン部用誘導機構11、及び弾性支持機構28の構成が変更されている。その他の点については、第2の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0045】
まず、第1ピン部5の構成について説明する。
【0046】
図6Aに示されるように、第1ピン部5は、第1電極部材6、及び第2電極部材7を有している。第2電極部材7は、円筒状である。但し、第2電極部材7の下方側の端面は塞がれており、底面29が形成されている。また、第2電極部材7の内壁面には、段差が設けられている。一方、第1電極部材6は、円柱状であり、第2電極部材7の内側に配置されている。第1電極部材6は、基部6−3及び延在部6−4を有している。延在部6−4は、基部6−3から上方に向かって伸びている。基部6−3が第2電極部材7の段差と接触することにより、第1電極部材6が上面a側から脱落することが防止されている。また、第1電極部材6の先端は、第2電極部材7の先端よりも、突出している。
【0047】
続いて、弾性支持機構28について説明する。
【0048】
図6Bは、検査用ソケット1を模式的に示す図である。図6Bに示されるように、弾性支持機構28は、弾性部材9、弾性部材18、及び弾性部材20を有している。弾性部材18は、上端で基材12に接続されており、下端で第2ピン部材19に接続されている。尚、図6Bにおいて、弾性部材18は2ヶ所に描かれているが、実際には、弾性部材18は一つの部材である。弾性部材9は、上部で第2電極部材7の底面29に接しており、下端で第2ピン部材19に接している。弾性部材20は、上端で第1電極部材6に接しており、下端で第2電極部材7の底面29に接している。ここで、弾性部材9及び弾性部材20の材料は、第1ピン部5が押し込まれたときに、第1電極部材6が被検査装置電極3を押す力のほうが、第2電極部材7が被検査装置電極3を押す力よりも小さくなるように、決定されている。
【0049】
続いて、第1ピン部用誘導機構11について説明する。
【0050】
図6Aに示されるように、第1ピン部用誘導機構11は、第1誘導機構11−1及び第2誘導機構11−2を有している。第1誘導機構11−1は、第1電極部材6を回転させるために設けられている。第2誘導機構11−2は、第2電極部材7を回転させるために設けられている。第1誘導機構11−1及び第2誘導機構11−2は、それぞれ、溝及び突起により形成されている。
【0051】
図6Cは、第1ピン部用誘導機構11を概略的に示す断面図である。
【0052】
図6Cに示されるように、第1誘導機構11−1は、溝21及び突起22を有している。溝21は、第2電極部材7の内壁に設けられている。尚、溝21は、開口であってもよい。突起22は、第1電極部材6に設けられており、溝21に嵌まり込んでいる。図6Aに示されるように、溝21は、第1方向に対して斜めに伸びている。これにより、第1電極部材6が押し込まれた場合に、突起22が溝21に沿って移動し、第1電極部材6が回転する。
【0053】
また、図6Cに示されるように、第2誘導機構11−2は、溝13及び突起14を有している。溝13は、貫通孔8の内壁面に設けられている。突起14は、第2電極部材7の外周面に設けられており、溝13に嵌まり込んでいる。図6Aに示されるように、溝13は、第1方向に対して斜めに伸びている。これにより、第2電極部材7が押し込まれた場合に、突起14が溝13に沿って移動し、第2電極部材7が回転する。
【0054】
続いて、本実施形態に係る検査用ソケット1の動作方法について説明する。
【0055】
図6Dは、半導体装置2が取り付けられた後の検査用ソケット1を示す断面図である。まず、検査用ソケット1が、検査基板4上に配置される。検査用ソケット1は、第2ピン部材19がパッド27と接触するように、検査基板4上に配置される。このとき、第2ピン部材19は、貫通孔8内に押し込まれる。第2ピン部材19は、第2ピン部材用誘導機構15により、回転しながら、押し込まれる。
【0056】
次いで、半導体装置2を検査用ソケット1上に搭載する。第1ピン部5には、被検査装置電極3が押し当てられる。この際、第1電極部材6が突出しているため、第1電極部材6の方が第2電極部材7よりも先に被検査装置電極3と接触する。第1電極部材6は、第1誘導機構11−1により、回転しながら、押し込まれる。第1電極部材6が被検査装置電極3に接触した後、第2電極部材7が、被検査装置電極3に接触する。第2電極部材7も、第2誘導機構11−2により、回転しながら、押し込まれる。
【0057】
半導体装置2が搭載された後、検査基板4によって、半導体装置2の電気的特性が検査される。
【0058】
本実施形態によれば、第1電極部材6及び第2電極部材7の双方が、回転する。従って、被検査装置電極3から、酸化物及び有機物などを、より確実に除去することが可能になる。
【0059】
また、本実施形態においては、第1電極部材6が被検査装置電極3を押す力が、第2電極部材7のそれよりも小さい。従って、第1電極部材6と被検査装置電極3との間に生じる摩擦力を抑制することができ、第1電極部材6を回転し易くすることができる。一方で、第2電極部材7が被検査装置電極3を押す力は、大きい。従って、第2電極部材7と被検査装置電極3との間の接触圧を十分に確保することができる。すなわち、本実施形態では、被検査装置電極3を清浄化する機能が第1電極部材6に割り当てられ、第2電極部材7に接触圧を確保するための機能が割り当てられている。従って、既述の実施形態と同様に、接触圧を十分に確保した上で、電極部材を十分に回転させることができ、被検査装置電極3と第1ピン部5との間の接続信頼性をより向上させることが可能である。
【0060】
尚、本実施形態では、第1電極部材6及び第2電極部材7の双方が回転する場合について説明したが、検査用ソケット1は、第1電極部材6だけが回転するように構成されていてもよい。すなわち、第1誘導機構11−1だけが設けられ、第2誘導機構11−2は設けられていなくてもよい。このような構成を採用した場合であっても、接触圧を十分に確保した上で、電極部材を十分に回転させることはできる。
【0061】
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1ピン部用誘導機構11の構成が工夫されている。具体的には、第1ピン部用誘導機構11に含まれる溝13(図2、図3参照)の形状が工夫されている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるものとする。
【0062】
図7Aは、本実施形態における溝13を示す展開図である。図7Aには、半導体装置2が搭載される前における溝13の状態が描かれている。図7Aに示されるように、溝13は、曲がりながら延びている。半導体装置2が搭載される前においては、突起14は、溝13の上面側の端部に嵌まりこんでいる。ここで、第1方向に対する溝13の傾斜は、上面側ほど大きく、下面側ほど小さい。このような構成を採用すれば、第2電極部材7が押し込まれた量に応じて、第2電極部材7の回転量を変えることができる。すなわち、図7Aに示される例においては、半導体装置2を搭載する際に、第2電極部材7は、はじめに大きく回転し、その後、少ない回転量で押し込まれる。
【0063】
図7Bは、本実施形態における第1の変形例に係る溝13を示す展開図である。この変形例では、図7Aに示した例と同様に、第1方向に対する溝13の傾斜が、上面側ほど大きく、下面側ほど小さい。但し、上面側における溝13の傾斜は、図7Aに示した例よりも、大きい。従って、第2電極部材7の回転量は、図7Bに示した例よりも、大きくなる。このように、溝13の傾斜を適切に調節することにより、第2電極部材7の回転量を調節することが可能である。
【0064】
図7Cは、本実施形態における第2の変形例に係る溝13を示す展開図である。この変形例では、第1方向に対する溝13の傾斜が、上面側ほど小さく、下面側ほど大きい。従って、本変形例では、半導体装置2を搭載する際に、第2電極部材7は、はじめに少ない回転量で押し込まれ、その後、大きく回転する。
【0065】
第2電極部材7と被検査装置電極3との間に生じる摩擦力は、弾性部材10による弾性力に依存する。その弾性力は、第2電極部材7の押し込み量に応じて、変化する。すなわち、第2電極部材7が回転する際に受ける抵抗は、第2電極部材7が押し込まれた量に応じて、変化する。上述の図7A乃至図7Cに示されるように、溝13の形状を適切に設定することにより、第2電極部材7が押し込まれた量に応じて回転量を調整することができ、第2電極部材7を適切に回転させることが可能になる。
【0066】
続いて、本実施形態における第3の変形例について説明する。
【0067】
図7Dは、第3の変形例を説明するための説明図である。検査用ソケット1は、繰り返し使用される。その結果、第1ピン部5の先端に汚れが付着することがある。汚れを除去する為に、クリーニングが行われる。クリーニング時には、半導体装置2の代わりに、研磨シート(図示せず)が第1ピン部5に押し付けられる。ここで、クリーニング時に第2電極部材7が押し込まれる量は、半導体装置2を搭載する際(検査時)におけるそれとは異なっている場合がある。図7Dに示される例では、検査時において、第2電極部材7は、突起14が位置cに至るまで、押し込まれる。一方、クリーニング時において、第2電極部材7は、突起14が位置dに至るまで、押し込まれる。位置dは、位置cよりも、下面側に設定されている。位置cよりも下面側における溝13の傾斜は、位置cよりも上面側におけるそれとは、異なっている。これにより、クリーニング時と検査時とにおいて、第2電極部材7の回転量を変えることができる。従って、クリーニング時及び検査時のそれぞれにおいて、第2電極部材7を適切に回転させることができる。尚、本変形例では、位置cよりも下面側における溝13の傾斜の方が、位置cよりも上面側におけるそれよりも、大きい。従って、クリーニング時における第2電極部材7の回転量は、検査時における回転量よりも大きい。クリーニング時における回転量が大きいので、第2電極部材7に付着した汚れを確実に除去できる。
【0068】
続いて、本実施形態における第4の変形例について説明する。図7Eは、本変形例における溝13を示す展開図である。図7Eに示されるように、本変形例においては、溝13が、周方向において折り返されるように伸びている。本変形例では、第2電極部材7の回転方向が、途中で反転する。従って、第2電極部材7は、被検査装置電極3において一度清浄化された部分に、最終的に接触する。これにより、第2電極部材7と被検査装置電極3とを、より確実に導通させることができる。
【0069】
続いて、本実施形態における第5の変形例について説明する。図7Fは、本変形例における溝13を示す展開図である。図7Fに示されるように、本変形例においては、溝13が、折れ曲がりながら、伸びている。また、溝13は、環状である。具体的には、溝13は、第1側壁23及び第2側壁24を有している。第1側壁23は下面側の側壁であり、第2側壁は上面側の側壁である。ここで、展開図により見た場合に、第1側壁23は、複数の頂点A(A−1〜A−3)及び複数の頂点B(B−1〜B−3)を有している。複数の頂点Aは、複数の頂点Bよりも、下面側に位置している。複数の頂点Aと複数の頂点Bとは、周方向において交互である。同様に、第2側壁24も、複数の頂点C(C−1〜C−3)及び複数の頂点D(D−1〜D−3)を有している。複数の頂点Cは、複数の頂点Dよりも、下面側に位置している。複数の頂点Aと複数の頂点Bとは、周方向において交互である。更に、第1側壁23の頂点(複数の頂点A及び複数の頂点B)の位置は、第2側壁24の頂点(複数の頂点C及び複数の頂点D)に対して、周方向においてずれている。
【0070】
検査前において、突起14は、頂点D−1によって形成される第2側壁24の谷部分に位置している。検査時には、電極3が第1ピン部5に押し当てられ、突起14が設けられた第2電極部材7は、下面側に押し込まれる。このとき、突起14は、第1側壁23に突き当たり、第1側壁23に形成される斜面に沿って移動し、頂点A−1によって形成される谷部分に到達する(図中、矢印a)。検査の終了後、検査用ソケット1は、検査基板4から取り外される。このとき、第1ピン部5は、上面側に押し出される。この際、突起14は、第2側壁24に突き当たり、頂点C−1及び頂点D−2によって形成される斜面に沿って移動し、頂点D−2によって形成される谷部分に到達する(図中、矢印b)。従って、検査が繰り返されるたびに、突起14は、一方向に移動し続ける。すなわち、第1ピン部5における第2電極部材7は、一方向にのみ、回転し続ける。
【0071】
第2電極部材7が一方向にのみ回転することにより、検査の度に異なる状態で、第2電極部材7が電極3に押し当てられる。第2電極部材7が、検査の都度、同じ状態で電極3に押し当てられる場合、電極3における同一部分に荷重が加わり、電極3が損傷しやすくなることがある。これに対し、本変形例では、検査の度に異なる状態で第2電極部材7が電極3に押し当てられるため、電極3の損傷を防止することができる。
【0072】
尚、上述の第4の実施形態、及び第1乃至第5の変形例においては、第1ピン部用誘導機構11における溝13の形状が工夫されている場合について説明した。但し、これらの工夫は、溝13だけでなく、第2ピン部材用誘導機構15における溝16(図2等参照)、及び溝21(図6C等参照)についても、同様に適用することが可能である。
【0073】
以上、本発明について、第1乃至第4の実施形態を用いて説明した。但し、これらの実施形態及び変形例は、独立するものではなく、矛盾のない範囲内で組み合わせて用いることも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 検査用ソケット
2 半導体装置(被検査対象装置)
3 被検査装置電極
4 ボード基板(検査基板)
5 第1ピン部
6 第1電極部材
7 第2電極部材
8 貫通孔
9 弾性部材(第1弾性部材)
10 弾性部材
11 第1ピン部用誘導機構
11−1 第1誘導機構
11−2 第2誘導機構
12 基材
13 溝(第2溝)
14 突起(第2突起)
15 第2ピン部材用誘導機構
16 溝(第3溝)
17 突起(第3突起)
18 弾性部材(第2弾性部材)
19 第2ピン部材
20 弾性部材
21 溝(第1溝)
22 突起(第1突起)
23 第1側壁
24 第2側壁
25 突起
26 受け面
27 パッド
28 弾性支持機構
29 底面
100 検査用ソケット
101 半導体装置(被検査対象装置)
102 ボード基板(検査基板)
103 被検査装置電極
105 基材
106 貫通孔
107 第1ピン部材
108 第2ピン部材
109 バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って伸びる貫通孔を有する基材と、
前記第1方向に沿って伸び、先端が前記貫通孔の一端から突き出るように前記貫通孔に配置され、検査時に先端で被検査対象装置に設けられた被検査装置電極に押し当てられる、第1ピン部と、
前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1ピン部が前記基材に対して前記第1方向に沿って変位するように、前記第1ピン部を弾性的に支持する、弾性支持機構と、
前記第1ピン部が変位したときに、前記第1ピン部を回転させる、第1ピン部用誘導機構と、
を具備し、
前記第1ピン部は、
筒状であり、前記第1方向に沿って伸びる、第2電極部材と、
少なくとも一部で前記第2電極部材内に配置され、前記第1方向に沿って伸びる、第1電極部材とを備え、
前記弾性支持機構は、前記第1電極部材及び前記第2電極部材が互いに独立に変位可能となるように、前記第1ピン部を弾性的に支持し、
前記第1ピン部用誘導機構は、前記第1ピン部が変位したときに、前記第1電極部材及び前記第2電極部材の少なくとも一方を回転させるように、構成されている
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記弾性支持機構は、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1電極部材及び前記第2電極部材に対して異なる大きさの弾性力が加わるように、前記第1ピン部を支持している
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項3】
請求項2に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記第1電極部材は、前記第1電極部材の方が前記第2電極部材よりも先に前記被検査装置電極に接触するように、前記第2電極部材よりも突出しており、
前記弾性支持機構は、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第1電極部材が前記被検査装置電極を押す力のほうが、前記第2電極部材が前記被検査装置電極を押す力よりも小さくなるように、前記第1ピン部を弾性的に支持している
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項4】
請求項2に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記第2電極部材は、前記第2電極部材の方が前記第1電極部材よりも先に前記被検査装置電極に接触するように、前記第1電極部材よりも突出しており、
前記弾性支持機構は、前記第1ピン部が前記被検査装置電極に押し当てられたときに、前記第2電極部材が前記被検査装置電極を押す力のほうが、前記第1電極部材が前記被検査装置電極を押す力よりも小さくなるように、前記第1ピン部を弾性的に支持している
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記第1ピン部用誘導機構は、
前記第1電極部材を回転させる、第1誘導機構と、
前記第2電極部材を回転させる、第2誘導機構とを備え、
前記第1誘導機構は、
前記第1電極部材に設けられた第1突起と、
前記第2電極部材に設けられ、前記第1突起が嵌めこまれ、前記第1電極部材が変位したときに前記第1電極部材が回転するように伸びる、第1溝とを備え、
前記第2誘導機構は、
前記第2電極部材に設けられた第2突起と、
前記基材の前記貫通孔の内面に設けられ、前記第2突起が嵌め込まれ、前記第2電極部材が変位したときに前記第2電極部材が回転するように伸びる、第2溝とを備える
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項6】
請求項5に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
更に、
前記貫通孔の他端から先端が突き出るように前記貫通孔に配置され、検査時に、検査基板に設けられた検査基板端子に押し当てられる、第2ピン部材と、
前記第2ピン部材を回転させる、第2ピン部材用誘導機構と、
を具備し、
前記弾性支持機構は、更に、前記第2ピン部材が前記検査基板端子に押し当てられたときに、前記第2ピン部材が前記基材に対して前記貫通孔に沿って変位するように、前記第2ピン部材を弾性的に支持し、
前記第2ピン部材用誘導機構は、
前記第2ピン部材に設けられた第3突起と、
前記貫通孔の内面に設けられ、前記第3突起が嵌め込まれ、前記第2ピン部材が変位したときに回転するように伸びる、第3溝とを備える
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項7】
請求項6に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記弾性支持機構は、一端で前記第1ピン部に接続され、他端で前記第2ピン部材に接続された、第1弾性部材を有する
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項8】
請求項7に記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記弾性支持機構は、一端で前記基材に接続され、他端で前記第2ピン部材に接続された、第2弾性部材を有する
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記第1溝、前記第2溝、及び前記第3溝の少なくとも一つは、展開図により見た場合に、曲がるように伸びている
半導体装置の検査用ソケット。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれかに記載された半導体装置の検査用ソケットであって、
前記第1溝、前記第2溝、及び前記第3溝の少なくとも一つは、環状になるように形成され、回転対象となる部材が一方向にのみ回転するように、折れ曲がりながら伸びている
半導体装置の検査用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【公開番号】特開2013−8628(P2013−8628A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141769(P2011−141769)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】