説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】封止膜の材料を容易に選定することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板11上に複数の接続端子12が形成された半導体デバイスウェハ10と、前記半導体デバイスウェハ10の表面を覆うとともに前記接続端子12を露出させる開口14aが設けられた第1絶縁膜14と、前記第1絶縁膜14上に形成され一端面が前記接続端子12と接続された複数の再配線30と、前記再配線30の他端面上に形成された複数の柱状電極21と、前記再配線30の側面を被覆する第2絶縁膜15と、前記再配線30及び前記第2絶縁膜15を封止するとともに前記柱状電極21の表面を露出させる封止膜22と、を備えることを特徴とする半導体装置1Bである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WLP(Wafer Level Package)等の半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
半導体装置には、図31に示すような構造のものがある。半導体デバイスウェハ110の接続パッド112が設けられた面に絶縁膜114が設けられ、絶縁膜114には接続パッド112の中央部に対応する部分に開口114aが設けられている。絶縁膜114の表面及び開口114a内には再配線130が形成されている。再配線130は主層119及び電解めっき用シード層116からなり、主層119は電解めっき用シード層116を介して接続パッド112に接続される。再配線130の端部に柱状電極121が設けられ、再配線130及び絶縁膜113が封止膜122により封止される。柱状電極121は封止膜122から露出し、柱状電極121の表面に半田端子123が設けられる。半田端子123を介して半導体装置101は図示しない回路基板に接続される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−287048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、封止膜は、物理的な外力からの保護、湿度の遮断、外光の遮断等の役割を果たすこと、熱膨張係数が半導体基板に近いこと、耐熱性や薬品耐性などが求められる。さらに、封止膜は再配線と接触するため、再配線を形成する金属のマイグレーション現象が生じない材料を選択する必要がある。このため、封止膜の材料の選定や評価が非常に困難である。
【0005】
本発明の課題は、封止膜の材料を容易に選定することができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハと、前記半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口が設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の表面に形成され一端が前記接続端子と接続された複数の再配線と、前記再配線の他端の表面に形成された複数の柱状電極と、前記再配線の少なくとも側面を被覆する第2絶縁膜と、前記再配線及び前記第2絶縁膜を封止するとともに前記柱状電極の表面を露出させる封止膜と、を備えることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハと、前記半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口が設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の表面に形成され一端が前記接続端子と接続された複数の再配線と、前記再配線の他端の表面に形成された複数の柱状電極と、前記第1絶縁膜及び前記再配線を被覆する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜を封止するとともに前記柱状電極の表面を露出させる封止膜と、を備えることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口を有する第1絶縁膜を設け、次に、露出した前記接続端子及び前記第1絶縁膜の表面に第1の電解めっき用シード層を設け、次に、前記シード層の表面に再配線レジストを形成し、電解めっき法により再配線を形成した後に前記再配線レジスト及びその下部の前記第1の電解めっき用シード層を除去し、次に、前記第1絶縁膜及び前記再配線の表面を覆うとともに前記再配線の一端部を露出させる開口を有する第2絶縁膜を形成し、次に、露出した前記再配線及び前記第2絶縁膜の表面に第2の電解めっき用シード層を設け、次に、前記第2絶縁膜の上部に柱状電極用レジストを形成し、電解めっき法により柱状電極を形成した後に前記柱状電極用レジスト及びその下部の前記第2の電解めっき用シード層を除去し、その後、前記第2絶縁膜の上部に、表面が前記柱状電極の表面と面一となる封止膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、半導体基板の表面に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口を有する第1絶縁膜を設け、次に、前記第1絶縁膜の表面であって再配線を形成しない位置に第2絶縁膜を設け、次に、露出した前記接続端子及び前記第1絶縁膜の表面に無電解めっき用触媒層を形成し、次に、前記無電解めっき用触媒層の上部に無電解めっき法により再配線を形成し、次に、前記再配線及び前記第2絶縁膜の表面を覆う電解めっき用シード層を形成し、次に、前記電解めっき用シード層の上部に柱状電極用レジストを形成し、電解めっき法により柱状電極を形成した後に前記柱状電極用レジスト及びその下部の前記電解めっき用シード層を除去し、その後、前記再配線及び前記第2絶縁膜の上部に、表面が前記柱状電極の表面と面一となる封止膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
好ましくは、前記第2絶縁膜と前記封止膜との間にさらに再配線を有する。
好ましくは、前記第2絶縁膜は、前記再配線を形成する材料のマイグレーション現象が生じない材料である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、封止膜の材料を容易に選定することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図4】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図5】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図6】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図7】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図8】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図9】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図10】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図11】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図12】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図13】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図14】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図15】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図16】半導体装置1Aの製造方法の説明図である。
【図17】本実施形態の変形例に係る半導体装置1Bを示す断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Cを示す断面図である。
【図19】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図20】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図21】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図22】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図23】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図24】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図25】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図26】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図27】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図28】半導体装置1Cの製造方法の説明図である。
【図29】HAST試験後の実施例のWLPの断面図である。
【図30】HAST試験後の比較例のWLPの断面図である。
【図31】従来の半導体装置101を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す平面図であり、図2は図1のII−II矢視断面図である。図1、図2に示すように、半導体装置1Aは、半導体デバイスウェハ10の表面に再配線30、柱状電極21、半田端子23等を形成してなる。
半導体デバイスウェハ10は、図1に示すように、シリコン等からなる半導体基板11と、金属等の導電性材料からなる複数の接続パッド12と、酸化シリコン等の絶縁性材料からなるパッシベーション膜13と、等を備える。
【0014】
半導体基板11の表面には、LSIや配線等が形成されている。接続パッド12はシリコン基板11上の配線と接続されている。パッシベーション膜13は半導体基板11の表面に形成され、LSIや配線等を被覆する。また、パッシベーション膜13には、接続パッド12を露出させる開口13aが設けられている。図1、図2に示すように、開口13aは接続パッド12よりも小さい。
【0015】
パッシベーション膜13の表面には、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等からなる第1絶縁膜14が形成されている。第1絶縁膜14には、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、等の高機能プラスチック材料、エポキシ系、フェノール系、シリコン系等のプラスチック材料、またはこれらの複合材料等を用いることができる。
【0016】
第1絶縁膜14には、接続パッド12を露出させる開口14aが設けられている。開口14aは例えばレーザにより形成することができる。図1、図2に示すように、第1絶縁膜14の開口14aはパッシベーション膜13の開口13aよりも小さく、開口14aの外周部で接続パッド12と第1絶縁膜14とが密着している。
【0017】
再配線30は、電解めっき用シード層16Aと、主層19と、等を備える。
第1絶縁膜14の表面の一部、及び、開口14aから露出した接続パッド12の上部には、銅等からなる電解めっき用シード層16Aが形成されている。電解めっき用シード層16Aは、200nm〜2000nmの厚さが好ましい。電解めっき用シード層16Aの一端部は、開口13a、14aを介して接続パッド12に接続されている。
電解めっき用シード層16Aの表面には銅等の導電性材料からなる主層19が形成されている。主層19は1μm〜10μmの厚さが好ましい。主層19の接続パッド12とは反対側の端部の上面には、銅等の導電性材料からなる柱状電極21が形成されている。
【0018】
電解めっき用シード層16A及び主層19の積層体は、それぞれに対応する互いに異なる接続パッド12と互いに異なる柱状電極21とを接続し、かつそれぞれ他の電解めっき用シード層16A及び主層19の積層体と電気的に絶縁されるように配列されている。
【0019】
再配線30及び第1絶縁膜14の表面には、第2絶縁膜15が形成されている。第2絶縁膜を形成する材料には、再配線30における主層19を形成する金属のマイグレーション現象が生じない材料であることが求められる。このような材料には、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、等の高機能プラスチック材料、エポキシ系、フェノール系、シリコン系等のプラスチック材料、またはこれらの複合材料等がある。
【0020】
第2絶縁膜15には、再配線19の柱状電極21との接続部を露出させる開口15aが設けられている。開口15aは例えばレーザにより形成することができる。開口15aの内部及び外周部には、電解めっき用シード層18が形成されている。電解めっき用シード層18の上部には、柱状電極21が形成されている。
【0021】
第2絶縁膜15の表面には、封止膜22が、その表面が柱状電極21の表面と略面一となることで柱状電極21の上面が露出されるように設けられている。封止膜22は、エポキシ系樹脂とシリカフィラーとのコンポジット(複合材料)等からなる。封止膜22は、電解めっき用シード層18及び柱状電極21をその側面から保護し、第2絶縁膜15をそれらの上部から保護する。各柱状電極21の表面には半導体基板11の接続パッド12と接続するための略球形状の半田端子23がそれぞれ設けられている。半田端子23は、柱状電極21の円形の上面に接することによって相互に電気的に接続している。
【0022】
次に、半導体装置1Aの製造方法について図3〜図16を用いて説明する。
まず、図3に示すように、半導体デバイスウェハ10の表面に第1絶縁膜14を形成する。
次に、図4に示すように、スパッタ等の気相堆積法により第1絶縁膜14の全面及び接続パッド12の全面を覆う電解めっき用シード層16Aを形成する。
【0023】
次に、図5に示すように、主層19を形成しない位置に再配線レジスト17を形成する。
次に、図6に示すように、電解めっき用シード層16Aを陰極とする電解めっきにより再配線レジスト17が形成されていない部分に主層19を形成する。
その後、図7に示すように、再配線レジスト17を除去する。
【0024】
次に、図8に示すように、エッチングにより主層19が形成されていない部分の電解めっき用シード層16Aを除去する。なお、このとき、主層19の表面もエッチングされるが、主層19は電解めっき用シード層16Aと比較して充分に厚いため、影響はない。
次に、図9に示すように、主層19及び第1絶縁膜14の上部に第2絶縁膜15を形成する。
次に、図10に示すように、第2絶縁膜15の全面及び開口部15aから露出した主層19の全面を覆う電解めっき用シード層18を形成する。
【0025】
次に、図11に示すように、電解めっき用シード層18の上面に柱状電極用レジスト20となるドライフィルムを貼り付け、パターニングすることで柱状電極21の位置に開口20aを形成する。
次に、図12に示すように、電解めっき用シード層18を陰極とする電解めっきにより開口22a内に柱状電極21を形成する。
次に、図13に示すように柱状電極用レジスト20を除去する。
その後、図14に示すように、エッチングにより柱状電極21が形成されていない部分の電解めっき用シード層18を除去する。なお、このとき、柱状電極21の一部もエッチングされるが、柱状電極21は電解めっき用シード層18と比較して充分に厚いため、影響はない。
【0026】
次に、図15に示すように、印刷法により封止膜22となる樹脂を塗布し、封止膜22を形成する。
次に、図16に示すように、封止膜22の表面を研削することにより、封止膜22の表面が柱状電極21の表面と略面一となるように柱状電極21の上面を露出させる。
その後、柱状電極21の上面に略球形状の半田端子23を形成し、ダイシングする。以上により、半導体装置1Aが形成される。
【0027】
このように、本発明によれば、再配線30が第2絶縁膜15により被覆されているため、再配線30と封止膜22とが接触しない。そのため、再配線30を形成する金属のマイグレーション現象が生じず、再配線30のショートを防ぐことができる。このため、再配線30の配線密度を高くすることができる。また、再配線30と封止樹脂22とが接触しないため、封止膜22の材料として任意の材料を選択することができる。
【0028】
また、再配線30を形成した後、第2絶縁膜15で被覆し、その後に柱状電極用レジスト20を形成するため、ドライフィルムラミネート時において再配線30の凹凸による気泡の発生を防ぐことができる。また、ドライフィルムに由来するゴミの再配線30に対する影響を防ぐことができる。
【0029】
<変形例>
図17は、本実施形態の変形例に係る半導体装置1Bを示す断面図である。本変形例においては、第2絶縁膜15の開口15aが柱状電極21よりも小さく形成されている。また、電解めっき用シード層18が第2絶縁膜15の開口15aの内部及び外周部のみではなく、他の部分にも設けられ、電解めっき用シード層18の上部に、さらに主層24が設けられている。柱状電極21は再配線40の上部に形成されている。
【0030】
本変形例においては、第2絶縁膜15の開口15aが柱状電極21よりも小さく形成されているため、柱状電極21に接続される再配線40と、それ以外の再配線40とをより隣接して配置することができ、より多くの再配線40を配置することができる。また、第2絶縁膜15に被覆される再配線40に加えて、第2絶縁膜の上部にも再配線40を設けることができ、配線密度をさらに高くすることができる。
【0031】
〔第2実施形態〕
図18は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Cを示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
本実施形態に係る半導体装置1Cが第1実施形態に係る半導体装置1Aと異なる点は以下の通りである。
【0032】
すなわち、半導体装置1Cにおいては、電解めっき用シード層16Aの代わりに、無電解めっき用触媒層16Bが主層19の下部に形成されている。無電解めっき用シード層16Bは、例えばPdを含む水溶液等の液材料(触媒溶液)をインクジェット方式等により塗布し乾燥させることで形成される。あるいは、触媒溶液が第1絶縁膜14に対してより親和性が高くなるように、第1絶縁膜14と第2絶縁膜15とで表面の濡れ性や吸着性に差をつけた後、第1絶縁膜14及び第2絶縁膜15が形成された半導体デバイスウェハ10を触媒溶液に浸漬し、乾燥させることで形成してもよい。
【0033】
また、第2絶縁膜15は第1絶縁膜14の上部にのみ形成され、主層19の上部には形成されていない。本実施形態においては、第2絶縁膜15のパターニングが必要である。このため、第2絶縁膜15は感光性樹脂を用いて形成する。第2絶縁膜15の厚さは5〜15μm程度であることが好ましい。
電解めっき用シード層18は主層19と柱状電極21との間にのみ設けられており、封止膜22は第2絶縁膜15及び主層19の上部に形成されている。
【0034】
次に、半導体装置1Cの製造方法について図19〜図28を用いて説明する。
まず、第1実施形態と同様に、図3に示すように、半導体デバイスウェハ10の表面に第1絶縁膜14を形成する。
【0035】
次に、図19に示すように、第1絶縁膜14の上部に第2絶縁膜15形成する感光性樹脂を塗布し、パターニングすることで第2絶縁膜15を形成する。このとき、第2絶縁膜15は再配線30を形成しない位置のみに残す。
次に、図20に示すように、第2絶縁膜15を形成しなかった部分に無電解めっき用シード層16Bを形成する。
次に、図21に示すように、無電解めっき法により無電解めっき用シード層16Bの上部に主層19を形成する。
次に、図22に示すように、第2絶縁膜15及び主層19の全面に電解めっき用シード層18を形成する。
【0036】
次に、図23に示すように、電解めっき用シード層18の上面に柱状電極用レジスト20となるドライフィルムを貼り付け、パターニングすることで柱状電極21の位置に開口20aを形成する。
次に、図24に示すように、電解めっき用シード層18を陰極とする電解めっきにより開口22a内に柱状電極21を形成する。
次に、図25に示すように柱状電極用レジスト20を除去する。
その後、図26に示すように、エッチングにより柱状電極21が形成されていない部分の電解めっき用シード層18を除去する。
【0037】
次に、図27に示すように、印刷法により封止膜22となる樹脂を塗布し、封止膜22を形成する。
次に、図28に示すように、封止膜22の表面を研削することにより、封止膜22の表面が柱状電極21の表面と略面一となるように柱状電極21の上面を露出させる。
その後、柱状電極21の上面に略球形状の半田端子23を形成し、ダイシングする。以上により、半導体装置1Cが形成される。
【0038】
このように、本実施形態によれば、再配線30を形成する金属のマイグレーション現象が生じない材料からなる第2絶縁膜15により隣接する再配線19が仕切られているので、隣接する再配線19同士のショートを防ぐことができる。このため、再配線19の配線密度を高くすることができる。また、第1実施形態と比較して、より少ないプロセス数で半導体装置を形成することができる。
【0039】
尚、本実施形態においては、再配線30は、電解めっき用シード層16A或いは無電解めっき用触媒層16Bと、主層19と、を備えるものとしたが、少なくとも主層19を備えるものであれば良い。
また、本実施形態の変形例によれば、再配線40は、電解めっき用シード層18と、主層24とを備えるものとしたが、少なくとも主層24を備えるものであれば良い。
【0040】
以下、本発明の実施例に対して行った信頼性試験について、比較例とともに示す。
<実施例>
半導体デバイスウェハのSi基板の上面に1層目の絶縁膜(第1絶縁膜)を形成し、1層目の絶縁膜の上部に2本の再配線を隣接するように形成し、2本の再配線を2層目の絶縁膜(第2絶縁膜)で被覆し、2層目の絶縁膜の上部を封止樹脂で封止し、WLPを形成した。1層目、2層目の絶縁膜にはPIを用いた。再配線には銅(Cu)を用いた。封止樹脂には、エポキシ系樹脂にシリカフィラーを分散させた封止材料を用いた。
【0041】
<比較例>
半導体デバイスウェハのSi基板の上面に絶縁膜を形成し、絶縁膜の上部に2本の再配線を隣接するように形成し、2本の再配線を封止樹脂で封止し、WLPを形成した。絶縁膜にはPIを用いた。再配線には銅(Cu)を用いた。封止樹脂には、エポキシ系樹脂にシリカフィラーを分散させた封止材料を用いた。
【0042】
<HAST試験>
実施例、比較例のWLPに対し、耐湿バイアスの加速環境での信頼性試験として、HAST(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress Test;高度加速高温高湿ストレス試験)を行った。気温130℃、湿度85%の環境下で、2本の再配線間に3.5Vのバイアス電圧を500時間印加した。
【0043】
<結果>
HAST試験後の実施例の断面図を図29に、比較例の断面図を図30に示す。なお、図29では左側の再配線が高電圧側(High)、右側の再配線が低電圧側(Low)であり、図30では左側の再配線が低電圧側(Low)、右側の再配線が高電圧側(High)である。
【0044】
図29に示すように、実施例では、配線が1層目及び2層目の絶縁膜により被覆されているため、HAST試験後も再配線の形状に影響はない。一方、図30に示すように、比較例では、再配線が封止樹脂と接触するために、高電圧側の再配線においてCuの溶出(マイグレーション)が生じた。また、ショートにより、2本の再配線間の絶縁膜に破壊が生じた。
【符号の説明】
【0045】
1A、1B 半導体装置
10 半導体デバイスウェハ
11 半導体基板
12 接続パッド
13 パッシベーション膜
13a、14a、15a、20a 開口
14 第1絶縁膜
15 第2絶縁膜
16A 電解めっき用シード層
16B 無電解めっき用触媒層
19 主層
20 柱状電極用レジスト
21 柱状電極
22 封止膜
23 半田端子
30 再配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハと、
前記半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口が設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され一端面が前記複数の接続端子とそれぞれ接続された複数の再配線と、
前記再配線の他端面上に形成された複数の柱状電極と、
前記再配線の側面を被覆する第2絶縁膜と、
前記再配線及び前記第2絶縁膜を封止するとともに前記柱状電極の表面を露出させる封止膜と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数の柱状電極と前記再配線層との間には電解めっき用シード層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2絶縁膜は、更に前記再配線の上面及び前記第1絶縁膜の上面を被覆することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2絶縁膜は、前記再配線の上面には設けられていないことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2絶縁膜と前記封止膜との間にさらに再配線を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2絶縁膜は、前記再配線を形成する材料のマイグレーション現象が生じない材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板上に複数の接続端子が形成された半導体デバイスウェハの表面を覆うとともに前記接続端子を露出させる開口を有する第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に、一端面が前記複数の接続端子とそれぞれ接続された複数の再配線を形成する工程と、
前記再配線の他端面を露出させる開口を有し、前記再配線の少なくとも側面を被覆するように前記第1絶縁膜上部に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記再配線の他端面における前記第2絶縁膜の開口上に柱状電極を形成する工程と、
前記再配線及び前記第2絶縁膜の上部に、表面が前記柱状電極の表面と面一となる封止膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2絶縁膜は、更に前記再配線の上面及び前記第1絶縁膜の上面を被覆することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2絶縁膜と前記封止膜との間にさらに再配線を形成することを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2絶縁膜は、前記再配線を形成する材料のマイグレーション現象が生じない材料であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図31】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2012−69718(P2012−69718A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213045(P2010−213045)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(311014314)株式会社テラミクロス (42)
【Fターム(参考)】