説明

半導体製造方法

【課題】量産性のある回路基板への集合体実装を可能にするため、ダイシングされた半導体ウェハに形成された大量の半導体チップの密着した集合体を、マトリクス状に半導体チップを所定の間隔で精度良く整列配置することが難しかった。
【解決手段】半導体チップ押えが第1プレートに載置された半導体ウェハを押圧する列方向押圧工程の第1工程、列方向ピックアップチャックが1列分の半導体チップを劈開分離して真空吸着する列方向ピックアップ工程の第2工程、列方向ピックアップチャックがダイシングラインから遠ざける方向に移動する列方向ピックアップチャック移動工程の第3工程、第2プレートに載置する列方向載置工程の第4工程と、第1工程から第4工程を繰り返し、第2プレート上に行方向に一定間隔で半導体チップ列を配列し、行方向も同様な製造工程を繰り返し、第3プレート上に半導体チップをマトリックス状に配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハから半導体チップをピックアップする半導体製造方法に関し、特に、ダイシングにより大量の半導体チップが形成された半導体ウェハから、半導体チップをピックアップしてマトリクス状に整列配置する半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体ウェハに形成される半導体チップは、その外形寸法が0.24×0.42mm程度の極めて小さな形状であるから、例えば、4インチの半導体ウェハには、6万〜8万個にも及ぶ大量の半導体チップが形成されている。この半導体ウェハから半導体チップを取り出し、回路基板に実装するために、まず、半導体ウェハをダイシングで分割して、半導体チップの密着した集合体を形成する。
【0003】
そして、この半導体チップの密着した集合体を回路基板に実装する方法として、1個ずつ半導体チップをピックアップして実装する方法と、密着した半導体チップの間隔を広げてマトリクス状の集合体に配置変換し、そのマトリクス状の半導体チップの集合体を一括して回路基板に実装する、いわゆる、集合体実装の方法がある。
回路基板に一括して半導体チップを集合体実装する方法が量産性に優れているため、半導体チップの密着した集合体をマトリクス状に配置変換する装置、及び、製造方法が種々提案されている。
【0004】
このような従来技術の製造方法として、上述した半導体チップの密着した集合体を、マトリクス状に間隔を広げ、集合体実装を行う製造方法が開示されている。(例えば、特許文献1)。
以下この従来技術の製造方法について図11に基づいて簡単に説明する。
【0005】
図11(a)に示すように、大口径半導体ウェハ112は、スクライブ加工されてスクライブライン108が形成された状態で、粘着フィルム109に貼着されている。そのスクライブライン108入りの大口径半導体ウェハ112を、平行性を維持してX軸方向である矢印Aの方向へエキスパンドし、X軸に対して予め定められた間隔を有した後、Y軸方向である矢印Bの方向へエキスパンドする。或いは、X、Y軸へのエキスパンドを同時に実施する。従って、大口径半導体ウェハ112は、スクライブライン108で分離され、粘着フィルム109上の各半導体チップ101は平行性を維持して、マトリクス状に縦横に等間隔に同一向きに並んで広げられる。このとき平行性を維持してX、Y軸方向へエキスパンドされることから、粘着フィルム109の面は吸着コレット113の吸着面、及び大口径回路基板114の接着面に対して平行になっている。
【0006】
このように、X軸とY軸方向にエキスパンドすることによって、図11(b)に示すように、粘着フィルム109上の各半導体チップ101は、吸着コレット113及び回路基板114に対してそれぞれ平行に位置付けられ、各半導体チップ101のピッチは、吸着コレット113の各コレットのピッチと等しく、またこのピッチは、大口径回路基板114上にダイシングライン111により形成された格子状の各チップに対応する。
【0007】
図11(c)に示すように、吸着コレット113は縦横に等間隔に並んだ半導体チップ101を真空吸着して、回路基板114に接着する。その後、ダイシング等により回路基板114のダイシングライン111に沿って1チップごとに分離する。
これによって、大口径半導体ウェハ112に作成された半導体チップ101に対する半導体装置の組み立て方法は、一度に全部、或いは任意のブロックずつの実施が可能である。
【0008】
以上のような構成、工程としたので、一度に大量の半導体チップを回路基板へ集合体実装としてボンディングすることができ、これによって、従来の組み立てのように、半導体チップをチップトレイに並べる必要がなくなり1チップ毎に組み立てを行わなくともよく作業時間が短縮され、作業が容易になる。
【0009】
一方、ダイシングされた半導体ウェハから、半導体チップをピックアップする技術を工夫したピックアップ装置が開示されている。(例えば、特許文献2)。
以下この従来技術のピックアップ装置について図12に基づいて簡単に説明する。
【0010】
図12において、従来技術のピックアップ装置は、温度活性粘着剤を用いた粘着フィルム204の上に接着された半導体ウェハからダイシングにより分離して得られた半導体チップ202を、粘着フィルム204を介して突き上げピン207で突き上げ、ピックアップチャック208で真空吸着するピックアップ装置であって、突き上げピン207を駆動する突き上げ機構206と、突き上げ機構206に組み込まれた冷却配管209とにより構成されている。そして、冷却配管209は、半導体チップ202真下の粘着フィルム204を冷却するように、冷却装置210に接続され冷却媒体が循環されている。
【0011】
従って、このピックアップ装置は、半導体チップ202真下の粘着フィルム204を、冷却配管209を介して冷却し、粘着フィルム204の接着力を弱め、そして、突き上げピン207を少ない力で突き上げ、半導体チップ202に加えられる機械的なストレスを低減しながら、粘着フィルム204から半導体チップ202をピックアップチャック208で吸着して分離するものである。
【0012】
以上のように構成されるので、半導体チップを粘着フィルムから分離する際の、半導体チップに加わる機械的な力、ストレスを低減でき、また半導体チップ裏面に接着剤の残渣が残るのを防止できるので、半導体チップの割れを防止できるとともに機械的なストレスが残ることによる信頼性の低下を防止でき、結果として半導体製品の歩留まりを向上できる効果がある。
【0013】
更に、半導体チップをピックアップする他の従来技術として、半導体チップを真空吸着する吸着面に斜面を形成したピックアップチャックが開示されている。(例えば、特許文献3)。
【0014】
図13(a)において、ピックアップチャック315を転置した状態を示している。ピックアップチャック315のブロック330の中心部には、ノズル331が設けられており、ノズル331の先端部は、半導体チップを真空吸着する吸着孔332となっている。ノズル331の外側には、ブロック330を加工して略4角錐上の凹部が設けられている。この凹部は4辺の傾斜面333A、333B、334A、334Bより形成されており、相対する2辺、即ち傾斜面333Aと333B、334Aと334Bはそれぞれ対称形状となっている。
【0015】
図13(b)に示すように、位置決めを要する矩形形状の半導体チップ309Aの各辺がブロック330の傾斜面333A、333B、334A、334Bに接した状態で、半導体チップ309A上面の平坦面とノズル331の下端部との隙間Gが所定隙間以下となるような状態で吸着孔332から真空吸引される。従って、半導体チップ309Aは、傾斜面333A、333B、334A、334Bによって位置決めされた状態で真空吸着される。所定隙間Gは、半導体チップ309Aの吸着保持が不可能となるような過大の真空リークを発生させないための上限の隙間として設定されるのである。
【0016】
図13(c)に示すように、ノズル331の吸着孔332に半導体チップ309Bを直接当接させて真空吸着した状態を示している。このように、吸着孔332によって真空吸着するためには、半導体チップ309Bがブロック330の傾斜面333A、333B(334A、334Bも同様)に接触することなく吸着孔332の先端に当接可能な寸法・形状であればよい。即ち、ピックアップチャック315は、平坦部を有しこのような特定寸法・形状を有する一群の半導体チップの平坦部に当接して真空吸着することができる。
【0017】
ピックアップチャック315は、上記の条件を満たすような特定寸法・形状を有する一群の矩形状の半導体チップ309Aと、上面に平端部を有する他の一群の特定寸法・形状の半導体チップ309Bとを単一のピックアップチャックで真空吸着して保持することが出来る。
【0018】
従って、複数種類の半導体チップを突き上げピン(図示せず)で突き上げ同一のピックアップチャックでピックアップすることができるので、複数種類の半導体チップをボンディングする場合も複数の吸着ツールを備えたマルチタイプの移動ヘッドを使用することなく、単一の移載ヘッドを用いて効率的なボンディングを行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開平6−77317号公報(第4頁、図2)
【特許文献2】特開平9−167779号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特許第3451956号公報(第3−4頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、特許文献1に示した従来技術において、粘着フィルムに粘着された密着した集合体の半導体チップは、粘着フィルムを矢印A方向、矢印B方向にエキスパンドして、マトリクス状に等間隔の配列を目的としても、矢印Aと矢印Bの90°異なる方向にテンションを掛けるため、平面を形成している粘着フィルムに歪が発生し、半導体チップが精度良く一定間隔で整列配置され難く、更に、粘着フィルムの伸度限界により所望の寸法のピッチ間隔で半導体チップを整列配置出来ない問題があった。
【0021】
特許文献2と特許文献3は、突き上げピンとピックアップチャックからなる構造を形成している。それは、ダイシングされた半導体ウェハに形成される半導体チップが互いに密着した集合体を形成し、隣り合った密着した半導体チップ同士の荒れたダイシング面の干渉や摩擦があり、その半導体チップをピックアップチャックの吸引力だけでピックアップすることは、不可能である。そのため、半導体ウェハを粘着フィルムに貼着し、粘着フィルムをエキスパンドして隣り合った半導体チップ間に隙間を形成し、ダイシング面の干渉や摩擦を排し、半導体チップを突き上げピンで粘着フィルムから引き剥がし、ピックアップする構造を形成している。従って、微小な半導体チップを1個1個ピックアップするため、組立工数が掛かり量産性に問題があった。
【0022】
また、特許文献2に示した従来技術は、冷却機構を持つ突き上げピンが粘着フィルムを突き破って、半導体チップを突き上げ、そして、ピックアップチャックで半導体チップを吸着する構造のため、突き上げピン部に特殊な構造を要し、かつ、突き上げピンによる力が外力として半導体チップにストレスを加え、半導体チップの品質や信頼性に影響を与える問題があった。更に、半導体チップが微小になると、突き上げピンで突き破られた粘着フィルムの変形が、周囲の半導体チップの整列を乱し、突き上げ位置精度やピックアップ位置精度に問題が生じた。
【0023】
更に、特許文献3に示した従来技術は、ピックアップチャックの吸着孔内側の凹部に形成した4つの斜面は、異なった寸法の半導体チップを1個ずつ吸着する機能を持つものの、斜面には半導体チップを劈開分離する機能、及び、ピックアップする機能がなく、量産性に寄与するものではなかった。
【0024】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、ダイシングされた半導体ウェハに形成された大量の半導体チップの密着した集合体から、1列分或いは1行分の複数個の半導体チップを一度にピックアップして、マトリクス状に所定の間隔で整列配置した集合体に配列変換して、回路基板への集合体実装を可能にする、量産性のある半導体製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
半導体チップ押えが、列方向に劈開分離するダイシングラインに沿って、第1プレートに載置された半導体ウェハの端部の少なくとも1列を露出させる状態に押圧する列方向押圧工程である第1工程、
列方向ピックアップチャックが、半導体ウェハ端部から列方向のダイシングラインに沿った1列分の半導体チップを劈開分離して真空吸着する列方向ピックアップ工程である第2工程、
列方向ピックアップチャックが1列分の半導体チップを真空吸着後、列方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する列方向ピックアップチャック移動工程である第3工程、
列方向ピックアップチャックで真空吸着した1列分の半導体チップを第2プレートに載置する列方向載置工程である第4工程と、
第1工程から第4工程を繰り返すことにより、第2プレート上に行方向に一定間隔で半導体チップ列を配列し、
第2プレート上に配列された半導体チップ列に対し行方向に劈開分離するダイシングラインに沿って、半導体チップ列の端部の少なくとも1行分の半導体チップを露出させる状態に、半導体チップ押えで押圧する行方向押圧工程である第5工程、
行方向ピックアップチャックが前記第2プレートに整列載置した半導体チップ列端部から1行分の半導体チップをダイシングラインに沿って劈開分離して真空吸着する行方向ピックアップ工程である第6工程、
行方向ピックアップチャックが1行分の半導体チップを真空吸着後、行方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する行方向ピックアップチャック移動工程である第7工程、
行方向ピックアップチャックで真空吸着した半導体チップ1行分を第3プレートに載置する行方向載置工程である第8工程と、
第5工程から第8工程を繰り返すことにより、
第3プレート上に半導体チップをマトリックス状に配列する事を特徴とする。
【0026】
第1、第2、第3プレートは多孔質プレートからなり、半導体チップを真空吸着するようになっていてもよい。
【0027】
第1工程から第4行程と、第5工程から第8工程とは同じピックアップチャックとピックアップチャック移動手段を用いて行われるようになっていてもよい。
【0028】
列方向ピックアップチャックが、共有プレートに載置された半導体ウェハ端部から列方向のダイシングラインに沿った1列分の半導体チップを劈開分離して真空吸着する列方向ピックアップ工程である第1工程、
列方向ピックアップチャックが1列分の半導体チップを真空吸着後、列方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する列方向ピックアップチャック移動工程である第2工程、
列方向ピックアップチャックで真空吸着した1列分の半導体チップを共有プレートに載置する列方向載置工程である第3工程と、
第1工程から第3工程を繰り返すことにより、共有プレート上に行方向に一定間隔で半導体チップ列を配列し、
共有プレート上に配列された半導体チップ列に対し、行方向ピックアップチャックが共有プレートに整列載置した半導体チップ列端部から1行分の半導体チップをダイシングラインに沿って劈開分離して真空吸着する行方向ピックアップ工程である第4工程、
行方向ピックアップチャックが1行分の半導体チップを真空吸着後、行方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する行方向ピックアップチャック移動工程である第5工程、
行方向ピックアップチャックで真空吸着した半導体チップ1行分を共有プレートに載置する行方向載置工程である第6工程と、
第4工程から第6工程を繰り返すことにより、
共有プレート上に半導体チップをマトリックス状に配列する事を特徴とする。
【0029】
共有プレートは、同一のプレートであって、共有プレートの上面には弱粘着膜が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0030】
以上のように本発明の製造方法によれば、1列分或いは1行分の複数個の半導体チップをそれぞれ一度にピックアップして、半導体チップの密着した集合体を配列変換してマトリクス状の集合体を形成することが可能である。従って、回路基板に集合体実装することが可能な本発明の製造方法は、半導体チップを1個ずつピックアップして回路基板に整列する製造工程に比べて、はるかに製造工数の短縮が可能で量産性の優れた製造方法が提供できる。更に、半導体チップのマトリクス状の集合体の間隔精度は、XY軸ステージなどのマイクロメータ送りにより高精度の送りが実現可能であるから、次工程の回路基板との集合体実装において、位置合わせ精度が良好で、従って、不良の極めて少ない集合体実装が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の半導体製造装置の外観を示す斜視図でプレートスライド部が左端に固定された図ある。
【図2】上記の半導体製造装置の外観を示す斜視図でプレートスライド部が右端に固定された図である。
【図3】上記の半導体製造装置のピックアップ部の外観を示す斜視図と分解斜視図と先端部の部分拡大斜視図である。
【図4】上記の半導体製造装置の列方向ピックアップ、行方向ピックアップを説明するための右側面図である。
【図5】上記の半導体製造装置において、ピックアップ動作を説明するための図として、ピックアップチャック部先端を拡大した部分拡大図である。
【図6】図5の続きのピックアップ動作を説明するための部分拡大図である。
【図7】本発明の実施例1における、半導体チップ密着集合体から半導体チップ列を形成する製造工程を説明するための平面図である。
【図8】本発明の実施例1における、図7の続きの製造工程で、半導体チップ列からマトリクス状の集合体を形成する製造工程を説明するための平面図である。
【図9】本発明の実施例2における、半導体チップ密着集合体から半導体チップ列を形成する製造工程を説明するための平面図である。
【図10】本発明の実施例2における、図9の続きの製造工程で、半導体チップ列からマトリクス状の集合体を形成する製造工程を説明するための平面図である。
【図11】特許文献1に示した従来技術を説明するための斜視図である。
【図12】特許文献2に示した従来技術を説明するための側面図である。
【図13】特許文献3に示した従来技術のピックアップチャックを説明するための斜視図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の具体的実施形態について、図面に基づき説明する。
図1から図4は、本発明の実施例1の半導体製造装置の構成を説明するための図面である。図1は、半導体製造装置の外観を示す斜視図で、プレートスライド部が左端に固定された図であり、図2は、半導体製造装置の外観を示す斜視図で、プレートスライド部が右端に固定された図である。図3は、半導体製造装置のピックアップ部の斜視図と分解斜視図、そして、部分拡大図である。図4は、列方向ピックアップ、行方向ピックアップを説明するための図で半導体製造装置のピックアップ部とプレート支持台を抜き出した右側面図である。
各図において同一の構成部材は同一の番号を付して、重複する説明は省略する。
【0033】
(実施例1)
[実施例1の全体構成及び機能:図1−図4]
図1に示すように、半導体製造装置1は、ベースプレート部2、カメラ部3、プレートスライド部4、ピックアップ部5から構成されている。
【0034】
まず、上記構成部の機能を概略説明し、詳細は後述する。
ベースプレート部2は、半導体製造装置1の基台を形成して、カメラ部3、プレートスライド部4、ピックアップ部5を支持し、そして、ガイドする部材で構成されている。
カメラ部3は、ダイシングされた半導体ウェハ、即ち、半導体チップの密着した集合体(以後、半導体チップ密着集合体とする)を、定められた位置に初期設定する画像を提供する。
【0035】
プレートスライド部4は、半導体チップ密着集合体からマトリクス状の集合体に配列を変換する移動元のプレートと移動先のプレートを、半導体チップをピックアップするピックアップ部5の直下に、交互に切り替え可能な機構を有している。
【0036】
ピックアップ部5は、押圧部とピックアップ部を有し、押圧部は、半導体チップをピックアップする1列分或いは1行分を露出して押える機構を有し、ピックアップ部は、複数個の半導体チップの1列分或いは1行分を吸着してピックアップする機構を有している。
【0037】
本実施例においては、半導体ウェハをダイシングして半導体チップ密着集合体を形成するダイシング方法は、ステルスダイシングを用いることが望ましい。即ち、ステルスダイシングは、従来のダイシングに比べウェハ表層部へダメージがなく、アクティブ領域への熱影響やデブリ汚染がなく、チップエッジにおけるマイクロクラック発生による抗折強度低下等の信頼性低下を防ぐことが可能なのである
【0038】
以下、半導体製造装置1を構成する各構成部を詳細に説明する。
図1において、ベースプレート部2は、ベースプレート21と、ベースプレート21上に位置決めしネジ止めされたスライドガイド22と、ベースプレート21の左右の端部に設置された右ストッパ23、左ストッパ24から構成されている。
【0039】
カメラ部3は、カメラ支柱31とカメラ支柱ステー32とカメラ33から構成されている。カメラ支柱31は、その下端がベースプレート21に立てて固定され、上端部にカメラ支柱ステー32を位置決め配置している。カメラ33は、カメラ支柱ステー32に固定され、第1プレート43上に載置された半導体ウェハの画像を表示する。
【0040】
[プレートスライド部4の説明]
プレートスライド部4は、図1、図2に示すように、スライドベース41と、ストッパステー49と、第1プレート支持台42と、第2プレート支持台44と、第1プレート43と、第2プレート45と、により構成されている。
【0041】
そして、プレートスライド部4は、第1プレート43と第2プレート45をピックアップ部5の直下の定位置に交互に移動し、半導体チップを第1プレート43から第2プレート45に移動し配列することを可能にし、そして、第1プレート42と第2プレート45が載置される第1プレート支持台42と第2プレート支持台44のX軸ステージによって、列と行方向に位置精度のよい配列を可能にしている。
【0042】
スライドベース41は、ベースプレート21に設置されたスライドガイド22のブロック(図示せず)にネジ止め固着され、スライドガイド22に沿ってX軸方向(左右方向)の直動が可能に形成されている。このプレートスライド部4の移動方向が図1に示す座標軸のX軸として実施例1の半導体製造装置の基準となっている。
【0043】
更に、スライドベース41は、その上面の左右の端部に、第1プレート支持台42と第2プレート支持台44が配置されている。第1プレート支持台42は、XYθ軸ステージを備え、その上に半導体チップの移動元である第1プレート43が設置されている。第2プレート支持台44は、X軸ステージを備え、その上に半導体チップの移動先である第2プレート45が設置されている。そして、第1プレート43と第2プレート45は、多孔質プレートからなり、載置される半導体チップは、真空吸着されることで位置が固定され、真空吸着を停止されることで位置固定が解除され、移動やピックアップされることが可能となる。尚、真空吸着するパイプが配管されているが、本実施例では図示を省略する。実施例1においては多孔質プレートの例で説明するが弱粘着膜をプレート上に形成しても位置がずれないようにすることも可能である。
【0044】
第1プレート支持台42のXYθ軸ステージは、初期設定としてカメラ部3による半導体チップの出力画像を基に、半導体チップ密着集合体のダイシングラインとX軸方向の平行度調整と初期位置の設定を行い、更に、X軸方向の送りにより、ピックアップ部5が1列分又は1行分の複数個の半導体チップをピックアップする位置に第1プレート43を移動する機能を有している。第2プレート支持台44のX軸ステージは、ピックアップ部5によりピックアップされた1列分又は1行分の複数個の半導体チップを第2プレート45上に一定間隔に載置する送り量を設定する機能を有している。
【0045】
第1プレート43及び第2プレート45は、第1プレート支持台42と第2プレート支持台44に着脱自在で互換性があり、かつ、プレート平面上で90°回転しても着脱可能の構造を形成している。
【0046】
プレートスライド部4の左右(X軸)方向への直動を固定する機構として、ストッパステー49がスライドベース41の側面にネジ止め固定されて、溝部がクランプ48と係合している。クランプ48のネジを締め付けることでストッパステー49がベースプレート21に固着され、スライドベース41をベースプレート21に固定することを可能にしている。
【0047】
従って、ベースプレート21の左右の端部に配設された右ストッパ23、左ストッパ24とスライドベース41を当接して、クランプ48のネジを締め付けることで、ベーススライド部4は、左右の両端で、定められた位置に固定することが可能である。
【0048】
図1においては、スライドベース41が左ストッパ24に当接した位置で、クランプ48で固定して位置決めしており、カメラ部3が第1プレート43の真上に、ピックアップ部5が移動先の第2プレート45の真上に位置決めされている。
図2においては、スライドベース41が右ストッパ23に当接して、クランプ48で固定して位置決めしており、ピックアップ部5が移動元の第1プレート43の真上に位置決めされている。
【0049】
従って、ピックアップ部5は、ピックアップした1列分、或いは、1行分の半導体チップを第1プレートから第2プレートに移動する手段を保有しないが、その代わりに、プレートスライド部4がピックアップ部5の下で第1プレートと第2プレートを移動する手段を構成し、1列分、或いは、1行分の半導体チップを第1プレートから第2プレートに移動する手段を構成する。
【0050】
即ち、プレートスライド部4の左端位置(図1に示す)と右端位置(図2に示す)において、左端位置(図1参照)でカメラ部3の下で半導体チップ密着集合体の初期位置設定を行い、右端位置(図2参照)でピックアップ部5が第1プレート43上の半導体チップ密着集合体から1列分の半導体チップを吸着し劈開分離してピックアップし、左端位置(図1参照)に戻り、1列分の半導体チップを第2プレート45に載置し、真空吸着して固定し、また、右端位置(図2参照)で半導体チップをピックアップ、左端位置で半導体チップを第2プレート45の上面に一定間隔で載置し真空吸着して固定、を繰り返して、半導体チップ密着集合体から、一定間隔で整列する複数列の半導体チップを整列する。
【0051】
[実施例1のピックアップ部5の説明]
図1に示すように、ピックアップ部5は、ベースプレート21から立ち上げられたピックアップ支柱51、ピックアップ支柱ステー52を介してピックアップベースプレート53にネジ止め固定されて、プレートスライド部4の第1プレート43、或いは、第2プレート45の真上に当たる位置に取り付けられている。
【0052】
図3により、ピックアップ部5の構造を説明する。
図3(a)は、半導体製造装置1からピックアップ部5を取り出し右側面後方より見た外観の斜視図であり、図3(b)は、ピックアップ部5の図3(a)の拡大分解斜視図であり、図3(c)は、ピックアップ部5のピックアップチャック先端部を更に拡大した部分拡大斜視図である。
【0053】
図3(a)に示すように、ピックアップ部5は、ピックアップスライド部6、ピックアップチャック部7、半導体チップ押え部8から構成されている。そして、ピックアップスライド部6と半導体チップ押さえ部8は、それぞれが後述するスライドガイドを介してピックアップベースプレート53にネジ止め固着されている。ピックアップチャック部7は、ピックアップスライド部6にこれも後述するスライドガイドを介してネジ止め固着されている。
【0054】
ピックアップ部5の各部の機能を概略説明する。ピックアップスライド部6は、ピックアップチャック部7を上下(Z軸)方向に移動して半導体チップの吸着位置と退避位置に配置する機能と、ピックアップチャック部7をY軸方向に移動して1列分の半導体チップの吸着又は1行分の半導体チップの吸着の切替の機能を有する。
【0055】
ピックアップチャック部7は、本発明の主眼となる構造を形成している。即ち、1列分又は1行分の複数の半導体チップを吸着そして載置する2種類の列チャックと行チャックを有し、しかも、列チャック71aと行チャック71bの先端には斜面54が形成され斜面54に吸着孔55が形成されており、更に、列チャック71aと行チャック71bが斜め45°方向に上下移動が可能な機構が形成されている。
【0056】
半導体チップ押え部8は、移動元の第1(第2)プレート上の半導体チップを浮きのないように平面的に押え、第1プレートの真空吸着が解除されても、半導体チップを配置された位置に固定する機能を有する。そして、更に、ピックアップチャック部7に対しては、ピックアップチャック部7で吸着する1列分又は1行分の半導体チップを露出して、それ以外の半導体チップを覆って押圧する位置関係にある。
【0057】
以下、図3(b)の分解斜視図において、ピックアップスライド部6、ピックアップチャック部7、半導体チップ押え部8の構成を詳細に説明する。
【0058】
[実施例1のピックアップスライド部6の説明]
ピックアップスライド部6は、Z軸スライドガイド61、Z軸スライドガイドのブロック62、Z軸スライドプレート63、Z軸マイクロメータヘッドステー64、Z軸マイクロメータ65、行・列切替スライドガイド66、行・列切替スライドガイドのブロック67、チャックスライドベース68から構成されている。
【0059】
Z軸スライドガイド61は、ピックアップベースプレート53にネジ止め固定され、直動スライドするZ軸スライドガイドのブロック62がZ軸方向に平行に移動可能になっている。Z軸スライドプレート63は、上端面にZ軸マイクロメータ65が取り付けられたZ軸マイクロメータヘッドステー64がネジ止め固定されている。従って、Z軸スライドプレート63は、Z軸マイクロメータ65の送りでZ軸方向(垂直方向)に精度良く直動可能となっている。
【0060】
そして、Z軸スライドプレート63は、下端部に前面63aの平面に対して45°傾斜した面(YZ面に対しY軸を回転軸として45°の傾斜面)を形成して、その面に行・列切替スライドガイド66とブロック67が取り付けられている。そして、行・列切替スライドガイド66の両端、即ち、Z軸スライドプレート63の両端面に右サイドストッパ69a、左サイドストッパ69bがネジ止め固定されている。従って、行・列切替スライドガイド66のブロック67は、Z軸スライドプレート63の前面63aに対し45°の傾斜を持ってY軸方向に直動可能に構成されている。
【0061】
チャックスライドベース68は、行・列切替スライドガイドのブロック67にネジ止め固着される。従って、チャックスライドベース68は、その前面68aがZ軸スライドプレートの前面63aに対して45°の傾斜を保ったまま、Y軸方向に直動可能に構成されている。更に、チャックスライドベース68の待機位置は、左右サイドストッパ69a、69bのどちらかに当接して固定される。詳細は図4で説明する。
【0062】
チャックスライドベース68の前面68aには、列ピックアップチャック部7aと行ピックアップチャック部7bのために2個のチャックスライドガイド77が平行にネジ止めして取り付けられ、チャックスライドガイド77のブロック78がチャックスライドベース68の直動方向に直角な方向に直動可能に設置されている。従って、ブロック78は、Z軸スライドプレートの前面63aに対して45°の傾斜を持って直動可能に設置されている。
【0063】
[実施例1のピックアップチャック部7の説明]
ピックアップチャック部7は、列ピックアップチャック部7aと行ピックアップチャック部7bから構成されている。
列ピックアップチャック部7aと行ピックアップチャック部7bは、ミニチュア管継手73、チャックスライダ74、マイクロメータヘッドステー75、ピックアップマイクロメータ76、チャックスライドガイド77、チャックスライドガイドのブロック78の6部品が共通部品で構成され、先端部分の列チャック71a、列チャックステー72aを加えて列ピックアップチャック部7aが形成され、行チャック71b、行チャックステー72bを加えて行ピックアップチャック部7bが形成されている。
【0064】
チャックスライダ74は、上端部にピックアップマイクロメータ76が取り付けられたマイクロメータヘッドステー75がネジ止め固着され、下端部に列及び行チャック71a、71bとミニチュア管継手73を備えた列及び行チャックステー72a、72bがネジ止め固着されている。そして更に、チャックスライダ74は、チャックスライドガイドのブロック78にネジ止め固着され、チャックスライドガイド77に沿って、ピックアップマイクロメータ76の送りで精度の良い直動が可能となっている。
【0065】
従って、列及び行ピックアップチャック部7a、7bは、チャックスライドガイド77がチャックスライドベース68に搭載され固着されているので、Z軸スライドプレート63の前面63aに対し45°の傾斜を持ってピックアップマイクロメータ76の送りで精度の良い上下の直動が可能となっている。
【0066】
列ピックアップチャック部7aにおいて、列チャック71aの先端は、図3(c)に示すように、第1或いは第2プレート(図1、2参照)の上面に対しα°=7°〜11°の傾きを持つ斜面54が形成され、斜面54に列方向の半導体チップの個数に合致した複数個の吸着孔55が形成されている。そして、この斜面54の傾斜の方向は、半導体チップを吸着する際に劈開分離するダイシングラインに近い側が半導体チップとの間隙が狭く、ダイシングラインから遠ざかるに従って間隙が開く方向に形成されている。
【0067】
そして、列チャック71aは、列チャックステー72aの先端に接着にて固着され、列ミニチュア管継手73と吸着孔55(図3(c)参照)が真空配管される。尚、ミニチュア管継手73には真空吸引するパイプが配管されているが、本実施例では図示を省略する。
【0068】
列チャック71aに配置された吸着孔55は、ミニチュア管継手73からの真空吸引により、1列分の複数個の半導体チップを斜面54に吸着する。斜面54に吸着することにより、列チャック71aは、半導体チップ密着集合体から1列分の半導体チップをダイシングラインに沿って吸着し劈開分離する。
【0069】
従って、列チャック71aが1列分の半導体チップを吸着し劈開分離した後、ピックアップマイクロメータ76の送りで、ダイシングラインから離れる斜め上方向に列チャック71aを移動すると、1列分の半導体チップは45°傾いた斜め上方に移動するため、ダイシングラインに沿って残された半導体チップと接触し干渉することなくピックアップが可能となる。
【0070】
行ピックアップチャック部7bは、前述したように、列ピックアップチャック部7aに対して、行チャック71bと行チャックステー72bが異なるだけで、他の構成部品は全く同一の共通部品で構成され、その構造と機能も同一であるので、説明を省略する。
行チャック71bの先端(図示せず)も、列チャック71aの先端と同様に、第1或いは第2プレートの上面に対しα°=7°〜11°の傾きを持つ斜面が形成され、そして、斜面には行方向の半導体チップの個数に合致した複数個の吸着孔が形成されている。
尚、列ピックアップチャック部7aと行ピックアップチャック部7bの位置関係は、図4(a)(b)で詳細に説明する。
【0071】
従って、列ピックアップチャック部7aと同様に、ダイシングラインに沿って1行分の半導体チップを斜面54に吸着することにより、行方向に整列した半導体チップの集合体から1行分の半導体チップを劈開分離し、そして、45°斜め上方にピックアップすることで、ダイシングラインに沿った残された半導体チップと接触し干渉することなくピックアップが可能となる。
【0072】
[実施例1の半導体チップ押え部8の説明]
半導体チップ押え部8は、チップ押え81、チップ押ステー82、押スライドプレート83、アッパープレート84、レベルプレート85、押スライドガイド86、押スライドガイドのブロック87から構成されている。
【0073】
押スライドガイド86は、Z軸スライドガイド61と隣接して平行に並んで、ピックアップベースプレート53にネジ止め固定され、押スライドガイドのブロック87がZ軸スライドガイドのブロック62と同様に、第1プレート43或いは第2プレート45(図1、2参照)の上面に垂直な方向に直動可能に形成されている。
【0074】
押スライドガイドのブロック87にネジ止め固着されている押スライドプレート83は、上端面にアッパープレート84がネジ止め固着され、ピックアップベースプレート53の上端面にネジ止め固着されたレベルプレート85に設置された送りネジ(図示せず)と当接している。送りネジを回転することでアッパープレート84を上下動することが可能で、押スライドプレート83をZ軸方向(上下方向)に直動可能に構成されている。
【0075】
更に、押スライドプレート83の下端部にはチップ押ステー82がネジ止め固着され、チップ押ステー82の伸長した腕の端面に、チップ押え81がネジ止め固着されている。そして、チップ押え81の下面は、第1プレート43及び第2プレート45(図1、2参照)の上面と平行な平面に形成され、そして、第1、第2プレートに載置された半導体チップの集合体を押えるのに充分な面積を形成している。
【0076】
従って、チップ押え81の下面は、レベルプレート85に設置された送りネジを回転することで、第1、第2プレートの上面に平行にZ軸方向(上下方向)に移動することが可能である。即ち、第1、第2プレートに載置された半導体チップをチップ押え81の下面で浮きのないように平面的に押さえることで、第1、第2プレートの真空吸着を停止し、かつ、1列或いは1行分の半導体チップを劈開分離する外力が加わっても、押圧した半導体チップの位置ずれを防止することが可能である。
【0077】
なお、多孔質プレートからなる第1、第2プレートの真空吸着の停止は、半導体チップを第1、第2プレートに固定する吸着力を解除することであるから、ピックアップ部5による1列分、或いは、1行分の複数の半導体チップをダイシングラインに沿って吸着し劈開分離することが容易となる。
【0078】
そして、上記各部の構成の説明から明らかなように、半導体製造装置1の座標軸(XYZ軸)は、ベースプレート部2の移動方向をX軸方向、ピックアップ部5のZ軸スライドプレート63、及び、押スライドプレートの移動方向をZ軸方向、チャックスライドベース68の移動方向をY軸方向として形成されている。
【0079】
[実施例1の列及び行のピックアップチャック部7a、7b切替機構の説明]
図4は、半導体製造装置の列及び行のピックアップチャック部7a、7bの切替機構を示す右側面図であり、図4(a)は、1列分の半導体チップをピックアップするピック列アップチャック部7aと第2プレート支持台との位置関係を説明するための図であり、図4(b)は、1行分の半導体チップをピックアップする行ピックアップチャック部7bと第2プレート支持台との位置関係を説明するための図である。
【0080】
図4(a)は、1列分の複数個の半導体チップをピックアップして配列変換する製造工程において、列ピックアップチャック部7aの第2プレート45に対する配置を示している。列及び行ピックアップチャック部7a、7bが搭載されたチャックスライドベース68が、行・列切替スライドガイド66のガイドで右方向に移動され、右サイドストッパ69aに当接して固着されている。そして、列ピックアップチャックチャック部7aは、第2プレート45の中心線44aに列ピックアップチャックチャック部7aの中心線が一致して、1列分の複数個の半導体チップを吸着する適正位置に配置されることになる。
【0081】
そして、図4(b)においては、1行分の複数個の半導体チップをピックアップして配列変換する製造工程において、行ピックアップチャック部7bの第2プレート45に対する配置を示している。チャックスライドベース68が、行・列切替スライドガイド66のガイドで左方向に移動され、左サイドストッパ69bに当接して固着されている。そして、行ピックアップチャックチャック部7bは、第2プレート45の中心線44aに列ピックアップチャックチャック部7bの中心線が一致して、1行分の複数個の半導体チップを吸着する適正位置に配置されることになる。
【0082】
このように、ピックアップチャック部7を列及び行のピックアップチャック部7a、7bを同一の半導体製造装置に搭載し、簡単な切替機構で列及び行のピックアップ切替が可能なので、一つの半導体製造装置で半導体チップ密着集合体から半導体チップのマトリクス状の集合体(以後、半導体チップマトリクス状集合体とする)を形成することが可能である。
【0083】
なお、列チャック71aの幅は、半導体チップ密着集合体の密着した1列分を吸着ピックアップする幅を有し、行チャック71bの幅は、一定間隔に広がって整列した半導体チップ列を1行分として吸着ピックアップ幅を有するため、列チャック71aより広い幅で形成されている。従って、アスペクト比が1に近い半導体チップをピックアップする場合には、行チャック71bは、列チャック71aの代わりとして、或いは、共通のチャックとして使用可能であり、列ピックアップチャック部7aと行ピックアップチャック部7bの切替が不要となる。
【0084】
次に、実施例1の半導体製造装置1による、半導体チップ密着集合体から半導体チップマトリクス状集合体を製造する製造工程を説明する。
以下において、まず、ピックアップの動作として、1列分をピックアップする実施例でピックアップチャックや押圧部の動作、及び、列チャックの斜面の機能を説明し、次に、製造工程を説明する。
【0085】
[実施例1の製造方法:図5−図8]
図5は、実施例1において、ピックアップ動作を説明するための図として、ピックアップチャック部先端を拡大した部分拡大図であり、図6は、図5の続きのピックアップ動作を説明するための図の部分拡大図である。
【0086】
図7と図8は、上記図5、図6で説明したピックアップ動作を1列分、そして、1行分の半導体チップに適用してピックアップ、移動、載置の製造工程を繰り返して半導体チップ密着集合体から半導体チップマトリクス状集合体を形成する製造工程を説明するための平面図である。特に、図7は、半導体チップ密着集合体から半導体チップ列を形成する製造工程を説明するための平面図であり、図8は、図7の続きの製造工程で、半導体チップ列から半導体チップマトリクス状集合体を形成する製造工程を説明するための平面図である。
図5乃至図8の半導体チップと第1、第2、第3プレートの外形形状は、模式的に示し、半導体チップの個数も、同様である。
【0087】
[1列分の複数個の半導体チップのピックアップ動作の説明]
図5のST01とST02において、列方向押圧工程の第1工程を説明する。
ST01に示すように、初期位置設定された半導体チップ密着集合体9が移動元の第1プレート43の上面に真空吸着がONで設定位置に固着され、ピックアップ部5のチップ押え81、列チャック71aが半導体チップ密着集合体9の真上に位置し、待機位置にある(半導体製造装置1は図2の状態である。)。
【0088】
次に、ST02に示すように、チップ押え81を降下し、半導体チップ密着集合体9をチップ押え81で押圧する。押圧する位置は、半導体チップ密着集合体9の端部の1列分の半導体チップ91aとそのダイシングライン92aを露出し、次の列から残りの半導体チップ密着集合体9全体を押圧するように、第1プレート支持台42(図1参照)のXYθステージのX軸マイクロメータの送りで調整し設定されている。そして、第1プレート43の上面に半導体チップ密着集合体9を真空吸着ONで固着状態が継続されている。列チャック71aは、待機位置にある。
【0089】
次に、図5のST03とST04において、列方向ピックアップ工程の第2工程を説明する。
ST03に示すように、列チャック71aがZ軸マイクロメータ65(図3参照)の送りによりチップ押え81から露出した1列分の半導体チップ91aに降下し、そして、列チャック71aの斜面54が、1列分の半導体チップ91aのダイシングライン92aに沿って、ほぼ一致する位置に配置される。移動元の第1プレート43は、半導体チップ密着集合体9を真空吸着ONで固着が継続される。
【0090】
そして、ST04に示すように、第1プレート43による半導体チップ密着集合体9の真空吸着がOFFして停止され、列チャック71aの吸着孔55の真空吸着の吸引力により、1列分の半導体チップ91aがダイシングラインに沿って列チャック71aの斜面54に吸着され劈開分離される。チップ押え81は、残りの半導体チップ密着集合体9を継続して第1プレート43上で押圧し、真空吸着が解除された半導体チップ密着集合体9の位置ずれを防止する。
ST04の部分拡大図に示すように、劈開分離された部分には斜面54の角度α°(=7°〜11°)に相当する楔状の隙間56が形成される。
【0091】
次に、図6のST05とST06において、列方向ピックアップチャック移動工程の第3工程を説明する。
ST05に示すように、列チャック71aは、ピックアップチャック部7の列ピックアップマイクロメータ76(図3参照)の送りにより、矢印Wの45°斜め上方に移動する。真上でなく斜め上方に移動することにより、劈開分離した1列分の半導体チップ91aは、楔状の隙間56(図5のST04の部分拡大図参照)の先端部分のダイシングライン部分で干渉することなく、容易に分離する。そして、第1プレート43に残された半導体チップ密着集合体9は、チップ押え81で押圧されている状態で、再び、第1プレート43上面に真空吸着がONになり、初期設定位置を保持し固着される。
【0092】
そして、ST06に示すように、チップ押え81は、上方に退避し待機位置に戻り、そして、列チャック71aは、1列分の半導体チップ91aを斜面54に吸着した状態で、Z軸マイクロメータ65の送りによってチップ押え81と同様に、上方に退避しワーク待機位置で待機する。第1プレート43の上面に残された半導体チップ密着集合体9は、チップ押え81が待機位置に戻っても、真空吸着がONであるから、初期設定位置を保持し固着されている。
【0093】
次に、ST07乃至ST09において、列方向載置工程の第4工程を説明する。
ST07は、前のST06における第1プレート43が第2プレート45に置換されている。即ち、ST07においては、プレートスライド部4が右端位置(図1参照)から左端位置(図2参照)に移動し固定されることで、1列分の半導体チップ91aを斜面54に吸着しワーク待機位置にある列チャック71aの直下に、第2プレート45が移動して固定されている。
【0094】
次に、ST08に示すように、列チャック71aに吸着されている1列分の半導体チップ91aは、Z軸マイクロメータ65(図3参照)の送りによって移動先の第2プレート45上の定められた位置に降ろされる。そして、1列分の半導体チップ91aは、第2プレート45の真空吸着ONによる吸引力と列チャック71aの真空吸着OFFにより列チャック71aの斜面54から離れて第2プレートの上面に吸着載置される。
【0095】
次に、ST09に示すように、チップ押え81は、待機位置にあり、列チャック71aは、再び、上方に退避して第2プレート45の真上で待機位置に戻る。第2プレート45の上面には1列分の半導体チップ91aが吸着載置されて、定められた位置に保持されている。
【0096】
次に、第2プレート45が第1プレート43と置換し、待機位置にあるチップ押え81と列チャック71aの直下の位置に第1プレート43が移動し固定される。即ち、図2における半導体製造装置1のように、プレートスライド部4が右端部に直動して右ストッパ23に当接して固定された位置にして、ST01に戻り、待機状態となる。
【0097】
従って、上記図5、図6で説明したST01からST09の製造工程の第1工程から第4工程を繰り返すことにより、移動元の第1プレート43から移動先の第2プレート45に、半導体チップ密着集合体9を1列ずつ、1列分の半導体チップを一定間隔で整列配置することが可能である。
【0098】
以上のように、本発明の実施例1によれば、ステルスダイシングされた半導体ウェハは、列チャック71a及び行チャック71bの先端に形成された斜面54に、1列分或いは1行分の半導体チップが吸着されてダイシングラインで劈開分離され、そして、劈開分離した部分は、斜面54と同じ角度の楔状の隙間56が形成される。この楔状の隙間は、ピックアップする際、隣接部との干渉が極めて少なく摩擦や引っ掛かりによるピックアップ不良がない。更に、列チャック71a及び行チャック71bがダイシングラインから斜め上の遠ざかる方向に移動可能な機構を有しているので、劈開分離した楔状の隙間の先端部も全く干渉することなく分離可能でピックアップ不良が発生することがない。
【0099】
1列分の半導体チップをピックアップして整列する製造工程について説明したが、1行分の半導体チップをピックアップして整列する製造工程に関しても同様な製造工程で整列することが可能である。即ち、行方向押圧工程の第5工程は、列方向押圧工程の第1工程に相当し、行方向ピックアップ工程の第6工程は、列方向ピックアップ工程の第2工程に相当し、行方向ピックアップチャック移動工程の第7工程は、列方向ピックアップチャック移動工程の第3工程に相当し、行方向載置工程の第8工程は、列方向載置工程の第4工程に相当する。詳細な説明は重複するので省略する。
次に、上記の製造工程を繰り返して、半導体チップ密着集合体9から半導体チップマトリクス状集合体を形成する製造工程を詳細に説明する。
【0100】
[半導体チップマトリクス状集合体の製造工程の説明]
次に、上記のピックアップ動作を繰り返して、半導体チップ密着集合体9から半導体チップマトリクス状集合体を形成する製造工程を詳細に説明する。
図7において、図5と図6で説明した1列分の半導体チップを整列する製造工程に基づいて、第1プレート43上の半導体チップ密着集合体9から第2プレート45上に一定間隔に整列した半導体チップ列を形成する前半の製造工程として、第1工程から第4工程とその繰り返しの製造工程で説明し、図8において、第2プレート45上に一定間隔に整列した半導体チップ列から第3プレート46上に半導体チップマトリクス状集合体を形成する後半の製造工程として、第5工程から第8工程とその繰り返しの製造工程を説明する。
【0101】
図7と図8は、半導体製造装置1の第1プレート43と第2プレート45、第3プレート46の平面図であって、列チャック71a、行チャック71b、チップ押え81による1列分或いは1行分の複数個の半導体チップをピックアップして整列する製造工程を説明するための図である。その他の構成部材は省略してある。
【0102】
従って、図7においては、第1プレート43と、第1プレート43上に配置された半導体チップ密着集合体9と、第2プレート45と、列チャック71a(2点鎖線で示す)と、チップ押え81(2点鎖線で示す)を示す。
【0103】
図7(a)は、移動元の第1プレート43上にステルスダイシングされた半導体ウェハ、即ち、半導体チップ密着集合体9が載置された平面図である。
図7(b)は、移動先の第2プレート45上に、ピックアップされた1列目の半導体チップが載置された平面図である。
図7(c)は、移動元の第1プレート43上で2列目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図7(d)は、移動先の第2プレート45上にピックアップされた1列目と2列目の半導体チップが載置された平面図である。
図7(e)は、移動元の第1プレート43上で最終列の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図7(f)は、移動先の第2プレート45上にピックアップされた半導体チップ列が全て載置された平面図である。
なお、半導体チップ1個1個それぞれに1から20の番号を付して、移動元の第1プレート上の半導体チップと移動先の第2プレート45上の半導体チップとの対応を示す。
【0104】
図7(a)に示すように、第1プレート43上の半導体チップ密着集合体9は、ステルスダイシングにより、列方向のダイシングライン92a、92b、92cと、行方向のダイシングライン94a、94b、94c、94dが形成されている。このダイシングラインに沿って劈開分離することで、No1からNo20の半導体チップが形成される。
【0105】
1列目の半導体チップ91aは半導体チップNo1、2、3、4、5で構成され、2列目の半導体チップ91bは、半導体チップNo6、7、8、9、10で構成され、3列目の半導体チップ91cは、半導体チップNo11、12、13、14、15で構成され、4列目の半導体チップ91dは、半導体チップNo16、17、18、19、20で構成されている。
【0106】
初期位置設定により、半導体チップ密着集合体9は、行方向のダイシングライン94a、94b、94c、94dが第1プレート43の座標軸のX軸に平行に調整され、第1プレート43上の設定位置に真空吸着により固着されている。そして、1列目の半導体チップ91aは、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージのX軸方向の送りで、待機状態にある列チャック71a(2点鎖線で示す)の直下に配置される。チップ押え81も2点鎖線で示す位置で待機状態にある。
【0107】
前述した列方向押圧工程の第1工程で、チップ押え81(2点鎖線)は、1列目の半導体チップ91a(半導体チップNo1、2、3、4、5)と列方向ダイシングライン92aを露出して、次の列91b(半導体チップNo6、7、8、9、10)から残りの半導体チップ密着集合体9全体を押圧する。
【0108】
次に、前述した列方向ピックアップ工程の第2工程で、1列目の半導体チップ91aは、半導体チップ密着集合体9に降下した列チャック71a(2点鎖線)に吸着されて列方向ダイシングライン92aに沿って劈開分離される。そして、1列目の半導体チップ91aと2列目の半導体チップ91bとの間に楔状の隙間56(図5のST04の部分拡大図参照)が形成される。
【0109】
次に、前述した列方向ピックアップチャック移動工程の第3工程で、列チャック71aに吸着された1列目の半導体チップ91aが、ピックアップマイクロメータ76(図3参照)の送りにより列方向ダイシングライン92aから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った2列目の半導体チップ91bと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。チップ押え81は、待機位置に戻り、列チャック71aは、1列目の半導体チップ91aを吸着したままZ軸マイクロメータ65の送りでワーク待機位置に退避する(図6、ST06参照)。
【0110】
次に、前述した列方向載置工程の第4工程において、スライドベース41(図1参照)を右端から左端に直動して固定し、列チャック71aの直下の第1プレート43を第2プレート45に切り替える。
そして、図7(b)に示すように、第2プレート支持台(図1参照)のX軸ステージの送りにより第2プレート45を移動して、列チャック71aの直下の位置と1列目の半導体チップ91aの載置する位置を一致させる。
【0111】
次に、Z軸マイクロメータ65の送りで列チャック71aを降下し、列チャック71aの真空吸着OFFと第2プレート45の真空吸着ONによる吸引力により、1列目の半導体チップ91aが第2プレート45上の定められた位置に載置され吸着固定される。
【0112】
次に、列チャック71aを待機位置に戻し、チップ押え81と共にピックアップ部は待機状態に戻る。そして、スライドベース41が左端から右端に直動しストッパで固定され、列チャック71aの直下の第2プレート45を第1プレート43に切り替える。そして、半導体チップ列をピックアップする次の製造工程に継続する。
【0113】
次に、第1工程に戻り、図7(c)に示すように、第1プレート43が、X軸方向に列方向ダイシングラインの間隔に等しい距離を送られ、2列目の半導体チップ91b(半導体チップNo6、7、8、9、10)が列チャック71aの直下に位置付けられる。
【0114】
そして、2点鎖線で示すチップ押え81は、2列目の半導体チップ91bと列方向ダイシングライン92bを露出して、次の列91c(半導体チップNo11、12、13、14、15)から残りの半導体チップ密着集合体9全体を押圧する。
【0115】
次に、第2工程で、1列目と同様に、2列目の半導体チップ91bは、列チャック71aに吸着され、列方向ダイシングライン92bで劈開分離される。そして、2列目の半導体チップ91bと3列目の半導体チップ91cとの間に楔状の隙間が形成される。
【0116】
次に第3工程で、1列目と同様に、2列目の半導体チップ91bがピックアップマイクロメータ76(図3参照)の送りにより列方向ダイシングライン92bから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った3列目の半導体チップ91cと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。チップ押え81は、待機位置に戻り、列チャック71aは、ワーク待機位置に退避する。
【0117】
次に、図7(d)に示すように、第4工程において、1列目と同様、スライドベース41を右端から左端に直動して固定し、列チャック71aの直下の第1プレート43を第2プレート45に切り替える。2列目の半導体チップ91bを1列目の半導体チップ91aから一定間隔離れた位置に載置するため、第2プレート支持台(図示せず)のX軸ステージで第2プレート45を一定間隔移動する。そして、列チャック71aを降下し、2列目の半導体チップ91bが第2プレート45上の定められた位置に載置され吸着固定される。
【0118】
次に、列チャック71aが上方に退避して待機位置に戻り、そして、スライドベース41を左端から右端に直動し固定して、列チャック71aの直下の第2プレート45を第1プレート43に切り替えて、半導体チップ列をピックアップする次の製造工程に継続する。
【0119】
図7(e)に示すように、第1プレート43上には、第1工程から第4工程の製造工程を繰り返し、最後の半導体チップ列91d(半導体チップNo16、17、18、19、20)が列チャック71aの直下に位置付けられ、列チャック71aによるピックアップ状態を示している。
【0120】
図7(f)において、第2プレート45は、最後の半導体チップ列91dがピックアップされて、第2プレート45の定められた位置に載置固定された状態を示す。
その結果、図7(a)に示した半導体チップ密着集合体9が第2プレート45上に一定間隔で行方向に配列する半導体チップ列91a、91b、91c、91dに配列変換され、前半の製造工程を終了する。
【0121】
次に、上記の半導体チップ列を更に配列変換して、半導体チップマトリクス状集合体を形成する後半の製造工程を説明する。
後半の製造工程の初期設定は、前半の製造工程で半導体チップ列が行方向に一定間隔で配列された第2プレート45を90°座標回転して移動元の第1プレート支持台42(図1参照)に置き換え、移動先の第2プレート支持台44(図1参照)に新しく第3プレート46を搭載することである。
【0122】
そして、図8は、図7の続きの製造工程で、図7と同様に、第2プレート45と、第2プレート45上に配列された半導体チップ列と、第3プレート46と、行チャック71b(2点鎖線で示す)と、チップ押え81(2点鎖線で示す)を示す。
【0123】
図8(a)は、移動元の第2プレート45上に、行方向に一定間隔で整列した半導体チップ列が載置された平面図である。
図8(b)は、移動先の第3プレート46にピックアップされた1行目の半導体チップが載置された平面図である。
図8(c)は、移動元の第2プレート45上で2行目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図8(d)は、移動先の第3プレート46にピックアップされた1行目と2行目の半導体チップが載置された平面図である。
図8(e)は、移動元の第2プレート45上で最終行の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図8(f)は、移動先の第3プレート46上に半導体チップマトリクス状集合体が形成された平面図である。
【0124】
図8(a)において、第2プレート45の半導体チップ列は、1行目の半導体チップ93aが半導体チップNo5、10、15、20で構成され、2行目の半導体チップ93bが半導体チップNo4、9、14、19で構成され、3行目の半導体チップ93cが半導体チップNo3、8、13、18で構成され、4行目の半導体チップ93dが半導体チップNo2、7、12、17で構成され、5行目の半導体チップ93eが半導体チップNo1、6、11、16で構成されている。
【0125】
そして、1行目と2行目の半導体チップ間にダイシングライン94aが形成され、2行目と3行目の半導体チップ間にダイシングライン94bが形成され、同様にダイシングライン94c、94dが半導体チップ列に形成されている。
【0126】
以下、図8において、図7で説明した前製造工程に引き続き半導体チップ列の配列を変換して行方向に整列する製造工程を説明する。
行方向押圧工程の第5工程は、図8(a)に示すように、列方向押圧工程の第1工程と同様に、2点鎖線で示すチップ押え81が、第2プレート45上の半導体チップNo5、10、15、20からなる1行目の半導体チップ93aと行方向ダイシングライン94aを露出して、次の行93b(半導体チップNo4、9、14、19)から残りの半導体チップ列全体を押圧する。
【0127】
次に、行方向ピックアップ工程の第6工程で、列方向ピックアップ工程の第2工程と同様に、1行目の半導体チップ93aが、2点鎖線で示す行チャック71bに吸着され、行方向ダイシングライン94aで劈開分離される。そして、1行目の半導体チップ93aと2行目の半導体チップ93bとの間に楔状の隙間が形成される。
【0128】
次に、行方向ピックアップチャック移動工程の第7工程で、列方向ピックアップチャック移動工程の第3工程と同様に、1行目の半導体チップ93aは、行方向ダイシングライン94aから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った2行目の半導体チップ93bと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離される。行チャック71bは、1行目の半導体チップ93aを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0129】
次に、行方向載置工程の第8工程において、列方向載置工程の第4工程と同様に、スライドベース41を右端から左端に直動して固定し、行チャック71bの直下の第2プレート45を第3プレート46に切り替える。
図8(b)に示すように、第3プレート46上に定められている1行目の半導体チップの載置位置に、第2プレート支持台(図示せず)のX軸ステージの送りにより、行チャック71b(2点鎖線)を一致させて、降下させ、1行目の半導体チップ93aが第3プレート46上の定められた位置に載置され吸着固定される。
【0130】
行チャック71bは待機位置に戻り、チップ押え81と共にピックアップ部は待機状態に戻る。そして、スライドベース41が左端から右端に直動しストッパで固定され、行チャック71bの直下の第3プレート46が第2プレート45に切り替えられ、1行分の半導体チップがピックアップ可能な状態に戻る。
【0131】
次に、図8(c)に示すように、第5工程に戻り、第2プレート45は、X軸方向に行方向ダイシングラインの間隔に等しい距離を送られ、行チャック71bの直下に、半導体チップNo4、9、14、19からなる2行目の半導体チップ93bが位置付けられる。
【0132】
そして、2点鎖線で示すチップ押え81は、2行目の半導体チップ93bと行方向ダイシングライン94bを露出して、次の行93c(半導体チップNo3、8、13、18)から残りの半導体チップ列全体を押圧する。
【0133】
次に、第6工程において、2行目の半導体チップ93bは、行チャック71bに吸着され、行方向ダイシングライン94bで劈開分離され、そして、2行目の半導体チップ93bと3行目の半導体チップ93cとの間に楔状の隙間が形成される。
【0134】
次に第7工程で、2行目の半導体チップ93bが行方向ダイシングライン94bから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った3行目の半導体チップ93cと楔状の隙間の先端が干渉することなく行方向ダイシングライン94bで分離する。チップ押え81は、待機位置に戻り、行チャック71bは、2行目の半導体チップ93bを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0135】
図8(d)に示すように、第8工程において、スライドベース41を右端から左端に直動して固定し、行チャック71bの直下の第2プレート45を第3プレート46に切り替える。2行目の半導体チップ93bを1行目の半導体チップ93aと一定間隔離れた位置に載置するため、第2プレート支持台(図示せず)のX軸ステージで第3プレート46を一定間隔移動する。そして、行チャック71bを降下し、2行目の半導体チップ93bが第3プレート46上に載置され吸着固定される。
【0136】
次に、行チャック71bは、上方に退避して待機位置に戻り、そして、スライドベース41を左端から右端に直動して固定し、行チャック71bの直下の第3プレート46を第2プレート45に切り替え、1行分の半導体チップをピックアップする次の製造工程に継続する。
【0137】
図8(e)に示すように、第5工程から第8工程の製造工程を繰り返し、第2プレート45は、最後の行の半導体チップ93e(半導体チップNo1、6、11、16)が行チャック71b直下に位置付けられ、行チャック71bによるピックアップ状態を示している。
【0138】
図8(f)において、第3プレート46は、最後の行の半導体チップ93eがピックアップされて、第3プレート46の定められた位置に載置固定された状態を示す。
その結果、図8(a)に示した第2プレート45上の半導体チップ列が、第3プレート46上に一定間隔で配列変換され半導体チップマトリクス状集合体を形成し、全ての製造工程を終了する。
【0139】
以上のように本発明の製造方法によれば、1列分そして1行分の複数個の半導体チップを、一度にピックアップして、マトリクス状の集合体を形成し、回路基板に集合体実装が可能であるから、半導体チップを1個ずつピックアップして整列する製造工程に比べて、はるかに製造工数の短縮が可能で量産性の優れた製造方法が提供できる。更に、半導体チップのマトリクス状の集合体の配置精度は、XY軸ステージのマイクロメータ送りの高精度であるから、次工程の回路基板との集合体実装において、位置合わせ精度が良好で、従って、不良の極めて少ない集合体実装が提供可能である。
【0140】
(実施例2)
次に、本発明に係る半導体製造装置の実施例2の製造方法について説明する。
実施例2は、実施例1と同一の構造であり、異なる点は、半導体チップを載置する第1プレートと第2プレートと第3プレートが同一の共有プレートであり、移動元のプレートと移動先のプレートを兼ねている。
即ち、第1プレート支持台に載置した共有プレート上において、半導体チップ密着集合体を半導体チップマトリクス状集合体に配列変換するものである。実施例2において実施例1と同一の構成部材は同一の番号を付して、重複する説明は省略する。そして、図9、図10の半導体チップと共有プレートの外形形状及び半導体チップの個数は、実施例1と同様、模式的に示す。
【0141】
[実施例2の製造方法:図9、図10]
図9は本発明の実施例2において、半導体チップ密着集合体から半導体チップ列を形成する製造工程を説明するための平面図であって、更に詳しくは、図9(a)は、共有プレート47上にステルスダイシングされた半導体ウェハ、即ち、半導体チップ密着集合体9が載置された平面図である。
図9(b)は、1列目の半導体チップが共有プレート47上で配列変換された平面図である。
図9(c)は、2列目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図9(d)は、2列目の半導体チップが共有プレート47上で配列変換された平面図である。
図9(e)は、3列目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図9(f)は、共有プレート47上で半導体チップ密着集合体9が半導体チップ列に配列変換された平面図である。
【0142】
共有プレート47は、実施例1の多孔質プレートからなる第1、第2、第3プレートと異なり、弱粘着膜が上面に形成されているプレートである。弱粘着膜は、列チャックや行チャックによる半導体チップの真空吸着に対し抵抗力が弱く、載置された半導体チップの位置が安定して保持される程度の粘着力を保有している。従って、実施例1の製造工程にあって、第1プレートの吸着解除の際に半導体チップの位置ずれを防ぐ列方向及び行方向押圧工程が必要であったが、実施例2においては、列方向及び行方向押圧工程は不要であり、半導体チップ押え部8も不要となる。尚、半導体チップ密着集合体9は、図7、図8と同一の構成であり、同一の番号を付して、重複する説明を省略する。
【0143】
図9(a)に示すように、半導体チップ密着集合体9は、行方向のダイシングライン94a、94b、94c、94dが共有プレート47の座標軸のX軸に平行に調整され、弱粘着膜が形成された共有プレート47上の設定位置に固着される。そして、共有プレート47上の1列目の半導体チップ91aが、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージ(図示せず)のX軸方向の送りで、2点鎖線で示す列チャック71aと一致する位置に設定され待機状態にある。
【0144】
列方向ピックアップ工程の第1工程で、1列目の半導体チップ91aは、列チャック71a(2点鎖線)に吸着されて列方向ダイシングライン92aで劈開分離される。そして、1列目の半導体チップ91aと2列目の半導体チップ91bとの間に楔状の隙間56(図5のST04の部分拡大図参照)が形成される。
【0145】
次に、列方向ピックアップチャック移動工程の第2工程で、列チャック71a(2点鎖線)に吸着された1列目の半導体チップ91aが、列方向ダイシングライン92aから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った2列目の半導体チップ91bと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。列チャック71aは、1列目の半導体チップ91aを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0146】
次に、図9(b)に示すように、列方向載置工程の第3工程において、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージ(図示せず)のX軸方向の送りにより、共有プレート47を移動して、予め決められている載置位置に列チャック71aを一致させて降下し、そして、1列目の半導体チップ91a(半導体チップNo1、2、3、4、5)が共有プレート47上に載置される。載置後、共有プレート47の弱粘着膜に1列目の半導体チップ91aを確実に固着するため、列チャック71aで僅かに押圧することが望ましい。
【0147】
次に、図9(c)に示すように、列方向ピックアップ工程の第1工程で、共有プレート47は、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージでX軸方向に送られ、2列目の半導体チップ91bの真上に列チャック71aが位置するように設定される。
【0148】
次に、2列目の半導体チップ91b(半導体チップNo6、7、8、9、10)は、列チャック71aに吸着され、列方向ダイシングライン92bで劈開分離される。そして、2列目の半導体チップ91bと3列目の半導体チップ91cとの間に楔状の隙間が形成される。
【0149】
次に列方向ピックアップチャック移動工程の第2工程で、列チャック71a(2点鎖線)に吸着された2列目の半導体チップ91bが、列方向ダイシングライン92bから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った3列目の半導体チップ91cと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。列チャック71aは、2列目の半導体チップ91bを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0150】
次に、図9(d)に示すように、列方向載置の工程第3工程において、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージ(図示せず)のX軸方向の送りにより、共有プレート47を移動して、予め決められている2列目の載置位置に列チャック71aを一致させて降下し、2列目の半導体チップ91b(半導体チップNo6、7、8、9、10)が共有プレート47上に載置される。
【0151】
次に、図9(e)に示すように、列方向ピックアップ工程の第1工程で、共有プレート47は、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージでX軸方向に送られ、3列目の半導体チップ91cの真上に列チャック71aが位置するように設定される。
【0152】
次に、3列目の半導体チップ91c(半導体チップNo11、12、13、14、15)は、列チャック71aに吸着され、列方向ダイシングライン92cで劈開分離される。そして、3列目の半導体チップ91cと4列目の半導体チップ91dとの間に楔状の隙間が形成される。
【0153】
以下、同様に、第1工程から第3工程の製造工程を繰り返し、図9(f)に示すように、同じ共有プレート47上で半導体チップ密着集合体9(図9(a)に示す)から半導体チップ列91a、91b、91c、91dを行方向に一定間隔で配列変換して前半の製造工程を終了する。
【0154】
上記、共有プレート47上で、1列分の半導体チップをピックアップして一定間隔の半導体チップ列に配置変換する前半の製造工程について説明したが、1行分の半導体チップをピックアップしてマトリクス状に整列する後半の製造工程に関しても同様な製造工程で整列することが可能である。即ち、次の行方向ピックアップ工程は列方向ピックアップ工程(第1工程)に相当した第4工程であり、次の行方向ピックアップチャック移動工程は列方向ピックアップチャック移動工程(第2工程)に相当した第5工程であり、次の行方向載置工程は列方向載置工程(第3工程)に相当した第6工程となる。詳細な説明は重複するので省略する。
【0155】
図10は、図9の続きの製造工程であって、図9(f)において、半導体チップ列が行方向に一定間隔で配列された共有プレート47を90°座標回転して、1行分の半導体チップを一定間隔に載置整列し直し、半導体チップマトリクス状集合体を形成する製造工程を説明するための平面図である。
【0156】
図10(a)は、図9(f)の共有プレート47を90°座標回転した平面図であって、後半の製造工程の初期状態の図である。
図10(b)は、1行目の半導体チップが共有プレート47上で配列変換された平面図である。
図10(c)は、2行目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図10(d)は、2行目の半導体チップが共有プレート47上で配列変換された平面図である。
図10(e)は、3行目の半導体チップをピックアップする状態の平面図である。
図10(f)は、共有プレート47上で全ての半導体チップ列が配列変換され半導体チップマトリクス状集合体を形成した平面図である。
【0157】
図10(a)に示すように、行方向ピックアップ工程の第4工程で、列方向ピックアップ工程の第1工程と同様に、共有プレート47上の1行目の半導体チップ93a(半導体チップNo5、10、15、20)は、2点鎖線で示す行チャック71bに吸着され、行方向ダイシングライン94aで劈開分離される。そして、1行目の半導体チップ93aと2行目の半導体チップ93bとの間に楔状の隙間が形成される。
【0158】
次に、行方向ピックアップチャック移動工程の第5工程で、列方向ピックアップチャック移動工程の第2工程と同様に、1行目の半導体チップ93aが列方向ダイシングライン94aから斜め上方に遠ざかることで、隣り合った2行目の半導体チップ93bと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。行チャック71bは、1行目の半導体チップ93aを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0159】
次に、図10(b)に示すように、行方向載置工程の第6工程において、列方向載置工程の第3工程と同様に、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージ(図示せず)のX軸方向の送りにより、共有プレート47を移動して、予め決められている載置位置に行チャック71bを降下し、1行目の半導体チップ93aが共有プレート47上の定められた位置に載置される。
【0160】
次に、図10(c)に示すように、第4工程に戻り、共有プレート47は、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージでX軸方向に送られ、2行目の半導体チップ93b(半導体チップNo4、9、14、19)の真上に行チャック71bが位置するように設定される。
【0161】
2行目の半導体チップ93bは、行チャック71bに吸着され行方向ダイシングライン94bで劈開分離される。そして、2行目の半導体チップ93bと3行目の半導体チップ93cとの間に楔状の隙間が形成される。
【0162】
次に第5工程で、行チャック71bに吸着された2行目の半導体チップ93bが行方向ダイシングライン94bから斜め45°上方に遠ざかることで、隣り合った3行目の半導体チップ93cと楔状の隙間の先端が干渉することなく分離する。そして、行チャック71bは、2行目の半導体チップ93bを吸着したままワーク待機位置に退避する。
【0163】
次に、図10(d)に示すように、行方向載置工程の第6工程において、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージ(図示せず)のX軸方向の送りにより、共有プレート47を移動して、予め決められている2行目の載置位置に行チャック71bを一致させて降下し、2行目の半導体チップ93bが共有プレート47上の定められた位置に載置される。
【0164】
次に、図10(e)に示すように、第4工程に戻り、共有プレート47は、第1プレート支持台42のXYθ軸ステージでX軸方向に送られ、3行目の半導体チップ93c(半導体チップNo2、7、12、17)の真上に行チャック71bが位置するように設定される。
【0165】
以下、同様に、第4工程から第6工程の製造工程を繰り返し、図10(f)に示すように、1行分の半導体チップを一定間隔で共有プレート47上に整列し固定して、1行分の半導体チップ93a、93b、93c、93d,93eを共有プレート47の定められた位置に載置固定して、半導体チップマトリクス状集合体が形成される。
【0166】
以上のように本発明の製造方法によれば、1列分そして1行分の複数個の半導体チップを、一度にピックアップして、半導体チップを載置する移動元のプレートと移動先のプレートを同一プレートにしてもマトリクス状の集合体を形成することが可能であるから、プレートの移動量が少なく、工数の削減が可能であり、また、同一プレート上で半導体チップを移動するため、マトリクス状の半導体チップの位置精度の向上が図れる。従って、回路基板に集合体実装においても、位置合わせ精度が良好で、不良の極めて少ない集合体実装が提供可能である。
【0167】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、上述した実施例に限定されることなく、それらの全てを行う必要もなく、特許請求の範囲の各請求項に記載した内容の範囲で種々に変更や省略をすることが出来ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0168】
1:半導体製造装置
2:ベースプレート部
3:カメラ部
4:プレートスライド部
5:ピックアップ部
6:ピックアップスライド部
7:ピックアップチャック部
7a:列ピックアップチャック部
7b:行ピックアップチャック部
8:半導体チップ押え部
9:半導体チップ密着集合体
21:ベースプレート
22:スライドガイド
23:右ストッパ
24:左ストッパ
33:カメラ
41:スライドベース
42:第1プレート支持台
43:第1プレート
44:第2プレート支持台
45:第2プレート
46:第3プレート
47:共有プレート
48:クランプ
49:ストッパステー
53:ピックアップベースプレート
54:斜面
55:吸着孔
56:楔状の隙間
61:Z軸スライドガイド
65:Z軸マイクロメータ
66:行・列切替スライドガイド
71a:列チャック
71b:行チャック
76:ピックアップマイクロメータ
81:チップ押え

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ押えが、列方向に劈開分離するダイシングラインに沿って、第1プレートに載置された半導体ウェハの端部の少なくとも1列を露出させる状態に押圧する列方向押圧工程である第1工程、
列方向ピックアップチャックが、半導体ウェハ端部から列方向のダイシングラインに沿った1列分の半導体チップを劈開分離して真空吸着する列方向ピックアップ工程である第2工程、
前記列方向ピックアップチャックが1列分の半導体チップを真空吸着後、前記列方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する列方向ピックアップチャック移動工程である第3工程、
列方向ピックアップチャックで真空吸着した1列分の半導体チップを第2プレートに載置する列方向載置工程である第4工程と、
前記第1工程から第4工程を繰り返すことにより、第2プレート上に行方向に一定間隔で半導体チップ列を配列し、
前記第2プレート上に配列された半導体チップ列に対し行方向に劈開分離するダイシングラインに沿って、前記半導体チップ列の端部の少なくとも1行分の半導体チップを露出させる状態に、前記半導体チップ押えで押圧する行方向押圧工程である第5工程、
行方向ピックアップチャックが前記第2プレートに整列載置した前記半導体チップ列端部から1行分の半導体チップをダイシングラインに沿って劈開分離して真空吸着する行方向ピックアップ工程である第6工程、
前記行方向ピックアップチャックが1行分の半導体チップを真空吸着後、前記行方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する行方向ピックアップチャック移動工程である第7工程、
前記行方向ピックアップチャックで真空吸着した半導体チップ1行分を第3プレートに載置する行方向載置工程である第8工程と、
前記第5工程から第8工程を繰り返すことにより、
第3プレート上に半導体チップをマトリックス状に配列する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1、第2、第3プレートは多孔質プレートからなり、半導体チップを真空吸着することを特徴とする請求項1から2のいずれか1項記載の半導体製造方法。
【請求項3】
第1工程から第4行程と、第5工程から第8工程とは同じピックアップチャックとピックアップチャック移動手段を用いて行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体製造方法。
【請求項4】
列方向ピックアップチャックが、共有プレートに載置された半導体ウェハ端部から列方向のダイシングラインに沿った1列分の半導体チップを劈開分離して真空吸着する列方向ピックアップ工程である第1工程、
前記列方向ピックアップチャックが1列分の半導体チップを真空吸着後、前記列方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する列方向ピックアップチャック移動工程である第2工程、
列方向ピックアップチャックで真空吸着した1列分の半導体チップを前記共有プレートに載置する列方向載置工程である第3工程と、
前記第1工程から前記第3工程を繰り返すことにより、前記共有プレート上に行方向に一定間隔で半導体チップ列を配列し、
前記共有プレート上に配列された半導体チップ列に対し、行方向ピックアップチャックが前記共有プレートに整列載置した前記半導体チップ列端部から1行分の半導体チップをダイシングラインに沿って劈開分離して真空吸着する行方向ピックアップ工程である第4工程、
前記行方向ピックアップチャックが1行分の半導体チップを真空吸着後、前記行方向ピックアップチャックをダイシングラインから遠ざける方向に移動する行方向ピックアップチャック移動工程である第5工程、
前記行方向ピックアップチャックで真空吸着した半導体チップ1行分を前記共有プレートに載置する行方向載置工程である第6工程と、
前記第4工程から第6工程を繰り返すことにより、
前記共有プレート上に半導体チップをマトリックス状に配列する事を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記共有プレートは、同一のプレートであって、前記共有プレートの上面には弱粘着膜が形成されていることを特徴とする請求項4記載の半導体製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−119365(P2011−119365A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273973(P2009−273973)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】