説明

半導体製造装置および半導体製造方法

【課題】半導体基板に付着する異物を低減することができる半導体製造装置および半導体製造方法を提供する。
【解決手段】半導体製造装置の1つであるウエハ洗浄装置10は、ウエハWを所定の薬液で処理する洗浄槽12と、洗浄槽12へ供給する薬液からその薬液に含まれるゲル状物質を分離するための遠心分離器18と、遠心分離器18によってゲル状物質が除去された後に遠心分離器18から洗浄槽12へ送られる薬液に含まれるパーティクルを除去するためのフィルタ装置20を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の処理液による半導体基板の液処理、特に薬液を用いた半導体基板の洗浄処理に用いられる半導体製造装置および半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、半導体基板(以下「ウエハ」という)にパーティクルや金属等の異物が付着すると、生産歩留まりが低下し、この歩留まり低下はデザインルールの微細化が進むほど顕著となる。そのため、一般的に半導体デバイスの製造工程では、ウエハに付着した異物、例えば金属,パーティクル汚染,有機物等を除去するために、薬液を用いてこれらを除去する洗浄工程が設けられている。
【0003】
ウエハ洗浄方法の1つとして、処理槽に貯留された薬液に複数枚のウエハを同時に浸漬して一定時間保持し、その間に処理槽中の薬液の一部を一定流量で排出させ、その排出薬液からパーティクル等の異物をフィルタによって除去した後に処理槽に戻すように薬液を循環利用する、所謂、バッチ・循環式洗浄方法が知られている。
【0004】
しかしながら、フィルタによって薬液中の異物を完全に除去することは困難であるため、薬液中の異物量をモニタしながら、この異物量が予め定められた一定値になった場合にウエハの処理を終了し、全ての薬液を新しい薬液と入れ替えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようなフィルタによる異物除去では、細孔径の小さいフィルタを用いることによって、ウエハへの異物付着数を明らかに少なくすることができる。しかし、モニタされる異物量が所定値に達していないにもかかわらず、フィルタの細孔径よりも大きな異物がウエハに付着し、これが生産歩留まりに影響しているという問題が生じている。このような問題は、特に、レジストマスクを用いてドライエッチング加工を行った後等、有機物が残存しているようなウエハを洗浄する場合に発生しやすい。
【0006】
この1つの原因として、洗浄工程におけるゲル状物質の生成が挙げられる。すなわち、ウエハを薬液に浸漬することによってウエハに付着していた異物がウエハから離脱しても、この異物が薬液によって完全に溶解されずにゲル状の異物となることがある。このようなゲル状の異物は形状変形自在であるため、フィルタを通り抜けて薬液中に浮遊する。複数バッチのウエハの処理が逐次行われていくと、このような薬液中のゲル状物質の量が処理ごとに増加するため、フィルタを通過してから再び処理槽に戻るまでの間または処理槽において、複数のゲル状物質が互いに結合することによって大きなゲル状物質となり、ウエハに再付着する。こうしてウエハに付着したゲル状物質が、薬液処理後の純水(DIW)によるリンス処理、さらにその後の乾燥処理を経た後に、異物(汚染)として現れる。
【特許文献1】特開2004−356356号公報(図1、段落[0018]〜[0021]等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、半導体基板に付着する異物を低減することができる半導体製造装置および半導体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、半導体基板を所定の処理液で液処理する液処理部と、前記液処理部へ供給する処理液から該処理液に含まれるゲル状物質を分離するための遠心分離器と、前記遠心分離器によってゲル状物質が除去された後に前記遠心分離器から前記液処理部へ供給される処理液から該処理液に含まれるパーティクルを除去するためのフィルタとを具備することを特徴とする半導体製造装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、半導体基板を液処理するための処理液に含まれるゲル状物質を遠心分離法により該処理液から分離し、前記遠心分離法によってゲル状物質が分離された後の処理液に含まれるパーティクルをフィルタにより該処理液から除去し、前記フィルタによりパーティクルが除去された後の処理液を半導体基板の液処理に用いることを特徴とする半導体製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルタの細孔を通り抜けるゲル状物質を遠心分離器にて除去することができるので、これにより半導体基板に付着する異物数を減らすことができる。こうして生産歩留まりを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、半導体装置の製造に用いられる、バッチ・循環式のウエハ洗浄装置の概略構成を示す。
【0012】
このウエハ洗浄装置10は、ウエハWを洗浄するための洗浄槽12と、洗浄層12から排出された薬液を回収する回収タンク14と、回収タンクから供給される薬液の遠心分離処理を行う遠心分離器18と、遠心分離器18による遠心分離処理が行われた薬液を濾過するフィルタ装置20と、回収タンク14から遠心分離器18およびフィルタ装置20を介して洗浄槽12へ薬液を送る送液ポンプ16とを有しており、これらが薬液循環システムを構成している。また、ウエハ洗浄装置10は、この薬液循環システムに新液を供給するための新液供給部22を有している。
【0013】
なお、ウエハ洗浄装置10はさらに、図示しないが、所定枚数のウエハWが収容された容器を搬入出するための容器搬入出部と、この容器搬入出部に載置された容器に対してウエハWの搬入出を行い、必要に応じてウエハWを水平/鉛直姿勢変換し、洗浄槽12等へ搬送するための内部搬送機構と、洗浄槽12による洗浄処理が終了したウエハWを純水(DIW)でリンスするためのリンス処理部と、リンス処理が終了したウエハWを乾燥するための乾燥処理部を備えている。
【0014】
洗浄槽12は、一定量の洗浄用薬液を貯留し、この薬液に複数枚のウエハWを同時に一定時間浸漬することによりウエハWを洗浄する。ウエハ洗浄装置10は、異なる薬液による洗浄処理を連続して行うために、複数の洗浄槽12を有する構造であってもよい。その場合、洗浄槽ごとに薬液循環システムが構成される。
【0015】
洗浄槽12へはフィルタ装置20から一定流量の薬液が供給されるとともに、洗浄槽12内の薬液はオーバーフロー等により洗浄槽12から一定流量で流出し、回収タンク14に回収される。こうして洗浄槽12から流出する薬液には、ウエハWから離脱したパーティクル等の固形物や、薬液により完全には溶解していないゲル状物質が、異物として混入している。
【0016】
薬液には、ウエハWの洗浄目的により、適宜好適なものが選択され、例えば、金属汚染物除去を目的とする塩酸と過酸化水素水の混合水溶液、パーティクル除去を目的とするアンモニアと過酸化水素水の混合水溶液、有機物汚染除去を目的とする硫酸と過酸化水素水の混合液、自然酸化膜除去を目的とするフッ化水素酸水溶液等が用いられる。
【0017】
ウエハ洗浄装置10では、新液供給部22は、上述した各種薬液の新液を回収タンク14に供給するように設けられている。新液供給部22は、組成調整された薬液を回収タンク14に供給して、ウエハWの洗浄処理に必要な量の薬液を確保するのみでなく、薬液が複数種の水溶液の混合液である場合に、ウエハ洗浄装置10内を循環する薬液の組成を調整するために、各種水溶液や純水(DIW)を単独で供給することができるようになっている。
【0018】
なお、新液を回収タンク14に供給することにより、回収タンク14内において循環水と新液とを混合させることができる。
【0019】
回収タンク14内の薬液は送液ポンプ16によって連続的に遠心分離器18へ送液される。これにより、遠心分離器18の内部は薬液で充填され、そこからさらにフィルタ装置20を経て洗浄槽12へ薬液が送液される。こうして前述したように、洗浄槽12へ薬液が供給されることにより、洗浄槽12から薬液がオーバーフロー等し、回収タンク14に回収される。このような薬液の流れは、送液ポンプ16が動作している間、続くことになる。
【0020】
図2に遠心分離器18の概略構造を示す。この遠心分離器18はウエハ洗浄装置10に特に好適に適用される新規な構造を有するものであり、内側ドラム32および内側ドラム32を囲む外側ドラム34からなる二重ドラム30と、二重ドラム30を収容するケーシング(ハウジング)36と、二重ドラム30を回転させるためのモータ38を備えている。なお、内側ドラム32の軸心と外側ドラム34の軸心は枢軸30aで一致しており、好ましくはこの枢軸30aが鉛直となるように遠心分離器18は設置される。内側ドラム32と外側ドラム34はこの枢軸30a回りに一体的に回転する。
【0021】
内側ドラム32と外側ドラム34はそれぞれ細孔32b,34bを有しており、これらの細孔32b,34bを通して薬液が移動できるようになっている。回収タンク14から送液される薬液を二重ドラム30の下端から内側ドラム32と外側ドラム34との間に供給するために、外側ドラム34の下端に薬液給液口34aが設けられている。また、内側ドラム32内の薬液をその上端から排出するために、内側ドラム32の上端に薬液取水口32aが設けられており、この薬液取水口32aから流出した薬液はフィルタ装置20へ送液される。ケーシング36には、外側ドラム34とケーシング36との間の薬液を排出するための廃液排出口36aが設けられている。
【0022】
送液ポンプ16の稼働によって薬液を循環させると、内側ドラム32と外側ドラム34が有する細孔34bを通じて、遠心分離器18内は薬液で満たされた状態に維持される。
【0023】
この状態でモータ38を駆動して二重ドラム30を回転させると、送液ポンプ16によって内側ドラム32と外側ドラム34の間に供給された薬液に遠心力が作用し、薬液に比重の大きい異物が含まれていると、この異物が外側ドラム34の細孔34bを抜けて、外側ドラム34の外側へ移動する。ここで、外側ドラム34の外側へ移動する異物は、前述の通り、パーティクル等の固形物やゲル状物質である。
【0024】
一方、内側ドラム32と外側ドラム34との間へは送液ポンプ16によって連続的に薬液が送り込まれるため、内側ドラム32と外側ドラム34との間の圧力が高くなるので、内側ドラム32の細孔32bを通じて内側ドラム32内に、比重の大きな異物が存在しない薬液が通り抜け、これが薬液取水口32aを通してフィルタ装置20へ送液される。
【0025】
こうして、外側ドラム34とケーシング36の間に存在する薬液においては、異物濃度が次第に高くなるので、これを廃液排出口36aから例えば一定流量で外部(例えば、廃液回収タンク)へ排出する。
【0026】
このような薬液中の異物分離のために、内側ドラム32に形成される細孔32bの直径は1〜10μmとすることができ、一方、外側ドラム34に形成される細孔34bの直径は10〜100μmとすることが好ましい。これにより薬液に含まれるゲル状物質や大きな固形物は、内側ドラム32に形成された細孔32bを通過し難く、外側ドラム34に形成された細孔34bを通過しやすくなる。
【0027】
このように、遠心分離器18ではフィルタ装置20では除去することのできないゲル状物質を除去することができるので、ゲル状物質のウエハWの再付着を抑制することによって、ウエハWに付着する異物数を減少させることができる。
【0028】
なお、ウエハ洗浄装置10は、新液を回収タンク14へ供給することで、新液にゲル状物質が含まれていても、遠心分離器18により除去される構造となっているものである。
【0029】
また、遠心分離器18では、薬液中に存在する比較的大きなパーティクルもフィルタ装置20へ送液する薬液から分離することができるので、フィルタ装置20が具備するフィルタの目詰まりが抑制され、フィルタの寿命を伸ばすことができるようになる。
【0030】
遠心分離器18においてゲル状物質が除去された薬液は、フィルタ装置20へ送液される。フィルタ装置20は、図示しないパーティクル捕獲フィルタを備えており、そのフィルタとしては細孔径(pore size)が0.1μm以下のものが好適に用いられる。フィルタ装置20では、このフィルタ細孔径よりも大きな固形物が捕獲される。こうしてフィルタ装置20から、ゲル状物質およびパーティクルの含有量が極めて少ない薬液が洗浄槽12に供給される。このような薬液循環を行うことにより薬液の寿命を伸ばすことができる。
【0031】
なお、ウエハ洗浄装置10において薬液の温度調整を行う場合には、洗浄槽12や回収タンク14,遠心分離器18とフィルタ装置20との間,フィルタ装置20と洗浄槽12との間等にヒータを設けることができる。
【0032】
上述の通りにして洗浄槽12にて所定時間処理されたウエハWは、続いてリンス処理部へ搬送されてそこでリンス処理され、必要に応じて別の薬液による処理とその後のリンス処理が適宜行われ、リンス処理部から乾燥処理部に搬送されてそこで乾燥処理された後に容器へ戻される。そして、この容器は次の半導体製造工程を行うための装置へと搬出される。
【0033】
上述したウエハ洗浄装置10に用いられる遠心分離器は図2に示した構造のものに限定されるものではなく、公知の遠心分離器を用いることもできる。図3にウエハ洗浄装置10に用いることができる別の遠心分離器の概略構造を示す。この遠心分離器18Aは、アメリカ合衆国CICN社製の遠心液体分離器(V−5型,V−10型等)と実質的に同じ構造を有している。
【0034】
遠心分離器18Aは、その軸芯を鉛直にして配置される非通液性のドラム42と、ドラム42を軸芯回りに回転させるモータ44と、ドラム42を回転自在に収容するケーシング46を具備している。
【0035】
ドラム42の底壁には、回収タンク14から供給される薬液を取り入れるための薬液給液口42aが設けられている。そのため、回収タンク14から供給される薬液をケーシング46内に導入するための薬液供給口46aは、ケーシング46の側面または底面に設けられる。
【0036】
ドラム42を回転させながら薬液給液口42aからドラム42内に薬液を供給すると、薬液は遠心力によってドラム42の内面に沿って上昇しながら、薬液に含まれるパーティクルやゲル状物質は遠心力によってドラム42の内面近傍へ移動し、濃縮される。そこで、ドラム42の上端外縁部に廃液排出口42bを設け、ここからゲル状物質等が濃縮された薬液を廃液として排出させる。
【0037】
一方、ドラム42を回転させた際の遠心力によってドラム42の内面に沿って上昇する薬液のうちゲル状物質等が除去された薬液は、ドラム42の上端中央部に薬液取水口42cを設けることによってここから取り出し、フィルタ装置20へ送ることができる。
【0038】
この遠心分離器18Aを用いる場合には、ウエハ洗浄装置10を、(A)遠心分離器18Aから排出された異物量の少ない薬液をフィルタ装置20へ送液するために、遠心分離器18Aとフィルタ装置20との間に送液ポンプをさらに設けた構成、または(B)遠心分離器18Aを洗浄槽12と回収タンク14の間に配置することにより、洗浄槽12から流出させた薬液を遠心分離器18Aにて処理し、こうしてゲル状物質が除去された薬液を回収タンク14へ回収し、そこから送液ポンプ16によってフィルタ装置20へ送液する構成のいずれかの構成とする。
【0039】
但し、(A)の構成では、遠心分離器18Aから排出される薬液量と送液ポンプの吸入流量のバランスが取れないと流量が安定しないという問題があるので、この点に留意する必要がある。また(B)の構成では、回収タンク14において薬液が一時保管されることになるために、回収タンク14において新たにゲル状物質が発生するおそれがある。図2に示した遠心分離器18を用いた場合にはこのような問題は生じないことから、遠心分離器18を用いたウエハ洗浄装置の構成が最良の構成と言える。
【0040】
次に、枚葉・ワンパス式のウエハ処理装置について説明する。図4にこのウエハ処理装置の概略構成を示す。ウエハ処理装置50は、薬液供給部52と、ウエハ処理部54と、薬液回収タンク56を備えている。
【0041】
薬液供給部52は、薬液が貯留された薬液タンク62と、薬液タンク62内の薬液をウエハ処理部54へ送るための送液ポンプ64と、遠心分離器18と、フィルタ装置20を備えている。遠心分離器18と、フィルタ装置20は、ウエハ洗浄装置10に用いられているものと同じである。
【0042】
ウエハ処理部54ではウエハWは1枚ずつ処理される。そのためウエハ処理部54は、ウエハWを保持する回転自在なスピンチャック66と、スピンチャック66に保持されたウエハWを囲繞するように設けられたカップ68と、ウエハWに薬液を吐出するための吐出ノズル70を備えており、カップ68の下部に使用済み薬液を廃液回収タンク56へ排出するための排液口68aが設けられている。吐出ノズル70から吐出する薬液の温調が必要な場合には、例えば、フィルタ装置20から吐出ノズル70へ薬液を送液する間にヒータにより薬液を温調すればよい。
【0043】
ワンパス式では、ウエハWの処理に用いた薬液を循環利用することなく廃棄するが、薬液によっては薬液タンク62内での一時保管時に、溶媒が蒸発することにより薬液が濃縮されたり、薬液が大気に触れることよってその成分が酸化したり、成分どうしの重合反応等の化学反応が進行する等して、薬液にゲル状物質が発生し、増加する場合がある。このような薬液の経時変化は、特に有機溶剤を含んだ有機系薬液において生じやすい。このような有機系薬液には、レジスト液等の各種の塗布膜形成用の薬液が含まれる。
【0044】
そこで、薬液タンク62と吐出ノズル70との間に遠心分離器18を設けて、薬液に生じたゲル状物質を除去し、さらにフィルタ装置20によってパーティクルを除去することによって、ウエハWへのゲル状物質等の付着を抑制することができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【0046】
例えば、バッチ・循環式のウエハ洗浄装置10は、複数枚のウエハWをロータに保持させて、これをチャンバに収容し、ロータを回転させながらウエハWに薬液を供給してウエハWを薬液処理する構成のものであってもよい。すなわち、ウエハWの処理形態に制限はない。
【0047】
また、バッチ・循環式のウエハ洗浄装置10における洗浄槽12の部分と、枚葉・ワンパス式のウエハ処理装置50におけるウエハ処理部54の部分とを入れ替えることで、これらを枚葉・循環式のウエハ処理装置と、バッチ・ワンパス式のウエハ処理装置へとそれぞれ変形することができる。枚葉・循環式のウエハ処理装置は、例えば、スクラブ洗浄処理や、露光後のレジスト膜の現像処理に好適に用いることができる。
【0048】
さらに、ウエハ洗浄装置10では、新液を回収タンク14への供給する構成としたが、新液を洗浄槽12へ供給する構造にしてもよく、その場合に、新液にゲル状物質が生成するおそれのある場合には、この新液の供給ラインにも遠心分離器とフィルタ装置を設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態であるバッチ・循環式のウエハ洗浄装置の概略構成図。
【図2】図1のウエハ洗浄装置に好適に用いられる遠心分離器の概略構造を示す断面図。
【図3】図1のウエハ洗浄装置に用いることができる別の遠心分離器の概略構造を示す断面図。
【図4】本発明の別の実施形態である枚葉・ワンパス式のウエハ処理装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0050】
10…ウエハ洗浄装置、12…洗浄槽、14…回収タンク、16…送液ポンプ、18・18A…遠心分離器、20…フィルタ装置、22…新液供給部、30…二重ドラム、30a…枢軸、32…内側ドラム、32a…薬液取水口、32b…細孔、34…外側ドラム、34a…薬液供給口、34b…細孔、36…ケーシング、36a…廃液排出口、38…モータ、42…ドラム、42a…薬液給液口、42b…廃液排出口、42c…薬液取水口、44…モータ、46…ケーシング、46a…薬液供給口、50…ウエハ処理装置、52…薬液供給部、54…ウエハ処理部、56…薬液回収タンク、62…薬液タンク、64…送液ポンプ、66…スピンチャック、68…カップ、68a…排液口、70…吐出ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を所定の処理液で液処理する液処理部と、
前記液処理部へ供給される処理液から該処理液に含まれるゲル状物質を分離するための遠心分離器と、
前記遠心分離器によってゲル状物質が除去された後に前記遠心分離器から前記液処理部へ供給される処理液から該処理液に含まれるパーティクルを除去するためのフィルタとを具備することを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記液処理部から処理液の一部を排出させて前記遠心分離器へ送液するための処理液循環手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記遠心分離器は、
前記処理液を通過させるための細孔をそれぞれ有する内側ドラムおよび該内側ドラムを囲繞する外側ドラムからなる二重ドラムと、
前記二重ドラムを収容するケーシングと、
前記二重ドラムを回転させるためのモータと、
前記内側ドラムと前記外側ドラムとの間に前記処理液を供給するために該外側ドラムに設けられた処理液供給口と、
前記内側ドラム内の処理液を排出するために該内側ドラムに設けられた処理液取水口と、
前記外側ドラムと前記ケーシングとの間の処理液を排出するために該ケーシングに設けられた廃液排出口とを有し、
前記処理液取水口から排出される処理液が前記フィルタへ送液されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
半導体基板を液処理するための処理液に含まれるゲル状物質を遠心分離法により該処理液から分離し、
前記遠心分離法によってゲル状物質が分離された後の処理液に含まれるパーティクルをフィルタにより該処理液から除去し、
前記フィルタによりパーティクルが除去された後の処理液を半導体基板の液処理に用いることを特徴とする半導体製造方法。
【請求項5】
半導体基板を処理液で液処理しながら、そこで用いられている処理液の一部を排出し、その処理液に含まれるゲル状物質を前記遠心分離法により該処理液から分離することを特徴とする請求項4に記載の半導体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−266210(P2007−266210A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87794(P2006−87794)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】