説明

半導体集積回路

【課題】低速テスターによる直流電圧を用いてスケルチ回路をより高速テストをすることが可能な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路は、スケルチ回路のテスト動作時において、第1の受信端子に第1の直流電圧を印加し、且つ、第2の受信端子に第1の直流電圧と異なる第2の直流電圧を印加した状態で、第1のスイッチ回路と第2のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御するとともに、第1および第2のスイッチ回路のオン/オフに対して相補的になるようにして第3のスイッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケルチ回路を備えた半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンピュータのホストとデバイスの通信規格であるシリアルSTA(SATA:Serial Advanced Technology Attachment)において、ホストとデバイスが消費電力を低減したパワーマネージメント状態から復帰する時やリセットを行う時に、ホストとデバイスのどちらかが相手側に対して、特定のパターン(OOBパターン)信号を送信する。
【0003】
そして、受信側は、送られてきたパターン信号が、OOBパターン信号であることを認識する必要がある。受信側の半導体集積回路に設けられたスケルチ回路は、送られてきたパターン信号のバースト期間とスペース期間とを検出することにより、OOBパターン信号を検出する。
【0004】
また、PCIexpressでは受信側がTX側がデータ転送を行っているか(差動信号有り)、データ転送を行っていないか(差動信号無し)を検出する。
【0005】
ここで、このスケルチ回路をテストする場合、数100メガbps以上の信号を用いる高速テスターによるテストや、直流電圧を用いる低速テスター等がある。
【0006】
例えば、高速テスターによる実転送レートでのテストは、高価であり、コスト面の問題がある。
【0007】
また、低速テスターによるDCテストは、高精度のAC小振幅信号を入力できないことから、DCテストとスピードテストとの相関を用いる必要がある。したがって、低速テスターを用いた場合、この相関の誤差を考慮すると、テストスペックを広げる必要があり、製品の歩留まりを低下させる問題がある。
【0008】
ここで、従来の半導体集積回路には、スケルチ回路(振幅判定回路)と、閾値を調整するためのテスト時に直流電圧の差動信号をスケルチ回路に供給するDC振幅生成回路と、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
この従来の半導体集積回路では、スケルチ回路には定常的な直流電圧が印加される。すなわち、該半導体集積回路は、高速のデータパターン信号を入力して高速にテストするものではない。さらに、DC振幅生成回路を増設していることから、該半導体集積回路の回路面積が増大する。
【特許文献1】特開2009−141722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、低速テスターによる直流電圧を用いてスケルチ回路の実転送レートでのテスト(高速にテスト) をすることが可能な半導体集積回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
差動信号を受信するための第1の受信端子および第2の受信端子と、
第1の非反転入力端子および第1の反転入力端子を有し、前記第1の非反転入力端子に入力された信号と前記第1の反転入力端子に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するスケルチ回路と、
前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第1のスイッチ回路と、
前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第2のスイッチ回路と、
前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第3のスイッチ回路と、
前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第4のスイッチ回路と、を備え、
前記スケルチ回路のテスト動作時において、
前記第1の受信端子に第1の直流電圧を印加し、且つ、前記第2の受信端子に前記第1の直流電圧と異なる第2の直流電圧を印加した状態で、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御するとともに、前記第1および第2のスイッチ回路のオン/オフに対して相補的になるようにして前記第3のスイッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
差動信号を受信するための第1の受信端子および第2の受信端子と、
接地電圧と異なる直流電圧が印加されるテスト端子と、
前記第1の受信端子に接続された第1の非反転入力端子および前記第2の受信端子に接続された第1の反転入力端子を有し、前記第1の非反転入力端子に入力された信号と前記第1の反転入力端子に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するスケルチ回路と、
前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第1のスイッチ回路と、
接地と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記接地と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記接地と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第2のスイッチ回路と、
前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第3のスイッチ回路と、
前記接地と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記接地と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記接地と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第4のスイッチ回路と、を備え、
前記スケルチ回路のテスト動作時において、
前記テスト端子に前記直流電圧を印加した状態で、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御するとともに、前記第1および第2のスイッチ回路のオン/オフに対して相補的になるようにして前記第3のスイッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低速テスターによる直流電圧を用いてスケルチ回路の高速テストをすることが可能な半導体集積回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示す半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。
【図4】図1に示す半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。
【図5】第1、2の受信端子1、2にテスト動作時に印加される直流電圧VRXPDC、VRXNDCの波形と、スケルチ回路3cの反転入力端子3c1および非反転入力端子3c2に入力される電圧VP、VNの波形の一例を示す図である。
【図6】テスト動作時における、第1、2の受信端子1、2に印加される直流電圧VRXPDC、VRXNDCと、スケルチ回路3cの出力信号と、の関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の一態様である実施例2に係る半導体集積回路200の構成の一例を示す図である。
【図8】図7に示す半導体集積回路200のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。
【図9】図7に示す半導体集積回路200のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の構成の一例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、半導体集積回路100は、第1の受信端子1と、第2の受信端子2と、受信回路3と、内部回路4と、第1の送信端子5と、第2の送信端子6と、送信回路7と、マルチプレクサ8と、パターンジェネレータ9と、スイッチ装置10と、を備える。
【0018】
受信回路3は、例えば、SATA、PCIeの受信ライン(RX Block)であり、第1の受信端子1、第2の受信端子2は、受信ラインへの入力である。送信回路7は、例えば、SATA、PCIeの送信ライン(TX Block)であり、第1の送信端子5、第2の送信端子6は、送信ラインからの出力である。
【0019】
第1の受信端子1は、通常動作時において、受信信号VRXPが入力されるようになっている。また、第2の受信端子2は、通常動作時において、受信信号VRXPに対して位相が反転した受信信号VRXNが入力されるようになっている。このように、第1の受信端子1および第2の受信端子2は、通常動作時において、差動信号を受信するために用いられる。
【0020】
なお、テスト動作時には、第1の受信端子1に第1の直流電圧VRXPDCが印加され、且つ、第2の受信端子2に第1の直流電圧VRXPDCと異なる第2の直流電圧VRXNDCが印加される。
【0021】
第1の送信端子5は、送信回路7から出力された送信信号VTXPを、出力するようになっている。第2の送信端子6は、送信回路7から出力され送信信号VTXPに対して位相が反転した送信信号VTXNを、出力するようになっている。このように、第1の送信端子5および第2の送信端子6は、差動信号を出力するために用いられる。
【0022】
内部回路4は、受信回路3の出力信号を処理し、受信信号に基づいて動作する図示しない内部装置に供給するようになっている。
【0023】
パターンジェネレータ9は、テストパターン信号を生成するようになっている。このパターンジェネレータ9により生成されるテストパターン信号は、スケルチ回路3cのテストに用いられる。しかし、パターンジェネレータ9は、他の従来から行われている他のテスト用のパターンジェネレータを用いることが可能である。これにより、半導体集積回路100の回路面積の増加を抑制することができる。
【0024】
また、該テストパターン信号は、クロック信号や、スケルチ回路10cの仕様等に応じて様々な信号に設定される。
【0025】
マルチプレクサ8は、該テストパターン信号および送信すべきデータパターン信号が入力され、何れか一方を出力するようになっている。なお、該データパターン信号は、例えば、内部回路4により生成される。
【0026】
受信回路3は、レシーバ(コンパレータ)3aと、デシリアライザ3bと、スケルチ回路3cと、を含む。
【0027】
スケルチ回路3cは、第1の非反転入力端子3c1および第1の反転入力端子3c2を有する。このスケルチ回路3cは、第1の非反転入力端子3c1に入力された信号と第1の反転入力端子3c2に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するようになっている。
【0028】
このスケルチ回路3cは、第1、第2の受信端子1、2(第1の非反転入力端子3c1および第1の反転入力端子3c2)を介して入力された信号の振幅を検知し、検知された振幅が規定された閾値以上である場合には、例えば、“High”レベルの信号を出力し、一方、検知された振幅が該閾値未満である場合には、例えば、“Low”レベルの信号を出力する。
【0029】
このスケルチ回路3cの出力信号に基づいて、例えば、内部回路4は、第1、第2の受信端子1、2を介して入力された差動信号が規定の信号であるか、ノイズであるか等を判断することができる。このように、スケルチ回路3cは、送信側から有効な信号が送られてきているか否かを検知するために用いられる。
【0030】
レシーバ3aは、スケルチ回路3cの第1の反転入力端子3c2に接続された第2の反転入力端子3a2と、スケルチ回路3cの第1の非反転入力端子3c1に接続された第2の非反転入力端子3a1と、を有する。すなわち、レシーバ3aは、第2の非反転入力端子3a1が第1のスイッチ回路10aを介して第1の受信端子1に接続され、第2の反転入力端子3a2が第2のスイッチ回路10bを介して第2の受信端子2に接続されている。
【0031】
このレシーバ3aは、第2の非反転入力端子3a1および第2の反転入力端子3a2に入力された差動信号VRXP、VRXNの振幅に応じた信号を出力するようになっている。
【0032】
デシリアライザ3bは、レシーバ3aから出力された信号をシリアル−パラレル変換し、内部回路4に出力するようになっている。
【0033】
送信回路7は、ドライバ7aと、シリアライザ7bと、を含む。
【0034】
シリアライザ7bは、マルチプレクサ8から出力された信号をパラレル−シリアル変換し、ドライバ7aに出力するようになっている。
【0035】
ドライバ7aは、第1の送信端子5に反転出力端子7a1が接続され、第2の送信端子6に非反転出力端子7a2が接続されている。このドライバ7aは、シリアライザ7bからの信号に基づいて、差動信号VTXP、VTXNを出力するようになっている。
【0036】
すなわち、ドライバ7aは、パターンジェネレータ9により生成された該テストパターン信号に基づいて、非反転出力端子7a1および反転出力端子7a2に、差動信号VTXP、VTXNを出力する。
【0037】
スイッチ装置10は、第1のスイッチ回路10aと、第2のスイッチ回路10bと、第3のスイッチ回路10cと、第4のスイッチ回路10dと、を含む。
【0038】
第1のスイッチ回路10aは、第1の受信端子1と第1の非反転入力端子3c1との間に接続されている。この第1のスイッチ回路10aは、オンすることにより第1の受信端子1と第1の非反転入力端子3c1との間を導通し、オフすることにより第1の受信端子1と第1の非反転入力端子3c1との間を絶縁するようになっている。
【0039】
第2のスイッチ回路10bは、第2の受信端子2と第1の反転入力端子3c2との間に接続されている。この第2のスイッチ回路10bは、オンすることにより第2の受信端子2と第1の反転入力端子3c2との間を導通し、オフすることにより第2の受信端子2と第1の反転入力端子3c2との間を絶縁するようになっている。
【0040】
第3のスイッチ回路10cは、第1の受信端子1と第1の反転入力端子3c2との間に接続されている。この第3のスイッチ回路10cは、オンすることにより第1の受信端子1と第1の反転入力端子3c2との間を導通し、オフすることにより第1の受信端子1と第1の反転入力端子3c2との間を絶縁するようになっている。
【0041】
第4のスイッチ回路10dは、第2の受信端子2と第1の非反転入力端子3c1との間に接続されている。この第4のスイッチ回路10dは、オンすることにより第2の受信端子2と第1の非反転入力端子3c1との間を導通し、オフすることにより第2の受信端子2と第1の非反転入力端子3c1との間を絶縁するようになっている。
【0042】
ここで、テスト動作時において、第1および第2のスイッチ回路10a、10bは、非反転出力端子7a1から出力された第1の差動信号VTXPに基づいて、オン/オフが制御される。また、テスト動作時において、第3および第4のスイッチ回路10c、10dは、反転出力端子7a2から出力され且つ第1の差動信号VTXPに対して位相が反転した第2の差動信号VTXNに基づいて、オン/オフが制御される。言い換えれば、第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dのオン/オフは、パターンジェネレータ9により生成された該テストパターン信号に基づいて、制御される。
【0043】
このように、テスト動作時には、第1のスイッチ回路10aと第2のスイッチ回路10bとがオン/オフが同期する(オンとオフが同時である)ように制御される。さらに、テスト動作時には、第1および第2のスイッチ回路10a、10bのオン/オフに対して相補的になる(オンとオフが逆になる)ようにして第3のスイッチ回路10cと第4のスイッチ回路10dとがオン/オフが同期するように制御される。
【0044】
なお、テスト動作時には、後述のように、第1、2の受信端子1、2にテスターが接続される。
【0045】
なお、第1、第2の受信端子1、2から差動信号を受信する通常動作時においては、第1のスイッチ回路10aおよび第2のスイッチ回路10bをオンするとともに、第3のスイッチ回路10cおよび第4のスイッチ回路10dをオフする。
【0046】
これにより、通常動作時においては、レシーバ3aの非反転入力端子およびスケルチ回路3cの非反転入力端子に、第1の受信端子1に入力された信号が、入力され、レシーバ3aの反転入力端子およびスケルチ回路3cの反転入力端子に、第2の受信端子2に入力された信号が、入力されるようになる。すなわち、通常動作時においては、受信回路3は、従来の受信回路と同様の動作をする。
【0047】
なお、例えば、第1のスイッチ回路10aおよび前記第2のスイッチ回路10bは、MOSトランジスタで構成され、テスト動作時に第1の差動信号VTXPがゲートに入力され、この第1の差動信号VTXPに応じてオン/オフが制御される。また、例えば、第3のスイッチ回路10cおよび第4のスイッチ回路10dは、MOSトランジスタで構成され、テスト動作時に第2の差動信号VTXNがゲートに入力され、この第2の差動信号VTXNに応じてオン/オフが制御される。
【0048】
次に、以上のような構成、機能を有する半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作の一例について説明する。
【0049】
図2は、図1に示す半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作の一例を示すフローチャートである。また、図3、図4は、図1に示す半導体集積回路100のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。なお、図3、図4においては、半導体集積回路100の構成のうち、第1、2の受信端子1、2、スケルチ回路3c、およびスイッチ装置10を、示している。また、図5は、第1、2の受信端子1、2にテスト動作時に印加される直流電圧VRXPDC、VRXNDCの波形と、スケルチ回路3cの反転入力端子3c1および非反転入力端子3c2に入力される電圧VP、VNの波形の一例を示す図である。また、図6は、テスト動作時における、第1、2の受信端子1、2に印加される直流電圧VRXPDC、VRXNDCと、スケルチ回路3cの出力信号と、の関係の一例を示す図である。
【0050】
図2に示すように、スケルチ回路3cのテスト動作が開始されると、先ず、ステップS1において、スイッチ装置10の各スイッチ回路10a〜10dが差動信号VTXP、VTXNに応じて制御可能な状態に設定される。例えば、各スイッチ回路10a〜10dがそれぞれMOSトランジスタで構成されている場合には、該MOSトランジスタのゲートに差動信号VTXP、VTXNが入力される状態にする。
【0051】
次に、マルチプレクサ8が、パターンジェネレータ9により生成されたテストパターン信号を、出力する。そして、ドライバ7aが、パラレル−シリアル変換されたテストパターン信号に基づいて、差動信号VTXP、VTXNを出力する。これにより、各スイッチ回路10a〜10dに差動信号VTXP、VTXNが入力される(ステップS2)。
【0052】
これにより、半導体集積回路100は、差動信号VTXP、VTXNに応じて、第1、2のスイッチ回路10a、bがオンし、且つ、第3、4のスイッチ回路10c、10dがオフした接続状態(図3)と、第1、2のスイッチ回路10a、bがオフし、且つ、第3、4のスイッチ回路10c、10dがオンした接続状態(図4)と、の間を遷移することとなる。
【0053】
次に、低速テストであるDCテストを行うテスター20により、第1、第2の受信端子1、2に、設定された第1、第2の直流電圧VRXPDC、VRXNDCが印加される(ステップS3)。
【0054】
例えば、図5に示すように、スケルチ回路3cの反転入力端子3c1および非反転入力端子3c2に入力される電圧VP、VNは、直流電圧VRXPDC、VRXNDCと同じ振幅a1を有し、且つ、差動信号VTXP、VTXNに同期したパターン信号になる。
【0055】
したがって、半導体集積回路100は、第1の受信端子1に第1の直流電圧VRXPDCを印加し、且つ、第2の受信端子2に第2の直流電圧VRXNDCを印加した状態で、第1、第2のスイッチ回路10a、10bをオン/オフが同期するように制御するとともに、第1、第2のスイッチ回路10a、10bのオン/オフに対して相補的になるようにして第3、第4のスイッチ回路10c、10dとをオン/オフが同期するように制御することとなる。
【0056】
次に、スケルチ回路3cは、第1の非反転入力端子3c1および第1の反転入力端子3c2を介して入力された差動信号の振幅(電位差)を検知し、検知された振幅が規定された閾値以上である場合には、例えば、“High”レベルの信号を出力し、一方、検知された振幅が該閾値未満である場合には、例えば、“Low”レベルの信号を出力する。
【0057】
そして、例えば、内部回路4により、スケルチ回路3cの出力信号が“High”レベルであるか“Low”レベルであるかを判定する(ステップS4)。なお、テスター20や外部回路(図示せず)等によりスケルチ回路3cの出力を判定するようにしてもよい。
【0058】
次に、ステップS5において、テスター20から第1、第2の受信端子1、2に印加した第1、第2の直流電圧VRXPDC、VRXNDCの電位差が、所定の電位差に到達していない場合には、テスター20から第1、第2の受信端子1、2に印加した第1、第2の直流電圧VRXPDC、VRXNDCの電位差を、変更(上昇または下降)するように設定する(ステップS6)。そして、ステップS3に戻り、テスター20により、第1、第2の受信端子1、2に、設定された第1、第2の直流電圧VRXPDC、VRXNDCが印加される。
【0059】
このように、ステップS3からステップS6のフローを繰り返すことにより、テスト動作時に、テスター20は、第1の直流電圧VRXPDCと第2の直流電圧VRXNDCとの間の電位差を段階的に変化させる(図6の時間t0〜t2の区間や時間t2〜t4の区間)。そして、この電位差を段階的に変化させる間に、該電位差とスケルチ回路3cの閾値との大小関係が変化する(図6の時間t1や時間t3)ことにより、スケルチ回路3cの出力信号のレベルが変移する。
【0060】
一方、ステップS5において、テスター20から第1、第2の受信端子1、2に印加した第1、第2の直流電圧VRXPDC、VRXNDCの電位差a1が、所定の電位差に到達した場合(図6の時間t2や時間t4)には、例えば、テスター20は、スケルチ回路3cの出力信号レベルが変移したときの電位差a1(図6のaVth1、aVth2)を取得する(ステップS7)。
【0061】
この取得された電位差a1が、スケルチ回路の閾値に相当するものとして取得され、スケルチ回路3cに対するテスト動作が完了する。
【0062】
このように、テスト動作時に、スケルチ回路3cから出力される信号に基づいて、スケルチ回路3cの閾値を判定する。この判定された閾値に基づいて、例えば、半導体集積回路100が仕様を満たすか否かが判断される。
【0063】
以上のフローにより、低速テスターによる高精度の直流電圧を用いて、半導体集積回路100のスケルチ回路3cの高速テスト(動作転送レートでのテスト)をすることができる。
【0064】
なお、既述のように、第1、第2の受信端子1、2から差動信号を受信する通常動作時においては、第1のスイッチ回路10aおよび第2のスイッチ回路10bをオンするとともに、第3のスイッチ回路10cおよび第4のスイッチ回路10dをオフする。
【0065】
これにより、通常動作時においては、レシーバ3aの非反転入力端子およびスケルチ回路3cの非反転入力端子に、第1の受信端子1に入力された信号が、入力され、レシーバ3aの反転入力端子およびスケルチ回路3cの反転入力端子に、第2の受信端子2に入力された信号が、入力されるようになる。すなわち、通常動作時においては、受信回路3は、従来の受信回路と同様の動作をする。
【0066】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、上記スイッチ装置を備えることにより、低速テスターによる高精度の直流電圧を用いてスケルチ回路の高速テストをすることができる。
【0067】
また、スイッチング装置、パターンジェネレータ等、追加する回路要素が少ないため、回路面積の増加も抑えられる。
【0068】
さらに、上記スイッチ回路を以外は通常のLoop Backテスト(送信ライン側のシリアライザ等を介して、パターンジェネレータからのテストパターン信号を受信ライン側のレシーバ回路に入力するテスト)で用いる回路、信号をそのまま使用することができる。
さらに、パターンジェネレータが出力するテストパターン信号を変更することにより、様々なテストパターンによりスケルチテスト回路の高速テストが可能となる。
【実施例2】
【0069】
既述の実施例1においては、テスターから受信端子に直流電圧を印加することによりスケルチ回路をテストする例について説明した。
【0070】
一方、本実施例2においては、テスト用のテスト端子を別途設けて、テスターからこのテスト端子に直流電圧を印加することによりスケルチ回路をテストする例について説明する。
【0071】
図7は、本発明の一態様である実施例2に係る半導体集積回路200の構成の一例を示す図である。なお、図7において図1の符号と同じ符号は実施例1と同様の構成を示す。
【0072】
図7に示すように、半導体集積回路200は、第1の受信端子1と、第2の受信端子2と、受信回路3と、内部回路4と、第1の送信端子5と、第2の送信端子6と、送信回路7と、マルチプレクサ8と、パターンジェネレータ9と、スイッチ装置10と、テスト端子201と、を備える。すなわち、半導体集積回路200は、実施例1の半導体集積回路100と比較して、テスト端子201が別途設けられている。
【0073】
実施例1と同様に、第1の受信端子1は、通常動作時において、受信信号VRXPが入力されるようになっている。また、第2の受信端子2は、通常動作時において、受信信号VRXPに対して位相が反転した受信信号VRXNが入力されるようになっている。このように、第1の受信端子1および第2の受信端子2は、通常動作時において、差動信号を受信するために用いられる。
【0074】
なお、実施例1と異なり、テスト動作時において、第1、第2の受信端子1、2には、信号が入力されない。
【0075】
また、実施例1と同様に、受信回路3は、レシーバ(コンパレータ)3aと、デシリアライザ3bと、スケルチ回路3cと、を含む。
【0076】
テスト端子201は、テスト動作時に、接地電圧と異なる直流電圧(例えば、電源電圧)が印加されるようになっている。
【0077】
スケルチ回路3cは、実施例1と同様に、第1の受信端子1に接続された第1の非反転入力端子3c1および第2の受信端子2に接続された第1の反転入力端子3c2を有する。このスケルチ回路3cは、第1の非反転入力端子3c1に入力された信号と第1の反転入力端子3c2に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するようになっている。
【0078】
このスケルチ回路3cは、実施例1と同様に、第1、第2の受信端子1、2(第1の非反転入力端子3c1および第1の反転入力端子3c2)を介して入力された信号の振幅を検知し、検知された振幅が規定された閾値以上である場合には、例えば、“High”レベルの信号を出力し、一方、検知された振幅が該閾値未満である場合には、例えば、“Low”レベルの信号を出力する。
【0079】
このスケルチ回路3cの出力信号に基づいて、例えば、内部回路4は、第1、第2の受信端子1、2を介して入力された信号が規定の信号であるか、ノイズであるか等を判断することができる。このように、スケルチ回路3cは、送信側から有効な信号が送られてきているか否かを検知するために用いられる。
【0080】
レシーバ3aは、実施例1と同様に、スケルチ回路3cの第1の反転入力端子3c2に接続された第2の反転入力端子3a2と、スケルチ回路3cの第1の非反転入力端子3c1に接続された第2の非反転入力端子3a1と、を有する。すなわち、レシーバ3aは、第2の非反転入力端子3a1が第1の受信端子1に接続され、第2の反転入力端子3a2が第2の受信端子2に接続されている。
【0081】
このレシーバ3aは、通常動作時に、第2の非反転入力端子3a1および第2の反転入力端子3a2に入力された差動信号VRXP、VRXNの振幅に応じた信号を出力するようになっている。
【0082】
また、スイッチ装置10は、実施例1と同様に、第1のスイッチ回路10aと、第2のスイッチ回路10bと、第3のスイッチ回路10cと、第4のスイッチ回路10dと、を含む。
【0083】
第1のスイッチ回路10aは、テスト端子201と第1の非反転入力端子3c1との間に接続されている。この第1のスイッチ回路10aは、オンすることによりテスト端子201と第1の非反転入力端子3c1との間を導通し、オフすることによりテスト端子201と第1の非反転入力端子3c1との間を絶縁するようになっている。
【0084】
第2のスイッチ回路10bは、接地と第1の反転入力端子3c2との間に接続されている。この第2のスイッチ回路10bは、オンすることにより接地と第1の反転入力端子3c2との間を導通し、オフすることにより接地と第1の反転入力端子3c2との間を絶縁するようになっている。
【0085】
第3のスイッチ回路10cは、テスト端子201と第1の反転入力端子3c2との間に接続されている。この第3のスイッチ回路10cは、オンすることによりテスト端子201と第1の反転入力端子3c2との間を導通し、オフすることによりテスト端子201と第1の反転入力端子3c2との間を絶縁するようになっている。
【0086】
第4のスイッチ回路10dは、接地と第1の非反転入力端子3c1との間に接続されている。この第4のスイッチ回路10dは、オンすることにより接地と第1の非反転入力端子3c1との間を導通し、オフすることにより接地と第1の非反転入力端子3c1との間を絶縁するようになっている。
【0087】
このように、スイッチ装置10は、実施例1では第1、第2の受信端子1、2とスケルチ回路3cとの間に接続されているが、実施例2ではテスト端子201、接地と、スケルチ回路3cとの間に接続されている。
【0088】
ここで、テスト動作時において、実施例1と同様に、第1および第2のスイッチ回路10a、10bは、非反転出力端子7a1から出力された第1の差動信号VTXPに基づいて、オン/オフが制御される。また、テスト動作時において、実施例1と同様に、第3および第4のスイッチ回路10c、10dは、反転出力端子7a2から出力され且つ第1の差動信号VTXPに対して位相が反転した第2の差動信号VTXNに基づいて、オン/オフが制御される。言い換えれば、第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dのオン/オフは、パターンジェネレータ9により生成された該テストパターン信号に基づいて、制御される。
【0089】
このように、テスト動作時には、実施例1と同様に、第1のスイッチ回路10aと第2のスイッチ回路10bとがオン/オフが同期する(オンとオフが同時である)ように制御される。さらに、テスト動作時には、実施例1と同様に、第1および第2のスイッチ回路10a、10bのオン/オフに対して相補的になる(オンとオフが逆になる)ようにして第3のスイッチ回路10cと第4のスイッチ回路10dとがオン/オフが同期するように制御される。
【0090】
なお、テスト動作時には、後述のように、テスト端子201にテスター20が接続される。
【0091】
なお、第1、第2の受信端子1、2から差動信号を受信する通常動作時においては、第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dをオフする。
【0092】
これにより、通常動作時においては、レシーバ3aの非反転入力端子およびスケルチ回路3cの非反転入力端子に、第1の受信端子1に入力された信号が、入力され、レシーバ3aの反転入力端子およびスケルチ回路3cの反転入力端子に、第2の受信端子2に入力された信号が、入力されるようになる。すなわち、通常動作時においては、受信回路3は、従来の受信回路と同様の動作をする。
【0093】
半導体集積回路200のその他の構成は、実施例1の半導体集積回路100と同様である。
【0094】
以上のような構成、機能を有する半導体集積回路200のスケルチ回路3cのテスト動作は、実施例1と同様である。したがって、以下、図2のフローチャートを用いて説明する。また、図8、図9は、図7に示す半導体集積回路200のスケルチ回路3cのテスト動作時におけるスイッチ装置10の接続関係とスケルチ回路3cに入力される電圧の経路とを示す図である。なお、図8、図9においては、半導体集積回路200の構成のうち、テスト端子201、スケルチ回路3c、および、スイッチ装置10を、示している。
【0095】
図2に示すステップS1、2は、実施例1と同様である。
【0096】
次に、低速テストであるDCテストを行うテスター20により、テスト端子201に、設定された直流電圧が印加される(ステップS3)。
【0097】
したがって、半導体集積回路100は、テスト端子201に電源電圧VDDを印加した状態で、第1、第2のスイッチ回路10a、10bをオン/オフが同期するように制御するとともに、第1、第2のスイッチ回路10a、10bのオン/オフに対して相補的になるようにして第3、第4のスイッチ回路10c、10dとをオン/オフが同期するように制御することとなる。
【0098】
次に、スケルチ回路3cは、第1の非反転入力端子3c1および第1の反転入力端子3c2を介して入力された差動信号の振幅(直流電圧と接地電圧との電位差)を検知し、検知された振幅が規定された閾値以上である場合には、例えば、“High”レベルの信号を出力し、一方、検知された振幅が該閾値未満である場合には、例えば、“Low”レベルの信号を出力する。
【0099】
そして、例えば、内部回路4により、スケルチ回路3cの出力信号が“High”レベルであるか“Low”レベルであるかを判定する(ステップS4)。なお、テスター20や外部回路(図示せず)等によりスケルチ回路3cの出力を判定するようにしてもよい。
【0100】
次に、ステップS5において、接地電圧とテスター20からテスト端子201に印加した直流電圧との電位差が、所定の電位差に到達していない場合には、テスター20からテスト端子201に印加した直流電圧と接地電圧との電位差を、変更(上昇または下降)するように設定する(ステップS6)。そして、ステップS3に戻り、テスター20により、テスト端子201に、設定された直流電圧が印加される。
【0101】
このように、ステップS3からステップS6のフローを繰り返すことにより、テスト動作時に、テスター20は、該直流電圧と接地電圧との間の電位差を段階的に変化させる。そして、この電位差を段階的に変化させる間に、該電位差とスケルチ回路3cの閾値との大小関係が変化することにより、スケルチ回路3cの出力信号のレベルが変移する。
【0102】
一方、ステップS5において、テスター20からテスト端子201に印加した直流電圧と接地電圧との電位差が、所定の電位差に到達した場合には、例えば、テスター20は、スケルチ回路3cの出力信号レベルが変移したときの電位差を取得する(ステップS7)。
【0103】
この取得された電位差が、スケルチ回路の閾値に相当するものとして取得され、スケルチ回路3cに対するテスト動作が完了する。
【0104】
このように、テスト動作時に、スケルチ回路3cから出力される信号に基づいて、スケルチ回路3cの閾値を判定する。この判定された閾値に基づいて、例えば、半導体集積回路200が仕様を満たすか否かが判断される。
【0105】
以上のフローにより、低速テスターによる高精度の直流電圧を用いて、半導体集積回路100のスケルチ回路3cの高速テスト(動作転送レートでのテスト)をすることができる。
【0106】
なお、既述のように、第1、第2の受信端子1、2から差動信号を受信する通常動作時においては、第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dをオフする。
【0107】
これにより、通常動作時においては、レシーバ3aの非反転入力端子およびスケルチ回路3cの非反転入力端子に、第1の受信端子1に入力された信号が、入力され、レシーバ3aの反転入力端子およびスケルチ回路3cの反転入力端子に、第2の受信端子2に入力された信号が、入力されるようになる。すなわち、通常動作時においては、受信回路3は、従来の受信回路と同様の動作をする。
【0108】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、実施例1と同様に、上記スイッチ装置を備えることにより、低速テスターによる高精度の直流電圧を用いてスケルチ回路の高速テストをすることができる。また、スイッチング装置、パターンジェネレータ等、追加する回路要素が少ないため、回路面積の増加も抑えられる。
【0109】
なお、既述の各実施例において、第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dのオン/オフは、パターンジェネレータ9から出力されるテストパターンに基づく制御に代えて、
半導体集積回路内で用いられるクロック信号に基づいて、制御されるようにしてもよい。クロック信号に基づいて第1ないし第4のスイッチ回路10a〜10dのオン/オフを制御するとした場合においても、低速テスターによる直流電圧を用いてスケルチ回路の高速テストが可能である。また、クロック信号を用いる場合には、パターンジェネレータ9を備える必要がなくなり、回路面積の増加をさらに抑えられる。
【0110】
なお、既述の各実施例において、パターンジェネレータ9からのテストパターンは、シリアライザ7b、ドライバ7aを介してスイッチ装置10に入力しているが、これに代えて、パターンジェネレータ9からのテストパターンをシリアライザ7b、ドライバ7aを介さずにスイッチ装置10に入力するとしてもよい。
【0111】
なお、第1、第2の受信端子1、2とスイッチ装置10の間、スイッチ装置10とスケルチ回路3cの間に図1に示さない回路要素が含まれていてもよい。同様に、パターンジェネレータ9とシリアライザ7bの間、シリアライザ7bとドライバ7aの間、ドライバ7aとスイッチ装置10の間にも図1に示さない回路要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 第1の受信端子
2 第2の受信端子
3 受信回路
4 内部回路
5 第1の送信端子
6 第2の送信端子
7 送信回路
8 マルチプレクサ
9 パターンジェネレータ
10 スイッチ装置
20 テスター
100、200 半導体集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動信号を受信するための第1の受信端子および第2の受信端子と、
第1の非反転入力端子および第1の反転入力端子を有し、前記第1の非反転入力端子に入力された信号と前記第1の反転入力端子に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するスケルチ回路と、
前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第1の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第1のスイッチ回路と、
前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第2の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第2のスイッチ回路と、
前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第1の受信端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第3のスイッチ回路と、
前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記第2の受信端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第4のスイッチ回路と、を備え、
前記スケルチ回路のテスト動作時において、
前記第1の受信端子に第1の直流電圧を印加し、且つ、前記第2の受信端子に前記第1の直流電圧と異なる第2の直流電圧を印加した状態で、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御するとともに、前記第1および第2のスイッチ回路のオン/オフに対して相補的になるようにして前記第3のスイッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
差動信号を受信するための第1の受信端子および第2の受信端子と、
直流電圧が印加されるテスト端子と、
前記第1の受信端子に接続された第1の非反転入力端子および前記第2の受信端子に接続された第1の反転入力端子を有し、前記第1の非反転入力端子に入力された信号と前記第1の反転入力端子に入力された信号との間の差動振幅と、予め設定された閾値と、を比較し、この比較結果に応じた信号を出力するスケルチ回路と、
前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記テスト端子と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第1のスイッチ回路と、
接地と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記接地と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記接地と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第2のスイッチ回路と、
前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記テスト端子と前記第1の反転入力端子との間を絶縁する第3のスイッチ回路と、
前記接地と前記第1の非反転入力端子との間に接続され、オンすることにより前記接地と前記第1の非反転入力端子との間を導通し、オフすることにより前記接地と前記第1の非反転入力端子との間を絶縁する第4のスイッチ回路と、を備え、
前記スケルチ回路のテスト動作時において、
前記テスト端子に前記直流電圧を印加した状態で、
前記第1のスイッチ回路と前記第2のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御するとともに、前記第1および第2のスイッチ回路のオン/オフに対して相補的になるようにして前記第3のスイッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをオン/オフが同期するように制御する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
テストパターン信号を生成するパターンジェネレータを、さらに備え、
前記第1ないし第4のスイッチ回路のオン/オフは、前記テストパターン信号に基づいて、制御される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記パターンジェネレータからのテストパターン信号をパラレル−シリアル変換し出力するシリアライザと、
前記シリアライザからの信号を差動信号として出力するドライバと、
前記第1ないし第4のスイッチ回路のオン/オフは、前記ドライバから出力された前記差動信号に基づいて、制御される
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記スケルチ回路の前記第1の反転入力端子に接続された第2の反転入力端子と、前記スケルチ回路の前記第1の非反転入力端子に接続された第2の非反転入力端子と、を有し、前記第2の反転入力端子および前記第2の非反転入力端子に入力された差動信号の振幅に応じた信号を出力するレシーバと、
前記レシーバから出力された信号をシリアル−パラレル変換し、出力するデシリアライザと、をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記第1ないし第4のスイッチ回路のオン/オフは、クロック信号に基づいて、制御される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−155371(P2011−155371A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14406(P2010−14406)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】