説明

半導電性発泡ゴム部材の製造法および半導電性発泡ゴム部材

【課題】 環境に優しく耐久性等の品質面で安定したOA機器用途に用い得る発泡ゴム部材を低コストで提供する。
【解決手段】 エチレンオキサイドユニット含有の吸水性ゴムを含むと共に化学発泡剤は含まないゴム組成物を調製し、前記ゴム組成物を加圧せずに常圧下で加硫して、前記ゴム組成物中に含まれている水分を気化させて発泡を生じさせている。吸水性ゴムの加硫前の吸水率を0.1以上1.0質量部とし、常圧下での加硫をマイクロ波加硫(UHF)もしくは/および熱風加硫(VAF)により行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導電性発泡ゴム部材の製造法および半導電性発泡ゴム部材に関し、例えば、OA機器、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においてゴムロールとして好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置を始めとする各種OA機器のゴムローラとしては、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ロール、トナーを搬送させるためのトナー供給ロール、トナーを感光体に付着させるための現像ロール、トナー像を感光体から用紙に転写するための転写ロール等、種々の半導電性ゴムロールが用いられている。
【0003】
このような半導電性ゴムロール
は、一般に円柱状の芯金とこの芯金の周囲に固定された筒状の半導電性発泡ゴム部材から構成されている。半導電性発泡ゴム部材は、その用途に応じて、電気抵抗、耐久性、電圧依存性、非汚染性、硬度、寸法安定性等の要求特性が設計されている。
【0004】
発泡ゴム部材を得る手法としては、特開2003−64224号公報(特許文献1)、特開2004−9588号公報(特許文献2)、特開2002−221859号公報(特許文献3)等に、ゴムに化学発泡剤を配合し、ゴムの加硫時に化学発泡剤をガス化させる手法が採用されている。
しかし、この手法では、化学発泡剤が人体に悪影響を及ぼしやすい化学物質であることから、環境面で問題があるだけでなく、気化した物質や反応後の物質(反応残査)を加硫だけでは十分にゴムから抜くことができない。従って、気化した物質や反応後の物質を除去するために、高温で加硫ゴムを加熱する工程(2次加硫)が必要不可欠となる。その結果、発泡ゴム部材の製造コストも高くなる問題がある。
【0005】
そこで、ゴムにマイクロバルーンと呼ばれる、既に発泡した樹脂もしくは加熱により発泡する樹脂を混入する方法も提案されている。しかし、マイクロバルーンは高価であり、発泡ゴム部材の製造コストが高くなる上、マイクロバルーンのゴム中での分散状態により、ゴムの発泡状態の均一性は変化する。また、マイクロバルーンをゴムに均一に混合することは極めて困難である。
【0006】
また、ゴムラテックスを機械的に混合して、泡立てた後に加硫する方法も提案されている。しかし、混合後の経過時間により発泡状態が変化することから、極めて高度な生産管理が必要となるため、製造コストが高くなるのを避けられない。また、ラテックスは元来、ゴムを水に分散させたものであるため、得られるゴム部材の耐水性が極めて低く、特にOA機器用途には不向きである。
【0007】
一方、ゴム以外の材料を用いた環境面に配慮した発泡部材も検討されている。
例えば、熱可塑性樹脂に炭酸ガスを混入して押し出すことにより、熱可塑性樹脂を発泡させる方法(炭酸ガス発泡押出方式)、2液混合タイプの熱硬化性ウレタン樹脂を混合時に泡立てて発泡させ、これを硬化させる方法(機械発泡方式)が提案されている。しかし、加硫ゴムは優れた高温安定性や低分子成分の残留性の低さといった利点を有するが、熱可塑性樹脂では高温安定性が得られず、2液混合タイプのウレタン樹脂では低分子成分の残留が起こりやすい。特にOA機器用途の発泡部材には、高温でも寸法変化が小さく、かつ、感光体や紙などを汚染しないことが要求されるが、このような性能を得るには、どうしてもゴムの使用が望まれる。
【0008】
上述のように、汎用されている化学発泡剤を用いて発泡ゴム部材を得ようとすれば、環境面や製造コストに問題が生じる。また、ゴムにマイクロバルーンを混入する方法は、製造コストに問題が生じる他、ゴム中でのマイクロバルーンの分散性を考慮すると、実用的ではない。また、ゴムラテックスを用いる方法も、製造コストに問題が生じる他、耐水性の低いゴム部材しか得られないという欠点がある。さらに、ゴム以外の材料を用いても、様々な用途において、要求特性を満たす部材を得ることは困難である。
【0009】
【特許文献1】特開2003−64224号公報
【特許文献2】特開2004−9588号公報
【特許文献3】特開2002−221859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような諸問題を鑑みてなされたもので、特に、化学発泡剤を用いないと共に、プレスや加硫缶を用いることなく、製造時において環境上好ましい方法で半導体発泡ゴム部材を製造することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、第一に、化学発泡剤を含有させず、下記(1)〜(4)から選択される水分を含むゴム組成物を調製し、
前記ゴム組成物を加圧せずに常圧下で加硫して、前記ゴム組成物中に含まれている水分を気化させて発泡を生じさせていることを特徴とする半導電性発泡ゴム部材の製造法。
(1)イオン導電性および吸水性を有するゴム成分を含むゴム組成物;
(2)イオン導電性を有する疎水性ゴム成分と、吸水性ポリマーを含むゴム組成物;
(3)イオン導電性を有しない吸水性ゴム成分と、イオン導電剤を含むゴム組成物;
(4)イオン導電材を有しない疎水性ゴム成分と、イオン導電剤と、吸水性ポリマーを含むゴム組成物を提供している。
【0012】
前記(1)としては、エチレンオキサイドユニット含有の吸水性ゴムを含むゴム組成物が挙げられる。
前記(2)としては、NBRゴムにイオン導電剤を含有させたゴム組成物が挙げられる。
前記(3)としては、天然ゴムにポリビニルアルコール(吸水性ポリマー)を含有させたゴム組成物が挙げられる。
前記(4)としては、EPDMゴムに、イオン導電剤と、ポリビニルアルコールとを含有させたゴム組成物が挙げられる。
【0013】
前記したように、本発明では、水分を含むと共にイオン導電性を有するゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を、プレス、缶加硫、インジェクション等の加圧条件下で加硫するのではなく、常圧下で加硫して、ゴム組成物中に含まれている水分を気化させて発泡を生じさせている。
【0014】
前記水分を含むゴム組成物としては、エチレンオキサイドユニット含有の吸水性ゴムを含むゴム組成物が最も好適に用いられ、必要に応じてガス透過性が小さいクロロプレンゴムもしくは/およびクロロスルホン化ポリエチレンを配合し、該ゴム組成物にカーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーを配合した混練物を調製し、該混練物を常圧下で加硫し、該加硫時に気化発泡を生じさせて成形していることが好ましい。
【0015】
前記エチレンオキサイドユニットを有する共重合ゴムを用いているのは、エチレンオキサイドユニットは親水性であるため、エチレンオキサイドユニットの共重合ゴムに所要の吸水率で水分を含ませることができる。また、エチレンオキサイドユニットを含有するゴムは、イオン導電性を有するため、所要の電気抵抗値を有する半導電性発泡ゴム部材とすることができる。半導電性の程度はエチレンオキサイドユニットの含有率に依存するため、用途に応じてその含有率を設定している。
【0016】
前記ゴム中に含まれる水分は、主にエチレンオキサイドユニットに、分子レベルの状態でトラップされており、水の分散性状態は非常に高くなっている。このような高分散状態でゴムに含まれている水が、加圧されない状態で高温環境下に曝されると、ゴムの粘度に依存しつつ、分散性を維持しながらゴム中で気化発泡する。気化発泡は、ゴム成分が形成する三次元ネットワーク中で、左右および上下に対称に起こるものと認められる。この気化発泡で形成される発泡材では、気泡は均一に分散し、且つセル径が比較的大きく、かつ、気泡は連続気泡ではなく、独立気泡となっている。
このような発泡メカニズムを利用することで、化学発泡剤を用いずに、極めて均一な発泡状態の発泡部材を容易に形成できる。しかも、得られたゴム部材には、イオン導電性を有するエチレンオキサイドユニットにより、所要の半導電性を付与することができる。
【0017】
このように、本発明では、化学発泡剤を含まないゴム組成物を加硫して成形されているため、環境面において優れ、かつ、品質の安定性も優れている。また、化学発泡剤の気化物質や反応残査を除去するための2次加硫を必要としないため、低コストで発泡ゴム部材を得ることができる。さらに、プレス、加硫缶等を用いる加圧方式を採用せずに、常圧でゴム組成物の加硫を行うことから、ゴム中に含まれる水分を気化させ、ゴム部材中に多数の独立気泡を形成することが可能であり、製造工程が簡易である。
【0018】
適度に吸水したフィラーや、僅かに吸水したゴムを用いる場合でも、発泡現象は生じるが、そのような発泡現象は極めてランダムであり、不均一な発泡状態の部材しか得られない。一方、エチレンオキサイドユニットを含有するゴムを用いる場合には、ゴム組成物の配合は単純で、かつ、メカニズムも極めて容易であるにも関わらず、均一な発泡状態の発泡部材を得ることができる。
【0019】
前記常圧下での加硫は、マイクロ波加硫(UHF)もしくは/および熱風加硫(VAF)により行うことが好ましい。
ゴム組成物にマイクロ波を印加して加硫させるマイクロ波加硫は、ゴム組成物の外部だけでなく、内部をほぼ同じ状態に加熱することができる。そのため、マイクロ波加硫は、極めて生産性が高く、かつ、ゴム組成物の内部と外部との発泡バランスに優れた発泡ゴム部材を与える。マイクロ波加硫を行うと同時に、ゴム組成物を高温状態に保ち、加熱処理を併用してもよい。
ゴム組成物を熱風で加熱する熱風加硫では、ゴム組成物の外部が先に高温に達するため、内部で気化した水分が外部に漏れだしにくく、極めて高倍率な発泡ゴム部材が得られる。ただし、熱風加硫単独では、加硫に時間がかかる溜め、マイクロ波加硫を併用することが好ましい。
【0020】
前記エチレンオキサイドユニットを含有する吸水性ゴムでは、加硫前の吸水率を、0.1以上1.5重量%としていることが好ましい。
これは、吸水率が0.1重量%未満では、十分な発泡が得られないことがある。また、吸水率が1.5重量%を超えると、部分的に異常発泡が生じることがある。より好ましくは0.2〜1.0重量%である。
【0021】
吸水率を前記範囲に調整するため、吸水率調整剤を配合することが好ましい。この吸水率調整剤として酸化カルシウムが好適に用いられる。酸化カルシウムはゴム中の水分をトラップするため、酸化カルシウムの配合によりゴムの吸水率を低減でき、結果としてゴム部材の発泡倍率を制御できる。
また、吸水率調整剤としてイオン導電材を用いてもよく、イオン導電材の配合により、ゴムによる吸水を促進させたり、水の保持を容易にさせたりすることができる。
【0022】
また、ゴム成分として、ガス透過性が小さいクロロプレンゴムもしくは/およびクロロスルホン化ポリエチレン(例えばハイパロン(商標名))やブタジエンゴムを配合することにより、気化したガスをゴムに透過させにくくして、気泡により発泡部分を確実に生成することができ、かつ、独立発泡部分を多くすることができる。発泡部材において独立発泡部分を多くすることで、形状維持性が高まり、且つ、気泡内へのトナー等の異物の混入を防止できる。なお、ガス透過性が小さいゴムを配合しなくとも、本発明の水分の気化により発泡させた場合、独立発泡とすることが出来るが、ガス透過性が小さいゴムを配合すると、独立した各気泡(セル)の大きさが、配合しない場合と比較して小さくなる。よって、弾性力を大きくしたい場合には前記ガス透過性が小さいゴムを配合せず、一方、硬度を保持したい場合には前記ガス透過性が小さいゴムを配合することが好ましい。
【0023】
さらに、ゴム組成物にカーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーを含させると、加硫時において、ゴム組成物の温度上昇を促進でき、加硫工程の時間短縮を図ることができる。特に、前記マイクロ波加硫を行う場合は、カーボン粉末をゴム組成物に配合することが加硫工程を時間短縮する上で極めて有効である。また、カーボン粉末により、発泡ゴム部材の電子導電性の制御も可能になる。
【0024】
前記カーボンあるいは炭酸カルシウムの配合量は、ゴム成分100質量部に対して10〜50質量部、より好ましくは30〜40質量部である。
また、カーボン粉末は、平均粒径80nm以上のカーボン粉末を用いることが好ましい。平均粒径80nm以上のカーボン粉末は、導電性が極めて低いことより所要の電気抵抗値を有する半導電性を付与することができる。
【0025】
さらに、前記ゴム成分100質量部に対してハイドロタルサイトを1〜10質量部含めることが好ましい。
【0026】
本発明は、第二に、前記方法で製造された半導電性発泡ゴム部材を提供している。
さらに、前記方法により製造された発泡ゴム部材に限定されず、エチレンオキサイド含有吸水性ゴムを含むゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して10〜50質量部のカーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーを含むと共に、化学発泡剤が含まれていない組成物からロールに成形された発泡体からなり、該発泡体は発泡部のうち半分以上が独立発泡部となりやすく、かつ、ロールの抵抗値(logΩ)6〜8とされていることを特徴とする半導電性発泡ゴム部材を提供している。
【0027】
本発明の半導電性発泡ゴム部材は、イオン導電性で所要の電気抵抗値を安定して有すると共に、所要の弾性力および硬度を有するため、特にOA機器用の転写ロール、現像ロール、帯電ロール、クリーニングロール、トナー供給ロール等に好適に用いられる。
【発明の効果】
【0028】
上述したように、本発明の半導電性発泡ゴム部材の製造法によれば、化学発泡剤を用いていないため、製造工程における環境悪化を防止できると共に、化学発泡剤が製造された発泡ゴム部材に残留していないため使用上の環境も良好とすることができる。
さらに、プレスや加硫缶を用いず、常圧下で行えるため、製造工程を簡単にとでき、発泡ゴム部材を、低コストで提供することができる。
【0029】
かつ、本発明の導電性発泡ゴム部材では、気泡は均一に分散していると共に、発泡状態は半分以上が独立気泡となる場合が多い。よって、単層からなるゴムロール、例えばトナー供給ロールに適用する場合、トナーが発泡ゴム部材の内部への侵入を防止でき、使用に伴うゴムロールの硬度変化を抑制でき、極めて良好な耐久性能が得られる。
一方、外層にソリッドゴムを配置したような複層構造のゴムロールに適用する場合も、気泡の半分以上が独立気泡となりやすいため、極めて良好な復元性が得られる。なお、気泡が連続気泡が大半を占める構成される発泡ゴム部材は、元来、圧縮後に原形に復帰しやすが、複層構造の場合には外層で拘束されるため、却ってもとの形に復元しにくくなる。
また、吸水性ゴムに気体透過性が小さいゴムの配合の有無で気泡のセル径を調節でき、それによって、弾性、硬度、強度等を適宜に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の半導電性発泡ゴム部材は、化学発泡剤を含まないゴム組成物を発泡させて形成されたものであり、発泡は、エチレンオキサイドユニットを含有する吸水性を有する共重合ゴム(以下、エチレオキサイド含有吸水性ゴムと略す)に吸着された水分が常圧下で高温環境下に晒すことで気化することにより達成される。従って、化学発泡剤の反応物質や反応残査が残留することがなく、しかも気泡は発泡部分の半分以上を独立気泡として形成しやすく、よって、外部からの汚染物質はゴム部材の内部に侵入しにくく、復元性にも優れ、耐久性の良好なゴム部材となっている。
【0031】
エチレンオキサイド含有吸水性ゴムにおいて、エチレンオキサイドユニットの含有量は、30モル%〜98モル%であることが望ましい。エチレンオキサイドユニットの含有量を上記範囲内とすることで、適度な水分を含むとともに物性バランスのよいゴムを得ることができる。好ましくは50〜95モル%であり、該範囲とすると、吸水率の管理が容易となる。さらに好ましくは60〜95%である。
エチレンオキサイド含有吸水性ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等を挙げることができる。
【0032】
ゴム成分として他のゴムを配合してもよい。該ゴムとして、例えばクロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、NBRゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
これらのうち、クロロプレンゴムやクロロスルホン化ポリエチレンは、ガス透過率が低いため、加熱の際に気化した水分がゴムを透過しにくくなり、発泡状態を確実に独立発泡とすることが出来ると共に、気泡の大きさ(セルの大きさ)を、配合前と比較して小さくすることができる。よって、気泡を大きくしたい場合には、これらのガス透過性の小さいゴムは配合しないことが好ましい。
エチレンオキサイド含有吸水性ゴム以外の、他のゴムは、ゴム成分全体の95質量部以下とすることが望ましい。他のゴムが多すぎたり、分散が悪い時には、良好な発泡状態のゴム部材が得られないことがある。
【0033】
エチレンオキサイド含有吸水性ゴムムの加硫前の吸水率は、0.1〜1重量%、さらには0.2〜1.0重量%に制御することが望ましい。吸水率が0.1重量%未満では、十分な発泡が得られないことがある。また、吸水率が1重量%を超えると、部分的に異常発泡が生じることがある。原料となるエチレンオキサイドユニットを含有するゴムの吸水率が上記範囲を満たすことが好ましいが、上記範囲を外れる場合でも、ゴム組成物に吸水率調整剤を配合することで、好適な発泡状態を達成することは可能である。
【0034】
吸水率調整剤には、ゴム中の水分をトラップするものと、ゴムによる吸水を促進させたり、水の保持を容易にさせたりするものとがある。前者には、酸化カルシウム等があり、後者には、イオン導電材、吸水性ポリマー(ポリビニルアルコール等)等がある。また、イオン導電材としては、過塩素酸第四級アンモニウム塩、四級アイモニウム塩、イミドリチウム塩等がある。
吸水率調整剤の配合量は、希望する発泡状態に応じて選択すればよいが、例えばゴム成分全体100質量部あたり、0.1〜2.0質量部が好適である。
【0035】
ゴム組成物には、カーボンブラック等のカーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーを配合している。該フィラーはゴム成分100質量部に対して5〜65質量部の割合、より好ましくは10〜50質量部で配合している。なお、ゴム組成物の発泡状態を安定させる観点から、フィラーの吸水率は1.0質量部以下に制御することが望ましい。
カーボン粉末を配合する場合、カーボン粉末の平均粒径は、80nm以上、さらには100〜500nmであることが望ましく、該範囲とすると均一な分散を得ることができると共に、カーボン導電性を発言させにくく、10〜5KV程の領域でイオン導電性を示すように使用できる。
さらに、エピクロヒドリンやクロロプレンゴム等の塩素含有ゴムを用いる場合は、ハイドロサルタイトをゴム成分100質量部に対して1〜10質量部の割合で配合している。
【0036】
ゴム組成物の常圧での加硫は、マイクロ波加硫(UHF)もしくは熱風加硫(VAF)により行っており、UHFによる加硫に続いてVAFでの加硫を行うことが特に好ましい。
例えば、ゴム組成物をチューブ状などの所定形状に押し出した後、直ちにUHFを行うことで、加硫の初期に一気にある程度の加硫を進行させることができ、この段階である程度、寸法、形状、発泡状態等を調整できる。また、UHFは、元来、誘電率の大きいイオン導電性を有するゴムの加硫に適している。一方、VAFは、熱風を当ててゴムを加熱するため、初期からVAFを行うよりも、ある程度加硫が進行してから行う方が適している。
【0037】
本発明の発泡ゴム部材は、OA機器用の半導電性発泡ゴムロールに好適である。半導電性発泡ゴムロールは、例えば以下のような方法で製造できる。
図1は、半導電性発泡ゴムロールの連続加硫による製造装置を示している。この装置は、押出機10、UHF層11、VAF層12〜16、引取機17、冷却水槽18、巻取装置19、自動カッター20を具備する。押出機10から巻取装置19は、コンベア30により連続させ、押出機10から押し出されたゴムチューブGを連続搬送している。製造工程ラインの全長は、図1の装置の場合は45mであるが、特に限定はない。
【0038】
押出機10には、密閉式混練機あるいはオープンロール等によりゴム組成物を混練した後、連続したリボン状としたものを搬送車Aで供給している。VAF層12〜16のうち、最初のVAF層12のみはローラコンベアでゴムチューブを搬送し、他のVAF層はベルトコンベアである。UHF層11とVAF層12の間S1、隣接するVAF層の間S2は、ローラコンベアとし、これらコンベアを連続させている。
【0039】
詳細には、図2に示すように、層間のローラコンベアのローラ50の軸線L1を、ゴムチューブGの搬送方向の軸線L2の直交方向L3から所要角度θずらせて配置して回転させて、ゴムチューブGを所要角度捩っている。ゴムチューブGの進行方向は、コンベアの駆動と、該コンベアの幅方向の両側に配置するガイドローラ51と52を回転させることにより、所定速度で進行させている。なお、UHF層11のローラコンベアの各ローラも、上記のように配置してゴムチューブを捩ってもよいし、VAF層13〜16内のコンベアもローラコンベアとして、これらのローラによりゴムチューブに捩りを加えてもよい。
【0040】
図1の装置では、各VAF層12〜16の長さは図示のとおり、順次、6m、4m、4m、8m、8mに設定されている。UHF層11とVAF層12との間S1、隣接するVAF層の間S2の長さは、それぞれ0.1m〜5m程度としている。冷却水槽18には、ベルトコンベアと連続させたメッシュコンベアを用いて、水槽内に加硫したゴムチューブを浸漬しながら搬送している。
【0041】
上記装置において、押出機10により混練したゴム組成物は、所要形状のチューブとして押し出され、押し出された直後に、UHF層11である程度まで一気に加硫し、続いて、VAF層12〜16へ順次搬送し、最終のVAF層16で加硫を完了させている。
【0042】
上記のようにUHF層11とVAF層12〜16を通過させて加硫を進行させる連続加硫時において、UHF層11とVAF層12の間S1、隣接するVAF層の間S2、UHF11層、VAF層12〜16では、ローラコンベアのガイドロールにより、搬送するゴムチューブを少しずつ捩り、最終的に1/2回転以上回転させるようにしている。
【0043】
加硫後のチューブは、巻取装置19で巻き取った後、自動カッター20により所要寸法にカットして、所要形状のゴムロールとしている。これに加工を施して、ホットメルト接着剤を塗布した芯金を挿入し、加熱すれば、導電性発泡ゴムロールが得られる。ゴムロール表面は必要に応じて研磨する。
【0044】
以下、本発明の実施例および比較例について詳述する。
【0045】
[実施例1〜7および比較例1〜2]
各実施例および比較例のゴム組成物の成分および配合量は下記の表1に示す。表1中、成分量を示す数値の単位は質量部である。
【0046】
表1中に記載の各成分のメーカー、商品名等は以下の通りである。
(吸水ゴム)
エピクロルヒドリンゴムA:ダイソー(株)製のエチレンオキサイドユニット含有ゴム
「CG102」
ゴム組成物配合時の吸水率0.33重量%
エピクロルヒドリンゴムB:ダイソー(株)製のエチレンオキサイドユニット含有ゴム
「エピクロマーD」
ゴム組成物配合時の吸水率0.42重量%
ポリエーテルゴム:日本ゼオン(株)製のエチレンオキサイドユニット含有ゴム
「ZSN8030」
ゴム組成物配合時の吸水率0.70重量%
前記ゴムA,B,Cの吸水率はカールフィッシャ水分率計で測定した。
(その他のゴム)
クロロプレンゴム:昭和電工(株)製の「ショープレンWRT」
クロロスルホン化ポリエチレン:デュポン・ダウ・エラストマー・ジャパン(株)製の
「ハイパロン(登録商標)」
NBR(ニトリルゴム):日本ゼオン(株)製の「DN401LL」
(フィラー)
炭酸カルシウム:脂肪酸処理した軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム)「白艶草CC
(商品名)」 平均粒径約20nm
カーボンブラック:旭カーボン(株)製の弱導電性カーボンブラック
「旭♯15」、平均粒径122nm
ハイドロサルタイト:協和化学工業(株)製の「DHT−4A−2」
(吸水率調整剤)
酸化カルシウム:近江化学工業(株)製の「CML31」
過塩素酸四級アンモニウム塩:日本カーリッド社製のイオン導電材「A-902」
(化学発泡剤)
アゾジカルボンアミド:永和化成工業(株)製の「ビニホールAC♯R」
尿素系化合物:永和化成工業(株)製の「セルペースト101」
【0047】
【表1】

【0048】
(実施例1〜7の製法)
10リットルのニーダに表1の各配合を、ゴム、フィラー、亜鉛華、必要に応じて吸水率調整剤を投入し、排出温度が110℃となるように混練を行った。次いで、得られた混練物に、下記の促進剤および加硫剤を投入してロールで混練物に分散させてゴム組成物を得た。その後、ゴム組成物をリボン状にして取り出した。
【0049】
亜鉛華をゴム100質量部あたり5質量部配合した。
加硫剤としては、イオンをゴム100質量部あたり1.0質量部配合すると共に、エチレンチオウレアをゴム100質量部あたり0.3質量部配合した。
【0050】
製法(1)
上記のゴム組成物をφ60mmのバキューム式ゴム押出機にて、口金温度50℃で、内径φ6mm、外径φ12mmのチューブ状に押し出した。その際、気泡やゴムに吸着されている水分以外の水分は除去することができる。その後、チューブ状組成物を、φ5mmの金属製シャフトに挿入して、常圧下で、160℃で、30分間加熱し、チューブ状ゴム組成物を加硫させるとともに発泡させた。
【0051】
製法(2)
上記のゴム組成物をφ60mmのバキューム式ゴム押出機にて、口金温度50℃で、内径φ6mm、外径φ12mmのチューブ状に押し出し、引き続き、常圧下で、マイクロ波加硫(UHF)層、次いで熱風加硫(VAF)層を通過させ、チューブ状ゴム組成物を加硫させるとともに発泡させた。その後、冷却水槽に通して、発泡したゴム部材を冷却した。
【0052】
(比較例1〜2の製法)
10リットルのニーダに表1の各配合を、ゴム、フィラー、亜鉛華、化学発泡剤を投入し、排出温度が110℃となるように混練を行った。次いで、得られた混練物に、下記の促進剤および加硫剤を投入してロールで混練物に分散させてゴム組成物を得た。その後、ゴム組成物をリボン状にして取り出した。
【0053】
亜鉛華をゴム100質量部あたり5質量部配合した。
加硫剤としては、イオンをゴム100質量部あたり1.0質量部配合すると共に、エチレンチオウレアをゴム100質量部あたり0.3質量部配合した。
【0054】
製法《1》
上記のゴム組成物をφ60mmのバキューム式ゴム押出機にて、口金温度50℃で、内径φ6mm、外径φ12mmのチューブ状に押し出した。その際、気泡やゴムに吸着されている水分以外の水分は除去することができる。その後、チューブ状組成物を、φ5mmの金属製シャフトに挿入して、加硫缶を用いて加圧環境下で、160℃で、30分間加熱し、チューブ状ゴム組成物を加硫させるとともに発泡させた。
【0055】
製法《2》
上記のゴム組成物をφ60mmのバキューム式ゴム押出機にて、口金温度50℃で、内径φ6mm、外径φ12mmのチューブ状に押し出し、引き続き、常圧下で、マイクロ波加硫(UHF)層、次いで熱風加硫(VAF)層を通過させ、チューブ状ゴム組成物を加硫させるとともに発泡させた。その後、冷却水槽に通して、発泡したゴム部材を冷却した。
【0056】
上記実施例の製法(1)、(2)および比較例の製法《1》、《2》において、UHF層は、長さ約2m、出力3kWが2台配置され、そこにチューブ状ゴム組成物を約6.0m/分の速度で通過させ、UHF層出口におけるチューブの表面温度は130℃〜160℃となるようにした。
また、VAF層は、長さ4m、熱風温度200℃が3台配置され、そこにUHF層を通過後のチューブ状ゴム組成物を通過させ、VAF層出口におけるチューブの表面温度は180℃〜210℃となるようにした。
【0057】
上記で得られた各実施例および各比較例のチューブ状の発泡ゴム部材は、所定の長さにカットした。カットされたチューブの中空内面に、ホットメルト接着剤を塗布した芯金を挿入し、それを加熱した後、必要に応じて表面を研磨した。こうして外径φ16mm、芯金径10mmの半導電性発泡ゴムロールを得た。
【0058】
[評価]
上記のように作製した各実施例および各比較例の発泡ゴム部材について、下記の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。
【0059】
(ロール抵抗値)
図3に示すような芯金2を挿入した半導電性発泡ゴムロール1を、図4に示すように、アルミニウム製のドラム(以下、アルミドラム)3上に当接搭載し、電源4の+側に接続した内部抵抗r(10kΩ)の導線の先端をアルミドラム3の一端面に接続するとともに電源4の−側に接続した導線の先端をゴムロール1の他端面に接続して通電を行った。そして、内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。この装置において、印加電圧をEとすると、ロールの抵抗値Rは、
R=r×E/(V−r)
となるが、rは微小と見なしてR=r×E/Vとした。
芯金2の両端に500gずつの荷重Fをかけて、アルミドラム3を30rpmで回転させた状態で、印加電圧Eを1kVとしたときの検出電圧Vを、4秒間で100回測定し、上記式によりRを算出した。算出された100個のR値の平均をロール抵抗値とした。なお、上記測定は温度23℃、相対湿度55%の恒温恒湿条件下で行った。
表1中のロール抵抗値は、logΩ(常用対数)で表した。
【0060】
(セル径)
ゴムロールの断面を×100の倍率で観察し、気泡のセル径の大きさを調べた。表1中の「大」、「中」、「少」は、それぞれ以下の状態を示す。それぞれ最も頻度の高い粒径を示した。
大:平均長径が300〜800μmの範囲セル
中:平均長径が100〜300μmの範囲セル
少:平均長径が10〜100μmの範囲セル
【0061】
(気泡の状態)
ゴムロールの断面を×100の倍率で観察し、気泡の大半が独立気泡である場合を「独立」、気泡の大半が連続気泡である場合を「連続」と、表1に表示した。
【0062】
(発泡剤の残留)
ガスクロマトグラフ質量分析機により得られたチャートより残渣を検出した。
【0063】
(総合評価)
導電性、ロール抵抗値、セル径、気泡状態、発泡剤の残留の有無の点を、画像形成装置用ロールとして用いた場合において総合的に評価し、評価の良い順に◎、○、×として記載した。
【0064】
[結果考察]
表1に示したように、実施例1〜7のロール抵抗値の常用対数値は、6.1〜6.9で安定していた。この範囲は、例えばOA機器用途に用いる上で十分に実用的な範囲内である。また、比較例1、2のゴムロールは、いずれも気泡の大半が連続気泡であったのに対し、実施例1〜7ではいずれも独立気泡が大半を占めていた。従って、ゴムロールの耐久性は極めて高かった。
【0065】
特に、実施例3〜7のゴムロールを表面研磨して、単層でトナー供給ロールとして使用した場合、極めて長期間、初期の特性を維持することができた。さらに、表面研磨したロールの外層にPFAやナイロン(登録商標)等からなる熱収縮性チューブを装着して、帯電ロール等として使用した場合にも、極めて長期間、初期の特性を維持することができた。
【0066】
また、実施例5〜7の比較からは、吸水率調整剤の使用により、セル径の大きさを変えることなく、発泡倍率を変化させることができ、さらにはロール抵抗値を制御できることが示された。
【0067】
また、化学発泡剤を用いた比較例の場合には、発泡剤が残留したため、そのままでは商品とすることができず、環境面に配慮して2次加硫等の工程を要することが再確認された。また、それと同時に、製造コストや環境面では、本発明が極めて有利であることが確認された。
【0068】
なお、実施例は常圧下で連続加硫を施したものであるが、加圧しないオーブン内で、例えば、200℃に保ち、ロールに芯金を挿入して加硫した場合でも、本発明の配合比に従うと前記実施例に近いサンプルを形成できる。即ち、加圧なしで常圧下で加硫すれば、連続加硫に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、簡易かつ低コストで、半導電性を有する発泡ゴム部材が得られ、しかもその発泡ゴム部材は耐久性に優れ、環境面でも優れていることから、本発明は、特に複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置を始めとするOA機器に内蔵されるローラ機構の半導電性発泡ゴムロール等として有用である。特に、本発明の発泡ゴム部材は、トナー供給ロール、転写ロール、現像ロール、帯電ロール、クリーニングロール等として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の半導電性発泡ゴムロールの製造工程を示す説明図である。
【図2】(A)、(B)は、図1の一部拡大斜視図である。
【図3】本発明の半導電性発泡ゴムロールの概略図である。
【図4】ゴムロールのロール抵抗値の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 発泡ゴムロール
2 芯金
3 アルミドラム
4 電源
10 押出機
11 UHF層
12〜16 VAF層
17 引取機
18 冷却水槽
19 巻取装置
20 自動カッター
30 コンベア
50 ローラ
51、52 ガイドローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学発泡剤を含有させず、下記(1)〜(4)から選択される水分を含むゴム組成物を調製し、
前記ゴム組成物を加圧せずに常圧下で加硫して、前記ゴム組成物中に含まれている水分を気化させて発泡を生じさせていることを特徴とする半導電性発泡ゴム部材の製造法。
(1)イオン導電性および吸水性を有するゴム成分を含むゴム組成物;
(2)イオン導電性を有する疎水性ゴム成分と、吸水性ポリマーを含むゴム組成物;
(3)イオン導電性を有しない吸水性ゴム成分と、イオン導電剤を含むゴム組成物;
(4)イオン導電材を有しない疎水性ゴム成分と、イオン導電剤と、吸水性ポリマーを含むゴム組成物。
【請求項2】
前記ゴム組成物が、エチレンオキサイドユニット含有の吸水性ゴムを含むものである請求項1に記載の半導電性発泡ゴム部材の製造法。
【請求項3】
前記常圧下での加硫を、マイクロ波加硫(UHF)もしくは/および熱風加硫(VAF)により行っている請求項1または請求項2に記載の半導電性発泡ゴム部材の製造法。
【請求項4】
前記吸水性ゴムの加硫前の吸水率を、0.1以上1.5重量%としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導電性発泡ゴム部材の製造法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造法で製造された半導電性発泡ゴム部材。
【請求項6】
ゴム成分100質量部に対して、カーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーが5〜65質量部の割合で配合されている請求項5に記載の半導電性発泡ゴム部材。
【請求項7】
ゴム成分としてエチレンオキサイド含有吸水性ゴムに、ガス透過性が小さいクロロプレンゴムもしくは/およびクロロスルホン化ポリエチレンが配合されている請求項5または請求項6に記載の半導電性発泡ゴム部材。
【請求項8】
エチレンオキサイド含有吸水性ゴムを含むゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して10〜50質量部のカーボンあるいは炭酸カルシウムからなるフィラーを含むと共に、化学発泡剤が含まれていない組成物からロールに成形された発泡体からなり、該発泡体は発泡部のうち半分以上が独立発泡部であり、かつ、ロールの抵抗値(logΩ)6〜8とされていることを特徴とする半導電性発泡ゴム部材。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8のいずれかに1項に記載の半導電性発泡ゴム部材からなる画像形成装置用のゴムロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−117870(P2006−117870A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309465(P2004−309465)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】