半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システム
【課題】半田ボール搭載位置の位置合わせに高度な技術を要することなく、かつ、バンプ高さの均一性に優れ、更に多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムを提供する。
【解決手段】半田ボール搭載装置100は、ウェーハ41を搬送する搬送手段40と、固体状態の複数の半田ボール11を貯留するボール貯留手段10と、半田ボール11を帯電させる半田ボール帯電手段12と、半田ボール11をその表面に付着して、ウェーハ41上の電極42の直上へ移動させる感光体4と、感光体4の表面における電極42に対応する位置の電位を露光(レーザー光照射など)によりディスチャージする露光手段9と、搬送手段40の搬送速度と感光体4の移動速度と露光手段9による露光を制御するCPU2,6とを備えることを特徴とする。
【解決手段】半田ボール搭載装置100は、ウェーハ41を搬送する搬送手段40と、固体状態の複数の半田ボール11を貯留するボール貯留手段10と、半田ボール11を帯電させる半田ボール帯電手段12と、半田ボール11をその表面に付着して、ウェーハ41上の電極42の直上へ移動させる感光体4と、感光体4の表面における電極42に対応する位置の電位を露光(レーザー光照射など)によりディスチャージする露光手段9と、搬送手段40の搬送速度と感光体4の移動速度と露光手段9による露光を制御するCPU2,6とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムに関し、特に、バンプ高さの均一性に優れ、及び多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップと実装基板とを電気的に接続する半田バンプを形成する方法として、フォトレジスト膜を利用しためっき方式や印刷方式、メタルマスクを利用した印刷方式、半田ボールを吸引機で吸引して所定箇所にて半田ボールを落下させて搭載を行うボールバンプ方式等が知られている。
【0003】
また、近年の半導体装置の高集積化・小型化に対応するため、及びバンプ形成の作業時間の短縮を目的に、ピエゾ素子を利用した開閉手段により溶融状態の半田を押し出して半田ボールを形成する方法(特許文献1参照)や、半田合金材料を構成するインク組成物を用いてインクジェット方式により半田ボールを形成する方法(特許文献2及び特許文献3参照)が提案されている。
【0004】
特許文献1によれば、半田ボール形成装置の取扱いが容易になる等と記載され、特許文献2及び特許文献3によれば、半田バンプ形成工程における作業時間を大幅に短縮でき、また、30μm以下のバンプ径を実現できる、と記載されている。
【特許文献1】特開2001−77141号公報
【特許文献2】特開2004−172612号公報
【特許文献3】特開2004−174538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のボールバンプ方式によると、半田ボールを被搭載物に搭載する際、半田ボール被搭載物のボール搭載位置と半田ボールを吸引し保持する吸着マスクの吸着ボール位置とを完全に一致させなければならず、同時に搭載するボールの数、ボールの大きさ、並びにその配列ピッチの大小によってその位置合わせには高度な技術が必要となる。搭載する面積が広くなるにつれて累積のピッチ寸法誤差が発生するため、その位置合わせが更に困難となる。当然、多数の半田ボールを吸着するマスクの吸着穴配列加工精度も高度なものが要求される。
【0006】
また、特許文献1の半田ボール形成方法によると、バンプの高さ・形状が不揃いとなり易いという問題が生じる。半田バンプの高さが不揃い(半田ボール径及び半田ボール形状のバラツキ)であると、電気的接続が一部不良となる可能性があり、また、高さを揃えるために半田バンプを削る等の工程を要し、製造コストのアップに繋がるほか、高さを揃えるための工程が困難である場合もあるため歩留まりが低下する。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献3の半田バンプ形成方法によると、上記の不揃いの問題において誤差を小さくするために10〜50nm以下の粒径の超微粒子材料を噴射することによる30μm以下のバンプ形成を対象としており、直径50〜300μm程度のバンプ形成には適していない。
【0008】
さらに、近年の鉛フリー化等の趨勢に対応して、半田ボールの材料選択性の要求に応える必要も生じているが、溶融半田を用いる特許文献1等では材料を換える毎に溶融槽の完全清掃が必要になる等の問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、半田ボール搭載位置の位置合わせに高度な技術を要することなく、かつ、バンプ高さの均一性に優れ、更に多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記感光体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置を提供する。
【0011】
本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる静電吸着体と、前記静電吸着体へ静電潜像を転写する感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記静電吸着体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置を提供する。
【0012】
上記本発明に係る半田ボール搭載装置は、以下の特徴を1つ以上有する半田ボール搭載装置を含む。
(1)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の直上へ前記感光体又は前記静電吸着体に付着された前記半田ボールが移動してきたときに、前記半田ボール被搭載物を前記感光体又は前記静電吸着体方向へ移動させるボール転載手段を備える。
(2)前記ボール転載手段はピエゾ素子を利用したピエゾアクチュエータである。
(3)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所へフラックスを塗布するフラックス塗布手段を備える。
(4)前記フラックス塗布手段はピエゾ素子を利用したインクジェット方式のフラックス噴射器である。
(5)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の位置を読み取る位置読取手段を備える。
(6)前記半田ボール帯電手段は、前記感光体又は前記静電吸着体の表面に対向する前記ボール貯留手段の面に設けられた電極の表面電位により前記半田ボールを帯電させる、或いは、前記電極上に形成された電荷発生層の上に形成された電荷輸送層の表面電位により前記半田ボールを帯電させる。
(7)前記ボール貯留手段は、前記感光体又は前記静電吸着体と対向する面に、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる貯留溝を有する。
(8)前記電極が前記貯留溝の底面に沿って設けられたディンプル状電極である。
(9)前記ボール貯留手段は、前記貯留溝とその両端部において連通する、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる半田ボール輸送管を有する。
(10)前記半田ボール輸送管は、当該輸送管内に電界を発生させる電極を有している。
(11)前記半田ボール輸送管は、水平面に対し、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に0.38〜0.78°傾斜している。
(12)前記半田ボール輸送管は、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に開き角度0.6〜0.9°を有している。
(13)前記ボール貯留手段は、前記半田ボール間の凝集を防止する凝集防止手段を備える。
(14)前記半田ボールは、直径が10μm〜300μmの範囲内である。
(15)前記所望の箇所は、前記半田ボール被搭載物上の電極が存在する位置である。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージする工程と、前記感光体の露光位置にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記感光体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記感光体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記感光体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージして静電潜像を形成する工程と、前記感光体に形成された静電潜像を静電吸着体へ転写する工程と、前記静電吸着体にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記静電吸着体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記静電吸着体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記静電吸着体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法を提供する。
【0015】
上記本発明に係る半田ボール搭載方法は、以下の特徴を有する半田ボール搭載方法を含む。
(1)前記電極の位置に転載された半田ボールの有無の検査を行う工程を有する。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記本発明に係る半田ボール搭載装置を備えることを特徴とする半田ボール搭載システムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半田ボール搭載位置の位置合わせに高度な技術を要することなく、かつ、バンプ高さの均一性に優れ、更に多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置及び半田ボール搭載システムの提供が可能となるため、生産コスト削減、半田ボール搭載の作業時間の大幅減少、歩留まりの上昇、材料選択の柔軟性アップ等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔本発明の第1の実施の形態〕
(半田ボール搭載装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成を示す。この半田ボール搭載装置100は、搬送手段40上のウェーハ41における電極42の位置を読み取る電極位置読取センサー1と、電極位置読取センサー1からの信号を受信するCPU2と、CPU2から発信された信号に基づきウェーハ41における電極42の位置にフラックス44を噴射するフラックス噴射器3と、その表面が帯電されることが可能な感光ドラム4と、感光ドラム4の表面電位を測定する表面電位センサー5と、表面電位センサー5からの信号を受信するCPU6と、CPU6からの信号を受信する高電圧発生器7と、高電圧発生器7により電圧が印加され、感光ドラム4の表面全体を一様に帯電させる帯電ローラ8と、感光ドラム4の表面にCPU2からの信号に基づきレーザー光を照射(露光)する露光手段9と、感光ドラム4の露光部位へ付着される複数の半田ボール11を貯留するボール貯留手段10と、半田ボール11を帯電させるボール帯電手段12と、感光ドラム4の表面に付着された半田ボール11を電極42上のフラックス44側へ転載させるボール転載手段13と、転載し損ねた半田ボール11を回収する転載ミスボール回収室14と、残留電荷を消去するための除電器15と、半田ボール11搭載の有無をチェックするボール位置読取センサー16とを有して概略構成されている。
【0019】
CPU2とCPU6は、互いに連携して半田ボール搭載装置100の制御を行っている。ここでは、CPU2とCPU6は図1において別体として記載しているが、一体であることが統一的な制御をする上で望ましい。もちろん、制御する部分毎に分けて、CPU2とCPU6以外の別のCPUを設けてもよい。CPU2(CPU6)を含む制御手段は、通常、ROM、RAM等とともに構成され、制御を行っている。CPU6は、露光前の感光ドラム4表面の帯電量の検出信号を表面電位センサー5から受け、高電圧発生器7を設定範囲内にフィードバック制御し、帯電ローラ8に印加する電圧の制御を行っている。
【0020】
フラックス噴射器3には、好ましくは、噴射機構にピエゾ素子を利用したインクジェット方式のフラックス噴射器が用いられる。なお、ここではウェーハ41における電極42の位置にフラックス44を噴射するフラックス噴射器3を用いたが、電極42の位置にフラックス44を塗布することができるものであれば、その手段は限定されるものではない。また、半田ボール搭載装置100とは別体のフラックス塗布装置として設けてもよい。
【0021】
本実施の形態に係る半田ボール搭載装置100の一部は、レーザープリンターの技術を応用したものであるところ、感光ドラム4をはじめとして、表面電位センサー5、高電圧発生器7、帯電ローラ8、露光手段9、除電器15等は、レーザープリンターにおいて通常用いられているものを使用できる。例えば、感光ドラム4としては、セレンドラムやOPC(Organic Photoconductor)ドラム等を用いることができる。また、露光手段9としては、特開2002−214554号公報の図1に示されるような、半導体レーザーアレイ、シリンドリカルレンズ、回転多面鏡(ポリゴンミラー)、トロイダルレンズ、走査レンズ等からなる露光手段やLEDプリントヘッドによる露光手段を用いることができる。所望の箇所に対応する位置の電位をディスチャージすることができるものであれば特に限定されることなく、露光手段として用いることができる。
【0022】
半田ボール11は、チップ状の半田を溶かしてボールにする方法や溶融半田を噴射滴下してボールにする方法にて製造した後、バンプ高さの均一化のため、基準となる直径サイズごとに選別し、個々のボールのサイズが所定の誤差範囲内にあるものを用いる。もちろん、このような製造・選別がなされて販売されている市販の半田ボールを使用することもできる。
【0023】
本実施の形態においては、半田ボール11の直径はあらゆるサイズのものをその用途・条件等に合わせて使用することができるが、特に、従来のボールバンプ方式では困難であった、直径10〜300μmの範囲内、より限定すれば直径30〜300μmの範囲内、さらに限定すれば直径50〜250μmの範囲内の半田ボールを短時間、かつ正確に搭載することができる点で優れている。正確に搭載することができるため、ロストボールが極めて少なく、半田ボール材料コストの無駄を防止できる。
【0024】
また、本実施の形態においては、ロット切り替え作業が極めて容易であるため、銅コアボール、樹脂コアボール、三元系や四元系等の合金からなる鉛フリーボール等の種々の材料からなる半田ボールを適用でき、材料選択性の要求に応えることができる。
【0025】
半田ボール貯留手段10は、例えば、直径100μmの半田ボール11が数千万〜1億個程度、貯留されており、ボール帯電手段12は、半田ボール11をマイナス、或いはプラスに帯電させるものである。半田ボール貯留手段10(及びボール帯電手段12)の詳細については、後述する。
【0026】
(半田ボール搭載装置の動作)
次に、本実施の形態に係る半田ボール搭載装置100の動作について説明する。図1に示されるように、ウェーハ41を下から上へ移動させながら、順次、マップ作成工程(I)、フラックス塗布工程(II)、ボール転載工程(III)、ボール有無検査工程(IV)が行われる。
【0027】
図2(a)は、ウェーハ41の全体を示した図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB部位を拡大した図であり、チップ20を表したものである。マップ作成工程(I)では、電極42の位置を電極位置読取センサー1により光学的に読み取り、ウェーハ41全体の電極配列マップを作成する。作成されたマップ情報は、CPU2に伝えられる。
【0028】
フラックス塗布工程(II)では、上述のマップ情報に基づき、フラックス44をフラックス噴射器3により噴射して電極42の位置にフラックス44を滴下塗布する。フラックス44の塗布は、ピエゾ素子を利用したインクジェット方式にて連続発射して塗布されることが好ましい。これにより、作業時間の大幅短縮が図れ、また、塗布量の無駄も省ける。
【0029】
塗布量は、搭載するボールサイズに応じて予め決めておき、ボール体積の0.5〜1.5倍を基準に制御する。例えば、100μmの半田ボールの場合は、250pl〜750pl、80μmの半田ボールの場合は、130pl〜400pl、60μmの半田ボールの場合は、60pl〜170plが望ましい。1回の滴下量をプリセットできるようにしておき、滴下量はその回数で制御する。1回の滴下量を10pl、20pl、30pl、40plの4段階の設定が可能にしておき、ボールサイズに応じて約10回〜20回程度で必要なフラックスの滴下量を制御する。
【0030】
塗布に際して、フラックス44が所望の塗布箇所からはみ出すのを防止するために、ウェーハ41が低温(好ましくは15℃〜20℃)にされていることが好ましい。
【0031】
ボール転載工程(III)では、フラックス44が塗布された電極42の位置に、半田ボール11を転載させるために、主として、露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程Cが行われる。
【0032】
図3及び図6は、感光ドラム4における露光工程Aを示す図である。なお、表面電位については目視できるものではないが、図3〜図8において、便宜的に、層構造として示している。
図3に示すように、感光ドラム4の表層には、電荷発生層4A及びその上の電荷輸送層4Bが存在し、電荷輸送層4Bは帯電ローラ8により一様に表面電位4B1(−300〜−600V程度)に帯電されている。或いは、図6に示すように、一様に表面電位4B3(+300〜+600V程度)に帯電されている。
【0033】
露光工程Aは、マップ作成工程(I)で作成されたマップ情報に基づき、露光手段9によりレーザー光を電極42に対応する位置に照射し、照射した部位の電位を変化させる(光の照射によって、電荷発生層4Aよりプラス電荷(或いはマイナス電荷)が発生し、露光部の表面電位をディスチャージする)。これにより、露光部表面電位4B2,4B4(−100〜−150V程度、+100〜+150V程度)と照射されていない部分(表面電位4B1,4B3)との電位の高低差が生じ、電極マップ情報に対応する電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。
【0034】
図4及び図7は、感光ドラム4へのボール付着工程Bを示す図である。
図4(a)及び図7(a)では、ボール貯留手段10の表層には、感光体の表面と対向して、電極10Aが存在し、ボール帯電手段12により電極10Aの表面電位10A1,10A2が一様にマイナス、或いはプラスに帯電させられている。これにより、空隙30に存在する半田ボール11も同様にマイナス、或いはプラスに帯電する。半田ボール11が帯電すると、近づいてきた感光ドラム4の電荷輸送層4B表面に存在する露光部表面電位4B2,4B4に、半田ボール11が引き寄せられ付着する。半田ボール11はすべてマイナス、或いはプラスに帯電しているため、凝集することなく、互いに斥力をもって存在している。
【0035】
一方、図4(b)及び図7(b)では、ボール貯留手段10の表層には、電極10A、電極10A上の電荷発生層10B及びその上の電荷輸送層10Cが存在し、ボール帯電手段12により電荷輸送層10Cの表面電位10C1,10C2が一様にマイナス、或いはプラスに帯電させられている。ほかは、図4(a)及び図7(a)の場合と同様である。
【0036】
半田ボール被搭載物であるウェーハ41上の電極42の位置に対応する感光ドラム4の露光部表面電位4B2,4B4に、より確実に半田ボール11を引き寄せ付着させるために、ボール貯留手段10と感光ドラム4の間に生ずる電界Eによって半田ボール11の移動を促進する。半田ボール付着方法については、種々の方法を採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
【0037】
図5及び図8は、ウェーハ41へのボール転載工程Cを示す図である。
ウェーハ41の搬送手段40の送りと感光ドラム4の回転移動とを先述のマップ情報に基いて同期制御しておき、半田ボール11を転載させるべき位置へ両者がきたときに(図5(a)、8(a))、両者の移動を瞬間的に止めて、ウェーハ41のステージである搬送手段40をピエゾ素子等を利用したボール転写手段13により数百ミクロン(半田ボール11が電極42表面に接する程度)感光ドラム4側へ移動させ、電極42上に先に塗布されたフラックス44に押し付ける(図5(b)、8(b))。適当な時間(例えば、数百ミリ秒)経過後、ウェーハ41を元の位置に戻す(図5(c)、8(c))。これにより、半田ボール11はフラックス44の粘着力(タック力)により感光ドラム4から離れ、電極42上へ転載される。このとき、フラックス44の粘着力(タック力)は感光ドラム4への付着力よりも十分に大きいので、半田ボール11は完全に電極42上へ転載される。
【0038】
ボール有無検査工程(IV)では、転載ミスの有無がボール位置読取センサー16により検査され、万が一転載ミスがあったものについては、再度、同じフローに載せることで、転載ミスのあった部分をリペアする。或いは、ボール有無検査工程(IV)後に、別のリペア工程を設けてもよい。一方、転載ミスの半田ボール11があった場合の感光ドラム4上の半田ボール11は、転載ミスボール回収室14にて回収される。
【0039】
(ボール貯留手段の構成と動作)
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置のボール貯留手段を説明するための概略構成図である。図10は、図9におけるボール貯留手段の貯留溝部分の詳細図である。図11は、図9におけるC−C断面の構成概略図である。また、図12は、図9におけるボール貯留手段のボール輸送管内部の動きを説明するための長手方向断面図である。
【0040】
ボール貯留手段10は、感光体4と対向する面が凹状の曲面とされており、その曲面の中央(最深部)に、感光体4の長手方向(感光体4の移動方向と垂直方向)に延びる貯留溝10aを有している。当該貯留溝10aの底面(曲面)に沿ってディンプル状のディンプル電極(下部電極)10bが設けられており、感光ドラム(上部電極)4との間で電界を生じさせる。
【0041】
図10に示すように、半田ボール11は貯留溝10aの中心部付近に集まり、ボール雲11aを形成しているため、感光ドラム4方向への飛翔効率が高まる。
【0042】
ボール貯留手段10は、感光体4の長手方向(感光体4の移動方向と垂直方向)に延びる半田ボール輸送管18を有しており、当該半田ボール輸送管18は貯留溝10aとその両端部において連通している。貯留溝10aは、長手方向に僅かに(例えば水平面に対し約0.38〜0.78°)傾斜(図9において左側が低く、右側が高い)しており、感光ドラム4に付着しなかった半田ボール11は少しずつ低部(図中の左側)へ移動し、感光ドラム4の長さを越えたところ(図9におけるボール貯留手段10の左側端部)で、連通路(図9のA部断面における矢印)を介して半田ボール輸送管18へ移動する。
【0043】
半田ボール輸送管18は、図11に示すように、当該輸送管内に電界を発生させる電極、すなわち、上側のマイナス(−)極18aと下側のプラス(+)極18bを絶縁体18cを挟んで有している。半田ボール輸送管18は、長手方向(輸送管18内における半田ボール11の移動方向)に僅かに(例えば水平面に対し約0.38〜0.78°)傾斜している(図9において左側が低く、右側が高い)。また、半田ボール輸送管18は、長手方向(輸送管18内における半田ボール11の移動方向)に開き角度(輸送管18の下面に対する上面の角度、例えば約0.6〜0.9°)を有している(図9において輸送管18の左側部分の内径が右側部分の内径よりも小(右側へ行くほど内径が大))。
【0044】
輸送管18内の電界(電気力線)は、電極に対し垂直に出て、垂直に入射するため、僅かに開き角度のついた電極間では僅かに曲線を描く。+極18bによりプラスに帯電した半田ボール11は電界の電気力線(図12中の→)に沿って曲線上を飛翔するが、半田ボール11の速度により僅かにずれて直線状に飛翔することになり図12中の飛翔軌跡(番号1→6)を辿り、ボールは図中の右側へ移動する。半田ボール11は、半田ボール輸送管18内を図中の右側端部(ボール貯留手段10の右側端部)まで移動したところで、連通路(図9のB部断面における矢印)を介して貯留溝10aへ移動する。このような機構により、絶えず貯留溝10aに半田ボール11が供給されるようにしている。
【0045】
半田ボール輸送管18内は、半田ボール11の酸化防止のため、窒素ガス雰囲気とされていることが望ましく、例えば、図12に示すように、半田ボール輸送管18の図中における左側(半田ボール11の移動開始側)から、N2ガスを流すことにより窒素ガス雰囲気とする。
【0046】
〔本発明の第2の実施の形態〕
(ボール貯留手段の他の実施の形態)
図13は、ボール貯留手段の他の実施の形態を示した全体図であり、図14は、ボール貯留手段について図13のX部位を拡大した図を示したものである。ボール貯留手段50は、個々の半田ボール11が静電気力等により凝集するのを防止する凝集防止手段を備えている。凝集防止手段として、多孔質基材である焼結材61、エアロゾル室60へ供給される窒素ガス64をイオン化するためのイオナイザー(図示せず)、窒素ガス供給手段(図示せず)、窒素ガス通路(図示せず)などを備える。
【0047】
すなわち、ボール貯留手段50は、半田ボール11が供給されるエアロゾル室60を有しており、エアロゾル室60の壁は焼結材61により構成されている。エアロゾル室60の外側には外壁63が存在し、エアロゾル室60の壁と外壁63の間には空洞62が形成されている。外壁63の材質は特に限定されるものではないが、Al系セラミックス等を使用することができる。外壁63の隙間(穴、溝など)からは窒素ガス64が導入され、導入された窒素ガス64は、焼結材61を介して(透過して)エアロゾル室60へ送り込まれる。窒素ガス64の導入口は外壁63の底面に限られず、側面であってもよいが、空洞62に通じていなければならない。
【0048】
数μm〜数百μmオーダの半田ボール11では、静電気力、ファンデルワールス力、液架橋力等の重力以外の力が支配的となり、半田ボール11同士の凝集が生じる。そこで、かかる凝集を防止するために、イオン化した窒素ガス64を送り込むことにより、個々の半田ボール11を除電して、半田ボール11の集合体を流動化させる。エアロゾル室60へ送り込まれた窒素ガス64は、半田ボール11同士の凝集を防止するとともに、上部溝51まで半田ボール11が飛翔することを補助する。上部溝51は上部がドーム状に形成されたエアロゾル室60の頂上部に設け、半田ボール11の直径の6〜10倍程度の溝幅とすることが望ましい。
【0049】
窒素ガス64の流量と圧力を適当に制御することにより、半田ボール11はエアロゾル室60内で空中に浮き、個々の半田ボール11が自由運動状態となり浮遊する。上部溝51まで飛翔して、エアロゾル室60の外へ出た半田ボール11は、電極50Aの表層の電荷輸送層50B上にて、前述の方法と同様にして、ボール帯電手段52によりプラスに帯電させられる。そして、帯電した半田ボール11は、感光ドラム4の表層の所定部位(図7と同様であり、半田ボール11をマイナスに帯電させた場合には図4と同様である。)に付着される。
【0050】
ここでは、イオン化した窒素ガス64を用いたが、これに限られるものではなく、そのほかの不活性ガスを適用することもできる。また、エアロゾル室60内をエチルアルコール等のアルコール雰囲気とすることによりボール間の凝集を防止して半田ボール11を流動化させる方法を取ることもできる。
【0051】
また、凝集防止手段は、上記の構成に限られず、個々の半田ボール11が凝集することを防止できればあらゆる手段を適用することができ、例えば、ボール貯留手段50に振動を生じさせる手段を設けることにより凝集防止ができる。
【0052】
〔本発明の第3の実施の形態〕
(ボール転載工程(III)に係る他の実施の形態)
(半田ボール搭載装置の構成)
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成(一部)を示す。図15では、第1の実施の形態と異なる部分、すなわち、ボール転載工程(III)(露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程C)における半田ボール搭載装置の構成を概略図にて示した。
【0053】
本実施の形態に係る半田ボール搭載装置は、感光体74から静電転写を受ける静電吸着プレート73を備えており、第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置100が感光ドラム4により半田ボール11をウェーハ41上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ移動させているのに対し、感光体74から静電転写を受けた静電吸着プレート73により半田ボール11をウェーハ41上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ移動させている点で相違している。これにより、露光工程Aのみを暗室で行なえばよく、ボール付着工程Bおよびボール転載工程Cは暗室で行う必要がなくなるため、第1の実施の形態よりも暗室での操作を減らすことができ、操作性がアップする。
【0054】
静電吸着プレート73としては、例えば、平板状であり、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成した透明導電体73A上に、透明性を有するポリカーボネート、エポキシ等からなる透明誘電体73Bを接着したものを用いることができる。透明導電体73Aおよび透明誘電体73Bは、半透明であってもよく、感光体74側に露光手段9を設けた場合には(図16(b)参照)、透明(半透明)でなくてもよい。
【0055】
感光体74としては、例えば、平板状であり、透明導電体73A同様の透明導電体74A上に、第1の実施の形態にて説明したのと同様の電荷発生層74B、電荷輸送層74Cを設けたものを用いることができる。透明導電体74Aは、半透明であってもよく、静電吸着プレート73側に露光手段9を設けた場合には(図17(b)参照)、透明(半透明)でなくてもよい。
【0056】
(半田ボール搭載装置の動作)
次に、本実施の形態に係る半田ボール搭載装置の動作について説明する。マップ作成工程(I)、フラックス塗布工程(II)、ボール有無検査工程(IV)については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、ウェーハ41の送りは、第1の実施の形態のような垂直方式ではなく、ここでは水平方式を採用している。
【0057】
ボール転載工程(III)では、図15に示すように、ウェーハ41上(フラックス44が塗布された電極42の位置)に、半田ボール11を転載するために、主として、露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程Cが行われる。
【0058】
図16及び図17は、第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図であり、図18は、図17(b)におけるY部の拡大図である。なお、表面電位については目視できるものではないが、図3〜図8と同様、図16〜図20においても、便宜的に、層構造として示している。
【0059】
露光工程Aでは、まず、図16,17(a)に示すように、静電吸着プレート73および感光体74の表層が、帯電ローラ8により一様に表面電位73B1,74C1(−300〜−600V程度)に帯電される。或いは、前述の図6に示したように、半田ボール11をプラスに帯電させる場合には、一様に表面電位(+300〜+600V程度)に帯電させてもよい。
【0060】
次に、図16(b)(c),図17(b)(c)および図18に示すように、マップ作成工程(I)で作成されたマップ情報に基づき、感光体74の下部又は静電吸着プレート73の上部に設けられた露光手段9によりレーザー光を電極42に対応する位置に照射し、照射した部位の電位を変化させる(光の照射によって、電荷発生層74Bよりプラス電荷(或いはマイナス電荷)が発生し、露光部の表面電位をディスチャージする)。これにより、露光部表面電位74C2(−100〜−150V程度、表面電位74C1が+300〜+600V程度の場合は+100〜+150V程度)と照射されていない部分(表面電位74C1)との電位の高低差が生じ、電極マップ情報に対応する電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。
【0061】
次に、図16(d),図17(d)に示すように、静電吸着プレート73と感光体74とを近づけることで、或いは予め近づけておくことで、感光体74に形成された静電潜像が放電により静電吸着プレート73に転写されてその表面上に露光部表面電位73B2が生じる。静電潜像が形成された静電吸着プレート73は、暗室から外部へ運び出されてボール貯留手段70の直上まで移動する。
【0062】
図19は、第3の実施の形態に係るボール付着工程Bを説明するための静電吸着プレート及びボール貯留手段の断面模式図である。
【0063】
ボール貯留手段70としては、例えば、静電吸着プレート73のボール付着対象領域面積よりも開口面積が広いボックスの全面に半田ボール11を貯留させたものを用いることができる。ボックス内では、振動やエアー(窒素ガス)等により半田ボール11同士の凝集を防止する構成としてもよい。
【0064】
また、ボール貯留手段70の表層には、静電吸着プレート73の表面と対向して、電極70Aが存在し、ボール帯電手段12により電極70Aの表面電位70A1が一様にマイナス(或いはプラス)に帯電させられている。これにより、空隙30に存在する半田ボール11も同様にマイナス(或いはプラス)に帯電する。半田ボール11が帯電すると、近づいてきた静電吸着プレート73の透明誘電体73B表面に存在する露光部表面電位73B2に、半田ボール11が引き寄せられ付着する。半田ボール11はすべてマイナス(或いはプラス)に帯電しているため、凝集することなく、互いに斥力をもって存在している。
【0065】
半田ボール被搭載物であるウェーハ41上の電極42の位置に対応する静電吸着プレート73の露光部表面電位73B2に、より確実に半田ボール11を引き寄せ付着させるために、ボール貯留手段70と静電吸着プレート73の間に生ずる電界Eによって半田ボール11の移動を促進する。半田ボール付着方法については、種々の方法を採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
【0066】
半田ボール11が付着された静電吸着プレート73は、その場で、或いは移動して、ボール位置読取センサー76によりボール付着位置が確認され、付着漏れが発見された場合には、付着漏れ部位に半田ボール11を付着する措置が取られる(例えば、静電吸着プレート73をボール貯留手段70上に戻す)。
【0067】
図20は、第3の実施の形態に係るボール転載工程Cを説明するための静電吸着プレート及びウェーハの断面模式図である。
【0068】
ウェーハ41の搬送手段40の送りと静電吸着プレート73の送りとを先述のマップ情報に基いて同期制御しておき、半田ボール11を転載させるべき位置へ両者が来たときに(図20(a))、両者の移動を瞬間的に止めて、ウェーハ41のステージである搬送手段40をピエゾ素子等を利用したボール転写手段13により数百ミクロン(半田ボール11が電極42表面に接する程度)静電吸着プレート73側へ移動させ、電極42上に先に塗布されたフラックス44に押し付ける(図20(b))。適当な時間(例えば、数百ミリ秒)経過後、ウェーハ41を元の位置に戻す(図20(c))。これにより、半田ボール11はフラックス44の粘着力(タック力)により静電吸着プレート73から離れ、電極42上へ転載される。このとき、フラックス44の粘着力(タック力)は静電吸着プレート73への付着力よりも十分に大きいので、半田ボール11は完全に電極42上へ転載される。
【0069】
半田ボール11が離れた静電吸着プレート73は、表面電位を除電することで、再度、使用することができる。
【0070】
〔本発明の第4の実施の形態〕
〔半田ボール搭載装置を備えた半田ボール搭載システム〕
ウェーハ41は、ローダ又はアンローダの位置にて受け渡しが行われるが、一般的に標準化されたウェーハの場合では、キャリア(カセット)、PCBの場合では、トレー等、に収納されたワークをハンドリングロボットにより1枚ずつ取り出し、又は処理後に収納を行う。ウェーハの場合、例えば、200mmウェーハにはオープンカセット(市販)を前提としたローダ(アンローダ)を設け、300mmウェーハにはFOUP、FOSB対応のローダ(アンローダ)を設ける。
【0071】
本発明の実施の形態に係る半田ボール搭載装置は、これを1つのユニットとして、ユニット間ハンドラを用いることで、リフローユニット、冷却ユニット等と合わせて構成される半田ボール搭載システムとすることができる。
【0072】
図21は、本発明の第4の実施の形態に係る半田ボール搭載システム200を示す図である。本発明の半田ボール搭載システム200は、ローダ(アンローダ)としての待機ユニット300と、フラックス塗布・ボール搭載ユニット400と、リフローユニット500と、冷却ユニット600と、フラックス塗布ユニット700と、予備ユニット800とから構成されている。
【0073】
初めに、ウェーハ42は、待機ユニット300からフラックス塗布・ボール搭載ユニット400ユニットへ移動され、その後、リフローユニット500へ移動され、リフローが行われる。かかるシステムによれば、完全窒素雰囲気でのボール搭載とリフローの連続処理が可能となる。
【0074】
リフロー後、ウェーハ42は、冷却ユニット600へ移動され、冷却工程に付される。冷却工程後、フラックス塗布ユニット700を設けることもできる。フラックス塗布及び再度のリフローにより、濡れにくい鉛フリー半田材料を用いた場合や第一次リフロー(500)後のバンプ形状の歪み等の問題に対処できる。また、アンロード前に、予備ユニット800を設けることもでき、スピン洗浄、乾燥、アンダーフィール材のスピン塗布等の工程を追加できる。
【0075】
また、図示はしていないが、リフローユニット500前に、半田ボール搭載検査・リペアーユニットを設けてもよい。本発明においては、搭載洩れが発生する確率は低いが、搭載洩れをチェックするための検査工程、さらに、搭載洩れ箇所に半田ボール11を搭載するためのリペアー工程を設けることができる。検査工程及びリペアー工程は、必要に応じて2回以上行ってもよい。検査機能及びリペアー機能は、半田ボール搭載装置100に付随させてもよいし、別装置として設けることもできる。このような構成とすることにより、極めて短時間に搭載作業を完了でき、搭載率100%も比較的容易に達成が可能となる。
【0076】
〔本発明のその他の実施の形態(変形例)〕
(1)上記第1の実施の形態においては、ウェーハ41の送りを垂直方式として説明したが、これに限定されるものではなく、上記第3の実施の形態に示すような水平方式であってもよい。
【0077】
(2)本発明においては、半田ボール被搭載物として、ワーク(プリント基板(PCB)、ウェーハ等)単独、或いは2種以上、例えばプリント基板(PCB)とウェーハの共用が可能であり、また半田ボール被搭載物のサイズ・形状も種々のサイズ・形状のものに適用できる。また、ワークサイズの設定もユーザにて自由に設計可能である。
【0078】
〔本発明の実施の形態の効果〕
(1)半田ボール被搭載物の半田ボール搭載位置を光学的な手段を用いて読み取り、電極位置マップを作成しその情報に基づき感光ドラムに半田ボール吸着のための静電潜像を形成し、半田ボールをその位置に吸着させ、半田ボール被搭載物にボールを転写するため、従来のボールパンプ方式のような高度の位置合わせが必要でなくなるとともに、高度の加工精度を必要とする吸着マスクを必要としないので、搭載工程が比較的容易となり、生産コストの削減等に繋がる。
【0079】
(2)従来のメッキ、印刷方式におけるフォトレジストによるマスクやメタルマスクが不要であるため、生産コスト削減等に繋がる。
【0080】
(3)バンプ高さの均一性に優れ、かつ、多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用することができるため、生産コスト削減、半田ボール搭載の作業時間の大幅減少、歩留まりの上昇、材料選択の柔軟性アップが可能となる。
【0081】
(4)従来のボールバンプ方式では困難であった、直径10μm〜300μmの範囲内、より限定すれば直径30μm〜300μmの範囲内、さらに限定すれば直径50μm〜250μmの範囲内の半田ボールを短時間、かつ正確に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成を示す図である。
【図2】(a)はウェーハの全体を示した図であり、(b)は(a)におけるB部位を拡大した図(チップを表わす)である。
【図3】感光ドラムにおける露光工程Aを示す図である。
【図4】感光ドラムへのボール付着工程Bを示す図である。
【図5】ウェーハへのボール転載工程Cを示す図である。
【図6】感光ドラムにおける露光工程Aを示す図である。
【図7】感光ドラムへのボール付着工程Bを示す図である。
【図8】ウェーハへのボール転載工程Cを示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置のボール貯留手段を説明するための概略構成図である。
【図10】図9におけるボール貯留手段の貯留溝部分の詳細図である。
【図11】図9におけるC−C断面の構成概略図である。
【図12】図9におけるボール貯留手段のボール輸送管内部の動きを説明するための長手方向断面図である。
【図13】ボール貯留手段の他の実施の形態(第2の実施の形態)を示した全体図である。
【図14】図13のX部位を拡大した図である。
【図15】第3の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成(一部)を示す。
【図16】第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図である。
【図17】第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図でる。
【図18】図17(b)におけるY部の拡大図である。
【図19】第3の実施の形態に係るボール付着工程Bを説明するための静電吸着プレート及びボール貯留手段の断面模式図である。
【図20】第3の実施の形態に係るボール転載工程Cを説明するための静電吸着プレート及びウェーハの断面模式図である。
【図21】第4の実施の形態に係る半田ボール搭載システムを示す図である。
【符号の説明】
【0083】
100:半田ボール搭載装置
1:電極位置読取センサー、2:CPU、3:フラックス噴射器
4:感光ドラム、4A:電荷発生層、4B:電荷輸送層
4B1,4B3:表面電位、4B2,4B4:露光部表面電位
5:表面電位センサー、6:CPU、7:高電圧発生器
8:帯電ローラ、9:露光手段、10:ボール貯留手段
10A:電極、10A1,10A2:表面電位
10B:電荷発生層
10C:電荷輸送層、10C1,10C2:表面電位
10a:貯留溝、10b:ディンプル電極
11:半田ボール、11a:ボール雲
12:ボール帯電手段、13:ボール転写手段、14:転写ミスボール回収室
15:除電器、16:ボール位置読取センサー
18:ボール輸送管、18a:−極、18b:+極、18c:絶縁体
20:チップ、30:空隙
40:搬送手段、41:ウェーハ、42:電極、43:封止膜、44:フラックス
50:ボール貯留手段、50A:電極、50B:電荷輸送層、51:上部溝
52:ボール帯電手段、60:エアロゾル室、61:焼結材、62:空洞
63:外壁、64:窒素ガス
70:ボール貯留手段、70A:電極、70A1:表面電位
73:静電吸着プレート、73A:透明導電体
73B:透明誘電体、73B1:表面電位、73B2:露光部表面電位
74:感光体、74A:透明導電体、74B:電荷発生層
74C:電荷輸送層、74C1:表面電位、74C2:露光部表面電位
76:ボール位置読取センサー、
200:半田ボール搭載システム
300:待機ユニット、400:フラックス塗布・ボール搭載ユニット
500:リフローユニット、600:冷却ユニット
700:フラックス塗布ユニット、800:予備ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムに関し、特に、バンプ高さの均一性に優れ、及び多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップと実装基板とを電気的に接続する半田バンプを形成する方法として、フォトレジスト膜を利用しためっき方式や印刷方式、メタルマスクを利用した印刷方式、半田ボールを吸引機で吸引して所定箇所にて半田ボールを落下させて搭載を行うボールバンプ方式等が知られている。
【0003】
また、近年の半導体装置の高集積化・小型化に対応するため、及びバンプ形成の作業時間の短縮を目的に、ピエゾ素子を利用した開閉手段により溶融状態の半田を押し出して半田ボールを形成する方法(特許文献1参照)や、半田合金材料を構成するインク組成物を用いてインクジェット方式により半田ボールを形成する方法(特許文献2及び特許文献3参照)が提案されている。
【0004】
特許文献1によれば、半田ボール形成装置の取扱いが容易になる等と記載され、特許文献2及び特許文献3によれば、半田バンプ形成工程における作業時間を大幅に短縮でき、また、30μm以下のバンプ径を実現できる、と記載されている。
【特許文献1】特開2001−77141号公報
【特許文献2】特開2004−172612号公報
【特許文献3】特開2004−174538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のボールバンプ方式によると、半田ボールを被搭載物に搭載する際、半田ボール被搭載物のボール搭載位置と半田ボールを吸引し保持する吸着マスクの吸着ボール位置とを完全に一致させなければならず、同時に搭載するボールの数、ボールの大きさ、並びにその配列ピッチの大小によってその位置合わせには高度な技術が必要となる。搭載する面積が広くなるにつれて累積のピッチ寸法誤差が発生するため、その位置合わせが更に困難となる。当然、多数の半田ボールを吸着するマスクの吸着穴配列加工精度も高度なものが要求される。
【0006】
また、特許文献1の半田ボール形成方法によると、バンプの高さ・形状が不揃いとなり易いという問題が生じる。半田バンプの高さが不揃い(半田ボール径及び半田ボール形状のバラツキ)であると、電気的接続が一部不良となる可能性があり、また、高さを揃えるために半田バンプを削る等の工程を要し、製造コストのアップに繋がるほか、高さを揃えるための工程が困難である場合もあるため歩留まりが低下する。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献3の半田バンプ形成方法によると、上記の不揃いの問題において誤差を小さくするために10〜50nm以下の粒径の超微粒子材料を噴射することによる30μm以下のバンプ形成を対象としており、直径50〜300μm程度のバンプ形成には適していない。
【0008】
さらに、近年の鉛フリー化等の趨勢に対応して、半田ボールの材料選択性の要求に応える必要も生じているが、溶融半田を用いる特許文献1等では材料を換える毎に溶融槽の完全清掃が必要になる等の問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、半田ボール搭載位置の位置合わせに高度な技術を要することなく、かつ、バンプ高さの均一性に優れ、更に多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置、半田ボール搭載方法及び半田ボール搭載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記感光体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置を提供する。
【0011】
本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる静電吸着体と、前記静電吸着体へ静電潜像を転写する感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記静電吸着体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置を提供する。
【0012】
上記本発明に係る半田ボール搭載装置は、以下の特徴を1つ以上有する半田ボール搭載装置を含む。
(1)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の直上へ前記感光体又は前記静電吸着体に付着された前記半田ボールが移動してきたときに、前記半田ボール被搭載物を前記感光体又は前記静電吸着体方向へ移動させるボール転載手段を備える。
(2)前記ボール転載手段はピエゾ素子を利用したピエゾアクチュエータである。
(3)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所へフラックスを塗布するフラックス塗布手段を備える。
(4)前記フラックス塗布手段はピエゾ素子を利用したインクジェット方式のフラックス噴射器である。
(5)前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の位置を読み取る位置読取手段を備える。
(6)前記半田ボール帯電手段は、前記感光体又は前記静電吸着体の表面に対向する前記ボール貯留手段の面に設けられた電極の表面電位により前記半田ボールを帯電させる、或いは、前記電極上に形成された電荷発生層の上に形成された電荷輸送層の表面電位により前記半田ボールを帯電させる。
(7)前記ボール貯留手段は、前記感光体又は前記静電吸着体と対向する面に、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる貯留溝を有する。
(8)前記電極が前記貯留溝の底面に沿って設けられたディンプル状電極である。
(9)前記ボール貯留手段は、前記貯留溝とその両端部において連通する、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる半田ボール輸送管を有する。
(10)前記半田ボール輸送管は、当該輸送管内に電界を発生させる電極を有している。
(11)前記半田ボール輸送管は、水平面に対し、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に0.38〜0.78°傾斜している。
(12)前記半田ボール輸送管は、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に開き角度0.6〜0.9°を有している。
(13)前記ボール貯留手段は、前記半田ボール間の凝集を防止する凝集防止手段を備える。
(14)前記半田ボールは、直径が10μm〜300μmの範囲内である。
(15)前記所望の箇所は、前記半田ボール被搭載物上の電極が存在する位置である。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージする工程と、前記感光体の露光位置にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記感光体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記感光体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記感光体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するため、半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージして静電潜像を形成する工程と、前記感光体に形成された静電潜像を静電吸着体へ転写する工程と、前記静電吸着体にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記静電吸着体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記静電吸着体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記静電吸着体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法を提供する。
【0015】
上記本発明に係る半田ボール搭載方法は、以下の特徴を有する半田ボール搭載方法を含む。
(1)前記電極の位置に転載された半田ボールの有無の検査を行う工程を有する。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記本発明に係る半田ボール搭載装置を備えることを特徴とする半田ボール搭載システムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半田ボール搭載位置の位置合わせに高度な技術を要することなく、かつ、バンプ高さの均一性に優れ、更に多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用ができる半田ボール搭載装置及び半田ボール搭載システムの提供が可能となるため、生産コスト削減、半田ボール搭載の作業時間の大幅減少、歩留まりの上昇、材料選択の柔軟性アップ等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔本発明の第1の実施の形態〕
(半田ボール搭載装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成を示す。この半田ボール搭載装置100は、搬送手段40上のウェーハ41における電極42の位置を読み取る電極位置読取センサー1と、電極位置読取センサー1からの信号を受信するCPU2と、CPU2から発信された信号に基づきウェーハ41における電極42の位置にフラックス44を噴射するフラックス噴射器3と、その表面が帯電されることが可能な感光ドラム4と、感光ドラム4の表面電位を測定する表面電位センサー5と、表面電位センサー5からの信号を受信するCPU6と、CPU6からの信号を受信する高電圧発生器7と、高電圧発生器7により電圧が印加され、感光ドラム4の表面全体を一様に帯電させる帯電ローラ8と、感光ドラム4の表面にCPU2からの信号に基づきレーザー光を照射(露光)する露光手段9と、感光ドラム4の露光部位へ付着される複数の半田ボール11を貯留するボール貯留手段10と、半田ボール11を帯電させるボール帯電手段12と、感光ドラム4の表面に付着された半田ボール11を電極42上のフラックス44側へ転載させるボール転載手段13と、転載し損ねた半田ボール11を回収する転載ミスボール回収室14と、残留電荷を消去するための除電器15と、半田ボール11搭載の有無をチェックするボール位置読取センサー16とを有して概略構成されている。
【0019】
CPU2とCPU6は、互いに連携して半田ボール搭載装置100の制御を行っている。ここでは、CPU2とCPU6は図1において別体として記載しているが、一体であることが統一的な制御をする上で望ましい。もちろん、制御する部分毎に分けて、CPU2とCPU6以外の別のCPUを設けてもよい。CPU2(CPU6)を含む制御手段は、通常、ROM、RAM等とともに構成され、制御を行っている。CPU6は、露光前の感光ドラム4表面の帯電量の検出信号を表面電位センサー5から受け、高電圧発生器7を設定範囲内にフィードバック制御し、帯電ローラ8に印加する電圧の制御を行っている。
【0020】
フラックス噴射器3には、好ましくは、噴射機構にピエゾ素子を利用したインクジェット方式のフラックス噴射器が用いられる。なお、ここではウェーハ41における電極42の位置にフラックス44を噴射するフラックス噴射器3を用いたが、電極42の位置にフラックス44を塗布することができるものであれば、その手段は限定されるものではない。また、半田ボール搭載装置100とは別体のフラックス塗布装置として設けてもよい。
【0021】
本実施の形態に係る半田ボール搭載装置100の一部は、レーザープリンターの技術を応用したものであるところ、感光ドラム4をはじめとして、表面電位センサー5、高電圧発生器7、帯電ローラ8、露光手段9、除電器15等は、レーザープリンターにおいて通常用いられているものを使用できる。例えば、感光ドラム4としては、セレンドラムやOPC(Organic Photoconductor)ドラム等を用いることができる。また、露光手段9としては、特開2002−214554号公報の図1に示されるような、半導体レーザーアレイ、シリンドリカルレンズ、回転多面鏡(ポリゴンミラー)、トロイダルレンズ、走査レンズ等からなる露光手段やLEDプリントヘッドによる露光手段を用いることができる。所望の箇所に対応する位置の電位をディスチャージすることができるものであれば特に限定されることなく、露光手段として用いることができる。
【0022】
半田ボール11は、チップ状の半田を溶かしてボールにする方法や溶融半田を噴射滴下してボールにする方法にて製造した後、バンプ高さの均一化のため、基準となる直径サイズごとに選別し、個々のボールのサイズが所定の誤差範囲内にあるものを用いる。もちろん、このような製造・選別がなされて販売されている市販の半田ボールを使用することもできる。
【0023】
本実施の形態においては、半田ボール11の直径はあらゆるサイズのものをその用途・条件等に合わせて使用することができるが、特に、従来のボールバンプ方式では困難であった、直径10〜300μmの範囲内、より限定すれば直径30〜300μmの範囲内、さらに限定すれば直径50〜250μmの範囲内の半田ボールを短時間、かつ正確に搭載することができる点で優れている。正確に搭載することができるため、ロストボールが極めて少なく、半田ボール材料コストの無駄を防止できる。
【0024】
また、本実施の形態においては、ロット切り替え作業が極めて容易であるため、銅コアボール、樹脂コアボール、三元系や四元系等の合金からなる鉛フリーボール等の種々の材料からなる半田ボールを適用でき、材料選択性の要求に応えることができる。
【0025】
半田ボール貯留手段10は、例えば、直径100μmの半田ボール11が数千万〜1億個程度、貯留されており、ボール帯電手段12は、半田ボール11をマイナス、或いはプラスに帯電させるものである。半田ボール貯留手段10(及びボール帯電手段12)の詳細については、後述する。
【0026】
(半田ボール搭載装置の動作)
次に、本実施の形態に係る半田ボール搭載装置100の動作について説明する。図1に示されるように、ウェーハ41を下から上へ移動させながら、順次、マップ作成工程(I)、フラックス塗布工程(II)、ボール転載工程(III)、ボール有無検査工程(IV)が行われる。
【0027】
図2(a)は、ウェーハ41の全体を示した図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB部位を拡大した図であり、チップ20を表したものである。マップ作成工程(I)では、電極42の位置を電極位置読取センサー1により光学的に読み取り、ウェーハ41全体の電極配列マップを作成する。作成されたマップ情報は、CPU2に伝えられる。
【0028】
フラックス塗布工程(II)では、上述のマップ情報に基づき、フラックス44をフラックス噴射器3により噴射して電極42の位置にフラックス44を滴下塗布する。フラックス44の塗布は、ピエゾ素子を利用したインクジェット方式にて連続発射して塗布されることが好ましい。これにより、作業時間の大幅短縮が図れ、また、塗布量の無駄も省ける。
【0029】
塗布量は、搭載するボールサイズに応じて予め決めておき、ボール体積の0.5〜1.5倍を基準に制御する。例えば、100μmの半田ボールの場合は、250pl〜750pl、80μmの半田ボールの場合は、130pl〜400pl、60μmの半田ボールの場合は、60pl〜170plが望ましい。1回の滴下量をプリセットできるようにしておき、滴下量はその回数で制御する。1回の滴下量を10pl、20pl、30pl、40plの4段階の設定が可能にしておき、ボールサイズに応じて約10回〜20回程度で必要なフラックスの滴下量を制御する。
【0030】
塗布に際して、フラックス44が所望の塗布箇所からはみ出すのを防止するために、ウェーハ41が低温(好ましくは15℃〜20℃)にされていることが好ましい。
【0031】
ボール転載工程(III)では、フラックス44が塗布された電極42の位置に、半田ボール11を転載させるために、主として、露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程Cが行われる。
【0032】
図3及び図6は、感光ドラム4における露光工程Aを示す図である。なお、表面電位については目視できるものではないが、図3〜図8において、便宜的に、層構造として示している。
図3に示すように、感光ドラム4の表層には、電荷発生層4A及びその上の電荷輸送層4Bが存在し、電荷輸送層4Bは帯電ローラ8により一様に表面電位4B1(−300〜−600V程度)に帯電されている。或いは、図6に示すように、一様に表面電位4B3(+300〜+600V程度)に帯電されている。
【0033】
露光工程Aは、マップ作成工程(I)で作成されたマップ情報に基づき、露光手段9によりレーザー光を電極42に対応する位置に照射し、照射した部位の電位を変化させる(光の照射によって、電荷発生層4Aよりプラス電荷(或いはマイナス電荷)が発生し、露光部の表面電位をディスチャージする)。これにより、露光部表面電位4B2,4B4(−100〜−150V程度、+100〜+150V程度)と照射されていない部分(表面電位4B1,4B3)との電位の高低差が生じ、電極マップ情報に対応する電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。
【0034】
図4及び図7は、感光ドラム4へのボール付着工程Bを示す図である。
図4(a)及び図7(a)では、ボール貯留手段10の表層には、感光体の表面と対向して、電極10Aが存在し、ボール帯電手段12により電極10Aの表面電位10A1,10A2が一様にマイナス、或いはプラスに帯電させられている。これにより、空隙30に存在する半田ボール11も同様にマイナス、或いはプラスに帯電する。半田ボール11が帯電すると、近づいてきた感光ドラム4の電荷輸送層4B表面に存在する露光部表面電位4B2,4B4に、半田ボール11が引き寄せられ付着する。半田ボール11はすべてマイナス、或いはプラスに帯電しているため、凝集することなく、互いに斥力をもって存在している。
【0035】
一方、図4(b)及び図7(b)では、ボール貯留手段10の表層には、電極10A、電極10A上の電荷発生層10B及びその上の電荷輸送層10Cが存在し、ボール帯電手段12により電荷輸送層10Cの表面電位10C1,10C2が一様にマイナス、或いはプラスに帯電させられている。ほかは、図4(a)及び図7(a)の場合と同様である。
【0036】
半田ボール被搭載物であるウェーハ41上の電極42の位置に対応する感光ドラム4の露光部表面電位4B2,4B4に、より確実に半田ボール11を引き寄せ付着させるために、ボール貯留手段10と感光ドラム4の間に生ずる電界Eによって半田ボール11の移動を促進する。半田ボール付着方法については、種々の方法を採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
【0037】
図5及び図8は、ウェーハ41へのボール転載工程Cを示す図である。
ウェーハ41の搬送手段40の送りと感光ドラム4の回転移動とを先述のマップ情報に基いて同期制御しておき、半田ボール11を転載させるべき位置へ両者がきたときに(図5(a)、8(a))、両者の移動を瞬間的に止めて、ウェーハ41のステージである搬送手段40をピエゾ素子等を利用したボール転写手段13により数百ミクロン(半田ボール11が電極42表面に接する程度)感光ドラム4側へ移動させ、電極42上に先に塗布されたフラックス44に押し付ける(図5(b)、8(b))。適当な時間(例えば、数百ミリ秒)経過後、ウェーハ41を元の位置に戻す(図5(c)、8(c))。これにより、半田ボール11はフラックス44の粘着力(タック力)により感光ドラム4から離れ、電極42上へ転載される。このとき、フラックス44の粘着力(タック力)は感光ドラム4への付着力よりも十分に大きいので、半田ボール11は完全に電極42上へ転載される。
【0038】
ボール有無検査工程(IV)では、転載ミスの有無がボール位置読取センサー16により検査され、万が一転載ミスがあったものについては、再度、同じフローに載せることで、転載ミスのあった部分をリペアする。或いは、ボール有無検査工程(IV)後に、別のリペア工程を設けてもよい。一方、転載ミスの半田ボール11があった場合の感光ドラム4上の半田ボール11は、転載ミスボール回収室14にて回収される。
【0039】
(ボール貯留手段の構成と動作)
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置のボール貯留手段を説明するための概略構成図である。図10は、図9におけるボール貯留手段の貯留溝部分の詳細図である。図11は、図9におけるC−C断面の構成概略図である。また、図12は、図9におけるボール貯留手段のボール輸送管内部の動きを説明するための長手方向断面図である。
【0040】
ボール貯留手段10は、感光体4と対向する面が凹状の曲面とされており、その曲面の中央(最深部)に、感光体4の長手方向(感光体4の移動方向と垂直方向)に延びる貯留溝10aを有している。当該貯留溝10aの底面(曲面)に沿ってディンプル状のディンプル電極(下部電極)10bが設けられており、感光ドラム(上部電極)4との間で電界を生じさせる。
【0041】
図10に示すように、半田ボール11は貯留溝10aの中心部付近に集まり、ボール雲11aを形成しているため、感光ドラム4方向への飛翔効率が高まる。
【0042】
ボール貯留手段10は、感光体4の長手方向(感光体4の移動方向と垂直方向)に延びる半田ボール輸送管18を有しており、当該半田ボール輸送管18は貯留溝10aとその両端部において連通している。貯留溝10aは、長手方向に僅かに(例えば水平面に対し約0.38〜0.78°)傾斜(図9において左側が低く、右側が高い)しており、感光ドラム4に付着しなかった半田ボール11は少しずつ低部(図中の左側)へ移動し、感光ドラム4の長さを越えたところ(図9におけるボール貯留手段10の左側端部)で、連通路(図9のA部断面における矢印)を介して半田ボール輸送管18へ移動する。
【0043】
半田ボール輸送管18は、図11に示すように、当該輸送管内に電界を発生させる電極、すなわち、上側のマイナス(−)極18aと下側のプラス(+)極18bを絶縁体18cを挟んで有している。半田ボール輸送管18は、長手方向(輸送管18内における半田ボール11の移動方向)に僅かに(例えば水平面に対し約0.38〜0.78°)傾斜している(図9において左側が低く、右側が高い)。また、半田ボール輸送管18は、長手方向(輸送管18内における半田ボール11の移動方向)に開き角度(輸送管18の下面に対する上面の角度、例えば約0.6〜0.9°)を有している(図9において輸送管18の左側部分の内径が右側部分の内径よりも小(右側へ行くほど内径が大))。
【0044】
輸送管18内の電界(電気力線)は、電極に対し垂直に出て、垂直に入射するため、僅かに開き角度のついた電極間では僅かに曲線を描く。+極18bによりプラスに帯電した半田ボール11は電界の電気力線(図12中の→)に沿って曲線上を飛翔するが、半田ボール11の速度により僅かにずれて直線状に飛翔することになり図12中の飛翔軌跡(番号1→6)を辿り、ボールは図中の右側へ移動する。半田ボール11は、半田ボール輸送管18内を図中の右側端部(ボール貯留手段10の右側端部)まで移動したところで、連通路(図9のB部断面における矢印)を介して貯留溝10aへ移動する。このような機構により、絶えず貯留溝10aに半田ボール11が供給されるようにしている。
【0045】
半田ボール輸送管18内は、半田ボール11の酸化防止のため、窒素ガス雰囲気とされていることが望ましく、例えば、図12に示すように、半田ボール輸送管18の図中における左側(半田ボール11の移動開始側)から、N2ガスを流すことにより窒素ガス雰囲気とする。
【0046】
〔本発明の第2の実施の形態〕
(ボール貯留手段の他の実施の形態)
図13は、ボール貯留手段の他の実施の形態を示した全体図であり、図14は、ボール貯留手段について図13のX部位を拡大した図を示したものである。ボール貯留手段50は、個々の半田ボール11が静電気力等により凝集するのを防止する凝集防止手段を備えている。凝集防止手段として、多孔質基材である焼結材61、エアロゾル室60へ供給される窒素ガス64をイオン化するためのイオナイザー(図示せず)、窒素ガス供給手段(図示せず)、窒素ガス通路(図示せず)などを備える。
【0047】
すなわち、ボール貯留手段50は、半田ボール11が供給されるエアロゾル室60を有しており、エアロゾル室60の壁は焼結材61により構成されている。エアロゾル室60の外側には外壁63が存在し、エアロゾル室60の壁と外壁63の間には空洞62が形成されている。外壁63の材質は特に限定されるものではないが、Al系セラミックス等を使用することができる。外壁63の隙間(穴、溝など)からは窒素ガス64が導入され、導入された窒素ガス64は、焼結材61を介して(透過して)エアロゾル室60へ送り込まれる。窒素ガス64の導入口は外壁63の底面に限られず、側面であってもよいが、空洞62に通じていなければならない。
【0048】
数μm〜数百μmオーダの半田ボール11では、静電気力、ファンデルワールス力、液架橋力等の重力以外の力が支配的となり、半田ボール11同士の凝集が生じる。そこで、かかる凝集を防止するために、イオン化した窒素ガス64を送り込むことにより、個々の半田ボール11を除電して、半田ボール11の集合体を流動化させる。エアロゾル室60へ送り込まれた窒素ガス64は、半田ボール11同士の凝集を防止するとともに、上部溝51まで半田ボール11が飛翔することを補助する。上部溝51は上部がドーム状に形成されたエアロゾル室60の頂上部に設け、半田ボール11の直径の6〜10倍程度の溝幅とすることが望ましい。
【0049】
窒素ガス64の流量と圧力を適当に制御することにより、半田ボール11はエアロゾル室60内で空中に浮き、個々の半田ボール11が自由運動状態となり浮遊する。上部溝51まで飛翔して、エアロゾル室60の外へ出た半田ボール11は、電極50Aの表層の電荷輸送層50B上にて、前述の方法と同様にして、ボール帯電手段52によりプラスに帯電させられる。そして、帯電した半田ボール11は、感光ドラム4の表層の所定部位(図7と同様であり、半田ボール11をマイナスに帯電させた場合には図4と同様である。)に付着される。
【0050】
ここでは、イオン化した窒素ガス64を用いたが、これに限られるものではなく、そのほかの不活性ガスを適用することもできる。また、エアロゾル室60内をエチルアルコール等のアルコール雰囲気とすることによりボール間の凝集を防止して半田ボール11を流動化させる方法を取ることもできる。
【0051】
また、凝集防止手段は、上記の構成に限られず、個々の半田ボール11が凝集することを防止できればあらゆる手段を適用することができ、例えば、ボール貯留手段50に振動を生じさせる手段を設けることにより凝集防止ができる。
【0052】
〔本発明の第3の実施の形態〕
(ボール転載工程(III)に係る他の実施の形態)
(半田ボール搭載装置の構成)
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成(一部)を示す。図15では、第1の実施の形態と異なる部分、すなわち、ボール転載工程(III)(露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程C)における半田ボール搭載装置の構成を概略図にて示した。
【0053】
本実施の形態に係る半田ボール搭載装置は、感光体74から静電転写を受ける静電吸着プレート73を備えており、第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置100が感光ドラム4により半田ボール11をウェーハ41上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ移動させているのに対し、感光体74から静電転写を受けた静電吸着プレート73により半田ボール11をウェーハ41上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ移動させている点で相違している。これにより、露光工程Aのみを暗室で行なえばよく、ボール付着工程Bおよびボール転載工程Cは暗室で行う必要がなくなるため、第1の実施の形態よりも暗室での操作を減らすことができ、操作性がアップする。
【0054】
静電吸着プレート73としては、例えば、平板状であり、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成した透明導電体73A上に、透明性を有するポリカーボネート、エポキシ等からなる透明誘電体73Bを接着したものを用いることができる。透明導電体73Aおよび透明誘電体73Bは、半透明であってもよく、感光体74側に露光手段9を設けた場合には(図16(b)参照)、透明(半透明)でなくてもよい。
【0055】
感光体74としては、例えば、平板状であり、透明導電体73A同様の透明導電体74A上に、第1の実施の形態にて説明したのと同様の電荷発生層74B、電荷輸送層74Cを設けたものを用いることができる。透明導電体74Aは、半透明であってもよく、静電吸着プレート73側に露光手段9を設けた場合には(図17(b)参照)、透明(半透明)でなくてもよい。
【0056】
(半田ボール搭載装置の動作)
次に、本実施の形態に係る半田ボール搭載装置の動作について説明する。マップ作成工程(I)、フラックス塗布工程(II)、ボール有無検査工程(IV)については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、ウェーハ41の送りは、第1の実施の形態のような垂直方式ではなく、ここでは水平方式を採用している。
【0057】
ボール転載工程(III)では、図15に示すように、ウェーハ41上(フラックス44が塗布された電極42の位置)に、半田ボール11を転載するために、主として、露光工程A、ボール付着工程B、ボール転載工程Cが行われる。
【0058】
図16及び図17は、第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図であり、図18は、図17(b)におけるY部の拡大図である。なお、表面電位については目視できるものではないが、図3〜図8と同様、図16〜図20においても、便宜的に、層構造として示している。
【0059】
露光工程Aでは、まず、図16,17(a)に示すように、静電吸着プレート73および感光体74の表層が、帯電ローラ8により一様に表面電位73B1,74C1(−300〜−600V程度)に帯電される。或いは、前述の図6に示したように、半田ボール11をプラスに帯電させる場合には、一様に表面電位(+300〜+600V程度)に帯電させてもよい。
【0060】
次に、図16(b)(c),図17(b)(c)および図18に示すように、マップ作成工程(I)で作成されたマップ情報に基づき、感光体74の下部又は静電吸着プレート73の上部に設けられた露光手段9によりレーザー光を電極42に対応する位置に照射し、照射した部位の電位を変化させる(光の照射によって、電荷発生層74Bよりプラス電荷(或いはマイナス電荷)が発生し、露光部の表面電位をディスチャージする)。これにより、露光部表面電位74C2(−100〜−150V程度、表面電位74C1が+300〜+600V程度の場合は+100〜+150V程度)と照射されていない部分(表面電位74C1)との電位の高低差が生じ、電極マップ情報に対応する電位分布、すなわち、静電潜像が形成される。
【0061】
次に、図16(d),図17(d)に示すように、静電吸着プレート73と感光体74とを近づけることで、或いは予め近づけておくことで、感光体74に形成された静電潜像が放電により静電吸着プレート73に転写されてその表面上に露光部表面電位73B2が生じる。静電潜像が形成された静電吸着プレート73は、暗室から外部へ運び出されてボール貯留手段70の直上まで移動する。
【0062】
図19は、第3の実施の形態に係るボール付着工程Bを説明するための静電吸着プレート及びボール貯留手段の断面模式図である。
【0063】
ボール貯留手段70としては、例えば、静電吸着プレート73のボール付着対象領域面積よりも開口面積が広いボックスの全面に半田ボール11を貯留させたものを用いることができる。ボックス内では、振動やエアー(窒素ガス)等により半田ボール11同士の凝集を防止する構成としてもよい。
【0064】
また、ボール貯留手段70の表層には、静電吸着プレート73の表面と対向して、電極70Aが存在し、ボール帯電手段12により電極70Aの表面電位70A1が一様にマイナス(或いはプラス)に帯電させられている。これにより、空隙30に存在する半田ボール11も同様にマイナス(或いはプラス)に帯電する。半田ボール11が帯電すると、近づいてきた静電吸着プレート73の透明誘電体73B表面に存在する露光部表面電位73B2に、半田ボール11が引き寄せられ付着する。半田ボール11はすべてマイナス(或いはプラス)に帯電しているため、凝集することなく、互いに斥力をもって存在している。
【0065】
半田ボール被搭載物であるウェーハ41上の電極42の位置に対応する静電吸着プレート73の露光部表面電位73B2に、より確実に半田ボール11を引き寄せ付着させるために、ボール貯留手段70と静電吸着プレート73の間に生ずる電界Eによって半田ボール11の移動を促進する。半田ボール付着方法については、種々の方法を採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
【0066】
半田ボール11が付着された静電吸着プレート73は、その場で、或いは移動して、ボール位置読取センサー76によりボール付着位置が確認され、付着漏れが発見された場合には、付着漏れ部位に半田ボール11を付着する措置が取られる(例えば、静電吸着プレート73をボール貯留手段70上に戻す)。
【0067】
図20は、第3の実施の形態に係るボール転載工程Cを説明するための静電吸着プレート及びウェーハの断面模式図である。
【0068】
ウェーハ41の搬送手段40の送りと静電吸着プレート73の送りとを先述のマップ情報に基いて同期制御しておき、半田ボール11を転載させるべき位置へ両者が来たときに(図20(a))、両者の移動を瞬間的に止めて、ウェーハ41のステージである搬送手段40をピエゾ素子等を利用したボール転写手段13により数百ミクロン(半田ボール11が電極42表面に接する程度)静電吸着プレート73側へ移動させ、電極42上に先に塗布されたフラックス44に押し付ける(図20(b))。適当な時間(例えば、数百ミリ秒)経過後、ウェーハ41を元の位置に戻す(図20(c))。これにより、半田ボール11はフラックス44の粘着力(タック力)により静電吸着プレート73から離れ、電極42上へ転載される。このとき、フラックス44の粘着力(タック力)は静電吸着プレート73への付着力よりも十分に大きいので、半田ボール11は完全に電極42上へ転載される。
【0069】
半田ボール11が離れた静電吸着プレート73は、表面電位を除電することで、再度、使用することができる。
【0070】
〔本発明の第4の実施の形態〕
〔半田ボール搭載装置を備えた半田ボール搭載システム〕
ウェーハ41は、ローダ又はアンローダの位置にて受け渡しが行われるが、一般的に標準化されたウェーハの場合では、キャリア(カセット)、PCBの場合では、トレー等、に収納されたワークをハンドリングロボットにより1枚ずつ取り出し、又は処理後に収納を行う。ウェーハの場合、例えば、200mmウェーハにはオープンカセット(市販)を前提としたローダ(アンローダ)を設け、300mmウェーハにはFOUP、FOSB対応のローダ(アンローダ)を設ける。
【0071】
本発明の実施の形態に係る半田ボール搭載装置は、これを1つのユニットとして、ユニット間ハンドラを用いることで、リフローユニット、冷却ユニット等と合わせて構成される半田ボール搭載システムとすることができる。
【0072】
図21は、本発明の第4の実施の形態に係る半田ボール搭載システム200を示す図である。本発明の半田ボール搭載システム200は、ローダ(アンローダ)としての待機ユニット300と、フラックス塗布・ボール搭載ユニット400と、リフローユニット500と、冷却ユニット600と、フラックス塗布ユニット700と、予備ユニット800とから構成されている。
【0073】
初めに、ウェーハ42は、待機ユニット300からフラックス塗布・ボール搭載ユニット400ユニットへ移動され、その後、リフローユニット500へ移動され、リフローが行われる。かかるシステムによれば、完全窒素雰囲気でのボール搭載とリフローの連続処理が可能となる。
【0074】
リフロー後、ウェーハ42は、冷却ユニット600へ移動され、冷却工程に付される。冷却工程後、フラックス塗布ユニット700を設けることもできる。フラックス塗布及び再度のリフローにより、濡れにくい鉛フリー半田材料を用いた場合や第一次リフロー(500)後のバンプ形状の歪み等の問題に対処できる。また、アンロード前に、予備ユニット800を設けることもでき、スピン洗浄、乾燥、アンダーフィール材のスピン塗布等の工程を追加できる。
【0075】
また、図示はしていないが、リフローユニット500前に、半田ボール搭載検査・リペアーユニットを設けてもよい。本発明においては、搭載洩れが発生する確率は低いが、搭載洩れをチェックするための検査工程、さらに、搭載洩れ箇所に半田ボール11を搭載するためのリペアー工程を設けることができる。検査工程及びリペアー工程は、必要に応じて2回以上行ってもよい。検査機能及びリペアー機能は、半田ボール搭載装置100に付随させてもよいし、別装置として設けることもできる。このような構成とすることにより、極めて短時間に搭載作業を完了でき、搭載率100%も比較的容易に達成が可能となる。
【0076】
〔本発明のその他の実施の形態(変形例)〕
(1)上記第1の実施の形態においては、ウェーハ41の送りを垂直方式として説明したが、これに限定されるものではなく、上記第3の実施の形態に示すような水平方式であってもよい。
【0077】
(2)本発明においては、半田ボール被搭載物として、ワーク(プリント基板(PCB)、ウェーハ等)単独、或いは2種以上、例えばプリント基板(PCB)とウェーハの共用が可能であり、また半田ボール被搭載物のサイズ・形状も種々のサイズ・形状のものに適用できる。また、ワークサイズの設定もユーザにて自由に設計可能である。
【0078】
〔本発明の実施の形態の効果〕
(1)半田ボール被搭載物の半田ボール搭載位置を光学的な手段を用いて読み取り、電極位置マップを作成しその情報に基づき感光ドラムに半田ボール吸着のための静電潜像を形成し、半田ボールをその位置に吸着させ、半田ボール被搭載物にボールを転写するため、従来のボールパンプ方式のような高度の位置合わせが必要でなくなるとともに、高度の加工精度を必要とする吸着マスクを必要としないので、搭載工程が比較的容易となり、生産コストの削減等に繋がる。
【0079】
(2)従来のメッキ、印刷方式におけるフォトレジストによるマスクやメタルマスクが不要であるため、生産コスト削減等に繋がる。
【0080】
(3)バンプ高さの均一性に優れ、かつ、多種多様の材料・大きさの半田ボールに適用することができるため、生産コスト削減、半田ボール搭載の作業時間の大幅減少、歩留まりの上昇、材料選択の柔軟性アップが可能となる。
【0081】
(4)従来のボールバンプ方式では困難であった、直径10μm〜300μmの範囲内、より限定すれば直径30μm〜300μmの範囲内、さらに限定すれば直径50μm〜250μmの範囲内の半田ボールを短時間、かつ正確に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成を示す図である。
【図2】(a)はウェーハの全体を示した図であり、(b)は(a)におけるB部位を拡大した図(チップを表わす)である。
【図3】感光ドラムにおける露光工程Aを示す図である。
【図4】感光ドラムへのボール付着工程Bを示す図である。
【図5】ウェーハへのボール転載工程Cを示す図である。
【図6】感光ドラムにおける露光工程Aを示す図である。
【図7】感光ドラムへのボール付着工程Bを示す図である。
【図8】ウェーハへのボール転載工程Cを示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る半田ボール搭載装置のボール貯留手段を説明するための概略構成図である。
【図10】図9におけるボール貯留手段の貯留溝部分の詳細図である。
【図11】図9におけるC−C断面の構成概略図である。
【図12】図9におけるボール貯留手段のボール輸送管内部の動きを説明するための長手方向断面図である。
【図13】ボール貯留手段の他の実施の形態(第2の実施の形態)を示した全体図である。
【図14】図13のX部位を拡大した図である。
【図15】第3の実施の形態に係る半田ボール搭載装置の概略構成(一部)を示す。
【図16】第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図である。
【図17】第3の実施の形態に係る露光工程Aを説明するための静電吸着プレート及び感光体の断面模式図でる。
【図18】図17(b)におけるY部の拡大図である。
【図19】第3の実施の形態に係るボール付着工程Bを説明するための静電吸着プレート及びボール貯留手段の断面模式図である。
【図20】第3の実施の形態に係るボール転載工程Cを説明するための静電吸着プレート及びウェーハの断面模式図である。
【図21】第4の実施の形態に係る半田ボール搭載システムを示す図である。
【符号の説明】
【0083】
100:半田ボール搭載装置
1:電極位置読取センサー、2:CPU、3:フラックス噴射器
4:感光ドラム、4A:電荷発生層、4B:電荷輸送層
4B1,4B3:表面電位、4B2,4B4:露光部表面電位
5:表面電位センサー、6:CPU、7:高電圧発生器
8:帯電ローラ、9:露光手段、10:ボール貯留手段
10A:電極、10A1,10A2:表面電位
10B:電荷発生層
10C:電荷輸送層、10C1,10C2:表面電位
10a:貯留溝、10b:ディンプル電極
11:半田ボール、11a:ボール雲
12:ボール帯電手段、13:ボール転写手段、14:転写ミスボール回収室
15:除電器、16:ボール位置読取センサー
18:ボール輸送管、18a:−極、18b:+極、18c:絶縁体
20:チップ、30:空隙
40:搬送手段、41:ウェーハ、42:電極、43:封止膜、44:フラックス
50:ボール貯留手段、50A:電極、50B:電荷輸送層、51:上部溝
52:ボール帯電手段、60:エアロゾル室、61:焼結材、62:空洞
63:外壁、64:窒素ガス
70:ボール貯留手段、70A:電極、70A1:表面電位
73:静電吸着プレート、73A:透明導電体
73B:透明誘電体、73B1:表面電位、73B2:露光部表面電位
74:感光体、74A:透明導電体、74B:電荷発生層
74C:電荷輸送層、74C1:表面電位、74C2:露光部表面電位
76:ボール位置読取センサー、
200:半田ボール搭載システム
300:待機ユニット、400:フラックス塗布・ボール搭載ユニット
500:リフローユニット、600:冷却ユニット
700:フラックス塗布ユニット、800:予備ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記感光体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置。
【請求項2】
半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる静電吸着体と、前記静電吸着体へ静電潜像を転写する感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記静電吸着体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置。
【請求項3】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の直上へ前記感光体又は前記静電吸着体に付着された前記半田ボールが移動してきたときに、前記半田ボール被搭載物を前記感光体又は前記静電吸着体方向へ移動させるボール転載手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項4】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所へフラックスを塗布するフラックス塗布手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項5】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の位置を読み取る位置読取手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項6】
前記半田ボール帯電手段は、前記感光体又は前記静電吸着体の表面に対向する前記ボール貯留手段の面に設けられた電極の表面電位により前記半田ボールを帯電させる、或いは、前記電極上に形成された電荷発生層の上に形成された電荷輸送層の表面電位により前記半田ボールを帯電させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項7】
前記ボール貯留手段は、前記感光体又は前記静電吸着体と対向する面に、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる貯留溝を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項8】
前記電極が前記貯留溝の底面に沿って設けられたディンプル状電極であることを特徴とする請求項7に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項9】
前記ボール貯留手段は、前記貯留溝とその両端部において連通する、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる半田ボール輸送管を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項10】
前記半田ボール輸送管は、当該輸送管内に電界を発生させる電極を有していることを特徴とする請求項9に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項11】
前記半田ボール輸送管は、水平面に対し、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に0.38〜0.78°傾斜していることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項12】
前記半田ボール輸送管は、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に開き角度0.6〜0.9°を有していることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項13】
半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージする工程と、前記感光体の露光位置にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記感光体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、
前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記感光体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記感光体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法。
【請求項14】
半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージして静電潜像を形成する工程と、前記感光体に形成された静電潜像を静電吸着体へ転写する工程と、前記静電吸着体にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記静電吸着体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、
前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記静電吸着体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記静電吸着体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置を備えることを特徴とする半田ボール搭載システム。
【請求項1】
半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記感光体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置。
【請求項2】
半田ボール被搭載物を搬送する搬送手段と、固体状態の複数の半田ボールが貯留されるボール貯留手段と、前記半田ボールを帯電させる半田ボール帯電手段と、前記半田ボールをその表面に付着して、前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所又は所望の箇所の直上へ前記半田ボールを移動させる静電吸着体と、前記静電吸着体へ静電潜像を転写する感光体と、前記感光体の表面における前記所望の箇所に対応する位置の電位を露光によりディスチャージする露光手段と、前記搬送手段の搬送速度と前記静電吸着体の移動速度と前記露光手段による露光を制御する制御手段とを備えることを特徴とする半田ボール搭載装置。
【請求項3】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の直上へ前記感光体又は前記静電吸着体に付着された前記半田ボールが移動してきたときに、前記半田ボール被搭載物を前記感光体又は前記静電吸着体方向へ移動させるボール転載手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項4】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所へフラックスを塗布するフラックス塗布手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項5】
前記半田ボール被搭載物上の所望の箇所の位置を読み取る位置読取手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項6】
前記半田ボール帯電手段は、前記感光体又は前記静電吸着体の表面に対向する前記ボール貯留手段の面に設けられた電極の表面電位により前記半田ボールを帯電させる、或いは、前記電極上に形成された電荷発生層の上に形成された電荷輸送層の表面電位により前記半田ボールを帯電させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項7】
前記ボール貯留手段は、前記感光体又は前記静電吸着体と対向する面に、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる貯留溝を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項8】
前記電極が前記貯留溝の底面に沿って設けられたディンプル状電極であることを特徴とする請求項7に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項9】
前記ボール貯留手段は、前記貯留溝とその両端部において連通する、前記感光体又は前記静電吸着体の移動方向と垂直方向に延びる半田ボール輸送管を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項10】
前記半田ボール輸送管は、当該輸送管内に電界を発生させる電極を有していることを特徴とする請求項9に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項11】
前記半田ボール輸送管は、水平面に対し、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に0.38〜0.78°傾斜していることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項12】
前記半田ボール輸送管は、前記半田ボール輸送管内における半田ボールの移動方向に開き角度0.6〜0.9°を有していることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置。
【請求項13】
半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージする工程と、前記感光体の露光位置にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記感光体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、
前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記感光体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記感光体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法。
【請求項14】
半田ボール被搭載物上の電極の位置を読み取り電極位置マップを作成する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置にフラックスを塗布する工程と、前記電極位置マップに基づき前記電極の位置に対応する感光体の表面上の位置の電位を露光によりディスチャージして静電潜像を形成する工程と、前記感光体に形成された静電潜像を静電吸着体へ転写する工程と、前記静電吸着体にボール貯留手段に貯留されている半田ボールを付着する工程と、前記静電吸着体に付着された半田ボールを前記フラックスが塗布された前記電極の位置に転載する工程とを含み、
前記半田ボールを付着する工程は、前記半田ボールを帯電させる工程と、前記静電吸着体と前記ボール貯留手段間に電界を発生させて前記半田ボールを前記静電吸着体へ向かって移動させる工程とを含むことを特徴とする半田ボール搭載方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の半田ボール搭載装置を備えることを特徴とする半田ボール搭載システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−281402(P2007−281402A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135431(P2006−135431)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(590006343)株式会社和井田製作所 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(590006343)株式会社和井田製作所 (20)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]