説明

単紙を用いたバッグインボックス用外装箱およびその製造装置

【課題】大容量のバッグインボックス用外装箱で、段ボールに代え、紙粉の発生や虫、異物の混入の危惧のないバッグインボックス用外装箱及びその製造装置の提供。
【解決手段】板紙でなる、1枚のメインシート10と2枚のサブシート20A、20Bでなり、メインシート10は8角形状の底面板と、前面板13、後面板とでなり、前面板及び後面板に連設する糊代片15には接着剤が塗布され、前記サブシート20A、20Bは、側面板24A、24Bに天面板21A、21Bが、両側にはコーナー側面板、サイド補強板が連設し、該サイド補強板の内側に接着剤が塗布され、それを180度折り曲げ圧着され、各折り線に従って仮折りされ、サブシート20A、20Bを金型で成形され、成形されたサブシート20A、20Bに、接着剤が塗布されたメインシート10を金型で成形・貼合わされてなる単紙を用いたバッグインボックス用外装箱1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装箱内に液体が充填されている軟包装袋が収納されているバッグインボックスの外装箱およびその製造装置に関するものであり、特に、段ボール紙に於ける不具合(衛生性等)を解消する単紙を用いたバッグインボックス用外装箱およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種飲料や調味料あるいは液体洗剤などを収納する容器として、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、あるいはポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などのプラスチック製容器(ボトル)が広く用いられていた。
【0003】
しかし、近年の廃棄物の増加が大きな社会問題となり、延いては資源保護の問題や省エネルギー・省資源問題とともに地球規模の環境問題となっている中で、プラスチックの使用量を減らした液体容器が望まれるようになってきた。
【0004】
上記のような問題に鑑み、環境に配慮された液体容器、特に、内容量の大きい(2リッターから30リッター程度の)業務用の液体容器として、段ボール製の外装箱とし、その内部に醤油等液体が充填されている注出口付プラスチックフィルム製の内装袋を収納させた複合容器(以下バッグインボックスという)が知られ、例えば、醤油、食用油、酒等食品類や洗剤、現像液等を収納する業務用の液体容器として広く普及している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
以下に、上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】実公昭62−15154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記段ボール製の外装箱を有するバッグインボックスは、その段ボールの切り口などからの紙粉の発生や中芯の段(フルート)間への虫や異物の混入等の危惧があることから、特に食品(飲料等)用のバッグインボックスには忌避されるという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の段ボール製の外装箱でなるバッグインボックスの問題点を解決するものであり、その課題とするところは、プラスチックフィルム製の内装袋を収納するバッグインボックス用の外装箱として、板紙等単紙を用い、紙粉の発生や虫、異物の混入の危惧のない衛生性に配慮されたバッグインボックス用外装箱およびその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、単紙でなる、1枚のメインシートと2枚のサブシートA、Bでなり、前記メインシートは四角形状の各コーナーがカットされた8角形状の底面板と、その前後側辺に折り線を介して前面板と後面板が連設し、該前後側辺に直交する両側辺には折り線を介して糊代片が連設し、前記前面板および後面板の両側辺に折り線を介してコーナー側面板、糊代片が順に連設し、その上下辺には折り線を介して折込み片が連設し、前記各折り線で仮折りされ、前記糊代片には接着剤が塗布されてなり、
前記2枚のサブシートA、Bは、側面板A、Bの上側辺に折り線を介して天面板A、Bが連設し、該側面板A、Bの両側辺にコーナー側面板、サイド補強板A、Bが折り線を介して順に連設し、該サイド補強板A、Bは前記天面板A、B方向に折り線を介して該天面板A、Bの長さで延びていて、該サイド補強板A、Bの内側に接着剤が塗布され、前記サイド補強板A、Bの折り線で内側に180度折り曲げ圧接着され、前記各折り線で仮折りされ、該仮折りされた2枚のサブシートA、Bが合わされ金型にて成形されてなり、
前記成形されたサブシートA、Bに前記接着剤が塗布されたメインシートを金型にて成形しながら貼り合わされてなることを特徴とする単紙を用いたバッグインボックス用外装箱としたものである。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔が穿設されていることを特徴とする請求項1記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱としたものである。
【0010】
また、請求項3の発明では、前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓が固定される注出口栓固定用孔が穿設されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱としたものである。
【0011】
また、請求項4の発明では、前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線が刻設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱としたものである。
【0012】
また、請求項5の発明では、単紙でなる、四角形状の各コーナーがカットされた8角形状の底面板と、この前後側辺に折り線を介して連設する前面板と後面板とでなり、前記底面板の両側辺には折り線を介して糊代片が連設し、前記前面板と後面板の両側辺には折り線を介してコーナー側面板、糊代片が順に連設し、それらの上下辺には折り線を介して折込み片が連設しているメインシートを吸着・搬送する機構と、前記吸着・搬送されたメインシートを折り線に従い仮折りする機構と、前記折り線を介して連設する各糊代片に接着剤を塗布する機構とを具備し、
一方、単紙でなる、2方向から天面板A、Bと側面板A、Bが各々折り線を介して連設し、該側面板A、Bの両側辺に折り線を介してコーナー側面板、前記天面板A、B方向に該天面板A、Bの長さで折り線を介して延びるサイド補強板A、Bが連設するサブシートを吸着・搬送する機構と、前記サイド補強板A、Bおよび各糊代片に接着剤を塗布する機構と、該接着剤が塗布されけたサイド補強板A、Bを天面板方向から折り線を介して内側に180度折り曲げ圧着する機構と、前記サブシートA、Bを折り線に従い仮折りする機構と、前記サブシートA、Bを合わせて金型にて成形し、これらを吸着・搬送する機構とを具備し、
前記金型にて成形されたサブシートA、Bに、前記接着剤が塗布されたメインシートを金型にて成形しながら貼り合わせる機構を具備していることを特徴とする単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置としたものである。
【0013】
また、請求項6の発明では、前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔を穿設する機構を具備していることを特徴とする請求項5記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置としたものである。
【0014】
また、請求項7の発明では、前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓を固定する注出口栓固定用孔を穿設する機構を具備していることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置としたものである。
【0015】
さらにまた、請求項8の発明では、前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線を刻設する機構を具備していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0017】
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、バッグインボックス用外装箱全体が板紙等の単紙で構成されているので、従来のように段ボールで構成されているような紙粉の発生やフルート間への虫や異物の混入の危惧のないバッグインボックス用外装箱とすることができる。
【0018】
また、前記サブシートA、Bを構成する側面板の両側辺にサイド補強板A、Bが連設し、このサイド補強板A、Bの内側に接着剤が塗布され、その略中央にある折り線で内側に180度折曲げ圧着(接着)されていることによって、単紙では得られない段ボールに相当する強度を有し、かつ四角形の各コーナーがカットされた8角形の筒状でなっているので、単紙でも段ボールに相当する強度を有するバッグインボックス用外装箱とすることができる。
【0019】
さらにまた、前記各折り線で仮折りされるので、バッグインボックス用外装箱の仕上がりがシャープな8角形の筒状とすることができる。
【0020】
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔が穿設されていることによって、内容量の大きいバッグインボックス用外装箱に持ち運びが容易に可能な単紙を用いたバッグインボックス用外装箱とすることができる。
【0021】
また、上記請求項3に係る発明によれば、前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓が固定される注出口栓固定用孔が穿設されていることによって、内装袋の飲料等液体を注出口栓から安定して注出される単紙を用いたバッグインボックス用外装箱とすることができる。
【0022】
また、上記請求項4に係る発明によれば、前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線が刻設されていることによって、この単紙を用いたバックインボックス用外装箱が使用済みとなった際に、この2本のジッパー状切取り線から切り取ると容易に潰すことができる単紙を用いたバッグインボックス用外装箱とすることができる。
【0023】
また、上記請求項5に係る発明によれば、単紙でなる、メインシートを吸着・搬送する機構と、該吸着・搬送されたメインシートを折り線に従い仮折りする機構と、前記折り線を介して連設する各糊代片に接着剤を塗布する機構とを具備した一連のメインシートの加工ラインと、
一方、単紙でなる、2方向からそれぞれサブシートA、Bを吸着・搬送する機構と、該サブシートA、Bに連設するサイド補強板A、Bおよび各糊代片に接着剤を塗布する機構と、該ホットメルト接着剤が塗布されけたサイド補強板A、Bを略中央の折り線を介して内側に180度折り曲げ圧着する機構と、前記サブシートA、Bを折り線に従い仮折りする機構と、前記サブシートA、Bを合わせて金型にて成形し、これらを吸着・搬送する機構とを具備した一連のサブシートの加工ラインと、
前記一連の加工ラインで得られたサブシートに、前記一連の加工手段で得られたメインシートを金型にて成形しながら貼り合わせる機構を具備していることによって、紙粉の発生や虫、異物の混入の危惧のない、かつ製造効率のよい単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【0024】
さらにまた、前記各折り線で仮折りする機構を具備しているので、得られるバッグインボックス用外装箱の仕上がりがシャープな8角形の筒状となる製造装置とすることができる。
【0025】
また、上記請求項6に係る発明によれば、前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔を穿設する機構を具備していることによって、内容量の大きいバッグインボックス用外装箱に持ち運びが可能な単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【0026】
また、上記請求項7に係る発明によれば、前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓が固定される注出口栓固定用孔を穿設する機構を具備していることによって、内装袋の飲料等液体を注出口栓から安定して注出される単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【0027】
さらにまた、上記請求項8に係る発明によれば、前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線を刻設する機構を具備していることによって、この単紙を用いたバッグインボックス用外装箱が使用済みとなった際に、この2本のジッパー状切取り線から切り取ることによって容易に潰すことができる単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【0028】
従って本発明は、外装箱内に飲料等液体が充填されている軟包装袋が収納されているバッグインボックス用外装箱およびその製造装置、特に、段ボール紙に於ける不具合(衛生性等)を解消する単紙を用いたバッグインボックス用外装箱およびその製造装置として、優れた実用上の効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の一事例の説明図であり、図2は、本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の一事例を構成するメインシートとサブシートのブランクの展開図である。また、図3〜図4は、本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造工程を説明する斜視図である。
【0031】
本発明は、例えば、図1の斜視図に示すように、内部に醤油等液体が充填されている軟包装袋(図示せず)が収納されるバッグインボックス用外装箱(1)およびその製造装置に関するものであり、特に、段ボール紙に於ける不具合(紙粉の発生やフルート間への虫、異物の混入等)を解消する単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)およびその製造装置で、さらに詳しくは、板紙等単紙でなる、2枚のサブシートA、B(20A、20B)と1枚のメインシート(10)とが合成されてなる単紙を用いたバックインボックス用外装箱(1)およびその製造装置に関するものである。
【0032】
まず、上記請求項1に係る発明は、例えば、図2(a)および図2(b)、図2(c)の展開図に示すように、板紙でなる、1枚のメインシート(10)と2枚のサブシートA(20A)、サブシートB(20B)とでなり、このメインシート(10)には、例えば、図2(c)に示すように、四角形状の各コーナーがカットされた8角形状の底面板(1
1)と、その前後側辺に折り線を介して前面板(13)と後面板(12)が連設し、該前後側辺に直交する両側辺には折り線を介して糊代片(15)が連設し、前記前面板(13)および後面板(12)の両側辺に折り線を介してコーナー側面板(14)、糊代片(15)が順に連設し、この後面板(12)および前面板(13)の上辺および下辺には折り線を介して折込み片(17)が連設しているブランクが用いられる。
【0033】
また、前記2枚のサブシートA、B(20A、20B)には、例えば、図2(a)および図2(b)の展開図に示すように、側面板A、B(24A、24B)の上側辺に折り線を介して天面板A、B(21A、21B)が連設し、この側面板A、B(24A、24B)の両側辺にコーナー側面板(23A、23B)、サイド補強板A、B(22A、22B)が折り線を介して順に連設し、このサイド補強板A、B(22A、22B)は前記天面板A、B(21A、21B)方向に折り線を介してその長さで延びているブランクが用いられる。
【0034】
上記サブシートA、B(20A、20B)のブランクを用い、例えば、図3(a)および図3(b)の斜視図に示すように、両側から搬送されるサブシートA、B(20A、20B)のサイド補強板A、B(22A、22B)の内側に接着剤が塗布され、そのサイド補強板A、B(22A、22B)の折り線で内側に180度折り曲げ圧接着され、さらに各折り線で仮折りされ、図3(c)の斜視図に示すように、仮折りされた2枚のサブシートA、B(20A、20B)が合わされ、金型(40)にて成形されたサブシート成形物(2)が得られる。
【0035】
一方、上記図2(c)に示すメインシート(10)のブランクを用い、例えば、図4の斜視図に示すように、各折り線で仮折りされ、各糊代片(15)にはホットメルト接着剤やコールドグルー接着剤が塗布され、前記成形されたサブシート成形物(2)に接着剤が塗布されたメインシート(10)を金型にて成形しながら貼り合わされてなる単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)である。
【0036】
このように、従来の段ボールに代え、メインシート(10)およびサブシートA、B(20A、20B)でなる大容量のバッグインボックス用外装箱全体が板紙等の単紙で構成されているので、紙粉の発生やフルート間への虫や異物の混入の危惧のないバックインボックス用外装箱(1)とすることができ、また、サブシートA、B(20A、20B)を構成する側面板(24A、24B)の両側辺にサイド補強板A、B(22A、22B)が連設し、そのサイド補強板A、B(22A、22B)の内側に接着剤が塗布され、その略中央の折り線で内側に180度折曲げ圧接着されているので、単紙では得られない段ボールに相当する強度を有し、かつ胴部が四角形の各コーナーがカットされた8角形の筒状でなっているので、単紙でも段ボールに相当する強度を有するバッグインボックス用外装箱(1)とすることができる。
【0037】
さらにまた、例えば、図3(a)および図3(b)に示すように、サブシートA、Bの仮折り部(36A、36B)で折り線に従い、仮折りされ、図4に示すように、メインシートの仮折り部(52)で折り線に従い、仮折りされるので、図1に示す得られたバッグインボックス用外装箱(1)の仕上がりが、シャープな8角形の筒状を形成することができる。
【0038】
また、上記請求項2に係る発明では、例えば、図1および図2(c)に示すように、メインシート(10)を構成する前面板(13)および後面板(12)の上部の位置に把手用孔(16)が穿設されている単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とするものである。
【0039】
このように、メインシート(10)の前面板(13)および後面板(12)の上部の位置に把手用孔(16)が穿設されていることによって、特に内容量の大きいバックインボックスでも、この把手用孔(16)に手を掛けて容易に持ち運びが可能な単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とすることができる。
【0040】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば、図1および図2(a)、図2(b)に示すように、サブシートA、B(20A、20B)の天面板A、B(20A、20B)の所定の位置に、内部に収納される内装袋の注出口栓(図示せず)が固定される注出口栓固定用孔(25A、25B)が穿設されているもので、図1に示すように、この天面板A、B(20A、20B)が閉じられた際にこの注出口栓固定用孔(25A、25B)同士が一致するようになっている単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とするものである。
【0041】
このように、サブシートA、B(20A、20B)を構成する天面板A、B(20A、20B)の所定の位置に注出口栓(図示せず)が固定される注出口栓固定用孔(25A、25B)が穿設されていることによって、内装袋に充填されている飲料等液体を注出口栓から安定して注出される単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とすることができる。
【0042】
さらにまた、上記請求項4に係る発明では、例えば、図2(c)に示すように、メインシート(10)を構成する底面板(11)に、それを横切るように2本の平行するジッパー状切取り線(19)が刻設されている単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とするものである。
【0043】
このように、メインシート(10)の底面板(11)に2本の平行するジッパー状切取り線(19)が刻設されていることによって、この単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)が使用済みとなった際に、この2本のジッパー状切取り線(19)から切り取ると容易に潰すことができ、リサイクルし易い単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とすることができる。
【0044】
上記単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)に使用される単紙としては、そのサイズ(液体の内容量)によっても異なるが、坪量160〜300g/m2 程度のマニラボール、コートボール、ノーコートボール、チップボール、黄ボール、クラフトボール等板紙が挙げられ、印刷の有無や液体内容物の種類なども考慮の上適宜選定することができる。また、上記板紙を2枚貼り合わせたものを用いることもできる。
【0045】
また、メインシート(10)およびサブシートA、B(20A、20B)の糊代片(15)およびサブシートA、B(20A、20B)のサイド補強板A、B(22A、22B)に塗布される接着剤としては、ホットメルト型接着剤あるいはコールドグルー接着剤が使用される。
【0046】
上記ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)を主体とし、これにワックス、粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤等をブレンドされているものが最も一般的であり、ここで使用されるものとしては、軟化点103〜104℃で、粘度1,000/170、750〜850/180cP/℃のカートン用などが挙げられ、これら接着剤をノズル型アプリケーターなどで部分塗布で好適に使用される。
【0047】
また、上記コールドグルー接着剤としては、ポリ酢酸ビニル系(PVAc系)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアクリル酸エステル系、ポリ塩化ビニル系等のエマルジョン接着剤が挙げられ、フレキソ版などで部分塗布することができる。
【0048】
また、上記請求項5に係る発明は、例えば、図3(a)、図3(b)および図3(c)に示すように、2方向、すなわちサブシートA、Bの加工ラインで加工されたサブシートA、B(20A、20B)を合わせて金型で成形し、図4の斜視図に示すように、上記で成形されたサブシート成形物(2)に、接着剤が塗布されたメインシート(10)を金型にて成形しながら貼り合わせて単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とする製造装置である。
【0049】
上記単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)の製造装置を、さらに詳しく説明すると、例えば、図4に示すように、メインシートの加工ラインとして、メインシートマガジン(42)内から、板紙でなる、8角形状の底面板(11)と、これに連設する後面板(12)と前面板(13)とでなり、それぞれに糊代片が連設しているメインシート(10)を吸着・搬送するメインシート吸着・搬送部(50)と、この吸着・搬送されたメインシート(10)を折り線に従い仮折りするメインシート仮折り部(52)と、前記各糊代片に接着剤を塗布するメインシート接着剤塗布部(54)とを具備している。
【0050】
一方、図3(a)および図3(b)の斜視図に示すように、2方向のサブシートマガジンA、B(42A、42B)内から、板紙でなる、天面板A、B(21A、21B)と側面板A、B(24A、24B)が連設し、これらの両側辺にコーナー側面板、該天面板A、B(21A、21B)方向に延びるサイド補強板A、B(22A、22B)が連設するサブシートA、B(20A、20B)を吸着・搬送するサブシート吸着・搬送部(30A、30B)と、このサイド補強板A、B(22A、22B)および各糊代片に接着剤を塗布するサブシート接着剤塗布部(32A、32B)と、接着剤が塗布されけたサイド補強板A、B(22A、22B)を天面板方向から折り線を介して内側に180度折り曲げ圧着するサブシート折り曲げ圧着部(34A、34B)と、このサブシートA、B(20A、20B)を折り線に従い仮折りするサブシート仮折り部(36A、36B)とを具備し、さらに、例えば、図3(c)の斜視図に示すように、これらサブシートA、B(20A、20B)を合わせ、金型(40)にて成形するサブシート成形部(38AB)とを具備している。
【0051】
上記サブシート成形部(38AB)で成形されたサブシート成形物(2)に、例えば、図4の斜視図に示すように、接着剤が塗布されたメインシート(10)を金型にて成形しながら貼り合わせるメインシート成形部(56)とを具備し、このメインシート成形部(56)で得られた単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)をデリバリー部(58)で排出する製造装置である。
【0052】
このように、図4に示す一つのメインシート(10)の加工ラインと図3(a)および図3(b)に示す二つのサブシートA、B(20A、20B)の加工ラインが同時に稼働して単紙を用いたバッグインボックス用外装箱(1)とするもので、製造効率のよい単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【0053】
また、上記請求項6に係る発明では、例えば、図1に示すメインシート(10)の前面板(13)および後面板(図示せず)の上部に把手用孔(16)を穿設する打抜部(図示せず)を具備しているもので、この打抜部は、図2(c)に示すメインシート(10)のブランク作製時の抜き型で成される構成となっている。
【0054】
また、上記請求項7に係る発明では、例えば、図1に示すサブシートA、B(20A、20B)の天面板A、B(21A、21B)の所定の位置に、内部に収納される内装袋の注出口栓(図示せず)を固定する注出口栓固定用孔(25A、25B)を穿設する打抜部(図示せず)を具備しているもので、この打抜部は、図2(a)および図2(b)に示す
サブシートA、B(20A、20B)のブランク作製時の抜き型で成される構成となっている。
【0055】
さらにまた、上記請求項8に係る発明では、例えば、図2(c)に示すメインシート(10)の底面板(11)を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線(19)を刻設する打抜部(図示せず)を具備しているもので、この打抜部は、図2(c)に示すメインシート(10)のブランク作製時の抜き型で成される構成となっている。
【0056】
以上のように、メインシート(10)に把手用孔(16)を穿設する打抜部と、サブシートA、B(20A、20B)に注出口栓固定用孔A、B(25A、25B)を穿設する打抜部と、メインシート(10)の底面板(11)を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線(19)を刻設する打抜部とを具備していることによって、内容量の大きいバッグインボックス用外装箱に持ち運びが可能で、かつ内装袋の飲料等液体を注出口栓から安定して注出され、かつまたこのバッグインボックス用外装箱が使用済みとなった際に、この2本のジッパー状切取り線から切り取ることによって容易に潰すことができる単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の一事例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の一事例を構成するブランクを説明するもので、(a)は、サブシートAの展開図であり、(b)は、サブシートBの展開図であり、(c)は、メインシートの展開図である。
【図3】本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置の一事例を説明するもので、(a)は、サブシートBの製造ラインの斜視図であり、(b)は、サブシートAの製造ラインの斜視図であり、(c)は、サブシートAとサブシートBの成形部の斜視図である。
【図4】本発明の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置の一事例を説明するもので、メインシートの製造ラインの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1‥‥単紙を用いたバッグインボックス用外装箱
2‥‥サブシート成形物
10‥‥メインシート
11‥‥底面板
12‥‥後面板
13‥‥前面板
14‥‥コーナー側面板
15‥‥糊代片
16‥‥把手孔
17‥‥折り込み片
19‥‥ジッパー状切取り線
20A‥‥サブシートA
20B‥‥サブシートB
21A‥‥天面板A
21B‥‥天面板B
22A‥‥サイド補強板A
22B‥‥サイド補強板B
23A‥‥コーナー側面板A
23B‥‥コーナー側面板B
24A‥‥側面板A
24B‥‥側面板B
25A‥‥注出口固定用孔A
25B‥‥注出口固定用孔B
26A‥‥糊代片A
26B‥‥糊代片B
30A‥‥サブシートAの吸着・搬送部
30B‥‥サブシートBの吸着・搬送部
32A‥‥サブシートAの接着剤塗布部
32B‥‥サブシートBの接着剤塗布部
34A‥‥サブシートAの折り曲げ圧着部
34B‥‥サブシートBの折り曲げ圧着部
36A‥‥サブシートAの仮折り部
36B‥‥サブシートBの仮折り部
38AB‥‥サブシートABの成形部
40‥‥金型
42‥‥メインシートマガジン
42A‥‥サブシートAマガジン
42B‥‥サブシートBマガジン
50‥‥メインシートの吸着・搬送部
52‥‥メインシートの仮折り部
54‥‥メインシートの接着剤塗布部
56‥‥メインシートの成形部
58‥‥単紙を用いたバッグインボックス用外装箱のデリバリー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単紙でなる、1枚のメインシートと2枚のサブシートA、Bでなり、前記メインシートは四角形状の各コーナーがカットされた8角形状の底面板とその前後側辺に折り線を介して前面板と後面板が連設し、該前後側辺に直交する両側辺には折り線を介して糊代片が連設し、前記前面板および後面板の両側辺に折り線を介してコーナー側面板、糊代片が順に連設し、その上下辺には折り線を介して折込み片が連設し、前記各折り線で仮折りされ、前記糊代片には接着剤が塗布されてなり、
前記2枚のサブシートA、Bは、側面板A、Bの上側辺に折り線を介して天面板A、Bが連設し、該側面板A、Bの両側辺にコーナー側面板、サイド補強板A、Bが折り線を介して順に連設し、該サイド補強板A、Bは前記天面板A、B方向に折り線を介して該天面板A、Bの長さで延びていて、該サイド補強板A、Bの内側に接着剤が塗布され、前記サイド補強板A、Bの折り線で内側に180度折り曲げ圧接着され、前記各折り線で仮折りされ、該仮折りされた2枚のサブシートA、Bが合わされ金型にて成形されてなり、
前記成形されたサブシートA、Bに前記接着剤が塗布されたメインシートを金型にて成形しながら貼り合わされてなることを特徴とする単紙を用いたバッグインボックス用外装箱。
【請求項2】
前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔が穿設されていることを特徴とする請求項1記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱。
【請求項3】
前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓が固定される注出口栓固定用孔が穿設されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱。
【請求項4】
前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線が刻設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱。
【請求項5】
単紙でなる、四角形状の各コーナーがカットされた8角形状の底面板と、この前後側辺に折り線を介して連設する前面板と後面板とでなり、前記底面板の両側辺には折り線を介して糊代片が連設し、前記前面板と後面板の両側辺には折り線を介してコーナー側面板、糊代片が順に連設し、それらの上下辺には折り線を介して折込み片が連設しているメインシートを吸着・搬送する機構と、前記吸着・搬送されたメインシートを折り線に従い仮折りする機構と、前記折り線を介して連設する各糊代片に接着剤を塗布する機構とを具備し、
一方、単紙でなる、2方向から天面板A、Bと側面板A、Bが各々折り線を介して連設し、該側面板A、Bの両側辺に折り線を介してコーナー側面板、前記天面板A、B方向に該天面板A、Bの長さで折り線を介して延びるサイド補強板A、Bが連設するサブシートを吸着・搬送する機構と、前記サイド補強板A、Bおよび各糊代片に接着剤を塗布する機構と、該接着剤が塗布されけたサイド補強板A、Bを天面板方向から折り線を介して内側に180度折り曲げ圧着する機構と、前記サブシートA、Bを折り線に従い仮折りする機構と、前記サブシートA、Bを合わせて金型にて成形し、これらを吸着・搬送する機構とを具備し、
前記金型にて成形されたサブシートA、Bに、前記接着剤が塗布されたメインシートを金型にて成形しながら貼り合わせる機構を具備していることを特徴とする単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置。
【請求項6】
前記メインシートの前面板および後面板の所定の位置に把手用孔を穿設する機構を具備していることを特徴とする請求項5記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製
造装置。
【請求項7】
前記サブシートA、Bの天面板A、Bの所定の位置に内部に収納される内装袋の注出口栓を固定する注出口栓固定用孔を穿設する機構を具備していることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置。
【請求項8】
前記メインシートの底面板を横切るように2本の平行するジッパー状切取り線を刻設する機構を具備していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の単紙を用いたバッグインボックス用外装箱の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−327601(P2006−327601A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150677(P2005−150677)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】