説明

単語帳作成装置及び単語帳作成プログラム

【課題】学習効率を低下させずに容易に単語帳データを作成する。
【解決手段】電子辞書1は、複数の見出し語を有する辞書データベース820を複数記憶するフラッシュROM80と、科目毎に、辞書データベース820の何れかを検索対象辞書データベース820Tとして記憶する科目別検索条件テーブル87と、外部からテキストデータ851を取得するとともに、当該テキストデータ851の科目を検知するCPU20とを備える。CPU20は、テキストデータ851に含まれる各単語を検出するとともに、テキストデータ851の科目に対応する検索対象辞書データベース820Tを検出し、検出された単語から、当該検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語を抽出する。単語帳テーブル86は、CPU20により抽出された単語と、テキストデータ851の科目とを対応づけて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単語帳作成装置及び単語帳作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子辞書などの電子機器には、単語帳機能が具備されている。単語帳機能とは、ユーザ操作に基づいて所望の単語(見出し語)を単語帳データとして蓄積記憶しておき、復習を容易化して学習効率を向上させる機能である。
【0003】
ところで、近年、このような電子機器においては、外部から音声を取り込んで音声認識によりテキストデータ化し、そのテキストデータに含まれる単語を形態要素解析によって取得して単語帳データを作成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような技術によれば、学校での授業中に音声を取り込んでテキスト化し、そのテキストに含まれる単語をリスト化しておくことができるため、容易に単語帳データを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−71623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テキスト(音声)中の各単語の重要度は、科目によって異なる。そのため、テキストデータから一律に単語を取得して単語帳データを作成すると、学習効率が悪くなってしまう。
【0006】
本発明の課題は、学習効率を低下させずに容易に単語帳データを作成することのできる単語帳作成装置及び単語帳作成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、単語帳作成装置において、
複数の見出し語を有する辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
科目毎に、前記複数の辞書情報の何れかを検索対象辞書情報として記憶する検索対象辞書記憶手段と、
外部からテキストデータを取得するとともに、当該テキストデータの科目を検知する情報取得手段と、
前記テキストデータに含まれる各単語を検出する単語検出手段と、
前記複数の辞書情報から、前記テキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報を検出し、前記単語検出手段により検出された単語から、当該検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出する辞書格納単語抽出手段と、
前記辞書格納単語抽出手段により抽出された単語と、前記テキストデータの科目とを対応づけて単語帳データとして記憶する科目別単語帳記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の単語帳作成装置において、
前記辞書情報は、
各見出し語に対し、当該見出し語の説明情報を対応付けており、
当該単語帳作成装置は、
表示手段と、
前記科目別単語帳記憶手段により記憶された単語の説明情報を、当該単語の抽出元のテキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報から検索して、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の単語帳作成装置において、
前記検索対象辞書記憶手段は、
少なくとも1つの科目について、前記複数の辞書情報のうち、前記検索対象辞書情報とは異なる何れかの辞書情報を、除外辞書情報として記憶し、
前記辞書格納単語抽出手段は、
前記テキストデータの科目に対応する前記除外辞書情報が存在する場合には、前記単語検出手段により検出された単語から、当該除外辞書情報に見出し語として存在する単語を除外しつつ、前記検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の単語帳作成装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の辞書情報における何れかの辞書情報を前記検索対象辞書情報として設定する検索対象辞書設定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、単語帳作成プログラムにおいて、
コンピュータに、
複数の見出し語を有する辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶機能と、
科目毎に、前記複数の辞書情報の何れかを検索対象辞書情報として記憶する検索対象辞書記憶機能と、
外部からテキストデータを取得するとともに、当該テキストデータの科目を検知する情報取得機能と、
前記テキストデータに含まれる各単語を検出する単語検出機能と、
前記複数の辞書情報から、前記テキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報を検出し、前記単語検出機能により検出された単語から、当該検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出する辞書格納単語抽出機能と、
前記辞書格納単語抽出機能により抽出された単語と、前記テキストデータの科目とを対応づけて単語帳データとして記憶する科目別単語帳記憶機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部からテキストデータが取得されるとともに、当該テキストデータの科目が検知されると、テキストデータに含まれる各単語が検出され、複数の辞書情報から、テキストデータの科目に対応する検索対象辞書情報が検出され、検出された単語から、当該検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語が抽出されて、抽出された単語と、テキストデータの科目とが対応づけられて単語帳データとして記憶されるので、科目に対応した辞書情報に見出し語として格納された単語のみをテキストデータから抽出して単語帳データを作成することができる。従って、テキストデータから一律に単語を取得して単語帳データを作成する従来の場合と異なり、不要な単語が単語帳データに含まれるのを防止することができる。よって、学習効率を低下させずに容易に単語帳データを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
【図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は時限・時間データのデータ構造を示す図であり、(b)は時間割データのデータ構造を示す図である。
【図4】単語帳作成処理の動作例を示す図であり、(a)は授業データテーブルを示す図、(b)は単語帳テーブルを示す図、(c),(d)は表示部による表示内容を示す図である。
【図5】単語帳作成処理の動作例を示す図であり、(a)は授業データテーブルを示す図、(b)は単語帳テーブルを示す図、(c),(d)は表示部による表示内容を示す図である。
【図6】科目別検索条件テーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】単語帳作成処理を示すフローチャートである。
【図8】単語帳作成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る単語帳作成装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11、カードスロット12、スピーカ13、マイク14、カメラ15及びキー群2を備えている。
【0016】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、いわゆるタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0017】
カードスロット12は、種々の情報を記憶した外部情報記憶媒体12a(図2参照)と着脱可能に設けられている。
【0018】
スピーカ13はユーザによるキー群2の操作に応じた音声を出力する部分であり、マイク14,カメラ15は外部から音声,画像を取り込む部分である。
【0019】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、辞書選択キー2dと、カーソルキー2eと、シフトキー2fと、戻るキー2g等とを有している。
【0020】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。辞書選択キー2dは、後述の辞書データベース820,…(図2参照)の選択に使用されるキーである。
【0021】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。シフトキー2fは、日本語の単語を検索対象に設定するとき等に使用されるキーである。戻るキー2gは、前回表示した画面に戻るとき等に使用されるキーである。
【0022】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構造について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、時計部25、画像・音声入出力部70、通信部50、記録媒体読取部60、CPU(Central Processing Unit)20、フラッシュROM(Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)90を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0024】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0025】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0026】
時計部25は、現在の時刻を計時するものである。
【0027】
画像・音声入出力部70は、上述のスピーカ13、マイク14及びカメラ15を備えており、CPU20から入力される音声出力信号に基づいてスピーカ13に音声出力を行わせたり、CPU20から入力される録音・録画信号に基づいてマイク14,カメラ15に音声データの録音,動画の撮影を行わせたりするようになっている。
【0028】
通信部50は、インターネットに接続可能となっており、これにより、インターネットに接続される外部機器との通信が可能となっている。
【0029】
記録媒体読取部60は、上述のカードスロット12を備えており、当該カードスロット12に装着された外部情報記憶媒体12aから情報を読み出したり、当該外部情報記憶媒体12aに情報を記録したりするようになっている。
【0030】
ここで、外部情報記憶媒体12aには、通信部50を介してダウンロードされる辞書データベース820等が格納されるようになっている。なお、この辞書データベース820は後述のフラッシュROM80における辞書データベース820と同様のデータ構造を有しているため、ここでは説明を省略する。
【0031】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果をRAM90に保存するとともに、当該処理結果を画像・音声入出力部70のスピーカ13や表示部40に適宜出力させる。
【0032】
フラッシュROM80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM80は、本発明に係る単語帳作成プログラム81と、辞書データベース群82と、時限・時間データ84と、時間割データ83と、授業データテーブル85と、単語帳テーブル86と、科目別検索条件テーブル87等とを記憶している。
【0033】
単語帳作成プログラム81は、後述の単語帳作成処理(図7〜図8参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0034】
辞書データベース群82は、複数の辞書データベース820を有している。これら複数の辞書データベース820,…には、見出し語と、この見出し語の説明情報とが対応付けられて複数格納されている。なお、本実施の形態においては、このような辞書データベース820として、「広○苑」,「和英辞書」などの辞書データベース820が辞書データベース群82に含まれている。
【0035】
時限・時間データ84は、図3(a)に示すように、学校における各時限と、当該時限の開始時間及び終了時間とを対応付けたデータである。なお、この時限・時間データ84は、後述の単語帳作成処理(図7〜図8参照)においてユーザから入力されるようになっているが、学校のホームページなどからダウンロードされることとしても良い。
【0036】
時間割データ83は、図3(b)に示すように、学校におけるユーザの学級の時間割を示すデータであり、月曜から金曜までの各授業時間に授業の科目が割り当てられている。なお、この時間割データ83は、後述の単語帳作成処理(図7〜図8参照)においてユーザから入力されるようになっているが、学校のホームページなどからダウンロードされることとしても良い。
【0037】
授業データテーブル85は、例えば図4(a)や図5(a)にそれぞれ一例を示すように、後述の単語帳作成処理(図7〜図8参照)において録音される録音データ850と、当該録音データ850の録音開始時刻・終了時刻と、録音データ850を音声認識して得られるテキストデータ851と、録音データ850の科目とを対応付けて記憶するようになっている。なお、本実施の形態においては、録音データ850の科目として、当該科目の先生の名前(話者)も記憶されるようになっている。
【0038】
単語帳テーブル86は、例えば図4(b)や図5(b)にそれぞれ一例に示すように、単語と、当該単語の抽出元の録音データ850が録音された授業の科目と、当該録音データ850の録音開始時刻・終了時刻とを対応付けて、単語帳データ860として蓄積記憶するようになっている。なお、本実施の形態においては、録音データ850の科目として、当該科目の先生の名前(話者)も記憶されるようになっている。
【0039】
科目別検索条件テーブル87は、図6(a),(b)にそれぞれ一例を示すように、授業の科目毎に、単語帳テーブル86に格納すべき単語についての検索対象の辞書データベース820(以下、検索対象辞書データベース820Tとする)を少なくとも1つ記憶している。なお、本実施の形態における科目別検索条件テーブル87では、1つの検索対象辞書データベース820Tが「検索辞書(1)」として記憶されており、残りの検索対象辞書データベース820Tが「検索辞書(2)」として記憶されている。
【0040】
また、この科目別検索条件テーブル87では、単語帳テーブル86に格納すべき単語の品詞を、少なくとも1つの科目の検索対象辞書データベース820Tについて記憶している。更に、この科目別検索条件テーブル87では、単語帳テーブル86に格納すべきではない単語についての検索対象の辞書データベース820(以下、除外辞書データベース820Jとする)を、少なくとも1つの科目について記憶している。なお、これら検索対象辞書データベース820T及び除外辞書データベース820Jは、辞書データベース群82から選択されるようになっている。
【0041】
RAM90は、CPU20が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えており、本実施の形態においては単語記憶領域910を備えている。
【0042】
この単語記憶領域910には、後述の単語帳作成処理(図7〜図8参照)において、単語帳テーブル86に格納させるべき単語が記憶されるようになっている。
【0043】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図7〜図8を参照しつつ説明する。
【0044】
<単語帳作成処理>
図7〜図8は、CPU20が単語帳作成プログラム81を読み出して実行する単語帳作成処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
この単語帳作成処理においては、図7に示すように、まずユーザが学校での時間割の情報を入力すると(ステップS1)、CPU20は、科目別検索条件テーブル87の記憶内容、つまり科目毎の検索対象辞書データベース820T及び除外辞書データベース820Jの辞書名をメインディスプレイ10に表示させる(ステップS2)。なお、ステップS1においてCPU20は、通信部50を介してインターネット上における学校のサーバから時間割の情報を入手することとしても良い。また、ステップS2においてユーザは検索対象辞書データベース820Tや除外辞書データベース820Jの種類を変更することができる。
【0046】
次に、CPU20は、ユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS3)、行われないと判定した場合(ステップS3;No)には、当該ステップS3の処理を繰り返す。
【0047】
また、ステップS3においてユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU20は、録音操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。
【0048】
このステップS4において録音操作が行われたと判定した場合(ステップS4;Yes)には、CPU20は、録音開始の日時を検知した後(ステップS5)、マイク14を介して音声の録音データ850を取得する(ステップS6)。なお、このステップS6においてCPU20は、録音データ850の取得と同時に、カメラ15を介して動画データの取得を行っても良い。
【0049】
次に、CPU20は、終了操作が行われるか否かを判定し(ステップS7)、行われないと判定した場合(ステップS7;No)には、上述のステップS6に移行する。
【0050】
また、ステップS7において終了操作が行われたと判定した場合(ステップS7;Yes)には、CPU20は、録音終了の日時を検知した後(ステップS8)、時限・時間データ84を参照して録音時間の含まれる時限を検出するとともに、時間割データ83を参照して当該時限の科目、換言すれば録音データ850の科目を検出し、この科目名に録音データ850を対応付けて授業データテーブル85に記憶させ(ステップS9)、上述のステップS3に移行する。
【0051】
また、上述のステップS4において録音操作が行われていないと判定した場合(ステップS4;No)には、CPU20は、コンテンツの生成操作が行われたか否かを判定する(ステップS10)。
【0052】
このステップS10においてコンテンツの生成操作が行われたと判定した場合(ステップS10;Yes)には、CPU20は、授業データテーブル85に記憶された録音データ850のデータ名(本実施の形態においては録音の開始時間・終了時間)と、当該録音データ850の科目名とを対応付けてメインディスプレイ10に一覧表示させる(ステップS11)。
【0053】
次に、単語を抽出すべき録音データ850の指定操作をユーザが行うと(ステップS12)、CPU20は、指定された録音データ850(以下、指定録音データ850Sとする)の科目(以下、指定科目とする)が英語であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0054】
このステップS13において指定科目が英語であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、CPU20は、指定録音データ850Sを英語で音声認識してテキストデータ851を取得するとともに、当該テキストデータ851を形態素解析してテキストデータ851内の単語を検出した後(ステップS14)、後述のステップS16に移行する。また、このステップS14においてCPU20は、取得したテキストデータ851を指定録音データ850Sに対応付けて授業データテーブル85に記憶させる。
【0055】
また、ステップS13において指定科目が英語でないと判定した場合(ステップS13;No)には、CPU20は、指定録音データ850Sを日本語で音声認識してテキストデータ851を取得するとともに、当該テキストデータ851を形態素解析してテキストデータ851内の単語を検出する(ステップS15)。また、このステップS15においてCPU20は、取得したテキストデータ851を指定録音データ850Sに対応付けて授業データテーブル85に記憶させる。
【0056】
次に、CPU20は、科目別検索条件テーブル87を参照して、指定科目(ステップS14,S15で取得されたテキストデータ851の科目)に対応する検索対象辞書データベース820Tを検出した後、ステップS14,S15で検出した単語から、当該検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語を抽出し、単語記憶領域910に記憶させる(ステップS16)。なお、このステップS16においてCPU20は、指定科目に対応する検索対象辞書データベース820Tが複数存在する場合には、これらの検索対象辞書データベース820Tの何れか1つにでも見出し語として存在する単語を抽出する。
【0057】
次に、CPU20は、科目別検索条件テーブル87を参照して、単語の品詞が限定されているか否かを判定し(ステップS17)、限定されていないと判定した場合(ステップS17;No)には、後述のステップS19に移行する。
【0058】
また、ステップS17において単語の品詞が限定されていると判定した場合(ステップS17;Yes)には、CPU20は、単語記憶領域910内の単語から、限定された品詞以外の単語を除外する(ステップS18)。
【0059】
次に、CPU20は、科目別検索条件テーブル87において指定科目に除外辞書データベース820Jが対応付けられている場合には、単語記憶領域910に記憶された単語から、当該除外辞書データベース820Jに見出し語として存在する単語を除外する(ステップS19)。
【0060】
次に、CPU20は、単語記憶領域910に記憶されている単語を、指定録音データ850Sの録音日時と、指定科目とに対応付け、単語帳データ860として単語帳テーブル86に記憶させる(ステップS20)。
【0061】
次に、CPU20は、メインディスプレイ10に登録単語の一覧表示枠100(図4(d)等参照)と、単語の説明情報のプレビュー表示枠101(図4(d)等参照)とを形成した後、指定科目に単語帳テーブル86内で対応付けられた各単語を一覧表示枠100に一覧表示させるとともに、一覧表示枠100における先頭の単語を指定単語として指定し、その説明情報を、科目別検索条件テーブル87で指定科目に対応付けられた検索対象辞書データベース820Tから検索してプレビュー表示枠101にプレビュー表示させる(ステップS21)。また、このときCPU20は、単語帳テーブル86において指定単語に対応付けられた録音日時、つまり指定単語の抽出元の録音データ850の録音日時をメインディスプレイ10の最上段に表示させる。
【0062】
次に、CPU20は、戻るキー2gの操作が行われるか否かを判定し(ステップS22)、行われたと判定した場合(ステップS22;Yes)には、図8に示すように、後述のステップS32に移行し、行われないと判定した場合(ステップS22;No)には、後述のステップS35に移行する。
【0063】
また、図7,図8に示すように、上述のステップS10においてコンテンツの生成操作が行われないと判定した場合(ステップS10;No)には、CPU20は、コンテンツの閲覧操作が行われたか否かを判定し(ステップS31)、行われないと判定した場合(ステップS31;No)には他の処理へ移行する。
【0064】
また、ステップS31においてコンテンツの閲覧操作が行われたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU20は、単語帳テーブル86に単語の格納されている科目名をメインディスプレイ10に一覧表示させる(ステップS32)。
【0065】
次に、ユーザが何れかの科目を指定すると(ステップS33)、CPU20は、メインディスプレイ10に一覧表示枠100とプレビュー表示枠101とを形成した後、指定科目に単語帳テーブル86内で対応付けられた各単語を一覧表示枠100に一覧表示させるとともに、一覧表示枠100における先頭の単語を指定単語として指定し、その説明情報を、科目別検索条件テーブル87で指定科目に対応付けられた検索対象辞書データベース820Tから検索してプレビュー表示枠101にプレビュー表示させる(ステップS34)。また、このときCPU20は、単語帳テーブル86において指定単語に対応付けられた録音日時、つまり指定単語の抽出元の録音データ850の録音日時をメインディスプレイ10の最上段にさせる。
【0066】
次に、CPU20は、一覧表示枠100内の単語に対する指定操作が行われるか否かを判定し(ステップS35)、行われたと判定した場合(ステップS35;Yes)には、指定操作の行われた単語を指定単語として指定し、科目別検索条件テーブル87で指定科目に対応付けられた検索対象辞書データベース820Tから指定単語の説明情報を検索してプレビュー表示枠101にプレビュー表示させた後(ステップS36)、ステップS35に移行する。また、このステップS36においてCPU20は、単語帳テーブル86において指定単語に対応付けられた録音日時、つまり指定単語の抽出元の録音データ850の録音日時をメインディスプレイ10の最上段にさせる。
【0067】
また、上述のステップS35において単語に対する指定操作が行われないと判定した場合(ステップS35;No)には、CPU20は、訳/決定キー2bが操作されるか否かを判定し(ステップS37)、操作されないと判定した場合(ステップS37;No)には他の処理へ移行する。
【0068】
また、ステップS37において訳/決定キー2bが操作されたと判定した場合(ステップS37;Yes)には、CPU20は、プレビュー表示枠101に表示されていた説明情報、つまり指定単語の説明情報をメインディスプレイ10に全画面表示させる(ステップS38)。
【0069】
そして、CPU20は、戻るキー2gの操作が行われるか否かを判定し(ステップS39)、行われないと判定した場合(ステップS39;No)には他の処理へ移行し、行われたと判定した場合(ステップS39;Yes)には上述のステップS35に移行する。
【0070】
(動作例)
続いて、上記の単語帳作成処理を具体的に説明する。
【0071】
まず、図3(b)に示すように、ユーザが時間割の情報を入力した後(ステップS1)、図6(a)に示すように、科目毎の検索対象辞書データベース820T及び除外辞書データベース820Jの辞書名を設定する(ステップS2)。
【0072】
次に、ユーザが「社会1(歴史)」の授業中に録音操作を行うと(ステップS4;Yes)、図4(a)に示すように、録音開始の日時が検知されて(ステップS5)、マイク14を介して音声の録音データ850が取得される(ステップS6)。そして、ユーザが終了操作を行うと(ステップS7;Yes)、録音終了の日時が検知された後(ステップS8)、録音時間の含まれる時限「月曜・6時限」が検出されるとともに、当該時限の科目「社会1」が検出され、この科目名に録音データ850が対応付けられて授業データテーブル85に記憶される(ステップS9)。
【0073】
次に、ユーザがコンテンツの生成操作を行うと(ステップS10;Yes)、図4(c)に示すように、授業データテーブル85に記憶された録音データ850のデータ名(本実施の形態においては録音の開始時間・終了時間)と、当該録音データ850の科目名「社会1」とが対応付けられてメインディスプレイ10に表示される(ステップS11)。
【0074】
次に、この録音データ850の指定操作をユーザが行うと(ステップS12)、指定録音データ850Sの指定科目「社会1」が英語でないと判定された後(ステップS13;No)、図4(a),(b)に示すように、指定録音データ850Sが日本語で音声認識されてテキストデータ851が取得されるとともに、当該テキストデータ851が形態素解析されてテキストデータ851内の単語が検出される(ステップS15)。
【0075】
次に、科目別検索条件テーブル87が参照されて、指定科目「社会1」に対応する検索対象辞書データベース820T(広○苑)が検出された後、ステップS15で検出された単語から、当該検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語が抽出され、単語記憶領域910に記憶される(ステップS16)。
【0076】
次に、単語記憶領域910内の単語から名詞以外の単語が除外される(ステップS18)。
【0077】
次に、科目別検索条件テーブル87において指定科目「社会1」に除外辞書データベース820J(和英辞書)が対応付けられているため、単語記憶領域910に記憶された単語から、当該除外辞書データベース820J(和英辞書)に見出し語として存在する単語が除外される(ステップS19)。
【0078】
次に、単語記憶領域910に記憶されている単語が指定録音データ850Sの録音日時と、指定科目「社会1」とに対応付けられ、単語帳データ860として単語帳テーブル86に記憶される(ステップS20)。
【0079】
次に、図4(d)に示すように、メインディスプレイ10に一覧表示枠100と、プレビュー表示枠101とが形成された後、指定科目「社会1」に単語帳テーブル86内で対応付けられた各単語(「土佐藩」,「脱藩」,…)、が一覧表示枠100に一覧表示されるとともに、一覧表示枠100における先頭の単語「土佐藩」が指定単語として指定され、その説明情報「高知藩ともいう…」が検索対象辞書データベース820T(広○苑)から検索されてプレビュー表示枠101にプレビュー表示される(ステップS21)。また、このとき、指定単語「土佐藩」に対応付けられた録音日時がメインディスプレイ10の最上段に表示される。
【0080】
次に、ユーザが単語帳作成処理を一端終了し、「英語2」の授業中に再開して録音操作を行うと(ステップS4;Yes)、図5(a)に示すように、録音開始の日時が検知されて(ステップS5)、マイク14を介して音声の録音データ850が取得される(ステップS6)。そして、ユーザが終了操作を行うと(ステップS7;Yes)、録音終了の日時が検知された後(ステップS8)、録音時間の含まれる時限「水曜・1時限」が検出されるとともに、当該時限の科目「英語2」が検出され、この科目名に録音データ850が対応付けられて授業データテーブル85に記憶される(ステップS9)。
【0081】
次に、ユーザがコンテンツの生成操作を行うと(ステップS10;Yes)、図5(c)に示すように、授業データテーブル85に記憶された録音データ850のデータ名と、当該録音データ850の科目名とが対応付けられてメインディスプレイ10に一覧表示される(ステップS11)。なお、本動作例では、「社会1」での授業の録音後に、「国語1」の授業が録音されている。
【0082】
次に、「英語2」の録音データ850の指定操作をユーザが行うと(ステップS12)、指定録音データ850Sの指定科目「英語2」が英語であると判定された後(ステップS13;Yes)、図5(a),(b)に示すように、指定録音データ850Sが英語で音声認識されてテキストデータ851が取得されるとともに、当該テキストデータ851が形態素解析してテキストデータ851内の単語が検出される(ステップS14)。
【0083】
次に、科目別検索条件テーブル87が参照されて、指定科目「英語2」に対応する検索対象辞書データベース820T(ターゲット英単語、英検1級単語)が検出された後、ステップS15で検出された単語から、当該検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語が抽出され、単語記憶領域910に記憶される(ステップS16)。
【0084】
次に、単語記憶領域910に記憶されている単語が指定録音データ850Sの録音日時と、指定科目「英語2」とに対応付けられ、単語帳データ860として単語帳テーブル86に記憶される(ステップS20)。
【0085】
次に、図5(d)に示すように、メインディスプレイ10に一覧表示枠100と、プレビュー表示枠101とが形成された後、指定科目「英語2」に単語帳テーブル86内で対応付けられた各単語(「magnificent」,「swallow」,…)、が一覧表示枠100に一覧表示されるとともに、一覧表示枠100における先頭の単語「magnificent」が指定単語として指定され、その説明情報「splendid,…」が検索対象辞書データベース820T(ターゲット英単語)から検索されてプレビュー表示枠101にプレビュー表示される(ステップS21)。また、このとき、指定単語「magnificent」に対応付けられた録音日時がメインディスプレイ10の最上段に表示される。
【0086】
以上の電子辞書1によれば、図4,図5や、図7のステップS6,S14〜S16等に示したように、外部からテキストデータ851が取得されるとともに、当該テキストデータ851の科目が検知されると、テキストデータ851に含まれる各単語が検出され、複数の辞書データベース820から、テキストデータ851の科目に対応する検索対象辞書データベース820Tが検出され、検出された単語から、当該検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語が抽出されて、抽出された単語と、テキストデータ851の科目とが対応づけられて単語帳データ860として記憶されるので、科目に対応した辞書データベース820に見出し語として格納された単語のみをテキストデータ851から抽出して単語帳データ860を作成することができる。従って、テキストデータ851から一律に単語を取得して単語帳データ860を作成する従来の場合と異なり、不要な単語が単語帳データ860に含まれるのを防止することができる。よって、学習効率を低下させずに容易に単語帳データ860を作成することができる。
【0087】
また、単語帳データ860として記憶された単語の説明情報が当該単語の抽出元のテキストデータ851の科目に対応する検索対象辞書データベース820Tから検索されて表示されるので、単語の復習を容易化して学習効率を高めることができる。
【0088】
また、少なくとも1つの科目について、複数の辞書データベース820のうち、検索対象辞書データベース820Tとは異なる何れかの辞書データベース820が除外辞書データベース820Jとして記憶され、テキストデータ851の科目に対応する除外辞書データベース820Jが存在する場合には、テキストデータ851より検出された単語から、当該除外辞書データベース820Jに見出し語として存在する単語が除外されつつ、検索対象辞書データベース820Tに見出し語として存在する単語が抽出されるので、不要な単語が単語帳データ860に格納されるのを確実に防止することができる。従って、学習効率の低下をより確実に防止しつつ単語帳データ860を作成することができる。
【0089】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0090】
例えば、本発明に係る単語帳作成装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る単語帳作成プログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な外部情報記憶媒体12aに記憶されることとしてもよい。
【0091】
また、録音データ850を取得した後、当該録音データ850を音声認識してテキストデータ851を取得することとして説明したが、タッチパネル110を介して手書き入力された画像データを文字認識してテキストデータ851を取得することとしても良いし、通信部50や記録媒体読取部60を介して外部機器からテキストデータ851を直接取得することとしても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 単語帳作成プログラム
820 辞書データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の見出し語を有する辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
科目毎に、前記複数の辞書情報の何れかを検索対象辞書情報として記憶する検索対象辞書記憶手段と、
外部からテキストデータを取得するとともに、当該テキストデータの科目を検知する情報取得手段と、
前記テキストデータに含まれる各単語を検出する単語検出手段と、
前記複数の辞書情報から、前記テキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報を検出し、前記単語検出手段により検出された単語から、当該検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出する辞書格納単語抽出手段と、
前記辞書格納単語抽出手段により抽出された単語と、前記テキストデータの科目とを対応づけて単語帳データとして記憶する科目別単語帳記憶手段と、
を備えることを特徴とする単語帳作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の単語帳作成装置において、
前記辞書情報は、
各見出し語に対し、当該見出し語の説明情報を対応付けており、
当該単語帳作成装置は、
表示手段と、
前記科目別単語帳記憶手段により記憶された単語の説明情報を、当該単語の抽出元のテキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報から検索して、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする単語帳作成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の単語帳作成装置において、
前記検索対象辞書記憶手段は、
少なくとも1つの科目について、前記複数の辞書情報のうち、前記検索対象辞書情報とは異なる何れかの辞書情報を、除外辞書情報として記憶し、
前記辞書格納単語抽出手段は、
前記テキストデータの科目に対応する前記除外辞書情報が存在する場合には、前記単語検出手段により検出された単語から、当該除外辞書情報に見出し語として存在する単語を除外しつつ、前記検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出することを特徴とする単語帳作成装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の単語帳作成装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の辞書情報における何れかの辞書情報を前記検索対象辞書情報として設定する検索対象辞書設定手段を備えることを特徴とする単語帳作成装置。
【請求項5】
コンピュータに、
複数の見出し語を有する辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶機能と、
科目毎に、前記複数の辞書情報の何れかを検索対象辞書情報として記憶する検索対象辞書記憶機能と、
外部からテキストデータを取得するとともに、当該テキストデータの科目を検知する情報取得機能と、
前記テキストデータに含まれる各単語を検出する単語検出機能と、
前記複数の辞書情報から、前記テキストデータの科目に対応する前記検索対象辞書情報を検出し、前記単語検出機能により検出された単語から、当該検索対象辞書情報に見出し語として存在する単語を抽出する辞書格納単語抽出機能と、
前記辞書格納単語抽出機能により抽出された単語と、前記テキストデータの科目とを対応づけて単語帳データとして記憶する科目別単語帳記憶機能と、
を実現させることを特徴とする単語帳作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−118639(P2012−118639A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265861(P2010−265861)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】