説明

印の電気光学的読取り用複数走査線パターン発生のための同期・共振ドライブ

バーコード記号を読み取るためのラスタパターンは、共振モータドライブおよび該共振ドライブと同期して駆動される他のモータドライブによって、それぞれ、振動されるスキャンミラーに、光ビームを連続的に反射させることによって、作成される。第1のドライブと第2のドライブとを備える本発明による、目標を走査するための配置においては、駆動周波数と共振周波数との一定の周波数関係で、目標に対して複数の走査線の走査パターンを生成するために、第1のドライブと同期して駆動されるように第2のドライブが制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の背景)
(本発明の分野)
本発明は、一般的にバーコード記号(symbol)などの印(indicia)を読取るための配置(arrangement)および方法に関し、より詳細には、記号を読取るための複数走査線ラスタパターンを発生するための同期・共振ドライブの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
ラベルまたは物の表面上に見られるバーコード記号などの印を読取るために、種々の電気光学的装置または読取り器が開発されてきた。バーコード記号自体は、バーとスペースが異なる反射特性を有し、種々の幅のスペースを決めるために一方を他方から離した各種幅の一連のバーから構成されるグラフィック印のコード化されたパターンである。読取り装置は、グラフィック印のパターンを、読取り用記号に関するデータにデジタル化およびデコードされる時変電気信号に電気光学的に変換することによって機能する。
【0003】
通常、レーザーからのレーザー光線は、目標面のバーコード記号を含む目標にライトパスに沿って向けられる。ビーム移動スキャナーは、レーザー自身またはレーザー光線のパスに配置されたスキャンミラーなどの走査装置の動きによって、1本の走査線または一連の走査線にあるレーザー光を記号に対して繰返し掃引することによって動作する。光学系は、レーザー光線を目標面のビームスポットに焦点を合わせ、走査装置の動きは、記号に対して走査線をトレースするために記号に対してビームスポットを掃引する。走査装置の動きは、通常、電気ドライブモータによって行われる。
【0004】
また読取り装置は、記号から反射または分散された走査線に沿って光を検知するセンサーまたは光電検出器を含む。光電検出器またはセンサーは、反射または分散光の捕捉を確実にする視界を有するように位置されており、後者を電気アナログ信号に変換する。
【0005】
逆(retro)反射光の集光において、1個の光学装置、たとえば、ここにおいて援用される米国特許第4,816,661号または米国特許第4,409,470号に記載されているような相互振動ミラーは、目標面に対してビームを掃引し、集束光をセンサーに向ける。非逆(non−retro)反射光の集光において、反射されたレーザー光は、走査に使用される同じ光学装置によって集光されない。その代わりに、センサーは、走査ビームとは無関係で、大視界を有しているので、反射レーザー光はセンサー面をトレースする。
【0006】
電子制御回路およびソフトウェアは、センサーからの電気アナログ信号を、走査された記号によって表されるデータのデジタル表現にデコードする。たとえば、光電検出器によって発生されるアナログ電気信号は、デジタイザによってパルス幅変調デジタル信号に、その幅がバーとスペースの物理的な幅に一致して、変換される。あるいは、アナログ電気信号は、ソフトウェアデコーダーによって直接処理され得る。たとえば、特許文献1を参照。
【0007】
デコード処理は、通常、デジタル信号を信号のデコードを試みるソフトウェアアルゴリズムを実行するマイクロプロセッサに印加することによって行う。記号がうまくかつ完全にデコードされた場合、デコーディングは終了し、読取り成功の指示(緑のライトおよび/またはビー音など)がユーザーに提供される。そうでない場合は、マイクロプロセッサは次のスキャンを受け取り、記号にてデコードされたデータのバイナリ表現へ、およびそのように表現された英数文字へ別のデコーディングを実行する。一旦読取り成功が得られると、バイナリデータは、たとえばルックアップテーブルからの情報検索などの更なる処理のため、ホストコンピュータに通信される。
【0008】
バーコード記号は、通常、形が長方形で種々の可能な幅を持つバーまたは要素から形成される。要素の特定の配置は、使用されるコードまたは「記号論(symbology)」によって指定された規則および定義のセットに従い表された文字を定義する。バーとスペースの相対的なサイズは、バーとスペースの実際寸法の使用されるコードの種類によって決定される。1単位長の文字(バーコード記号によって表される)の数は、記号の密度と呼ばれる。文字の所望の順序をコード化するには、要素配置の集合は連結され、メッセージの各文字が要素の対応するグループによって表された完全なバーコード記号が形成される。一部の記号論において、バーコードの開始および終了する時を示すために固有の「開始」および「停止」文字が使用されている。UPC/EAN,Code39、Code128、Codeabar、Interleaved 2 of 5などの各種のバーコード記号論が、広く使用されている。
【0009】
一定の量の目標表面領域で表され保存することができるデータの量を増やすため、よりコンパクトなバーコード記号論がいくつか開発されている。これらのコード基準の一つであるCode49は、一次元記号の垂直の高さを減らし、その後そのような一次元記号の明確な行を積み重ね、その結果、情報が垂直と水平の両方にコード化されることによる「二次元」記号を例示する。すなわち、Code49では、「一次元」記号におけるバーとスペースのパターンの1行のみの代わりに、いくつかの行がある。Code49の構造は、米国特許第4,794,239号に記載されている。「PDF417」として知られる別の二次元記号論は、米国特許第5,304,786号に記載されている。
【0010】
さらに、記号が、積み重ねの行ではなく、六角形、四角形、多角形、および/またはその他の幾何学的形状、線、または点から作られるマトリックス配列で構成される、その他の記号論が開発されている。そのような記号は、たとえば、米国特許5,276,315号、米国特許4,794,239号に記載されている。そのようなマトリックスコード記号論は、Vericode、Datacode、MAXICODEを含み得る。
【0011】
また、各々別のドライブモーターで駆動される2個のスキャンミラーでレーザー光線を連続的に反射することによって、二次元の記号をスキャンすることも知られている。光線は、一方のスキャンミラーで、水平(X)方向に記号の一方向に沿って偏向され、他方のスキャンミラーで、(Y)方向にその一方向とは直角の別の方向に沿って偏向され、それにより、ラスタパターンとしても知られる、記号の幅と高さの全面に対する多数の走査線パターンを作る。
【0012】
ラスタパターンはモーターに対して異なる要求を求めるとしても、従来技術のドライブモーターと、全く同一である。これらの従来のモーターのドライブ回路は、1個の読取り装置から次の読取り装置で安定した、再現できるラスタパターンを作り出すため、別のドライブマイクロプロセッサ、一対のデジタルアナログ変換器、一対の高電流ドライブ増幅器、一対の光学フィードバック回路を必要とするため、高価で複雑である。ドライブ回路は、消費電力を最小にするため多量の電流を使用することなく従来のモーターを異なる駆動周波数に対応するに十分に効率的にする一方、広範囲な周波数および振幅で駆動する必要がある。
【特許文献1】米国特許第5,504,318号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の全体的な課題は、上述された従来技術の有用でない点を回避することである。
【0014】
本発明の全体的な課題は、印を読み取るために、安定した、再現できるラスタパターンを作り出すための改良されたドライブ回路を提供することである。
【0015】
本発明の他の課題は、そのようなドライブ回路の複雑性、コスト、消費電力を減少さすことである。
【0016】
本発明のさらなる課題は、異なったモータードライブの異なった動作を最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本明細書中にて明確になるであろう上述の課題および他の課題を達成するにいたり、本発明の一特徴は、簡単には、電気光学的に、2次元のバーコード記号のような印を読み取るための配置、およびその方法を備え、それは、光源からの光ビームを放射し、読み取られるべき記号に渡って、第1および第2の方向に沿って、その放たれた光ビームをそれぞれ第1および第2のスキャンミラーから連続して反射することによって為される。各第1および第2のスキャンミラーは、それぞれ、第1および第2のドライブによって振動させられる。第1および第2のスキャンミラーは、従来とは対照的に、同じように動作はしない。
【0018】
本発明に従い、第1のドライブは、自己共振モードにて動作し、共振周波数において第1のスキャンミラーを振動さす。第2のドライブは、駆動モードにて動作し、駆動周波数において第2のスキャンミラーを振動さす。コントローラは、第1のドライブと同調して第2のドライブを駆動するように、ドライブと接続され動作する。それによって、印に渡って、駆動周波数と共振周波数との間の所定の周波数関係を有する、複数の走査線の走査パターンを作り出す。
【0019】
共振周波数において第1のドライブを駆動することは、消費電力を大きく減少させる。第1のドライブと同調して第2のドライブを駆動することは、走査パターンが安定し、1つの読み取りから次の読み取りにおいて再現可能であることを確実にする。
【0020】
本発明の特徴と考慮される新規的な特徴は、添付の特許請求の範囲において特定的に記載される。しかし、追加的な課題および本発明の利点と共に本発明の構成および動作方法に関し、本発明は、添付の図面と関連して読まれる際、後述される特定の実施形態の記載より最も理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているとおり、「印(indicia)」という語は、普通、バーコード記号と呼ばれる種々の幅の交互にある縦線とスペースから構成される記号パターンのみならず、一または二次元グラフィックパターンおよび英数字文字をも広く含む。一般的には、「印」の語は、光線をスキャンし、パターンまたは情報の種々の点における光反射率の変化の表示として反射光または分散光を検知することによって認識または識別され得るパターンまたは情報の種類に適用される。バーコード記号は、本発明がスキャンできる「印」の一例である。
【0022】
好ましい実施形態として、図1に示されるとおり携帯式読取り装置10における本発明の実施が記載されている。読取り装置10は、トリガースイッチ16が取り付けてあるハンドル14を有するハウジング12を含む。ハウジングはハンドルの上にあるキャノピーを含むが、明確にするため図1から取り除いてある。
【0023】
ウィンドウモジュール18は、ハウジングの前端に接して設置されている。光学モジュール20は、ウィンドウモジュール18の後ろに設置されている。プリント基板(PCB)22は、その前面は図2にさらに明確に示され、背面は図3および図4にさらに明確に示されているが、ハウジングの後端の光学モジュール20の後に設置されている。PCBは、ハンドルの後への傾斜に対応し、水平面に対して鈍角にハンドル14の中に滑り込む。
【0024】
図2に示されるとおり、センサー24がPCBの前面に取り付けてある。読み取られる記号から戻った光は、ウィンドウモジュール18を通り、光学モジュール20の下の部分にある集光レンズとフィルター26を通って、検知のためセンサー24に達する。下記に記載のとおり、光源からの光は、PCB上のアパーチャ28と光学モジュール20の上の部分にある別のアパーチャ30を通って、今度はウィンドウモジュール18を通って、反射のために記号に達する。
【0025】
図3と図4は、図3に示す種々の支持構造はそれが支える部品がよく見えるように取り除かれていること以外は同様である。このように、図4に最も良く見えるように、半導体レーザー32などの光源は、PCB22の背面に取り付けられていて、レーザー光線34を収束レンズアセンブリー33を通って第1のスキャンミラー36へ水平に発射し、レーザー光線はそこで第2のスキャンミラーに向けて上方に反射し、そこでアパーチャ28を通って前方に反射する。第1のスキャンミラー36は、下記にさらに十分に記載されているとおり、自己共振モードで動作する第1のモータードライブ40による相互振動用に取り付けられており、一方、第2のスキャンミラーも、第1のモータードライブ40と同期している駆動モードで動作する第2のモータードライブ42による相互振動用に取り付けられている。
【0026】
また図4は、第1のドライブ40用の第1の電磁コイル44および第2のドライブ42用の第2の電磁コイル46を示す。コイル44および46は、PCBの背面に取り付けられ、各コイルは、周期ドライブ信号による動作に応じて電磁界を発生するように動作するドライブ巻線(図8にある94および98)を有する。またコイル44は、動作を下記に記載するフィードバック巻線96を有している。
【0027】
図3は、レーザー32、収束レンズアセンブリー33、第1のドライブ40、第2のドライブ42、コイル44および46を支えるように動作するサポートシャーシ48を示す。またシャーシ48は衝撃保護を提供し、PCBの背面に固定される。
【0028】
図5〜図7の連続図に示されるように、ドライブ40および42のいずれかまたは両方は、次のように組み立てることができる。ステータ50は、離れてまた対称軸に対して対称に位置された一対のステータポーション52および54を有する。ステータポーションはスルーホール56および58を有する。ステータは、スタブシャフト66および68を有する一対のアーム62および64を有するサポートブラケット60を含む。ロータ70は、離れてまた対称軸に対して対称に位置された一対のロータポーション72および74を有する。ロータポーションはスルーホール76および78を有する。またロータは、その一端で不可欠で、対称軸に沿って延びた伸び中央サポートポーション80を有する。サポートポーション80は、一方の端に、傾斜した取り付け部分82、およびサポートポーション80の質量を減少させるために他方の端にカットアウトセクション84を有する。
【0029】
ロータおよびステータは、合成プラスチック材の別々に成形された弾性部品である。これらの部品は、液体シリコン射出成形の中に置かれ、シリコン製の一対の一般に平面の伸びたリーフスプリング86および88は、ステータおよびロータポーションの上にオーバー成形される。詳細には、スプリング86は、ステータポーション52およびロータポーション72の上に成形され、確実な固定のためホール56および76の中に入いる。スプリング88は、ステータポーション54およびロータポーション74の上に成形され、確実な固定のためホール58および78の中に入いる。スプリングは、ホールを覆う端でより厚く、対称軸に垂直な軸に対して柔軟性を持たせるため端間は薄い。
【0030】
図7に示されるように、第1のスキャンミラー36または第2のスキャンミラーは、ステータポーション、ロータポーション、スプリングがある共通の平面に対して45°の角度で取り付けポーション82に付着している。サポートポーション80の反対側に永久磁石90が同様に付着している。
【0031】
図4に戻ると、第1のドライブ40のスキャンミラー36は上に向いており、一方、永久磁石は、第1のコイル44に向いている。また、第2のドライブ42のスキャンミラーは上に向いており、一方、永久磁石90は、第2のコイル46に向いている。ドライブ40および42は、互いに直角に取り付けられ、それによりドライブ40および42が互いに直交の方向にビームを掃引することが可能となる。
【0032】
第1のおよび第2のドライブは、ラスタパターンの要求に最良に適合するため互いに別々に動作される。第1のドライブ40は、そのスキャンミラーを、大スキャン角度、たとえば45°で、高速、たとえば50〜60Hzで、X方向に沿って記号に対し横に長く、振動させることが必要である。第2のドライブ42は、そのスキャンミラーを、小スキャン角度、たとえば4°で、低速、たとえば10Hzで、Y方向に沿って記号の高さに沿って、振動させることが必要である。第2のスキャンミラーは、動くビームに合わせるため、第1のスキャンミラーより大きいことが必要である。第2のミラーのより大きい慣性は、低速のため問題ではない。
【0033】
本発明に従って、第1のドライブ40は自己共振モードで動作される。図8に示すとおり、両方向ドライブ回路92は、第1のドライブ40の固有共振周波数を測定し、後者のドライブ巻線94をその周波数かまたはそれに近い周波数で駆動する。第1のドライブをその固有周波数に近い周波数で駆動することによって、第1のドライブを駆動するに必要な電力を減らす。適当な両方向ドライブ回路は、米国特許第5、280、163号に記載されており、その全内容はここに援用される。
【0034】
ドライブ巻線94の他に、コイル44は、第1のドライブ40の永久磁石の動きによってフィードバック信号を発生するように動作するフィードバック巻線96を含む。ドライブ回路92は、ロータが動く方向、動く速度、方向を変更する時期を決定するフィードバック信号を使用する。ドライブ回路92は、フィードバック信号を、ロータが一方向に動いている時高く、ロータが反対の方向に動いている時低く、ロータが各スキャンの終わりに方向転回する時変化する方形波を有するスキャン開始(SOS)信号にする処理を行う。SOS信号の周波数は、ロータの動きによって作られるフィードバック信号から発生されるので、第1のドライブの共振周波数と同じである。
【0035】
2個のドライブ40および42によって発生された複数ラインラスタパターンは、そのロータの動きの相対速度と振幅によって決定される。ラスタパターンの出現を決定するのは、絶対周波数ではなく、ロータの周波数の速度である。
【0036】
言及されたように、第1のドライブ40は自己共振モードで動作する。しかし、1個のロータの共振周波数は、ひとつの読取り装置と次のそれとで、スキャンミラー36、磁石90、プラスチック部品の質量の不可避の相違、また、たとえば周囲温度によって発生するスプリング86および88の堅さの相違によって、変化する。従って、第1のドライブは全く同じ速度では動作しないので、第2のドライブ40を、他の読取装置の速度とは異なる速度のある読取り装置で駆動させることが必要になる。
【0037】
第2のドライブを駆動モードで動作することは常に可能であるので、第2のドライブは、そのドライブの周波数は第1のドライブの周波数から派生したことを保証することによって、上記に言及した相違にもかかわらず、第1のドライブと同じ所望の周波数関係を有する。このことは、前に検討したとおり、第1のドライブの実際の動作周波数を正確に表すSOS信号の周波数との事前決定の関係へ第2のドライブの周波数をロックすることによって、可能となる。
【0038】
マイクロプロセッサ100は、デジタル信号をデコードするのに使用されるものと同じであることが望ましいが必ずしもそうではないが、SOS信号を受信するための入力を有し、第1のドライブが方向を変え新スキャンを開始する時に、検知するように動作する。マイクロプロセッサは、できれば組込みのデジタルアナログコンバータを有し、SOS信号が低から高へまたは高から低へ変化するごとに所定の量だけ出力時の電圧を変化させる。アナログ出力電圧は、増幅され、ドライブ回路102を経由して第2のドライブ42のドライブ巻線98へ印加され、それにより、第1のドライブが新スキャンを開始することをSOS信号が示すたびに、第2のドライブのロータを所定の量だけ動かす。
【0039】
種々のラスタパターンを発生することができる。たとえば、第2のドライブは、そのロータを、最初の3回の各SOS変化のたびに、1度(degree)上方へ向かせ、その後、次の3回の各SOS変化のたびに、1度下方へ向かせることができ、ロータを元の位置に戻す。次の3回のSOS変化時に、ロータは各変化のたびに1度下方へ向けられ、その後、次の3回変化時に、1度上方へ増加される。これにより7本の個々の走査線のラスタパターンが生成され、第2のドライブのロータの動きは常にSOS信号および第1のドライブと同期しているので、第1のドライブが周波数を変更しても、ラスタパターンは安定しており、再現できる。
【0040】
各変化時に、出力電圧が変化する量を変えることによって、その他の種類のラスタパターンを作ることができる。たとえば、第2のドライブのロータは、上記に記載のとおり、1度上方へ向けることができるが、その後、動作中の走査線間の途中で下方へ向けることができる。ラスタパターンは、自由に変更、または所定の条件で完全に停止させることができる。
【0041】
第1のドライブに比較し第2のドライブの動きが小さいと、それに対応して必要な電流は少なくなり、それにより、第2のドライブが共振周波数からかけ離れて動作している時でも、電力消費は最小になる。
【0042】
マイクロプロセッサ100がデコード機能を持つものと同じである場合、第1ドライブがそのスキャンの最後に到達し新記号データが掃引されない時、SOS変化時にのみ第2のドライブを動かすことが望ましい。マイクロプロセッサは、レーザー光線が記号を掃引する残りの時間をデコードするために使用できる。
【0043】
第2のドライブはドライブ電圧が変化すると即座に動くわけではないので、SOS変化の少し前に第2のドライブを起動することが望ましい。マイクロプロセッサは、スキャン間の時間を測定し、SOS信号が変化しようとする時期を予測することができるので、SOS変化の少し前にドライブ電圧を変更することができる。
【0044】
第2のドライブは、それがドライブ電圧を正確に追従しているかを確認するフィードバックなしに、オープンループで駆動される。しかし、図5〜図7のモーターは、スプリング86および88の堅さを変化させ得る周囲温度変化を除き、信頼性および一貫性があることが証明されている。温度変換器104は、温度変化を補償するためドライブ巻線98に印加されるドライブ電圧を修正するためにマイクロプロセッサに接続される。マイクロプロセッサが組込みのアナログデジタルコンバータを有しない場合、変換器104は、温度と共に変化する周波数信号を発生するように作られている。マイクロプロセッサは、温度情報を得るために周波数を測定することができ、従ってドライブ電圧を調整することができる。また、マイクロプロセッサは、温度変化を補償するため第1のドライブのドライブ巻線94に印加されるドライブ電圧を修正することができる。
【0045】
また、上記の各素子または2個以上まとめた素子は、上記の種類とは異なる構造の種類のもので有用な用途が見かり得ることを理解されたい。
【0046】
本発明は、電気光学的に印を読取るための複数の走査線パターン発生用の同期共振ドライブでの実施が示され記載されているが、本発明の精神からどのような方法でも逸脱しないで種々の修正や構造変更がなされ得るので、ここに示された明細に限定する意図はない。
【0047】
これ以上の分析なしに、上記は本発明の要点を十分に開示してあるので、既存の知識を応用することによって、従来技術の観点から、本発明の包括的または特定な局面の本質的な特性を正当に構成する特徴を省くことなしに、本発明を種々の用途にすぐに適合することができ、従って、そのような適合は、別に記載の特許請求の範囲と同等の意味と範囲内で理解され意図されるべきである。
【0048】
新規、および特許証によって保護されることを望むものとして請求される事柄は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の使用のための、分離された、携帯式ハウジングを有するトリガーされたバーコード読み取り装置の透視図である。
【図2】明確性のために、ハウジングおよび他の部分が外され分離された、図1の読み取り装置の部分透視図である。
【図3】後部からの、分離された、図2の拡大透視図である。
【図4】明確性のために、一部の部分が外され分離された、図3の拡大透視図である。
【図5】図1の読み取り装置の使用のための、連続的な作成ステージにおける走査モーターの透視図である。
【図6】図1の読み取り装置の使用のための、連続的な作成ステージにおける走査モーターの透視図である。
【図7】図1の読み取り装置の使用のための、連続的な作成ステージにおける走査モーターの透視図である。
【図8】図1の読み取り装置の使用のための、走査モーターを駆動するためのドライブ回路の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標を走査するための配置であって、
a)光線を放射する光源と、
b)共振周波数で該目標に第1の方向に沿って該光源からの該光線を反射するための第1のスキャンミラーを振動させるための、自己共振モードで動作する第1の共振ドライブと、
c)駆動周波数で該第1の方向に直角の第2の方向に沿って該第1のスキャンミラーからの該光線を反射するために第2のスキャンミラーを振動させるための、駆動モードで動作する第2のドライブと、
d)該駆動周波数と該共振周波数との一定の周波数関係で、該目標に対して複数の走査線の走査パターンを生成するために、該第の1ドライブと同期して該第2のドライブを駆動するための、該ドライブに接続され動作するコントローラと
を備える、配置。
【請求項2】
前記ドライブの1個は、対称軸に関して対称に位置された一対のステータポーションを有するステータと、該対称軸に関して対称に位置された一対のロータポーションを有するロータと、該ステータポーションと該ロータポーションと間に平行に延びた一対のスプリングと、該ロータと一体化され、該スプリング間に延びた中央ポーションとを含む、請求項1に記載の配置。
【請求項3】
前記ステータポーション、前記ロータポーションおよび前記スプリングが共通の平面にあり、前記スキャンミラーの1個が、該共通平面に対してある角度で傾斜して該共通平面の一側面において前記中央ポーションに取り付けられている、請求項2に記載の配置。
【請求項4】
前記1つのドライブは、前記共通平面の反対の側面において前記中央ポーションに取り付けられている永久磁石と、該永久磁石の永久磁界と磁気的に相互作用する周期的な磁界を発生する巻線とを有する電磁コイルを含む、請求項3に記載の配置。
【請求項5】
各ドライブは、対称軸に関して対称に位置された一対のステータポーションを有するステータと、該対称軸に関して対称に位置された一対のロータポーションを有するロータと、該ステータポーションと該ロータポーション間に平行に延びた一対のスプリングと、該ロータと一体化され、該スプリング間に延びた中央ポーションとを含む、請求項1に記載の配置。
【請求項6】
前記光源、前記ドライブ、前記コントローラが共通に取り付けられたプリント基板を含む、請求項1に記載の配置。
【請求項7】
前記プリント基板が収納されている内部の境界となるハンドルを有するハンドヘルドハウジングを含む、請求項6に記載の配置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第1の共振ドライブの前記共振周波数を測定し、該共振周波数で該第1の共振ドライブを駆動し、該コントローラは、振動時に第1のスキャンミラーと逆方向を検知し、前記周波数関係を維持するために該逆方向に対応して前記第2のドライブを駆動する、請求項1に記載の配置。
【請求項9】
前記第1の共振ドライブは、前記共振周波数で、前記逆方向のための変化を有する走査開始信号を生成するためのフィードバック巻線を有し、前記コントローラは、該変化の機能として前記第2のドライブを駆動する出力駆動信号を生成するための該走査開始信号を受信し、処理するマイクロプロセッサを含む、請求項8に記載の配置。
【請求項10】
前記第2のドライブは、走査線の各1本を生成するために、各変化おいて駆動される、請求項9に記載の配置。
【請求項11】
前記共振周波数は前記駆動周波数より大きく、前記周波数関係が該駆動周波数に対する該共振周波数の比であり、該比は、前記目標の走査中に前記コントローラによって一定に維持される、請求項1に記載の配置。
【請求項12】
前記スプリングの堅さの変化を調整するために温度を測定する、前記コントローラに接続された温度変換器を含む、請求項2に記載の配置。
【請求項13】
目標を走査する方法であって、
a)光線を放射するステップと、
b)共振周波数で該目標に第1の方向に沿って該光線を反射するための第1スキャンミラーを振動させるために、自己共振モードで第1の共振ドライブを動作するステップと、
c)駆動周波数で該第1の方向に直角の第2の方向に沿って該第1のスキャンミラーからの該光線を反射するための第2スキャンミラーを振動させるために、駆動モードで第2のドライブを動作するステップと、
d)該駆動周波数と該共振周波数との一定の周波数関係で、該目標に対して複数の走査線の走査パターンを生成するために、該第1のドライブと同期して駆動されるように該第2のドライブを制御するステップと
を包含する、方法。
【請求項14】
前記制御ステップは、
前記第1の共振ドライブの前記共振周波数の測定するステップと、該第1ドライブを該共振周波数で駆動するステップと包含し、さらに、振動時に第1のスキャンミラーと逆方向を検知するステップと、前記周波数関係を維持するために該逆方向に対応して前記第2のドライブを同期して駆動するステップとを包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記共振周波数で、逆方向のための変化を有する走査開始信号を生成するステップと、該変化の機能として前記第2のドライブを駆動する出力駆動信号を生成するための該走査開始信号を受信し、処理するステップとをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記走査線の各1本を生成するために、各変化において前記第2のドライブを駆動するステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記共振周波数は前記駆動周波数より大きく、前記周波数関係が該駆動周波数に対する該共振周波数の比であり、該比は、前記目標の走査中に一定に維持される、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−535713(P2007−535713A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511057(P2007−511057)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/015023
【国際公開番号】WO2005/109072
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506144101)シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】