印刷システム
【課題】 ユーザが公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等の所望のコンテンツの印刷物や印刷データを入手する際に、個人情報を保護し、秘密保持を確実にし、ユーザが安心して、確実に且つ容易にコンテンツを入手可能にする印刷システムを提供する。
【解決手段】 本印刷システムは、コンテンツとしての記事のリクエスト情報を生成しコンテンツサーバに送り、記事の暗号化印刷データを復号するための復号パスワードをコンテンツサーバから受信し、記録媒体に記録する印刷要求手段1、及び、記録媒体に記録された復号パスワードを読み出して印刷データの復号化を行う印刷制御手段2を備える。暗号化印刷データの受信部分と暗号化印刷データを復号するための復号パスワードの受信部分を独立に公衆ネットワーク網に接続し、復号パスワードを、公衆ネットワーク網から切り離された記録媒体で暗号化印刷データの復号部分に入力する。
【解決手段】 本印刷システムは、コンテンツとしての記事のリクエスト情報を生成しコンテンツサーバに送り、記事の暗号化印刷データを復号するための復号パスワードをコンテンツサーバから受信し、記録媒体に記録する印刷要求手段1、及び、記録媒体に記録された復号パスワードを読み出して印刷データの復号化を行う印刷制御手段2を備える。暗号化印刷データの受信部分と暗号化印刷データを復号するための復号パスワードの受信部分を独立に公衆ネットワーク網に接続し、復号パスワードを、公衆ネットワーク網から切り離された記録媒体で暗号化印刷データの復号部分に入力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザが所望の記事を印刷物として容易に入手可能な印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアや書店で販売されている新聞や雑誌、書籍は、既に印刷・製本されたものであり、冊単位で販売されている。しかしながら、ユーザが所望する記事がある雑誌のごく一部分である場合には、他の記事に興味がなくても、その雑誌を購入する必要がある。同様に、ユーザが所望する記事が複数の雑誌に掲載されていて情報収集のためにすべての雑誌に掲載されている記事を入手したい場合などには、ユーザはそれらの雑誌をすべて購入する必要がある。ユーザ側には、必要でない記事情報に対しても対価を支払わなければならないことへの納得感が得られにくい。
【0003】
これらの問題点を解決するには、ユーザが所望の記事や文書をリクエストし、リクエストに応じ印刷出力する技術が必要である。この技術に関して、特許文献1〜3記載の発明が提案されている。特許文献1では、必要なときに最寄のプリンタで、必要な文書のプリント出力を得ることができると共に、課金を適切に支払うことができるネットワーク印刷システムが提案されている。特許文献2では、ユーザが所有する携帯端末から、ネットワークのサーバ上に格納されたファイルのうち、所望のドキュメントをコンビニエンスストアなどに設置されているプリンタに印刷出力するネットワークプリントシステムが提案されている。また、特許文献3では、印刷用の電子データを一般企業やコンビニエンスストアなどで設置稼動しているネットワークプリンタを用いて印刷することで、プリンタを所有していない個人ユーザやプリンタが入手できない外出先からなどであっても、必要な印刷物を入手でき、ネットワークプリンタの所有者に対しては、利用料を支払うプリント出力サービス方法に関する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているネットワーク印刷システムでは、利用者に識別データが割り当てられるため、利用者がどんなドキュメントを所望しているかが追跡可能である。そのため、ネットワーク印刷システムでは、書店で書籍を購入する際には一般に確保されている匿名性が失われ、ひいてはプライバシーの侵害に問題が発展する可能性がある。また、特許文献2においても、ユーザの携帯端末から印刷要求を行うので、特許文献1と同様の問題点がある。また、特許文献3では、印刷出力先を利用者が選択する必要があり、例えばユーザの行動が予定と異なってしまった場合には、印刷出力先の変更や、新規のリクエストが必要になり、ユーザが容易に印刷物を入手できないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−32205号公報(段落[0073]〜[0085],図9〜図12)
【特許文献2】特開2002−278870号公報(段落[0011]〜[0020],図1)
【特許文献3】特開2003−67164号公報(段落[0013]〜[0016]、[0049],図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等のユーザ所望のコンテンツについてその印刷物や印刷データを入手可能にする印刷システムにおいて、ユーザが所望するコンテンツについての印刷要求と、そのコンテンツについての印刷データの印刷制御とを公衆ネットワーク網に対して区別し、印刷要求と印刷制御との間で印刷に必要な制御用のデータをユーザが移動させることで、印刷手段を備える販売店や公衆ネットワーク網上の第三者に対して、個人情報(プライバシー)の保護と印刷データの秘密保持性(セキュリティ)を確保する点で解決すべき課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等の所望のコンテンツの印刷物や印刷データを入手する際に、ユーザが個人としてどんなドキュメントを所望しているか等の個人情報を保護し、販売店側のみならず公衆ネットワーク網上の第三者が印刷データを無断で入手することを防止して秘密保持を確実にし、ユーザが安心して、確実に且つ容易にコンテンツを入手可能にする印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による印刷システムは、ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報を入力する入力手段、前記特定情報を含むリクエスト情報を生成するリクエスト情報生成手段、前記リクエスト情報を公衆ネットワーク網に接続されているコンテンツサーバに送り、また、前記コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを前記コンテンツサーバから受信するデータ送受信手段、及び前記復号パスワードと前記コンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報を記録媒体に記録する記録媒体書き込み手段を備える印刷要求手段と、前記記録媒体に記録された前記復号パスワードを読み出す記録媒体読み取り手段、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信するデータ受信手段、前記記録媒体に記録されている前記プリンタ識別情報により印刷の可否を判定する印刷判定手段、及び前記復号パスワードを用いて前記暗号化印刷データを復号化して前記印刷手段に送る復号化手段を備える印刷制御手段とを備え、前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段は、前記公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続していることを特徴としている。ここで、「公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続している」とは、公衆ネットワーク網に接続された別のコンピュータ等から見たときに、前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段が一対になっていることが判らないような状態のことを指し、例えば、異なるIPアドレスで接続されているような状態のことを言う。
【0008】
この印刷システムによれば、印刷要求手段においては、ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報が入力手段で入力されると、リクエスト情報生成手段によってその特定情報を含むコンテンツのリクエスト情報が生成される。そのリクエスト情報は、データ送受信手段によって公衆ネットワーク網を介してコンテンツサーバに送られる。データ送受信手段は、コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードをコンテンツサーバから受信する。復号パスワードとコンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報が記録媒体に記録される。印刷制御手段においては、記録媒体に記録された復号パスワードが記録媒体読み取り手段によって読み出される。コンテンツサーバから送信された暗号化印刷データは、データ受信手段によって受信され、記録媒体に記録されているプリンタ識別情報により印刷の可否が印刷判定手段によって判定される。復号化手段は、記録媒体に記録された復号パスワードを読み出して印刷データの復号化を行い、復号化された印刷データは印刷手段に送られて印刷される。暗号化印刷データを受信する側の印刷制御手段と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを受信する側の印刷要求手段とは互いに論理的に独立に公衆ネットワーク網に接続されており、且つ復号パスワードを公衆ネットワーク網から切り離された記録媒体の形態で印刷制御手段の暗号化印刷データの復号する部分に入力されるので、コンテンツを購入する個人の匿名性が維持され、且つ他人による個人情報の盗み取りが防止される。
【0009】
また、この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段が、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記記録媒体読み取り手段に前記記録媒体が接続されたことに応じて送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えている。この印刷システムによれば、プリンタの記録媒体読み取り手段に記録媒体が接続されたときに、そのことに応じて、印刷制御手段からコンテンツサーバへ公衆ネットワーク網を介して送信要求情報が送られ、送信要求情報をコンテンツサーバが受信した時点から、暗号化印刷データが送信される。
【0010】
また、この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段が、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの再送要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記復号化手段及び/又は前記印刷手段でエラーが生じたことを検知することに応じて前記再送要求情報を生成するエラー検知手段を追加して備えている。この印刷システムによれば、暗号化印刷データを復号する際、何らかの理由で暗号化印刷データが不完全であるなど、復号化手段にトラブルが発生した場合には、エラー検知手段はトラブルを検知し、暗号化印刷データの再送を求める再送要求情報を作成する。再送要求情報は、データ送受信手段によってコンテンツサーバを宛先として、公衆ネットワーク網を介して送出される。再送要求情報はコンテンツサーバで受信され、再び暗号化印刷データが送信される。以降、再び暗号化印刷データの復号化の動作は、上記の印刷システムと同様である。
【0011】
この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とし、更に前記プリンタ識別情報が印刷出力先未定を示している場合、前記送信要求情報生成手段は前記印刷制御手段を前記公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成する。この印刷システムによれば、ユーザが所望のコンテンツを要求して料金を支払う店舗等の場所と、ユーザが実際に印刷物を受け取る店舗等の場所が異なっている場合には、コンテンツを要求する店舗では、その印刷要求手段がプリンタ識別情報において印刷出力先未定とし、印刷物を受け取る店舗では、送信要求情報生成手段がその印刷制御手段を公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成し、データ送受信手段が暗号化印刷データの送信要求情報を送信する。したがって、コンテンツサーバは、暗号化印刷データをユーザが印刷物を受け取る店舗に送信することができる。
【0012】
上記の印刷システムにおいて、前記記録媒体は不揮発性メモリカードであるとすることができる。記録媒体を不揮発性メモリカードとすることにより、記憶した内容の保持に電源が必要でないので、ユーザは、実際の印刷化時期が印刷要求時期の直後でなくても許容される時間まで、印刷に必要な内容を記憶したカードとして持ち歩くことがきる。
【0013】
上記の印刷システムにおいて、前記記録媒体は、前記復号パスワードを電子識別可能な文字及び/又は絵柄で印刷された紙とし、前記記録媒体読み取り手段は、前記電子識別可能な文字及び/又は絵柄を読み取るスキャナを備えることができる。記録媒体と記録媒体読み取り手段とをこのような形態とすることで、ユーザは、所望するコンテンツを店舗に知られることなく、また、店舗側は、スキャナで文字及び/又は絵柄を読み取ることで、読み取り作業が誤りなく且つ簡素化される。
【0014】
上記の印刷システムにおいて、前記暗号化印刷データは、前記コンテンツの印刷データを暗号化した上で圧縮を施され、前記復号手段によって解凍した上で復号されるか、又は、前記印刷データに圧縮を施した上で暗号化され、前記復号手段によって復号された上で解凍することができる。印刷データは圧縮することで伝送データ量を縮小化でき、また暗号化することで秘密保持性を維持することができる。圧縮・解凍と暗号・復号とは、いずれを優先させてもよい。
【0015】
上記の印刷システムにおいて、前記プリンタ識別情報は、IPアドレス、MACアドレス又はプリンタの製造番号であるとすることができる。プリンタ識別情報は、印刷させようとするプリンタを他の機器と区別できればよく、好ましくは、当該の各アドレス、又は番号とすることができる。
【0016】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷制御手段は、前記データ受信手段が前記暗号化印刷データを受信してから一定時間経過しても前記記録媒体が前記記録媒体読み取り手段に接続されないことに応答して、前記暗号化印刷データを破棄することができる。一定時間経過しても印刷出力されない印刷データについては、保存し続ける場合には他のユーザの迷惑にも成り得るので、ユーザとの間で得られた承諾の上、破棄することができる。
【0017】
上記の印刷システムにおいて、前記リクエスト情報生成手段は、ユーザが所望する印刷出力先情報に基づいて前記リクエスト情報を生成することができる。例えば、店舗に複数の印刷手段が備わっている場合には、ユーザがどの印刷手段でコンテンツを印刷するかを選択可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、ユーザは記事などのコンテンツを、プライバシーを侵害されないように安全にかつ確実に印刷でき、また、コンテンツ事業者も有益なコンテンツを安全にユーザだけに提供することができる。
【0019】
本発明によれば、ユーザが公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等の所望のコンテンツの印刷物や印刷データを入手する際に、ユーザが個人としてどんなドキュメントを所望しているか等の個人情報は、印刷に必要な情報を記録媒体に記録してユーザに渡すことで店舗側に容易には判明しないように保護される。また、印刷要求のための情報と印刷制御のための情報を公衆ネットワーク網に対して論理的に独立させているので、暗号化された印刷データとその復号パスワードとが区別して送信され、公衆ネットワーク網上の第三者が印刷データを無断で入手することを防止して秘密保持を確実にし、ユーザが安心して、確実に且つ容易にコンテンツを入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明による印刷システムの実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜図5を参照して、この発明による印刷システムの第1の実施例を説明する。図1〜図5は、ユーザが所望の記事を要求してから印刷が行われるまでの動作を説明する図である。図1は、本発明による第1実施例としての印刷システムがネットワークに接続されている様子を図示したものである。コンビニエンスストアなどの店舗にはレジなどの端末S1、及びプリンタS2を設置してあり、記事のコンテンツを提供するコンテンツ事業者はコンテンツサーバC1を運用しており、端末S1、プリンタS2、及びコンテンツサーバC1はインターネットやLAN(Local Area Network)などの公衆ネットワーク網N1に接続されている。端末S1及びプリンタS2を備えた店舗等は多数存在し、また、コンテンツ事業者も複数存在し得ることは明らかである。本実施例において、図1には図示していないが、印刷要求手段1は端末S1に内蔵又は接続されており、印刷制御手段2はプリンタS2に内蔵又は接続されている。
【0022】
図2は、図1に示される印刷要求手段1の構成模式図である。印刷要求手段1には、データ送受信手段11、記録媒体書き込み手段12、記憶手段13、リクエスト情報生成手段14及び入力手段15が備わっており、印刷要求手段1の記録媒体書き込み手段12は印刷制御手段2で印刷上必要とされる情報をメモリカード等の記録媒体3に書き込む。図3は、図1に示される印刷制御手段2の構成模式図である。印刷制御手段2にはデータ受信手段21、記録媒体読み取り手段22、印刷判定手段23、記憶手段24及び復号化手段25があり、印刷手段4は印刷制御手段2において復号化手段25と接続される。記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3から印刷制御手段2において必要とされる情報を読み取る。
【0023】
実施例1の印刷システムにおける印刷手順について、図4を用いて説明する。図4は本実施例の印刷システムにおける印刷手順の一例のシーケンスの説明図である。ユーザは、所望の雑誌又は雑誌の一部の記事を選択する(F101)。選択の方法として、例えば店舗に設置されているタッチパネル式の機器上でメニュー操作を行いながら、所望の雑誌及びその記事を示すボタンを押すなどして選択する。記事の選択の後、ユーザ又は該機器はリクエスト明細書を作成し、ユーザは店舗のレジなどに該リクエスト明細書を提示して料金を支払う(F102)。リクエスト明細書には、ユーザが所望する雑誌又は雑誌の一部の記事の番号(記事番号、この発明においてコンテンツを特定する特定情報を指す)が一覧表示される。店舗の端末S1で番号入力が行いやすいようにバーコード表示を行っても良い。該リクエスト明細書の一例を図5に示す。
【0024】
該リクエスト明細書を用いて、ユーザ又は店舗の店員が端末S1に記事番号の入力を行う(F301)。リクエスト情報には、記事番号のようにコンテンツサーバC1、印刷要求手段1及び印刷制御手段2にそれぞれ関連する情報が含まれる。即ち、記事番号の入力はバーコードリーダなどの入力手段15から行われ、リクエスト情報生成手段14は入力手段15から入力された記事番号、記憶手段13に予め記憶されている復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出して、リクエスト情報を生成する(F302)。該復号パスワード通知先としては、具体的には、印刷要求手段1を特定するためのIP(Internet Protocol
)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス及び電子メールアドレスなどである。また、該プリンタコードは、印刷制御手段2を特定するためのIPアドレス、MACアドレスなどである。
【0025】
リクエスト情報生成手段14で生成されたリクエスト情報は、データ送受信手段11を通じて電子メールなどの形式で公衆ネットワーク網N1に送信され、コンテンツサーバC1に送られる(F303)。コンテンツサーバC1は、リクエスト情報を受信し(F401)、リクエスト情報から記事番号、復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出す。コンテンツサーバC1は、暗号化印刷データを復号化するための復号化情報を復号パスワード通知先(印刷要求手段1)に公衆ネットワーク網N1を通じて送信する(F402)。復号化情報は、記事番号と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードとを含む。また、コンテンツサーバC1は、記事番号に対応する記事の印刷データを暗号化し、暗号化印刷データを作成する(F403)。暗号化印刷データは、記事番号をヘッダなどの付加情報として含む。
【0026】
F402でコンテンツサーバC1から送信された復号情報は、印刷要求手段1のデータ送受信手段11で受信される(F304)。データ送受信手段11が復号情報を受信すると、記録媒体書き込み手段12は、復号情報から記事番号及び復号パスワードを取り出し、記憶手段13からプリンタコードを読み出し、プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを含む印刷情報を作成し、記録媒体3に書き込む(F305)。印刷情報は、記事番号と復号パスワードを関連付けする形式で作成する。ユーザは、印刷情報が記録された記録媒体3を受け取り(F103)、プリンタS2の印刷制御手段2の記録媒体読み取り手段22に、スロットに差し込む、或いはケーブルで繋ぐなどの方法で接続し(F104)、記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3に記録されている印刷情報、即ち、プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出す(F202)。
【0027】
一方、コンテンツサーバC1は、F403で暗号化印刷データを作成した時点以降、任意の時点で暗号化印刷データを、プリンタコードを宛先として公衆ネットワーク網N1に送出する。コンテンツサーバC1が送信した暗号化印刷データは、プリンタS2の印刷制御手段2のデータ受信手段21で受信する。印刷判定手段23は記録媒体読み取り手段22で読み出した印刷情報からプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出し、また、記憶手段24に予め記憶している自プリンタコードを読み出す。
【0028】
印刷判定手段23は、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致しているかどうかを確認し(F203)、一致していれば暗号化印刷データにヘッダなどの付加情報として含まれる記事番号に対応する復号パスワードを、印刷情報の記事番号と復号パスワードの関連付けを元に得て、暗号化印刷データと共に復号化手段25に送る。復号化手段25は、復号パスワードを用いて暗号化印刷データを復号化し(F204)、復号化した印刷データを印刷手段4に送る。印刷手段4は、復号化された印刷データを印刷する(F205)。F203において、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードとが一致していなければ、復号化手段25には何も送らず、印刷を中止する(F206)。以上の処理により、ユーザは、所望の雑誌や記事を容易に入手することができる。
【0029】
このように、記事番号と復号パスワード通知先とプリンタコードを含むリクエスト情報を生成し、そのリクエスト情報をコンテンツサーバC1に送る。リクエスト情報を受信したコンテンツサーバC1は、記事番号と記事の暗号化印刷データを復号するための復号パスワードとを含む復号化情報を印刷要求手段1に送信し、復号化情報を得た印刷要求手段1は、自身の記憶手段13に記憶しているプリンタコードと共に、受信した記事番号と復号パスワードとを互いに関連付けた上で記録媒体3に記録する。そうした記録媒体3を印刷制御手段2に装着することで、記事番号と復号パスワードとは、公衆ネットワーク網N1を介さずに印刷制御手段2に入力することができる。一方、暗号化印刷データも公衆ネットワーク網N1を介して送信するのであるが、復号化情報とは一緒に送信せず、別の情報として送信することにより、記事などのコンテンツを安全にかつ確実に印刷制御手段2に送信し、印刷することができる。
【0030】
また、本実施例1では、図4のF403において暗号化印刷データを作成するとしたが、暗号化と共にデータ圧縮を行い、F204で復号化と共にデータ展開を行っても良い。また、本実施例1では、図4のF203において、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致していなければ、復号化手段25には何も送らず、印刷を中止するとしたが、プリンタコードが一致していない旨の文字や図形を印刷しても良い。
【0031】
実施例1では、ユーザは店舗の機器でリクエスト明細書を作成するとしたが、店舗や店舗を経営する事業者若しくはコンテンツ事業者がリクエスト明細書を作成するためのWebサイトを開設し、ユーザは店舗以外、例えば、自宅に所有しているコンピュータからWebアクセスし、Webサイトの機能によってリクエスト明細書を作成しても良い。
【0032】
実施例1では、コンテンツサーバC1がリクエスト情報を受信して、復号化情報を送信してから暗号化印刷データを生成するとしたが、暗号化印刷データの生成は、復号化情報を発信する前でも良いし、あるいは店舗に設置してあるリクエスト明細書を作成するための機器が公衆ネットワーク網N1に接続してあり、リクエスト明細書を作成した時点で機器が記事番号をコンテンツサーバC1に送信し、コンテンツサーバC1は端末S1からのリクエスト情報受信を待たずに暗号化印刷データを生成しても良い。
【0033】
本実施例1では、データ受信手段21が暗号化印刷データを受信してから、ユーザが記録媒体3を記録媒体読み取り手段22に接続するまでに時間制限を設けていないが、データ受信手段21が暗号化印刷データを受信してから、一定時間経過してもユーザが記録媒体3を記録媒体読み取り手段22に接続しなければ、それまでに受信した暗号化印刷データを破棄し、別の暗号化印刷データを受信しても良い。その際、該暗号化印刷データを破棄した旨をディスプレイに表示することができる。また、その旨の表示に代えて、店舗のレジに通知しても良い。
【0034】
実施例1では、店舗に1台のプリンタS2がある場合について説明したが、店舗に複数台のプリンタがあり、ユーザがどのプリンタに印刷出力するかを選択可能であり、リクエスト情報生成手段14は選択情報に基づいて該当するプリンタコードを記憶手段13から読み出してリクエスト情報を作成しても良い。
【0035】
また、実施例1では、記録媒体3がメモリカードの場合について説明したが、記録媒体3は店舗のレジで渡されるレシートのような紙媒体に例えばバーコード印刷したものでも良いし、磁気記録媒体でも良い。また、ユーザの料金の支払いと、印刷情報の書き込みを兼ねるために、プリペイドカードを記録媒体3として利用しても良い。また、印刷制御手段2において、印刷手段4で印刷が終了したら、記録媒体3に記録しているデータを消去するようにしても良い。
【0036】
更に、実施例1では、コンテンツサーバC1が暗号化印刷データを送信するタイミングは、プリンタS2の状態とは無関係であるが、プリンタS2の記録媒体読み取り手段22に記録媒体3が接続されたときに、印刷制御手段2からコンテンツサーバC1へ公衆ネットワーク網N1を介して送信要求情報を送り、該送信要求情報をコンテンツサーバC1が受信した時点から、暗号化印刷データを送信しても良い。この場合、印刷制御手段2において、データ受信手段21は送信機能を備えたデータ送受信手段に代わり、送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を新たに備えることができる。
【実施例2】
【0037】
次に、この発明による印刷システムの実施例2について説明する。
【0038】
実施例2が実施例1と異なるのは、プリンタS2に内蔵又は接続されている印刷制御手段2が紙詰まりや印刷不良、復号化エラーなどのエラーを検出する機能を備えている点である。図6は、本発明の実施例の印刷制御手段2の構成模式図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。図6が図3と異なる点は、データ受信手段21がデータ送受信手段26に置き換わり、印刷制御手段2が公衆ネットワーク網N1にデータを送信できるようになった点、及び、エラー検知手段27を新たに備えた点である。
【0039】
実施例2の印刷システムにおける印刷手順について、図7を用いて説明する。図7は、実施例2の印刷システムにおける印刷手順の一例のシーケンスの説明図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。実施例2において、F204で暗号化印刷データを復号する手順までは実施例1と同様である。暗号化印刷データを復号する際、何らかの理由で暗号化印刷データが不完全であるなど、復号化手段25にトラブルが発生した場合(F207)、エラー検知手段27はトラブルを検知し、記事番号を含む再送要求情報を作成する。再送要求情報は、データ送受信手段26によってコンテンツサーバC1を宛先として、公衆ネットワーク網N1に送出される(F210)。再送要求情報はコンテンツサーバC1で受信され(F405)、再び暗号化印刷データが送信される(F404)。以降、再び暗号化印刷データを復号するまでの手順は実施例1と同様である。
【0040】
F207において、復号化でトラブルが発生しなければ、実施例1と同様に印刷手段4で印刷が行われる。もし、印刷手段4において紙詰まりや印刷不良などの印刷トラブルが発生した場合(F208)、エラー検知手段27はトラブルを検知し、記事番号を含む再送要求情報を作成する。再送要求情報はデータ送受信手段26によってコンテンツサーバC1を宛先として、公衆ネットワーク網N1に送出される(F210)。再送要求情報はコンテンツサーバC1で受信され(F405)、再び暗号化印刷データが送信される(F404)。以降、再び印刷手段4で印刷を実行するまでの手順は同様である。F208で印刷トラブルが発生しなければ、実施例1と同様に印刷が実行される。以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0041】
次に、この発明による印刷システムの実施例3について説明する。
【0042】
実施例3において、ユーザが所望の記事を要求してから印刷が行われるまでの動作を図2、図8〜図10を用いて説明する。各図において、実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。図8は本発明の第3の実施例での印刷システムのネットワーク接続の様子を図示したものであり、コンビニエンスストアなどの店舗Aにはレジなどの端末S1が、また店舗Aとは異なる店舗BにはプリンタS2が設置されており、記事のコンテンツを提供するコンテンツ事業者はコンテンツサーバC1を運用しており、端末S1、プリンタS2及びコンテンツサーバC1は公衆ネットワーク網N1に接続されている。
【0043】
図8において、図1と異なる点は、端末S1とプリンタS2が別々の店舗に設置されている点である。即ち、図8に示す印刷システムは、ユーザが所望の記事を要求して料金を支払う店舗と、ユーザが実際に印刷物を受け取る店舗が異なっている。実施例3において、図8には図示していないが、印刷要求手段1は端末S1に内蔵又は接続されており、印刷制御手段2はプリンタS2に内蔵又は接続されている。図9は、実施例3の印刷制御手段2の構成模式図である。図9が図3と異なる点は、データ受信手段21がデータ送受信手段26に置き換わり、印刷制御手段2が公衆ネットワーク網N1にデータを送信できるようになった点、及び、送信要求情報生成手段28を新たに備えた点である。
【0044】
実施例3の印刷システムにおける印刷手順について、図10を用いて説明する。図10は実施例3の印刷システムにおける印刷手順の一例のフローチャートの説明図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。ユーザは、所望の雑誌又は雑誌の一部の記事を実施例1と同様に選択する(F101)。選択の後、ユーザ又は該機器はリクエスト明細書を作成し、ユーザは店舗のレジなどに該リクエスト明細書を提示して実施例1と同様に料金を支払う(F102)。リクエスト明細書を用いて、ユーザ又は店舗の店員が端末S1に記事番号の入力を実施例1と同様に行う(F301)。このとき、端末S1が設置してある店舗以外の店舗に設置しているプリンタS2で印刷物をユーザが受け取る場合、記事番号の入力とともに他店舗で印刷する旨の情報の入力も入力手段15から行われ、リクエスト情報生成手段14は入力手段15から入力された記事番号、記憶手段13に予め記憶されている復号パスワード通知先を読み出して、プリンタコードとともにリクエスト情報を生成する(F302)。このとき、プリンタコードは、印刷出力先未定を示すコードにする。リクエスト情報生成手段14で生成されたリクエスト情報は、データ送受信手段11を通じて電子メールなどの形式で公衆ネットワーク網N1に送信され、コンテンツサーバC1に送られる(F303)。
【0045】
コンテンツサーバC1は、リクエスト情報を受信し(F401)、リクエスト情報から記事番号、復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出す。コンテンツサーバC1は暗号化印刷データを復号化するための復号化情報を復号パスワード通知先に公衆ネットワーク網N1を通じて送信する(F402)。復号化情報は、記事番号と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを含む。F402でコンテンツサーバC1から送信された復号化情報は、印刷要求手段1のデータ送受信手段11で受信される(F304)。データ送受信手段11は復号情報を受信すると、記録媒体書き込み手段12が復号化情報から記事番号及び復号パスワードを取り出し、印刷出力先未定を示すプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを含む印刷情報を作成し、記録媒体3に書き込む(F305)。印刷情報は、記事番号と復号パスワードを関連付けする形式で作成される。
【0046】
ユーザは印刷情報が記録された記録媒体3を受け取り(F103)、店舗BのプリンタS2の印刷制御手段2の記録媒体読み取り手段22に、スロットに差し込む或いはケーブルで繋ぐなどの方法で接続する(F104)。記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3に記録されている印刷情報を読み出し(F202)、印刷出力先未定を示すプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出す。印刷判定手段23は、記録媒体読み取り手段22で読み出した印刷情報から印刷出力先未定を示す該プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出し、また、記憶手段24にあらかじめ記憶している自プリンタコードを読み出す。印刷判定手段23は、印刷情報から読み出した該プリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致しているかどうかを確認する(F203)。プリンタコードが印刷出力先未定を示すコードの場合、F203では一致しないので、プリンタコードがTBDコードかどうかを確認する(F211)。TBDコードは印刷出力先未定を示すコードである。一致していれば、印刷判定手段23は送信要求情報生成手段28に送信要求情報を生成するよう指示し、送信要求情報生成手段は記憶手段24から自プリンタコード、印刷情報から読み出した記事番号を含む送信要求情報を生成する(F212)。
【0047】
送信要求情報は、データ送受信手段26によりコンテンツサーバC1を宛先として公衆ネットワークN1に送信される(F213)。コンテンツサーバC1が送信要求情報を受信すると(F406)、送信要求情報に含まれる該記事番号に対応する暗号化印刷データを作成し(F403)、暗号化印刷データを該自プリンタコードに対応するプリンタS2を宛先として公衆ネットワーク網N1に送信する(F404)。プリンタS2のデータ送受信手段26は該暗号化印刷データを受信し(F201)、印刷判定手段23は暗号化印刷データから記事番号を読み出し、記事番号に対応する復号パスワードを、印刷情報の記事番号と復号パスワードの関連付けを元に得て、暗号化印刷データと共に復号化手段25に送る。復号化手段25は、該復号パスワードを用いて暗号化印刷データを復号化し(F204)、復号化した印刷データを印刷手段4に送る印刷手段4は復号化された印刷データを印刷する(F205)。以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明による印刷システムの実施例1におけるネットワーク接続の説明図。
【図2】図1に示す実施例1での印刷要求手段の構成模式図。
【図3】図1に示す実施例1での印刷制御手段の構成模式図。
【図4】図1に示す実施例1における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【図5】図1に示す実施例1でのリクエスト明細書の例。
【図6】この発明による印刷システムの実施例2における印刷制御手段の構成模式図。
【図7】図6に示す実施例2における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【図8】この発明による印刷システムの実施例3におけるネットワーク接続の説明図。
【図9】図8に示す実施例3での印刷制御手段の構成模式図。
【図10】図8に示す実施例3における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【符号の説明】
【0049】
S1 端末
S2 プリンタ
N1 公衆ネットワーク網
A,B 店舗
C1 コンテンツサーバ
N1 公衆ネットワーク網
1 印刷要求手段
2 印刷制御手段
3 記録媒体
4 印刷手段
11 データ送受信手段
12 記録媒体書き込み手段
13 記憶手段
14 リクエスト情報生成手段
15 入力手段
21 データ受信手段
22 記録媒体読み取り手段
23 印刷判定手段
24 記憶手段
25 復号化手段
26 データ送受信手段
27 エラー検知手段
28 送信要求情報生成手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザが所望の記事を印刷物として容易に入手可能な印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアや書店で販売されている新聞や雑誌、書籍は、既に印刷・製本されたものであり、冊単位で販売されている。しかしながら、ユーザが所望する記事がある雑誌のごく一部分である場合には、他の記事に興味がなくても、その雑誌を購入する必要がある。同様に、ユーザが所望する記事が複数の雑誌に掲載されていて情報収集のためにすべての雑誌に掲載されている記事を入手したい場合などには、ユーザはそれらの雑誌をすべて購入する必要がある。ユーザ側には、必要でない記事情報に対しても対価を支払わなければならないことへの納得感が得られにくい。
【0003】
これらの問題点を解決するには、ユーザが所望の記事や文書をリクエストし、リクエストに応じ印刷出力する技術が必要である。この技術に関して、特許文献1〜3記載の発明が提案されている。特許文献1では、必要なときに最寄のプリンタで、必要な文書のプリント出力を得ることができると共に、課金を適切に支払うことができるネットワーク印刷システムが提案されている。特許文献2では、ユーザが所有する携帯端末から、ネットワークのサーバ上に格納されたファイルのうち、所望のドキュメントをコンビニエンスストアなどに設置されているプリンタに印刷出力するネットワークプリントシステムが提案されている。また、特許文献3では、印刷用の電子データを一般企業やコンビニエンスストアなどで設置稼動しているネットワークプリンタを用いて印刷することで、プリンタを所有していない個人ユーザやプリンタが入手できない外出先からなどであっても、必要な印刷物を入手でき、ネットワークプリンタの所有者に対しては、利用料を支払うプリント出力サービス方法に関する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているネットワーク印刷システムでは、利用者に識別データが割り当てられるため、利用者がどんなドキュメントを所望しているかが追跡可能である。そのため、ネットワーク印刷システムでは、書店で書籍を購入する際には一般に確保されている匿名性が失われ、ひいてはプライバシーの侵害に問題が発展する可能性がある。また、特許文献2においても、ユーザの携帯端末から印刷要求を行うので、特許文献1と同様の問題点がある。また、特許文献3では、印刷出力先を利用者が選択する必要があり、例えばユーザの行動が予定と異なってしまった場合には、印刷出力先の変更や、新規のリクエストが必要になり、ユーザが容易に印刷物を入手できないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−32205号公報(段落[0073]〜[0085],図9〜図12)
【特許文献2】特開2002−278870号公報(段落[0011]〜[0020],図1)
【特許文献3】特開2003−67164号公報(段落[0013]〜[0016]、[0049],図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等のユーザ所望のコンテンツについてその印刷物や印刷データを入手可能にする印刷システムにおいて、ユーザが所望するコンテンツについての印刷要求と、そのコンテンツについての印刷データの印刷制御とを公衆ネットワーク網に対して区別し、印刷要求と印刷制御との間で印刷に必要な制御用のデータをユーザが移動させることで、印刷手段を備える販売店や公衆ネットワーク網上の第三者に対して、個人情報(プライバシー)の保護と印刷データの秘密保持性(セキュリティ)を確保する点で解決すべき課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等の所望のコンテンツの印刷物や印刷データを入手する際に、ユーザが個人としてどんなドキュメントを所望しているか等の個人情報を保護し、販売店側のみならず公衆ネットワーク網上の第三者が印刷データを無断で入手することを防止して秘密保持を確実にし、ユーザが安心して、確実に且つ容易にコンテンツを入手可能にする印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による印刷システムは、ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報を入力する入力手段、前記特定情報を含むリクエスト情報を生成するリクエスト情報生成手段、前記リクエスト情報を公衆ネットワーク網に接続されているコンテンツサーバに送り、また、前記コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを前記コンテンツサーバから受信するデータ送受信手段、及び前記復号パスワードと前記コンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報を記録媒体に記録する記録媒体書き込み手段を備える印刷要求手段と、前記記録媒体に記録された前記復号パスワードを読み出す記録媒体読み取り手段、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信するデータ受信手段、前記記録媒体に記録されている前記プリンタ識別情報により印刷の可否を判定する印刷判定手段、及び前記復号パスワードを用いて前記暗号化印刷データを復号化して前記印刷手段に送る復号化手段を備える印刷制御手段とを備え、前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段は、前記公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続していることを特徴としている。ここで、「公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続している」とは、公衆ネットワーク網に接続された別のコンピュータ等から見たときに、前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段が一対になっていることが判らないような状態のことを指し、例えば、異なるIPアドレスで接続されているような状態のことを言う。
【0008】
この印刷システムによれば、印刷要求手段においては、ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報が入力手段で入力されると、リクエスト情報生成手段によってその特定情報を含むコンテンツのリクエスト情報が生成される。そのリクエスト情報は、データ送受信手段によって公衆ネットワーク網を介してコンテンツサーバに送られる。データ送受信手段は、コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードをコンテンツサーバから受信する。復号パスワードとコンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報が記録媒体に記録される。印刷制御手段においては、記録媒体に記録された復号パスワードが記録媒体読み取り手段によって読み出される。コンテンツサーバから送信された暗号化印刷データは、データ受信手段によって受信され、記録媒体に記録されているプリンタ識別情報により印刷の可否が印刷判定手段によって判定される。復号化手段は、記録媒体に記録された復号パスワードを読み出して印刷データの復号化を行い、復号化された印刷データは印刷手段に送られて印刷される。暗号化印刷データを受信する側の印刷制御手段と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを受信する側の印刷要求手段とは互いに論理的に独立に公衆ネットワーク網に接続されており、且つ復号パスワードを公衆ネットワーク網から切り離された記録媒体の形態で印刷制御手段の暗号化印刷データの復号する部分に入力されるので、コンテンツを購入する個人の匿名性が維持され、且つ他人による個人情報の盗み取りが防止される。
【0009】
また、この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段が、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記記録媒体読み取り手段に前記記録媒体が接続されたことに応じて送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えている。この印刷システムによれば、プリンタの記録媒体読み取り手段に記録媒体が接続されたときに、そのことに応じて、印刷制御手段からコンテンツサーバへ公衆ネットワーク網を介して送信要求情報が送られ、送信要求情報をコンテンツサーバが受信した時点から、暗号化印刷データが送信される。
【0010】
また、この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段が、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの再送要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記復号化手段及び/又は前記印刷手段でエラーが生じたことを検知することに応じて前記再送要求情報を生成するエラー検知手段を追加して備えている。この印刷システムによれば、暗号化印刷データを復号する際、何らかの理由で暗号化印刷データが不完全であるなど、復号化手段にトラブルが発生した場合には、エラー検知手段はトラブルを検知し、暗号化印刷データの再送を求める再送要求情報を作成する。再送要求情報は、データ送受信手段によってコンテンツサーバを宛先として、公衆ネットワーク網を介して送出される。再送要求情報はコンテンツサーバで受信され、再び暗号化印刷データが送信される。以降、再び暗号化印刷データの復号化の動作は、上記の印刷システムと同様である。
【0011】
この発明による印刷システムは、前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とし、更に前記プリンタ識別情報が印刷出力先未定を示している場合、前記送信要求情報生成手段は前記印刷制御手段を前記公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成する。この印刷システムによれば、ユーザが所望のコンテンツを要求して料金を支払う店舗等の場所と、ユーザが実際に印刷物を受け取る店舗等の場所が異なっている場合には、コンテンツを要求する店舗では、その印刷要求手段がプリンタ識別情報において印刷出力先未定とし、印刷物を受け取る店舗では、送信要求情報生成手段がその印刷制御手段を公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成し、データ送受信手段が暗号化印刷データの送信要求情報を送信する。したがって、コンテンツサーバは、暗号化印刷データをユーザが印刷物を受け取る店舗に送信することができる。
【0012】
上記の印刷システムにおいて、前記記録媒体は不揮発性メモリカードであるとすることができる。記録媒体を不揮発性メモリカードとすることにより、記憶した内容の保持に電源が必要でないので、ユーザは、実際の印刷化時期が印刷要求時期の直後でなくても許容される時間まで、印刷に必要な内容を記憶したカードとして持ち歩くことがきる。
【0013】
上記の印刷システムにおいて、前記記録媒体は、前記復号パスワードを電子識別可能な文字及び/又は絵柄で印刷された紙とし、前記記録媒体読み取り手段は、前記電子識別可能な文字及び/又は絵柄を読み取るスキャナを備えることができる。記録媒体と記録媒体読み取り手段とをこのような形態とすることで、ユーザは、所望するコンテンツを店舗に知られることなく、また、店舗側は、スキャナで文字及び/又は絵柄を読み取ることで、読み取り作業が誤りなく且つ簡素化される。
【0014】
上記の印刷システムにおいて、前記暗号化印刷データは、前記コンテンツの印刷データを暗号化した上で圧縮を施され、前記復号手段によって解凍した上で復号されるか、又は、前記印刷データに圧縮を施した上で暗号化され、前記復号手段によって復号された上で解凍することができる。印刷データは圧縮することで伝送データ量を縮小化でき、また暗号化することで秘密保持性を維持することができる。圧縮・解凍と暗号・復号とは、いずれを優先させてもよい。
【0015】
上記の印刷システムにおいて、前記プリンタ識別情報は、IPアドレス、MACアドレス又はプリンタの製造番号であるとすることができる。プリンタ識別情報は、印刷させようとするプリンタを他の機器と区別できればよく、好ましくは、当該の各アドレス、又は番号とすることができる。
【0016】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷制御手段は、前記データ受信手段が前記暗号化印刷データを受信してから一定時間経過しても前記記録媒体が前記記録媒体読み取り手段に接続されないことに応答して、前記暗号化印刷データを破棄することができる。一定時間経過しても印刷出力されない印刷データについては、保存し続ける場合には他のユーザの迷惑にも成り得るので、ユーザとの間で得られた承諾の上、破棄することができる。
【0017】
上記の印刷システムにおいて、前記リクエスト情報生成手段は、ユーザが所望する印刷出力先情報に基づいて前記リクエスト情報を生成することができる。例えば、店舗に複数の印刷手段が備わっている場合には、ユーザがどの印刷手段でコンテンツを印刷するかを選択可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、ユーザは記事などのコンテンツを、プライバシーを侵害されないように安全にかつ確実に印刷でき、また、コンテンツ事業者も有益なコンテンツを安全にユーザだけに提供することができる。
【0019】
本発明によれば、ユーザが公衆ネットワーク網を介して記事印刷物等の所望のコンテンツの印刷物や印刷データを入手する際に、ユーザが個人としてどんなドキュメントを所望しているか等の個人情報は、印刷に必要な情報を記録媒体に記録してユーザに渡すことで店舗側に容易には判明しないように保護される。また、印刷要求のための情報と印刷制御のための情報を公衆ネットワーク網に対して論理的に独立させているので、暗号化された印刷データとその復号パスワードとが区別して送信され、公衆ネットワーク網上の第三者が印刷データを無断で入手することを防止して秘密保持を確実にし、ユーザが安心して、確実に且つ容易にコンテンツを入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明による印刷システムの実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜図5を参照して、この発明による印刷システムの第1の実施例を説明する。図1〜図5は、ユーザが所望の記事を要求してから印刷が行われるまでの動作を説明する図である。図1は、本発明による第1実施例としての印刷システムがネットワークに接続されている様子を図示したものである。コンビニエンスストアなどの店舗にはレジなどの端末S1、及びプリンタS2を設置してあり、記事のコンテンツを提供するコンテンツ事業者はコンテンツサーバC1を運用しており、端末S1、プリンタS2、及びコンテンツサーバC1はインターネットやLAN(Local Area Network)などの公衆ネットワーク網N1に接続されている。端末S1及びプリンタS2を備えた店舗等は多数存在し、また、コンテンツ事業者も複数存在し得ることは明らかである。本実施例において、図1には図示していないが、印刷要求手段1は端末S1に内蔵又は接続されており、印刷制御手段2はプリンタS2に内蔵又は接続されている。
【0022】
図2は、図1に示される印刷要求手段1の構成模式図である。印刷要求手段1には、データ送受信手段11、記録媒体書き込み手段12、記憶手段13、リクエスト情報生成手段14及び入力手段15が備わっており、印刷要求手段1の記録媒体書き込み手段12は印刷制御手段2で印刷上必要とされる情報をメモリカード等の記録媒体3に書き込む。図3は、図1に示される印刷制御手段2の構成模式図である。印刷制御手段2にはデータ受信手段21、記録媒体読み取り手段22、印刷判定手段23、記憶手段24及び復号化手段25があり、印刷手段4は印刷制御手段2において復号化手段25と接続される。記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3から印刷制御手段2において必要とされる情報を読み取る。
【0023】
実施例1の印刷システムにおける印刷手順について、図4を用いて説明する。図4は本実施例の印刷システムにおける印刷手順の一例のシーケンスの説明図である。ユーザは、所望の雑誌又は雑誌の一部の記事を選択する(F101)。選択の方法として、例えば店舗に設置されているタッチパネル式の機器上でメニュー操作を行いながら、所望の雑誌及びその記事を示すボタンを押すなどして選択する。記事の選択の後、ユーザ又は該機器はリクエスト明細書を作成し、ユーザは店舗のレジなどに該リクエスト明細書を提示して料金を支払う(F102)。リクエスト明細書には、ユーザが所望する雑誌又は雑誌の一部の記事の番号(記事番号、この発明においてコンテンツを特定する特定情報を指す)が一覧表示される。店舗の端末S1で番号入力が行いやすいようにバーコード表示を行っても良い。該リクエスト明細書の一例を図5に示す。
【0024】
該リクエスト明細書を用いて、ユーザ又は店舗の店員が端末S1に記事番号の入力を行う(F301)。リクエスト情報には、記事番号のようにコンテンツサーバC1、印刷要求手段1及び印刷制御手段2にそれぞれ関連する情報が含まれる。即ち、記事番号の入力はバーコードリーダなどの入力手段15から行われ、リクエスト情報生成手段14は入力手段15から入力された記事番号、記憶手段13に予め記憶されている復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出して、リクエスト情報を生成する(F302)。該復号パスワード通知先としては、具体的には、印刷要求手段1を特定するためのIP(Internet Protocol
)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス及び電子メールアドレスなどである。また、該プリンタコードは、印刷制御手段2を特定するためのIPアドレス、MACアドレスなどである。
【0025】
リクエスト情報生成手段14で生成されたリクエスト情報は、データ送受信手段11を通じて電子メールなどの形式で公衆ネットワーク網N1に送信され、コンテンツサーバC1に送られる(F303)。コンテンツサーバC1は、リクエスト情報を受信し(F401)、リクエスト情報から記事番号、復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出す。コンテンツサーバC1は、暗号化印刷データを復号化するための復号化情報を復号パスワード通知先(印刷要求手段1)に公衆ネットワーク網N1を通じて送信する(F402)。復号化情報は、記事番号と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードとを含む。また、コンテンツサーバC1は、記事番号に対応する記事の印刷データを暗号化し、暗号化印刷データを作成する(F403)。暗号化印刷データは、記事番号をヘッダなどの付加情報として含む。
【0026】
F402でコンテンツサーバC1から送信された復号情報は、印刷要求手段1のデータ送受信手段11で受信される(F304)。データ送受信手段11が復号情報を受信すると、記録媒体書き込み手段12は、復号情報から記事番号及び復号パスワードを取り出し、記憶手段13からプリンタコードを読み出し、プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを含む印刷情報を作成し、記録媒体3に書き込む(F305)。印刷情報は、記事番号と復号パスワードを関連付けする形式で作成する。ユーザは、印刷情報が記録された記録媒体3を受け取り(F103)、プリンタS2の印刷制御手段2の記録媒体読み取り手段22に、スロットに差し込む、或いはケーブルで繋ぐなどの方法で接続し(F104)、記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3に記録されている印刷情報、即ち、プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出す(F202)。
【0027】
一方、コンテンツサーバC1は、F403で暗号化印刷データを作成した時点以降、任意の時点で暗号化印刷データを、プリンタコードを宛先として公衆ネットワーク網N1に送出する。コンテンツサーバC1が送信した暗号化印刷データは、プリンタS2の印刷制御手段2のデータ受信手段21で受信する。印刷判定手段23は記録媒体読み取り手段22で読み出した印刷情報からプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出し、また、記憶手段24に予め記憶している自プリンタコードを読み出す。
【0028】
印刷判定手段23は、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致しているかどうかを確認し(F203)、一致していれば暗号化印刷データにヘッダなどの付加情報として含まれる記事番号に対応する復号パスワードを、印刷情報の記事番号と復号パスワードの関連付けを元に得て、暗号化印刷データと共に復号化手段25に送る。復号化手段25は、復号パスワードを用いて暗号化印刷データを復号化し(F204)、復号化した印刷データを印刷手段4に送る。印刷手段4は、復号化された印刷データを印刷する(F205)。F203において、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードとが一致していなければ、復号化手段25には何も送らず、印刷を中止する(F206)。以上の処理により、ユーザは、所望の雑誌や記事を容易に入手することができる。
【0029】
このように、記事番号と復号パスワード通知先とプリンタコードを含むリクエスト情報を生成し、そのリクエスト情報をコンテンツサーバC1に送る。リクエスト情報を受信したコンテンツサーバC1は、記事番号と記事の暗号化印刷データを復号するための復号パスワードとを含む復号化情報を印刷要求手段1に送信し、復号化情報を得た印刷要求手段1は、自身の記憶手段13に記憶しているプリンタコードと共に、受信した記事番号と復号パスワードとを互いに関連付けた上で記録媒体3に記録する。そうした記録媒体3を印刷制御手段2に装着することで、記事番号と復号パスワードとは、公衆ネットワーク網N1を介さずに印刷制御手段2に入力することができる。一方、暗号化印刷データも公衆ネットワーク網N1を介して送信するのであるが、復号化情報とは一緒に送信せず、別の情報として送信することにより、記事などのコンテンツを安全にかつ確実に印刷制御手段2に送信し、印刷することができる。
【0030】
また、本実施例1では、図4のF403において暗号化印刷データを作成するとしたが、暗号化と共にデータ圧縮を行い、F204で復号化と共にデータ展開を行っても良い。また、本実施例1では、図4のF203において、印刷情報から読み出したプリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致していなければ、復号化手段25には何も送らず、印刷を中止するとしたが、プリンタコードが一致していない旨の文字や図形を印刷しても良い。
【0031】
実施例1では、ユーザは店舗の機器でリクエスト明細書を作成するとしたが、店舗や店舗を経営する事業者若しくはコンテンツ事業者がリクエスト明細書を作成するためのWebサイトを開設し、ユーザは店舗以外、例えば、自宅に所有しているコンピュータからWebアクセスし、Webサイトの機能によってリクエスト明細書を作成しても良い。
【0032】
実施例1では、コンテンツサーバC1がリクエスト情報を受信して、復号化情報を送信してから暗号化印刷データを生成するとしたが、暗号化印刷データの生成は、復号化情報を発信する前でも良いし、あるいは店舗に設置してあるリクエスト明細書を作成するための機器が公衆ネットワーク網N1に接続してあり、リクエスト明細書を作成した時点で機器が記事番号をコンテンツサーバC1に送信し、コンテンツサーバC1は端末S1からのリクエスト情報受信を待たずに暗号化印刷データを生成しても良い。
【0033】
本実施例1では、データ受信手段21が暗号化印刷データを受信してから、ユーザが記録媒体3を記録媒体読み取り手段22に接続するまでに時間制限を設けていないが、データ受信手段21が暗号化印刷データを受信してから、一定時間経過してもユーザが記録媒体3を記録媒体読み取り手段22に接続しなければ、それまでに受信した暗号化印刷データを破棄し、別の暗号化印刷データを受信しても良い。その際、該暗号化印刷データを破棄した旨をディスプレイに表示することができる。また、その旨の表示に代えて、店舗のレジに通知しても良い。
【0034】
実施例1では、店舗に1台のプリンタS2がある場合について説明したが、店舗に複数台のプリンタがあり、ユーザがどのプリンタに印刷出力するかを選択可能であり、リクエスト情報生成手段14は選択情報に基づいて該当するプリンタコードを記憶手段13から読み出してリクエスト情報を作成しても良い。
【0035】
また、実施例1では、記録媒体3がメモリカードの場合について説明したが、記録媒体3は店舗のレジで渡されるレシートのような紙媒体に例えばバーコード印刷したものでも良いし、磁気記録媒体でも良い。また、ユーザの料金の支払いと、印刷情報の書き込みを兼ねるために、プリペイドカードを記録媒体3として利用しても良い。また、印刷制御手段2において、印刷手段4で印刷が終了したら、記録媒体3に記録しているデータを消去するようにしても良い。
【0036】
更に、実施例1では、コンテンツサーバC1が暗号化印刷データを送信するタイミングは、プリンタS2の状態とは無関係であるが、プリンタS2の記録媒体読み取り手段22に記録媒体3が接続されたときに、印刷制御手段2からコンテンツサーバC1へ公衆ネットワーク網N1を介して送信要求情報を送り、該送信要求情報をコンテンツサーバC1が受信した時点から、暗号化印刷データを送信しても良い。この場合、印刷制御手段2において、データ受信手段21は送信機能を備えたデータ送受信手段に代わり、送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を新たに備えることができる。
【実施例2】
【0037】
次に、この発明による印刷システムの実施例2について説明する。
【0038】
実施例2が実施例1と異なるのは、プリンタS2に内蔵又は接続されている印刷制御手段2が紙詰まりや印刷不良、復号化エラーなどのエラーを検出する機能を備えている点である。図6は、本発明の実施例の印刷制御手段2の構成模式図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。図6が図3と異なる点は、データ受信手段21がデータ送受信手段26に置き換わり、印刷制御手段2が公衆ネットワーク網N1にデータを送信できるようになった点、及び、エラー検知手段27を新たに備えた点である。
【0039】
実施例2の印刷システムにおける印刷手順について、図7を用いて説明する。図7は、実施例2の印刷システムにおける印刷手順の一例のシーケンスの説明図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。実施例2において、F204で暗号化印刷データを復号する手順までは実施例1と同様である。暗号化印刷データを復号する際、何らかの理由で暗号化印刷データが不完全であるなど、復号化手段25にトラブルが発生した場合(F207)、エラー検知手段27はトラブルを検知し、記事番号を含む再送要求情報を作成する。再送要求情報は、データ送受信手段26によってコンテンツサーバC1を宛先として、公衆ネットワーク網N1に送出される(F210)。再送要求情報はコンテンツサーバC1で受信され(F405)、再び暗号化印刷データが送信される(F404)。以降、再び暗号化印刷データを復号するまでの手順は実施例1と同様である。
【0040】
F207において、復号化でトラブルが発生しなければ、実施例1と同様に印刷手段4で印刷が行われる。もし、印刷手段4において紙詰まりや印刷不良などの印刷トラブルが発生した場合(F208)、エラー検知手段27はトラブルを検知し、記事番号を含む再送要求情報を作成する。再送要求情報はデータ送受信手段26によってコンテンツサーバC1を宛先として、公衆ネットワーク網N1に送出される(F210)。再送要求情報はコンテンツサーバC1で受信され(F405)、再び暗号化印刷データが送信される(F404)。以降、再び印刷手段4で印刷を実行するまでの手順は同様である。F208で印刷トラブルが発生しなければ、実施例1と同様に印刷が実行される。以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0041】
次に、この発明による印刷システムの実施例3について説明する。
【0042】
実施例3において、ユーザが所望の記事を要求してから印刷が行われるまでの動作を図2、図8〜図10を用いて説明する。各図において、実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。図8は本発明の第3の実施例での印刷システムのネットワーク接続の様子を図示したものであり、コンビニエンスストアなどの店舗Aにはレジなどの端末S1が、また店舗Aとは異なる店舗BにはプリンタS2が設置されており、記事のコンテンツを提供するコンテンツ事業者はコンテンツサーバC1を運用しており、端末S1、プリンタS2及びコンテンツサーバC1は公衆ネットワーク網N1に接続されている。
【0043】
図8において、図1と異なる点は、端末S1とプリンタS2が別々の店舗に設置されている点である。即ち、図8に示す印刷システムは、ユーザが所望の記事を要求して料金を支払う店舗と、ユーザが実際に印刷物を受け取る店舗が異なっている。実施例3において、図8には図示していないが、印刷要求手段1は端末S1に内蔵又は接続されており、印刷制御手段2はプリンタS2に内蔵又は接続されている。図9は、実施例3の印刷制御手段2の構成模式図である。図9が図3と異なる点は、データ受信手段21がデータ送受信手段26に置き換わり、印刷制御手段2が公衆ネットワーク網N1にデータを送信できるようになった点、及び、送信要求情報生成手段28を新たに備えた点である。
【0044】
実施例3の印刷システムにおける印刷手順について、図10を用いて説明する。図10は実施例3の印刷システムにおける印刷手順の一例のフローチャートの説明図である。実施例1と同様の機能を果たすものについては、同じ番号を付している。ユーザは、所望の雑誌又は雑誌の一部の記事を実施例1と同様に選択する(F101)。選択の後、ユーザ又は該機器はリクエスト明細書を作成し、ユーザは店舗のレジなどに該リクエスト明細書を提示して実施例1と同様に料金を支払う(F102)。リクエスト明細書を用いて、ユーザ又は店舗の店員が端末S1に記事番号の入力を実施例1と同様に行う(F301)。このとき、端末S1が設置してある店舗以外の店舗に設置しているプリンタS2で印刷物をユーザが受け取る場合、記事番号の入力とともに他店舗で印刷する旨の情報の入力も入力手段15から行われ、リクエスト情報生成手段14は入力手段15から入力された記事番号、記憶手段13に予め記憶されている復号パスワード通知先を読み出して、プリンタコードとともにリクエスト情報を生成する(F302)。このとき、プリンタコードは、印刷出力先未定を示すコードにする。リクエスト情報生成手段14で生成されたリクエスト情報は、データ送受信手段11を通じて電子メールなどの形式で公衆ネットワーク網N1に送信され、コンテンツサーバC1に送られる(F303)。
【0045】
コンテンツサーバC1は、リクエスト情報を受信し(F401)、リクエスト情報から記事番号、復号パスワード通知先及びプリンタコードを読み出す。コンテンツサーバC1は暗号化印刷データを復号化するための復号化情報を復号パスワード通知先に公衆ネットワーク網N1を通じて送信する(F402)。復号化情報は、記事番号と、暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを含む。F402でコンテンツサーバC1から送信された復号化情報は、印刷要求手段1のデータ送受信手段11で受信される(F304)。データ送受信手段11は復号情報を受信すると、記録媒体書き込み手段12が復号化情報から記事番号及び復号パスワードを取り出し、印刷出力先未定を示すプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを含む印刷情報を作成し、記録媒体3に書き込む(F305)。印刷情報は、記事番号と復号パスワードを関連付けする形式で作成される。
【0046】
ユーザは印刷情報が記録された記録媒体3を受け取り(F103)、店舗BのプリンタS2の印刷制御手段2の記録媒体読み取り手段22に、スロットに差し込む或いはケーブルで繋ぐなどの方法で接続する(F104)。記録媒体読み取り手段22は、記録媒体3に記録されている印刷情報を読み出し(F202)、印刷出力先未定を示すプリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出す。印刷判定手段23は、記録媒体読み取り手段22で読み出した印刷情報から印刷出力先未定を示す該プリンタコード、記事番号及び復号パスワードを読み出し、また、記憶手段24にあらかじめ記憶している自プリンタコードを読み出す。印刷判定手段23は、印刷情報から読み出した該プリンタコードと、記憶手段24から読み出した自プリンタコードが一致しているかどうかを確認する(F203)。プリンタコードが印刷出力先未定を示すコードの場合、F203では一致しないので、プリンタコードがTBDコードかどうかを確認する(F211)。TBDコードは印刷出力先未定を示すコードである。一致していれば、印刷判定手段23は送信要求情報生成手段28に送信要求情報を生成するよう指示し、送信要求情報生成手段は記憶手段24から自プリンタコード、印刷情報から読み出した記事番号を含む送信要求情報を生成する(F212)。
【0047】
送信要求情報は、データ送受信手段26によりコンテンツサーバC1を宛先として公衆ネットワークN1に送信される(F213)。コンテンツサーバC1が送信要求情報を受信すると(F406)、送信要求情報に含まれる該記事番号に対応する暗号化印刷データを作成し(F403)、暗号化印刷データを該自プリンタコードに対応するプリンタS2を宛先として公衆ネットワーク網N1に送信する(F404)。プリンタS2のデータ送受信手段26は該暗号化印刷データを受信し(F201)、印刷判定手段23は暗号化印刷データから記事番号を読み出し、記事番号に対応する復号パスワードを、印刷情報の記事番号と復号パスワードの関連付けを元に得て、暗号化印刷データと共に復号化手段25に送る。復号化手段25は、該復号パスワードを用いて暗号化印刷データを復号化し(F204)、復号化した印刷データを印刷手段4に送る印刷手段4は復号化された印刷データを印刷する(F205)。以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明による印刷システムの実施例1におけるネットワーク接続の説明図。
【図2】図1に示す実施例1での印刷要求手段の構成模式図。
【図3】図1に示す実施例1での印刷制御手段の構成模式図。
【図4】図1に示す実施例1における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【図5】図1に示す実施例1でのリクエスト明細書の例。
【図6】この発明による印刷システムの実施例2における印刷制御手段の構成模式図。
【図7】図6に示す実施例2における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【図8】この発明による印刷システムの実施例3におけるネットワーク接続の説明図。
【図9】図8に示す実施例3での印刷制御手段の構成模式図。
【図10】図8に示す実施例3における印刷手順の一例のフローチャートの説明図。
【符号の説明】
【0049】
S1 端末
S2 プリンタ
N1 公衆ネットワーク網
A,B 店舗
C1 コンテンツサーバ
N1 公衆ネットワーク網
1 印刷要求手段
2 印刷制御手段
3 記録媒体
4 印刷手段
11 データ送受信手段
12 記録媒体書き込み手段
13 記憶手段
14 リクエスト情報生成手段
15 入力手段
21 データ受信手段
22 記録媒体読み取り手段
23 印刷判定手段
24 記憶手段
25 復号化手段
26 データ送受信手段
27 エラー検知手段
28 送信要求情報生成手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報を入力する入力手段、前記特定情報を含むリクエスト情報を生成するリクエスト情報生成手段、前記リクエスト情報を公衆ネットワーク網に接続されているコンテンツサーバに送り、また、前記コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを前記コンテンツサーバから受信するデータ送受信手段、及び前記復号パスワードと前記コンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報を記録媒体に記録する記録媒体書き込み手段を備える印刷要求手段と、
前記記録媒体に記録された前記復号パスワードを読み出す記録媒体読み取り手段、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信するデータ受信手段、前記記録媒体に記録されている前記プリンタ識別情報により印刷の可否を判定する印刷判定手段、及び前記復号パスワードを用いて前記暗号化印刷データを復号化して前記印刷手段に送る復号化手段を備える印刷制御手段とを備え、
前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段は、前記公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続していることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記記録媒体読み取り手段に前記記録媒体が接続されたことに応じて送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの再送要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記復号化手段及び/又は前記印刷手段でエラーが生じたことを検知することに応じて前記再送要求情報を生成するエラー検知手段を追加して備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とし、更に前記プリンタ識別情報が印刷出力先未定を示している場合、前記送信要求情報生成手段は前記印刷制御手段を前記公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成することを特徴する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記記録媒体は不揮発性メモリカードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記記録媒体は、前記復号パスワードを電子識別可能な文字及び/又は絵柄で印刷された紙であり、
前記記録媒体読み取り手段は、前記電子識別可能な文字及び/又は絵柄を読み取るスキャナを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記暗号化印刷データは、前記コンテンツの印刷データを暗号化した上で圧縮を施され、前記復号手段によって解凍した上で復号されるか、又は、前記印刷データに圧縮を施した上で暗号化され、前記復号手段によって復号された上で解凍されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記プリンタ識別情報は、IPアドレス、MACアドレス又はプリンタの製造番号であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段が前記暗号化印刷データを受信してから一定時間経過しても前記記録媒体が前記記録媒体読み取り手段に接続されないことに応答して、前記暗号化印刷データを破棄することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記リクエスト情報生成手段は、ユーザが所望する印刷出力先情報に基づいて前記リクエスト情報を生成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項1】
ユーザが所望するコンテンツを特定する特定情報を入力する入力手段、前記特定情報を含むリクエスト情報を生成するリクエスト情報生成手段、前記リクエスト情報を公衆ネットワーク網に接続されているコンテンツサーバに送り、また、前記コンテンツの暗号化印刷データを復号するための復号パスワードを前記コンテンツサーバから受信するデータ送受信手段、及び前記復号パスワードと前記コンテンツを印刷する印刷手段のプリンタ識別情報を記録媒体に記録する記録媒体書き込み手段を備える印刷要求手段と、
前記記録媒体に記録された前記復号パスワードを読み出す記録媒体読み取り手段、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信するデータ受信手段、前記記録媒体に記録されている前記プリンタ識別情報により印刷の可否を判定する印刷判定手段、及び前記復号パスワードを用いて前記暗号化印刷データを復号化して前記印刷手段に送る復号化手段を備える印刷制御手段とを備え、
前記印刷要求手段及び前記印刷制御手段は、前記公衆ネットワーク網に論理的に互いに独立に接続していることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記記録媒体読み取り手段に前記記録媒体が接続されたことに応じて送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの再送要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記復号化手段及び/又は前記印刷手段でエラーが生じたことを検知することに応じて前記再送要求情報を生成するエラー検知手段を追加して備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段に代えて、前記コンテンツサーバから送信された前記暗号化印刷データを受信する機能と前記暗号化印刷データの送信要求情報を送信する機能を備えるデータ送受信手段を備えており、前記送信要求情報を生成する送信要求情報生成手段を追加して備えていることを特徴とし、更に前記プリンタ識別情報が印刷出力先未定を示している場合、前記送信要求情報生成手段は前記印刷制御手段を前記公衆ネットワーク網内で一意に特定する情報を含む送信要求情報を生成することを特徴する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記記録媒体は不揮発性メモリカードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記記録媒体は、前記復号パスワードを電子識別可能な文字及び/又は絵柄で印刷された紙であり、
前記記録媒体読み取り手段は、前記電子識別可能な文字及び/又は絵柄を読み取るスキャナを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記暗号化印刷データは、前記コンテンツの印刷データを暗号化した上で圧縮を施され、前記復号手段によって解凍した上で復号されるか、又は、前記印刷データに圧縮を施した上で暗号化され、前記復号手段によって復号された上で解凍されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記プリンタ識別情報は、IPアドレス、MACアドレス又はプリンタの製造番号であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、前記データ受信手段が前記暗号化印刷データを受信してから一定時間経過しても前記記録媒体が前記記録媒体読み取り手段に接続されないことに応答して、前記暗号化印刷データを破棄することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記リクエスト情報生成手段は、ユーザが所望する印刷出力先情報に基づいて前記リクエスト情報を生成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−146838(P2006−146838A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339780(P2004−339780)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】
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