説明

印刷装置および印刷システム

【課題】積み上げられた中から目的の印刷物を探す手掛かりとなる図柄を印刷物の端辺に印刷することのできる印刷装置および印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷対象のデータにそのデータに基づいて印刷される印刷物に係る所定の属性情報(たとえば、優先度や作業の締め切り日)が設定されている場合に、その属性情報の内容に対応する付加態様で記録紙の端辺部にタブを印刷付加する。積み上げられた各印刷物61〜65において、第1領域53ではタブ41の種類により重要度や優先度を示し、第2領域54では1ヶ月の日付ゲージ55上でのタブ42の位置により印刷物の発行日や締め切り日を表わす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙の端辺部に図柄を付加して印刷する印刷装置および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数ジョブに係る印刷物が排紙トレイに積み重なっている場合でも、一目でジョブ毎の境界を認識することができるように、各印刷用紙の縁に所定の図柄(たとえば、矩形のタブ)をジョブ毎に順に位置をずらして印刷付加する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−118221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕事の資料などの印刷物は、その印刷物に係る作業に取り掛かるまでの間、机の端などに積み上げられている場合がある。このような場合にその積み上げられた複数の印刷物の中から優先度の高いものや、期限の迫っているものを見つけ出すためには、各印刷物を少し読むなどして印刷物の内容を理解して判断しなければならず、時間と手間を要していた。
【0005】
特許文献1に開示されているように、印刷用紙の縁に所定の図柄がジョブ毎に順に位置をずらして印刷される場合には、積み上げられている印刷物のジョブの境界を図柄の相対位置から認識できるが、この図柄はジョブの境界を示すだけなので、どのジョブの印刷物を優先的に処理すべきか等の判断の助けにはならない。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、積み上げられた中から目的の印刷物を探し出す手掛かりとなる図柄を印刷物の端辺に印刷することのできる印刷装置および印刷システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0008】
[1]印刷対象のデータにそのデータに基づいて印刷される印刷物に係る所定の属性情報が設定されている場合に、前記属性情報の内容に対応する、記録紙の端辺部への図柄の付加態様を導出する付加態様導出部と、
前記データに係る印刷物を、前記付加態様導出部で導出された前記付加態様に従って記録紙の端辺部に図柄を付加して印刷する印刷部と、
を有する
ことを特徴とする印刷装置。
【0009】
上記発明では、印刷対象のデータを印刷する際に、そのデータに所定の属性情報が設定されているか否かを調べ、設定されている場合は、その属性情報の内容を表わした図柄の付加態様を求め、該付加態様に従って記録紙の端辺部に図柄を印刷付加することが行われる。端辺部への図柄の付加態様がその図柄の示す属性情報の内容に対応しているので、属性情報の内容を文字列によって示す場合に比べて、ユーザは、表示されている属性情報の内容をすばやく・直感的に認識することができる。また、端辺部に印刷するので、複数の印刷物が積み上げられた場合でも、積み上げられた状態のまま、あるいは少しずつ位置をずらすだけで、各印刷物の属性を認識することができる。図柄の付加対象となる属性情報は、印刷物の優先度、重要度、発行日、締め切り日、印刷物の種類、発行者など、印刷物に係る属性であれば任意に設定してよい。
【0010】
[2]前記属性情報は、優先度情報と日付情報の少なくとも一方である
ことを特徴とする[1]に記載の印刷装置。
【0011】
上記発明では、端辺部の図柄により、印刷物の優先度、あるいは印刷物の発行日や作業の締め切り日、会議開催日などの所定の事項に関する日付が表示される。
【0012】
[3]前記属性情報の設定を受ける設定部をさらに有する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の印刷装置。
【0013】
上記発明では、ユーザは、印刷物の端辺部に付加する図柄によって表示させる属性情報の内容を、設定部を通じて設定することができる。
【0014】
[4]前記付加態様は、図柄の種類を含む
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0015】
上記発明では、図柄の種類によって属性情報の内容が表示される。図柄の種類は、色、模様、形状のうちの少なくとも1つの要素を相違させることによって設けられる。
【0016】
[5]前記付加態様は、端辺部に付加する図柄の位置を含む
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0017】
上記発明では、端辺部内での図柄の位置によってその図柄が示す内容が相違する。たとえば、端辺部に所定の数値範囲を示すゲージを設定し、図柄に表示させる数値に対応するゲージ上の位置にその図柄を印刷付加する。ゲージが表わす数値は、日付、時刻のほか、印刷部の重要度や優先度レベル、ジョブ番号など、取り得る範囲が定められているものであれば任意でかまわない。
【0018】
[6]印刷データに、その印刷データに基づいて印刷される印刷物に係る所定の属性情報を設定する設定部と、
印刷データに前記属性情報が設定されている場合に、その属性情報の内容に対応する、記録紙の端辺部への図柄の付加態様を導出する付加態様導出部と、
所定の印刷装置に、前記印刷データに係る印刷物を、前記付加態様導出部で導出された前記付加態様に従って記録紙の端辺部に図柄を付加して印刷させる印刷制御部と
を有する
ことを特徴とする印刷システム。
【0019】
上記発明では、設定部において印刷データに属性情報を設定すると、その印刷データを印刷する際に、その設定された属性情報の内容を示す付加態様で図柄が記録紙の端辺部に印刷付加される。端辺部への図柄の付加態様がその図柄の示す属性情報の内容に対応しているので、属性情報の内容を文字列によって示す場合に比べて、ユーザは、表示されている属性情報の内容をすばやく・直感的に認識することができる。また、端辺部に印刷するので、複数の印刷物が積み上げられた場合でも、積み上げられた状態のまま、あるいは少しずつ位置をずらすだけで、各印刷物の属性を認識することができる。図柄の付加対象となる属性情報は、印刷物の優先度、重要度、発行日、締め切り日、印刷物の種類、発行者など、印刷物に係る属性であれば任意に設定してよい。印刷システムは、設定部、付加態様導出部、印刷制御部は具備すればよく、それらを1つの装置に収めてもよいし、複数の装置にどのように分けて配してもかまわない。また実際に印刷を行う印刷部は印刷システムの外部にあっても内部にあってもかまわない。
【0020】
[7]前記属性情報は、優先度情報と日付情報の少なくとも一方である
ことを特徴とする[6]に記載の印刷システム。
【0021】
上記発明では、端辺部の図柄により、印刷物の優先度、あるいは印刷物の発行日や作業の締め切り日、会議開催日などの日付が表示される。
【0022】
[8]前記付加態様は、図柄の種類を含む
ことを特徴とする[6]または[7]に記載の印刷システム。
【0023】
上記発明では、図柄の種類によって属性情報の内容が表示される。図柄の種類は、色、模様、形状のうちの少なくとも1つの要素を相違させることによって設けられる。
【0024】
[9]前記付加態様は、端辺部に付加する図柄の位置を含む
ことを特徴とする[6]乃至[8]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0025】
上記発明では、端辺部内での図柄の位置によってその図柄が示す内容が相違する。たとえば、端辺部に所定の数値範囲を示すゲージを設定し、図柄に表示させる数値に対応するゲージ上の位置にその図柄を印刷付加する。ゲージが表わす数値は、日付、時刻のほか、印刷部の重要度や優先度レベル、ジョブ番号などとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の印刷装置および印刷システムによれば、目的の印刷物を探す手掛かりに成り得る図柄を記録紙の端辺部に印刷することができるので、積み上げられた複数の印刷物の中からそれらの図柄を手掛かりにして、たとえば、優先度の高い印刷物や期限の近い印刷物を容易に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システムのシステム構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る印刷システムの複合機によってタブが印刷された印刷物の端辺部を例示した説明図である。
【図3】机の端などに複数の印刷物が積み上げられている状態を例示した説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る印刷システムの複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図5】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】タブの基本付加情報を設定する際に複合機の操作表示部に表示される第1の管理者設定画面を示す正面図である。
【図7】タブの基本付加情報を設定する際に複合機の操作表示部に表示される第2の管理者設定画面を示す正面図である。
【図8】対向タブ・ゲージ反転の設定で「反転しない」、「反転する」を選択した場合の印刷態様をそれぞれ示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る印刷システムの複合機の操作表示部に表示されるタブ付加情報設定画面の一例を示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る印刷システムの複合機が行うコピー動作を示す流れ図である。
【図11】付加態様情報の一例を示す説明図である。
【図12】タブ付加の関連情報から付加態様情報を生成する処理(図10のステップS105)の詳細を示す流れ図である。
【図13】第1領域の領域サイズaと第2領域の領域サイズbとの関係を示す説明図である。
【図14】端末装置にインストールされているドライバが端末装置の表示装置に表示する表示タブ付加設定の一例を示す正面図である。
【図15】複合機へ印刷指示する際に端末装置のドライバが行う処理を示す流れ図である。
【図16】端末装置から印刷指示を受けた複合機が行う動作を示す流れ図である。
【図17】端末装置が印刷指示を含む電子メールを送信する際に行う処理を示す流れ図である。
【図18】電子メールのヘッダで使用される識別コードの一覧を示す説明図である。
【図19】図17のステップS302にて作成されるヘッダの一例を示す説明図である。
【図20】端末装置から電子メールによる印刷指示を受けた複合機が行う動作を示す流れ図である。
【図21】第1端末装置の表示装置に表示されるタブ付加確認画面の一例を示す正面図である。
【図22】タブと共にタブの説明文やゲージが印刷された専用表紙の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システム2のシステム構成例を示している。印刷システム2は、印刷装置としての機能を備えた複合機10と、この複合機10に対してプリント指示を出力したり印刷対象のデータを含む電子メールを送信したりする機能を備えた端末装置30と、電子メールを中継するメールサーバ4とをネットワーク等の通信路5を通じて通信可能に接続して構成される。
【0030】
複合機10は、原稿画像を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へ送信したりするスキャン機能、端末装置30などから受信した印刷ジョブに係る画像を記録紙上に形成して印刷出力する印刷機能、受信した電子メールの本文あるいは添付ファイルを印刷出力するメール印刷機能などを備えた装置である。
【0031】
印刷システム2では、複合機10に対して印刷を指示する経路として、
P1:複合機10の操作表示部16からコピー等の印刷指示を行う
P2:第1端末装置30aから複合機10へ印刷指示を行う、
P3:第2端末装置30bからメールサーバ4を介して第1端末装置30aに電子メールを送信し、これを受信した第1端末装置30aからその電子メールに係る印刷指示を複合機10に対して行う、
P4:第2端末装置30bからメールサーバ4を介して複合機10へ送信した電子メールによって印刷指示を行う、
などがある。P3、P4の経路での印刷対象は、添付ファイルと電子メールの本文があり、添付ファイルについては、たとえば、TIFF画像やPDF画像などがある。
【0032】
複合機10は、P1〜P4のいずれかの経路で印刷を行う際に、記録紙の端辺部に、印刷物の優先度や印刷物に係る処理の締め切り日といった該印刷物に係る所定の属性情報を表わす図柄(以下、タブと呼ぶ。)を合成して印刷する機能を備えている。
【0033】
図2は、複合機10によって記録紙51の端辺部にタブが印刷された印刷物を例示している。タブ40は、記録紙51の縁をなす4辺のうち、タブ付加位置に指定された辺に係る端辺部に印刷される。端辺部とは辺(縁)に沿う幅5mm〜1cm程度の帯状領域である。タブ付加位置は、記録紙51の四辺のうちのいずれか1つまたは複数の辺の端辺部52に設定することができる。タブ付加位置に指定された端辺部52は、当該印刷物の重要度や優先度を示すタブ41の配置領域となる第1領域53と、当該印刷物の締め切り日や発行日などを示す日付タブ42の配置領域となる第2領域54に区分されている。
【0034】
第1領域53に配置される重要度や優先度を示すタブ41は、色、模様、形状の違い(タブの種類)によって重要度や優先度のレベル(「高」、「中」、「低」など)を表わす。図2の一覧表Aには、色の違いで重要度を示すタブとサイズの違いで重要度を示すタブを例示してある。重要度や優先度が「低」であることを、タブを印刷しないことによって表わすようにされてもよい。
【0035】
日付タブ42は、第1領域53内での位置によって日付を示す。すなわち、第2領域54には、その一端から他端までの間を予め定めた期間に対応させたゲージ55が設定されており、第2領域54内での日付タブ42の位置とゲージ55の示す期間とからその日付タブ42の表わす日付を認識できるようになっている。図2のゲージ55は表示可能な期間を1ヶ月としたものであり、第2領域54のうち第1領域53側の端部は「1日」を、他端部は月末を示している。ゲージ55は、1ヶ月を期間とするものに限定されず、たとえば、1日、1週間など任意に設定することができる。なお、ゲージ55を1日の期間を示すものにする場合には、日付タブ42はその位置によって1日の中の時刻を示すことになる。なお、ゲージ55は端辺部52に印刷されない。
【0036】
日付タブ42においても色、形状、模様などの異なる複数種類のタブを用意し、その種類によってタブが表わす日付の種類を異ならせるようにしてもよい。たとえば、印刷物の発行日を示すタブ、処理の締め切り日を示すタブ、会議開催日を示すタブといった複数種類のタブを設けることができる。
【0037】
図3は、机の端などに複数の印刷物61〜65が積み上げられている場合を例示している。重ねられた各印刷物61〜65の先頭ページの端辺部(下端またはその他の端辺部)には、優先度を示すタブ41、文書発行日を示すタブ42a、処理締め切り日を示すタブ42bなどが印刷されている。また、印刷物65は会議のレジメや開催案内等であり、該印刷物65には会議開催日を示すタブ42cが付加されている。
【0038】
ユーザは、積み重ねられたこれらの印刷物(書類)の端辺部に印刷されているタブの色や形状、位置を見ることで、各印刷物の優先度や締め切り日を認識して対比することができるので、すぐに処理に取りかかるべき書類を一目で見つけ出すことができる。図3の例では、下から2番目の印刷物64が優先度「高」でかつ締切日が一番早いことを印刷付加されているタブから認識することができる。
【0039】
図4は、複合機10の概略構成を示している。複合機10は、当該複合機10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11にバス12を介して、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発メモリ15と、操作表示部16と、認証部17と、ネットワーク通信部18と、画像処理部19と、スキャナ部21と、プリンタ部22と、大容量かつ不揮発の記憶装置としてのハードディスク装置23を接続して構成される。
【0040】
ROM13には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することにより複合機10としての各機能が実現される。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリ、送受信に係るデータを一時的に保存する通信バッファなどとして使用されるランダム・アクセス・メモリである。
【0041】
不揮発メモリ15は、電源をオフしてもその記憶内容が保持される書き換え可能なメモリである。不揮発メモリ15には、ユーザ情報、ユーザの認証情報、部門管理情報、装置情報、システム情報のほか、タブの付加に関して管理者等によって設定された情報である基本付加情報などが記憶される。
【0042】
操作表示部16は液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などの表示装置と、表示装置の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルやテンキー、スタートボタンなどの各種操作スイッチで構成されており、各種の操作画面や設定画面、案内画面、警告の表示、およびユーザから各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作表示部16を通じて管理者等からタブの付加に関する基本付加情報の設定操作を受ける。また操作表示部16は、コピー動作にてタブを付加する場合に、そのタブ付加に関する設定操作をユーザから受け付ける機能を果たす。
【0043】
認証部17は、近くに居るユーザが所持する個人認証用無線カードと交信して該カードからユーザ情報を読み出すことによってユーザ認証を行う。ユーザ認証の方法はこれに限らない。たとえば、操作表示部16からユーザIDとパスワードの入力を受け、これらを予め登録されているユーザ認証情報と照合することでユーザ認証を行うようにされてもよい。
【0044】
ネットワーク通信部18は、LANなどのネットワークを介して端末装置30や他の複合機10などの外部装置と通信して印刷データや電子メール、その他各種のデータや情報を送受信する機能を果たす。
【0045】
画像処理部19は、端末装置30から受信した印刷データをイメージデータ(ビットマップデータ)に変換するラスタライズ処理、指定された種類のタブの画像を、記録紙端辺部内の指定された位置に合成する機能、画像データの圧縮処理や伸張処理、画像の回転処理などを行う機能を備えている。
【0046】
スキャナ部21は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部21は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0047】
プリンタ部22は、画像データに応じた画像を記録紙に印刷する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。他の方式のプリンタであっても構わない。
【0048】
ハードディスク装置23には、印刷データあるいは印刷データをラスタライズして得たイメージデータ、複合機10の動作に関するログ情報などが記憶される。
【0049】
図5は、端末装置30の概略構成を示している。端末装置30は、汎用のPC(Personal Computer)に所定のプログラムをインストールして構成される。端末装置30は、CPU31にバス32を介して、ROM33と、RAM34と、ネットワークI/F部35と、不揮発メモリ36と、操作部37と、表示装置38と、ハードディスク装置39などを接続して構成される。
【0050】
ROM33には、CPU31によって実行される起動プログラムや各種の固定データが記憶されている。不揮発メモリ36には、当該端末装置30を使用するユーザのユーザ情報やユーザID、ユーザの認証情報、他の端末装置30や複合機10のアドレス情報などが記憶される。
【0051】
また、ハードディスク装置39には、電子メールの送受信を管理するメーラや各種のファイルを開くための各種のアプリケーションや複合機10のドライバなどのプログラムが記憶されている。ドライバやアプリケーションなどのプログラムは実行時にはハードディスク装置39から読み出されRAM34に展開され、CPU31はRAM34上に展開されたそれらのプログラムを実行する。
【0052】
操作部37は、キーボード、マウス(ポインティングデバイス)などで構成され、ユーザや管理者からタブの付加に関する設定操作を含む各種の操作を受け付ける。表示装置38は、液晶ディスプレイなどで構成され、ドライバやアプリケーションなどのプログラムによって作成された表示データに従って操作画面、設定画面、警告画面など各種画面を表示する機能を果たす。ネットワークI/F部35はLANなどのネットワークを通じて複合機10やメールサーバ4、他の端末装置30などと各種のデータを送受信する機能を果たす。
【0053】
次に、タブの付加に係る基本付加情報の設定について説明する。基本付加情報には、優先度、重要度、発行日、締め切り日、提出期限など各属性項目に係るタブをそれぞれ印字するか否かの設定、タブ付加位置の設定、対向タブ・ゲージ反転の設定、専用表紙追加の設定、ゲージの設定などがある。
【0054】
図6は、タブの基本付加情報を設定する際に複合機10の操作表示部16に表示される第1の管理者設定画面70を示している。第1の管理者設定画面70では、優先度、重要度、発行日、締め切り日、提出期限の各属性項目に係るタブをそれぞれ印字するか否かを設定する。各属性項目に対応する操作釦71を押下する毎に、印字する・しないを交互に切り替えることができる。印字する場合は「印字する」とし、印字しない場合は、「印字しない」と設定する。
【0055】
図7は、タブの基本付加情報を設定する際に複合機10の操作表示部16に表示される第2の管理者設定画面74を示している。第2の管理者設定画面74では、タブ付加位置の設定と、対向タブ・ゲージ反転の設定と、専用表紙追加の設定を行うことができる。
【0056】
タブ付加位置の設定では、記録紙の四辺の各端辺部に対応して設けられた上、下、左、右の操作釦75の中からタブを印刷する1または複数の端辺部に対応する操作釦75を押下して選択(図では、選択状態を斜線で表示している)すると、その操作釦75の示す端辺部がタブの印刷される端辺部(タブ付加位置)に選択設定される。
【0057】
対向タブ・ゲージ反転の設定では、上と下、左と右など対向する2つの端辺部をタブ付加位置に選択した場合に、それら対向する端辺部に印刷されるゲージ55の向きを揃えるか逆向きにするかを設定する。操作釦76aを押下する毎に「反転する」「反転しない」が切り替わる。ゲージ反転の有無は、タブの印字位置を決める基準を、向かって左右線対称にするか、点対称にするかの設定であり、図8(a)は「反転しない」を選択した場合、図8(b)は「反転する」を選択した場合の印刷態様をそれぞれ示している。
【0058】
図7の第2の管理者設定画面74にある専用表紙追加の設定は、タブを印刷するために専用の表紙を追加するか否かの設定であり、操作釦76bの押下毎に「追加する」、「追加しない」に交互に切り替わる。
【0059】
このほか、基本付加情報の1つであるゲージ55が示す期間をいかなる期間、たとえば、1ヶ月、1週間、1日に設定するかは、図示省略の管理者設定画面で行うことができるようになっている。なお、基本付加情報は、複合機10単位で設定するほか、ユーザ毎に設定できるように構成されてもよい。
【0060】
次に、印刷システム2において記録紙の端辺部にタブを付加して印刷する場合の動作を各種ケースについて説明する。
【0061】
<コピー等の場合(図1:P1のケース)>
複合機10の操作表示部16からの指示に基づいて印刷が実行されるコピージョブなどの場合、その印刷物に係る優先度や締め切り日などの属性情報(以後、このような属性情報をタブ付加情報とも呼ぶ。)の設定は、複合機10の操作表示部16を通じてユーザから受け付けるようになっている。
【0062】
図9は、コピージョブにおいて、ユーザからタブ付加情報の設定を受け付けるタブ付加情報設定画面80の一例を示している。タブ付加情報設定画面80では、コピージョブによって印刷出力される印刷物に係る優先度と、該印刷物の発行日と締め切り日の設定をユーザから受け付ける。タブ付加情報設定画面80には、第1の管理者設定画面70において「印刷する」に設定された属性項目に対応する設定欄が有効表示される。
【0063】
図10は、複合機10がコピージョブを行う場合の処理の流れを示している。複合機10のCPU11は、操作表示部16を通じて、用紙サイズ、濃度などの設定のほか各種の応用機能の設定操作を受け付ける(ステップS101)。タブの付加は応用機能の1つにされている。CPU11は、コピージョブに関する各種設定を受けた後、原稿がセットされた状態でコピーの開始釦の操作を受けると(ステップS102)、スキャナ部21にて原稿を順次読み取ってその画像データをハードディスク装置23に保存する。
【0064】
保存した画像データをプリンタ部22で印刷出力する段階になると、CPU11は、応用機能の中のタブ付加機能が有効に設定されていたか否かを調べ、タブ付加機能が有効の場合は(ステップS103;Yes)、タブの付加に関連する各種の情報を収集する(ステップS104)。ここでは、第1、第2の管理者設定画面70、74等を通じて設定されている基本付加情報、タブ付加情報設定画面80にて設定されたタブ付加情報、記録紙のサイズなどの情報を収集する。
【0065】
次に、これら収集した関連情報に基づいて、端辺部に付加するタブの種類および位置を示す付加態様情報を生成する(ステップS105)。図11は、付加態様情報82の一例を示している。付加態様情報82は、たとえば、付加するすべてのタブについて、そのタブの種類と付加位置を示す情報とを対応付けてリスト表示した構成になっている。付加位置は、たとえば、タブの左上端が配置される位置を示しており、記録紙の左上などを原点とした座標で表わされる。
【0066】
続いて複合機10のCPU11は、この付加態様情報に従って、タブ付加画像を生成する(ステップS106)。タブ付加画像は、付加態様情報が示す各タブの画像を、付加態様情報が示す付加位置に配置したイメージデータである。
【0067】
次に、基本設定情報の中の「専用表紙追加」に関する情報を調べ、専用表紙を「追加しない」に設定されている場合は(ステップS107;No)、スキャナ部21で読み取って得た文書(原稿)1ページ目の画像データにステップS106で生成したタブ付加画像を合成し(ステップS108)、この1ページ目の画像および後続するページの画像を順次印刷出力して(ステップS110)処理を終了する(END)。
【0068】
一方、専用表紙を「追加する」に設定されている場合は(ステップS107;Yes)、ステップS106にて生成したタブ付加画像をスキャナ部21で原稿を読み取って得た画像データの前に文書の1ページ目として挿入し(ステップS109)、この1ページ目(追加した表紙)の画像および後続するページ(スキャナ部21で読み取って得た各ページ)の画像を順次印刷出力して(ステップS110)処理を終了する(END)。
【0069】
図12は、タブ付加の関連情報から付加態様情報を生成する処理(図10のステップS105)の詳細を示している。まず、基本付加情報において「印刷する」に設定されている属性項目毎に、印刷するタブの種類を決定する(ステップS121)。たとえば、優先度の属性項目が「印刷する」に設定されている場合、タブ付加情報を参照して、設定されている優先度のレベル(高、中、低)を調べ、該優先度レベルに対応した種類のタブを、優先度表示用のタブに決定して、付加態様情報82の「タブの種類」の欄83に新規登録する。また、締め切り日の属性項目が「印刷する」に設定されている場合、締め切り日に対応する種類のタブを印刷対象のタブの1つに決定し、これを付加態様情報82の「タブの種類」の欄83に追加登録する。
【0070】
続いて、タブを印刷する属性項目のそれぞれに印刷の領域を割り当てる(ステップS122)。ここでは、図13に示すように、重要度や優先度のタブが印刷される第1領域53の辺方向の長さを示す領域サイズaと、発行日や締め切り日など日付等を示すタブが印刷される第2領域54の辺方向の長さを示す領域サイズbを決定する。
【0071】
タブを印刷する領域の全体サイズはLに別途決定されており、このLを領域サイズaと領域サイズbに、たとえば1:3の比率で分けるようになっている。優先度と重要度のいずれのタブも「印刷しない」に設定されている場合には第1領域53は不要になるので、領域サイズa=0とし、領域サイズbが全体サイズLに拡張される。
【0072】
全体サイズLは次のようにして決定される。当該端辺部に垂直な方向の他の端辺部がタブ付加位置に設定されていない場合は、記録紙における当該端辺部の全長がLに設定される。当該端辺部に垂直な方向の他の端辺部がタブ付加位置に設定されている場合は、他の端辺部に印刷されるタブの高さの分だけ余白が設けられる。たとえば、自端辺が下辺の場合に、左辺がタブ付加位置に指定されていれば図13の余白c1が、右辺左辺がタブ付加位置に指定されていれば余白c2がそれぞれ下辺の全長から減算された値がLにされる。左右の辺が共にタブ付加位置に設定されていれば、下辺の全長から余白c1と余白c2を減算した値がLにされる。
【0073】
なお、ゲージ55の全長(第2領域54の領域サイズb)が変動しないように、第1領域53に表示すべきタブの有無や、当該端辺部に垂直な方向の他の端辺部がタブ付加位置に設定されているか否かにかかわらず、第1領域53および第2領域54の領域サイズa、bを固定のサイズとしてもよい。
【0074】
図12に戻って説明を続ける。領域を割り当てた後、それぞれの領域に印刷するタブの位置(印字位置)を決定する。第1領域53に印刷する重要度や優先度を示すタブの印字位置は、たとえば、第1領域53の中央に設定される。
【0075】
第2領域54に印刷するタブはゲージ55との関係で位置決めされる。たとえば、ゲージ55が示す期間が1ヶ月(31日)に設定されており、タブが表示すべき日付がM日の場合、領域サイズbを有する第2領域54の左端を基準として次式で導いた印字位置にタブを付加する。
印字位置=(b/31)×(M−1)……式1
Mが1日であれば、タブは第2領域54の左端に印刷される。
【0076】
決定した各タブの印字位置を付加態様情報82の該当箇所に登録することによって付加態様情報82の生成が完了する(ステップS124)。
【0077】
<端末装置から印刷する場合(図1:P2のケース)>
端末装置30から複合機10へ直接印刷を指示する場合には、優先度や締め切り日などのタブ付加情報の設定は端末装置30にインストールされている複合機10に係るドライバの設定画面で行われる。
【0078】
図14は、端末装置30にインストールされているドライバが端末装置30の表示装置38に表示する表示タブ付加設定画面90の一例を示している。表示タブ付加設定画面90では、優先度、重要度、発行日、締め切り日、提出期限の各属性項目についてその内容を設定することができる。各属性項目の名称の左側に配置されたチェックボックス91にチェックマークを付すると、その属性項目が印刷対象に設定される。
【0079】
図15は、複合機10へ印刷指示する際に端末装置30のドライバが行う処理の流れを示している。表示タブ付加設定画面90にてユーザからタブ付加情報の設定操作を受ける(ステップS201)。さらに印刷開始の操作を受ける(ステップS202)。印刷開始の操作を受けると表示タブ付加設定画面90においていずれかの属性項目に対してタブの付加が有効にされた(チェックマークが付された)か否かを調べ、少なくとも1つの属性項目についてタブの付加が有効にされている場合は(ステップS203;Yes)、印刷指定された印刷データに表示タブ付加設定画面90で設定されたタブ付加情報を付加して複合機10へ送信して(ステップS204)処理を終了する(END)。すべての属性項目についてタブの付加が無効に設定されている場合は(ステップS203;No)、印刷指定された印刷データのみを複合機10に送信して(ステップS205)処理を終了する(END)。
【0080】
図16は、端末装置30から印刷指示を受けた複合機10が行う動作の流れを示している。複合機10のCPU11は、端末装置30から印刷データを含む印刷指示を受信すると(ステップS221)、その印刷データをラスタライズ処理することによってすべてのページのイメージデータを作成してハードディスク装置23に一時保存する(ステップS222)。
【0081】
続いて、先ほど受信した印刷データにタブ付加情報が付加されているか否かを調べ(ステップS223)、付加されている場合は(ステップS223;Yes)、タブ付加の関連情報を収集する(ステップS224)。すなわち、第1、第2の管理者設定画面70、74等を通じて設定されている基本付加情報、印刷データに付加されているタブ付加情報、記録紙のサイズなどの情報を収集する。なお、基本付加情報がユーザ毎に設定されている場合には、印刷を指示したユーザの基本付加情報を使用するとよい。
【0082】
次に、これら収集した関連情報に基づいて、端辺部に付加するタブの種類および位置を示す付加態様情報を、図12に詳細を示した処理によって生成し(ステップS225)、この付加態様情報に従ってタブ付加画像を生成する(ステップS226)。続いて、基本設定情報の中の「専用表紙追加」に関する情報を調べ、専用表紙を「追加しない」に設定されている場合は(ステップS227;No)、ステップS222で保存した1ページ目のイメージデータ(画像)にステップS226で生成したタブ付加画像を合成し(ステップS228)、この1ページ目の画像および後続するページの画像を順次印刷出力して(ステップS230)処理を終了する(END)。
【0083】
一方、専用表紙を「追加する」に設定されている場合は(ステップS227;Yes)、ステップS226にて生成したタブ付加画像をステップS222で生成して保存してあるイメージデータ(画像)の手前に文書の1ページ目として挿入し(ステップS229)、この1ページ目(追加した表紙)の画像および後続するページ(ステップS222で生成して保存した各ページ)の画像を順次印刷出力して(ステップS230)処理を終了する(END)。
【0084】
<第2端末装置30bから電子メールを受信した第1端末装置30aによる複合機10への印刷依頼(図1:P3のケース)>
第2端末装置30bからメールサーバ4を介して第1端末装置30aへ電子メールを送信し、第1端末装置30aから複合機10へその電子メールに係る印刷を指示する場合には、優先度や締め切り日などのタブ付加情報の設定は第2端末装置30bにインストールされているメーラ(電子メールの管理および送受信を行うプログラム)が表示する、図14と同様の画面を通じて行われる。なお、タブ付加の機能に係るプログラムは、汎用のメーラに対するアドオン・プログラムとして提供されてもよい。
【0085】
図17は、印刷指示を含む電子メールを送信する際に第2端末装置30bのメーラが行う処理の流れを示している。図14の表示タブ付加設定画面90と同様の画面にてユーザからタブ付加情報の設定操作を受ける(ステップS301)。次に、その設定内容を含む電子メールのヘッダを作成し(ステップS302)、該ヘッダの付加された電子メールを指定の宛先(ここでは第1端末装置30a)へ送信して(ステップS303)処理を終了する(END)。
【0086】
図18は、タブの付加項目とその付加項目を電子メールのヘッダ内で表わすための識別コードとを表わした識別コード表100の一例を示している。識別コードは、XML(eXtensible Markup Language)のタグと同様のものであり、任意に取り決めてよい。
【0087】
図19は、図17のステップS302にて作成されるヘッダ110の一例を示している。文字列111は当該電子メールのメッセージIDを、文字列112は送信者名を、文字列113は作成日時を示している。また文字列114は優先度がレベル「3」であることを、文字列115は締め切り日を、文字列116は重要度がレベル「7」であることを、文字列117は会議開催日を示している。
【0088】
図20は、第2端末装置30bから電子メールを受信した第1端末装置30aにおいてその電子メールに係る印刷を複合機10に依頼する動作を示している。第1端末装置30aのCPU31は、第2端末装置30bから受信した電子メールのテキスト情報をチェックし(ステップS321)、該電子メールに添付ファイルがあるか否かを調べる(ステップS322)。添付ファイルがある場合は(ステップS322;Yes)、添付ファイルを展開してバイナリファイルを生成し(ステップS323)、この展開したファイルの表示ソフト(表示用のアプリケーション・プログラム)がインストール(登録)されているか否かを調べる(ステップS324)。表示ソフトが登録されている場合は(ステップS324;Yes)、その表示ソフトを実行し、先ほど展開したファイルを印刷するためのドライバプログラムを開いて(ステップS325)、ステップS327へ移行する。
【0089】
一方、添付ファイルがない場合(ステップS322;No)および該当する表示ソフトが登録されていない場合は(ステップS324;No)、電子メールの本文(テキスト)の内容のみを印刷するためのドライバを開いて(ステップS326)、ステップS327へ移行する。
【0090】
ステップS327では、電子メールのヘッダに、複合機10がサポートしているタブ関連の識別コードが存在するか否かを調べる(ステップS327)。存在する場合は(ステップS327;Yes)、図18に列挙したような識別コードを検索キーにして、該ヘッダから、重要度、優先度、送信元、締め切り日、会議開催日などの情報を取得し(ステップS328)、これらを基にタブの付加に係るタブ付加情報を生成する(ステップS329)。そして、印刷対象の印刷データ(電子メールの本文テキストもしくは添付ファイルからドライバが作成した印刷データ)にタブ付加情報を付した印刷ジョブを作成し、これを複合機10に送信して投入する(ステップS330)。
【0091】
一方、電子メールのヘッダに、複合機10がサポートしているタブ関連の識別コードが存在しない場合は(ステップS327;No)、タブ付加情報の付加は行わずに、印刷対象の印刷データ(電子メールの本文テキストもしくは添付ファイルからドライバが作成した印刷データ)を印刷ジョブとして複合機10に送信して投入する(ステップS331)。
【0092】
なお、第1端末装置30aから印刷ジョブを受信した複合機10は、図16と同様の処理を行って、タブの付加された印刷もしくはタブを付加しない印刷を行う。
【0093】
第1端末装置30aでは、受信した電子メールの印刷を複合機10へ依頼するための操作画面においてユーザから所定の操作を受けると、図21に示すタブ付加確認画面120を表示装置38に表示する。このとき、第1端末装置30aのCPU31は、受信した電子メールのヘッダから、タブの付加に関連する識別コードを検出キーにして、重要度、優先度、送信元、締め切り日、会議開催日などの情報を取得し、該取得した情報に基づいてタブ付加確認画面120を表示する。
【0094】
タブ付加確認画面120では、タブ付加有効のチェックボックス121にチェックマークを付けるか外すかによって、タブを端辺部に印刷するか否かを選択することができる。優先度、重要度などの各属性項目の内容は、電子メールの受信端末(第1端末装置30a)では参照するのみであり、変更は禁止されている。タブ付加確認画面120のタブ参照釦122を操作すると、当該電子メールのヘッダの内容(たとえば、図19に示すテキスト文)が第1端末装置30aの表示装置38に表示される。
【0095】
<端末装置30から送信した電子メールで複合機10へ印刷依頼する場合(図1:P4のケース)>
端末装置30からメールサーバ4を介して複合機10へ送信した電子メールを印刷する場合には、優先度や締め切り日などタブ付加情報に関する設定は端末装置30にインストールされているメーラ(電子メールの管理および送受信を行うプログラム)が表示する、図14と同様の画面を通じて行われる。なお、タブ付加に関する機能に係るプログラムは汎用のメーラに対するアドオン・プログラムとして提供されてもよい。
【0096】
電子メールを作成して複合機10へ送信する処理は、図17と同様である。相違点は電子メールの宛先が複合機10となっている点である。
【0097】
印刷依頼の電子メールを受信した複合機10は、図20と同様の処理を行う。ただし、印刷ジョブの投入は自機に対して行う。また、複合機10は、その投入した印刷ジョブに対して図16のステップS222以降と同様の処理を行って、タブの付加された印刷もしくはタブの付加されない印刷を行う。
【0098】
以上、図1のP1〜P4の各ケースについて説明したように、印刷物の端辺部に、その印刷物に対して設定された優先度や締め切り日など属性情報の内容を表示するタブを印刷付加するようにしたので、積み上げられた複数の印刷物の中からタブを手掛かりとして目的の印刷物を一目で見つけ出すことができる。
【0099】
また、文字や数字で印刷物の属性情報を表示する場合に比べて、すばやく、また直感的に目的の印刷物を見つけ出すことができる。さらに文字や数字で表示する場合に比べて、視認性を確保しつつ表示スペースを小さくすることができる。
【0100】
色や模様、形状、サイズなどタブの種類によってそのタブがどのような属性内容を示しているかを表わすようにしたものでは、多様な情報をタブによって表示することができる。
【0101】
また、端辺部に付加するタブの位置によってそのタブがどのような属性内容を示しているかを表わすようにしたものでは、タブの位置によって情報を詳細にかつ直感的に示すことができる。特に期間に対応したゲージ55を設け、そのゲージ55上での位置によってタブが日付を表わすようにしたので、印刷物に係る締め切り日や会議開催日などをタブで表すことができる。これにより、積み上げられた複数の印刷物の中から締め切り日や会議開催日が最も近いものなどを、タブの位置を比較することによってすばやく見つけ出すことができる。
【0102】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0103】
たとえば、図22に示すように、専用表紙にタブを印刷する場合には、ゲージ55を表示したり、各タブの示す内容を文字で追加表示したりするように構成されてもよい。
【0104】
タブによって表示する情報は印刷物に係る属性を示すものであれば、優先度や締め切り日など実施の形態で例示したものに限定されない。たとえば、印刷物が会議の資料である、顧客へ配布する資料である、というように印刷物の種類を示すものであってもよい。
【0105】
またゲージ55は期間を示すものに限定されず、任意の数値範囲を示すようにされてもよい。たとえば、ゲージを用いて印刷物の重要度を10段階に示すようにされてもよい。
【0106】
また実施の形態では、メールサーバ4や複合機10を含む印刷システム2を例示したが、図1のP1の経路のようにコピーなどの動作でタブを付加する機能については複合機10単体であってもかまわない。また、図1のP2のように端末装置30から複合機10へ印刷指示を行う場合には、その間の通信が確保されればよく、メールサーバ4や他の端末装置30は必要ない。
【0107】
なお、図1のP2からP4の動作においては、タフの付加を指示したユーザ毎に、そのユーザの基本付加情報を使用することが好ましい。
【0108】
また、P2〜P4において、印刷データのラスタライズやタブ画像の作成や合成を複合機10で行うようにしたが、端末装置30のドライバ側で行い、タブの合成された最終的なイメージデータを端末装置30から複合機10へ送信するように構成されてもかまわない。
【0109】
なお、追加した専用表紙以外の記録紙においても、タブ印刷領域52にゲージ55や説明文字などを印刷するように構成されてもかまわない。
【符号の説明】
【0110】
2…印刷システム
4…メールサーバ
5…通信路
10…複合機
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…不揮発メモリ
16…操作表示部
17…認証部
18…ネットワーク通信部
19…画像処理部
21…スキャナ部
22…プリンタ部
23…ハードディスク装置
30…端末装置
30a…第1端末装置
30b…第2端末装置
31…CPU
32…バス
33…ROM
34…RAM
35…ネットワークI/F部
36…不揮発メモリ
37…操作部
38…表示装置
39…ハードディスク装置
40…タブ
41…重要度や優先度を示すタブ
42…日付タブ
51…記録紙
52…端辺部
53…第1領域
54…第2領域
55…ゲージ
61〜65…積み上げられた印刷物
70…第1の管理者設定画面
71…操作釦
74…第2の管理者設定画面
75…上、下、左、右の操作釦
80…タブ付加情報設定画面
82…付加態様情報
83…「タブの種類」の欄
90…表示タブ付加設定画面
91…チェックボックス
100…識別コード表
110…電子メールのヘッダ
120…タブ付加確認画面
121…タブ付加有効のチェックボックス
122…タブ参照釦
a…重要度、優先度などを表示する第1領域の領域サイズ
b…日付や時刻を表示する第2領域の領域サイズ
c1、c2…余白

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象のデータにそのデータに基づいて印刷される印刷物に係る所定の属性情報が設定されている場合に、前記属性情報の内容に対応する、記録紙の端辺部への図柄の付加態様を導出する付加態様導出部と、
前記データに係る印刷物を、前記付加態様導出部で導出された前記付加態様に従って記録紙の端辺部に図柄を付加して印刷する印刷部と、
を有する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記属性情報は、優先度情報と日付情報の少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記属性情報の設定を受ける設定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記付加態様は、図柄の種類を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記付加態様は、端辺部に付加する図柄の位置を含む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷データに、その印刷データに基づいて印刷される印刷物に係る所定の属性情報を設定する設定部と、
印刷データに前記属性情報が設定されている場合に、その属性情報の内容に対応する、記録紙の端辺部への図柄の付加態様を導出する付加態様導出部と、
所定の印刷装置に、前記印刷データに係る印刷物を、前記付加態様導出部で導出された前記付加態様に従って記録紙の端辺部に図柄を付加して印刷させる印刷制御部と
を有する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
前記属性情報は、優先度情報と日付情報の少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記付加態様は、図柄の種類を含む
ことを特徴とする請求項6または7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記付加態様は、端辺部に付加する図柄の位置を含む
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−184486(P2010−184486A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31856(P2009−31856)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】