印刷装置及び捺染装置
【課題】紙やフィルムや布帛、織物、不織布等の各種記録媒体に良質な画像を生産性良く印刷することができるとともに広幅化と長尺化した布帛や織物や不織布に良質な絵柄を効率良く形成する。
【解決手段】作像ユニット13の位置を感光体位置調整手段15のユニット駆動機構部41で被記録体7の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニット13の感光体18を転写ユニット14に対して平行に保持して、広幅の被記録体7に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加え、搬送ベルト6で搬送されている被記録体7がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷する。
【解決手段】作像ユニット13の位置を感光体位置調整手段15のユニット駆動機構部41で被記録体7の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニット13の感光体18を転写ユニット14に対して平行に保持して、広幅の被記録体7に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加え、搬送ベルト6で搬送されている被記録体7がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙やフィルムあるいは天然や人造の布帛、織物、不織布等の各種記録媒体に画像を印刷する印刷装置及び捺染装置、特に生産性と画質の向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
服飾用生地等の捺染するとき、平面スクリーンやロータリースクリーンを使用して多色を印捺する場合、画像データをそれぞれの色に分け、色毎にスクリーンを作成して色の数だけ印刷作業を繰り返している。例えば生地に24色を印捺する場合、図13の工程図に示すように、生地のカラー図案をワークステーションやパソコン等で作成し(ステップS1)、作成したカラー図案を色分解して24色の版下データを作成し(ステップS2)、作成した各色毎の製版用の版下フィルムを保管する(ステップS3)。この版下フィルムを使用して平面スクリーンを作成する場合、24色毎にアルミや鉄の型枠に紗を貼り付け(ステップS4)、紗に感光剤を塗布して乾燥させ(ステップS5)、感光剤を塗布した表面に版下フィルムを重ねて紫外線で露光し(ステップS6)、その後、水で現像して乾燥させて印刷用のスクリーンを完成する(ステップS7,S8)。印刷作業に入ると、供給された原反に第1色用のスクリーンを使用して印刷した後、各色用のスクリーンを使用して印刷を繰り返し、第24色用のスクリーンを使用して印刷する(ステップS9)。その後、発色と染料を生地に固定する蒸し工程を経て(ステップS10)、水洗いをして余分な糊を落として捺染作業を終了する(ステップS11)。
【0003】
この印刷用のスクリーンを作成するとき、現像の際に多量の廃水が生じる。また、印刷作業の水洗工程では染料を含んだ色糊を洗い流すために多量の水を必要とし、これも廃水を増やす原因となっている。このため環境の悪化を招く原因となっていた。
【0004】
また、スクリーンを作成するために各色毎に版下フィルムを作成する必要があるとともに各色毎に印刷工程を繰り返す必要があり、各工程が複雑であり、納期の短縮やコストダウンが難しかった。さらに、顧客からのリピートオーダーに備えるため、版下フィルムやスクリーンを保存しなければならないので、そのために広い保存スペースを必要とするばかりか、スクリーンの品質を維持するのに多大な手間をかけていた。
【0005】
このスクリーンを使用した捺染方法の短所を改善するため、特許文献1や特許文献2に示すように、インクジェット方式を用いた捺染方法が採用されている。このインクジェット方式は、4色以上、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)と何色かの特色のインク滴を被記録体に直接噴射して印刷作業をすることにより、スクリーン印刷に比べて少ない色数で同等の色を表現することができる。しかしながら、インク滴を記録媒体に直接に噴射するため、形成された画像がにじんでしまう欠点があり、それを防止するための被記録体の前処理が不可欠である。また、多くはシャトル型であるので印刷速度が例えば毎時数メートルと遅く、生産性が低いため量産には向かず、コストアップの要因にもなっている。
【0006】
これに対して例えば特許文献3や特許文献4に示すように、電子写真方式の捺染方法も開発されている。電子写真方式の捺染方法は、図14の工程図に示すように、ワークステーションやパソコン等で各色の画像データを作成し(ステップS21)、印刷工程でインクジェット方式と同様にYMCKの4色を基本として色を供給されている被記録体に再現し、4色では再現が難しい場合には特色を用いる(ステップS22)。また、従来のスクリーン方式と同様に全て特色とすることもできる。その後、発色と染料を生地に固定する蒸し工程を経て(ステップS23)、水洗いをして余分な糊を落として捺染作業を終了する(ステップS24)。
【0007】
この電子写真方式で潜像を感光体上に形成し顕像化するのは、乾式でも湿式でも良く、例えば湿式作像ユニットで潜像形成から顕像化された絵柄が被記録体上に転写される工程は、図15のプロセス説明図に示すように、ウォーミングアップ時に、感光体18に現像液とクリーニング液を供給して感光体18を回転させ、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。このとき、多くの場合、クリーニング液は現像液を兼用する方法が採られ、現像液タンク24に収納された現像液を第1現像ローラ26と第2現像ローラ27及び絞りローラ28で付着させるとともに、現像液タンク24から現像液をクリーニング液としてクリーニング部22のクリーニングローラ34に送り、感光体18上をクリーニングし、余剰の現像液を現像液回収ポンプ29により現像液タンク24に回収し、クリーニング液回収タンク100に回収された現像液をクリーニング液回収ポンプ35で現像液タンク24に回収する。
【0008】
その後、感光体18を回転させながら帯電チャージャ19で感光体18を一様に帯電させ、書込みLEDアレイ20により発したレーザ光により所望の絵柄を感光体18上に静電潜像として書き込む。この静電潜像が書き込まれた感光体18に現像液タンク24に収納された現像液を第1現像ローラ26と第2現像ローラ27で選択的に付着させ、絞りローラ28で均一な膜厚にして顕像化する。この感光体18に顕像化された絵柄、すなわちトナー像は転写電圧を印加された転写ローラ37により搬送ベルト6により搬送されている被記録体7に転写される。一方、余剰の現像液は現像液回収ポンプ29を介して現像液タンク24に回収される。また、感光体18から被記録体7へのトナー転写率は100%ではないので感光体18上にいくらかのトナーが残存する。このまま次の潜像形成を形成し現像すると残存トナーによる残像が発生するので、クリーニングブレード31とクリーニングローラ34で感光体18上のトナーを取り除く。このとき、現像液タンク24から現像液をクリーニング液としてクリーニングローラ34に送り、クリーニングローラ34に送られた現像液で感光体18に残留しているトナーを回収して除去する。残留トナーが除去された感光体18上に残っている静電潜像は消去ランプ23で消去する。また、クリーニング液回収タンク100に回収された現像液はクリーニング液回収ポンプ35により現像タンク24に回収される。このように感光体18に形成されたトナー像を転写する被記録体7を搬送する搬送ベルト6は感光体18と常時接している。
【0009】
この電子写真方式の作像プロセスはインクジェット方式に比べて速度が非常に速いので生産性を向上することができる。
【特許文献1】特開平10−195776号公報
【特許文献2】特許第2995135号公報
【特許文献3】特開平5−27474号公報
【特許文献4】特開2005−89886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この電子写真方式の作像ユニットにおいては、立ち上げ時と待機時には感光体を回転させなければならないので、感光体に接触している搬送ベルトは常時動かしておかねばならない。このため立ち上げ時と待機時に、搬送ベルトに被記録体が既にセットされていると被記録体の空送りとなって無駄が生じる。この被記録体の無駄を防ぐために搬送ベルトを停止させると、立ち上げ時と待機時に感光体を回転したとき、感光体と搬送ベルトが摩擦して感光体を傷つける可能性が非常に高くなってしまうという短所がある。
【0011】
また、被記録体を広幅化した場合、感光体と搬送ベルト及び転写ローラの平行度が悪いと、転写不良や画像のゆがみが生じる。特に多色の場合には色ずれとなって著しく画質を損なってしまう。さらに、幅方向の転写圧力ムラも同様の不具合をもたらす。
【0012】
また、湿式作像ユニットではクリーニング液として現像液を兼用する方法が採られ、回収したクリーニング液を現像液タンクに回収して現像に使用しているため、被記録体を搬送する搬送ベルトに、空中に浮遊する塵埃や被記録体から生じる糸くずなどが付着した場合、それが画像転写時に感光体上に付着してクリーニング液とともに現像液タンクに回収されて混入し、この現像液タンク内の現像液で感光体に形成され静電潜像を顕像化するときに混入している塵埃当が感光体に付着して画像不良を生じてしまうことがある。また、多色印刷の場合は、前段の作像ユニットのトナーが後段の作像ユニットの感光体に逆転写し、逆転写したトナーを後段の現像液タンクに回収すると混色が生じてしまう。
【0013】
この発明は、このような不具合を解消し、紙やフィルムや布帛、織物、不織布等の各種記録媒体に良質な画像を生産性良く印刷することができる印刷装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
また、広幅化するとともに長尺化した布帛や織物や不織布に良質な絵柄を効率良く形成することができる捺染装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の印刷装置は、電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体位置調整手段を有し、像担持体位置調整手段は、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することを特徴とする。
【0016】
この発明の第2の印刷装置は、電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体離接手段を有し、像担持体離接手段は、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動することを特徴とする。
【0017】
この発明の第3の印刷装置は、第2の印刷装置において、像担持体離接手段で像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする。
【0018】
この発明の第4の印刷装置は、湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニットを有し、作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有することを特徴とする。
【0019】
この発明の第5の印刷装置は、第4の印刷装置において、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動する像担持体離接手段と、像担持体離接手段で作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を作像ユニットの像担持体の直下に移動し、作像ユニットを転写ユニットの方向に移動する前に液だれ回収手段を作像ユニット外に回避する液だれ防止手段を有することを特徴とする。
【0020】
この発明の第6の印刷装置は、第5の印刷装置において、像担持体離接手段で像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を記録媒体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする。
【0021】
この発明の捺染装置は、前記印刷装置を有することを特徴とする。
【0022】
この発明の第2の捺染装置は、前記印刷装置を印刷する色に応じて複数有し、各印刷装置を被記録体搬送手段に沿って配置したことを特徴とする。
【0023】
この発明の第3の捺染装置は、第2の捺染装置において、被記録体搬送手段の上流側には被記録体を供給する被記録体供給装置と、被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を有し、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を有することを特徴とする。
【0024】
また、前記被記録体搬送手段は、駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトを有し、前記各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき前記搬送ベルトを停止させることを特徴とする。
【0025】
さらに、前記印刷装置の転写ユニットは、搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を有することを特徴とする。
【0026】
また、前記転写ユニットの加圧手段は、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することを特徴とする。
【0027】
また、各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御できることを特徴とする。
【0028】
さらに、各印刷装置は、被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで像担持体離接手段により作像ユニットを転写ユニットの方向に移動して像担持体位置調整手段により搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めした後、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧することを特徴とする。
【0029】
また、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明は、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することにより、広幅の被記録体に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加えて、搬送されている被記録体がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷することができる。
【0031】
また、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動することにより、待機時で像担持体が回転しても転写ユニットや被記録体との間に摩擦が生じなく、像担持体が破損することを防ぐことができる。
【0032】
さらに、像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することにより、広幅の被記録体に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加えて、搬送されている被記録体がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷することができる。
【0033】
また、湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有するから、塵埃や糸くずなどが像担持体に付着してもクリーニング手段でクリーニング液タンクに回収でき、現像液タンク内の現像液に塵埃等が混入することを防いで画像が劣化することを防止できる。また、多色を印刷するとき前段の作像ユニットのトナーが後段の作像ユニットの像担持体に逆転写しても、逆転写したトナーをクリーニング液タンクに回収するから、後段の作像ユニットの現像液が混色することを防止することができる。
【0034】
さらに、像担持体を転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を作像ユニットの像担持体の直下に移動して液だれを回収するから、液だれにより被記録体等を汚染することを防止することができる。
【0035】
また、この発明の印刷装置を捺染装置に使用することにより、広幅の被記録体に対して良質な画像を安定して印刷することができる。
【0036】
また、被記録体搬送手段の上流側に被記録体を供給する被記録体供給装置と、被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを設け、被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を設けることにより、長尺の被記録体に対して良質な画像を安定して印刷することができる。
【0037】
さらに、被記録体搬送手段の搬送ベルトを各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき停止させることにより、待機時に像担持体が回転しても像担持体が破損することを防ぐことができるとともに被記録体を無駄にすることを防ぐことができる。
【0038】
また、印刷装置の転写ユニットに搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を設け、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することにより、被記録体と像担持体を適正な圧力で接触させることができ、色ずれのない良質な画像を安定して印刷することができる。
【0039】
さらに、各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御するから、被記録対の搬送状態に応じて印刷することができ、色ずれのない良質な画像を安定して印刷することができる。
【0040】
また、各印刷装置は、被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで作像ユニットを転写ユニットの方向に移動して搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めして像担持体で搬送ベルトを押し下げないから、布帛等の被記録体にしわが発生して画質や色ずれ等の重大な品質問題が生じることを防ぐことができる。
【0041】
さらに、搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めしてから、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧することにより、搬送ベルトや被記録体が印刷装置と反対側に撓んで転写不良になることを防ぐことができる。
【0042】
また、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲させることにより、被記録体を安定して搬送するとともに搬送している被記録体に色ずれのない良質な印刷を安定して行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1はこの発明の捺染装置の構成図である。図に示すように、捺染装置1は、イエロー(Y)の印刷装置2aとマゼンタ(M)の印刷装置2bとシアン(C)の印刷装置2cとブラック(K)の印刷装置2dと色再現性を補うための特色三色の印刷装置2e,2f,2gがベルト駆動モータ3により回転する駆動プーリ4と従動プーリ5に巻き回された非導電性の搬送ベルト6に沿って順次配置されている。搬送ベルト6の上流側には被記録体7を供給する被記録体供給装置8と搬送ベルト6に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置9が配置され、被記録体供給装置8と印刷装置2aの間には被記録体検知手段10が配置されている。また、各印刷装置2a〜2gの下流側には乾燥装置11a〜11gを有し、搬送ベルト6の下部にはベルト洗浄装置12を有する。
【0044】
印刷装置2a〜2gは、図2の構成図に示すように、電子写真方式を使用した例えば湿式の作像ユニット13と転写ユニット14と感光体位置調整手段15と感光体離接手段16及び液だれ防止手段17を有する。
【0045】
作像ユニット13は、感光体18の周囲に配置された帯電チャージャ19と書込みLEDアレイ20と現像手段21とクリーニング手段22及び消去ランプ23を有し、ウォーミングアップ時には、現像手段21に現像液を供給するとともにクリーニング手段22にクリーニング液を供給して感光体18を回転させ、前回の印刷により感光体18に残存しているトナーを回収し、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。印刷をするときは、帯電チャージャ19で感光体18を一様に帯電させ、書込みLEDアレイ20により発したレーザ光により、所望の絵柄を感光体18上に静電潜像として書き込み、この静電潜像を現像手段21で顕像化する。感光体18に顕像化されたトナー像は搬送ベルト6で搬送されている被記録体7に転写ユニット14で転写し、感光体18に残留したトナーはクリーニング手段22で回収し、残留トナーが除去された感光体18上に残っている静電潜像は消去ランプ23で消去する。
【0046】
現像手段21は、現像液タンク24に連結された現像液供給口25と第1現像ローラ26と第2現像ローラ27と絞りローラ28及び現像液回収ポンプ29に連結された現像液排出口30を有し、現像液タンク24に収納された現像液を現像液供給口25から第1現像ローラ26に供給し、第1現像ローラ26と第2現像ローラ27で感光体18に付着させ、絞りローラ28で均一な膜厚にして顕像化し、余剰の現像液は現像液排出口30から現像液回収ポンプ29を介して現像液タンク24に回収する。クリーニング手段22は、クリーニングブレード31とクリーニング液タンク32に連結されたクリーニング液供給口33とクリーニングローラ34及びクリーニング液回収ポンプ35に連結されたクリーニング液排出口36を有し、感光体18に形成されたトナー像を被記録体7に転写した後に感光体18に残存しているトナーをクリーニングブレード31とクリーニングローラ34で取り除く。このとき、クリーニング液タンク32からクリーニング液をクリーニングローラ34に送り、クリーニングローラ34に送られたクリーニング液で感光体18に残留しているトナーを回収し、回収されたクリーニング液をクリーニング液排出口36からクリーニング液回収ポンプ35を介してクリーニング液タンク32に回収する。
【0047】
転写ユニット14は、図3の側面図に示すように、転写ローラ37の両端が加圧機構38の加圧軸38aに軸受を介して回転自在に保持されている。加圧機構38はシリンダを有し、圧力発生装置39から制御弁40を介して供給される流体により転写ローラ37を搬送ベルト6に対して均一な加圧力で接触させる。
【0048】
感光体位置調整手段15は、図4のブロック図に示すように、ユニット駆動機構部41とユニット駆動制御部42を有する。ユニット駆動機構部41は、図3に示すように、作像ユニット13の左右側面に設けられたユニット支持軸43と嵌合する軸受44を有し、先端部に搬送ベルト6との高さを検出する位置センサ45が設けられたユニット保持部46と、左右のユニット保持部46を個別に上下移動させる昇降機構47を有する。ユニット駆動制御部42は、図4のブロック図に示すように、基準位置設定部48と判定部49及びユニット位置制御部50を有する。基準位置設定部48には画像形成時に感光体18を搬送ベルト6に対して位置合わせするために必要なユニット保持部46と搬送ベルト6との基準位置例えば高さがあらかじめ設定されている。判定部49は左右の位置センサ45で測定した搬送ベルト6に対する位置を示す信号を入力し、基準位置設定部48に設定されている基準位置と比較判定して判定した結果をユニット位置制御部50に出力する。ユニット位置制御部50は入力した誤差に応じて左右のユニット駆動機構部41の昇降機構47を制御してユニット保持部46を上下方向に移動させ、この処理を誤差が零になるまで繰り返し行い、誤差が零になった時点で昇降機構47の駆動を停止して作像ユニット13の感光体18を搬送ベルト6に対して平行に保持する。ここで搬送ベルト6を使用しないで感光体18と転写ユニット14の転写ローラ37の間に被記録体7を直接搬送して被記録体7に印刷する場合は、位置センサ45で転写ローラ37に対する位置と左右の高さを検出して、感光体18を転写ローラ37に対して平行に保持すれば良い。
【0049】
感光体離接手段16は、図5に示すように、作像ユニット13の左右側面に設けられたユニット支持軸43に取り付けられた上下ローラ51と、上下ローラ51と係合する傾斜面を有する例えばガイド板やカムからなる上下移動手段52及び上下移動手段52を前後退させる例えばねじ送り機構53aとスライドテーブル53bが設けられた離接駆動手段53を有する。そして作像ユニット13が停止時には、図5(a)に示すように、離接駆動手段53により上下移動手段52を前進端まで前進させて、上下移動手段52の傾斜面の上部を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を所定距離だけ上昇させて、感光体18を搬送ベルト6から所定間隔だけ離れた上昇端に配置する。作像ユニット13が待機状態に入り、感光体18に現像手段21とクリーニング手段22で供給している現像液とクリーニング液の流れが安定すると、図5(b)に示すように、離接駆動手段53で上下移動手段52を所定距離だけ後退させて、上下移動手段52の傾斜面の中間を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を一定距離だけ下降させ、感光体18を搬送ベルト6から僅かに離れた位置で保持する。作像ユニット13で印刷するときには、図5(c)に示すように、離接駆動手段53で上下移動手段52を後退端まで後退させて、上下移動手段52の傾斜面の下部を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を一定距離だけ下降させ、感光体18を搬送ベルト6に接触させる下降端に配置する。
【0050】
液だれ防止手段17は、図6に示すように、液だれ回収タンク54と例えばねじ送り機構が設けられたタンク移動機構55を有する。液だれ回収タンク54は、作像ユニット13が停止時で、作像ユニット13が感光体離接手段16により上昇端に移動して感光体18が搬送ベルト6から所定距離だけ離れたときに、タンク移動機構55により前進させられ、図6(a)に示すように、感光体18の真下である前進端に移動して作像ユニット13が待機状態に入るまで保持される。作像ユニット13が待機状態になると、現像液とクリーニング液が供給され、やや遅れて感光体18と第1現像ローラ26と第2現像ローラ27と絞りローラ28及びクリーニングローラ34が回転し始める。このとき感光体18の下端部で現像液が垂れ落ちる可能性がある。この垂れ降りる現像液を液だれ回収タンク54で回収する。現像液とクリーニング液の流れが安定すると、タンク移動機構55により液だれ回収タンク54を後退させ、図6(b)に示すように、液だれ回収タンク54が作像ユニット13から外れた後退端に達すると、感光体離接手段16で作像ユニット13を待機位置まで下降させ、印刷が開始するまでこの状態を保持する。そして印刷が終了すると、液だれ回収タンク54を図6(a)に示す初期位置まで戻す。
【0051】
捺染装置1のベルト洗浄装置12は、図7に示すように、搬送ベルト6の移動方向と直交する方向に移動するキャスタ56を有する台車57に搭載された洗浄液タンク58と、洗浄液タンク58の上方に配置され、一部が洗浄液タンク58内の洗浄液に入り込む複数の回転ブラシ59と、回転ブラシ59を回転するブラシ駆動モータ60と、ブラシ駆動モータ60の駆動軸に取り付けられたプーリと回転ブラシ59のプーリに巻き回された駆動ベルト61と、回転ブラシ59より下流側に設けられた水洗い手段62と、水洗い手段62の下流側に設けられた水切り手段63と、水切り手段63の下流側に設けられた乾燥手段64及び回転ブラシ59と水切り手段63並びに乾燥手段64とにそれぞれ対向して設けられ、搬送ベルト6を挟みこむバックアップローラ65を有し、搬送ベルト6に付着した接着剤を洗い落とすときに使用する。
【0052】
この捺染装置1で例えば服飾用生地等の被記録体7に画像を印刷するときの動作を説明する。
【0053】
捺染装置1の各印刷装置2a〜2gは停止状態のとき、感光体離接手段16により作像ユニット1を、図6(a)に示すように、所定距離だけ上昇させて感光体18を搬送ベルト6から所定間隔だけ離れた上昇端に配置し、液だれ防止手段17により液だれ回収タンク54を感光体18の真下に移動している。
【0054】
この各印刷装置2a〜2gを使用して服飾用生地等の長尺の被記録体7に画像を形成するとき、被記録体7を被記録体供給装置8の近傍に繰り出し可能に載置し、この被記録体7を被記録体供給装置8で送り出して加圧ローラ8aにより搬送ベルト6上に固定する。この搬送ベルト6には被記録体7を固定するため接着剤塗布装置9によってあらかじめ接着剤が塗布されている。この接着剤は例えば住友3M社製の捺染ボンドのように乾燥時には接着力があるが、水にぬらすと接着力がなくなるような性質のものである。この捺染ボンドの接着力はかなりの長期間保持されるので、接着剤の塗布は適宜間欠的に行えば良い。
【0055】
この状態で、図8の動作シーケンス図に示すように、印刷装置2a〜2gの電源がオンンになると、印刷装置2a〜2gの作像ユニット13が待機状態になり、現像手段21とクリーニング手段22が動作を開始して感光体18を回転させ、現像手段21とクリーニング手段22に供給された現像液とクリーニング液により前回の印刷により感光体18に残存しているトナーを回収し、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。この待機状態に感光体18に塗布された現像液に液だれが生じた場合、生じた液だれを液だれ防止手段17の液だれ回収タンク54に回収する。したがって搬送ベルト6が液だれにより汚染することを防ぐことができる。そして感光体18に塗布している現像液とクリーニング液の流れが安定すると、図6(b)に示すように、液だれ回収タンク54を後退させて感光体離接手段16により作像ユニット18を下降させ、感光体18を搬送ベルト6から僅かに離れた位置で保持する。したがって感光体18が回転していても搬送ベルト6との間で摩擦が生ぜず、感光体18が破損することを防ぐことができる。また、待機時に搬送ベルト6を停止して被記録体7を搬送しない状態で感光体18を回転するから、被記録体7が無駄になることを防ぐことができる。
【0056】
その後、印刷信号が入力すると搬送ベルト6が動き出し、図9(a)に示すように、第1色目であるイエロー(Y)の印刷装置2aの上流側に設けた被記録体検知手段10で搬送ベルト6により搬送されている被記録体7の先端を検出すると、被記録体7の先端が印刷装置2aの感光体18の直下に達するタイミングt1が経過したとき、図9(b)に示すように、印刷装置2aの作像ユニット13を感光体離接手段16で下降させて感光体18と被記録体7を接触させて加圧する。
【0057】
この感光体18を下降させるとき、感光体位置調整手段15で被記録体7の幅方向である作像ユニット13の左右の位置を調節する。すなわち、初期状態では、例えば図10に示すように、感光体18と搬送ベルト6及び転写ローラ37の平行度はずれているのが普通である。この状態で広幅の被記録体7に対して印刷を行うと、加圧力は左右均一であっても搬送ベルト6がねじれて、いわゆるスキューを生じてしまい、印刷画像にゆがみを生じる。この不具合を解消するため、感光体位置調整手段15のユニット駆動機構部41に設けた左右の位置センサ45で測定した搬送ベルト6に対する位置が基準位置と一致するようにして、感光体18を搬送ベルト6に対して平行に保持する。この基準位置は感光体18と搬送ベルト6がこすれことを防ぐために感光体18と搬送ベルト6間にはわずかな間隙を残しておくことが望ましく、最悪の場合でも間隙が零になるようにするのが限界である。すなわち、この時点で感光体18が搬送ベルト6をわずかでも押し下げるようなことがあると、布帛等の被記録体7にしわが発生する可能性が大きくなり画質や色ずれ等の重大な品質問題が生じるから、このような不具合が生じることを防ぐためである。
【0058】
そしてタイミングt1が経過したとき、印刷装置2aの転写ユニット14に接続された制御弁40aを介して圧力発生装置39から流体を加圧機構38に供給して転写ローラ37を加圧して、図3に示すように、搬送ベルト6を初期位置より押し上げ、感光体18の直下に達した被記録体7を幅方向に均一な圧力で加圧して搬送ベルト6や被記録体7が印刷装置2aと反対側に撓んで転写不良になることを防ぐ。この加圧機構38による搬送ベルト6の押し上げ量は、例えば軸間距離5mの搬送ベルト6で数ミリ程度である。すなわち、この押し上げ量をあまり大きくしすぎると、被記録体7と搬送ベルト6との間のせん断断力が大きくなり、被記録体7とが搬送ベルト6との間にずれが生じて色ずれや転写不良の原因となることがあり、この不具合を防ぐためである。
【0059】
この状態で印刷装置2aの作像ユニット13で被記録体7に印刷を行ない乾燥装置11aで乾燥する。この作像ユニット13で被記録体7に印刷するとき、現像液タンク24とクリーニング液タンク32を独立して設け、現像液タンク24から供給された現像液のなかで余剰の現像液を現像液タンク24に回収し、クリーニング液タンク32からクリーニングローラ34に供給したクリーニング液をクリーニング液タンク32に回収するから、搬送ベルト6に付着した塵埃や糸くずなどが感光体18に付着してもクリーニング手段22でクリーニング液タンク32に回収でき、現像液タンク24内の現像液に塵埃等が混入することを防いで画像が劣化することを防止できる。また、前段の作像ユニット13のトナーが後段の作像ユニット13の感光体18に逆転写しても、逆転写したトナーをクリーニング液タンク32に回収するから、後段の作像ユニット13の現像液が混色することを防止することができる。
【0060】
イエロー(Y)の印刷装置2aの作像ユニット13で被記録体7に印刷を開始してから被記録体7の先端がマゼンタ(M)の印刷装置2bの作像ユニット13の感光体18直下に達するタイミングt2に達すると、前記と同様に感光体18と被記録体7を接触させて加圧して被記録体7に印刷を行う。このタイミングt2は隣接する印刷装置2の間隔が異なる場合は、その間隔に応じて設定すれば良い。この処理を印刷装置2c〜2gで順次繰り繰り返して被記録体7に対する印刷が進行し、被記録体7が検知されなくなった場合、あるいは停止信号が発生すると印刷装置2a〜2gの作像ユニット13を一定時間毎に順次待機状態にし、全ての印刷装置2a〜2gの作像ユニット13が待機状態になったら印刷信号をオフにして所定のタイミングをおいて搬送ベルト6を停止させて現像ユニット14を初期位置に戻し、各作像ユニット13を停止状態にして、図6(a)に示すように、各作像ユニット13を上昇端に上昇させる。
【0061】
前記説明では感光体18と被記録体7を接触させて加圧するとき、各印刷装置2a〜2gに設けた転写ユニット14の加圧機構38で搬送ベルト6を一定の押し上げ量で押し上げた場合について説明したが、図11(a)に示すように、加圧機構38内に押し上げ量を検出する変位センサ70を設け、変位検出センサ70の出力により各制御弁40の動作を制御して印刷装置2a〜2g毎に押し上げ量を可変しても良い。このように搬送ベルト6の押し上げ量を各印刷装置2毎に制御することにより、図12に示すように、例えば印刷装置2a〜2dで被記録体7に印刷するとき、搬送ベルト6を印刷装置2a〜2d側に凸状に湾曲させることができ、被記録体7を安定して搬送するとともに搬送している被記録体7に色ずれのない良質な印刷を安定して行なうことができる。
【0062】
また、搬送ベルト6を加圧機構38で流体を利用して押し上げる代わりに、図11(b)に示すように、加圧機構38にバネ71と圧力調整ねじ72を設け、圧力調整ねじ72を使用して押し上げ量を調整するようにしても良い。
【0063】
前記説明では印刷装置2に湿式の作像ユニット13を設けた場合について説明したが、乾式の作像ユニットを使用して液だれ防止手段17を省略しても良い。
【0064】
また、前記説明では服飾用生地等に印刷を行う捺染装置1について説明したが、紙やフィルム等の他の記録媒体に画像を形成するタンデムの画像形成装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の捺染装置の構成図である。
【図2】印刷装置の構成図である。
【図3】転写ユニットと感光体高さ調整手段と感光体離接手段の構成図である。
【図4】感光体高さ調整手段の構成を示すブロック図である。
【図5】感光体離接手段の構成図である。
【図6】液だれ防止手段の構成図である。
【図7】ベルト洗浄装置の構成図である。
【図8】捺染装置の印刷工程を示す動作シーケンス図である。
【図9】待機から印刷開始になるときの作像ユニットの移動状態を示す配置図である。
【図10】搬送ベルトと転写ローラに対する感光体の初期位置を示す配置図である。
【図11】転写ユニットの他の加圧機構の構成図である。
【図12】搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲した状態を示す模式図である。
【図13】従来のスクリーンを使用して印捺する場合の工程図である。
【図14】従来の電子写真方式で印捺する場合の工程図である。
【図15】従来の電子写真方式の作像ユニットの構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1;捺染装置、2;印刷装置、3;ベルト駆動モータ、4;駆動プーリ、
5;従動プーリ、6;搬送ベルト、7;被記録体、8;被記録体供給装置、
9;接着剤塗布装置、10;被記録体検知手段、11;乾燥装置、
12;ベルト洗浄装置、13;作像ユニット、14;転写ユニット、
15;感光体位置調整手段、16;感光体離接手段、17;液だれ防止手段、
18;感光体、19;帯電チャージャ、20;書込みLEDアレイ、
21;現像手段、22;クリーニング手段、23;消去ランプ、
24;現像液タンク、25;現像液供給口、26;第1現像ローラ、
27;第2現像ローラ、28;絞りローラ、29;現像液回収ポンプ、
30;現像液排出口、31;クリーニングブレード、32;クリーニング液タンク、
33;クリーニング液供給口、34;クリーニングローラ、
35;クリーニング液回収ポンプ、36;クリーニング液排出口、
37;転写ローラ、38;加圧機構、39;圧力発生装置、40;制御弁、
41;ユニット駆動機構部、42;ユニット駆動制御部、43;ユニット支持軸、
44;軸受、45;位置センサ、46;ユニット保持部、47;昇降機構、
48;基準位置設定部、49;判定部、50;ユニット位置制御部、
51;上下ローラ、52;上下移動手段、53;離接駆動手段、
54;液だれ回収タンク、55;タンク移動機構、70;変位検出センサ、
71;バネ、72;圧力調整ねじ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙やフィルムあるいは天然や人造の布帛、織物、不織布等の各種記録媒体に画像を印刷する印刷装置及び捺染装置、特に生産性と画質の向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
服飾用生地等の捺染するとき、平面スクリーンやロータリースクリーンを使用して多色を印捺する場合、画像データをそれぞれの色に分け、色毎にスクリーンを作成して色の数だけ印刷作業を繰り返している。例えば生地に24色を印捺する場合、図13の工程図に示すように、生地のカラー図案をワークステーションやパソコン等で作成し(ステップS1)、作成したカラー図案を色分解して24色の版下データを作成し(ステップS2)、作成した各色毎の製版用の版下フィルムを保管する(ステップS3)。この版下フィルムを使用して平面スクリーンを作成する場合、24色毎にアルミや鉄の型枠に紗を貼り付け(ステップS4)、紗に感光剤を塗布して乾燥させ(ステップS5)、感光剤を塗布した表面に版下フィルムを重ねて紫外線で露光し(ステップS6)、その後、水で現像して乾燥させて印刷用のスクリーンを完成する(ステップS7,S8)。印刷作業に入ると、供給された原反に第1色用のスクリーンを使用して印刷した後、各色用のスクリーンを使用して印刷を繰り返し、第24色用のスクリーンを使用して印刷する(ステップS9)。その後、発色と染料を生地に固定する蒸し工程を経て(ステップS10)、水洗いをして余分な糊を落として捺染作業を終了する(ステップS11)。
【0003】
この印刷用のスクリーンを作成するとき、現像の際に多量の廃水が生じる。また、印刷作業の水洗工程では染料を含んだ色糊を洗い流すために多量の水を必要とし、これも廃水を増やす原因となっている。このため環境の悪化を招く原因となっていた。
【0004】
また、スクリーンを作成するために各色毎に版下フィルムを作成する必要があるとともに各色毎に印刷工程を繰り返す必要があり、各工程が複雑であり、納期の短縮やコストダウンが難しかった。さらに、顧客からのリピートオーダーに備えるため、版下フィルムやスクリーンを保存しなければならないので、そのために広い保存スペースを必要とするばかりか、スクリーンの品質を維持するのに多大な手間をかけていた。
【0005】
このスクリーンを使用した捺染方法の短所を改善するため、特許文献1や特許文献2に示すように、インクジェット方式を用いた捺染方法が採用されている。このインクジェット方式は、4色以上、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)と何色かの特色のインク滴を被記録体に直接噴射して印刷作業をすることにより、スクリーン印刷に比べて少ない色数で同等の色を表現することができる。しかしながら、インク滴を記録媒体に直接に噴射するため、形成された画像がにじんでしまう欠点があり、それを防止するための被記録体の前処理が不可欠である。また、多くはシャトル型であるので印刷速度が例えば毎時数メートルと遅く、生産性が低いため量産には向かず、コストアップの要因にもなっている。
【0006】
これに対して例えば特許文献3や特許文献4に示すように、電子写真方式の捺染方法も開発されている。電子写真方式の捺染方法は、図14の工程図に示すように、ワークステーションやパソコン等で各色の画像データを作成し(ステップS21)、印刷工程でインクジェット方式と同様にYMCKの4色を基本として色を供給されている被記録体に再現し、4色では再現が難しい場合には特色を用いる(ステップS22)。また、従来のスクリーン方式と同様に全て特色とすることもできる。その後、発色と染料を生地に固定する蒸し工程を経て(ステップS23)、水洗いをして余分な糊を落として捺染作業を終了する(ステップS24)。
【0007】
この電子写真方式で潜像を感光体上に形成し顕像化するのは、乾式でも湿式でも良く、例えば湿式作像ユニットで潜像形成から顕像化された絵柄が被記録体上に転写される工程は、図15のプロセス説明図に示すように、ウォーミングアップ時に、感光体18に現像液とクリーニング液を供給して感光体18を回転させ、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。このとき、多くの場合、クリーニング液は現像液を兼用する方法が採られ、現像液タンク24に収納された現像液を第1現像ローラ26と第2現像ローラ27及び絞りローラ28で付着させるとともに、現像液タンク24から現像液をクリーニング液としてクリーニング部22のクリーニングローラ34に送り、感光体18上をクリーニングし、余剰の現像液を現像液回収ポンプ29により現像液タンク24に回収し、クリーニング液回収タンク100に回収された現像液をクリーニング液回収ポンプ35で現像液タンク24に回収する。
【0008】
その後、感光体18を回転させながら帯電チャージャ19で感光体18を一様に帯電させ、書込みLEDアレイ20により発したレーザ光により所望の絵柄を感光体18上に静電潜像として書き込む。この静電潜像が書き込まれた感光体18に現像液タンク24に収納された現像液を第1現像ローラ26と第2現像ローラ27で選択的に付着させ、絞りローラ28で均一な膜厚にして顕像化する。この感光体18に顕像化された絵柄、すなわちトナー像は転写電圧を印加された転写ローラ37により搬送ベルト6により搬送されている被記録体7に転写される。一方、余剰の現像液は現像液回収ポンプ29を介して現像液タンク24に回収される。また、感光体18から被記録体7へのトナー転写率は100%ではないので感光体18上にいくらかのトナーが残存する。このまま次の潜像形成を形成し現像すると残存トナーによる残像が発生するので、クリーニングブレード31とクリーニングローラ34で感光体18上のトナーを取り除く。このとき、現像液タンク24から現像液をクリーニング液としてクリーニングローラ34に送り、クリーニングローラ34に送られた現像液で感光体18に残留しているトナーを回収して除去する。残留トナーが除去された感光体18上に残っている静電潜像は消去ランプ23で消去する。また、クリーニング液回収タンク100に回収された現像液はクリーニング液回収ポンプ35により現像タンク24に回収される。このように感光体18に形成されたトナー像を転写する被記録体7を搬送する搬送ベルト6は感光体18と常時接している。
【0009】
この電子写真方式の作像プロセスはインクジェット方式に比べて速度が非常に速いので生産性を向上することができる。
【特許文献1】特開平10−195776号公報
【特許文献2】特許第2995135号公報
【特許文献3】特開平5−27474号公報
【特許文献4】特開2005−89886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この電子写真方式の作像ユニットにおいては、立ち上げ時と待機時には感光体を回転させなければならないので、感光体に接触している搬送ベルトは常時動かしておかねばならない。このため立ち上げ時と待機時に、搬送ベルトに被記録体が既にセットされていると被記録体の空送りとなって無駄が生じる。この被記録体の無駄を防ぐために搬送ベルトを停止させると、立ち上げ時と待機時に感光体を回転したとき、感光体と搬送ベルトが摩擦して感光体を傷つける可能性が非常に高くなってしまうという短所がある。
【0011】
また、被記録体を広幅化した場合、感光体と搬送ベルト及び転写ローラの平行度が悪いと、転写不良や画像のゆがみが生じる。特に多色の場合には色ずれとなって著しく画質を損なってしまう。さらに、幅方向の転写圧力ムラも同様の不具合をもたらす。
【0012】
また、湿式作像ユニットではクリーニング液として現像液を兼用する方法が採られ、回収したクリーニング液を現像液タンクに回収して現像に使用しているため、被記録体を搬送する搬送ベルトに、空中に浮遊する塵埃や被記録体から生じる糸くずなどが付着した場合、それが画像転写時に感光体上に付着してクリーニング液とともに現像液タンクに回収されて混入し、この現像液タンク内の現像液で感光体に形成され静電潜像を顕像化するときに混入している塵埃当が感光体に付着して画像不良を生じてしまうことがある。また、多色印刷の場合は、前段の作像ユニットのトナーが後段の作像ユニットの感光体に逆転写し、逆転写したトナーを後段の現像液タンクに回収すると混色が生じてしまう。
【0013】
この発明は、このような不具合を解消し、紙やフィルムや布帛、織物、不織布等の各種記録媒体に良質な画像を生産性良く印刷することができる印刷装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
また、広幅化するとともに長尺化した布帛や織物や不織布に良質な絵柄を効率良く形成することができる捺染装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の印刷装置は、電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体位置調整手段を有し、像担持体位置調整手段は、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することを特徴とする。
【0016】
この発明の第2の印刷装置は、電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体離接手段を有し、像担持体離接手段は、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動することを特徴とする。
【0017】
この発明の第3の印刷装置は、第2の印刷装置において、像担持体離接手段で像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする。
【0018】
この発明の第4の印刷装置は、湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニットを有し、作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有することを特徴とする。
【0019】
この発明の第5の印刷装置は、第4の印刷装置において、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動する像担持体離接手段と、像担持体離接手段で作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を作像ユニットの像担持体の直下に移動し、作像ユニットを転写ユニットの方向に移動する前に液だれ回収手段を作像ユニット外に回避する液だれ防止手段を有することを特徴とする。
【0020】
この発明の第6の印刷装置は、第5の印刷装置において、像担持体離接手段で像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を記録媒体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする。
【0021】
この発明の捺染装置は、前記印刷装置を有することを特徴とする。
【0022】
この発明の第2の捺染装置は、前記印刷装置を印刷する色に応じて複数有し、各印刷装置を被記録体搬送手段に沿って配置したことを特徴とする。
【0023】
この発明の第3の捺染装置は、第2の捺染装置において、被記録体搬送手段の上流側には被記録体を供給する被記録体供給装置と、被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を有し、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を有することを特徴とする。
【0024】
また、前記被記録体搬送手段は、駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトを有し、前記各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき前記搬送ベルトを停止させることを特徴とする。
【0025】
さらに、前記印刷装置の転写ユニットは、搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を有することを特徴とする。
【0026】
また、前記転写ユニットの加圧手段は、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することを特徴とする。
【0027】
また、各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御できることを特徴とする。
【0028】
さらに、各印刷装置は、被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで像担持体離接手段により作像ユニットを転写ユニットの方向に移動して像担持体位置調整手段により搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めした後、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧することを特徴とする。
【0029】
また、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明は、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することにより、広幅の被記録体に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加えて、搬送されている被記録体がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷することができる。
【0031】
また、作像ユニットで画像を顕像化していないとき作像ユニットを転写ユニットと反対方向に移動して像担持体を転写ユニットから離し、作像ユニットで画像を顕像化するとき作像ユニットを転写ユニットの方向に移動することにより、待機時で像担持体が回転しても転写ユニットや被記録体との間に摩擦が生じなく、像担持体が破損することを防ぐことができる。
【0032】
さらに、像担持体を転写ユニットの方向に移動するとき、作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、作像ユニットの像担持体を転写ユニットに対して平行に保持することにより、広幅の被記録体に対して印刷を行うとき、幅方向で均一な加圧力を加えて、搬送されている被記録体がねじれることを防いで、ゆがみのない良質な画像を印刷することができる。
【0033】
また、湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有するから、塵埃や糸くずなどが像担持体に付着してもクリーニング手段でクリーニング液タンクに回収でき、現像液タンク内の現像液に塵埃等が混入することを防いで画像が劣化することを防止できる。また、多色を印刷するとき前段の作像ユニットのトナーが後段の作像ユニットの像担持体に逆転写しても、逆転写したトナーをクリーニング液タンクに回収するから、後段の作像ユニットの現像液が混色することを防止することができる。
【0034】
さらに、像担持体を転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を作像ユニットの像担持体の直下に移動して液だれを回収するから、液だれにより被記録体等を汚染することを防止することができる。
【0035】
また、この発明の印刷装置を捺染装置に使用することにより、広幅の被記録体に対して良質な画像を安定して印刷することができる。
【0036】
また、被記録体搬送手段の上流側に被記録体を供給する被記録体供給装置と、被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを設け、被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を設けることにより、長尺の被記録体に対して良質な画像を安定して印刷することができる。
【0037】
さらに、被記録体搬送手段の搬送ベルトを各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき停止させることにより、待機時に像担持体が回転しても像担持体が破損することを防ぐことができるとともに被記録体を無駄にすることを防ぐことができる。
【0038】
また、印刷装置の転写ユニットに搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を設け、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することにより、被記録体と像担持体を適正な圧力で接触させることができ、色ずれのない良質な画像を安定して印刷することができる。
【0039】
さらに、各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御するから、被記録対の搬送状態に応じて印刷することができ、色ずれのない良質な画像を安定して印刷することができる。
【0040】
また、各印刷装置は、被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで作像ユニットを転写ユニットの方向に移動して搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めして像担持体で搬送ベルトを押し下げないから、布帛等の被記録体にしわが発生して画質や色ずれ等の重大な品質問題が生じることを防ぐことができる。
【0041】
さらに、搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めしてから、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧することにより、搬送ベルトや被記録体が印刷装置と反対側に撓んで転写不良になることを防ぐことができる。
【0042】
また、転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲させることにより、被記録体を安定して搬送するとともに搬送している被記録体に色ずれのない良質な印刷を安定して行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1はこの発明の捺染装置の構成図である。図に示すように、捺染装置1は、イエロー(Y)の印刷装置2aとマゼンタ(M)の印刷装置2bとシアン(C)の印刷装置2cとブラック(K)の印刷装置2dと色再現性を補うための特色三色の印刷装置2e,2f,2gがベルト駆動モータ3により回転する駆動プーリ4と従動プーリ5に巻き回された非導電性の搬送ベルト6に沿って順次配置されている。搬送ベルト6の上流側には被記録体7を供給する被記録体供給装置8と搬送ベルト6に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置9が配置され、被記録体供給装置8と印刷装置2aの間には被記録体検知手段10が配置されている。また、各印刷装置2a〜2gの下流側には乾燥装置11a〜11gを有し、搬送ベルト6の下部にはベルト洗浄装置12を有する。
【0044】
印刷装置2a〜2gは、図2の構成図に示すように、電子写真方式を使用した例えば湿式の作像ユニット13と転写ユニット14と感光体位置調整手段15と感光体離接手段16及び液だれ防止手段17を有する。
【0045】
作像ユニット13は、感光体18の周囲に配置された帯電チャージャ19と書込みLEDアレイ20と現像手段21とクリーニング手段22及び消去ランプ23を有し、ウォーミングアップ時には、現像手段21に現像液を供給するとともにクリーニング手段22にクリーニング液を供給して感光体18を回転させ、前回の印刷により感光体18に残存しているトナーを回収し、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。印刷をするときは、帯電チャージャ19で感光体18を一様に帯電させ、書込みLEDアレイ20により発したレーザ光により、所望の絵柄を感光体18上に静電潜像として書き込み、この静電潜像を現像手段21で顕像化する。感光体18に顕像化されたトナー像は搬送ベルト6で搬送されている被記録体7に転写ユニット14で転写し、感光体18に残留したトナーはクリーニング手段22で回収し、残留トナーが除去された感光体18上に残っている静電潜像は消去ランプ23で消去する。
【0046】
現像手段21は、現像液タンク24に連結された現像液供給口25と第1現像ローラ26と第2現像ローラ27と絞りローラ28及び現像液回収ポンプ29に連結された現像液排出口30を有し、現像液タンク24に収納された現像液を現像液供給口25から第1現像ローラ26に供給し、第1現像ローラ26と第2現像ローラ27で感光体18に付着させ、絞りローラ28で均一な膜厚にして顕像化し、余剰の現像液は現像液排出口30から現像液回収ポンプ29を介して現像液タンク24に回収する。クリーニング手段22は、クリーニングブレード31とクリーニング液タンク32に連結されたクリーニング液供給口33とクリーニングローラ34及びクリーニング液回収ポンプ35に連結されたクリーニング液排出口36を有し、感光体18に形成されたトナー像を被記録体7に転写した後に感光体18に残存しているトナーをクリーニングブレード31とクリーニングローラ34で取り除く。このとき、クリーニング液タンク32からクリーニング液をクリーニングローラ34に送り、クリーニングローラ34に送られたクリーニング液で感光体18に残留しているトナーを回収し、回収されたクリーニング液をクリーニング液排出口36からクリーニング液回収ポンプ35を介してクリーニング液タンク32に回収する。
【0047】
転写ユニット14は、図3の側面図に示すように、転写ローラ37の両端が加圧機構38の加圧軸38aに軸受を介して回転自在に保持されている。加圧機構38はシリンダを有し、圧力発生装置39から制御弁40を介して供給される流体により転写ローラ37を搬送ベルト6に対して均一な加圧力で接触させる。
【0048】
感光体位置調整手段15は、図4のブロック図に示すように、ユニット駆動機構部41とユニット駆動制御部42を有する。ユニット駆動機構部41は、図3に示すように、作像ユニット13の左右側面に設けられたユニット支持軸43と嵌合する軸受44を有し、先端部に搬送ベルト6との高さを検出する位置センサ45が設けられたユニット保持部46と、左右のユニット保持部46を個別に上下移動させる昇降機構47を有する。ユニット駆動制御部42は、図4のブロック図に示すように、基準位置設定部48と判定部49及びユニット位置制御部50を有する。基準位置設定部48には画像形成時に感光体18を搬送ベルト6に対して位置合わせするために必要なユニット保持部46と搬送ベルト6との基準位置例えば高さがあらかじめ設定されている。判定部49は左右の位置センサ45で測定した搬送ベルト6に対する位置を示す信号を入力し、基準位置設定部48に設定されている基準位置と比較判定して判定した結果をユニット位置制御部50に出力する。ユニット位置制御部50は入力した誤差に応じて左右のユニット駆動機構部41の昇降機構47を制御してユニット保持部46を上下方向に移動させ、この処理を誤差が零になるまで繰り返し行い、誤差が零になった時点で昇降機構47の駆動を停止して作像ユニット13の感光体18を搬送ベルト6に対して平行に保持する。ここで搬送ベルト6を使用しないで感光体18と転写ユニット14の転写ローラ37の間に被記録体7を直接搬送して被記録体7に印刷する場合は、位置センサ45で転写ローラ37に対する位置と左右の高さを検出して、感光体18を転写ローラ37に対して平行に保持すれば良い。
【0049】
感光体離接手段16は、図5に示すように、作像ユニット13の左右側面に設けられたユニット支持軸43に取り付けられた上下ローラ51と、上下ローラ51と係合する傾斜面を有する例えばガイド板やカムからなる上下移動手段52及び上下移動手段52を前後退させる例えばねじ送り機構53aとスライドテーブル53bが設けられた離接駆動手段53を有する。そして作像ユニット13が停止時には、図5(a)に示すように、離接駆動手段53により上下移動手段52を前進端まで前進させて、上下移動手段52の傾斜面の上部を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を所定距離だけ上昇させて、感光体18を搬送ベルト6から所定間隔だけ離れた上昇端に配置する。作像ユニット13が待機状態に入り、感光体18に現像手段21とクリーニング手段22で供給している現像液とクリーニング液の流れが安定すると、図5(b)に示すように、離接駆動手段53で上下移動手段52を所定距離だけ後退させて、上下移動手段52の傾斜面の中間を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を一定距離だけ下降させ、感光体18を搬送ベルト6から僅かに離れた位置で保持する。作像ユニット13で印刷するときには、図5(c)に示すように、離接駆動手段53で上下移動手段52を後退端まで後退させて、上下移動手段52の傾斜面の下部を上下ローラ51の位置に移動し、作像ユニット13を一定距離だけ下降させ、感光体18を搬送ベルト6に接触させる下降端に配置する。
【0050】
液だれ防止手段17は、図6に示すように、液だれ回収タンク54と例えばねじ送り機構が設けられたタンク移動機構55を有する。液だれ回収タンク54は、作像ユニット13が停止時で、作像ユニット13が感光体離接手段16により上昇端に移動して感光体18が搬送ベルト6から所定距離だけ離れたときに、タンク移動機構55により前進させられ、図6(a)に示すように、感光体18の真下である前進端に移動して作像ユニット13が待機状態に入るまで保持される。作像ユニット13が待機状態になると、現像液とクリーニング液が供給され、やや遅れて感光体18と第1現像ローラ26と第2現像ローラ27と絞りローラ28及びクリーニングローラ34が回転し始める。このとき感光体18の下端部で現像液が垂れ落ちる可能性がある。この垂れ降りる現像液を液だれ回収タンク54で回収する。現像液とクリーニング液の流れが安定すると、タンク移動機構55により液だれ回収タンク54を後退させ、図6(b)に示すように、液だれ回収タンク54が作像ユニット13から外れた後退端に達すると、感光体離接手段16で作像ユニット13を待機位置まで下降させ、印刷が開始するまでこの状態を保持する。そして印刷が終了すると、液だれ回収タンク54を図6(a)に示す初期位置まで戻す。
【0051】
捺染装置1のベルト洗浄装置12は、図7に示すように、搬送ベルト6の移動方向と直交する方向に移動するキャスタ56を有する台車57に搭載された洗浄液タンク58と、洗浄液タンク58の上方に配置され、一部が洗浄液タンク58内の洗浄液に入り込む複数の回転ブラシ59と、回転ブラシ59を回転するブラシ駆動モータ60と、ブラシ駆動モータ60の駆動軸に取り付けられたプーリと回転ブラシ59のプーリに巻き回された駆動ベルト61と、回転ブラシ59より下流側に設けられた水洗い手段62と、水洗い手段62の下流側に設けられた水切り手段63と、水切り手段63の下流側に設けられた乾燥手段64及び回転ブラシ59と水切り手段63並びに乾燥手段64とにそれぞれ対向して設けられ、搬送ベルト6を挟みこむバックアップローラ65を有し、搬送ベルト6に付着した接着剤を洗い落とすときに使用する。
【0052】
この捺染装置1で例えば服飾用生地等の被記録体7に画像を印刷するときの動作を説明する。
【0053】
捺染装置1の各印刷装置2a〜2gは停止状態のとき、感光体離接手段16により作像ユニット1を、図6(a)に示すように、所定距離だけ上昇させて感光体18を搬送ベルト6から所定間隔だけ離れた上昇端に配置し、液だれ防止手段17により液だれ回収タンク54を感光体18の真下に移動している。
【0054】
この各印刷装置2a〜2gを使用して服飾用生地等の長尺の被記録体7に画像を形成するとき、被記録体7を被記録体供給装置8の近傍に繰り出し可能に載置し、この被記録体7を被記録体供給装置8で送り出して加圧ローラ8aにより搬送ベルト6上に固定する。この搬送ベルト6には被記録体7を固定するため接着剤塗布装置9によってあらかじめ接着剤が塗布されている。この接着剤は例えば住友3M社製の捺染ボンドのように乾燥時には接着力があるが、水にぬらすと接着力がなくなるような性質のものである。この捺染ボンドの接着力はかなりの長期間保持されるので、接着剤の塗布は適宜間欠的に行えば良い。
【0055】
この状態で、図8の動作シーケンス図に示すように、印刷装置2a〜2gの電源がオンンになると、印刷装置2a〜2gの作像ユニット13が待機状態になり、現像手段21とクリーニング手段22が動作を開始して感光体18を回転させ、現像手段21とクリーニング手段22に供給された現像液とクリーニング液により前回の印刷により感光体18に残存しているトナーを回収し、前回形成された感光体18上の静電潜像を消去ランプ23で消去する。この待機状態に感光体18に塗布された現像液に液だれが生じた場合、生じた液だれを液だれ防止手段17の液だれ回収タンク54に回収する。したがって搬送ベルト6が液だれにより汚染することを防ぐことができる。そして感光体18に塗布している現像液とクリーニング液の流れが安定すると、図6(b)に示すように、液だれ回収タンク54を後退させて感光体離接手段16により作像ユニット18を下降させ、感光体18を搬送ベルト6から僅かに離れた位置で保持する。したがって感光体18が回転していても搬送ベルト6との間で摩擦が生ぜず、感光体18が破損することを防ぐことができる。また、待機時に搬送ベルト6を停止して被記録体7を搬送しない状態で感光体18を回転するから、被記録体7が無駄になることを防ぐことができる。
【0056】
その後、印刷信号が入力すると搬送ベルト6が動き出し、図9(a)に示すように、第1色目であるイエロー(Y)の印刷装置2aの上流側に設けた被記録体検知手段10で搬送ベルト6により搬送されている被記録体7の先端を検出すると、被記録体7の先端が印刷装置2aの感光体18の直下に達するタイミングt1が経過したとき、図9(b)に示すように、印刷装置2aの作像ユニット13を感光体離接手段16で下降させて感光体18と被記録体7を接触させて加圧する。
【0057】
この感光体18を下降させるとき、感光体位置調整手段15で被記録体7の幅方向である作像ユニット13の左右の位置を調節する。すなわち、初期状態では、例えば図10に示すように、感光体18と搬送ベルト6及び転写ローラ37の平行度はずれているのが普通である。この状態で広幅の被記録体7に対して印刷を行うと、加圧力は左右均一であっても搬送ベルト6がねじれて、いわゆるスキューを生じてしまい、印刷画像にゆがみを生じる。この不具合を解消するため、感光体位置調整手段15のユニット駆動機構部41に設けた左右の位置センサ45で測定した搬送ベルト6に対する位置が基準位置と一致するようにして、感光体18を搬送ベルト6に対して平行に保持する。この基準位置は感光体18と搬送ベルト6がこすれことを防ぐために感光体18と搬送ベルト6間にはわずかな間隙を残しておくことが望ましく、最悪の場合でも間隙が零になるようにするのが限界である。すなわち、この時点で感光体18が搬送ベルト6をわずかでも押し下げるようなことがあると、布帛等の被記録体7にしわが発生する可能性が大きくなり画質や色ずれ等の重大な品質問題が生じるから、このような不具合が生じることを防ぐためである。
【0058】
そしてタイミングt1が経過したとき、印刷装置2aの転写ユニット14に接続された制御弁40aを介して圧力発生装置39から流体を加圧機構38に供給して転写ローラ37を加圧して、図3に示すように、搬送ベルト6を初期位置より押し上げ、感光体18の直下に達した被記録体7を幅方向に均一な圧力で加圧して搬送ベルト6や被記録体7が印刷装置2aと反対側に撓んで転写不良になることを防ぐ。この加圧機構38による搬送ベルト6の押し上げ量は、例えば軸間距離5mの搬送ベルト6で数ミリ程度である。すなわち、この押し上げ量をあまり大きくしすぎると、被記録体7と搬送ベルト6との間のせん断断力が大きくなり、被記録体7とが搬送ベルト6との間にずれが生じて色ずれや転写不良の原因となることがあり、この不具合を防ぐためである。
【0059】
この状態で印刷装置2aの作像ユニット13で被記録体7に印刷を行ない乾燥装置11aで乾燥する。この作像ユニット13で被記録体7に印刷するとき、現像液タンク24とクリーニング液タンク32を独立して設け、現像液タンク24から供給された現像液のなかで余剰の現像液を現像液タンク24に回収し、クリーニング液タンク32からクリーニングローラ34に供給したクリーニング液をクリーニング液タンク32に回収するから、搬送ベルト6に付着した塵埃や糸くずなどが感光体18に付着してもクリーニング手段22でクリーニング液タンク32に回収でき、現像液タンク24内の現像液に塵埃等が混入することを防いで画像が劣化することを防止できる。また、前段の作像ユニット13のトナーが後段の作像ユニット13の感光体18に逆転写しても、逆転写したトナーをクリーニング液タンク32に回収するから、後段の作像ユニット13の現像液が混色することを防止することができる。
【0060】
イエロー(Y)の印刷装置2aの作像ユニット13で被記録体7に印刷を開始してから被記録体7の先端がマゼンタ(M)の印刷装置2bの作像ユニット13の感光体18直下に達するタイミングt2に達すると、前記と同様に感光体18と被記録体7を接触させて加圧して被記録体7に印刷を行う。このタイミングt2は隣接する印刷装置2の間隔が異なる場合は、その間隔に応じて設定すれば良い。この処理を印刷装置2c〜2gで順次繰り繰り返して被記録体7に対する印刷が進行し、被記録体7が検知されなくなった場合、あるいは停止信号が発生すると印刷装置2a〜2gの作像ユニット13を一定時間毎に順次待機状態にし、全ての印刷装置2a〜2gの作像ユニット13が待機状態になったら印刷信号をオフにして所定のタイミングをおいて搬送ベルト6を停止させて現像ユニット14を初期位置に戻し、各作像ユニット13を停止状態にして、図6(a)に示すように、各作像ユニット13を上昇端に上昇させる。
【0061】
前記説明では感光体18と被記録体7を接触させて加圧するとき、各印刷装置2a〜2gに設けた転写ユニット14の加圧機構38で搬送ベルト6を一定の押し上げ量で押し上げた場合について説明したが、図11(a)に示すように、加圧機構38内に押し上げ量を検出する変位センサ70を設け、変位検出センサ70の出力により各制御弁40の動作を制御して印刷装置2a〜2g毎に押し上げ量を可変しても良い。このように搬送ベルト6の押し上げ量を各印刷装置2毎に制御することにより、図12に示すように、例えば印刷装置2a〜2dで被記録体7に印刷するとき、搬送ベルト6を印刷装置2a〜2d側に凸状に湾曲させることができ、被記録体7を安定して搬送するとともに搬送している被記録体7に色ずれのない良質な印刷を安定して行なうことができる。
【0062】
また、搬送ベルト6を加圧機構38で流体を利用して押し上げる代わりに、図11(b)に示すように、加圧機構38にバネ71と圧力調整ねじ72を設け、圧力調整ねじ72を使用して押し上げ量を調整するようにしても良い。
【0063】
前記説明では印刷装置2に湿式の作像ユニット13を設けた場合について説明したが、乾式の作像ユニットを使用して液だれ防止手段17を省略しても良い。
【0064】
また、前記説明では服飾用生地等に印刷を行う捺染装置1について説明したが、紙やフィルム等の他の記録媒体に画像を形成するタンデムの画像形成装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の捺染装置の構成図である。
【図2】印刷装置の構成図である。
【図3】転写ユニットと感光体高さ調整手段と感光体離接手段の構成図である。
【図4】感光体高さ調整手段の構成を示すブロック図である。
【図5】感光体離接手段の構成図である。
【図6】液だれ防止手段の構成図である。
【図7】ベルト洗浄装置の構成図である。
【図8】捺染装置の印刷工程を示す動作シーケンス図である。
【図9】待機から印刷開始になるときの作像ユニットの移動状態を示す配置図である。
【図10】搬送ベルトと転写ローラに対する感光体の初期位置を示す配置図である。
【図11】転写ユニットの他の加圧機構の構成図である。
【図12】搬送ベルトを印刷装置側に凸状に湾曲した状態を示す模式図である。
【図13】従来のスクリーンを使用して印捺する場合の工程図である。
【図14】従来の電子写真方式で印捺する場合の工程図である。
【図15】従来の電子写真方式の作像ユニットの構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1;捺染装置、2;印刷装置、3;ベルト駆動モータ、4;駆動プーリ、
5;従動プーリ、6;搬送ベルト、7;被記録体、8;被記録体供給装置、
9;接着剤塗布装置、10;被記録体検知手段、11;乾燥装置、
12;ベルト洗浄装置、13;作像ユニット、14;転写ユニット、
15;感光体位置調整手段、16;感光体離接手段、17;液だれ防止手段、
18;感光体、19;帯電チャージャ、20;書込みLEDアレイ、
21;現像手段、22;クリーニング手段、23;消去ランプ、
24;現像液タンク、25;現像液供給口、26;第1現像ローラ、
27;第2現像ローラ、28;絞りローラ、29;現像液回収ポンプ、
30;現像液排出口、31;クリーニングブレード、32;クリーニング液タンク、
33;クリーニング液供給口、34;クリーニングローラ、
35;クリーニング液回収ポンプ、36;クリーニング液排出口、
37;転写ローラ、38;加圧機構、39;圧力発生装置、40;制御弁、
41;ユニット駆動機構部、42;ユニット駆動制御部、43;ユニット支持軸、
44;軸受、45;位置センサ、46;ユニット保持部、47;昇降機構、
48;基準位置設定部、49;判定部、50;ユニット位置制御部、
51;上下ローラ、52;上下移動手段、53;離接駆動手段、
54;液だれ回収タンク、55;タンク移動機構、70;変位検出センサ、
71;バネ、72;圧力調整ねじ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体位置調整手段を有し、
前記像担持体位置調整手段は、前記作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体離接手段を有し、
前記像担持体離接手段は、前記作像ユニットで画像を顕像化していないとき前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離し、前記作像ユニットで画像を顕像化するとき前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
前記像担持体離接手段で前記像担持体を前記転写ユニットの方向に移動するとき、前記作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニットを有し、
前記作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4記載の印刷装置において、
前記作像ユニットで画像を顕像化していないとき前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離し、前記作像ユニットで画像を顕像化するとき前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動する像担持体離接手段と、
前記像担持体離接手段で前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を前記作像ユニットの像担持体の直下に移動し、前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動する前に前記液だれ回収手段を前記作像ユニット外に回避する液だれ防止手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項5記載の印刷装置において、
前記像担持体離接手段で前記像担持体を前記転写ユニットの方向に移動するとき、前記作像ユニットの位置を記録媒体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置を印刷する色に応じて複数有し、各印刷装置を被記録体搬送手段に沿って配置したことを特徴とする捺染装置。
【請求項9】
請求項8記載の捺染装置において、
前記被記録体搬送手段の上流側には被記録体を供給する被記録体供給装置と、前記被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、前記被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を有し、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項10】
請求項9記載の捺染装置において、
前記被記録体搬送手段は、駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトを有し、前記各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき前記搬送ベルトを停止させることを特徴とする捺染装置。
【請求項11】
請求項10記載の捺染装置において、
前記印刷装置の転写ユニットは、搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項12】
請求項11記載の捺染装置において、
前記転写ユニットの加圧手段は、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することを特徴とする捺染装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載の捺染装置において、
前記各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御できることを特徴とする捺染装置。
【請求項14】
請求項13記載の捺染装置において、
前記各印刷装置は、前記被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで前記像担持体離接手段により前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動して像担持体位置調整手段により前記搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めした後、前記転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを前記印刷装置側に加圧することを特徴とする捺染装置。
【請求項15】
請求項14記載の捺染装置において、
前記転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを前記印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを前記印刷装置側に凸状に湾曲させることを特徴とする捺染装置。
【請求項1】
電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体位置調整手段を有し、
前記像担持体位置調整手段は、前記作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニット及び像担持体離接手段を有し、
前記像担持体離接手段は、前記作像ユニットで画像を顕像化していないとき前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離し、前記作像ユニットで画像を顕像化するとき前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
前記像担持体離接手段で前記像担持体を前記転写ユニットの方向に移動するとき、前記作像ユニットの位置を被記録体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
湿式の電子写真方式で像担持体に可視画像を形成する作像ユニットと、像担持体に形成された画像を被記録体に転写する転写ユニットを有し、
前記作像ユニットは、現像液タンクに接続された現像液の流路とクリーニング液タンクに接続されたクリーニング液の流路をそれぞれ独立して有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4記載の印刷装置において、
前記作像ユニットで画像を顕像化していないとき前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離し、前記作像ユニットで画像を顕像化するとき前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動する像担持体離接手段と、
前記像担持体離接手段で前記作像ユニットを前記転写ユニットと反対方向に移動して前記像担持体を前記転写ユニットから離しているとき、液だれ回収手段を前記作像ユニットの像担持体の直下に移動し、前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動する前に前記液だれ回収手段を前記作像ユニット外に回避する液だれ防止手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項5記載の印刷装置において、
前記像担持体離接手段で前記像担持体を前記転写ユニットの方向に移動するとき、前記作像ユニットの位置を記録媒体の搬送方向及び直交する方向に独立して可変し、前記作像ユニットの像担持体を前記転写ユニットに対して平行に保持する像担持体位置調整手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置を印刷する色に応じて複数有し、各印刷装置を被記録体搬送手段に沿って配置したことを特徴とする捺染装置。
【請求項9】
請求項8記載の捺染装置において、
前記被記録体搬送手段の上流側には被記録体を供給する被記録体供給装置と、前記被記録体搬送手段に固定用接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、前記被記録体供給装置と第1色目の印刷を行なう印刷装置の間には被記録体検知手段を有し、各印刷装置の下流側には印刷した被記録体を乾燥する乾燥装置を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項10】
請求項9記載の捺染装置において、
前記被記録体搬送手段は、駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトを有し、前記各印刷装置の作像ユニットが待機状態のとき前記搬送ベルトを停止させることを特徴とする捺染装置。
【請求項11】
請求項10記載の捺染装置において、
前記印刷装置の転写ユニットは、搬送ベルトを印刷装置側に加圧する加圧手段を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項12】
請求項11記載の捺染装置において、
前記転写ユニットの加圧手段は、印刷装置毎に独立して加圧力を可変することを特徴とする捺染装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載の捺染装置において、
前記各印刷装置は、印刷開始タイミングを独立して可変制御できることを特徴とする捺染装置。
【請求項14】
請求項13記載の捺染装置において、
前記各印刷装置は、前記被記録体検知手段で被記録体を検出してから被記録体が像担持体の直下にくるタイミングで前記像担持体離接手段により前記作像ユニットを前記転写ユニットの方向に移動して像担持体位置調整手段により前記搬送ベルトとの間に僅かな隙間を残して像担持体を位置決めした後、前記転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを前記印刷装置側に加圧することを特徴とする捺染装置。
【請求項15】
請求項14記載の捺染装置において、
前記転写ユニットの加圧手段で搬送ベルトを前記印刷装置側に加圧するとき、搬送ベルトを微小距離だけ押し上げて搬送ベルトを前記印刷装置側に凸状に湾曲させることを特徴とする捺染装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−79073(P2007−79073A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266169(P2005−266169)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(390008833)東伸工業株式会社 (14)
【出願人】(505141141)株式会社恒河沙 (2)
【出願人】(596053068)京都市 (26)
【出願人】(595064588)
【出願人】(505347684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(390008833)東伸工業株式会社 (14)
【出願人】(505141141)株式会社恒河沙 (2)
【出願人】(596053068)京都市 (26)
【出願人】(595064588)
【出願人】(505347684)
【Fターム(参考)】
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