説明

印刷装置

【課題】用紙の同一領域に対して光沢処理が繰り返し施されることを防止する印刷装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置126の画面126aに原稿画像Hを表示し、更に原稿画像H上の写真領域haを囲う点線hbを表示して、写真領域haを区別表示する。この状態で、原稿画像におけるロゴ領域hcを指定する。複写済みの原稿画像において写真領域ha(樹脂コーティングされた領域)と、ロゴ領域hcの位置とを比較し、両者の領域ha、hcが重複するか否かを判定する。そして、両者の領域ha、hcが重複していなければ、ロゴ領域hcを樹脂コーティングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が印刷された用紙に対して光沢処理を施す印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光沢処理としては、透明トナーを用いた光沢処理やコーティングフィルムを用いた光沢処理等がある。前者の透明トナーを用いた光沢処理は、特許文献1に開示されているように電子写真方式の画像形成装置において、透明トナーを感光体ドラムに付着させ、感光体ドラムから用紙へと透明トナーを転写し、用紙に対して定着処理を施して、用紙表面に透明トナーの層を定着させ、これにより用紙に対して光沢処理を施している。
【0003】
また、後者のコーティングフィルムを用いた光沢処理では、多層構造のコーティングフィルムを用紙に重ね合わせ、コーティングフィルムのコーティング樹脂層だけを用紙に密着させて、コーティング樹脂層により用紙をコーティングし、これにより用紙に対して光沢処理を施している。
【0004】
このような光沢処理では、無光沢の普通紙に画像を印刷形成した後、この普通紙の必用部分だけに光沢処理を施すことができるという利点がある。例えば、普通紙の写真が印刷された領域に対しては光沢処理を施し、普通紙のテキストが印刷された領域に対しては光沢処理を施さないようにすることができる。特許文献1では、用紙の領域を指定し、この指定された領域だけに透明トナーによる光沢処理を施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−175968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように指定された領域だけに光沢処理を施す場合は、光沢処理を施す領域の追加が必要になることがある。例えば、一枚の用紙に印刷されている写真の領域に光沢処理を施していても、用紙に印刷されているロゴの領域に光沢処理を施しておらず、このロゴの領域の光沢処理を望む場合は、このロゴの領域の光沢処理が必要となる。
【0007】
しかしながら、従来は、光沢処理を施す領域の追加作業が全く支援されておらず、追加作業が煩雑であり、このために操作や判断のミスにより用紙の同一領域に光沢処理が繰り返し施されて、この領域の画像品質が著しく低下することがあった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、用紙の同一領域に対して光沢処理が繰り返し施されることを防止する印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、画像が印刷された用紙の少なくとも一部の領域に対して光沢処理を施す印刷装置であって、用紙に対して光沢処理を再度施すときに、前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域に対して光沢処理を補足して施す光沢処理補足部を備えている。
【0010】
このような本発明では、用紙に対して光沢処理を再度施すときに、用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域に対して光沢処理を補足して施している。従って、用紙の同一領域に対して光沢処理が繰り返し施されることはなく、用紙の同一領域に対する光沢処理の繰り返しが原因となって、画像品質の低下が生じることもない。
【0011】
また、本発明の印刷装置においては、前記光沢処理補足部は、前記用紙の光沢処理済み領域を記憶する記憶部と、前記記憶部内の前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域を指定する指定部とを有し、前記指定部により指定された前記用紙の一部の領域に対して光沢処理を補足して施している。
【0012】
このように用紙の光沢処理済み領域を記憶しておけば、用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域を指定することができ、その指定した一部の領域に対して光沢処理を補足して施すことができる。
【0013】
更に、本発明の印刷装置においては、前記光沢処理補足部は、前記用紙の画像を表示し、前記画像において前記用紙の光沢処理済み領域を区別して表示する表示部を有している。
【0014】
これにより、用紙の光沢処理済み領域を容易に識別することが可能となり、光沢処理を施す領域を追加するための作業が効果的に支援される。
【0015】
また、本発明の印刷装置においては、前記指定部は、前記表示部に表示された前記画像において前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域を指定するために操作される。
【0016】
この場合は、表示部に表示された用紙の光沢処理済み領域を確認しながら、光沢処理済み領域を除く一部の領域を光沢処理を施す領域として指定することができ、光沢処理を施す領域を追加するための作業が効果的に支援される。
【0017】
更に、本発明の印刷装置においては、前記光沢処理補足部は、前記指定部により指定された前記用紙の領域が前記用紙の光沢処理済み領域に重なる場合に警告を発する。
【0018】
この場合は、指定された用紙の領域が用紙の光沢処理済み領域に重なることを直ちに知ることができ、そのような重なる領域を直ちに訂正することができる。
【0019】
また、本発明の印刷装置においては、前記光沢処理補足部は、前記指定部により指定された前記用紙の領域が前記用紙の光沢処理済み領域に重なる場合に前記指定部による指定を禁止している。
【0020】
この場合は、用紙の光沢処理済み領域に重なる領域が指定されることはない。
【0021】
更に、本発明の印刷装置においては、前記光沢処理補足部は、前記印刷装置における前記用紙のセット位置及び/又はセット方向を前記表示部に表示している。
【0022】
用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域に対して光沢処理を補足して施すには、印刷装置における用紙のセット位置及び/又はセット方向を規定する必要がある。このため、用紙のセット位置及び/又はセット方向を表示している。
【0023】
また、本発明の印刷装置においては、前記印刷装置は、前記用紙に対して光沢処理を再度施すときに、前記用紙に対する画像の印刷処理を停止している。
【0024】
用紙に対して光沢処理を再度施すときには、用紙に対する画像の印刷処理を行う必要がないので、印刷処理を停止する。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明では、用紙に対して光沢処理を再度施すときに、用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域に対して光沢処理を補足して施している。従って、用紙の同一領域に対して光沢処理が繰り返し施されることはなく、用紙の同一領域に対する光沢処理の繰り返しが原因となって、画像品質の低下が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態である印刷システムを示す断面図である。
【図2】図1の印刷システムにおけるコーティングユニットを示す断面図である。
【図3】図2のコーティングユニットにおけるフィルムコーティング装置を示す断面図である。
【図4】図3のフィルムコーティング装置におけるヒータ部を示す平面図である。
【図5】図3のフィルムコーティング装置の動作状態を示す断面図である。
【図6】図4の動作状態を模式的に示す図である。
【図7】コーティングフィルムを示す断面図である。
【図8】本実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図9】原稿画像が複写された記録用紙に対して樹脂コーティングを施すための制御手順を示すフローチャートである。
【図10】(a)、(b)、(c)、(d)は、印刷システムにおける画像形成装置の表示装置の表示例を示す図である。
【図11】(a)、(b)は、印刷システムにおける画像形成装置の表示装置の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態である印刷システムを示す断面図である。図1において、印刷システムPsは、画像形成装置1、中継ユニット2、コーティングユニット3、及び後処理ユニット4を備えている。画像形成装置1は、原稿の画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成し、画像が記録された記録用紙を中継ユニット2に搬出する。中継ユニット2は、記録用紙を画像形成装置1から受け取ると、記録用紙をコーティングユニット3へと中継搬送する。コーティングユニット3は、記録用紙を中継ユニット2から受け取ると、記録用紙をそのまま後処理ユニット4に搬出するか、あるいは記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施した後に、記録用紙を後処理ユニット4に搬出する。後処理ユニット4は、記録用紙をコーティングユニット3から受け取ると、記録用紙をそのまま排出するか、あるいは記録用紙に対してステープル等の後処理を施した後に、記録用紙を排出する。
【0029】
次に、画像形成装置1、中継ユニット2、コーティングユニット3、及び後処理ユニット4の概略構成を説明する。
【0030】
まず、画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、及び帯電器15は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するためにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0031】
各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdのいずれにおいても、ドラムクリーニング装置14により感光体ドラム13表面の残留トナーを除去及び回収した後、帯電器15により感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させ、光走査装置11により感光体ドラム13表面を露光して、その表面に静電潜像を形成し、現像装置12により感光体ドラム13表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13表面にトナー像を形成する。これにより、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像が形成される。
【0032】
引き続いて、中間転写ベルト21を矢印方向Cに周回移動させつつ、ベルトクリーニング装置25により中間転写ベルト21の残留トナーを除去及び回収した後、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像を中間転写ベルト21に順次転写して重ね合わせ、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像を形成する。
【0033】
中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間にはニップ域が形成されており、用紙搬送経路R1を通じて搬送されて来た記録用紙をそのニップ域に挟み込んで搬送しつつ、中間転写ベルト21表面のカラーのトナー像を記録用紙上に転写する。そして、定着装置17の加熱ローラ31と加圧ローラ32間に記録用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、記録用紙上のカラーのトナー像を定着させる。
【0034】
一方、記録用紙は、ピックアップローラ33により給紙トレイ18から引出されて、S字状の用紙搬送経路R1を通じて搬送され、2次転写装置26や定着装置17を経由し、排紙ローラ36を介して中継ユニット2へと搬出される。この用紙搬送経路R1には、記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ26a間のニップ域でのカラーのトナー像の転写タイミングに合わせて記録用紙の搬送を開始する一組のレジストローラ34、記録用紙の搬送を促す複数組の搬送ローラ35、一組の排紙ローラ36等が配置されている。
【0035】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を各排紙ローラ36から反転経路Rrへと逆方向に搬送して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を各レジストローラ34へと再度導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を中継ユニット2へと搬出する。
【0036】
次に、中継ユニット2では、直線状の中継搬送経路R2に沿って複数組の搬送ローラ41を設けており、画像形成装置1からの記録用紙を受け取って中継搬送経路R2に沿って搬送し、記録用紙をコーティングユニット3へと搬出する。
【0037】
次に、コーティングユニット3は、直線状のスルー搬送経路R3、U字状の引込み搬送経路R4、スルー搬送経路R3の用紙出入り口に設けられた一組の搬入ローラ42及び一組の搬出ローラ43、スルー搬送経路R3及び引込み搬送経路R4に沿って配置された複数組の搬送ローラ44、各搬送経路R3、R4の分岐位置に配置されたフラッパー45、及び引込み搬送経路R4に設けられた2台のフィルムコーティング装置46を備えている。
【0038】
コーティングユニット3では、記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施すときと施さないときとで記録用紙の搬送経路が異なる。樹脂コーティングを施さないときには、フラッパー45をその軸45aを中心に実線で示す位置に回転移動させておき、中継ユニット2から各搬入ローラ42を通じて搬入されて来た記録用紙をフラッパー45によりスルー搬送経路R3へと導いて搬送し、記録用紙をスルー搬送経路R3から各搬出ローラ43を通じて後処理ユニット4へと搬出する。
【0039】
また、記録用紙に対して樹脂コーティングを施すときには、フラッパー45をその軸45aを中心に点線で示す位置に回転移動させておき、中継ユニット2から各搬入ローラ42を通じて搬入されて来た記録用紙をフラッパー45により引込み搬送経路R4へと導いて搬送し、記録用紙を引込み搬送経路R4から各搬出ローラ43を通じて後処理ユニット4へと搬出する。このU字状の引込み搬送経路R4には、互いに平行な直線状の搬送経路部分R4a、R4bが設けられており、これらの直線状の搬送経路部分R4a、R4bにそれぞれのフィルムコーティング装置46が設けられている。各フィルムコーティング装置46の少なくとも一方は、搬送経路部分R4a、R4bに沿って搬送中の記録用紙の一部領域又は全体領域を樹脂コーティングする。勿論、記録用紙両面について、一部領域又は全体領域を樹脂コーティングすることが可能である。
【0040】
次に、後処理ユニット4は、排出搬送経路R5、排出搬送経路R5から分岐したステープル搬送経路R6、排出搬送経路R5の用紙入り口に設けられた一組の搬入ローラ51、各搬送経路R5、R6の用紙出口に設けられた二組の排出ローラ52と2つの排紙トレイ53、54、各搬送経路R5、R6に沿って配置された複数組の搬送ローラ55、各搬送経路R5、R6の分岐位置に配置されたフラッパー56、及びステープル搬送経路R6に設けられたステープル装置57を備えている。
【0041】
後処理ユニット4では、記録用紙に対して後処理を施すときと施さないときとで記録用紙の搬送経路が異なる。後処理を施さないときには、フラッパー56をその軸56aを中心に実線で示す位置に回転移動させておき、コーティングユニット3から各搬入ローラ51を通じて搬入されて来た記録用紙をフラッパー56により排出搬送経路R5へと導いて搬送し、記録用紙を排出搬送経路R5から各排出ローラ52を通じて排紙トレイ53へと排出する。
【0042】
また、記録用紙に対して後処理を施すときには、フラッパー56をその軸56aを中心に点線で示す位置に回転移動させておき、コーティングユニット3から各搬入ローラ51を通じて搬入されて来た記録用紙をフラッパー56によりステープル搬送経路R6へと導いて搬送し、記録用紙をステープル装置57に一旦積載する。ステープル装置57は、一束の記録用紙が積載されると、記録用紙の束にステープル処理を施し、記録用紙の束を各排出ローラ52を通じて排紙トレイ54へと排出する。
【0043】
次に、コーティングユニット3の構成を更に詳しく説明する。図2は、コーティングユニット3を示す断面図である。図2に示すようにコーティングユニット3には互いに平行な直線状の搬送経路部分R4a、R4bが設けられ、これらの直線状の搬送経路部分R4a、R4bには同一構成の2台のフィルムコーティング装置46が設けられている。引込み搬送経路R4へと導かれた記録用紙が直線状の搬送経路部分R4aを通過するときに、搬送経路部分R4aに設けられた一方のフィルムコーティング装置46により記録用紙の右方向に向く片面の一部領域又は全体領域を樹脂コーティング(光沢処理)することができる。そして、記録用紙が搬送経路部分R4のU字状部分を通過すると、記録用紙の両面が左右に反転するので、記録用紙が直線状の搬送経路部分R4bを通過するときに、搬送経路部分R4bに設けられた他方のフィルムコーティング装置46により記録用紙の右方向に向く他の片面の一部領域又は全体領域を樹脂コーティングすることができる。
【0044】
尚、図2のコーティングユニット3において、各フィルムコーティング装置46は、同一構成であるが、搬送経路部分R4aに設けられた一方のフィルムコーティング装置46では記録用紙を上方から搬入して下方へと搬出し、また搬送経路部分R4bに設けられた他方のフィルムコーティング装置46では記録用紙を下方から搬入して上方へと搬出するので、各フィルムコーティング装置46の上下の向きが逆となる。
【0045】
図3は、本実施形態のフィルムコーティング装置46を示す断面図である。図3に示すようにフィルムコーティング装置46の内部には直線状の搬送経路部分R4a、R4bが通り、フィルムコーティング装置46が搬送経路部分R4a、R4bを通じて搬送される記録用紙に対して樹脂コーティングを施す。
【0046】
フィルムコーティング装置46では、搬送経路部分R4a、R4bに沿って、第1及び第2搬送ローラ61、62、第1及び第2ピンチローラ63、64、及びプラテンローラ65を設けており、プラテンローラ65を中央に配置し、プラテンローラ65の両側に第1及び第2ピンチローラ63、64を配置し、第1及び第2ピンチローラ63、64の両外側に一組の第1搬送ローラ61及び一組の第2搬送ローラ62を配置している。また、送り出しリール66と巻取りリール67を搬送経路部分R4a、R4bに沿って離間して配設し、送り出しリール66と第1ピンチローラ63との間に第1補助ローラ68を設け、巻取りリール67と第2ピンチローラ64との間に第2補助ローラ69を設けている。
【0047】
第1及び第2搬送ローラ61、62、プラテンローラ65は、その外周にEPDM等の合成ゴムを設けたものである。また、第1及び第2ピンチローラ63、64、第1及び第2補助ローラ68、69は、φ8mm程度の金属シャフトである。
【0048】
送り出しリール66には、コーティングフィルム70が予め巻回されている。コーティングフィルム70は、送り出しリール66から引出されて、第1補助ローラ68と第1ピンチローラ63とに掛けられ、搬送経路部分R4a、R4bを通じて第2ピンチローラ64へと導かれて、第2ピンチローラ64と第2補助ローラ69とに掛けられ、巻取りリール67まで引き回されており、コーティングフィルム70の一端が巻取りリール67に接続されている。第1及び第2ピンチローラ63、64間では、コーティングフィルム70が搬送経路部分R4a、R4bを通じて直線状に張られている。
【0049】
巻取りリール67は、巻取りリール専用のモータ(図示せず)により時計回り方向に回転駆動されて、コーティングフィルム70を巻き取って行く。また、送り出しリール66は、巻取りリール67による巻取りに伴いコーティングフィルム70を送り出して従動回転するか、あるいは後で述べるようにコーティングフィルム70に重ね合わされた記録用紙Pの搬送に伴いコーティングフィルム70を送り出し、反時計回り方向に従動回転する。これにより、第1及び第2ピンチローラ63、64間で、コーティングフィルム70が搬送経路部分R4a、R4bを通じて搬送される。巻取りリール67の巻取りによるコーティングフィルム70の搬送速度は、記録用紙の搬送速度(325mm/sec)と同一かもしくは記録用紙の搬送速度よりも低く設定される。
【0050】
また、送り出しリール66の軸及び巻取りリール67の軸には、それぞれのトルクリミッター(図示せず)が設けられており、コーティングフィルム70の巻取りと送り出しに伴い各リール66、67及びコーティングフィルム70に過負荷がかかったときには、各トルクリミッターにより各リール66、67が空転するようにされている。
【0051】
更に、第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65は、それぞれ専用のモータにより回転駆動され、記録用紙の搬送速度に対応するそれぞれの周速度で回転する。
【0052】
また、各リール66、67の間には、サーマルヘッド71が配置され、サーマルヘッド71とプラテンローラ65が互いに対向している。サーマルヘッド71は、水平方向に移動自在に支持された移動体72の左端面に固定されており、移動体72と共に水平方向に移動する。バネ74は、その左端を位置決め固定され、その右端を移動体72に接続され、移動体72を右方向に付勢する。偏芯カム73の周面は、バネ74により右方向に付勢されている移動体72の右端面に当接している。偏芯カム73は、偏芯カム専用のモータ(図示せず)により回転駆動され、偏芯カム73の回転に伴い移動体72並びにサーマルヘッド71が水平方向に移動して位置決めされる。
【0053】
更に、第2搬送ローラ62よりも記録用紙の搬送方向下流側に60〜80mm程度離間した位置には、ヒータ部75が設けられている。このヒータ部75は、搬送経路部分R4a、R4bを通じて搬送される記録用紙から僅かに離間して配置されて、記録用紙とは非接触に設けられており、記録用紙に対して熱を放射する。
【0054】
更に、第1搬送ローラ61と第1ピンチローラ63との間には、搬送経路部分R4a、R4bを通じて搬送される記録用紙の先端を検出するセンサ81が設けられている。
【0055】
図4は、ヒータ部75を示す平面図である。図4に示すようにU字型のヒータ75aをフレーム76に固定支持したものである。U字型のヒータ75aとしてニクロム線、ランプ等が適用され、U字型のヒータ75aから記録用紙へと熱が放射される。
【0056】
ここで、コーティングユニット3では、記録用紙に対して樹脂コーティングを施さないときに、記録用紙をスルー搬送経路R3を通じて搬送する。この場合、フィルムコーティング装置46では、各リール66、67を停止させて、コーティングフィルム70の送り出し及び巻取りを行わず、また第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65を停止させる。また、偏芯カム73を回転させて、移動体72並びにサーマルヘッド71を右方向に移動させ、サーマルヘッド71をプラテンローラ65から離間させ、更にサーマルヘッド71及びヒータ部75を発熱させない。
【0057】
また、コーティングユニット3では、記録用紙に対して樹脂コーティングを施すときに、記録用紙を引込み搬送経路R4に導いて、記録用紙を直線状の搬送経路部分R4a→搬送経路部分R4のU字状部分→直線状の搬送経路部分R4bという順序で搬送し、各フィルムコーティング装置46の少なくとも一方により搬送中の記録用紙の一部領域又は全体領域を樹脂コーティングする。このとき、各フィルムコーティング装置46においては、第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65を回転させて、記録用紙の搬送動作を開始する。
【0058】
また、樹脂コーティングを実施する少なくとも一方のフィルムコーティング装置46においては、記録用紙の搬送動作を開始するだけではなく、巻取りリール67を回転させて、コーティングフィルム70を搬送経路部分R4a及び/又はR4bを通じて搬送し、巻取りリール67の巻取りによるコーティングフィルム70の搬送速度を記録用紙の搬送速度と同一かもしくは記録用紙の搬送速度よりも低く設定する。また、図5に示すように偏芯カム73を回転させて、移動体72並びにサーマルヘッド71を左方向に移動させ、サーマルヘッド71をコーティングフィルム70を介してプラテンローラ65に押圧させる。また、サーマルヘッド71を規定温度(例えば100〜150℃)まで発熱させ、ヒータ部75を別の規定温度(例えば40℃〜80℃)まで発熱させる。
【0059】
図6は、図5の動作状態を模式的に示している。図6に示すように記録用紙Pが搬送経路部分R4a、R4bへと搬送されて来ると、第1搬送ローラ61により記録用紙Pが搬送され、記録用紙Pが第1ピンチローラ63の部位でコーティングフィルム70に重ね合わせられて、記録用紙P及びコーティングフィルム70が搬送されてサーマルヘッド71とプラテンローラ65との間に導かれ、また送り出しリール66からコーティングフィルム70が送り出されて、送り出しリール66が従動回転する。そして、プラテンローラ65により記録用紙P及びコーティングフィルム70が搬送されつつ、サーマルヘッド71とプラテンローラ65により記録用紙Pとコーティングフィルム70が加圧され、コーティングフィルム70がサーマルヘッド71の下面の各発熱体に摺接して、コーティングフィルム70が加熱される。これにより、コーティングフィルム70のコーティング樹脂層が記録用紙Pの片面に密着する。
【0060】
図7は、コーティングフィルム70を示す断面図である。図7に示すようにコーティングフィルム70は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなるフィルム基材70a上に、スチレン等からなるコーティング樹脂層70bを積層したものであって、3μ〜6μの厚みを有する。フィルムコーティング装置46では、コーティングフィルム70のコーティング樹脂層70bを記録用紙Pに重ねて、サーマルヘッド71によりコーティングフィルム70のコーティング樹脂層70bを加熱溶融して記録用紙Pに密着させる。
【0061】
また、サーマルヘッド71は、記録用紙の搬送方向(副走査方向)とは直交する方向(主走査方向)に配列された各発熱体を有しており、各発熱体の選択的な発熱、及び各発熱体の発熱開始タイミングと発熱終了タイミングの設定により、コーティング樹脂層70bを記録用紙の一部領域又は全体領域に密着させることができる。サーマルヘッド71の各発熱体の選択によりコーティング樹脂層70bが密着する記録用紙の主走査方向の領域を設定することができる。また、選択された各発熱体の発熱開始タイミングと発熱終了タイミングの設定によりコーティング樹脂層70bが密着する記録用紙の副走査方向の領域を設定することができる。これにより、コーティング樹脂層70bを記録用紙の一部領域又は全体領域に密着させることが可能となる。
【0062】
引き続いて、図6に示すように互いに重ね合わせられて密着した記録用紙P及びコーティングフィルム70は、第2ピンチローラ64へと搬送される。そして、コーティングフィルム70のフィルム基材70aは、第2ピンチローラ64から第2補助ローラ69へと掛けられて、搬送経路部分R4a、R4bから斜め方向へと引き離され、巻取りリール67へと巻き取られる。また、コーティング樹脂層70bは、第2ピンチローラ64の部位でフィルム基材70aから剥離され、記録用紙P並びにコーティング樹脂層70bが第2搬送ローラ62へと搬送される。この剥離のときに、コーティング樹脂層70bの密着範囲(例えば記録用紙Pと同一の範囲)の周縁に沿って該コーティング樹脂層70bが切り取られ、記録用紙の一部領域又は全体領域の樹脂コーティングが完了する。
【0063】
こうしてフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bが剥離され、記録用紙の樹脂コーティングが完了した後、記録用紙Pは、第2搬送路ローラ62を介して搬送され、ヒータ部75の近傍を通過する。このとき、ヒータ部75の熱放射により記録用紙に密着したコーティング樹脂層70bの表面が一時的に加熱溶融されて滑らかになる。このヒータ部75の温度は、コーティング樹脂層70bの表面が加熱溶融しながらも、コーティング樹脂層70b全体が加熱溶融して記録用紙に浸透してしまわない程度の規定温度(例えば40℃〜80℃)に設定される。これにより、コーティング樹脂層70bの表面の剥離痕や、第2搬送ローラ62の接触痕を消去することができ、コーティング樹脂層70bの透明度が向上する。
【0064】
このように印刷システムPsでは、画像形成装置1により画像を記録用紙に印刷形成し、引き続いてコーティングユニット3によりコーティング樹脂層70bを記録用紙の一部領域又は全体領域に密着させて、記録用紙の一部領域又は全体領域に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施すことができる。例えば、記録用紙に印刷されている写真の領域だけを樹脂コーティングすることができる。
【0065】
ところが、記録用紙の一部領域だけを樹脂コーティングする場合は、樹脂コーティングする領域の追加が必要になることがある。例えば、記録用紙に印刷されている写真の領域を選択して、この写真の領域を樹脂コーティングした後で、記録用紙に印刷されているロゴの領域の樹脂コーティングを追加する場合は、このロゴの領域の樹脂コーティングが必要となる。ただし、操作や判断のミスにより記録用紙の同一部分が繰り返し樹脂コーティングされると、この部分の画像品質が著しく低下する。
【0066】
そこで、本実施形態では、記録用紙に対して樹脂コーティングを再度施すときに、記録用紙の樹脂コーティング済みの領域を除く一部領域に対して樹脂コーティングを補足して施すようにしている。このため、記録用紙の同一領域に対して樹脂コーティングが繰り返し施されることはなく、画像品質の低下が生じることもない。
【0067】
次に、そのような記録用紙の樹脂コーティング済みの領域を除く一部領域に対して樹脂コーティングを補足して施すための構成及び処理を説明する。
【0068】
図8は、本実施形態の印刷システムPsの構成を示すブロック図である。図8に示すように画像形成装置1には、コントロール部101、エンジン部102、及び操作パネル103等が設けられている。また、コーティングユニット3には、コーティング制御部104、及び出力部105等が設けられ、後処理ユニット4には、後処理制御部106、及び出力部107等が設けられている。
【0069】
画像形成装置1において、コントロール部101は、主制御部111、入力部112、画像データを記憶する記憶装置113等を備えている。主制御部111は、画像データやプログラム等を記憶するメモリ114、画像データを処理する画像処理部115、プログラムを実行して、印刷システムPsを統括的に制御するCPU116等を備えている。入力部112は、原稿画像を読取って、原稿画像を示す画像データを生成して出力するスキャナー、外部からの画像データを受信入力するインターフェース等からなる。
【0070】
エンジン部102は、エンジン制御部121、及び複数の出力部124等を備えている。エンジン制御部121は、プログラム等を記憶するメモリ122と、主制御部111からの指示に応答してプログラムを実行し、各出力部124を通じて、画像形成装置1の光走査装置11や定着装置17等を駆動制御したり、用紙搬送経路R1や中継ユニット2の中継搬送経路R2に沿って設けられた各ローラのモータを駆動制御したりするCPU(又はASIC)123とを備えている。
【0071】
操作パネル103は、表示制御部125、液晶表示装置126、液晶表示装置126の画面に重ねられたタッチパネル127、及び複数の操作キー(図示せず)等を有している。各操作キーは、画像形成装置1に対する指示等を入力するために操作される。また、液晶表示装置126の画面には、画像形成装置1の操作ガイダンスやタッチキー等が表示され、タッチパネル127によりタッチキーに対する操作が検出される。
【0072】
次に、コーティングユニット3において、コーティング制御部104は、プログラム等を記憶するメモリ131と、主制御部111からの指示に応答してプログラムを実行し、出力部105を通じて、フィルムコーティング装置46の巻取りリール67のモータ、プラテンローラ65のモータM、サーマルヘッド71、スルー搬送経路R3及び引込み搬送経路R4に沿って設けられた各ローラやフラッパー45のモータMを駆動制御するCPU(又はASIC)132とを備えている。
【0073】
また、後処理ユニット4において、後処理制御部106は、プログラム等を記憶するメモリ141と、主制御部111からの指示に応答してプログラムを実行し、出力部107を通じて、ステープル装置57のモータM、排出搬送経路R5及びステープル搬送経路R6に沿って設けられた各ローラやフラッパー56のモータMを駆動制御するCPU(又はASIC)142とを備えている。
【0074】
このような構成において、操作パネル103の操作により原稿画像の複写が指示されると、これに応答して主制御部111は、入力部(スキャナー)112により原稿画像を読取らせ、入力部112から原稿画像を示す画像データを出力させる。この画像データは、画像処理部115で処理され、エンジン制御部121及び出力部124を通じて光走査装置11に出力される。また、エンジン制御部121は、主制御部111からの指示に応答してプログラムを実行し、各出力部124を通じて、光走査装置11や定着装置17等を駆動制御したり、用紙搬送経路R1及び中継ユニット2の中継搬送経路R2に沿って設けられた各ローラのモータを駆動制御したりする。これにより、画像形成装置1では原稿画像が記録用紙に複写され、この記録用紙が画像形成装置1から中継ユニット2を通じてコーティングユニット3へと搬送される。
【0075】
更に、主制御部111は、エンジン制御部121を通じてコーティングユニット3を制御する。主制御部111によるコーティングユニット3の制御は、記録用紙をそのまま後処理ユニット4に搬出するか、あるいは記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施した後に、記録用紙を後処理ユニット4に搬出するかにより異なる。前者の場合は、主制御部111は、各フィルムコーティング装置46の停止状態の維持をコーティング制御部104に指示する。これに応答してコーティング制御部104は、各フィルムコーティング装置46の停止状態を維持し、また出力部105を通じて、スルー搬送経路R3に沿って設けられた各ローラやフラッパー45のモータを駆動制御して、記録用紙をスルー搬送経路R3を通じて後処理ユニット4へと搬出する。また、後者の場合は、主制御部111は、各フィルムコーティング装置46の動作開始をコーティング制御部104に指示する。これに応答してコーティング制御部104は、出力部105を通じて、スルー搬送経路R3や引込み搬送経路R4に沿って設けられた各ローラやフラッパー45のモータを駆動制御したりして、記録用紙を引込み搬送経路R4へと導いて搬送する。また、コーティング制御部104は、出力部105を通じて、各フィルムコーティング装置46における第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65を回転させて、記録用紙の搬送動作を開始させる。更に、コーティング制御部104は、出力部105を通じて、各フィルムコーティング装置46の少なくとも一方におけるサーマルヘッド71をプラテンローラ65に押圧させたり、ヒータ部75を発熱させたりする。これにより、各フィルムコーティング装置46の少なくとも一方により搬送経路部分R4a、R4bに沿って搬送中の記録用紙の一部領域又は全体領域が樹脂コーティングされ、この後に記録用紙が後処理ユニット4へと搬出される。
【0076】
また、主制御部111は、エンジン制御部121を通じて後処理ユニット4を制御する。主制御部111による後処理ユニット4の制御は、記録用紙に対して後処理を施すか施さないかにより異なる。前者の場合は、主制御部111は、ステープル装置57の停止状態の維持を後処理制御部106に指示する。これに応答して後処理制御部106は、ステープル装置57の停止状態を維持し、また出力部107を通じて、排出搬送経路R5に沿って設けられた各ローラやフラッパー56のモータを駆動制御して、記録用紙を排出搬送経路R5を通じて排紙トレイ53へと排出する。また、後者の場合は、主制御部111は、ステープル装置57の動作開始を後処理制御部106に指示する。これに応答して後処理制御部106は、出力部107を通じて、ステープル装置57のモータ等を駆動制御したり、排出搬送経路R5及びステープル搬送経路R6に沿って設けられた各ローラやフラッパー56のモータを駆動制御したりして、記録用紙をステープル搬送経路R6へと導いて、記録用紙をステープル装置57に一旦積載させ、ステープル装置57により記録用紙の束にステープル処理を施させ、記録用紙の束を排紙トレイ54へと排出させる。
【0077】
次に、記録用紙の樹脂コーティングの制御手順について、詳しく説明する。ここでは、画像形成装置1により原稿画像を記録用紙に複写し、引き続いてコーティングユニット3により記録用紙に複写済みの原稿画像の一部領域又は全体領域に対して樹脂コーティングを施す場合と、原稿画像が複写された記録用紙を画像形成装置1にセットし直して、この記録用紙の原稿画像に対して樹脂コーティングを施したり補足したりする場合とを分けて説明する。
【0078】
まず、前者の場合は、例えば操作パネル103の操作により原稿画像の複写を指示すると同時に、例えば写真領域の樹脂コーティングを指示し、また後処理を指示しない。これに応答して入力部(スキャナー)112により原稿画像が読取られ、原稿画像を示す画像データが入力部112から画像処理部115へと入力される。画像処理部115は、画像データに対して各種の画像処理を施し、また画像データに基づき原稿画像の写真領域を抽出して、原稿画像における写真領域の位置(主走査方向の位置及び副走査方向の位置)を求め、原稿画像を示す画像データ及び写真領域の位置を記憶装置113に記憶する。そして、主制御部111は、原稿画像の複写の指示及び原稿画像を示す画像データをエンジン制御部121に出力する。また、主制御部111は、動作開始及び原稿画像における写真領域の位置をエンジン制御部121を通じてコーティング制御部104に指示する。更に、主制御部111は、ステープル装置57の停止状態の維持をエンジン制御部121を通じて後処理制御部106に指示する。
【0079】
エンジン制御部121は、原稿画像の複写の指示及び原稿画像を示す画像データを入力すると、各出力部124を通じて、光走査装置11や定着装置17等を駆動制御したり、用紙搬送経路R1及び中継ユニット2の中継搬送経路R2に沿って設けられた各ローラのモータを駆動制御したりする。これにより、画像形成装置1では原稿画像が記録用紙に複写され、この記録用紙が画像形成装置1から中継ユニット2を通じてコーティングユニット3へと搬送される。
【0080】
また、コーティングユニット3のコーティング制御部104は、動作開始及び原稿画像における写真領域の位置(主走査方向の位置及び副走査方向の位置)を主制御部111から指示されていることから、出力部105を通じて、スルー搬送経路R3及び引込み搬送経路R4に沿って設けられた各ローラやフラッパー45のモータを駆動制御して、記録用紙を引込み搬送経路R4へと導いて搬送させる。また、コーティング制御部104は、出力部105を通じて、各フィルム樹脂コーティング装置46の動作を開始させる。ここでは、原稿画像を記録用紙の片面に複写し、この記録用紙の片面の写真領域を樹脂コーティングするものとする。このため、コーティング制御部104は、搬送経路部分R4aに配置された一方のフィルム樹脂コーティング装置46におけるサーマルヘッド71をプラテンローラ65に押圧させたり、ヒータ部75を発熱させたりするが、搬送経路部分R4bに配置された他方のフィルム樹脂コーティング装置46におけるサーマルヘッド71をプラテンローラ65から離間させたままとし、ヒータ部75を発熱させない。また、各フィルム樹脂コーティング装置46における第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65を回転させて、記録用紙の搬送を可能にする。
【0081】
搬送経路部分R4aに配置された一方のフィルム樹脂コーティング装置46では、記録用紙が搬送されて来ると、センサ81により記録用紙の先端が検出される。コーティング制御部104は、センサ81の検出出力を入力しており、センサ81により記録用紙の先端が検出されると、巻取りリール67のモータを駆動制御して、コーティングフィルム70を搬送経路部分R4aを通じて移動させ、コーティングフィルム70の移動速度を記録用紙の搬送速度に一致させる。
【0082】
また、コーティング制御部104は、センサ81による記録用紙の先端の検出タイミング及び主制御部111から指示された原稿画像における写真領域の副走査方向の位置に基づき、サーマルヘッド71の各発熱体に対する記録用紙に複写された原稿画像の写真領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミングとを求め、また主制御部111から指示された原稿画像における写真領域の主走査方向の位置に基づき、記録用紙に複写された原稿画像の写真領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。そして、コーティング制御部104は、摺接開始タイミングから摺接終了タイミングまでの期間だけ、サーマルヘッド71の選択した各発熱体だけを発熱させる。これにより、記録用紙に複写された原稿画像の写真領域がサーマルヘッド71とプラテンローラ65との間を通過するときに、コーティングフィルム70のコーティング樹脂層が記録用紙上の写真領域だけに密着し、記録用紙上の写真領域だけが樹脂コーティングされる。
【0083】
ここで、元の原稿画像と記録用紙が同一サイズであって、元の原稿画像における写真領域の位置と記録用紙における写真領域の位置とが一致する場合は、元の原稿画像における写真領域の位置をそのまま用いて、サーマルヘッド71の各発熱体に対する写真領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミング、及び写真領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。また、画像形成装置1において元の原稿画像を変倍して記録用紙に複写した場合は、元の原稿画像における写真領域の位置及び原稿画像の変倍率に基づき、記録用紙における写真領域の位置を求め、この記録用紙における写真領域の位置を用いて、サーマルヘッド71の各発熱体に対する写真領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミング、及び写真領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。
【0084】
こうして樹脂コーティングを施された記録用紙は、コーティングユニット3から後処理ユニット4へと搬送される。
【0085】
後処理ユニット4の後処理制御部106は、ステープル装置57の停止状態の維持を主制御部111から指示されていることから、ステープル装置57の停止状態を維持し、また出力部107を通じて、排出搬送経路R5に沿って設けられた各ローラやフラッパー56のモータを駆動制御して、記録用紙を排出搬送経路R5を通じて排紙トレイ53へと排出する。
【0086】
このように画像形成装置1により画像が記録用紙に複写され、引き続いてコーティングユニット3により記録用紙の写真領域だけが樹脂コーティングされる。
【0087】
次に、原稿画像が複写された記録用紙を画像形成装置1にセットし直して、この記録用紙の原稿画像に対して樹脂コーティングを施したり補足したりするための制御手順を、図9に示すフローチャートに従って説明する。ここでは、記録用紙に複写された原稿画像のロゴ領域を樹脂コーティングするものとする。
【0088】
まず、操作パネル103の操作により原稿画像が複写された記録用紙の樹脂コーティング要求を指示する。これに応答して主制御部111は、複写済みの原稿画像を示す画像データを記憶装置113から読み出し、複写済みの原稿画像の一覧を作成して、複写済みの原稿画像の一覧を操作パネル103の表示制御部125に出力する。表示制御部125は、複写済みの原稿画像の一覧を入力すると、複写済みの原稿画像の一覧を液晶表示装置126の画面に表示する(ステップS201)。例えば、複写済みの原稿画像のサムネイルの一覧を作成して液晶表示装置126の画面に表示する。
【0089】
この状態で、液晶表示装置126の画面上で任意の複写済みの原稿画像が選択指示されると、表示制御部125は、操作パネル103のタッチパネル127を通じて、その選択された複写済みの原稿画像を判定し、この判定結果を主制御部111に通知する。これに応答して主制御部111は、その選択された複写済みの原稿画像を示す画像データを記憶装置113から読み出して、画像データを操作パネル103の表示制御部125に出力する(ステップS202)。また、その選択された複写済みの原稿画像を示す画像データと共にその原稿画像における写真領域(樹脂コーティングされた領域)の位置が記憶装置113に記憶されていたならば、主制御部111は、写真領域の位置を記憶装置113から読み出して、写真領域の位置を操作パネル103の表示制御部125に出力する(ステップS203)。
【0090】
ここで、表示制御部125は、複写済みの原稿画像を示す画像データだけを入力すると(ステップS204で「No」)、複写済みの原稿画像を液晶表示装置126の画面に表示する(ステップS205)。例えば、図10(a)に示すように液晶表示装置126の画面126aに原稿画像Hを表示する。
【0091】
また、表示制御部125は、複写済みの原稿画像を示す画像データ及び写真領域(樹脂コーティングされた領域)の位置を入力すると、複写済みの原稿画像を液晶表示装置126の画面に表示した上で、この画面の原稿画像において写真領域を区別して表示する(ステップS206)。例えば、図10(b)に示すように液晶表示装置126の画面126aに原稿画像Hを表示し、更に原稿画像H上の写真領域haを囲う点線hbを表示して、写真領域haを区別表示する。
【0092】
こうして液晶表示装置126の画面に原稿画像が表示された状態で、原稿画像において樹脂コーティングを施したり補足したりする領域を指定する。例えば、液晶表示装置126の画面上で原稿画像において樹脂コーティングを施したり補足したりする矩形領域の対角頂点を指定する(ステップS207)。表示制御部125は、タッチパネル127を通じて、矩形領域の対角頂点の位置を判定して、この対角頂点の位置に基づき矩形領域の位置(主走査方向の位置及び副走査方向の位置)を求め、この矩形領域の位置を主制御部111に通知する。
【0093】
そして、複写済みの原稿画像において写真領域がなければ(例えば図10(a)の原稿画像H)、主制御部111は、領域の重複がないと判定し(ステップS208で「No」)、表示制御部125を通じて、ステップS207で指定された矩形領域を液晶表示装置126の画面に区別表示する(ステップS209)。
【0094】
また、複写済みの原稿画像において写真領域があれば(例えば図10(b)の原稿画像H)、主制御部111は、ステップS207で指定された矩形領域の位置と記憶装置113から先に読み出した写真領域(樹脂コーティングされた領域)の位置とを比較し、両者の領域が重複するか否かを判定する(ステップS208)。そして、主制御部111は、両者の領域が重複していたならば(ステップS208で「Yes」)、表示制御部125を通じて、樹脂コーティングが不可の旨を示す警告を液晶表示装置126の画面に表示して(ステップS210)、ステップS207に戻り、樹脂コーティングを施したり補足したりする矩形領域が再度指定されるまで待機する。これは、ステップS207で指定された矩形領域に樹脂コーティングが施されると、この矩形領域に重複する写真領域の少なくとも一部に対して樹脂コーティングが二重に施されて、この一部の画像品質が著しく低下するためである。
【0095】
また、主制御部111は、両者の領域が重複していなければ(ステップS208で「No」)、表示制御部125を通じて、ステップS207で指定された矩形領域を液晶表示装置126の画面に区別表示する(ステップS209)。例えば、図10(c)に示すように液晶表示装置126の画面126aに原稿画像Hを表示し、更に原稿画像H上のロゴ領域hcを囲う線hdを表示して、ロゴ領域hcを区別表示する。
【0096】
こうしてロゴ領域を指定した後に、操作パネル103の実行キー(図示せず)を操作する(ステップS211)。これに応答して主制御部111は、図10(d)に示すように手差しトレイ19に対する記録用紙の載置の方向を表示する(ステップS212)。これは、手差しトレイ19に対する記録用紙に複写された原稿画像を上向きにするか下向きにするかを指定することにより、記録用紙の原稿画像を樹脂コーティングすることが可能な1台のフィルム樹脂コーティング装置46を特定することができ、また手差しトレイ19に対する記録用紙の載置の方向を指定することにより、フィルム樹脂コーティング装置46による記録用紙のロゴ領域の樹脂コーティングの実施タイミングを特定することができるためである。ここでは、記録用紙の複写面を下向きにして、記録用紙に複写された原稿画像の上端を手差しトレイ19の奥の方に向ける旨が表示される。
【0097】
この図10(d)の表示に従って、記録用紙の複写面を下向きにして、記録用紙に複写された原稿画像の上端を手差しトレイ19の奥の方に向けて、記録用紙を手差しトレイ19に載せる。そして、操作パネル103の確認キー(図示せず)を操作して、記録用紙の樹脂コーティングの開始を指示する(ステップS213)。これに応答して主制御部111は、印刷動作の停止指示及び記録用紙の搬送指示をエンジン制御部121に出力する。また、主制御部111は、動作開始及び原稿画像におけるロゴ領域の位置(主走査方向の位置及び副走査方向の位置)をエンジン制御部121を通じてコーティング制御部104に指示する。更に、主制御部111は、ステープル装置57の停止状態の維持をエンジン制御部121を通じて後処理制御部106に指示する。
【0098】
エンジン制御部121は、印刷動作の停止指示及び記録用紙の搬送指示を入力すると、各出力部124を通じて、光走査装置11や定着装置17等を停止状態に設定し、また用紙搬送経路R1及び中継ユニット2の中継搬送経路R2に沿って設けられた各ローラのモータを駆動制御する。これにより、複写済みの記録用紙が手差しトレイ19から引出され(ステップS214)、この記録用紙に対する画像の印刷が行われずに(ステップS215)、この記録用紙が画像形成装置1から中継ユニット2を通じてコーティングユニット3へと搬送される。
【0099】
このとき、コーティングユニット3のコーティング制御部104は、動作開始及び原稿画像におけるロゴ領域の位置(主走査方向の位置及び副走査方向の位置)を主制御部111から指示されていることから、出力部105を通じて、スルー搬送経路R3及び引込み搬送経路R4に沿って設けられた各ローラやフラッパー45のモータを駆動制御して、記録用紙を引込み搬送経路R4へと導いて搬送させる。また、コーティング制御部104は、出力部105を通じて、各フィルム樹脂コーティング装置46の動作を開始させる。ここでは、記録用紙の片面のロゴ領域を樹脂コーティングするため、コーティング制御部104は、搬送経路部分R4aに配置された一方のフィルム樹脂コーティング装置46におけるサーマルヘッド71をプラテンローラ65に押圧させたり、ヒータ部75を発熱させたりするが、搬送経路部分R4bに配置された他方のフィルム樹脂コーティング装置46におけるサーマルヘッド71をプラテンローラ65から離間させたままとし、ヒータ部75を発熱させない。ただし、各フィルム樹脂コーティング装置46における第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62、及びプラテンローラ65を回転させて、記録用紙の搬送を可能にする。
【0100】
搬送経路部分R4aに配置された一方のフィルム樹脂コーティング装置46では、記録用紙が搬送されて来ると、センサ81により記録用紙の先端が検出される。コーティング制御部104は、センサ81により記録用紙の先端が検出されると、巻取りリール67のモータを駆動制御して、コーティングフィルム70の移動速度を記録用紙の搬送速度に一致させる。そして、コーティング制御部104は、センサ81による記録用紙の先端の検出タイミング及び原稿画像におけるロゴ領域の副走査方向の位置に基づき、サーマルヘッド71の各発熱体に対する記録用紙に複写された原稿画像のロゴ領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミングとを求め、また原稿画像におけるロゴ領域の主走査方向の位置に基づき、記録用紙に複写された原稿画像のロゴ領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。更に、コーティング制御部104は、摺接開始タイミングから摺接終了タイミングまでの期間だけ、サーマルヘッド71の選択した各発熱体だけを発熱させる。これにより、記録用紙に複写されたロゴ画像の写真領域がサーマルヘッド71とプラテンローラ65との間を通過するときに、コーティングフィルム70のコーティング樹脂層が記録用紙上のロゴ領域だけに密着し、記録用紙上のロゴ領域だけが樹脂コーティングされる(ステップS216)。
【0101】
ここでも、元の原稿画像と記録用紙が同一サイズであって、元の原稿画像におけるロゴ領域の位置と記録用紙におけるロゴ領域の位置とが一致する場合は、元の原稿画像におけるロゴ領域の位置をそのまま用いて、サーマルヘッド71の各発熱体に対する写真領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミング、及び写真領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。また、画像形成装置1において元の原稿画像を変倍して記録用紙に複写した場合は、元の原稿画像におけるロゴ領域の位置及び原稿画像の変倍率に基づき、記録用紙におけるロゴ領域の位置を求め、この記録用紙におけるロゴ領域の位置を用いて、サーマルヘッド71の各発熱体に対するロゴ領域の摺接開始タイミングと摺接終了タイミング、及びロゴ領域に重なるサーマルヘッド71の各発熱体を選択して求める。
【0102】
この記録用紙は、コーティングユニット3から後処理ユニット4へと搬送される。後処理ユニット4の後処理制御部106は、ステープル装置57の停止状態の維持を主制御部111から指示されていることから、記録用紙を排出搬送経路R5を通じて排紙トレイ53へと排出する。
【0103】
このように本実施形態の印刷システムPsでは、原稿画像が複写された記録用紙を画像形成装置1にセットし直して、記録用紙の樹脂コーティング済みの領域(写真領域)を除く一部領域(ロゴ領域)に対して樹脂コーティングを補足して施すようにしている。このため、記録用紙の同一領域に対して樹脂コーティングが繰り返し施されることはなく、画像品質の低下が生じることもない。
【0104】
尚、図10(b)、(c)に示すように液晶表示装置126の画面126aに表示されている原稿画像H上の写真領域haを点線hbにより区別表示する代わりに、図11(a)、(b)に示すように原稿画像H上の写真領域haをグレイアウト表示しても構わない。
【0105】
また、画像形成装置1において、手差しトレイ19に載せられた記録用紙の原稿画像を読取る密着型イメージセンサ(CIS)をレジストローラ34付近等に設け、このCISにより読取られた記録用紙の原稿画像と記憶装置113から読み出した原稿画像とを比較し、この比較に基づき記録用紙の原稿画像の表裏や向き判定し、この判定結果に基づき記録用紙の原稿画像を樹脂コーティングすることが可能な1台のフィルム樹脂コーティング装置46を特定したり、またフィルム樹脂コーティング装置46による記録用紙のロゴ領域の樹脂コーティングの実施タイミングを求めてもよい。
【0106】
更に、上記実施形態では、コーティングフィルムを用いて、記録用紙に樹脂コーティング(光沢処理)を施しているが、透明トナーを用いて、記録用紙に光沢処理を施す印刷装置に対しても本発明を適用することができる。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
2 中継ユニット
3 コーティングユニット
4 後処理ユニット
11 光走査装置
12 現像装置
13 感光体ドラム
14 ドラムクリーニング装置
15 帯電器
17 定着装置(定着部)
18 給紙トレイ
19 手差しトレイ
46 フィルムコーティング装置
61 第1搬送ローラ
62 第2搬送ローラ
63 第1ピンチローラ
64 第2ピンチローラ
65 プラテンローラ
66 送出しリール
67 巻取りリール
68 第1補助ローラ
69 第2補助ローラ
70 コーティングフィルム
71 サーマルヘッド
Ps 印刷システム
101 コントロール部(光沢処理補足部)
102 エンジン部
103 操作パネル(指定部、表示部)
104 コーティング制御部(光沢処理補足部)
105、107 出力部
106 後処理制御部
113 記憶装置(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が印刷された用紙の少なくとも一部の領域に対して光沢処理を施す印刷装置であって、
用紙に対して光沢処理を再度施すときに、前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域に対して光沢処理を補足して施す光沢処理補足部を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記光沢処理補足部は、前記用紙の光沢処理済み領域を記憶する記憶部と、前記記憶部内の前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域を指定する指定部とを有し、前記指定部により指定された前記用紙の一部の領域に対して光沢処理を補足して施すことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記光沢処理補足部は、前記用紙の画像を表示し、前記画像において前記用紙の光沢処理済み領域を区別して表示する表示部を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記指定部は、前記表示部に表示された前記画像において前記用紙の光沢処理済み領域を除く一部の領域を指定するために操作されることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
前記光沢処理補足部は、前記指定部により指定された前記用紙の領域が前記用紙の光沢処理済み領域に重なる場合に警告を発することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
前記光沢処理補足部は、前記指定部により指定された前記用紙の領域が前記用紙の光沢処理済み領域に重なる場合に前記指定部による指定を禁止することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の印刷装置であって、
前記光沢処理補足部は、前記印刷装置における前記用紙のセット位置及び/又はセット方向を前記表示部に表示することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の印刷装置であって、
前記印刷装置は、前記用紙に対して光沢処理を再度施すときに、前記用紙に対する画像の印刷処理を停止することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97182(P2013−97182A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240181(P2011−240181)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】