説明

印字装置及び印字方法

【課題】センサ部の検出レベルを低下させる紙粉等の埃の除去を自動で行うことができるようにする。
【解決手段】印字媒体である台紙上のラベルの搬送中に印字すべきラベルの基準位置となるラベルのギャップ(ラベル間の台紙のみの部分)を用紙センサ9により検出し、CPU11により該検出結果に応じてモータ制御部16による搬送動作と印字制御部17による印字動作を制御し、さらにCPU11によって用紙センサ9による検出結果に基づく検出レベルの判定により、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、用紙センサ振動体19Aを駆動させ、用紙センサ9に付着する付着物が振り落とされるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字装置のセンサ部に付着する紙粉等の埃を自動で除去するようにした印字装置及び印字方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印字装置には、たとえばICタグやラベル等の印字媒体に文字等を印字するラベルプリンタがある。このようなラベルプリンタでは、案内ローラと印字部との間に設けられている用紙センサにより印字媒体に施されているたとえば位置検出用マークが検出されることで、印字媒体への印字位置等が制御されるようになっている。
【0003】
また、このようなラベルプリンタでは、たとえば印字したラベルを一枚毎に切断して発行するためのカッタを搭載したものがある。カッタには、固定刃に対して回転刃が一回転して切断するロータリー式、あるいは固定刃に対して可動刃を進退移動させることにより切断するギロチン式等がある。
【0004】
これらのロータリー式やギロチン式等のカッタでは、たとえば印字したラベルを正確な位置で切断するために、たとえば上述した用紙センサによる検出結果に基づきそのラベルの送り量が制御されるようになっている。
【0005】
また、ロータリー式のカッタでは、カッタセンサにより、回転刃の位置を検出し、たとえば印字したラベルが正常に切断されたかどうか、あるいはラベルの切断に支障をきたしていないかどうかの切断動作を検出している。また、ギロチン式のカッタでは、カッタセンサにより、可動刃の位置を検出し、同様に、印字したラベルが正常に切断されたかどうか、あるいはラベルの切断に支障をきたしていないかどうかの切断動作を検出している。
【0006】
たとえば用紙を正確な位置でカットできるようにしたものとして、特許文献1では、ラベルのエッジを検出する用紙センサを印字部とカッタ部の間に設け、この用紙センサが検出したエッジ位置の中間点を起点としてカット位置を定めるようにしたラベルプリンタを提案している。
【特許文献1】特開2003−26134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1でのラベルプリンタのように、ラベルのエッジ等を検出する用紙センサを搭載したものでは、印字の際に用紙が各種搬送ローラ等によって印字位置まで搬送されるとき、用紙への摩擦等によって紙粉が生じ、その紙粉が用紙センサに付着する場合がある。
【0008】
また、上述したロータリー式やギロチン式等のカッタ及びカッタセンサを搭載したラベルプリンタでは、そのカッタによる用紙の切断に伴って紙粉が生じ、その紙粉がカッタセンサに付着する場合がある。
【0009】
また、ラベルプリンタの使用環境にもよるが、細かい塵等がラベルプリンタの内部に侵入して用紙センサやカッタセンサに付着する場合もある。このように用紙センサやカッタセンサに紙粉等の埃が付着すると、これらの用紙センサやカッタセンサによる検出レベルが低下し、検出エラーとなって適切な印字が行われなかったり、適切位置での用紙切断が行われなかったりする。
【0010】
このような場合、上述した各種センサに付着した紙粉等の埃を除去する必要があるが、その除去作業が繁雑であるばかりか、特に、携帯型のラベルプリンタのように小型のものでは、内部機構が込み入っているために上述した各種センサに手が届かず、紙粉等の埃の除去が困難となる場合があるといった問題があった。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができる印字装置及び印字方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の印字装置は、印字すべき印字媒体の基準位置を検出して前記印字媒体への印字を行う印字装置であって、前記印字媒体に対して印字を行う印字手段と、前記印字媒体を前記印字手段側に搬送する搬送手段と、該搬送手段による前記印字媒体の搬送中に前記基準位置を検出する第1検出手段と、該第1検出手段に振動を与える第1振動付与手段と、前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記搬送手段による搬送動作と前記印字手段による印字動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第1振動付与手段を駆動させることを特徴とする。
また、前記印字手段の下流側に設けられ前記印字媒体を切断する切断手段と、前記印字媒体が前記切断手段による切断位置に到達したかどうかを検出する第2検出手段と、該第2検出手段に振動を与える第2振動付与手段と備え、前記制御手段は、前記第2検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第2振動付与手段を駆動させるようにすることができる。
本発明の印字方法は、印字すべき印字媒体の基準位置を検出して前記印字媒体への印字を行う印字方法であって、前記印字媒体に対して印字手段により印字を行うステップと、前記印字媒体を前記印字手段側に搬送するステップと、前記印字媒体の搬送中に前記基準位置を第1検出手段により検出するステップと、該第1検出手段に第1振動付与手段によって振動を与えるステップと、前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記搬送動作と前記印字動作を制御するステップとを有し、前記第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第1振動付与手段を駆動させることを特徴とする。
また、前記印字手段の下流側に設けられた切断手段によって前記印字媒体を切断するステップと、前記印字媒体が前記切断する位置に到達したかどうかを第2検出手段により検出するステップと、該第2検出手段に第2振動付与手段によって振動を与えるステップとを有し、前記第2検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第2振動付与手段を駆動させるようにすることができる。
本発明の印字装置及び印字方法では、印字媒体の搬送中に印字すべき印字媒体の基準位置が第1検出手段により検出され、該検出結果に応じて搬送動作と印字動作が制御され、第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルの判定により、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定されると、第1振動付与手段が駆動され、該第1検出手段に付着する付着物が振り落とされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の印字装置及び印字方法によれば、検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定されると、第1検出手段が駆動され、該第1検出手段に付着する付着物が振り落とされるようにしたので、第1振動付与手段の検出レベルを低下させる紙粉等の埃の除去を自動で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態では、搬送手段による印字媒体の搬送中に印字すべき印字媒体の基準位置を第1検出手段により検出し、制御手段により該検出結果に応じて搬送手段による搬送動作と印字手段による印字動作を制御し、さらに制御手段によって第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルの判定により、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、第1振動付与手段を駆動させ、該第1検出手段に付着する付着物が振り落とされるようにし、第1振動付与手段の検出レベルを低下させる紙粉等の埃の除去を自動で行うようにした。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の印字装置をラベルプリンタに適用した場合の一実施例を示す図である。
【0016】
同図に示すラベルプリンタは、たとえば印字面とは反対側に剥離可能な接着面を有した複数のラベル1を剥離可能に仮着している台紙2がロール状に巻回されたラベル連続体3を回転自在に支持する供給軸4と、ラベル1に印字を行う印字ヘッド5と、ラベル1を印字ヘッド5側に案内する案内ローラ6a,6bと、ラベル1を印字ヘッド5に押圧するプラテンローラ6と、ベルト8を介してプラテンローラ6に回転駆動力を与えるステッピングモータ7とを備えている。
【0017】
また、同図に示すラベルプリンタは、台紙2及びラベル1を挟むように発光部9aと受光部9bとを配し、印字すべきラベル1の基準位置を検出するセンサ部である透過型の用紙センサ9と、各部の動作を制御する制御部10と、印字済みのラベル1を、ラベル1毎に切断する固定刃23a及び可動刃23bと台紙2上のラベル1を挟むように発光部24aと受光部24bとを配し、ラベル1が切断位置まで搬送されたかどうかを検出するセンサ部である透過型のカッタセンサ24とを有する切断部23Aとを備えている。
【0018】
なお、用紙センサ9によって検出されるラベル1の基準位置は、ラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)であってもよいし、ラベル1のエッジであってもよく、さらには透過型に限らず、ラベル1又は台紙2に施された所定の位置検出用マークを検出する反射型のセンサであってもよい。
【0019】
また、カッタセンサ24によるラベル1が切断位置まで搬送されたかどうかの検出は、たとえば図1のようにカッタセンサ24が固定刃23a及び可動刃23bに近接する位置に配置されている場合、ラベル1のエッジを検出することで行われる。すなわち、カッタセンサ24は、切断部23Aによって切断されるラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)が固定刃23a及び可動刃23bの位置に到達する直前に、ラベル1のエッジを検出することができる位置に設けられている。
【0020】
なお、カッタセンサ24の配置によってはラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)が検出されるようにしてもよい。すなわち、ラベル1のギャップ検出によってラベル1が切断位置まで搬送されたかどうかは、そのギャップが検出されてから後述するようにステッピングモータ7へのステップ数をカウントすることで判断することができる。また、カッタセンサ24は、透過型に限らず上述した所定の位置検出用マークを検出する反射型であってもよい。
【0021】
図2は、上述した透過型の用紙センサ9及びカッタセンサ24を示す図である。図2(a)に示すように、用紙センサ9には用紙センサ振動体19Aが取り付けられている。また、図2(b)に示すように、カッタセンサ24にはカッタセンサ振動体22Aが取り付けられている。これらの用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aは、小型の振動モータや超音波振動体等を用いることができる。
【0022】
なお、用紙センサ9及びカッタセンサ24に対する用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aの取り付け位置は、少なくとも用紙センサ9及びカッタセンサ24による検出動作を妨げない位置であればよい。
【0023】
これらの用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aは、制御部10の制御によって用紙センサ9及びカッタセンサ24に振動を与えるものであり、その振動によって用紙センサ9の発光部9a及び受光部9bと、カッタセンサ24の発光部24a及び受光部24bに付着した紙粉等の埃が振り落とされるようになっている。
【0024】
すなわち、台紙2上のラベル1が案内ローラ6a,6b等によって印字ヘッド5側に搬送されるとき、案内ローラ6a,6bとの摩擦等によって紙粉が生じ、その紙粉等の埃が用紙センサ9の発光部9a及び受光部9bに付着しても、用紙センサ振動体19Aの振動によりその紙粉等の埃が振り落とされることになる。
【0025】
また、印字済みのラベル1が切断部23Aにてラベル1毎に切断される際も同様に、その紙粉等の埃がカッタセンサ24の発光部24a及び受光部24bに付着しても、カッタセンサ振動体22Aの振動によりその紙粉等の埃が振り落とされることになる。
【0026】
図3は、制御部10の詳細を説明するための図である。同図に示すように、制御部10はCPU11、ROM12、RAM13、外部インタフェース14、インタフェース15、モータ制御部16、印字制御部17、用紙センサ制御部18、用紙センサ振動体制御部19、カッタ制御部20、カッタセンサ制御部21、カッタセンサ振動体制御部22を備えている。
【0027】
制御手段としてのCPU11は、ROM12に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御する。ここで、本実施例におけるCPU11による主な制御としては、用紙センサ9又はカッタセンサ24のいずれかの検出レベルが所定の閾値を下回った場合、用紙センサ振動体制御部19又はカッタセンサ振動体制御部22に対し、用紙センサ振動体19A又はカッタセンサ振動体22Aを個別に振動させることである。
【0028】
なお、CPU11による制御にあっては、用紙センサ9又はカッタセンサ24のいずれかの検出レベルが所定の閾値を下回った場合、用紙センサ振動体制御部19及びカッタセンサ振動体制御部22に対し、用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aの両方を同時に振動させるようにしてもよい。
【0029】
また、CPU11による制御にあっては、ユーザによって用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aを振動させるタイミング(1ヶ月毎、3ヶ月毎、6ヶ月毎等)が任意に設定されるようにし、そのタイミングで用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aを振動させるようにしてもよい。また、ユーザによって設定されるタイミングにあっては、用紙センサ振動体19Aとカッタセンサ振動体22Aの振動が個別に行われるようにしてもよい。
【0030】
ROM12には、CPU11の動作に必要な制御プログラム等が格納されている。RAM13には、印字すべき文字、図形、バーコード等の印字データが展開される。
【0031】
外部インタフェース14は、外部に接続されるホストコンピュータ等の機器との間でデータの送受信を行う。インタフェース15は、入力部25からの入力データを受け付けたり、モニタ26へ表示のための信号を送出したりする。
【0032】
モータ制御部16は、ステッピングモータ7にパルス信号を供給し、ステッピングモータ7を駆動させる。ここで、モータ制御部16及びステッピングモータ7と上述したプラテンローラ6及びベルト8により搬送手段が構成されている。
【0033】
印字制御部17は、印字データに対応する制御信号を生成して印字ヘッド5に供給し、印字動作を行わせる。ここで、印字制御部17及び印字ヘッド5により印字手段が構成されている。
【0034】
用紙センサ制御部18は、第1検出手段としての用紙センサ9の検出動作を制御するとともに、用紙センサ9からの検出結果を受け取り、CPU11に供給する。すなわち、用紙センサ制御部18は、用紙センサ9からの検出結果を電気信号として取り込むと、その電気信号をデジタルデータに変換してCPU11に与える。このとき、そのデジタルデータのレベルは、用紙センサ9の検出レベルに応じたものとなる。
【0035】
用紙センサ振動体制御部19は、CPU11の制御により、用紙センサ9に設けられている第1振動付与手段としての用紙センサ振動体19Aを振動させる。なお、用紙センサ振動体19Aを振動させる時間は、任意に設定することができる。すなわち、たとえば用紙センサ9が上述したようにラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)を検出するものである場合、用紙センサ9があるラベル1のギャップを検出した後、次のラベル1のギャップを検出するまでの時間内とするように設定すればよい。これにより、用紙センサ9によるラベル1のギャップの検出中に用紙センサ振動体19Aによる振動が生じないため、用紙センサ9によるラベル1のギャップの検出エラーが防げる。
【0036】
カッタ制御部20は、CPU11の制御により、図示しないカッタモータを駆動させ、切断手段としてのカッタ23の可動刃23bを切断開始位置(図1に示す位置)と切断位置(図1の固定刃23aに接近する位置)との間で進退移動させる。
【0037】
カッタセンサ制御部21は、第2検出手段としてのカッタセンサ24の検出動作を制御するとともに、カッタセンサ24からの検出結果を受け取り、CPU11に供給する。すなわち、カッタセンサ制御部21は、カッタセンサ24からの検出結果を電気信号として取り込むと、その電気信号をデジタルデータに変換してCPU11に与える。このとき、そのデジタルデータのレベルは、カッタセンサ24の検出レベルに応じたものとなる。
【0038】
カッタセンサ振動体制御部22は、CPU11の制御により、カッタセンサ24に設けられている第2振動付与手段としてのカッタセンサ振動体22Aを振動させる。なお、カッタセンサ振動体22Aを振動させる時間は、上記同様に、任意に設定することができる。すなわち、たとえばカッタセンサ24が上述したように、ラベル1のエッジ又はラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)を検出した後、次のラベル1のエッジ又はエッジを検出するまでの時間内とするように設定すれよい。これにより、カッタセンサ24によるラベル1のエッジ又はギャップの検出中にカッタセンサ振動体22Aによる振動が生じないため、カッタセンサ24による検出エラーが防げる。
【0039】
次に、上述したラベルプリンタにおける印字方法について説明する。なお、以下の説明においては、用紙センサ9又はカッタセンサ24のいずれかの検出レベルが所定の閾値を下回った場合、CPU11により、用紙センサ振動体制御部19又はカッタセンサ振動体制御部22を介して、用紙センサ振動体19A又はカッタセンサ振動体22Aを個別に振動させる場合で説明する。
【0040】
まず、図4に示すように、CPU11が入力部25からの印字指令を受け取ると(ステップS1)、図示しないデジタルカウンタに対しリセット信号を与えることで、デジタルカウンタがクリアされる(ステップS2)。
【0041】
次いで、CPU11により制御されるモータ制御部16により、ステッピングモータ7に対して一定のパルス数のパルス信号を与えることにより、ステッピングモータ7がステップ駆動する。これにより、ベルト8を介して伝達されるステッピングモータ7の駆動力によってプラテンローラ6及び案内ローラ6a,6b等が回転し、ラベル搬送が開始される(ステップS3)。この場合、ロール状のラベル連続体3から複数のラベル1を剥離可能に仮着している台紙2が印字ヘッド5側に搬送される。
【0042】
ここで、複数のラベル1を剥離可能に仮着している台紙2が印字ヘッド5側に搬送されるとき、用紙センサ9によりラベル1のたとえばギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)が検出され(ステップS4)、その検出結果が電気信号として用紙センサ制御部18に取り込まれると、用紙センサ制御部18によりその電気信号がデジタルデータに変換されてCPU11に与えられる。
【0043】
このとき、CPU11から図示しないデジタルカウンタに対しカウンタ開始の制御信号が与えられ、ステッピングモータ7のステップ数のカウントが開始される(ステップS5)。
【0044】
またこのとき、用紙センサ制御部18からCPU11に与えられるデジタルデータのレベルは、用紙センサ9による検出レベルに応じたものであり、CPU11によりその検出レベルが所定の閾値を下回ったかどうかが判定される(ステップS6)。
【0045】
ここで、その検出レベルが所定の閾値を下回っていなければ(ステップS6:No)、検出エラーが生じないため、用紙センサ振動体制御部19を介しての用紙センサ9に設けられている用紙センサ振動体19Aの振動の制御は行われない。これに対し、その検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定されると(ステップS6:Yes)、CPU11により制御される用紙センサ振動体制御部19により、用紙センサ9に設けられている用紙センサ振動体19Aが所定時間振動される(ステップS7)。
【0046】
この用紙センサ振動体19Aによる振動は、用紙センサ9全体に与えられるため、用紙センサ9の発光部9aと受光部9bに付着した紙粉等の埃が振り落とされる。これにより、用紙センサ9による紙粉等の埃の付着によっての検出レベルの低下が回避されるため、用紙センサ9による検出エラーを未然に防げる。
【0047】
上述したステップ数のカウントとともに、台紙2上のラベル1が印字ヘッド5側にさらに搬送され、そのステップ数が印字開始に到達したかどうかが判定され(ステップS8)、印字開始に到達したと判定された場合、CPU11によって制御される印字制御部17により、印字データに対応する制御信号が生成されて印字ヘッド5に供給される。これにより、印字ヘッド5によるラベル1への印字が行われる(ステップS9)。
【0048】
次いで、印字ヘッド5により台紙2上のラベル1への必要な印字が行われると、そのラベル1が切断部23A側に搬送される。ここで、カッタセンサ24によりたとえばラベル1のエッジが検出されると(ステップS10)、その検出結果が電気信号としてカッタセンサ制御部21に取り込まれ、カッタセンサ制御部21によりその電気信号がデジタルデータに変換されてCPU11に与えられる。
【0049】
そして、CPU11により制御されるカッタ制御部20により、図示しないカッタモータが駆動され、カッタ23の可動刃23bによりラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)が切断される(ステップS11)。
【0050】
このとき、カッタセンサ制御部21からCPU11に与えられるデジタルデータのレベルは、カッタセンサ24による検出レベルに応じたものであり、CPU11によりその検出レベルが所定の閾値を下回ったかどうかが判定される(ステップS12)。
【0051】
ここで、その検出レベルが所定の閾値を下回っていなければ(ステップS12:No)、検出エラーが生じないため、カッタセンサ振動体制御部22を介してのカッタセンサ24に設けられているカッタセンサ振動体22Aの振動の制御は行われない。これに対し、その検出レベルが所定の閾値を下回った判定されると(ステップS12:Yes)、CPU11により制御されるカッタセンサ振動体制御部22により、カッタセンサ24に設けられているカッタセンサ振動体22Aが振動される(ステップS13)。
【0052】
このカッタセンサ振動体22Aによる振動は、カッタセンサ24全体に与えられるため、カッタセンサ24の発光部24aと受光部24bに付着した紙粉等の埃が振り落とされる。これにより、カッタセンサ24による紙粉等の埃の付着によっての検出レベルの低下が回避されるため、カッタセンサ24による検出エラーを未然に防げる。
【0053】
このように、本実施例では、印字媒体である台紙2上のラベル1の搬送中に印字すべきラベル1の基準位置となるラベル1のギャップ(ラベル1間の台紙2のみの部分)を用紙センサ9により検出し、CPU11により該検出結果に応じてモータ制御部16による搬送動作と印字制御部17による印字動作を制御し、さらにCPU11によって用紙センサ9による検出結果に基づく検出レベルの判定により、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、用紙センサ振動体19Aを駆動させ、用紙センサ9に付着する付着物が振り落とされるようにしたので、用紙センサ9の検出レベルを低下させる紙粉等の埃の除去を自動で行うことができる。
【0054】
また、本実施例では、CPU11により、台紙2上のラベル1が切断部23Aの切断位置まで搬送されたかどうかを検出するカッタセンサ24による検出結果に基づく検出レベルの判定により、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、カッタセンサ振動体22Aを駆動させ、カッタセンサ24に付着する付着物が振り落とされるようにしたので、カッタセンサ24の検出レベルを低下させる紙粉等の埃の除去を自動で行うことができる。
【0055】
なお、本実施例では、台紙2上に剥離可能に仮着されているラベル1に対して印字を行うラベルプリンタの場合で説明したが、ICタグ等の他の印字媒体に対して印字を行うラベルプリンタにも適用可能である。
【0056】
また、本実施例では、ラベル1への印字中に、用紙センサ9による検出結果に基づく検出レベルの判定とカッタセンサ24による検出結果に基づく検出レベルの判定とを行う場合について説明したが、この例に限らず、印字開始前に用紙センサ9及びカッタセンサ24の検出レベルを判定し、検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定された用紙センサ9又はカッタセンサ24の用紙センサ振動体19A又はカッタセンサ振動体22Aを駆動させてから印字が開始されるようにしてもよい。
【0057】
この場合、用紙センサ9又はカッタセンサ24のいずれかの検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定された場合、用紙センサ振動体19A及びカッタセンサ振動体22Aの両方を同時に駆動させてもよい。
【0058】
また、本実施例では、切断部23Aをギロチン式とした場合で説明しているが、その切断部23Aがロータリー式であっても適用可能である。
【0059】
また、本実施例では、印字済みのラベル1を、ラベル1毎に切断する切断部23Aを備えたラベルプリンタの場合で説明したが、その切断部23Aが備わっていないラベルプリンタにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
ラベルプリンタに限らず、シリアルプリンタ、ラインプリンタ、ページプリンタ等の他の印字装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の印字装置をラベルプリンタに適用した場合の一実施例を示す図である。
【図2】図1の用紙センサ及びカッタセンサを示す図である。
【図3】図1の制御部の詳細を説明するための図である。
【図4】図1のラベルプリンタにおける印字方法について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 ラベル(印字媒体)
2 台紙
3 ラベル連続体
4 供給軸
5 印字ヘッド(印字手段)
6 プラテンローラ(搬送手段)
6a,6b 案内ローラ
7 ステッピングモータ(搬送手段)
8 ベルト(搬送手段)
9 用紙センサ(第1検出手段)
9a 発光部
9b 受光部
10 制御部
14 外部インタフェース
15 インタフェース
16 モータ制御部(搬送手段)
17 印字制御部(印字手段)
18 用紙センサ制御部
19 用紙センサ振動体制御部
19A 用紙センサ振動体(第1振動付与手段)
20 カッタ制御部
21 カッタセンサ制御部
22 カッタセンサ振動体制御部
22A カッタセンサ振動体(第2振動付与手段)
23 カッタ(切断手段)
23A 切断部
23a 固定刃
23b 可動刃
24 カッタセンサ(第2検出手段)
24a 発光部
24b 受光部
25 入力部
26 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字すべき印字媒体の基準位置を検出して前記印字媒体への印字を行う印字装置であって、
前記印字媒体に対して印字を行う印字手段と、
前記印字媒体を前記印字手段側に搬送する搬送手段と、
該搬送手段による前記印字媒体の搬送中に前記基準位置を検出する第1検出手段と、
該第1検出手段に振動を与える第1振動付与手段と、
前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記搬送手段による搬送動作と前記印字手段による印字動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第1振動付与手段を駆動させる
ことを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記印字手段の下流側に設けられ前記印字媒体を切断する切断手段と、
前記印字媒体が前記切断手段による切断位置に到達したかどうかを検出する第2検出手段と、
該第2検出手段に振動を与える第2振動付与手段と備え、
前記制御手段は、前記第2検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第2振動付与手段を駆動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
印字すべき印字媒体の基準位置を検出して前記印字媒体への印字を行う印字方法であって、
前記印字媒体に対して印字手段により印字を行うステップと、
前記印字媒体を前記印字手段側に搬送するステップと、
前記印字媒体の搬送中に前記基準位置を第1検出手段により検出するステップと、
該第1検出手段に第1振動付与手段によって振動を与えるステップと、
前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記搬送動作と前記印字動作を制御するステップとを有し、
前記第1検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第1振動付与手段を駆動させる
ことを特徴とする印字方法。
【請求項4】
前記印字手段の下流側に設けられた切断手段によって前記印字媒体を切断するステップと、
前記印字媒体が前記切断する位置に到達したかどうかを第2検出手段により検出するステップと、
該第2検出手段に第2振動付与手段によって振動を与えるステップとを有し、
前記第2検出手段による検出結果に基づく検出レベルを判定し、該検出レベルが所定の閾値を下回ったと判定すると、前記第2振動付与手段を駆動させる
ことを特徴とする請求項3に記載の印字方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−105834(P2008−105834A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292322(P2006−292322)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】