卵検査装置
【課題】十分な検査速度を確保しつつ、卵の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができる卵検査装置を提供する。
【解決手段】検査対象の卵4を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置1と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵4の検査画像を撮影する撮像装置3を備え、搬送装置1は、卵4が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道5と、搬送軌道上の卵4を搬送方向後方から押す支持部材7と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、搬送軌道5は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有する。
【解決手段】検査対象の卵4を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置1と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵4の検査画像を撮影する撮像装置3を備え、搬送装置1は、卵4が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道5と、搬送軌道上の卵4を搬送方向後方から押す支持部材7と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、搬送軌道5は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卵検査装置に関し、卵の品質を検査する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては目視検査方式があり、検卵台に卵を配置し、検卵台の下方から蛍光灯によって照明を照射し、検査員が目視によって卵の品質を検査するものである。
【0003】
また、音響診断方式として、卵を叩いたときに生じる音で卵のひび割れの有無を検査するものである。
また、特許文献1に記載するものでは、最初のコマ画像において第1の画像特定位置にある鶉卵の上面及び両側面を撮影した3つの画像を抽出し、2番目のコマ画像において第2の画像特定位置T2にある90度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、3番目のコマ画像において第3の画像特定位置にある180度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、4番目のコマ画像において第4の画像特定位置にある270度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出する分割撮像処理を行なうものであり、この分割撮像処理により360度周面及び両側面を撮像終了し、6つの画像を参照して等階級を決定する。
【0004】
また、特許文献2に記載するものでは、生卵を回転させながら搬送するコンベアの通路の一部に暗箱を配置し、暗箱内に、コンベア上の生卵に光を照射する光源と、照射された生卵を撮影するカメラとを配置し、撮影された画像を分析して生卵の良否を判定する画像処理装置をカメラに接続している。
【0005】
また、特許文献3に記載するものでは、卵を搬送する搬送装置が搬送方向を横断して延びるローラを有するエンドレスコンベヤを備えており、使用時にローラが回転してローラ上に載っている卵を回転状態にし、固定位置に配置した複数のレーザからレーザビームを移動中の卵に照射し、卵の表面の光透過率を光学的観察手段によって観察し、光透過率に基づいて卵が亀裂を有しているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−118628公報
【特許文献2】特開平7−209209公報
【特許文献3】特表2009−537422公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、音響診断方式では、その特性上、卵に探触子を接触させて振動を与える必要があり、探触子が卵に接触することで卵に傷が生じる懸念がある。また、外観検査では間接照明の光が卵の表面で反射する状態で卵を撮影して行なうが、品質の測定対象項目の1つである亀裂(ひび)を検知するためには、照射光が卵を透過する状態でその透過光画像を観察する検査方法が検知精度で優れている。
【0008】
この透過光画像を観察する方式においては、卵殻の透過光画像を撮影する際に一部でも撮影できない領域が存在すると、その部分にある不良箇所は外観検査することができず、検知精度を低下させる要因となるので、卵殻の全周面を撮影できることが必須の条件である。
【0009】
透過光画像を撮影する際には、卵殻の全周面を一度に撮影することはできないので、卵殻の全周面を鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに複数の領域に区分し、卵を卵軸廻りに回転させながら、卵殻の外面を各区分領域毎に部分的に撮影する。この卵殻の区分領域は卵の卵軸廻りの全周角を複数に区分した区分角度に対応する領域である。
【0010】
卵をレール等の搬送軌道上で卵軸廻りに回転させる場合には、搬送軌道上で転動する卵の転動距離によって卵の回転角度が定まるので、転動距離を制御することで卵を区分角度に相当する回転角度に回転させることができ、卵殻上の各区分領域を的確に撮像装置に向けることができる。
【0011】
卵殻上の区分領域を広く設定するほどに卵の転動距離の制御において正確性が要求され、卵が区分角度以上に回転しすぎると区分領域の全体を撮像装置の視界内に収めることができず、卵殻上の区分領域を狭く設定するほどに卵の転動距離の制御において許容誤差が大きくなり、卵が区分角度以上に多少回転しすぎても区分領域の全体を撮像装置の視界内に納めることが容易となる。
【0012】
したがって、卵殻上の区分領域を狭く設定し、卵の1搬送ピッチに相当する距離、つまり搬送装置上に配列する卵と卵の間の搬送方向に沿った距離の中に設定する撮影位置の数を増加させるほどに、卵の全周面を確実に撮影することができる。
【0013】
しかしながら、撮影回数が増加することで、画像処理に要する時間が多くなり、検査速度が低下する。
また、検査速度を上げるためには、撮影位置を搬送ピッチ間隔で複数設けるとともに、撮影する区分領域の転動距離と搬送ピッチを一致させて、同時に複数の区分領域を撮影することが望ましい。しかし、搬送ピッチは卵の直径よりも長めに設定されており、区分領域の数を多くすると、たとえば搬送ピッチが卵の直径とほぼ同じである場合に区分領域の数を3以上とすると、1搬送ピッチの移動における卵の転動距離は1区分領域の転動距離よりも長くなり、卵が回転しすぎるので区分領域の全体を視野に収めた撮影を行なえず、撮影できない領域が生じてしまう。
【0014】
本発明は上記課題を解決するものであり、十分な検査速度を確保しつつ、卵の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができる卵検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の卵検査装置は、検査対象の卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮影する撮像装置を備え、搬送装置は、卵が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道と、搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押す支持部材と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の搬送方向の距離が、搬送ピッチの1.5倍の距離であることを特徴とする。
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じることを特徴とする。
【0017】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広いことを特徴とする。
【0018】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することを特徴とする。
【0019】
本発明の卵検査装置において、搬送装置上の卵の卵殻内に照射光を照射する光源を備え、撮像装置が搬送装置上の卵の透過光画像を撮影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、搬送装置は、支持部材駆動部により支持部材を搬送方向に沿って移動させ、支持部材により搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押して、搬送軌道上において卵を卵軸廻りに回転させながら各撮影位置の間を転動させる。そして、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮像装置で撮影する。
【0021】
このとき、搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材の相互間のピッチに相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有するので、全ての撮影位置を巡る間に卵の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができ、かつ十分な検査速度を確保できる。
【0022】
搬送ピッチが卵の区分領域の転動距離よりも長い場合に、撮影位置の間隔を搬送ピッチの1.5倍とすることで、搬送ピッチの整数倍の位置にある卵を同時に撮影でき、半ピッチの移動時に他の撮影領域の卵を同時に撮影することができるので、撮影回数を大きく低減することができる。
【0023】
搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じるので、各撮影位置において卵の位置および姿勢が安定し、確実な撮影を行なえる。
【0024】
撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広くなる場合には、撮影領域内でレールは卵の外径が小さい部位に当接する。このため、卵が卵軸廻りに1回転するのに必要な転動距離が短くなるので、実距離において区間軌道長と搬送ピッチとが同距離であっても、結果として撮影領域内では撮影領域外に比べて相対的に区間軌道長が長くなり、搬送ピッチにおける区間軌道長の相対的な拡張を実現できる。
【0025】
また、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有するので、卵のサイズが異なる場合にあっても、卵の転動距離に対する卵の回転角度がほぼ等しくなる。すなわち、卵のサイズが小さくなると卵はレール軌道間方向の内側の外径が大きい位置で当接部に当接し、卵のサイズが大きくなると卵はレール軌道間方向の外側の外径が小さい位置で当接部に当接するので、卵のサイズに拘らず、当接部に当接する位置での卵の外径がほぼ等しくなり、卵のサイズに因って生じる回転角度の誤差を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態における卵検査装置を示す正面図
【図2】同卵検査装置を示す側面図
【図3】同卵検査装置を示す上面図
【図4】同卵検査装置の遮光板を示す上面図
【図5】同卵検査装置の搬送状態を示す模式図
【図6】同卵検査装置の搬送状態を示す拡大図
【図7】同卵検査装置の光照射方向を示す模式図
【図8】卵とレールの当接状態を示す模式図
【図9】卵とレールの他の当接状態を示す模式図
【図10】同卵検査装置の光源の照射位置を示す拡大図
【図11】同卵検査装置の卵の搬送作用を示す模式図
【図12】同卵検査装置の撮影位置を示す模式図
【図13】同卵検査装置のマスク状態を示す模式図
【図14】同卵検査装置のマスク状態を示す模式図
【図15】レール軌間の違いを示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図7において、卵検査装置は、搬送装置1と光源2と撮像装置3とからなる。搬送装置1は卵4を搬送方向に沿って列状に搬送するものであり、卵4が鋭端部4aと鈍端部4bとの間の卵軸廻りに回転しながら転動する搬送軌道5を形成する左右一対の搬送レール6と、卵4を搬送方向後方において受け止めて搬送方向へ移動する複数の支持部材7と、支持部材7を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動装置(図示省略)を備えている。
【0028】
図5に示すように、搬送レール6の途中には撮影ステージ8を設定しており、撮影ステージ8に検査画像を撮影する複数の撮影位置8a、8b、8cを設けている。実際の撮影は撮影位置8a、8b、8cのみならず、他の複数の撮影タイミングで行なうが、詳細は後に説明する。
【0029】
また、図6に示すように、搬送レール6に形成した搬送軌道5は、検査画像を撮影する各撮影位置8a、8b、8cを境として下り勾配から上り勾配に転じており、各撮影位置8a、8b、8cに谷部を形成し、撮影位置8a、8b、8cの相互間に頂部を形成している。このため、各撮影位置8a、8b、8cにおいて卵4の位置および姿勢が安定し、確実な撮影を行なえる。
【0030】
そして、搬送軌道5は、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1が、支持部材7の相互間に相当する卵の搬送ピッチL2よりも長く形成してあり、かつ卵4の卵軸廻りの全周角を撮影位置8a、8b、8cの数で除した区分角度A1の整数倍の回転角度に卵が回転するのに必要な長さを有している。さらに、図12に示すように、搬送装置1は、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の搬送方向の距離L3が、搬送ピッチL2の1.5倍の距離である。
【0031】
すなわち、本実施例の形態において、搬送ピッチL2を50mmとする搬送装置1で卵4を搬送する場合にあって、卵4の直径が45mm、搬送レールとの接触面の径が40mmで、区分角度A1を120°とする場合に、120°転動するのに要する区間軌道長L1は約42mmである。しかしながら、卵が1搬送ピッチの50mmを転動すると卵の回転角度は約143°となる。
【0032】
この回転角度と区分角度A1の整合をとるために、搬送ピッチL2の1/2の3倍、換言すると搬送ピッチL2の1.5倍の位置で、回転角度が区分角度A1の2倍の240°(転動距離が約84mm)となるように、区間軌道長L1を調整している。
【0033】
よって、搬送ピッチL2の1.5倍が撮影位置8A、8B、8Cの相互間の距離L3に相当し、区分角度A1が120°であり、図11に示すように、卵4は区間軌道長L1を転動する間に240°回転する。
【0034】
本実施の形態では、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1を、支持部材7の相互間に相当する卵の搬送ピッチL2よりも長く形成した。しかしながら、搬送装置1は、撮影領域内に配置する搬送レール6の軌間が撮影領域外に配置する搬送レール6の軌間より広くすることで本発明を実現することも可能である。
【0035】
すなわち、搬送レール6の軌間は任意に設定でき、図15に示す例では、図15(a)の軌間W1が最も狭く、図15(c)の軌間W3が最も広く、その中間の軌間W2を図15(b)に示している。ここで、図15(a)に示す軌間W1の搬送レール6と、図15(c)に示す軌間W3の搬送レール6とを比較すると、軌間W1において搬送レール6が当接する位置での卵4の外径D1は、軌間W3において搬送レール6が当接する位置での卵4の外径D3に比べて大きくなり、W1<W2<W3であると、D1>D2>D3となる。よって、軌間が広くなるほどに、卵4の外径が小さくなることに起因して転動距離に対する卵4の回転角度が大きくなる。
【0036】
したがって、撮影領域内に配置する搬送レール6の軌間が撮影領域外に配置する搬送レール6の軌間より広いことにより、撮影領域内で搬送レール6は卵4の外径が小さい部位に当接する。このため、卵4が卵軸廻りに1回転するのに必要な転動距離が短くなるので、実距離において区間軌道長と搬送ピッチとが同距離であっても、結果として撮影領域内では撮影領域外に比べて相対的に区間軌道長が長くなり、搬送ピッチにおける区間軌道長の相対的な拡張を実現できる。
【0037】
また、搬送軌道5は、図7に示すように、レール軌道間方向の内側に向けて傾斜するとともに、搬送軌道5の幅方向の両側から中央に向けて窪む湾曲面を有しており、卵4の鋭端部4aと鈍端部4bの間の卵軸を横向きにして、かつ鋭端部4aと鈍端部4bが搬送軌道の両側に位置する姿勢で卵4を保持する。
【0038】
このため、搬送レール6はその搬送軌道5の両側縁が卵4と接触可能な当接部6a、6bをなし、当接部6a、6bをレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することになり、レール軌道間方向で外側に位置する当接部6bがレール軌道間方向で内側に位置する当接部6aより高くなる。
【0039】
この構成により、卵4のサイズが異なる場合にあっても、卵4の転動距離に対する卵4の回転角度がほぼ等しくなる。すなわち、図8に示すように、卵4のサイズが小さくなると卵4はレール軌道間方向の内側の外径が大きい位置で内側の当接部6aに当接し、卵4のサイズが大きくなると卵4はレール軌道間方向の外側の外径が小さい位置で外側の当接部6bに当接するので、卵4のサイズに拘らず、当接部6a、6bに当接する位置での卵4の外径がほぼ等しくなり、卵4のサイズに因って生じる回転角度の誤差を抑制できる。
【0040】
本実施の形態では、搬送軌道5を湾曲面に形成したが、図9に示すように、搬送軌道5を階段状に形成することで、複数の当接部6a、6bを形成することも可能である。
光源2は、搬送装置1の搬送軌道の裏面側の近傍位置に配置しており、搬送レール6の上の卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するものである。光源2の照射光を発する照射端面は、透過光の光量低減、反射光の拡がりを考慮してできるだけ卵表面に近接する位置に配置してあり、その距離は10mm以内、望ましくは6mm以内とする。また、照射光が上方へ漏れることがないように、光源2の照射端面は、平面視で卵に隠れる位置にあり、卵の下方投影面の範囲内に配置してある。
【0041】
図3に示すように、光源2は各撮影位置8a、8b、8cに配置してある。撮影ステージ8の第1の撮影位置8aにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第1のミラー9aが配置してあり、第1のミラー9aは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。第3の撮影位置8cにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第2のミラー9bが配置してあり、第2のミラー9bは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。
【0042】
第1のミラー9aおよび第2のミラー9bは、卵4の鋭端部4aの側の透過光画像または卵4の鈍端部bの側の透過光画像を撮像装置で撮影可能に反射画像として映すものであり、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置し、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置にそれぞれ配置してある。
【0043】
撮像装置3は、CCDのエリアカメラからなり、図13および図14に示すように、複数の撮影位置8a、8b、8cで卵4の検査画像を撮影するもので、搬送装置1の上方から光源2の光軸と非平行な方向で卵4の側面部の透過光画像を撮影し、同時に第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を撮影する。また、撮像装置3には、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有している。
【0044】
上記した構成により、卵検査装置は、搬送装置1の支持部材7で卵4を搬送方向へ押して卵軸廻りに回転させながら卵4を搬送方向に沿って列状に搬送し、各卵4を順次に撮影ステージ8の各撮影位置8a、8b、8cに送り込む。
【0045】
各卵4は第1の撮影位置8aから第2の撮影位置8bへ、第2の撮影位置8bから第3の撮影位置8cへ1.5搬送ピッチ進行する毎に大凡240°ずつ回転し、撮影ステージ8の入口から出口までの間に480°回転する。
【0046】
各撮影位置8a、8b、8cでは各光源2から卵殻内に向けて斜め上方に照射光をスポット的に照射する。
図12において撮影の手順を説明する。ここでは卵40、41、42、43、44に着目する。図12(a)に示すように、第1の撮影位置8aに卵41があり、第3の撮影位置8cに卵44があり、第2の撮影位置8bには卵42、43の何れもが位置しない状態で撮影する。図13に示すように、各撮影位置8a、8cに在る複数の卵41、44の側面部の透過光画像を検査画像とし、第1のミラー9aに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラー9bに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を検査画像とし、第2の撮影位置8bの透過光画像を非検査画像とする。
【0047】
次に、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行して、図12(b)に示すように、第1の撮影位置8aおよび第3の撮影位置8cには何れの卵もなく、第2の撮影位置8bには卵42が位置する状態で撮影する。図14に示すように、撮影位置8bに在る卵42の側面部の透過光画像を検査画像とし、他の撮影位置8a、8cの透過光画像は非検査画像とする。
【0048】
次に、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行して、図12(c)に示すように、第1の撮影位置8aに卵40があり、第3の撮影位置8cに卵43があり、第2の撮影位置8bには卵41、42の何れもが位置しない状態で撮影する。
【0049】
このようにして、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行する毎にコマ撮り、撮影した画像のうちで、各撮影位置8a、8b、8cに在る卵40、41、42、43、44の側面部の透過光画像と、第1のミラー9aに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラー9bに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を検査画像として採用する。
【0050】
このように、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1が、支持部材7の相互間のピッチに相当する卵4の搬送ピッチL2よりも長く、かつ卵4の卵軸廻りの全周角を撮影位置8a、8b、8cの数で除した区分角度A1の整数倍の回転角度に卵4を回転させるのに必要な長さを有するので、全ての撮影位置を巡る間に卵4の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができ、かつ十分な検査速度を確保できる。
【0051】
また、撮影位置8A、8B、8Cの相互間の距離L3が、搬送ピッチL2の1.5倍であることで、搬送ピッチの整数倍の位置8A、8Cにある卵4を同時に撮影でき、半ピッチの移動時に他の撮影位置8Bの卵4を撮影する。すなわち2回の撮影で3カ所の撮影位置の卵4の画像を得ることができるので、撮影位置に卵4が到達した時に順次撮影する場合に比べて、撮影回数を低減することができ、検査速度をさらに向上させることができる。
【0052】
この撮影は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光板10で遮光して行なう。
【0053】
そして、撮影画像に基づいて卵4の品質を測定対象項目毎、例えば亀裂(ひび)等を検知する。測定対象項目の検査は目視で行うことも可能であり、画像処理装置(図示省略)によって自動的に行なうことも可能である。
【0054】
撮像装置3による撮影では、光源2が卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射することで、卵4の大きさの如何に拘らず安定光量を卵殻内に入射することができ、一つの光源2で鋭端部4aと鈍端部4bのいずれかと側面部の透過光画像とを得ることができる。光源2から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するので、卵殻表面で反射する反射光が撮影画像に写り込むことを抑制でき、撮影時に撮影位置に卵4が無い場合にも、光源2からの照射光が直接に撮像装置に入射せず、撮影不良となることを防止できる。
【0055】
次ぎに、第1のミラー9aおよび第2のミラー9bを、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置して、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置8a、8cにそれぞれ配置し、さらに光源2を第1のミラー9aおよび第2のミラー9bと搬送軌道を介して反対側に配置し、光源2が卵4に向けて斜め上方に照射するので、対向する光源2による卵表面の反射光がミラーに映る反射画像に写り込むことを防止できる。
【0056】
搬送装置1が卵4を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置8a、8b、8cに搬送し、撮影装置1が各撮影位置8a、8b、8cに在る複数の卵4の側面部の透過光画像と第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を撮影するので、各撮影位置で繰り返し撮影することで、1台の撮像装置1で、かつ1方向からの撮影において、1個の卵4の全面を死角が無い状態に撮影することができる。
【0057】
撮影装置1は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有するので、直接光や反射光等の外乱光が撮影画像に影響することを防止できる。
【0058】
搬送装置1が傾斜面をなす搬送面上で卵を支持部材7で受け止めることにより卵4の姿勢が安定するので、安定した照明効果を実現でき、反射光の方向が限定的となって反射画像へ反射光が写り込むことを確実に防止できる。
【0059】
尚、上記の実施の形態では、図3に示すように、搬送装置1を流れる全ての卵4が、その鋭端部4aが第1のミラー9aに対向する方向に向く例を示している。しかしながら、搬送装置1によって搬送する卵4の向きが一様でなく、鋭端部4aと鈍端部4bの向きが揃っていなくてもよく、第1のミラー9aが鈍端部4bを映し、第2のミラー9bが鋭端部4aを映すものであってもよい。
【0060】
また、各光源2は、その光軸が平面視において卵軸と平行となる位置に設けてあるが、光軸が平面視において卵軸に対して傾斜する位置に設けてもよい。
また、中央の光源2は第2のミラー9bの側に配置したが、第1のミラー9aの側であってもよい。
【0061】
また、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、卵1つ分だけ空けた位置に配置したが、相互に対向する位置であってもよく、隣接する位置に配置してもよい。
また、撮影ステージでは側面画像を3画像撮影するようにしたが、これに限らず、4画像以上としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 搬送装置
2 光源
3 撮像装置
4 卵
4a 鋭端部
4b 鈍端部
5 搬送軌道
6 搬送レール
7 支持部材
8 撮影ステージ
8a、8b、8c 撮影位置
9a 第1のミラー
9b 第2のミラー
10 遮光板
【技術分野】
【0001】
本発明は卵検査装置に関し、卵の品質を検査する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては目視検査方式があり、検卵台に卵を配置し、検卵台の下方から蛍光灯によって照明を照射し、検査員が目視によって卵の品質を検査するものである。
【0003】
また、音響診断方式として、卵を叩いたときに生じる音で卵のひび割れの有無を検査するものである。
また、特許文献1に記載するものでは、最初のコマ画像において第1の画像特定位置にある鶉卵の上面及び両側面を撮影した3つの画像を抽出し、2番目のコマ画像において第2の画像特定位置T2にある90度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、3番目のコマ画像において第3の画像特定位置にある180度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、4番目のコマ画像において第4の画像特定位置にある270度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出する分割撮像処理を行なうものであり、この分割撮像処理により360度周面及び両側面を撮像終了し、6つの画像を参照して等階級を決定する。
【0004】
また、特許文献2に記載するものでは、生卵を回転させながら搬送するコンベアの通路の一部に暗箱を配置し、暗箱内に、コンベア上の生卵に光を照射する光源と、照射された生卵を撮影するカメラとを配置し、撮影された画像を分析して生卵の良否を判定する画像処理装置をカメラに接続している。
【0005】
また、特許文献3に記載するものでは、卵を搬送する搬送装置が搬送方向を横断して延びるローラを有するエンドレスコンベヤを備えており、使用時にローラが回転してローラ上に載っている卵を回転状態にし、固定位置に配置した複数のレーザからレーザビームを移動中の卵に照射し、卵の表面の光透過率を光学的観察手段によって観察し、光透過率に基づいて卵が亀裂を有しているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−118628公報
【特許文献2】特開平7−209209公報
【特許文献3】特表2009−537422公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、音響診断方式では、その特性上、卵に探触子を接触させて振動を与える必要があり、探触子が卵に接触することで卵に傷が生じる懸念がある。また、外観検査では間接照明の光が卵の表面で反射する状態で卵を撮影して行なうが、品質の測定対象項目の1つである亀裂(ひび)を検知するためには、照射光が卵を透過する状態でその透過光画像を観察する検査方法が検知精度で優れている。
【0008】
この透過光画像を観察する方式においては、卵殻の透過光画像を撮影する際に一部でも撮影できない領域が存在すると、その部分にある不良箇所は外観検査することができず、検知精度を低下させる要因となるので、卵殻の全周面を撮影できることが必須の条件である。
【0009】
透過光画像を撮影する際には、卵殻の全周面を一度に撮影することはできないので、卵殻の全周面を鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに複数の領域に区分し、卵を卵軸廻りに回転させながら、卵殻の外面を各区分領域毎に部分的に撮影する。この卵殻の区分領域は卵の卵軸廻りの全周角を複数に区分した区分角度に対応する領域である。
【0010】
卵をレール等の搬送軌道上で卵軸廻りに回転させる場合には、搬送軌道上で転動する卵の転動距離によって卵の回転角度が定まるので、転動距離を制御することで卵を区分角度に相当する回転角度に回転させることができ、卵殻上の各区分領域を的確に撮像装置に向けることができる。
【0011】
卵殻上の区分領域を広く設定するほどに卵の転動距離の制御において正確性が要求され、卵が区分角度以上に回転しすぎると区分領域の全体を撮像装置の視界内に収めることができず、卵殻上の区分領域を狭く設定するほどに卵の転動距離の制御において許容誤差が大きくなり、卵が区分角度以上に多少回転しすぎても区分領域の全体を撮像装置の視界内に納めることが容易となる。
【0012】
したがって、卵殻上の区分領域を狭く設定し、卵の1搬送ピッチに相当する距離、つまり搬送装置上に配列する卵と卵の間の搬送方向に沿った距離の中に設定する撮影位置の数を増加させるほどに、卵の全周面を確実に撮影することができる。
【0013】
しかしながら、撮影回数が増加することで、画像処理に要する時間が多くなり、検査速度が低下する。
また、検査速度を上げるためには、撮影位置を搬送ピッチ間隔で複数設けるとともに、撮影する区分領域の転動距離と搬送ピッチを一致させて、同時に複数の区分領域を撮影することが望ましい。しかし、搬送ピッチは卵の直径よりも長めに設定されており、区分領域の数を多くすると、たとえば搬送ピッチが卵の直径とほぼ同じである場合に区分領域の数を3以上とすると、1搬送ピッチの移動における卵の転動距離は1区分領域の転動距離よりも長くなり、卵が回転しすぎるので区分領域の全体を視野に収めた撮影を行なえず、撮影できない領域が生じてしまう。
【0014】
本発明は上記課題を解決するものであり、十分な検査速度を確保しつつ、卵の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができる卵検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の卵検査装置は、検査対象の卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮影する撮像装置を備え、搬送装置は、卵が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道と、搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押す支持部材と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の搬送方向の距離が、搬送ピッチの1.5倍の距離であることを特徴とする。
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じることを特徴とする。
【0017】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広いことを特徴とする。
【0018】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することを特徴とする。
【0019】
本発明の卵検査装置において、搬送装置上の卵の卵殻内に照射光を照射する光源を備え、撮像装置が搬送装置上の卵の透過光画像を撮影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、搬送装置は、支持部材駆動部により支持部材を搬送方向に沿って移動させ、支持部材により搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押して、搬送軌道上において卵を卵軸廻りに回転させながら各撮影位置の間を転動させる。そして、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮像装置で撮影する。
【0021】
このとき、搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材の相互間のピッチに相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有するので、全ての撮影位置を巡る間に卵の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができ、かつ十分な検査速度を確保できる。
【0022】
搬送ピッチが卵の区分領域の転動距離よりも長い場合に、撮影位置の間隔を搬送ピッチの1.5倍とすることで、搬送ピッチの整数倍の位置にある卵を同時に撮影でき、半ピッチの移動時に他の撮影領域の卵を同時に撮影することができるので、撮影回数を大きく低減することができる。
【0023】
搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じるので、各撮影位置において卵の位置および姿勢が安定し、確実な撮影を行なえる。
【0024】
撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広くなる場合には、撮影領域内でレールは卵の外径が小さい部位に当接する。このため、卵が卵軸廻りに1回転するのに必要な転動距離が短くなるので、実距離において区間軌道長と搬送ピッチとが同距離であっても、結果として撮影領域内では撮影領域外に比べて相対的に区間軌道長が長くなり、搬送ピッチにおける区間軌道長の相対的な拡張を実現できる。
【0025】
また、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有するので、卵のサイズが異なる場合にあっても、卵の転動距離に対する卵の回転角度がほぼ等しくなる。すなわち、卵のサイズが小さくなると卵はレール軌道間方向の内側の外径が大きい位置で当接部に当接し、卵のサイズが大きくなると卵はレール軌道間方向の外側の外径が小さい位置で当接部に当接するので、卵のサイズに拘らず、当接部に当接する位置での卵の外径がほぼ等しくなり、卵のサイズに因って生じる回転角度の誤差を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態における卵検査装置を示す正面図
【図2】同卵検査装置を示す側面図
【図3】同卵検査装置を示す上面図
【図4】同卵検査装置の遮光板を示す上面図
【図5】同卵検査装置の搬送状態を示す模式図
【図6】同卵検査装置の搬送状態を示す拡大図
【図7】同卵検査装置の光照射方向を示す模式図
【図8】卵とレールの当接状態を示す模式図
【図9】卵とレールの他の当接状態を示す模式図
【図10】同卵検査装置の光源の照射位置を示す拡大図
【図11】同卵検査装置の卵の搬送作用を示す模式図
【図12】同卵検査装置の撮影位置を示す模式図
【図13】同卵検査装置のマスク状態を示す模式図
【図14】同卵検査装置のマスク状態を示す模式図
【図15】レール軌間の違いを示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図7において、卵検査装置は、搬送装置1と光源2と撮像装置3とからなる。搬送装置1は卵4を搬送方向に沿って列状に搬送するものであり、卵4が鋭端部4aと鈍端部4bとの間の卵軸廻りに回転しながら転動する搬送軌道5を形成する左右一対の搬送レール6と、卵4を搬送方向後方において受け止めて搬送方向へ移動する複数の支持部材7と、支持部材7を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動装置(図示省略)を備えている。
【0028】
図5に示すように、搬送レール6の途中には撮影ステージ8を設定しており、撮影ステージ8に検査画像を撮影する複数の撮影位置8a、8b、8cを設けている。実際の撮影は撮影位置8a、8b、8cのみならず、他の複数の撮影タイミングで行なうが、詳細は後に説明する。
【0029】
また、図6に示すように、搬送レール6に形成した搬送軌道5は、検査画像を撮影する各撮影位置8a、8b、8cを境として下り勾配から上り勾配に転じており、各撮影位置8a、8b、8cに谷部を形成し、撮影位置8a、8b、8cの相互間に頂部を形成している。このため、各撮影位置8a、8b、8cにおいて卵4の位置および姿勢が安定し、確実な撮影を行なえる。
【0030】
そして、搬送軌道5は、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1が、支持部材7の相互間に相当する卵の搬送ピッチL2よりも長く形成してあり、かつ卵4の卵軸廻りの全周角を撮影位置8a、8b、8cの数で除した区分角度A1の整数倍の回転角度に卵が回転するのに必要な長さを有している。さらに、図12に示すように、搬送装置1は、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の搬送方向の距離L3が、搬送ピッチL2の1.5倍の距離である。
【0031】
すなわち、本実施例の形態において、搬送ピッチL2を50mmとする搬送装置1で卵4を搬送する場合にあって、卵4の直径が45mm、搬送レールとの接触面の径が40mmで、区分角度A1を120°とする場合に、120°転動するのに要する区間軌道長L1は約42mmである。しかしながら、卵が1搬送ピッチの50mmを転動すると卵の回転角度は約143°となる。
【0032】
この回転角度と区分角度A1の整合をとるために、搬送ピッチL2の1/2の3倍、換言すると搬送ピッチL2の1.5倍の位置で、回転角度が区分角度A1の2倍の240°(転動距離が約84mm)となるように、区間軌道長L1を調整している。
【0033】
よって、搬送ピッチL2の1.5倍が撮影位置8A、8B、8Cの相互間の距離L3に相当し、区分角度A1が120°であり、図11に示すように、卵4は区間軌道長L1を転動する間に240°回転する。
【0034】
本実施の形態では、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1を、支持部材7の相互間に相当する卵の搬送ピッチL2よりも長く形成した。しかしながら、搬送装置1は、撮影領域内に配置する搬送レール6の軌間が撮影領域外に配置する搬送レール6の軌間より広くすることで本発明を実現することも可能である。
【0035】
すなわち、搬送レール6の軌間は任意に設定でき、図15に示す例では、図15(a)の軌間W1が最も狭く、図15(c)の軌間W3が最も広く、その中間の軌間W2を図15(b)に示している。ここで、図15(a)に示す軌間W1の搬送レール6と、図15(c)に示す軌間W3の搬送レール6とを比較すると、軌間W1において搬送レール6が当接する位置での卵4の外径D1は、軌間W3において搬送レール6が当接する位置での卵4の外径D3に比べて大きくなり、W1<W2<W3であると、D1>D2>D3となる。よって、軌間が広くなるほどに、卵4の外径が小さくなることに起因して転動距離に対する卵4の回転角度が大きくなる。
【0036】
したがって、撮影領域内に配置する搬送レール6の軌間が撮影領域外に配置する搬送レール6の軌間より広いことにより、撮影領域内で搬送レール6は卵4の外径が小さい部位に当接する。このため、卵4が卵軸廻りに1回転するのに必要な転動距離が短くなるので、実距離において区間軌道長と搬送ピッチとが同距離であっても、結果として撮影領域内では撮影領域外に比べて相対的に区間軌道長が長くなり、搬送ピッチにおける区間軌道長の相対的な拡張を実現できる。
【0037】
また、搬送軌道5は、図7に示すように、レール軌道間方向の内側に向けて傾斜するとともに、搬送軌道5の幅方向の両側から中央に向けて窪む湾曲面を有しており、卵4の鋭端部4aと鈍端部4bの間の卵軸を横向きにして、かつ鋭端部4aと鈍端部4bが搬送軌道の両側に位置する姿勢で卵4を保持する。
【0038】
このため、搬送レール6はその搬送軌道5の両側縁が卵4と接触可能な当接部6a、6bをなし、当接部6a、6bをレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することになり、レール軌道間方向で外側に位置する当接部6bがレール軌道間方向で内側に位置する当接部6aより高くなる。
【0039】
この構成により、卵4のサイズが異なる場合にあっても、卵4の転動距離に対する卵4の回転角度がほぼ等しくなる。すなわち、図8に示すように、卵4のサイズが小さくなると卵4はレール軌道間方向の内側の外径が大きい位置で内側の当接部6aに当接し、卵4のサイズが大きくなると卵4はレール軌道間方向の外側の外径が小さい位置で外側の当接部6bに当接するので、卵4のサイズに拘らず、当接部6a、6bに当接する位置での卵4の外径がほぼ等しくなり、卵4のサイズに因って生じる回転角度の誤差を抑制できる。
【0040】
本実施の形態では、搬送軌道5を湾曲面に形成したが、図9に示すように、搬送軌道5を階段状に形成することで、複数の当接部6a、6bを形成することも可能である。
光源2は、搬送装置1の搬送軌道の裏面側の近傍位置に配置しており、搬送レール6の上の卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するものである。光源2の照射光を発する照射端面は、透過光の光量低減、反射光の拡がりを考慮してできるだけ卵表面に近接する位置に配置してあり、その距離は10mm以内、望ましくは6mm以内とする。また、照射光が上方へ漏れることがないように、光源2の照射端面は、平面視で卵に隠れる位置にあり、卵の下方投影面の範囲内に配置してある。
【0041】
図3に示すように、光源2は各撮影位置8a、8b、8cに配置してある。撮影ステージ8の第1の撮影位置8aにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第1のミラー9aが配置してあり、第1のミラー9aは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。第3の撮影位置8cにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第2のミラー9bが配置してあり、第2のミラー9bは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。
【0042】
第1のミラー9aおよび第2のミラー9bは、卵4の鋭端部4aの側の透過光画像または卵4の鈍端部bの側の透過光画像を撮像装置で撮影可能に反射画像として映すものであり、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置し、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置にそれぞれ配置してある。
【0043】
撮像装置3は、CCDのエリアカメラからなり、図13および図14に示すように、複数の撮影位置8a、8b、8cで卵4の検査画像を撮影するもので、搬送装置1の上方から光源2の光軸と非平行な方向で卵4の側面部の透過光画像を撮影し、同時に第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を撮影する。また、撮像装置3には、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有している。
【0044】
上記した構成により、卵検査装置は、搬送装置1の支持部材7で卵4を搬送方向へ押して卵軸廻りに回転させながら卵4を搬送方向に沿って列状に搬送し、各卵4を順次に撮影ステージ8の各撮影位置8a、8b、8cに送り込む。
【0045】
各卵4は第1の撮影位置8aから第2の撮影位置8bへ、第2の撮影位置8bから第3の撮影位置8cへ1.5搬送ピッチ進行する毎に大凡240°ずつ回転し、撮影ステージ8の入口から出口までの間に480°回転する。
【0046】
各撮影位置8a、8b、8cでは各光源2から卵殻内に向けて斜め上方に照射光をスポット的に照射する。
図12において撮影の手順を説明する。ここでは卵40、41、42、43、44に着目する。図12(a)に示すように、第1の撮影位置8aに卵41があり、第3の撮影位置8cに卵44があり、第2の撮影位置8bには卵42、43の何れもが位置しない状態で撮影する。図13に示すように、各撮影位置8a、8cに在る複数の卵41、44の側面部の透過光画像を検査画像とし、第1のミラー9aに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラー9bに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を検査画像とし、第2の撮影位置8bの透過光画像を非検査画像とする。
【0047】
次に、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行して、図12(b)に示すように、第1の撮影位置8aおよび第3の撮影位置8cには何れの卵もなく、第2の撮影位置8bには卵42が位置する状態で撮影する。図14に示すように、撮影位置8bに在る卵42の側面部の透過光画像を検査画像とし、他の撮影位置8a、8cの透過光画像は非検査画像とする。
【0048】
次に、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行して、図12(c)に示すように、第1の撮影位置8aに卵40があり、第3の撮影位置8cに卵43があり、第2の撮影位置8bには卵41、42の何れもが位置しない状態で撮影する。
【0049】
このようにして、卵40、41、42、43、44が1/2搬送ピッチ進行する毎にコマ撮り、撮影した画像のうちで、各撮影位置8a、8b、8cに在る卵40、41、42、43、44の側面部の透過光画像と、第1のミラー9aに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラー9bに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を検査画像として採用する。
【0050】
このように、検査画像を撮影する撮影位置8a、8b、8cの相互間の区間軌道長L1が、支持部材7の相互間のピッチに相当する卵4の搬送ピッチL2よりも長く、かつ卵4の卵軸廻りの全周角を撮影位置8a、8b、8cの数で除した区分角度A1の整数倍の回転角度に卵4を回転させるのに必要な長さを有するので、全ての撮影位置を巡る間に卵4の全周面の透過光画像を確実に撮影して卵の品質を検査することができ、かつ十分な検査速度を確保できる。
【0051】
また、撮影位置8A、8B、8Cの相互間の距離L3が、搬送ピッチL2の1.5倍であることで、搬送ピッチの整数倍の位置8A、8Cにある卵4を同時に撮影でき、半ピッチの移動時に他の撮影位置8Bの卵4を撮影する。すなわち2回の撮影で3カ所の撮影位置の卵4の画像を得ることができるので、撮影位置に卵4が到達した時に順次撮影する場合に比べて、撮影回数を低減することができ、検査速度をさらに向上させることができる。
【0052】
この撮影は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光板10で遮光して行なう。
【0053】
そして、撮影画像に基づいて卵4の品質を測定対象項目毎、例えば亀裂(ひび)等を検知する。測定対象項目の検査は目視で行うことも可能であり、画像処理装置(図示省略)によって自動的に行なうことも可能である。
【0054】
撮像装置3による撮影では、光源2が卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射することで、卵4の大きさの如何に拘らず安定光量を卵殻内に入射することができ、一つの光源2で鋭端部4aと鈍端部4bのいずれかと側面部の透過光画像とを得ることができる。光源2から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するので、卵殻表面で反射する反射光が撮影画像に写り込むことを抑制でき、撮影時に撮影位置に卵4が無い場合にも、光源2からの照射光が直接に撮像装置に入射せず、撮影不良となることを防止できる。
【0055】
次ぎに、第1のミラー9aおよび第2のミラー9bを、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置して、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置8a、8cにそれぞれ配置し、さらに光源2を第1のミラー9aおよび第2のミラー9bと搬送軌道を介して反対側に配置し、光源2が卵4に向けて斜め上方に照射するので、対向する光源2による卵表面の反射光がミラーに映る反射画像に写り込むことを防止できる。
【0056】
搬送装置1が卵4を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置8a、8b、8cに搬送し、撮影装置1が各撮影位置8a、8b、8cに在る複数の卵4の側面部の透過光画像と第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を撮影するので、各撮影位置で繰り返し撮影することで、1台の撮像装置1で、かつ1方向からの撮影において、1個の卵4の全面を死角が無い状態に撮影することができる。
【0057】
撮影装置1は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有するので、直接光や反射光等の外乱光が撮影画像に影響することを防止できる。
【0058】
搬送装置1が傾斜面をなす搬送面上で卵を支持部材7で受け止めることにより卵4の姿勢が安定するので、安定した照明効果を実現でき、反射光の方向が限定的となって反射画像へ反射光が写り込むことを確実に防止できる。
【0059】
尚、上記の実施の形態では、図3に示すように、搬送装置1を流れる全ての卵4が、その鋭端部4aが第1のミラー9aに対向する方向に向く例を示している。しかしながら、搬送装置1によって搬送する卵4の向きが一様でなく、鋭端部4aと鈍端部4bの向きが揃っていなくてもよく、第1のミラー9aが鈍端部4bを映し、第2のミラー9bが鋭端部4aを映すものであってもよい。
【0060】
また、各光源2は、その光軸が平面視において卵軸と平行となる位置に設けてあるが、光軸が平面視において卵軸に対して傾斜する位置に設けてもよい。
また、中央の光源2は第2のミラー9bの側に配置したが、第1のミラー9aの側であってもよい。
【0061】
また、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、卵1つ分だけ空けた位置に配置したが、相互に対向する位置であってもよく、隣接する位置に配置してもよい。
また、撮影ステージでは側面画像を3画像撮影するようにしたが、これに限らず、4画像以上としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 搬送装置
2 光源
3 撮像装置
4 卵
4a 鋭端部
4b 鈍端部
5 搬送軌道
6 搬送レール
7 支持部材
8 撮影ステージ
8a、8b、8c 撮影位置
9a 第1のミラー
9b 第2のミラー
10 遮光板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮影する撮像装置を備え、
搬送装置は、卵が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道と、搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押す支持部材と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、
搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有することを特徴とする卵検査装置。
【請求項2】
搬送装置は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の搬送方向の距離が、搬送ピッチの1.5倍の距離であることを特徴とする請求項1に記載の卵検査装置。
【請求項3】
搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じることを特徴とする請求項1または2に記載の卵検査装置。
【請求項4】
搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広いことを特徴とする請求項1または2に記載の卵検査装置。
【請求項5】
搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の卵検査装置。
【請求項6】
搬送装置上の卵の卵殻内に照射光を照射する光源を備え、撮像装置が搬送装置上の卵の透過光画像を撮影することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の卵検査装置。
【請求項1】
検査対象の卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の撮影領域内に設定した複数の撮影位置で卵の検査画像を撮影する撮像装置を備え、
搬送装置は、卵が鋭端部と鈍端部との間の卵軸廻りに回転しながら各撮影位置の間を転動する搬送軌道と、搬送軌道上の卵を搬送方向後方から押す支持部材と、支持部材を搬送方向に沿って移動させる支持部材駆動部を有し、
搬送軌道は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の区間軌道長が、支持部材間に相当する卵の搬送ピッチよりも長く、かつ卵の卵軸廻りの全周角を前記撮影位置の数で除した区分角度の整数倍の回転角度に卵を回転させるのに必要な長さを有することを特徴とする卵検査装置。
【請求項2】
搬送装置は、検査画像を撮影する撮影位置の相互間の搬送方向の距離が、搬送ピッチの1.5倍の距離であることを特徴とする請求項1に記載の卵検査装置。
【請求項3】
搬送装置は、搬送軌道が検査画像を撮影する各撮影位置を境として下り勾配から上り勾配に転じることを特徴とする請求項1または2に記載の卵検査装置。
【請求項4】
搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、撮影領域内に配置するレールの軌間が撮影領域外に配置するレールの軌間より広いことを特徴とする請求項1または2に記載の卵検査装置。
【請求項5】
搬送装置は、搬送軌道が卵殻の鋭端部側の外周面と鈍端部側の外周面に当接する平行な一対のレールからなり、各レールが卵と接触可能な当接部をレール軌道間方向に沿った複数箇所に有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の卵検査装置。
【請求項6】
搬送装置上の卵の卵殻内に照射光を照射する光源を備え、撮像装置が搬送装置上の卵の透過光画像を撮影することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の卵検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−68554(P2013−68554A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208333(P2011−208333)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(597076200)クボタコンプス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(597076200)クボタコンプス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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