説明

原稿読取装置および画像形成装置

【課題】 構成を複雑化させずに、原稿から画像を読み取る際の裏写りの発生を抑えることができるようにする。
【解決手段】 第1の画像読取部9は、原稿7に発光照射して原稿7側からの反射光を受ける。第2の画像読取部47は、第1の画像読取部9と反対側にてこれの光軸から外れた位置に設けられ、原稿7に発光照射して原稿7側からの反射光を受ける。読取制御部51は、原稿7の画像に対し、光軸を外した状態で第1および第2の画像読取部9、47を動作させて第1、第2の画像データを得る第1の読取状態と、光軸を合わせた状態で第1、第2の画像読取部9、47を動作させ、第1、第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する。演算部27は、第1、第2の読取状態で得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、裏写りを除去演算した読み取り画像データを求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原稿読取装置および画像形成装置に係り、原稿に表示された画像を読み取る原稿読取装置、およびこれを搭載した複写機、ファクシミリ機、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この原稿読取装置を備えた画像形成装置においては、原稿の表面からの画像の読み取りに当たり、原稿が薄いと、裏面に記録された画像が透けて表面の画像とともに読み取られてしまう、いわゆる裏写りが発生し易い。
【0003】
しかも、原稿読取装置にあっては、原稿の画像を正確に読み取る目的で、原稿圧板を原稿裏面側に配置する構成が多いので、原稿圧板の存在を考慮した裏写り防止構成が望まれている。
【0004】
そこで、例えば特開平9−135344号公報(特許文献1)の原稿読み取り装置が提案されている。
【0005】
この特許文献1は、原稿用紙の光透過率を測定し、ガラスや光透過性樹脂からなる原稿圧板を原稿裏面側に配置し、原稿用紙の光透過率を検出し、この測定値が所定の設定値よりも大きい場合には、原稿用紙の表面側のLED光源からの光の照射に加えて、裏面側のLED光源から原稿用紙の裏面に光を照射し、1ライン毎に裏面側のLED光源を点灯(ON)と消灯(OFF)させながら1ラインにつき2回走査を行なって画像データを取得する構成を有し、たとえ原稿用紙の裏面に原稿圧板があっても、それら点灯と消灯の走査によって得られた画像データに基づき、裏写り成分を除去できるようにしたものである。
【特許文献1】特開平9−135344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1では、光透過性の原稿圧板を介してLED光源から原稿用紙の裏面に光を照射するので、原稿圧板が白色拡散板としての効果が弱くなり、画像データ読取時に原稿白色部分と薄い濃度の部分のレベル差が逆に小さくなってそれらの識別が難しく、下地かぶりしたような画像データとなり易い難点があった。
【0007】
そこで、本発明者は、原稿読取装置の構成に加えて、光源から原稿に照射して得られる反射光や透過光について注意深く観察検討した結果、たとえ原稿圧板が介在しても、原稿裏面に光を照射する時に原稿圧板が光を遮らない状態にすれば、原稿裏面からの照射を十分に利用することが可能である点を見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、原稿から画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが容易な原稿読取装置およびこれを搭載した画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る原稿読取装置は、原稿台の近傍直下に設けられ、その原稿台上の原稿に向けて発光照射するとともに原稿側からの反射光を受ける第1の画像読取部と、この第1の画像読取部で受けた反射光に基づき電気的な第1の画像データを変換出力する第1の変換部と、その原稿を間にして第1の画像読取部と反対側において、その第1の画像読取部からの光軸から外れた位置に設けられ、その原稿に向けて発光照射するとともに原稿側からの反射光を受ける第2の画像読取部と、この第2の画像読取部における反射光に基づき電気的な第2の画像データを変換出力する第2の変換部と、その第1の画像読取部を第2の画像読取部の光軸位置に相対的に移動させて光軸を合わせる第1の移動部と、その原稿を循環させてそれら第1および第2の画像読取部に対して2回搬送する搬送部と、この搬送部が原稿を搬送させる過程で、原稿に記録された同一位置の画像に対し、その光軸を互いに外した状態でそれら第1および第2の画像読取部を動作させて第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る第1の読取状態と、その第1の移動部を制御して光軸を互いに合わせた状態で第1および第2の画像読取部を動作させ、双方の照射光によって第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する読取制御部と、その第1の読取状態時と第2の読取状態時とで第1および第2の変換部から得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、原稿の裏写り部分を除去演算して読み取り画像データを求める演算部と、を具備している。
【0010】
本発明の請求項2に係る原稿読取装置は、上記原稿を間にして第1および第2の画像読取部とは反対側において、それら第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように原稿裏面に向けて配置された第1および第2の原稿圧板と、その第2の読取状態において、第1又は第2の原稿圧板を第1および第2の画像読取部の光軸から外れる位置に相対的に移動させる第2の移動部とを有する構成を有している。
【0011】
本発明の請求項3に係る原稿読取装置では、上記搬送部で搬送される原稿の透過率を第1および第2の画像読取部より上流位置で検出する検出部と、その読取制御部は、原稿の透過率が所定値より低いとその検出部が検出したとき、その第1の読取状態のみで第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る制御と、その原稿の透過率が所定値より高いとその検出部が検出したとき、それら第1および第2の読取状態で第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得るよう制御する構成を有している。
【0012】
本発明の請求項4に係る原稿読取装置は、原稿台の近傍直下に設けられ、その原稿台上の原稿に向けて発光照射するとともに原稿側からの反射光を受ける第1の画像読取部と、この第1の画像読取部で受けた反射光に基づき電気的な第1の画像データを変換出力する第1の変換部と、その原稿を間にして第1の画像読取部と反対側において、その第1の画像読取部からの光軸に合わせた光軸で原稿に向けて発光照射するとともに原稿側からの反射光を受ける第2の画像読取部と、この第2の画像読取部における反射光に基づき電気的な第2の画像データを変換出力する第2の変換部と、その原稿を間にして第1の画像読取部とは反対側において、それら第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように原稿裏面に向けて配置され、通電レベルに応じて透明度を変化させる第1の原稿圧板と、その原稿を間にして第2の画像読取部とは反対側において、その第1の原稿圧板とは異なる位置で、それら第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように前記原稿表面に向けて配置され、通電レベルに応じて透明度を変化させる第2の原稿圧板と、その原稿を第1の画像読取部と第1の原稿圧板間および第2の画像読取部と第2の原稿圧板間に搬送する搬送部と、この搬送部が原稿を搬送させる過程で、その原稿に記録された同一位置の画像に対し、それら第1および第2の画像読取部を動作させるとともに、第1および第2の原稿圧板に第1の通電レベルを通電して第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る第1の読取状態と、それら第1および第2の原稿圧板に第1の通電レベルと異なる第2の通電レベルを通電して第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する読取制御部と、それら第1および第2の読取状態時とで第1および第2の変換部から得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、その原稿の裏写り部分を除去演算して読み取り画像データを求める演算部と、を具備している。
【0013】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、それら何れかの原稿読取装置を具備し、読み取った画像データを画像形成する画像形成部を有する構成になっている。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明の請求項1に係る原稿読取装置では、原稿を循環させて第1および第2の画像読取部に対して2回搬送する過程で、原稿に記録された同一位置の画像に対し、その光軸を互いに外した状態で第1および第2の画像読取部を動作させた第1の読取状態で、第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを出力させる一方、その第1の移動部を制御して光軸を互いに合わせた状態で第1および第2の画像読取部を動作させた第2の読取状態で第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを出力させ、その第1および第2の読取状態時で第1および第2の変換部から得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、演算部にて原稿の裏写り部分を除去演算した読み取り画像データを求めるから、画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが容易である。
【0015】
本発明の請求項2に係る原稿読取装置では、上記第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように原稿裏面に向けて配置された第1および第2の原稿圧板と、その第2の読取状態において第1又は第2の原稿圧板を相対的に移動させる第2の移動部とを有する構成では、画像を読み取る際の裏写りを、より一層高精度で抑えることが可能である。
【0016】
本発明の請求項3に係る原稿読取装置では、搬送される原稿の透過率を第1および第2の画像読取部より上流位置で検出する検出部を有し、その原稿の透過率が所定値より低いとき、その第1の読取状態のみで第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る一方、その原稿の透過率が所定値より高いとその検出部が検出したとき、それら第1および第2の読取状態で第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得るから、原稿の厚みによる透過率に基づき、特に薄い原稿について、画像を読み取る際の裏写りを精度で抑えることが可能である。
【0017】
本発明の請求項4に係る原稿読取装置は、原稿を搬送させる過程で、その原稿に記録された同一位置の画像に対し、第1の通電レベルを第1および第2の原稿圧板に通電した第1の読取状態にて、第1および第2の画像読取部を動作させて第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得る一方、第2の通電レベルを通電して第1および第2の原稿圧板に通電した第2の読取状態にて、第1および第2の変換部から第1および第2の画像データを得るとともに、それら第1および第2の読取状態時とで第1および第2の変換部から得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、演算部にて原稿の裏写り部分を除去演算した読み取り画像データを求めるから、構成を複雑化させず、画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが容易である。
【0018】
本発明の請求項5に係る画像形成装置では、それら何れかの原稿読取装置を具備し、読み取った画像データを画像形成する画像形成部を有する構成になっているから、裏写りの発生を抑えた画像データの画像形成が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る原稿読取装置および画像形成装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
まず、本発明に係る原稿読取装置Aから説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る原稿読取装置Aの実施の形態を示す構成図である。
【0022】
図1において、本体ケース1は、後述する画像形成装置Bの本体ケースを兼ねるものであり、その上側には透明なコンタクトガラス3、5が配置されている。
【0023】
コンタクトガラス3は、細長い長方形を有し、読み取る原稿7の主走査方向(原稿の搬送方向に直交する方向)に沿って本体ケース1の側部に寄せて配置されており、第1の原稿台として機能する。
【0024】
コンタクトガラス5は、原稿7の寸法より大形の方形形状を有し、コンタクトガラス3の近傍からコンタクトガラス3とは反対方向に延びるように配置されており、第2の原稿台として機能する。
【0025】
本体ケース1内部において、コンタクトガラス3の近傍直下には、コンタクトガラス3上に位置する原稿7に向けて光を発光照射するとともにその原稿側からの反射光を受ける第1の画像読取部9が形成されている。
【0026】
第1の画像読取部9は、図2Aに示すように、コンタクトガラス3上に位置する原稿7に向けて光を発光照射する例えば発光ダイオード等からなる第1の光源11と、コンタクトガラス3側からの反射光を受けて反射するミラー13と、これらを収納する収納部15を有している。
【0027】
第1の光源11は、コンタクトガラス3上の原稿7の画像を1走査ラインずつ読み取るライン状光源である。
【0028】
第1の画像読取部9は、図1に示すように、本体ケース1内部に配置された第1の移動部17に連結されており、コンタクトガラス3の近傍直下を始端とし、コンタクトガラス5に沿ってこれと並行に図中右端に向けて所定のタイミングで間欠移動するとともに、終端に至ったとき始端に向けて戻るよう、第1の移動部17によって往復動制御されている。
【0029】
なお、第1の画像読取部9は、第1の移動部17によって後述する第2の画像読取部47付近に移動するが、詳細は後述する。
【0030】
本体ケース1内において、ミラー13からの反射光の光軸上には、ミラー19、21、集光レンズ23および第1の変換部25が配置され、光学系が形成されている。
【0031】
第1の変換部25は、例えばCCD(charge coupled device)からなり、ミラー19、21で屈曲導光され、集光レンズ23で集光された第1の画像読取部9からの反射光に基づき、この光量に応じたレベルの多値電気信号にデジタル変換した第1の画像データを演算部27に出力するものである。演算部27については後述する。
【0032】
本体ケース1には、コンタクトガラス3、5を覆うようにして自動原稿供給部29が載置され、図示しないヒンジ機構によって当該端部が本体ケース1に固定され、扇状に変位可能になっている。自動原稿供給部29がコンタクトガラス3、5に重ねられた状態では、コンタクトガラス5に載置した原稿7が押圧されるようになっている。
【0033】
自動原稿供給部29は、その本体部31がコンタクトガラス3の上側に位置し、この本体部31から延びる原稿トレイ33および排紙トレイ35がコンタクトガラス5の上側に位置するようになっている。
【0034】
自動原稿供給部29の本体部31内には、原稿トレイ33から原稿7を給紙して第1の画像読取部9近傍を介してループ状に搬送し、排紙トレイ35に排紙させる第2の移動部としての複数の搬送用ローラ37が配置されている。搬送用ローラ37による原稿7のループ状搬送については後述する。
【0035】
本体部31は、第1の画像読取部9近傍において、第1の光源11からの照射光を内部に導光できるようになっており、第1の光源11からの照射光軸を遮るようにして第1の原稿圧板(白色板)39が配置され、搬送される原稿7の裏面に第1の原稿圧板39が圧接されるようになっている。
【0036】
第1の光源11は第1の原稿圧板39方向にのみ光を照射するようになっており、第1の原稿圧板39は第1の光源11からの照射光を反射するものである。
【0037】
本体部31内には、第1の原稿圧板39より下流側を搬送される原稿7の裏面に向けて光を発光照射する例えば発光ダイオード等からなる第2の光源41と、この光軸を遮る第2の原稿圧板(白色板)43と、後述する第2の変換部45が配置されて第2の画像読取部47が形成されている。
【0038】
第2の光源41は第2の原稿圧板43方向にのみ光を照射するようになっており、第2の原稿圧板43は原稿7に圧接されるとともに第2の光源41からの照射光を反射するものである。しかも、第1および第2の光源11、41は、それらの光軸が原稿7の搬送方向に若干の間隔をおいて並行になるように配置されている。
【0039】
第2の変換部45は、例えばCIS(contact image sensor)等からなり、第2の光源41からの照射光のレベルに応じて電気的にデジタル変換した第2の画像データを演算部27に出力するものである。
【0040】
本体部31内において、第2の原稿圧板43は、図2Aに示すように、それを移動させる第2の移動部49に連結されており(図では分離して示す。)、第1の画像読取部9が第1の原稿圧板39の直下にある位置から、同図Bのように第2の変換部45の直下、すなわち第2の光源41の光軸上に位置するとき、第2の光源41からの照射光がミラー13で受けられるよう、第2の移動部49によってスライド変位可能になっている。第1の画像読取部9が、図2Aの位置に戻るとき、第2の原稿圧板43も同図Aの位置に戻るようになっている。
【0041】
なお、第1の画像読取部9による図2A、B間での移動は、上述した第1の移動部17によってなされる。
【0042】
読取制御部51は、原稿7が第1の原稿圧板39付近を搬送される過程で、原稿7に記録された同一位置の画像において、第1および第2の画像読取部9、47を動作させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る第1の読取状態(図2A参照)と、光軸を互いに合わせた状態で第1および第2の画像読取部9、47を動作させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る第2の読取状態(図2B参照)と、を切り換え制御する機能を有している。
【0043】
すなわち、読取制御部51は、原稿7に対し1走査ライン毎に一時的に停止しながら間欠移動するよう自動原稿供給部29のローラ37を制御するとともに、第1および第2の原稿圧板39、43付近を原稿7が搬送される過程で、図2Aに示す状態(第1の読取状態)において、原稿7の表裏面について1走査ライン毎に、第1および第2の光源11、41から光を発光照射させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得て演算部27に出力制御する機能を有している。
【0044】
さらに、読取制御部51は、図2Aの第1の読取状態で読み取られた原稿7を再度循環搬送して排紙トレイ35に搬送排紙するようローラ37を制御する一方、原稿7を再度循環搬送して第1および第2の原稿圧板39、43付近を搬送させる直前に、第1の移動部17を制御して第1の画像読取部9を第2の光源41の光軸位置に移動制御するとともに、第2の移動部49を制御して第2の原稿圧板43を第2の光源41の光軸から外すように移動制御し、同図Bの第2の読取状態を形成する。
【0045】
この第2の読取状態において、読取制御部51は、1走査ライン毎に一時的に停止しながら間欠移動するよう自動原稿供給部29のローラ37を制御するとともに、第1および第2の原稿圧板39、43を原稿7が搬送される過程で、原稿7の表裏面について1走査ライン毎に、第1および第2の光源11、41から光を発光照射させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得て演算部27に出力制御する機能を有している。
【0046】
この第2の読取状態においては、第1および第2の光源11、41から照射光が重畳された状態で第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データが得られる。
【0047】
上述した演算部27は、第1および第2の変換部25、45から出力された第1の画像データと第2の画像データとに基づき、第1の画像データどうし、第2の画像データどうしの演算を行い、原稿7の裏写り部分を除去演算して表面側の読み取り画像データおよび裏面側の読み取り画像データを求める演算機能を有しており、後述する画像形成装置Bの印刷制御部53に接続されている。
【0048】
第1の読取状態においては、第1の光源11の発光照射のみであるから、原稿7からの反射光がある程度は大きいものの、原稿7の透過光の光量が小さくなりがちであるが、第2の読取状態においては、第1および第2の光源11、41からの両発光照射があるから、原稿7を透過した光量が大きくなり、透過光による画像レベルを増加させることが可能で、これらを用いて裏写りの除去が可能である。
【0049】
例えば、図3Aに示すように、符号「123」が原稿7の表面側の画像であり符号「<*>」が原稿7の裏面側の画像であり、同図A中の符号P位置における表面側の画像データのレベルが第1の読取状態では同図Bのようになった場合、同図A中の符号P位置における表面側の画像データのレベルが第2の読取状態では同図Cのようになるから、これらを加算すると、同図Dに示すように、画像データのレベルが強調された波形になる。閾値P’を適当に選定すれば、原稿7の表面からの画像データのみを抽出して原稿7の裏写り部分を除去可能となる。
【0050】
演算部27は、第1および第2の読取状態において第1および第2の変換部25、45から各々出力された第1および第2の画像データに基づき、例えば第1の画像データどうし、第2の画像データどうしを加算し、所定の大きな閾値P’を超えた画像データのみを画像形成用の画像データとして画像形成装置Bの印刷制御部53に出力する機能を有している。
【0051】
次に、本発明に係る原稿読取装置Aの動作を簡単に説明する。
【0052】
図1に示すように、原稿7を自動原稿供給部29の原稿トレイ33にセットし、図示しない読取キーを操作して読み取り動作を開始させると、ローラ37が原稿トレイ33から原稿7を給紙してループ状に搬送し、ループ状に原稿7を2回転搬送してから排紙トレイ35に排紙させる。
【0053】
図2Aに示す第1の読取状態において、第1および第2の画像読取部9、47付近を搬送する原稿7に対し、1走査ライン毎に一時的に停止しながら原稿7を間欠移動する過程で、その表裏面について1走査ライン毎に第1および第2の光源11、41から光を発光照射させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを演算部27へ出力させる。
【0054】
なお、第1の画像読取部9によって反射された反射光は、ミラー19、21、集光レンズ23を介して第1の変換部25に導光され、反射光に応じた第1の画像データが演算部27に出力される。
【0055】
さらに、第1の読取状態で読み取られた原稿7をローラ37によって再度循環搬送して第1および第2の画像読取部9、47へ搬送し、第2の読取状態にする。
【0056】
この第2の読取状態においては、読取制御部51が、第1の移動部17を制御して第1の画像読取部9を第2の光源41の光軸位置に移動制御するとともに、第2の移動部49を制御して第2の原稿圧板43を第2の光源41の光軸から外すように移動制御する。
【0057】
この第2の読取状態において、読取制御部51は、1走査ライン毎に一時的に停止しながら間欠移動するよう自動原稿供給部29のローラ37を制御するとともに、第1および第2の原稿圧板39、43を原稿7が搬送される過程で、原稿7の表裏面について1走査ライン毎に第1および第2の光源11、41から光を発光照射させ、第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを演算部27へ出力させる。
【0058】
演算部27からは、第1および第2の読取状態で第1の変換部25から出力された第1の画像データどうしに基づき、原稿7表面の裏写り部分を除去演算して表面側の読み取り画像データを画像形成装置Bの印刷制御部53に出力する一方、第1および第2の読取状態で第2の変換部45から出力された第2の画像データどうしに基づき、原稿7裏面の裏写り部分を除去演算して裏面側の読み取り画像データを画像形成装置Bの印刷制御部53に出力する。
【0059】
次に、上述した原稿読取装置Aを搭載した画像形成装置Bを図4を参照して簡単に説明する。
【0060】
画像形成装置Bは、印刷制御部53を中心にして上述した原稿読取装置A、記憶部55、操作パネル部57、印刷部59、送受信部61を有し、例えば複合機(MFP)を構成している。なお、画像形成装置Bは、これ以外にも構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【0061】
原稿読取装置Aは、上述したように原稿7から画像を光学的に読み取るとともに裏写り部分が除去された画像データを生成するスキャナであり、印刷制御部53を介した読取制御部51等の制御の下、頁毎の画像データが記憶部55に記憶されるようになっている。
【0062】
記憶部55は、印刷制御部53の制御の下、原稿読取装置Aからの読取り画像データや送受信部61からの後述する受信画像データを記憶する他、印刷制御部53の動作プログラムを記憶した読み書き可能な例えばハードディスクである。
【0063】
操作パネル部57は、図示しないが、本体ケース1の上部に配置され、印刷制御部53の制御の下、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての公知の液晶表示パネルと、装置の動作に係る画像が表示された箇所をタッチすることによって原稿からの読み取りを受付ける入力部としての機能を有している。
【0064】
印刷部59は、上述した図1に示した本体ケース1に配置され、図示はしないが、シート材がセットされる複数の給紙部と、上述した画像データから印刷画像イメージデータに展開してトナーカセットからのトナーでトナー現像してシート材にトナー像を転写する転写部と、転写されたシート材の転写画像を定着する定着部等を有する画像形成部としてのカラー又はモノクロ印刷エンジンである。
【0065】
送受信部61は、所定のプロトコルに従い、ネットワーク63を介してコンピュータ等の情報処理装置65との間で種々の情報を送受信するインターフェース部である。
【0066】
印刷制御部53は、CPUやこのCPUの動作プログラムを格納したROMを有して形成されており、上述した原稿読取装置A、記憶部55、操作パネル部57、印刷部59および送受信部61等を制御するとともに、複合機の図示しない機能部を制御している。
【0067】
このように、本発明の原稿読取装置Aは、コンタクトガラス(原稿台)3の近傍直下に設けられ、原稿7に向けて発光照射して原稿7側からの反射光を受ける第1の画像読取部9と、この第1の画像読取部9で受けた反射光に基づき電気的な第1の画像データを変換出力する第1の変換部25と、その原稿7を間にして第1の画像読取部9と反対側にてこれの光軸から外れた位置に設けられ、その原稿7に向けて発光照射して原稿7側からの反射光を受ける第2の画像読取部47と、この第2の画像読取部47における反射光に基づき電気的な第2の画像データを変換出力する第2の変換部41と、その第1の画像読取部9を第2の画像読取部47の光軸位置に相対的に移動させて光軸を合わせる第1の移動部17と、その原稿7を循環させて第1および第2の画像読取部9、47に対して2回搬送するローラ(搬送部)37と、このローラ37が原稿7を搬送させる過程で第1および第2の読取状態とを切り換え制御する読取制御部51と、読み取り画像データを求める演算部27とを具備している。
【0068】
しかも、読取制御部51は、原稿7に記録された同一位置の画像に対し、その光軸を互いに外した状態でそれら第1および第2の画像読取部9、47を動作させて第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る上記第1の読取状態と、第1の移動部17を制御して光軸を互いに合わせた状態で第1および第2の画像読取部9、47を動作させ、双方の照射光によって第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る上記第2の読取状態とを切り換え制御し、更に、演算部27は、その第1および第2の読取状態時で第1および第2の変換部から得られる第1の画像データどうし又は第2の画像データどうしに基づき、原稿の裏写り部分を除去演算して読み取り画像データを求める機能を有している。
【0069】
そのため、第1の読取状態時では、その光軸を互いに外した状態で第1および第2の画像読取部9、47を動作させて画像を読み取り、第2の読取状態時では、その光軸と互いに合わせた状態で第1および第2の画像読取部9、47を動作させて画像を読み取るから、画像読取時に原稿白色部分と薄い濃度の部分のレベル差が大きくなり、下地かぶりしたような画像データとなり難く、原稿7から画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが容易となる。
【0070】
しかも、原稿7を間にして第1および第2の画像読取部9、47とは反対側において、それら第1および第2の画像読取部9、47からの照射光を遮るように原稿裏面に向けて配置された第1および第2の原稿圧板39、43と、その第2の読取状態において、第1又は第2の原稿圧板39、43を第1および第2の画像読取部9、47の光軸から外れる位置に相対的に移動させる第2の移動部49とを有するから、その第1の読取状態時において、第1および第2の変換部25、45から得られる第1の画像データには原稿7の表面および裏面の画像に係る確実なデータが含まれるので、より一層、原稿の裏写り部分を除去演算することが可能となり、裏写りを確実に抑えることが可能となる。
【0071】
ところで、上述した原稿読取装置Aは、原稿7の厚みにかかわらず、第1の画像読取部9を第2の読取状態において移動変位させて画像を読み取る構成であったが、本発明はこれに限定されない。
【0072】
すなわち、図1に示すように、第1および第2の画像読取部9、47より上流位置で、搬送する原稿7の厚みを検出する検出部67を原稿7の搬送路上に配置し、原稿7の透過率を測定する構成も可能である。
【0073】
この構成において、上述した読取制御部51は、原稿7が厚くて透過率が所定値より低いと検出部67が検出したとき、第1の読取状態のみで第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得るよう制御する一方、原稿7が薄くて透過率が所定値より高いと検出部67が検出したとき、第1および第2の読取状態で第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得るよう機能するように形成すれば良い。
【0074】
このような構成においては、原稿7の厚みによる透過率に基づき、画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが可能であるうえ、原稿7が厚くて透過率が低い場合には、第1の読取状態のみで第1および第2の画像データを得るから、画像読み取り速度が高まる利点がある。
【0075】
さらに、本発明の原稿読取装置Aは、通電変化によって透明度が変化する部材を第1および第2の原稿圧板39、43に使用することで、第1の画像読取部9の移動変位を不要とする構成も可能である。
【0076】
すなわち、原稿7を間にして第1の画像読取部9とは反対側には、図5に示すように、それら第1および第2の画像読取部9、47からの照射光を遮るように原稿裏面に向けて第1の原稿圧板69が配置されている。
【0077】
さらに、その原稿7を間にして第2の画像読取部47とは反対側において、その第1の原稿圧板69とは異なる位置で、それら第1および第2の画像読取部9、47からの照射光を遮るように原稿表面に向けて第2の原稿圧板71が配置されている。
【0078】
第1および第2の原稿圧板69、71は、対向する透明電極と、この電極間に介在された濃度可変剤としてのインク剤とを有してなり、図6に示すように、透明電極間に印加する駆動電流の通電レベルに応じてインク剤の配列が変わり、同図A、Bのように透明度が変化する機能を有している。
【0079】
上述した読取制御部51は、ローラ37によって原稿7を、第1の画像読取部9と第1の原稿圧板69との間および第2の画像読取部47と第2の原稿圧板71との間に搬送させる過程で、その原稿7に記録された同一位置の画像に対し、それら第1および第2の画像読取部9、47を動作させるとともに、第1および第2の原稿圧板69、71に第1の通電レベルを通電して第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る第1の読取状態と、それら第1および第2の原稿圧板69、71に第1の通電レベルと異なる第2の通電レベルを通電して第1および第2の変換部25、45から第1および第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する機能を有している。その他の構成は、上述した構成と同様であるから、説明を繰り返さない。
【0080】
このような構成の原稿読取装置Aでは、画像を読み取る際の裏写りを高精度で抑えることが容易であるうえ、通電変化によって濃度が変化する例えば調光レンズ等を第1および第2の原稿圧板39、43に使用することで、第1の画像読取部9の移動変位が不要となり、第2の移動部49が不要で、構成を複雑化させない。
【0081】
そして、本発明に係る画像形成装置Bでは、上述した原稿読取装置Aに係る効果に加えて、裏写りの発生を抑えた画像データの画像形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る原稿読取装置の実施の形態を示す内部構成図である。
【図2】本発明に係る原稿読取装置の要部を示す要部構成図である。
【図3】本発明に係る原稿読取装置の動作を説明する図である。
【図4】本発明に係る原稿読取装置を搭載した画像形成装置を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る原稿読取装置の他の構成を示す要部構成図である。
【図6】本発明に係る原稿読取装置の原稿圧板の動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0083】
1 本体ケース
3、5 コンタクトガラス(第1の原稿台)
7 原稿
9 第1の画像読取部(画像読取部)
11 第1の光源
13、19、21 ミラー
15 収納部
17 第1の移動部
23 集光レンズ
25 第1の変換部
27 演算部
29 自動原稿供給部
31 本体部
33 原稿トレイ
35 排紙トレイ
37 ローラ(搬送部)
39、69 第1の原稿圧板
41 第2の光源
43、71 第2の原稿圧板
45 第2の変換部
47 第2の画像読取部
49 第2の移動部
51 読取制御部
53 印刷制御部
55 記憶部
57 操作パネル部
59 印刷部(画像形成部)
61 送受信部
63 ネットワーク
65 情報処理装置(コンピュータ)
67 検出部
A 原稿読取装置
B 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台の近傍直下に設けられ、前記原稿台上の原稿に向けて発光照射するとともに前記原稿側からの反射光を受ける第1の画像読取部と、
この第1の画像読取部で受けた前記反射光に基づき電気的な第1の画像データを変換出力する第1の変換部と、
前記原稿を間にして前記第1の画像読取部と反対側において、前記第1の画像読取部からの光軸から外れた位置に設けられ、前記原稿に向けて発光照射するとともに前記原稿側からの反射光を受ける第2の画像読取部と、
この第2の画像読取部における前記反射光に基づき電気的な第2の画像データを変換出力する第2の変換部と、
前記第1の画像読取部を前記第2の画像読取部の光軸位置に相対的に移動させて前記光軸を合わせる第1の移動部と、
前記原稿を循環させて前記第1および第2の画像読取部に対して2回搬送する搬送部と、
この搬送部が前記原稿を搬送させる過程で、前記原稿に記録された同一位置の画像に対し、前記光軸を互いに外した状態で前記第1および第2の画像読取部を動作させて前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得る第1の読取状態と、前記第1の移動部を制御して前記光軸を互いに合わせた状態で前記第1および第2の画像読取部を動作させ、双方の照射光によって前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する読取制御部と、
前記第1の読取状態時と第2の読取状態時とで前記第1および第2の変換部から得られる前記第1の画像データどうし又は前記第2の画像データどうしに基づき、前記原稿の裏写り部分を除去演算して読み取り画像データを求める演算部と、
を具備することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記原稿を間にして前記第1および第2の画像読取部とは反対側において、前記第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように前記原稿裏面に向けて配置された第1および第2の原稿圧板と、前記第2の読取状態において、第1又は第2の原稿圧板を前記第1および第2の画像読取部の光軸から外れる位置に相対的に移動させる第2の移動部とを有する請求項1記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記搬送部で搬送される前記原稿の透過率を前記第1および第2の画像読取部より上流位置で検出する検出部と、前記読取制御部は、前記原稿の透過率が所定値より低いと前記検出部が検出したとき、前記第1の読取状態のみで前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得る制御と、前記原稿の透過率が所定値より高いと前記検出部が検出したとき、前記第1および第2の読取状態で前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得るよう制御する請求項1又は2記載の原稿読取装置。
【請求項4】
原稿台の近傍直下に設けられ、前記原稿台上の原稿に向けて発光照射するとともに前記原稿側からの反射光を受ける第1の画像読取部と、
この第1の画像読取部で受けた前記反射光に基づき電気的な第1の画像データを変換出力する第1の変換部と、
前記原稿を間にして前記第1の画像読取部と反対側において、前記第1の画像読取部からの光軸に合わせた光軸で前記原稿に向けて発光照射するとともに前記原稿側からの反射光を受ける第2の画像読取部と、
この第2の画像読取部における前記反射光に基づき電気的な第2の画像データを変換出力する第2の変換部と、
前記原稿を間にして前記第1の画像読取部とは反対側において、前記第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように前記原稿裏面に向けて配置され、通電レベルに応じて透明度を変化させる第1の原稿圧板と、
前記原稿を間にして前記第2の画像読取部とは反対側において、前記第1の原稿圧板とは異なる位置で、前記第1および第2の画像読取部からの照射光を遮るように前記原稿表面に向けて配置され、通電レベルに応じて透明度を変化させる第2の原稿圧板と、
前記原稿を前記第1の画像読取部と前記第1の原稿圧板間および前記第2の画像読取部と前記第2の原稿圧板間に搬送する搬送部と、
この搬送部が前記原稿を搬送させる過程で、前記原稿に記録された同一位置の画像に対し、前記第1および第2の画像読取部を動作させるとともに、前記第1および第2の原稿圧板に第1の通電レベルを通電して前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得る第1の読取状態と、前記第1および第2の原稿圧板に前記第1の通電レベルと異なる第2の通電レベルを通電して前記第1および第2の変換部から前記第1および第2の画像データを得る第2の読取状態とを切り換え制御する読取制御部と、
前記第1および第2の読取状態時とで前記第1および第2の変換部から得られる前記第1の画像データどうし又は前記第2の画像データどうしに基づき、前記原稿の裏写り部分を除去演算して読み取り画像データを求める演算部と、
を具備することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4いずれか1記載の原稿読取装置を具備し、読み取った前記画像データを画像形成する画像形成部を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−114614(P2010−114614A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285010(P2008−285010)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】