説明

参照データ取得装置、参照データ取得システム、参照データ取得方法、及び参照データ取得プログラム

【課題】参照データの取得に要する通信コストの増大を抑制しつつ、必要な参照データを確実に取得することができる、参照データ取得装置を提供すること。
【解決手段】参照データ取得装置50は、車両2の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定部51aと、マッチング地点特定部51aにより特定された施設における通信状態を特定する通信状態特定部51bと、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データのみを当該施設への進入前に取得し、通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データと、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データとを当該施設への進入前に取得する、参照データ取得部51cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照データ取得装置、参照データ取得システム、参照データ取得方法、及び参照データ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションシステムにおいて、各種施設(駐車場、ガソリンスタンド、商業施設等)への車両の進入や退出を判定することが行われている。各種施設への車両の進入や退出を判定する方法としては、例えば、各種施設の位置情報(例えば緯度や経度等の座標情報)と、GPS(Global Positioning System)やジャイロセンサ等を用いて特定した車両の走行軌跡とを対比する方法が用いられている。
【0003】
例えば、地図データベースから読み込んだ地図データ等に基づき、自車両の走行軌跡を道路上に位置合わせすることで、自車両の道路上における現在位置を算出し、この算出した現在位置と、ジャイロセンサ及びステアリングセンサからの検出信号とに基づき、自車両が施設に立ち寄ったか否かを判定する、位置情報利用装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−14713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各種施設への車両の進入や退出を確実に判定するため、車両の現在位置を更に高精度に特定する方法として、車両の周辺を撮影した撮影画像を用いてマッチングを行う方法が考えられる。例えば、マッチングに用いるための参照データを予め用意しておき、車両の周辺を撮影した撮影画像における所定の特徴点が、いずれかの参照データにおける特徴点と一致する場合に、その参照データに関連付けられている位置を車両の現在位置として特定する。
【0006】
このように、車両の周辺を撮影した撮影画像を用いてマッチングを行う場合、マッチング対象となり得る全ての施設についての参照データを車載機の記憶装置に格納することは、データサイズが膨大となることから困難であった。従って、センター装置に全ての参照データを格納しておき、各種施設への車両の進入や退出の判定を行う際にネットワークを介してセンター装置から参照データを取得することが考えられる。しかし、各種施設への車両の進入時や退出時における通信状況によっては、必要な参照データを取得できない可能性があった。また、走行中に立ち寄ることが予想される各種施設に対応する参照データを予め取得することも考えられるが、通信コストを抑制するため、必要最小限の参照データを取得する必要があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、参照データの取得に要する通信コストの増大を抑制しつつ、必要な参照データを確実に取得することができる、参照データ取得装置、参照データ取得システム、参照データ取得方法、及び参照データ取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の参照データ取得装置は、車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得装置であって、前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定手段と、前記マッチング地点特定手段により特定された施設における通信状態を特定する通信状態特定手段と、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に取得する、参照データ取得手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の参照データ取得装置は、請求項1に記載の参照データ取得装置において、前記車両が施設に進入した後、当該車両が当該施設から退出する退出路を特定する退出路特定手段を備え、前記参照データ取得手段は、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設の内、当該施設からの退出路が複数存在する施設については、前記退出路特定手段により前記車両が当該施設から退出する退出路が特定された後に、当該特定された退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データを取得する。
【0010】
また、請求項3に記載の参照データ取得装置は、請求項1又は2に記載の参照データ取得装置において、前記通信状態特定手段は、前記マッチング地点特定手段により特定された施設から退出する退出路毎の通信状態を特定し、前記参照データ取得手段は、前記マッチング地点特定手段により特定された施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを、当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データを、当該施設への進入後に取得する。
【0011】
また、請求項4に記載の参照データ取得システムは、車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得システムであって、前記参照データを格納する参照データ格納手段と、前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点を含む施設を特定する施設情報と、当該施設における通信状態を特定する通信状態情報とを、相互に関連付けて格納する施設情報格納手段と、前記マッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定手段と、前記マッチング地点特定手段により特定された施設に対応する前記通信状態情報に基づき当該施設における通信状態を特定する、通信状態特定手段と、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に前記参照データ格納手段から取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に前記参照データ格納手段から取得する、参照データ取得手段と、を備える。
【0012】
また、請求項5に記載の参照データ取得方法は、車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得方法であって、前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定ステップと、前記マッチング地点特定ステップで特定された施設における通信状態を特定する、通信状態特定ステップと、前記通信状態特定ステップで特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定ステップで特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に取得する、参照データ取得ステップと、を含む。
【0013】
また、請求項6に記載の参照データ取得プログラムは、請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の参照データ取得装置、請求項4に記載の参照データ取得システム、請求項5に記載の参照データ取得方法、及び請求項6に記載の参照データ取得プログラムによれば、参照データ取得手段は、通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データのみを当該施設への進入前に取得し、通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データと、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データとを当該施設への進入前に取得するので、施設への進入後に参照データを取得することが困難と考えられる場合にのみ、当該施設への進入前に必要な参照データを取得することができる。これにより、参照データの取得に要する通信コストの増大を抑制しつつ、必要な参照データを確実に取得することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の参照データ取得装置によれば、参照データ取得手段は、通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設の内、当該施設からの退出路が複数存在する施設については、退出路特定手段により車両が当該施設から退出する退出路が特定された後に、当該特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを取得するので、マッチングに用いる必要のある参照データのみを取得することができ、参照データの取得に要する通信コストの増大を確実に抑制しつつ、必要な参照データを取得することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の参照データ取得装置によれば、参照データ取得手段は、マッチング地点特定手段により特定された施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データと、通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データとを、当該施設への進入前に取得し、通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、当該施設への進入後に取得するので、マッチングに用いる必要のある参照データのみを取得することができ、参照データの取得に要する通信コストの増大を一層確実に抑制しつつ、必要な参照データを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る参照データ取得システムを例示するブロック図である。
【図2】参照データ取得処理のフローチャートである。
【図3】施設内参照データ取得処理のフローチャートである。
【図4】通信状態測定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る参照データ取得装置、参照データ取得システム、参照データ取得方法、及び参照データ取得プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(構成)
最初に、実施の形態に係る参照データ取得システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る参照データ取得システムを例示するブロック図である。図1に示すように、参照データ取得システム1は、参照データ取得装置50と、センター装置3とを含んで構成されている。
【0020】
(構成−参照データ取得装置)
参照データ取得装置50は、車両2に搭載されており、図1に示すように、制御部51、及びデータ記録部52を備えている。また、車両2には、現在位置検出処理部10、操作部20、ディスプレイ30、及び通信部40が設けられており、これらは参照データ取得装置50に接続されている。
【0021】
(構成−参照データ取得装置−制御部)
制御部51は、参照データ取得装置50を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(後述するセンター装置3の制御部70についても同じ)。特に、本実施の形態に係る参照データ取得プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して参照データ取得装置50にインストールされることで、制御部51の各部を実質的に構成する。
【0022】
この制御部51は、機能概念的に、マッチング地点特定部51a、通信状態特定部51b、参照データ取得部51c、及び退出路特定部51dを備えている。マッチング地点特定部51aは、参照データと撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点の内、車両2の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定手段である。通信状態特定部51bは、マッチング地点特定部51aにより特定された施設における通信状態を特定する通信状態特定手段である。参照データ取得部51cは、参照データを取得する参照データ取得手段である。退出路特定部51dは、車両2が施設に進入した後、当該車両2が施設から退出する退出路を特定する退出路特定手段である。これらの制御部51の各部によって実行される処理の詳細については後述する。
【0023】
(構成−参照データ取得装置−データ記録部)
データ記録部52は、参照データ取得装置50の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述するセンター装置3のデータ記録部80についても同じ)。
【0024】
このデータ記録部52は、地図情報データベース52a(以下、データベースをDBと略記する)、及び参照データDB52bを備えている。
【0025】
地図情報DB52aは、地図情報を格納する地図情報格納手段であり、マッチング地点を含む施設を特定する施設情報と、当該施設における通信状態を特定する通信状態情報とを、相互に関連付けて格納する施設情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、施設データ(各施設の施設名称、座標情報、種別、各施設における進入路及び退出路の位置、各施設に含まれるマッチング地点の設置箇所(例えば施設への進入路や退出路等)、各マッチング地点の座標情報等)、地形データ、地図をディスプレイ30に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。また、この地図情報に含まれる施設データに関連付けて、各施設における通信状態を特定する通信状態情報が格納されている。ここで「施設における通信状態」とは、当該施設に含まれるマッチング地点に対応する参照データをセンター装置3から受信する際の通信状態であり、例えば、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が施設内に存在する場合に、当該施設における通信状態が良好である旨を特定する通信状態情報「良好」が当該施設の施設データに関連付けて地図情報DB52aに格納される。一方、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が施設内に存在しない場合には、当該施設における通信状態が良好ではない旨を特定する通信状態情報「不良」が当該施設の施設データに関連付けて地図情報DB52aに格納される。
【0026】
参照データDB52bは、参照データ取得部51cによって取得された参照データを格納する。なお、参照データの具体的な内容や、参照データDB52bに参照データが格納されるタイミング等については後述する。
【0027】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部10は、参照データ取得装置50が搭載された車両2の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部10は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両2の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0028】
(構成−操作部)
操作部20は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部20の具体的な構成は任意であり、例えば、ディスプレイ30の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて操作部20を構成することができる。
【0029】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ30は、参照データ取得装置50の制御に基づいて各種情報の表示出力を行う出力手段である。なお、このディスプレイ30の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0030】
(構成−通信部)
通信部40は、センター装置3との間で、参照データを含む各種情報の通信を行うための通信手段であり、公知の通信装置を用いることができる。
【0031】
(構成−センター装置)
センター装置3は、図1に示すように、通信部60、制御部70、及びデータ記録部80を備えている。
【0032】
(構成−センター装置−通信部)
通信部60は、参照データ取得装置50との間で、車両2の通信部40を介して参照データを含む各種情報の通信を行うための通信手段であり、公知の通信装置を用いることができる。
【0033】
(構成−センター装置−制御部)
制御部70は、センター装置3を制御する制御手段である。
【0034】
(構成−センター装置−データ記録部)
データ記録部80は、センター装置3の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部80は、参照データDB81を備えている。参照データDB81は、参照データを格納する参照データ格納手段である。参照データは、車両2の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いるためのデータであり、例えば、各種施設(駐車場、ガソリンスタンド、商業施設等)の進入路や退出路を撮影した画像データや、当該画像データから公知のアルゴリズムを用いてマッチングのための特徴点を抽出したテンプレートデータ等が用いられる。この参照データには、当該参照データを用いてマッチングを行う対象となるマッチング地点を特定する情報(例えばマッチング地点が含まれる施設を特定する情報(施設名称、座標情報等)、当該施設におけるマッチング地点の設置箇所(例えば施設への進入路や退出路等)を特定する情報、各マッチング地点の座標情報等)が付されている。
【0035】
(処理−参照データ取得処理)
次に、このように構成された参照データ取得システム1によって実行される参照データ取得処理について説明する。図2は参照データ取得処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この参照データ取得処理は、例えば、参照データ取得装置50に電源が投入された場合に開始され、所定の周期で繰り返し実行される。
【0036】
図2に示すように、参照データ取得処理が開始されると、マッチング地点特定部51aは現在位置検出処理部10を介して車両2の現在位置を特定する(SA1)。
【0037】
続いてマッチング地点特定部51aは、SA1で特定した車両2の現在位置に基づき、車両2が施設へ進入する前か否かを判定する(SA2)。例えばマッチング地点特定部51aは、車両2の現在位置が施設の外部である場合には当該施設への進入前であると判定し、車両2の現在位置が施設の内部である場合には当該施設への進入後であると判定する。
【0038】
あるいは、車両2の周辺を撮影した撮影画像と施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データとのマッチングを行った結果、撮影画像の特徴点と参照データの特徴点とが一致した場合、制御部51は当該施設への進入路に車両2が進入したと判定する。その後、当該施設から車両2が退出したと判定されるまでの間、マッチング地点特定部51aは車両2が施設へ進入した後であると判定する。なお、施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データを取得するタイミングや方法については後述する。
【0039】
その結果、車両2が施設へ進入する前である場合(SA2、Yes)、マッチング地点特定部51aは地図情報DB52aを参照し、マッチング地点を含む施設であって、SA1で特定した車両2の現在位置から最も近い位置にある施設を特定する(SA3)。
【0040】
続いてマッチング地点特定部51aは、SA1で特定した車両2の現在位置からSA3で特定した施設までの距離が所定距離(例えば50m)以内か否かを判定する(SA4)。その結果、SA1で特定した車両2の現在位置からSA3で特定した施設までの距離が所定距離以内ではない場合(所定距離より長い場合)(SA4、No)、制御部51は参照データ取得処理を終了する。
【0041】
一方、SA1で特定した車両2の現在位置からSA3で特定した施設までの距離が所定距離以内である場合(SA4、Yes)、参照データ取得部51cは、SA3で特定した施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、通信部40を介してセンター装置3の参照データDB81から取得する(SA5)。具体的には、参照データ取得部51cは、SA3で特定した施設に対応する施設データのうち、当該施設への進入路に存在するマッチング地点を特定する情報(例えば当該マッチング地点の座標情報等)を地図情報DB52aから取得する。そして、当該取得した情報に対応して参照データDB81に格納されている参照データを、通信部40を介して参照データDB81から取得する。このSA5で取得した参照データは車両2の参照データDB52bに格納される。この参照データを用いて、車両2の周辺を撮影した撮影画像とのマッチングを行うことで、SA3で特定した施設に車両2が進入したか否かを判定することができる。
【0042】
次に、通信状態特定部51bは、SA3で特定した施設における通信状態を特定する(SA6)。すなわち通信状態特定部51bは、SA3で特定した施設に対応する通信状態情報を地図情報DB52aから取得し、当該取得した通信状態情報に基づき、当該施設における通信状態を特定する。
【0043】
続いて参照データ取得部51cは、SA6で通信状態特定部51bにより特定された通信状態が「不良」か否かを判定する(SA7)。その結果、SA6で通信状態特定部51bにより特定された通信状態が「不良」である場合(SA7、Yes)、SA3で特定した施設への進入後にセンター装置3から参照データを受信することは困難と考えられることから、SA3で特定した施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、通信部40を介してセンター装置3の参照データDB81から取得する(SA8)。具体的には、参照データ取得部51cは、SA3で特定した施設に対応する施設データのうち、当該施設からの各退出路に存在するマッチング地点を特定する情報(例えば当該マッチング地点の座標情報等)を地図情報DB52aから取得する。そして、当該取得した情報に対応して参照データDB81に格納されている参照データの全てを、通信部40を介して参照データDB81から取得する。その後、制御部51は参照データ取得処理を終了する。このSA8で取得した参照データは車両2の参照データDB52bに格納される。この参照データを用いて、車両2の周辺を撮影した撮影画像とのマッチングを行うことで、車両2が施設に進入した後、当該施設から車両2が退出したか否かを判定することができる。
【0044】
一方、SA6で通信状態特定部51bにより特定された通信状態が「不良」ではない場合(通信状態が「良好」である場合)(SA7、No)、SA3で特定した施設への進入後でも、センター装置3から参照データを受信することは可能と考えられることから、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを取得することなく、制御部51は参照データ取得処理を終了する。
【0045】
また、SA2において、車両2が施設へ進入する前ではない場合(車両2が施設へ進入した後である場合)(SA2、No)、参照データ取得部51cは、施設内参照データ取得処理を実行する(SA9)。その後、制御部51は参照データ取得処理を終了する。
【0046】
(処理−施設内参照データ取得処理)
ここで、施設内参照データ取得処理について説明する。図3は、施設内参照データ取得処理のフローチャートである。図3に示すように、施設内参照データ取得処理が開始されると、参照データ取得部51cは、施設への進入前において、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが未取得か否かを判定する(SB1)。具体的には、図2の参照データ取得処理において、SA4で車両2の現在位置からの距離が所定距離以内と判定された施設であって、SA6で通信状態が「不良」と特定された施設に車両2が進入した場合、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データは当該施設への進入前に取得されることから、参照データ取得部51cは、施設への進入前において、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが未取得ではない(取得済みである)と判定する。一方、SA4で車両2の現在位置からの距離が所定距離以内と判定された施設であって、SA6で通信状態が「良好」と特定された施設に車両2が進入した場合、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データは当該施設への進入前には取得されないことから、参照データ取得部51cは、施設への進入前において、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが未取得であると判定する。
【0047】
図3に戻り、SB1の判定の結果、施設への進入前において、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが未取得の場合(SB1、Yes)、参照データ取得部51cは、現在位置検出処理部10を介して施設内における車両2の現在位置を特定する(SB2)。
【0048】
続いて参照データ取得部51cは、SB2で特定した車両2の現在位置が、当該車両2が施設から退出する退出路を特定可能なエリア(以下、必要に応じて「退出路特定可能エリア」)か否かを判定する(SB3)。ここで、「車両2が施設から退出する退出路を特定可能なエリア」とは、施設から退出するための退出路が当該施設に複数存在する場合において、いずれの退出路を経由して車両2が施設から退出するのかを特定可能なエリアであり、例えば各退出路を経由して車両2が施設から退出することを特定可能となるエリアが退出路毎に設定されている。この退出路特定可能エリアを特定する情報は、施設データの一部として地図情報DB52aに格納されている。
【0049】
SB3の判定の結果、SB2で特定した車両2の現在位置が、いずれかの退出路に対応する退出路特定可能エリアである場合(SB3、Yes)、退出路特定部51dは、当該退出路特定可能エリアに対応する退出路を、車両2が施設から退出する退出路として特定する(SB4)。
【0050】
続いて参照データ取得部51cは、SB2で特定した車両2の現在位置が、車両2が進入した施設において通信状態が良好なエリア(以下、必要に応じて「通信状態良好エリア」)か否かを判定する(SB5)。ここで「通信状態が良好なエリア」とは、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間を含むエリアである。この通信状態良好エリアを特定する情報は、施設データの一部として地図情報DB52aに格納されている。
【0051】
その結果、SB2で特定した車両2の現在位置が通信状態良好エリアである場合(SB5、Yes)、センター装置3から参照データを受信することが可能と考えられることから、参照データ取得部51cは、SB4で特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、通信部40を介してセンター装置3の参照データDB81から取得する(SB6)。具体的には、参照データ取得部51cは、車両2が進入した施設に対応する施設データのうち、SB4で特定された退出路に存在するマッチング地点を特定する情報(例えば当該マッチング地点の座標情報等)を地図情報DB52aから取得する。そして、当該取得した情報に対応して参照データDB81に格納されている参照データを、通信部40を介して参照データDB81から取得する。その後、制御部51は施設内参照データ取得処理を終了し、メインルーチンに戻る。このSB6で取得した参照データは車両2の参照データDB52bに格納される。この参照データを用いて、車両2の周辺を撮影した撮影画像とのマッチングを行うことで、SB4で特定された退出路を経由して施設から車両2が退出したか否かを判定することができる。
【0052】
また、SB1の判定の結果、施設への進入前において、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが未取得ではない場合(参照データが取得済みである場合)(SB1、No)、取得済みの参照データを用いてマッチングを行えばよく、さらに参照データを取得する必要はないことから、制御部51は施設内参照データ取得処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0053】
また、SB3の判定の結果、SB2で特定した車両2の現在位置が、いずれかの退出路に対応する退出路特定可能エリアではない場合(SB3、No)、いずれの退出路を経由して車両2が施設から退出するのかを特定することができず、必要な参照データを特定することができないことから、制御部51は施設内参照データ取得処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0054】
また、SB5の判定の結果、SB2で特定した車両2の現在位置が通信状態良好エリアではない場合(SB5、No)、センター装置3から参照データを受信することは困難と考えられることから、制御部51は施設内参照データ取得処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0055】
(処理−通信状態測定処理)
次に、通信状態測定処理について説明する。図4は、通信状態測定処理のフローチャートである。この通信状態測定処理は、施設における通信状態を測定するための処理であり、例えば測定用車両に搭載された測定装置(図示省略)によって実行される。測定装置は、現在位置を検出する現在位置検出処理部、センター装置3との間の通信状態を測定する通信状態測定部、及び、施設を特定する情報と測定用車両が当該施設から退出する退出路を特定可能となる地点(以下、必要に応じて「退出路特定点」)を特定する退出路特定点情報とを相互に関連付けて格納する退出路特定点DBを備えている(いずれも図示省略)。なお、通信状態測定処理は、例えば、測定装置に電源が投入された場合に開始され、所定の周期で繰り返し実行される。
【0056】
図4に示すように、通信状態測定処理が開始されると、通信状態測定部は測定用車両が施設に進入するまで待機する(SC1、No)。
【0057】
現在位置検出処理部によって検出された測定用車両の現在位置に基づき、測定用車両が施設に進入したと判定すると(SC1、Yes)、通信状態測定部は、測定用車両が進入した施設に対応する退出路特定点情報を退出路特定点DBから取得する(SC2)。
【0058】
続いて、通信状態測定部は、SC2で取得した退出路特定点情報に基づき、測定用車両が進入した施設における退出路特定点を特定し、現在位置検出処理部によって検出された測定用車両の現在位置に基づき、測定用車両が退出路特定点を通過するまで待機する(SC3、No)。
【0059】
測定用車両が退出路特定点を通過した場合(SC3、Yes)、通信状態測定部は、通信状態の測定を開始する(SC4)。例えば通信状態測定部は、センター装置3からの信号の受信強度等に基づき、センター装置3との通信が可能な状態か否かを測定し、当該測定結果を順次RAM等の記憶手段(図示省略)に記憶させる。
【0060】
次に、通信状態測定部は、現在位置検出処理部によって検出された測定用車両の現在位置に基づき、測定用車両が施設から退出するまで待機する(SC5、No)。
【0061】
測定用車両が施設から退出すると(SC5、Yes)、通信状態測定部は、通信状態の測定を終了する(SC6)。続いて通信状態測定部は、通信状態の測定結果に基づき、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間に、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が存在したか否かを判定する(SC7)。
【0062】
その結果、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間に、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が存在した場合(SC7、Yes)、通信状態測定部は、その退出路の通信状態が良好であると判定する(SC8)。この際、通信状態測定部は、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間を「通信状態良好エリア」とし、その位置を特定する位置情報を記憶手段に格納する。この位置情報は、通信状態良好エリアを特定する情報として各車両2の地図情報DB52aに格納される。
【0063】
続いて通信状態測定部は、施設からの全ての退出路について、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間における通信状態の測定を行ったか否かを判定する(SC9)。その結果、施設からの全ての退出路について通信状態の測定を行っていない場合(SC9、No)、SC1に戻る。以降、SC7において、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間に、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が存在しないと判定されるか(SC7、No)、施設からの全ての退出路について通信状態の測定が行われるまで(SC9、Yes)、SC1からSC9の処理を繰り返す。この場合、測定用車両は再度施設に進入し、別の退出路におおける通信状態の測定を行う。
【0064】
一方、SC9において、施設からの全ての退出路について通信状態の測定を行った場合(SC9、Yes)、通信状態測定部は、当該施設における通信状態が良好と特定する(SC10)。その後、測定装置は通信状態特定処理を終了する。
【0065】
また、SC7において、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間に、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が存在しなかった場合(SC7、No)、通信状態測定部は、その施設における通信状態が不良と特定する(SC11)。その後、測定装置は通信状態特定処理を終了する。
【0066】
なお、SC10又はSC11における通信状態の特定結果は、通信状態情報として各車両2の地図情報DB52aに格納され、図2に示した参照データ取得処理等で利用される。
【0067】
(効果)
このように本実施の形態によれば、参照データ取得部51cは、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データのみを当該施設への進入前に取得し、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データと、当該施設からの退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データとを当該施設への進入前に取得するので、施設への進入後に参照データを取得することが困難と考えられる場合にのみ、当該施設への進入前に必要な参照データを取得することができる。これにより、参照データの取得に要する通信コストの増大を抑制しつつ、必要な参照データを確実に取得することができる。
【0068】
また、参照データ取得部51cは、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好な施設の内、当該施設からの退出路が複数存在する施設については、退出路特定部51dにより車両2が当該施設から退出する退出路が特定された後に、当該特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを取得するので、マッチングに用いる必要のある参照データのみを取得することができ、参照データの取得に要する通信コストの増大を確実に抑制しつつ、必要な参照データを取得することができる。
【0069】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0070】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0071】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、参照データ取得装置50における制御部51を、センター装置3に設けてもよい。
【0072】
(参照データ取得処理について)
上述の実施の形態では、図2の参照データ取得処理において、施設における通信状態が「不良」である場合(SA7、Yes)、当該施設からの各退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データの全てを、施設への進入前に参照データDB81から取得する(SA8)と説明したが、通信状態が良好ではない退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データのみを、施設への進入前に取得するようにしてもよい。
【0073】
この場合、地図情報DB52aには、地図情報に含まれる施設データに関連付けて、各施設における退出路毎の通信状態を特定する通信状態情報が格納されている。ここで「退出路毎の通信状態」としては、例えば、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が退出路に存在する場合に、当該退出路の通信状態が良好である旨を特定する通信状態情報「良好」が当該退出路を特定する情報に関連付けて地図情報DB52aに格納される。一方、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が退出路に存在しない場合には、当該退出路の通信状態が良好ではない旨を特定する通信状態情報「不良」が当該施退出路を特定する情報に関連付けて地図情報DB52aに格納される。
【0074】
そして、図2のSA6において、通信状態特定部51bは、SA3でマッチング地点特定部51aにより特定された施設から退出する各退出路の通信状態を特定する。すなわち通信状態特定部51bは、SA3で特定した施設からの各退出路に対応する通信状態情報を地図情報DB52aから取得し、当該取得した通信状態情報に基づき、当該各退出路の通信状態を特定する。
【0075】
続いて参照データ取得部51cはSA7の処理を省略し、SA8において、SA6で通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好ではない退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、通信部40を介してセンター装置3の参照データDB81から取得する。具体的には、参照データ取得部51cは、SA3で特定した施設に対応する施設データのうち、SA6で通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好ではない退出路に存在するマッチング地点を特定する情報(例えば当該マッチング地点の座標情報等)を地図情報DB52aから取得する。そして、当該取得した情報に対応して参照データDB81に格納されている参照データを、通信部40を介して参照データDB81から取得する。
【0076】
また、図3の施設内参照データ取得処理においては、参照データ取得部51cはSB1の処理を省略し、SB4において退出路特定部51dによって車両2が施設から退出する退出路が特定された後に、当該特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが施設への進入前に取得されたか否かを判定する。その結果、SB4で特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが施設への進入前に取得されていない場合、参照データ取得部51cはSB5及びSB6の処理を行う。一方、SB4で特定された退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データが施設への進入前に取得された場合、制御部51は施設内参照データ取得処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0077】
この場合、図4の通信状態測定処理においては、通信状態測定部はSC10の処理を省略する。また、SC7において、退出路特定点を通過後、施設から退出するまでの間に、センター装置3との通信が途切れない状態が継続される所定距離の区間が存在しなかった場合(SC7、No)、通信状態測定部は、その退出路の通信状態が不良と特定する(SC11)。そして、SC8又はSC11における通信状態の特定結果は、各施設における退出路毎の通信状態を特定する通信状態情報として各車両2の地図情報DB52aに格納され、上述の参照データ取得処理等で利用される。
【0078】
このように、参照データ取得部51cは、マッチング地点特定部51aにより特定された施設への進入路に存在するマッチング地点に対応する参照データと、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好ではない退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データとを、当該施設への進入前に取得し、通信状態特定部51bにより特定された通信状態が良好な退出路に存在するマッチング地点に対応する参照データを、当該施設への進入後に取得するので、マッチングに用いる必要のある参照データのみを取得することができ、参照データの取得に要する通信コストの増大を一層確実に抑制しつつ、必要な参照データを取得することができる。
【0079】
(施設内参照データ取得処理について)
上述の実施の形態では、図3の施設内参照データ取得処理のSB4において、退出路特定部51dは、退出路特定可能エリアに対応する退出路を、車両2が施設から退出する退出路として特定すると説明したが、SB2で特定した車両2の現在位置に基づき、当該車両2の現在位置から進行可能な退出路の内、当該現在位置に最も近い退出路を、当該車両2が施設から退出する退出路として特定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 参照データ取得システム
2 車両
3 センター装置
10 現在位置検出処理部
20 操作部
30 ディスプレイ
40、60 通信部
50 参照データ取得装置
51、70 制御部
51a マッチング地点特定部
51b 通信状態特定部
51c 参照データ取得部
51d 退出路特定部
52、80 データ記録部
52a 地図情報DB
52b、81 参照データDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得装置であって、
前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定手段と、
前記マッチング地点特定手段により特定された施設における通信状態を特定する通信状態特定手段と、
前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に取得する、参照データ取得手段と、
を備える参照データ取得装置。
【請求項2】
前記車両が施設に進入した後、当該車両が当該施設から退出する退出路を特定する退出路特定手段を備え、
前記参照データ取得手段は、
前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設の内、当該施設からの退出路が複数存在する施設については、前記退出路特定手段により前記車両が当該施設から退出する退出路が特定された後に、当該特定された退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データを取得する、
請求項1に記載の参照データ取得装置。
【請求項3】
前記通信状態特定手段は、前記マッチング地点特定手段により特定された施設から退出する退出路毎の通信状態を特定し、
前記参照データ取得手段は、前記マッチング地点特定手段により特定された施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを、当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データを、当該施設への進入後に取得する、
請求項1又は2に記載の参照データ装置。
【請求項4】
車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得システムであって、
前記参照データを格納する参照データ格納手段と、
前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点を含む施設を特定する施設情報と、当該施設における通信状態を特定する通信状態情報とを、相互に関連付けて格納する施設情報格納手段と、
前記マッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定手段と、
前記マッチング地点特定手段により特定された施設に対応する前記通信状態情報に基づき当該施設における通信状態を特定する、通信状態特定手段と、
前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に前記参照データ格納手段から取得し、前記通信状態特定手段により特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に前記参照データ格納手段から取得する、参照データ取得手段と、
を備える参照データ取得システム。
【請求項5】
車両の周辺を撮影した撮影画像のマッチングに用いる参照データを取得するための参照データ取得方法であって、
前記参照データと前記撮影画像とのマッチングが行われる可能性のあるマッチング地点の内、前記車両の現在位置から所定範囲内に存在するマッチング地点を含む施設を特定するマッチング地点特定ステップと、
前記マッチング地点特定ステップで特定された施設における通信状態を特定する、通信状態特定ステップと、
前記通信状態特定ステップで特定された通信状態が良好な施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データのみを当該施設への進入前に取得し、前記通信状態特定ステップで特定された通信状態が良好ではない施設については、当該施設への進入路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データと、当該施設からの退出路に存在する前記マッチング地点に対応する前記参照データとを当該施設への進入前に取得する、参照データ取得ステップと、
を含む参照データ取得方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる参照データ取得プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−29355(P2013−29355A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164301(P2011−164301)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】