説明

反応性基を有するイソタクチックポリスチレン

【課題】反応性基を有するイソタクチックポリスチレン
【解決手段】本発明は、官能性イソタクチックポリスチレンの製造方法、本発明の方法により製造された官能性イソタクチックポリスチレン、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用する方法、マクロ開始剤の製造方法、当該方法により製造されたマクロ開始剤、フリーラジカル重合の制御にマクロ開始剤を使用する方法、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンを、マクロモノマーとして、好ましくはオレフィンとの共重合において、シクロオレフィンとのROMPにおいて、又はシリコーンセグメントとの結合に使用する方法、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをエポキシ化する方法、当該方法により製造されたエポキシ化イソタクチックポリスチレン、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンと末端二重結合を有する好適なポリマーとのメタセシス重合によって軟質熱可塑性エラストマー(TPEs)を製造する方法、及び本発明の方法により製造された軟質熱可塑性エラストマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、官能性イソタクチックポリスチレンの製造方法、本発明の方法により製造された官能性イソタクチックポリスチレン、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用する方法、マクロ開始剤の製造方法、当該方法により製造されたマクロ開始剤、フリーラジカル重合の制御にマクロ開始剤を使用する方法、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンを、マクロモノマーとして、好ましくはオレフィンとの共重合において、シクロオレフィンとのROMPにおいて、又はシリコーンセグメントとの結合に使用する方法、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをエポキシ化する方法、当該方法により製造されたエポキシ化イソタクチックポリスチレン、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンと末端二重結合を有する好適なポリマーとのメタセシス重合によって軟質熱可塑性エラストマー(TPEs)を製造する方法、及び本発明の方法により製造された軟質熱可塑性エラストマーに関する。
【背景技術】
【0002】
新規な材料の製造にマクロ開始剤又はマクロモノマーなどとして用いることができる構造的に規定された官能性ポリマーに大きな関心がある。
【0003】
従来技術において、ポリスチレンに基づいたマクロ開始剤及びマクロモノマーは知られている。一般に、マクロモノマー合成には、アニオン性スチレン重合及び好適な官能性試薬を用いた連鎖停止など多段階プロセスが必要とされる。アニオン性に調整されたスチレンポリマーのほとんどは、アタクチックである。
【0004】
非特許文献1では、チタノセン触媒の存在下でのω−スチリルポリスチレンの単独重合が開示されている。アニオン性スチレン重合及び連鎖停止によりマクロモノマーを調製している。
【0005】
非特許文献2では、末端基が官能化されたポリスチレンマクロモノマーの単独重合及び共重合により、くし型のポリマーが得られることが開示されている。この場合にも、アニオン性重合及び好適な官能性試薬を用いた連鎖停止によりマクロモノマーを調製している。
【0006】
しかしながら、スチレンのアニオン性重合は、高イソタクチックポリスチレンの製造には好適ではない(参照、非特許文献3、4)。
【0007】
イソタクチックポリスチレンの製造は、例えば、Ndに基づいた触媒上で実施することができる(非特許文献5)。さらに、スチレンのイソ特異的重合は、ansa−ジルコノセン触媒(非特許文献6)及びニッケル錯体(非特許文献7、8、9)を用いて実施することができる。しかしながら、これらの方法は、生成物の不完全な立体規則性及びニッケル触媒の場合には低分子量によって制限される。
【0008】
イソタクチックポリスチレンの他の製造方法が、非特許文献10において開示されている。当該文献では、C2−対称性IV族金属ビス(フェノキサイド)触媒を用いたイソタクチックポリスチレンの製造を開示している。
【0009】
ここで得られたイソタクチックポリスチレンは結晶化が動力学的に強く抑制されるために商業的重要性はないが、イソタクチックポリスチレンの融点が約220℃であることは新規な材料の製造において興味深い工業材料又は興味深い開始材料である。
【0010】
非特許文献11の論文では、1−ヘキセンの存在下でのスチレンの触媒重合によるiPsの調製において、分子量の制御を試みている。さらに、1,3−シクロヘキサジエンとスチレンとの共重合体が開示されている。当該論文では、マクロ開始剤、マクロモノマー又はカップリング剤などとして作用する官能性iPsの製造は開示されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Lutz等、Macromol.Rapid Commun.2004,25、1010〜1014
【非特許文献2】Lutz等、Macromol.Symp.2004、213、253〜263
【非特許文献3】Cazzaniga等、Macromolecules 1989、22、4125〜4128
【非特許文献4】Makino等、Macromolecules 1999、32、5712〜5714
【非特許文献5】Liu等、J.Polym.Sci.A:Polym.Chem.1998、36、1773〜1778
【非特許文献6】Arai等、Olefin Polymerisation、200、第749巻
【非特許文献7】Ascenso等、Macromolecules 1996、29、4172〜4179
【非特許文献8】Crossetti等、Macromol.Rapid Commun.1997、18、801
【非特許文献9】Po等、J.Polym.Sci.A:Polym.Chem.1998、36、2119〜2126
【非特許文献10】Proto、Muelhaupt、Okuda等、J.Am.Chem.Soc.2003、125、4964〜4965
【非特許文献11】H.Ebeling“Katalytische Styrol−Homo−und Copolymerisation unt neue Cycloolefinpolymere auf der Basis von 1,3−Cyclohexadien”、Freiburg i.Br.2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、さらなる官能化又はさらなる反応による新規な材料の製造において、マクロ開始剤、マクロモノマー、又はカップリング剤として作用することができる高イソタクチックポリスチレンを提供することである。さらなる官能化又は反応を可能にするために、高イソタクチックポリスチレンは官能性基(官能基)を有していなければならない。
【0013】
したがって、本発明は、分子構造を制御するためにマクロモノマー、マクロ開始剤、又はカップリング剤として好適な立体規則性スチレンポリマーを提供する目的を有する。これらは新規な共重合体(例えば、ブロック又はグラフト共重合体)及び新規な材料の製造に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
当該目的は、下記工程:
(i)少なくとも一種のイソ選択性金属−有機触媒及び二重結合に加えて他の官能基(官能性)を有する少なくとも一種のC5〜C30オレフィンの存在下でスチレンを触媒重合する工程、
を有する官能性イソタクチックポリスチレンの製造方法によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
二重結合に加えて他の官能性(官能基)を有するC5〜C30オレフィンの組み込みは、基本的にポリスチレンの鎖末端で起こることが分かった。通常、15mol%以下、好ましくは10mol%以下、特に好ましくは5mol%以下のオレフィンをポリスチレン鎖に組み込む。本発明の方法に用いるC5〜C30オレフィンは、官能化をもたらすと同時に、有効な連鎖移動剤として作用することにより分子量を制御する機能を有する。
【0016】
5〜C30オレフィンの他の官能性(官能基)は、例えば、C5〜C30オレフィン中にすでに存在する二重結合と通常は共役しない他の二重結合などである。さらに他の官能性は、OH基、アミノ基、ハロゲン、アルキルシリル基であってもよい。これらの官能性基は、通常、存在する二重結合に対してビニル位に配置されない。C5〜C30オレフィンに存在する二重結合は、オレフィンの鎖末端(α位中)に位置するのが好ましく、他の官能性基はオレフィンの他の鎖末端(ω位中)に位置する。
【0017】
以下では、語句“C5〜C30オレフィン”とは、存在する二重結合に加えて他の官能性、好ましくは上述した好適な官能性を有するC5〜C30オレフィンを意味する。
【0018】
本発明の方法において、スチレンの濃度は、通常0.1〜8mol/l、好ましくは0.5〜5mol/l、特に好ましくは1.0〜2.5mol/lである。本発明に用いられるC5〜C30オレフィンの濃度は、所望のモル質量により決まり、当業者により問題なく決定することができる。
【0019】
本発明により製造される官能性イソタクチックポリスチレンのモル質量は、用いるC5〜C30オレフィンの濃度とスチレンの濃度との濃度比によって決まる。c(オレフィン)/c(スチレン)比が高いほど、分子量は低い。さらに、C5〜C30オレフィンとスチレンの濃度比の官能性イソタクチックポリスチレンの分子量分布に対する影響は小さいことが分かった。
【0020】
触媒としては、原則的には、スチレンの重合においてイソ選択性である如何なる金属−有機触媒を用いることが可能である。通常、このようなイソ選択性金属−有機触媒はC2対称性を有する触媒である。
【0021】
本発明の方法において、C2対称第IV族金属ビス(フェノキサイド)触媒を用いるのが好ましい。本発明の方法に特に好ましく用いられる触媒は、下記一般式I:
【0022】
【化1】

【0023】
(式Iにおいて、M1、R1、X1は下記意味を有する:
1は、Ti、Zr、Hf、好ましくはTiを表し;
1は、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C6)−アルキル、好ましくは(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはメチル、t−ブチル、O−メチル、特に好ましくはt−ブチルを表し;
1は、ハロゲン、O−(C1〜C4)−アルキル、アラルキル、好ましくはF、Cl、O(iPr)2、CH2Ph、特に好ましくはClを表す)
で示される。
【0024】
本発明の重合方法において一般式Iで示される触媒が特に好ましく用いられる。さらに好ましくは、M1がTiであり、X1がClであり、且つR1がメチル又はt−ブチルである一般式Iで示される触媒が用いられる。
【0025】
一般式Iで示される触媒及びその製造方法は、例えば、Proto、Muelhaupt、Okuda等、J.Am.Chem.Soc.2003、125、4964〜4965及びここで引用されている参考文献において開示されている。
【0026】
本発明の方法に用いられる触媒の濃度は、通常、10〜200μmol/l、好ましくは20〜100μmol/l、特に好ましくは30〜80μmol/lである。
【0027】
通常、本発明の重合方法は溶媒中で実施する。好適な溶媒は、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素である。本発明の重合方法は、溶媒としてのトルエン中で実施するのが好ましい。原則的には、他の溶媒を添加せずにスチレン中で重合を実施することもできる。
【0028】
本発明の方法における反応温度は、通常は20〜80℃、好ましくは20〜60℃である。
【0029】
本発明の方法に用いられるC5〜C30オレフィンは、二重結合に加えて他の官能性を有するが、好ましくは下記一般式IIIa又はIIIb:
【0030】
【化2】

【0031】
(式中:
3、R4、R10、R7、R8、R9は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキル、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはHを表し;
6は、OH、アミノ、ハロゲン、又はアルキルシリル、好ましくはOH、ハロゲン、又はアルキルシリルを表し、
nは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
で示される。
【0032】
好ましいアミノ基は、NR'R''基(式中、R'及びR''はそれぞれ相互に独立してH又はC1〜C6−アルキルを示す)である。
【0033】
好ましいハロゲン基は、F、Cl、Br、I、好ましくはCl又はBrである。
【0034】
好ましいアルキルシリル基は、SiR'''R''''R'''''基(式中、R'''、R''''、及びR'''''はそれぞれ相互に独立してC1〜C6−アルキルを示す)である。
【0035】
式IIIa又はIIIbで示される少なくとも一種の末端非共役二重結合を有するC530オレフィンにおいて、特に好ましくは、基R3、R4、R10、R7、R8、及びR9がそれぞれHであり、nが4〜8であり、且つ式IIIaの1−オレフィンにおけるR6が特に好ましくはOHである。
【0036】
したがって、本発明の方法の一実施形態では、5〜30個の炭素原子を有し、OH基、アミノ基、ハロゲン、又はアルキルシリル基で置換された1−オレフィンを用いる。
【0037】
これにより、少なくとも一個の鎖末端に下記IVa基:
【0038】
【化3】

を有する官能性イソタクチックポリスチレンが得られる。
【0039】
好ましい1−オレフィンは、8〜12個の炭素原子を有する1−オレフィン、例えば、デカ−1−エン−10−オール、10−ブロモデカ−1−エン、10−クロロデカ−1−エン、ウンデカ−1−エン−11−オール、11−ブロモウンデカ−1−エン、11−クロロウンデカ−1−エン、又は11−アルキルシリルウンデカ−1−エンである。
【0040】
本発明の方法の他の実施形態では、非共役二重結合を有するC5〜C30−ジエンが用いられる。これにより、少なくとも一個の鎖末端にビニル基を有するイソタクチックポリスチレン(ビニル末端イソタクチックポリスチレン)が得られる。当該実施形態において官能性ポリスチレンが、少なくとも一個の鎖末端に、下記IVb基:
【0041】
【化4】

を有しているのが好ましい。
【0042】
非共役二重結合を有する好ましいC5〜C30−ジエンは、8〜12個の炭素原子を有するジエン、例えば、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、及び1,11−ドデカジエンである。
【0043】
工程(i)を有する本発明による上述した重合方法によれば、マクロモノマー、マクロ開始剤、立体規則性であり狭い分布のポリスチレンセグメントを有するブロック及びグラフト共重合体、無機/有機水素化物が得られる。
【0044】
したがって、本発明の方法は、新規な官能性イソタクチックポリスチレンの利用を可能にする。
【0045】
したがって、本発明は、下記IVa及びIVb基
【0046】
【化5】

【0047】
(式中、
3、R4、R5、R10、R7、R8は、それぞれ、相互に独立して、H、(C1〜C6)−アルキル、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはHを表し;
6は、OH、アミノ、ハロゲン、又はアルキルシリル、好ましくはOH、ハロゲン、又はアルキルシリルを表し、
nは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
のうちから選択される基によって少なくとも一個の鎖末端が官能化され、本発明の方法により製造することが可能な官能性イソタクチックポリスチレンを提供する。
【0048】
好ましい基R4、R6、R7、R8、R9、R10及び好ましい指数nは、式IIIa及びIIIbで示される化合物において上述した基及び指数と一致する。
【0049】
イソタクチックポリスチレンの一個の鎖末端がIVa又はIVb基によって官能化されているのが好ましい。
【0050】
したがって、本発明は一実施形態において、5〜30個の炭素原子を有し、IVa基によって少なくとも一個の鎖末端が官能化された官能性1−オレフィンと反応させることにより製造することができる官能性イソタクチックポリスチレンを提供する。特に好ましいIVa基は、特に好ましい官能性1−オレフィン、例えば、デカ−1−エン−10−オール、10−ブロモデカ−1−エン、10−クロロデカ−1−エン、10−アルキルシリルデカ−1−エン、ウンデカ−1−エン−11−オール、11−ブロモウンデカ−1−エン、11−クロロウンデカ−1−エン、又は11−アルキルシリルウンデカ−1−エンから誘導される。
【0051】
他の実施形態では、本発明は、他の非共役二重結合を有し、IVb基によって少なくとも一個の鎖末端が官能化されたC5〜C30−ジエンと反応させることにより製造することが可能な官能性イソタクチックポリスチレンを提供する。特に好ましいIVb基は、特に好ましいジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、又は1,11−ドデカジエンから誘導される。
【0052】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンは、少なくとも一種の官能性の存在によって、ポリマー類似反応によってさらに官能化されることができ、又は他の重合反応においてマクロモノマー、マクロ開始剤、又はカップリング剤として作用することが可能となる。このような方法で、立体規則性ブロック共重合体、側部(lateral)立体規則性ポリスチレンを有する共重合体、及びシリコーンセグメントを有するブロック共重合体等のカップリング反応により製造されたブロック共重合体などの新規なポリマーが得られる。ここで、官能性イソタクチックポリスチレンはシンジオタクチックポリスチレンよりも高い溶解度などによりさらなる反応が促進されるので(イソタクチックポリスチレンの結晶化が起こらない限り)、従来技術において不利であると考えられているイソタクチックポリスチレンの結晶化を動力学的に高度に抑制することは有利となる。
【0053】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンは、94%以上、好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上のイソ特異性を有しているのが好ましい。イソ特異性は、当業者に公知の方法を用いた13C−NMRによって決定される。
【0054】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンは、通常、3.1以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.8以下の分子量分布Mw/Mnを有する。
【0055】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンの分子量(数平均分子量Mn)は、所望の用途によって決定され、通常は2000〜900000g/molである。
【0056】
w/Mn及びMnは、クロロホルム又はトリクロロベンゼン中でのGPC測定によって決定される。
【0057】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンは、マクロモノマー、マクロ開始剤、カップリング剤、官能性イソタクチックポリスチレンのさらなる反応によって、立体規則性である狭い分布のポリスチレンセグメントを有するブロック及びグラフト共重合体、有機/無機ハイブリッドの製造に用いることができ、又はこれらへの経路を提供することができる。
【0058】
さらに本発明は、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用する方法を提供する。ゆえに、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンの少なくとも一個の二重結合などのさらなる官能化が可能であり、これにより例えばポリマー類似ハロゲン化後にマクロ開始剤として用いることができる。
【0059】
本発明の官能性イソタクチックポリスチレンの好適な官能化を以下に例として記載する。当業者には、以下のさらなる官能化が多数のさらなる官能化のうちからの選択を示すにすぎないことは分かるであろう。原則として、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンは、当業者に公知の全ての方法を用いてさらに官能化することができる。さらなる官能化によれば、新規な(共)重合体、特に新規な材料の製造などに用いられるブロック共重合体を得ることができる。
【0060】
a)ポリマー類似ハロゲン化
一種の有用なさらなる官能化は、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンのポリマー類似ハロゲン化である。本発明のポリスチレンは、IVa基又はVIb基により少なくとも一個の鎖末端が官能化されるが、原則的にはさらに官能化することができる。少なくとも一個の鎖末端にIVa基を有する本発明のポリスチレンをさらに官能化するのが好ましい。この場合、IVa基におけるR6がOH基でないのが特に好ましい。
【0061】
したがって、本発明は、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンのポリマー類似ハロゲン化によってマクロ開始剤を製造する方法をさらに提供する。
【0062】
さらに、本発明は、上述した本発明のハロゲン化法により製造されたマクロ開始剤、及び本発明のマクロ開始剤をフリーラジカル重合(ATRP)を制御するためのマクロ開始剤として使用する方法を提供する。
【0063】
ポリマー類似ハロゲン化、好適な反応条件及びハロゲン化剤は、当業者に公知である。
【0064】
本発明では、ポリマー類似臭素化を実施するのが好ましい。好適な臭素化剤及び反応条件は当業者に公知である。例えば、臭素化は、当業者に公知の反応条件下で、AIBNなどのフリーラジカル開始剤の存在下、臭素化剤としてN−ブロモ−スクシンイミドを用いて実施することができる。当業者に公知の方法による反応混合物の後処理により、本発明のポリスチレンの臭素化誘導体が得られ、これは例えば、制御されたフリーラジカル重合(ATRP)においてマクロ開始剤として好適である。ATRPに好適な共重合体は、例えば、t−ブチルアクリレート、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリルなどのアクリレート、ブタジエンなどのジエン、及びフリーラジカル重合に通常用いられる他のモノマーである。ATRPの反応条件は当業者に公知である。本発明のポリスチレンのハロゲン化誘導体をマクロ開始剤として用いたATRPによれば、以下の模式図1に示す通り、新規な立体規則性のジブロック共重合体が得られる:
【0065】
【化6】

【0066】
模式図1において、指数及び基は以下の意味を有する:
【0067】
【化7】

【0068】
(式中、基及び指数R6、R7、R8、R9、R10、及びnは、IVa基で示した意味を有する)を表し;
R'は、t−ブチル又はHを表し、
mは、スチレンモノマーに基づいた繰り返し単位の数であり、
oは、t−ブチルアクリレート又はアクリル酸モノマーに基づいた繰り返し単位の数である。
【0069】
b)マクロモノマーとしての使用−オレフィンとの単独重合又は共重合
本発明の他の実施形態では、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用することができ、これも同様に新規な(共)重合体が得られる。少なくとも一個の鎖末端がIVb基によって官能化された本発明によるイソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用するのが好ましい。すなわちマクロモノマーとして好適に用いられる本発明によるイソタクチックポリスチレンはビニル末端である。
【0070】
したがって、本発明は、少なくとも一個の鎖末端にIVb基を有する本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをビニル末端マクロモノマーとして、好ましくはオレフィンとの共重合において使用する方法を提供する。
【0071】
本発明のビニル末端イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用する例は、マクロモノマーの単独重合又はオレフィンとの共重合であり、これにより側部立体規則性ポリスチレンを有する新規なポリオレフィンが得られる。好適なオレフィンは、エテン、プロペン、又は1−ヘキセン又はスチレンなどの他の1−オレフィンである。共重合に好適な反応条件及び触媒は当業者に公知である。
【0072】
C)カップリング反応
本発明のビニル末端イソタクチックポリスチレンは、カップリング反応に用いることもできる。好適なカップリング反応は、SiH基とのカップリング反応である。このようなカップリング反応の反応物質及び反応条件は当業者に公知である。SiH基との本発明のマクロモノマー(ここではカップリングをもたらすために用いられる)のカップリング反応により、二官能シリコーンを用いた場合にはシリコーンセグメントを有するジブロック又はトリブロック共重合体が得られる。
【0073】
以下の模式図2は、本発明のビニル末端ポリスチレンが、マクロモノマーとして、オレフィンとの共重合のために又はシリコーンとのカップリング反応において用いられた場合の例を示す:
【0074】
【化8】

【0075】
模式図2において:
[K]は、当業者に公知の好適な触媒であり、
mは、スチレンモノマーに基づいた繰り返し単位の数であり、
【0076】
【化9】

【0077】
(式中、基及び指数R7、R8及びnはIVb基において示した意味を有する)を表し;
*、R**は、それぞれC1〜C6−アルキル又はC6〜C20−アリールを表し;
pは、通常は5〜400である。
【0078】
d)エポキシ化
本発明の官能性イソタクチックポリスチレン中に存在する二重結合は、当業者に公知の方法によってエポキシ化することができる。
【0079】
したがって、本発明は、エポキシ化剤と反応させることにより本発明の官能性イソタクチックポリスチレンをエポキシ化する方法、及び本発明の方法により製造されたエポキシ化イソタクチックポリスチレンをさらに提供する。
【0080】
好適なエポキシ化剤は当業者に公知である。好適なエポキシ化剤の例は、H22、過酸などである。
【0081】
二重結合のエポキシ化は、アミン、カルボン酸塩、フェノール塩などの求核試薬とのカップリングに用いることができる。当該方法では、多数の新規な立体規則性のブロック共重合体が得られる。
【0082】
本発明ではビニル末端イソタクチックポリスチレン、すなわち少なくとも一個の鎖末端にIVb基を有する本発明のイソタクチックポリスチレンをエポキシ化するのが好ましい。
【0083】
以下の模式図3に、本発明によるエポキシ化ポリスチレン及び求核試薬との後続のカップリング反応を例を用いて示す:
【0084】
【化10】

【0085】
模式図3において、
mは、スチレンモノマーに基づいた繰り返し単位の数であり、
【0086】
【化11】

【0087】
(式中、基及び指数R7、R8及びnは、IVb基において示した意味を有する)であり、
R'は、ポリアミド、PET、PEO、PPO、又はポリエステルなどの官能極性単位である。
【0088】
e)ROMP及びADMETによる軟質熱可塑性エラストマーの製造における使用
本発明のビニル末端イソタクチックポリスチレンの使用のさらなる例は、シクロオレフィンのROMPにおけるこれらの使用である。好適なシクロオレフィンは、例えば、シクロオクタジエン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、及びROMPにより重合することが可能な当業者に公知の他のシクロオレフィンである(他の好適なシクロオレフィンは以下に記載する)。ROMPに好適な反応条件及び触媒は当業者に公知である。当該方法(ROMP、必要に応じて当業者に公知の方法による後続の水素化)によれば、飽和及び不飽和双方の立体規則性ブロック共重合体を得ることができる。
【0089】
シクロオレフィンとのROMPの例を以下の模式図4に示す。
【0090】
【化12】

【0091】
模式図4において:
mは、スチレンモノマーに基づいた繰り返し単位の数であり;
【0092】
【化13】

【0093】
(式中、基及び指数R7、R8及びnは、IVb基で示した意味を有する)であり;
[K]は、当業者に公知の好適な触媒(以下に記載する)であり;
oは、ROMPにおいて用いたシクロオレフィンに基づく繰り返し単位の数であり;
*基は、ROMPにおいて用いたシクロオレフィン中に存在するアルキレン基である。
【0094】
他の好ましい実施形態では、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンを、末端二重結合を有するポリマーのメタセシス重合に用いる。これにより、高い耐熱変形性を有する軟質熱可塑性エラストマー(TPE)などの新規な材料の製造などが可能になる。
【0095】
したがって、本発明は、下記工程:
ii)メタセシス触媒の存在下、本発明の官能性イソタクチックポリスチレンを下記一般式V:
【0096】
【化14】

【0097】
(式中、
11、R12、R13、R14は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキルを表し、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキルを表し、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはR13、R14とR11、R12基のうち少なくとも一種とがそれぞれHを表し、且つ他のR11又はR12基がH又はメチルを表し、最も好ましくはR11、R12、R13、R14がそれぞれHを表し;
oは、2〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは4〜8、特に好ましくは6である)
で示される化合物とメタセシス重合する工程を含む軟質熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する。
【0098】
本発明のメタセシス法において、
12、R13、R14がそれぞれ水素であり;
11がH又はメチルであり;
oが6である、
式Vで示される化合物を用いるのが好ましい。
【0099】
好適なメタセシス触媒は当業者に公知の全てのメタセシス触媒である。
【0100】
本発明のメタセシス法に好適に用いられるメタセシス触媒は、“グラブス(Grubbs)”触媒であり、これはルテニウム−カルベン錯体である。このような“グラブス”触媒は、当業者に公知である。好ましく用いられる“グラブス”触媒は、下記一般式:
【0101】
【化15】

で示される。
【0102】
上記ルテニウム−カルベン触媒とは別に、他のルテニウム−カルベン錯体が触媒として当業者に公知であり、同様に本発明のメタセシス法に用いることができる。ハロゲン化配位子及びカルベンに加えてホスファン配位子を有するルテニウム−カルベン錯体とは別に、R.H.Grubbs、Handbook of Metathesis、第1巻、第128頁、Wiley−VCH、2003において開示されている第二世代“グラブス”触媒を使用することもできる。これらの第二世代“グラブス”触媒は、ホスファン配位子に加えて又は替えてN−ヘテロ環式カルベン配位子を有する触媒である。好適な第二世代“グラブス”触媒の例を以下に示す:
【0103】
【化16】

【0104】
これらの上記ルテニウム−カルベン錯体は、好適な“グラブス”触媒の例にすぎない。他の“グラブス”触媒は、当業者に公知である。
【0105】
一般式Vで示される化合物は、当業者に公知の方法によって製造できる。一般式Vで示される化合物の好適な製造方法は、好適な開鎖又は環式モノマーのメタセシス重合である。
【0106】
好適な環式モノマーを開環メタセシス重合(ROMP)で反応させることにより、R11がHである一般式Vの化合物が得られ、一般式Vで示される相当する化合物を形成することができる。
【0107】
一般式Vで示される化合物を製造するROMPに好適なモノマーは、下記一般式VI:
【0108】
【化17】

【0109】
(式中、
12、R13、R14は、式Vにおいて上述した意味を有し;
pは、0〜8、好ましくは0〜6、より好ましくは2〜4、特に好ましくは4である)
で示される。
【0110】
一般式Vで示される化合物を製造するROMPにおいて、R12、R13及びR14がそれぞれH又はメチルであり、pが4である一般式VIで示されるモノマーを用いるのが特に好ましい。
【0111】
ROMPを実施するために好適なプロセス条件及び触媒は当業者に公知である。通常は、Ru−カルベン錯体である“グラブス”触媒を用いる。好適に用いられる触媒は、一般式(IV)で示される化合物との官能性イソタクチックポリスチレンのメタセシス重合(行程ii)において上述した触媒である。ROMPを実施するために好適なプロセス条件は、当業者に公知である。
【0112】
さらに、一般式Vで示される化合物は、非環式ジエンメタセシス重合(ADMET)によって得ることができる。このメタセシス重合では、末端オレフィン二重結合を有する開鎖ジエンを重合する。ADMETに好適なジエンは、例えば、下記一般式VII
【0113】
【化18】

【0114】
(式中、
11、R12、R13、R14は、式IVにおいて示した意味を有し;
qは、0〜8、好ましくは0〜6、より好ましくは2〜4、特に好ましくは4である)
で示される。
【0115】
ADMETを実施するために好適な反応条件及び触媒は、当業者に公知である。ROMPの通り、“グラブス”触媒は通常は触媒として用いられる。好ましく用いられる触媒は、式(V)で示される化合物との官能性イソタクチックポリスチレンのメタセシス重合(工程ii)において上述した触媒である。
【0116】
本発明のメタセシス重合に好適な一般式Vで示される化合物の製造を、一般式Vで示される好適な化合物の例で以下に説明するが、この例に制限されない:
【0117】
【化19】

【0118】
(式中、
“グラブス”触媒は、例えば、
【0119】
【化20】

などのルテニウム−カルベン錯体であり、
R'、R''は、それぞれ、H、Me、又は官能性iPsであり、少なくとも一個のR'又はR''がiPsであり;
m'は、10〜100である。)
メタセシス触媒の量は、所望のモル質量により決定される。基本的には、触媒量が多くなるにつれて、モル質量が低くなる。一般的には、メタセシス触媒は、当該方法の工程(ii)において10μmol/l〜10mmol/lの量で用いられる。
【0120】
官能性イソタクチックポリスチレンと式Vで示される化合物とのモル比は、当該方法の工程(ii)により製造される生成物により決定される。イソタクチックポリスチレン(A)の2個のセグメントの間に式Vで示される化合物に基づいたセグメントを含むトリブロック共重合体(トリブロック共重合体ABA)を製造する場合、A対Bのモル比は、通常は1:5〜1:2000、好ましくは1:10〜1:1000、特に好ましくは1:100〜1:500である。
【0121】
工程(ii)におけるメタセシス重合は当業者に公知のメタセシス重合方法により実施することができる。具体的な手順は所望する生成物により決定される。トリブロック共重合体ABAの製造は以下の反応条件下で実施するのが好ましい:
溶媒として、トルエンなどの芳香族炭化水素、又は塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素を用いるのが好ましい。
【0122】
反応温度は、通常は20〜80℃、好ましくは20〜60℃、特に好ましくは30〜50℃である。
【0123】
反応時間は、通常は0.5〜100時間、好ましくは1時間〜48時間、特に好ましくは2時間〜30時間である。当業者には、上述した反応時間よりも短い又は長い反応時間が好ましいことが分かるであろうが、転換が低くなるか多量の副生成物が得られる恐れがある。
【0124】
反応混合物を、当業者に公知の方法、通常はエチルビニルエーテルなどを用いた不活性化、沈殿及びろ過により後処理する。
【0125】
メタセシス重合(工程(ii))で得られた反応生成物は、立体規則性で狭い分布のイソタクチックポリスチレンのセグメント及び一般式Vで示される化合物に基づいたセグメント(ゴム状セグメント)を有するブロック共重合体である。一実施形態において、メタセシス重合は、得られたブロック共重合体の部分水素化の後に行われる。好適な反応条件は当業者に公知である。
【0126】
上述した通り、本発明の方法を用いることによって、あらゆるブロック共重合体を得ることが原則として可能である。立体規則性である狭い分布のイソタクチックポリスチレン(A)の2個のセグメント(A)の間に式Vで示される化合物に基づいたセグメント(B)を有するトリブロック共重合体、すなわち構造ABAを有するトリブロック共重合体を製造するのが好ましい。トリブロック共重合体は、高い耐熱変形性(TPE)を有する軟質熱可塑性エラストマーである。これは、熱可塑性ポリマーとゴムとの特性が組み合わされた新規な材料である。
【0127】
イソタクチックポリスチレンの結晶化は動力学的に抑制されるので、工程(ii)において記載したメタセシス重合は通常、所望のブロック共重合体が完全に結晶化する結晶化工程の後に行われる。通常、この結晶化工程は、核形成剤を工程(ii)で得られた反応混合物に添加することにより行われる。好適な核形成剤は、イソタクチックポリスチレンの結晶化に通常用いられる核形成剤である。核形成剤としてシンジオタクチックポリスチレン(sPS)を用いるのが好ましいが、参考文献中に記載される他の核形成剤を用いることもできる。
【0128】
一般的には、核形成剤を工程(ii)で得られた反応混合物に、用いたイソタクチックポリスチレンの量に対して、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の量で添加する。
【0129】
本発明は、下記工程:
(i)少なくとも一種のイソ選択性金属−有機触媒及び一般式IIIb
【0130】
【化21】

で示される末端非共役二重結合を有する少なくとも一種のジエンの存在下でスチレンを触媒重合することにより、少なくとも一個の鎖末端にオレフィン二重結合を有する官能性イソタクチックポリスチレンを得る工程;
(ii)工程(i)で得られた官能性イソタクチックポリスチレンを、メタセシス重合の存在下、一般式V
【0131】
【化22】

【0132】
(式中、
11、R12、R13、R14は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキルを表し、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキルを表し、より好ましくはH、メチルを表し、特に好ましくはR12、R13及びR14がそれぞれHを表し、R11がH又はメチルを表し;
oは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
で示される化合物とメタセシス重合させる工程;
(iii)核形成剤、好ましくはシンジオタクチックポリスチレン(sPS)を添加することにより工程(ii)で得られた反応生成物を結晶化する工程;
を含む軟質熱可塑性エラストマー(TPE)の製造方法をさらに提供する。
【0133】
本発明の方法によれば、熱可塑性ポリマーとゴムとの特性が組み合わされた新規な材料を得ることが可能となる。
【0134】
したがって、本発明は、上記工程(i)、(ii)及び(iii)を含む本発明の方法により得られる熱可塑性エラストマーをさらに提供する。
【0135】
工程(i)、(ii)及び(iii)におけるそれぞれのプロセス条件及び好適な反応物は上述した通りである。
【実施例】
【0136】
以下に、本発明を実施例により説明する。
【0137】
1,9−デカジエニル末端イソタクチックポリスチレンの調製
60mlのトルエン及び23mlの1,9−デカジエンを250mlのシュレンク管に入れた。次に、MAO(トルエン中10質量%)を添加し(Al:Ti=1500)、混合物をRTで5分間撹拌した。その後、23mlのスチレンを添加し、反応混合物を40℃に加熱した。4.02mgの式Iaの触媒(62.5μmol/l)を8mlのトルエン中に溶解させた後、触媒溶液を添加することにより重合を開始させた。重合は40℃で1時間実施した。MeOH/HCl中に沈殿させることにより反応が停止した。重合体を濾取し、メタノールで複数回洗浄し、高真空中、60℃で一晩乾燥させた。これにより10.3gの1,9−デカジエニル末端イソタクチックポリスチレンを得た。Mn=1900g/mol、Mw/Mn=1.3
触媒:
【0138】
【化23】

【0139】
1,9−デカジエニル末端イソタクチックポリスチレンの1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K):δ=7.25−6.50(m、br、H ar.)、5.80(m、−CH=CH2)、5.12(m、−CH=CH−)、4.97(dd、−CH=CH2)、2.48−1.95(m、br、CH backbone)、1.95−0.65(m、br、CH2 backbone、アルキル)。
【0140】
1,9−デカジエニル末端イソタクチックポリスチレンの13C NMRスペクトル
13C NMR(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2)、131.9(−CH=CH−)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2)、42.9(CH2 backbone)、40.5(CH backbone)、39.0、36.6(CH3−CHPh−)、33.8、32.3、29.1、20.8(CH3−CHPh−)。
【0141】
調整剤として1,9−デカジエニル末端iPSを用いたシクロオクテンの開環メタセシス重合
一般的な方法:
1,9−デカジエニル末端iPS(Mn=2000g/mol)をシュレンク管に入れ、トルエン中に溶解した。当該溶液にシクロオクテン(COE)(c=0.2mol/l)を添加した。式VIIIで示される触媒をトルエン中に溶解し、反応フラスコに移した。次に、反応混合物を55℃に加熱し、アルゴン下で24時間撹拌した。エチルビニルエーテルの添加により反応を停止させた。BHTの添加後、メタノール中に沈殿させることにより重合体を得た。重合体を濾取し、メタノールで複数回洗浄し、高真空中、60℃で一晩乾燥させた。
【0142】
触媒
【0143】
【化24】

【0144】
Rはそれぞれメシチルである。
【0145】
【表1】

【0146】
PCOE/1,9−デカジエニル末端iPSの1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K)、δ=7.25−6.50(m、br、H arom.)、5.80(m、−CH=CH2)、5.41(m、br、−CH=CH− PCOE)、5.03(m、−CH=CH−、−CH=CH2 iPS)、2.02(m、br、=CH−CH2−)、1.41(m、br、=CH−CH2−CH2−CH2−)、2.5−0.75(m、br、backbone iPS)
PCOE/1,9−デカジエニル末端iPSの13C NMRスペクトル
13C NMR(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2 iPS)、130.4(trans−CH=CH− PCOE)、129.9(cis−CH=CH− PCOE)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2 iPS)、42.9(CH2 backbone iPS)、40.5(CH backbone iPS)、35.6、32.6(trans−CH2−CH= PCOE)、29.7(CH2 PCOE)、29.1(CH2 PCOE)、27.2(cis−CH2−CH= PCOE)。
【0147】
1,9−デカジエニル末端iPSのエポキシ化
3.0gの1,9−デカジエニル末端iPS(Mn=2000g/mol、1.5mmol)を250mlの丸底フラスコ中に入れ、100mlのクロロホルムに溶解させた。0.925gのMCPBA(工業グレード70%、3.75mmol)を20mlのクロロホルムに溶解させ、重合体溶液にゆっくりと滴下した。反応混合物をアルゴン下、室温で一晩攪拌した。50mlの飽和Na2CO3溶液を添加し、相を分離させた。有機相を蒸留水(2×50ml)及び飽和NaCl溶液(50ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を除去した。残留物を20mlのトルエン中に取り、メタノール中に沈殿させた。重合体を濾取し、メタノールで複数回洗浄し、高真空中、60℃で一晩乾燥させた。これにより2.65gの重合体を得た。
【0148】
エポキシ化iPS−デカジエニルの1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K):δ=7.25−6.50(m、br、H ar.)、5.80(m、−CH=CH2)、4.97(dd、−CH=CH2)、3.90−3.38(m、ジオール−CH)、2.79(m、CH)、2.65(m、CH)、2.36(m、CH)、2.48−1.95(m、br、CH backbone)、1.95−0.65(m、br、CH2 backbone、アルキル)。
【0149】
MCPBAの種々の同等物で反応させたサンプルの比較では、内部二重結合が初めにエポキシ化されることが分かった。iPSサンプルの完全なエポキシ化は、5eqのMCPBAですでに生じているジオールを形成するいくらかの開環とともに可能であった。
【0150】
エポキシ化iPS−デカジエニルの13C NMRスペクトル
13C NMR(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2)、131.9(−CH=CH−)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2)、71.4(ジオール−CH)、67.0(ジオール−CH)、59.6、58.7、57.4、57.0(CH内部エポキシド)、52.3(CH、末端エポキシド)47.0(CH2、末端エポキシド)、42.9(CH2、backbone)、40.5(CH backbone)、39.0、36.6(CH3−CHPh−)、32.3、31.7、29.1、25.8、20.8(CH3−CHPh−)。
【0151】
n−オクチルアミンによるエポキシド開環
0.15gの1,9−デカジエニル末端iPS(Mn=2000g/mol、0.075mmol)をシュレンク管に入れ、1mlのクロロホルム中に溶解した。1.23mlのn−オクチルアミン(7.5mmol、0.97g)を添加した後、反応混合物をアルゴン下、45℃で7日間攪拌した。メタノール中に沈殿させることにより反応を停止させた。重合体を濾取し、メタノールで複数回洗浄し、高真空中、60℃で一晩乾燥させた。これにより0.13gの重合体を得た。
【0152】
オクチルアミンによるエポキシド開環後の1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K):δ=7.25−6.50(m、br、H ar.)、5.80(m、−CH=CH2)、4.97(dd、−CH=CH2)、3.60(m、ジオール)、2.65(m、NH−CH2)、2.48−1.95(m、br、CH backbone)、1.95−0.65(m、br、CH2 backbone、アルキル)、1.28(m、オクチル−CH2)、0.88(t、−CH2CH3)。
【0153】
オクチルアミンの特性シグナル(1.28及び0.88ppm)から分かるように、全ての末端エポキシ基の完全な反応が達成された。
【0154】
オクチルアミンによるエポキシド開環後のiPSの13C NMRスペクトル
13C NMR(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2)、131.9(−CH=CH−)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2)、71.4(ジオール−CH)、67.0(ジオール−CH)、59.6、58.7、57.4、57.0(CH内部エポキシド)、52.3(CH、末端エポキシド)、40.5(CH backbone)、39.0、36.6(CH3−CHPh−)、32.3、31.7、29.1、27.2、26.4、23.4、22.6(オクチル−CH2)、20.8(CH3−CHPh−)、14.1(オクチル−CH3)。
【0155】
ペンタメチルジシロキサンを用いた1,9−デカジエニル末端ipsのヒドロシリル化
0.25gの1,9−デカジエニル末端iPS(Mn〜2000g/mol、n=0.125mmol)をシュレンク管に入れ、15mlのトルエン中に溶解させた。0.25mlのペンタメチルジシロキサン(0.125mmol、0.0185g)を添加し、反応混合物を40℃に加熱した。0.28μlのカルステッド(Karstedt)触媒(Pt(0)−1,3−ジビニルー1,1,3,3テトラメチルジシロキサン)(キシレン中3質量%強度、2.5×10-8mol、1.9×10-6mol/l)を添加した後、混合物を40℃で1時間攪拌した。メタノール中に沈殿することにより反応が停止した。重合体をメタノールから濾取し、ジクロロメタン中で取った。溶媒を除去することにより0.16gのiPS−PMDSを得た。
【0156】
iPS−PMDSの1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K):δ=7.25−6.50(m、br、H ar.)、5.80(m、−CH=CH2)、5.12(m、−CH=CH−)、4.97(dd、−CH=CH2)、2.48−1.95(m、br、CH backbone)、1.95−0.65(m、br、CH2 backbone、アルキル)、0.58(m、−CH2−Si(CH32−)、0.13(m、Si(CH32、Si(CH33)。
【0157】
MRスペクトルは、PMDSとのiPSの約0.8末端二重結合の反応を示した。他の特性は0.58ppmでの新しいピークであり、これはジシロキサンの隣のメチレン基である。
【0158】
iPS−PMDSの13C NMRスペクトル
13C(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2)、131.9(−CH=CH−)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2)、42.9(CH2 backbone)、40.5(CH backbone)、39.0、36.6(CH3−CHPh−)、33.8、32.3、29.1、23.3(−CH2−CH2−Si(CH32−)、20.8(CH3−CHPh−)、18.4(CH2−CH2−Si(CH32−)、2.0(CH3−Si)、0.4(CH3−Si)。
【0159】
ジ−H−末端ポリ(ジメチルシロキサン)による1,9−デカジエニル末端iPSのヒドロシリル化
0.50gのデカジエニル末端ips(Mn〜2000g/mol、0.25mmol)をシュレンク管に入れ、10mlのトルエン中に溶解させた。0.06mlのジ−H−PDMS(M=400〜500g/mol、0.125mmol、0.056g)を添加し、反応混合物を40℃に加熱した。0.55μlのカルステッド触媒(キシレン中3質量%強度、4.9×10-8mol、4.9×10-6mol/l)を添加した後、混合物を40℃で2時間攪拌した。メタノール中に沈殿することにより反応が停止した。重合体を濾取し、メタノールで複数回洗浄し、高真空中、60℃で一晩乾燥させた。これにより0.45gの重合体を得た。
【0160】
iPS−PDMS−iPSの1H NMRスペクトル
1H NMR(300MHz、CDCl3、300K):δ=7.25−6.50(m、br、H ar.)、5.80(m、−CH=CH2)、5.12(m、−CH=CH−)、4.97(dd、−CH=CH2)、2.48−1.95(m、br、CH backbone)、1.95−0.65(m、br、CH2 backbone、アルキル)、0.60(m、−CH2−Si(CH32−)、0.13(m、Si(CH32)。
【0161】
出発材料及び生成物のスペクトルの比較により、iPS鎖あたり1個の末端二重結合の反応が示された。さらに、2Hの積分を有する新しいシグナルが0.60ppmで現れ、これはPDMSブロックの隣のメチレン基に割り当てることができる。iPS及びPDMSを2:1の比で用い、存在しているPDMSの末端H原子はもはやないので、iPS−PDMS−iPSトリブロック共重合体が形成されたと予想される。
【0162】
iPS−PDMS−iPSの13C NMRスペクトル
13C(75MHz、CDCl3、300K):δ=146.3(ipso−C)、139.2(−CH=CH2)、131.9(−CH=CH−)、128.2、127.4、125.8、114.1(−CH=CH2)、42.9(CH2 backbone)、40.5(CH backbone)、39.0、36.6(CH3−CHPh−)、33.8、32.3、29.1、23.2(−CH2−CH2−Si(CH32−)、20.8(CH3−CHPh−)、18.3(−CH2−CH2−Si(CH32−)、1.1(CH3−Si)、0.2(CH3−Si)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程:
(i)少なくとも一種のイソ選択性金属−有機触媒及び二重結合に加えて他の官能性を有する少なくとも一種のC5〜C30オレフィンの存在下でスチレンを触媒重合する工程、
を有する官能性イソタクチックポリスチレンの製造方法。
【請求項2】
前記他の官能性が、C5〜C30オレフィン中に存在する前記二重結合と共役しない他の二重結合、又はOH基、アミノ基、ハロゲン基、及びアルキルシリル基から選択される基である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒として、下記一般式I:
【化1】

(式中、式IにおけるM1、R1、X1は、相互に独立して、下記意味を有する:
1は、Ti、Zr、Hf、好ましくはTiを表し;
1は、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C6)−アルキル、好ましくは(C1〜C4)−アルキル、O−(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはメチル、t−ブチル、O−メチル、特に好ましくはメチル、t−ブチルを表し;
1は、ハロゲン、O−(C1〜C4)−アルキル、アラルキル、好ましくはF、Cl、O(iPr)2、CH2Ph、特に好ましくはClを表す)
で示される触媒を用いる請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記C5〜C30オレフィンが、下記一般式IIIa又はIIIb
【化2】

(式中、
3、R4、R10、R7、R8、R9は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキル、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはHを表し;
6は、OH、アミノ、ハロゲン、又はアルキルシリル、好ましくはOH、ハロゲン、又はアルキルシリルを表し;
nは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
で示される請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一個の鎖末端が、下記IVa及びIVb基
【化3】

(式中、
4、R10、R7、R8、R9は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキル、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはHを表し;
6は、OH、アミノ、ハロゲン、又はアルキルシリル、好ましくはOH、ハロゲン、又はアルキルシリルを表し、
nは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
から選択される基によって官能化され、請求項4に記載の方法により製造された官能性イソタクチックポリスチレン。
【請求項6】
94%以上、好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上のイソ特異性を有する請求項5又は6に記載の官能性イソタクチックポリスチレン。
【請求項7】
3.1以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.8以下の分子量分布Mw/Mnを有する請求項5又は6に記載の官能性イソタクチックポリスチレン。
【請求項8】
2000〜900000g/molの数平均分子量Mnを有する請求項5〜7のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレン。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレンをマクロモノマーとして使用する方法。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレンをポリマー類似ハロゲン化するマクロ開始剤の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により得られたマクロ開始剤。
【請求項12】
請求項11に記載のマクロ開始剤を、フリーラジカル重合を制御するためにマクロ開始剤として使用する方法。
【請求項13】
少なくとも一個の鎖末端にIVb基を有する請求項5〜8のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレンを、ビニル末端マクロモノマーとして、好ましくはオレフィンとの共重合において、シクロオレフィンとのROMPにおいて、又はシリコーンセグメントとの結合のために使用する方法。
【請求項14】
エポキシ化剤との反応によって、請求項5〜8のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレンをエポキシ化する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法により得られたエポキシ化イソタクチックポリスチレン。
【請求項16】
下記工程:
(ii)少なくとも一個の鎖末端がIVb基で置換された請求項5〜8のいずれか1項に記載の官能性イソタクチックポリスチレンを、メタセシス重合の存在下、一般式V
【化4】

(式中、
11、R12、R13、R14は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキルを表し、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキルを表し、より好ましくはH、メチルを表し、特に好ましくはR12、R13及びR14がそれぞれHを表し、R11がH又はメチルを表し;
oは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
で示される化合物とメタセシス重合させる工程;
を有する軟質熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項17】
式Vで示される化合物における基及び指数が、下記意味:
12、R13及びR14がそれぞれHを表し;
11基がそれぞれ相互に独立してH、メチルを表し;
mが6である;
を有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
メタセシス触媒が、ルテニウム−カルベン錯体である請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
工程(ii)の後、核形成剤、好ましくはシンジオタクチックポリスチレンを添加する(工程(iii))請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
下記工程:
(i)少なくとも一種のイソ選択性金属−有機触媒及び末端非共役二重結合を有する少なくとも一種のジエンの存在下でスチレンを触媒重合することにより、少なくとも一個の鎖末端に一般式IVb
【化5】

(式中、
4、R10、R7、R8、R9は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキル、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキル、より好ましくはH、メチル、特に好ましくはHを表し;
nは、2〜10、好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜8である)
で示される基を有する官能性イソタクチックポリスチレンを得る工程;
(ii)工程(i)で得られた官能性イソタクチックポリスチレンを、メタセシス触媒の存在下、一般式V
【化6】

(式中、
11、R12、R13、R14は、それぞれ、H、(C1〜C6)−アルキルを表し、好ましくはH、(C1〜C4)−アルキルを表し、より好ましくはH、メチルを表し、特に好ましくはR10、R11及びR12がそれぞれHを表し、R9がそれぞれH又はメチルを表し;
oは、2〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは4〜6、特に好ましくは6である)
で示される化合物とメタセシス重合させる工程;
(iii)核形成剤、好ましくはシンジオタクチックポリスチレンを添加することにより工程(ii)で得られた反応生成物を結晶化する工程;
を含む軟質熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項21】
請求項16〜20のいずれか1項に記載の方法により製造された軟質熱可塑性エラストマー。

【公表番号】特表2010−528137(P2010−528137A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508788(P2010−508788)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055625
【国際公開番号】WO2008/141941
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】