説明

受信機及び受信方法

【課題】復調処理の遅延を抑制することができる受信機及び受信方法を提供すること。
【解決手段】復調処理時の演算処理を行うDSP(Digital Signal Processor)を通信規格ごとに有し、HSPA通信を行わない場合には、HSPAに対応するDSPを休止状態にし、定期的にパスサーチを実行するたびにパス情報をパス情報記憶部に記憶させておき、HSPA通信開始時に、パス情報記憶部に記憶されているパス情報を用いて復調処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体無線通信の分野では、通信速度の高速化が進んでおり、3.5G(3.5th Generation)のHSPA(High Speed Packet Access)が運用されつつある。HSPAとは、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)との総称である。
【0003】
HSPAを運用する場合、携帯端末等の受信機は、3G(3rd Generation)の通信規格に準拠した信号と、HSPAに準拠した信号とを復調することになる。このため、HSPA通信に対応する受信機は、3G(3rd Generation)の通信規格だけに対応する受信機よりも復調処理量が増大する。このことは、HSPAを運用する場合に、受信機が、要求されている時間内に復調処理を終了させることができないおそれがあるという問題を招く。特に、HSPA通信を行っている場合には、高速に復調処理を行うことが要求されるので、要求されている時間内に復調処理を行えない可能性が高くなる。
【0004】
そこで、受信機には、各種演算処理を行うDSP(Digital Signal Processor)を通信規格ごとに有することで、復調処理を分散させるものがある。かかる点について、図13を用いて具体的に説明する。図13は、従来の受信機900の構成例を示す図である。図13に示した例において、従来の受信機900は、アンテナ910と、インタフェース(以下、「I/F」と言う)920と、制御部930と、ベースバンド部940と、パス選択部950とを有する。
【0005】
アンテナ910は、基地局などの送信機から、複数のパスを介して信号を受信する。I/F920は、アンテナ910によって受信された信号をベースバンド部940へ送信する。制御部930は、受信機900を全体制御する。ベースバンド部940は、パス情報取得部941と、復調部942とを有する。パス情報取得部941は、定期的にパスサーチを実行して各パスのパス情報を取得する。復調部942は、I/F920から入力された信号を復調する。
【0006】
また、パス選択部950は、3G用パス選択部951と、HSDPA用パス選択部952と、HSUPA用パス選択部953とを有する。これらの3G用パス選択部951、HSDPA用パス選択部952、HSUPA用パス選択部953は、一般に、DSPであり、パス情報取得部941によって定期的に取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する。
【0007】
なお、上述した復調部942は、パス選択部950によって選択されたパスを伝送する信号をRAKE(レイク)合成した後に、復調処理を行う。具体的には、3Gの通信規格による通信を行う場合、復調部942は、3G用パス選択部951によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSDPA通信を行う場合には、復調部942は、HSDPA用パス選択部952によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSUPA通信を行う場合には、復調部942は、HSUPA用パス選択部953によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。
【0008】
このように、従来の受信機900は、パス選択処理を行うDSPを通信規格ごとに有することにより、復調処理を高速化している。一方で、複数のDSPを有することで消費電力が増大するという問題もある。そこで、受信機900は、HSPA通信を行っていない場合に、HSDPA用パス選択部952と、HSUPA用パス選択部953とを休止状態(「sleep」とも呼ばれる)に切り替える。そして、受信機900は、HSDPA通信を開始する場合に、HSDPA用パス選択部952を起動状態に切り替え、HSUPA通信を開始する場合に、HSUPA用パス選択部953を起動状態に切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−151558号公報
【特許文献2】特開2004−229113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来技術には、HSPA通信時に復調処理が遅延する場合があるという問題があった。かかる問題点について、図14及び図15を用いて具体的に説明する。図14及び図15は、従来の受信機900によって実行されるパスサーチの一例を示す図である。なお、図14及び図15に示した例において、従来の受信機900は、セルA、B及びCのパスサーチを行うものとする。また、以下では、セル「X」のパスサーチを「パスサーチX」と表記するものとする。
【0011】
図14に示した例において、パス情報取得部941は、時刻t10に、パスサーチA、B、Cを順に実行する。そして、パス情報取得部941は、所定の周期が経過して時刻t20になった場合に、再度、パスサーチA、B、Cを順に実行する。このように、パス情報取得部941は、定期的にパスサーチを実行する。
【0012】
ここで、受信機900が3Gの通信規格による通信を行う場合、3G用パス選択部951は、パス情報取得部941から定期的に入力されるパス情報に基づいてパスを選択する。そして、復調部942は、3G用パス選択部951によって選択されたパスを伝送する信号をRAKE合成して、RAKE合成した信号を復調する。
【0013】
一方、受信機900は、HSDPA通信を開始する場合、まず、HSDPA用パス選択部952を休止状態から起動状態に切り替える。起動されたHSDPA用パス選択部952は、パス情報取得部941からパス情報を入力されるまで待ち状態になる。例えば、図14に示した例において、受信機900が、時刻t11の時点で、セルAを用いたHSDPA通信を開始するものとする。かかる場合、制御部930は、時刻t11以降にHSDPA用パス選択部952を起動することになる。起動したHSDPA用パス選択部952は、時刻t21にパス情報取得部941からパス情報を入力されるまでパス選択処理を行うことができない。
【0014】
同様に、例えば、受信機900が、時刻t12の時点でセルAを用いたHSDPA通信を開始する場合にも、HSDPA用パス選択部952は、時刻t21までパス選択処理を行うことができない。なお、上記例では、HSDPA通信を開始する場合を例に挙げて説明したが、HSUPA通信を開始する場合、HSUPA用パス選択部953は、パス情報取得部941からパス情報を入力されるまでパス選択処理を行うことができない。
【0015】
このように、HSPA通信を開始する場合、HSDPA用パス選択部952やHSUPA用パス選択部953は、パス情報を入力されるまでパス選択処理を行うことができない。このため、復調部942によって行われる復調処理に遅延が発生する。HSPA通信時は高速処理が要求されているため、復調処理の遅延は重要な問題になる。
【0016】
また、図15に示した例のように、ハンドオーバ(Hand Over)が発生してパス情報取得部941により新たなセルのパスサーチが実行される場合、復調部942による復調処理は、図14に示した例よりも遅延する可能性がある。具体的には、図15に示した例において、受信機900は、時刻t20に、ハンドオーバに伴ってセルDのパスサーチを実行するものとする。かかる場合、パス情報取得部941は、定期的に行っているパスサーチ(以下、「定期パスサーチ」と言う)を中断してパスサーチDを行う。そして、パス情報取得部941は、パスサーチDを実行した後に、定期パスサーチを再開する。
【0017】
すなわち、図15に示した例において、受信機900が時刻t11にHSPA通信を開始する場合、HSDPA用パス選択部952やHSUPA用パス選択部953は、少なくとも時刻t21までパス選択処理を行うことができない。
【0018】
以上のように、上述した従来の受信機は、HSPA通信を開始する場合に、復調処理が遅延する場合があるため、HSPA通信の立ち上がりが遅延するという問題があった。かかる問題は、スループットの低下を招く。なお、各パス選択部951〜953を常に起動状態にしておくことも考えられるが、消費電力を低減するためには、全てのDSPを常に起動状態にしておくことは望ましくない。
【0019】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、復調処理の遅延を抑制することができる受信機及び受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願の開示する受信機は、一つの態様において、第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得部と、前記パス情報取得部によって取得されたパス情報をパスごとに記憶するパス情報記憶部と、前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部とを備える。
【0021】
本願の開示する受信機は、一つの態様において、第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、前記第一の通信規格による通信を行っている場合に、前記複数のパスに関する情報であるパス情報を定期的に取得し、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記第二の通信規格による通信に用いられるセルであるサービングセルのパス情報を取得するパス情報取得部と、前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって定期的に取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報取得部によって取得されたサービングセルのパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部とを備える。
【発明の効果】
【0022】
本願の開示する受信機及び受信方法の一つの態様によれば、復調処理の遅延を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、実施例1に係る受信機による復調処理を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係る受信機による復調処理を説明するための図である。
【図3】図3は、実施例1に係る受信機の構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施例1に係る受信機によるパスサーチ処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例1に係る受信機によるHSPA通信処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理を説明するための図である。
【図7】図7は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理を説明するための図である。
【図9】図9は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理を説明するための図である。
【図10】図10は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理を説明するための図である。
【図11】図11は、実施例2に係る受信機の構成例を示す図である。
【図12】図12は、実施例2に係る受信機によるパスサーチ処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、従来の受信機の構成例を示す図である。
【図14】図14は、従来の受信機によって行われるパスサーチの一例を示す図である。
【図15】図15は、従来の受信機によって行われるパスサーチの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本願の開示する受信機及び受信方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する受信機及び受信方法が限定されるものではない。以下の実施例では、受信機が通信に用いることが可能であるセルを「サービングセル」と表記し、ハンドオーバに伴って受信機が新たに通信可能となるセルを「HOサービングセル」と表記し、HSPA通信に用いられるセルを「HSPAサービングセル」と表記するものとする。また、以下の実施例において、ハンドオーバは、ソフトハンドオーバ(SHO:Soft Hand Over)、及び、ハードハンドオーバ(HHO:Hard Hand Over)のいずれであってもよい。
【実施例1】
【0025】
[実施例1に係る受信機100による復調処理]
まず、実施例1に係る受信機100による復調処理について説明する。実施例1に受信機100は、パス選択処理を行うDSPを通信規格ごとに有する。ここでは、受信機100は、3G用パス選択部、HSDPA用パス選択部、HSUPA用パス選択部を有するものとする。
【0026】
そして、受信機100は、定期パスサーチを実行することによりパス情報を取得する。実施例1に係る受信機100は、パス情報を取得するたびに、取得したパス情報を所定の記憶デバイスに記憶させる。なお、実施例1では、受信機100は、取得したパス情報をパス情報記憶部に記憶させるものとする。そして、受信機100は、HSDPA通信を開始する場合、パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいてパス選択処理を行う。そして、受信機100は、選択したパスを伝送する信号をRAKE合成して、RAKE合成した信号を復調する。
【0027】
図1及び図2を用いて具体的に説明する。図1及び図2は、実施例1に係る受信機100による復調処理を説明するための図である。図1に示した例において、受信機100は、時刻t10に、パスサーチA、B、Cを順に実行する。このとき、受信機100は、パスサーチA、B、Cにより取得したパス情報をパス情報記憶部させる。
【0028】
ここで、受信機100は、例えば、パスサーチBが実行中である時刻t11に、セルAを用いたHSPA通信を開始する場合、HSPA通信に対応するパス選択部を起動して、パス情報記憶部に記憶されているセルAのパス情報に基づいてパス選択処理を行う。そして、受信機100は、選択したパスを伝送する信号をRAKE合成して、RAKE合成した信号を復調する。
【0029】
同様に、例えば、時刻t12にセルA〜Cのいずれかを用いたHSPA通信を開始する場合、受信機100は、HSPA通信に対応するパス選択部を起動して、パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいてパス選択処理を行う。
【0030】
すなわち、受信機100は、時刻t11やt12にHSPA通信を開始する場合であっても、時刻t20に実行されるパスサーチAの終了を待たずに復調処理を行うことができる。
【0031】
このように、実施例1に係る受信機100は、パスサーチを実行するたびにパス情報をパス情報記憶部に記憶させておくので、HSPA通信開始時に復調処理を行うことができる。このため、受信機100は、復調処理の遅延を抑制することができ、その結果、スループットの低下を抑制することができる。
【0032】
なお、受信機100は、3Gの通信規格に準拠した信号を受信する場合には、定期的に取得するパス情報に基づいてパス選択処理を行ってもよいし、パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいてパス選択処理を行ってもよい。
【0033】
また、図2に示すように、受信機100は、ハンドオーバに伴って新たなセルのパスサーチを実行する場合であっても、復調処理の遅延を抑制することができる。具体的には、図2に示した例において、受信機100は、時刻t20に、HOサービングセルのパスサーチDを実行している。ここで、時刻t12にセルAを用いたHSPA通信を開始する場合、受信機100は、パス情報記憶部に記憶されているセルAのパス情報に基づいてパス選択処理を行う。このため、受信機100は、時刻t21に実行されるパスサーチAの終了を待たずに復調処理を行うことができるので、復調処理の遅延を抑制することができる。
【0034】
[実施例1に係る受信機100の構成]
次に、図3を用いて、実施例1に係る受信機100の構成について説明する。図3は、実施例1に係る受信機100の構成例を示す図である。図3に示すように、受信機100は、アンテナ110と、I/F120と、制御部130と、ベースバンド部140と、パス選択部150と、パス情報記憶部160とを有する。なお、図3では、実施例1における復調処理に関連する構成を図示している。
【0035】
アンテナ110は、基地局などの送信機から、複数のパスを介して信号を受信する。例えば、アンテナ110は、3Gの通信規格に準拠した信号や、HSPAに準拠した信号を受信する。I/F120は、アンテナ110によって受信された信号をベースバンド部140へ送信する。
【0036】
制御部130は、受信機100を全体制御する。例えば、制御部130は、所定の周期が経過するたびに、後述するベースバンド部140のパス情報取得部141に対して、パスサーチを実行するように指示する。また、例えば、制御部130は、後述するパス選択部150を起動状態から休止状態に切り替えたり、反対に、休止状態から起動状態に切り替えたりする。なお、制御部130による状態切替処理については後述する。
【0037】
ベースバンド部140は、I/F120から入力された信号を処理して復調する。具体的には、ベースバンド部140は、図3に示すように、パス情報取得部141と、復調部142とを有する。
【0038】
パス情報取得部141は、制御部130の指示に従って、全てのサービングセルについて定期パスサーチを実行し、セルごとにパス情報を取得する。具体的には、パス情報取得部141は、定期的に、各パスを伝送する信号について遅延プロファイルを算出し、算出した遅延プロファイルに基づいて、パスごとにパスタイミングと、受信信号の電波レベルを取得する。そして、パス情報取得部141は、取得したパスタイミングと、電波レベルとをパス選択部150へ出力する。なお、実施例1において、パス情報とは、パスタイミングと電波レベルとを示すものとする。
【0039】
図1に示した例を用いて説明すると、パス情報取得部141は、時刻t10、t20に、定期パスサーチA〜Cを実行する。そして、パス情報取得部141は、定期パスサーチA〜Cを実行するたびに、取得したパス情報をパス選択部150へ出力する。
【0040】
また、パス情報取得部141は、ハンドオーバが発生した場合に、制御部130の指示にしたがって、HOサービングセルのパスサーチを実行する。具体的には、パス情報取得部141は、上述した定期パスサーチと同様のパスサーチを実行することにより、パス情報を取得して、取得したパス情報をパス選択部150へ出力する。
【0041】
図2に示した例を用いて説明すると、パス情報取得部141は、時刻t20に、HOサービングセルDのパスサーチDを実行する。そして、パス情報取得部141は、パスサーチDを実行することにより取得したパス情報をパス選択部150へ出力する。
【0042】
復調部142は、後述するパス選択部150によって選択されたパスを伝送する信号を復調する。具体的には、復調部142は、受信信号の通信規格によって、後述する3G用パス選択部151、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153のいずれによって選択されたパスを用いるかを決定する。
【0043】
例えば、3Gの通信規格に準拠した通信を行っている場合、復調部142は、3G用パス選択部151によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSDPA通信を行っている場合、復調部142は、HSDPA用パス選択部152によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSUPA通信を行っている場合、復調部142は、HSUPA用パス選択部153によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。
【0044】
パス選択部150は、3G用パス選択部151と、HSDPA用パス選択部152と、HSUPA用パス選択部153とを有する。上述した制御部130は、3G用パス選択部151、HSDPA用パス選択部152、HSUPA用パス選択部153の状態を切り替える処理を行う。実施例1では、制御部130は、HSDPA用パス選択部152、HSUPA用パス選択部153の状態を切り替えるものとする。
【0045】
具体的には、制御部130は、HSDPA通信を開始する場合に、HSDPA用パス選択部152を休止状態から起動状態に切り替える。反対に、制御部130は、HSDPA通信が終了した場合に、HSDPA用パス選択部152を起動状態から休止状態に切り替える。また、制御部130は、HSUPA通信を開始する場合に、HSUPA用パス選択部153を休止状態から起動状態に切り替える。反対に、制御部130は、HSUPA通信が終了した場合に、HSUPA用パス選択部153を起動状態から休止状態に切り替える。すなわち、実施例1において、3G用パス選択部151は、常に起動状態である。
【0046】
3G用パス選択部151は、パス情報取得部141から入力されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する。具体的には、3G用パス選択部151は、パス情報に含まれる電波レベルを用いて、電波レベルの高い信号が伝送されたパスを優先的に選択する。そして、3G用パス選択部151は、パス情報に含まれるパスタイミングを用いて、選択したパスの遅延量を算出し、算出した遅延量を復調部142へ出力する。
【0047】
また、3G用パス選択部151は、パス情報取得部141から取得したパス情報を、パス情報記憶部160に記憶させる。具体的には、3G用パス選択部151は、セルを識別するためのセル識別子に対応付けて、パスごとにパス情報をパス情報記憶部160に記憶させる。3G用パス選択部151は、パス情報取得部141から定期的にパス情報を取得するたびに、パス情報をパス情報記憶部160に記憶させる。
【0048】
なお、3G用パス選択部151は、選択したパスのパス情報のみをパス情報記憶部160に記憶させてもよい。これにより、後述するHSDPA用パス選択部152やHSUPA用パス選択部153によって行われるパス選択処理に負荷を低減することができる。
【0049】
HSDPA用パス選択部152は、受信機100がHSDPA通信を開始する場合に、制御部130によって起動される。起動した後に、HSDPA用パス選択部152は、パス情報記憶部160に記憶されているパス情報を取得する。このとき、HSDPA用パス選択部152は、パス情報記憶部160から、HSPAサービングセルに対応付けて記憶されているパス情報を取得する。例えば、セルAを用いてHSDPA通信が行われる場合、HSDPA用パス選択部152は、パス情報記憶部160から、セルAを示すセル識別子に対応付けて記憶されているパス情報を取得する。
【0050】
そして、HSDPA用パス選択部152は、取得したパス情報に基づいて、HSDPA通信に用いるパスを選択し、選択したパスに関する情報を復調部142へ出力する。なお、ここで言う「パスに関する情報」とは、上述した「選択したパスの遅延量」を示す。
【0051】
HSUPA用パス選択部153は、受信機100がHSUPA通信を開始する場合に、制御部130によって起動される。起動した後に、HSUPA用パス選択部153は、パス情報記憶部160に記憶されているパス情報を取得する。そして、HSUPA用パス選択部153は、取得したパス情報に基づいて、HSUPA通信に用いるパスを選択し、選択したパスに関する情報を復調部142へ出力する。
【0052】
パス情報記憶部160は、パス情報取得部141によって取得されたパス情報を記憶する。具体的には、パス情報記憶部160は、セル識別子に対応付けて、パスごとに、パスタイミングと、信号の電波レベルとを記憶する。なお、パス情報記憶部160は、セル識別子として、例えば、スクランブリングコードを記憶する。
【0053】
[実施例1に係る受信機100によるパスサーチ処理手順]
次に、図4を用いて、実施例1に係る受信機100によるパスサーチ処理の手順について説明する。図4は、実施例1に係る受信機100によるパスサーチ処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
図4に示すように、受信機100のパス情報取得部141は、パスサーチを実行するタイミングになった場合に(ステップS101肯定)、パスサーチを実行する(ステップS102)。ここで言う「パスサーチを実行するタイミング」とは、定期パスサーチを実行するタイミングや、HOサービングセルのパスサーチを実行するタイミングを示す。
【0055】
パス情報取得部141は、パスサーチを実行することにより、パス情報を取得する。具体的には、パス情報取得部141は、各セルのパスごとにパスタイミングと、受信信号の電波レベルを取得する。そして、パス情報取得部141は、取得したパス情報を、起動状態であるパス選択部へ出力する(ステップS103)。
【0056】
例えば、3G用パス選択部151は、常に起動状態であるので、パス情報取得部141は、パス情報を取得するたびに、取得したパス情報を3G用パス選択部151へ出力する。一方、パス情報取得部141は、HSDPA用パス選択部152が起動状態である場合に、パス情報をHSDPA用パス選択部152へ出力する。同様に、パス情報取得部141は、HSUPA用パス選択部153が起動状態である場合に、パス情報をHSUPA用パス選択部153へ出力する。
【0057】
そして、3G用パス選択部151は、パス情報取得部141から入力されたパス情報をパス情報記憶部160に記憶させる(ステップS104)。具体的には、3G用パス選択部151は、セルを識別するためのスクランブリングコードなどに対応付けて、パスごとに、パスタイミング及び受信信号の電波レベルをパス情報記憶部160に記憶させる。
【0058】
[実施例1に係る受信機100によるHSPA通信処理手順]
次に、図5を用いて、実施例1に係る受信機100によるHSPA通信処理の手順について説明する。図5は、実施例1に係る受信機100によるHSPA通信処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
図5に示すように、受信機100の制御部130は、HSPA通信を開始する場合に(ステップS201肯定)、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153を、休止状態から起動状態に切り替える(ステップS202)。具体的には、制御部130は、HSDPA通信を開始する場合には、HSDPA用パス選択部152を起動状態に切り替え、HSUPA通信を開始する場合には、HSUPA用パス選択部153を起動状態に切り替える。
【0060】
続いて、制御部130によって起動されたHSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153は、パス情報記憶部160からパス情報を取得する(ステップS203)。具体的には、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153は、パス情報記憶部160から、HSPAサービングセルに対応付けて記憶されているパス情報を取得する。
【0061】
続いて、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153は、パス情報記憶部160から取得したパス情報に基づいて、HSPA通信に用いるパスを選択する(ステップS204)。そして、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153は、選択したパスに関する情報を復調部142へ出力する。
【0062】
続いて、復調部142は、HSDPA用パス選択部152又はHSUPA用パス選択部153によって選択されたパスを伝送する信号をRAKE合成する(ステップS205)。そして、復調部142は、RAKE合成した信号を復調する(ステップS206)。
【0063】
具体的には、復調部142は、HSDPA通信が行われている場合、HSDPA用パス選択部152によって選択されたパスを伝送する信号をRAKE合成して、RAKE合成した信号を復調する。また、復調部142は、HSUPA通信が行われている場合、HSUPA用パス選択部153によって選択されたパスを伝送する信号をRAKE合成して、RAKE合成した信号を復調する。
【0064】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係る受信機100は、復調処理時の演算処理を行うDSPを通信規格ごとに有し、HSPA通信を行わない場合には、HSPAに対応するDSPを休止状態にする。そして、受信機100は、定期パスサーチを実行するたびにパス情報をパス情報記憶部160に記憶させておき、HSPA通信開始時に、パス情報記憶部160に記憶されているパス情報を用いて復調処理を行う。これにより、実施例1に係る受信機100は、HSPA通信開始時に復調処理を行うことができるので、復調処理の遅延を抑制することができる。
【実施例2】
【0065】
上記実施例1では、パスサーチを実行するたびに、取得したパス情報をパス情報記憶部160に記憶させる例を示した。しかし、受信機は、パス情報を記憶部に記憶させずに、パスサーチの実行タイミングを変動させてもよい。そこで、実施例2では、パスサーチの実行タイミングを変動させる受信機の例について説明する。
【0066】
[実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理]
まず、実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理について説明する。実施例2に係る受信機200は、HSPA通信を開始する場合に、現に実行しているパスサーチの状況に応じて、パスサーチを実行するセルの優先度を決定する。具体的には、受信機200は、HSPA通信を開始する場合に、まず、ハンドオーバに伴ってHOサービングセルのパスサーチが実行中であるか否かを判定する。
【0067】
受信機200は、HOサービングセルのパスサーチが実行中でない場合、定期パスサーチを停止する。そして、受信機200は、HSPAサービングセルのパスサーチを実行した後に、定期パスサーチを再開する。
【0068】
一方、HOサービングセルのパスサーチが実行中である場合、受信機200は、定期パスサーチの実行を禁止する。そして、受信機200は、以下のセルの順にパスサーチを実行する。まず、受信機200は、HSPAサービングセルと、HOサービングセルとの双方に含まれるセルのパスサーチを実行する。続いて、受信機200は、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行する。言い換えれば、受信機200は、HOサービングセルのうち、HSPAサービングセルと異なるセルのパスサーチを実行する。最後に、受信機200は、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチを実行する。言い換えれば、受信機200は、HSPAサービングセルのうち、HOサービングセルと異なるセルのパスサーチを実行する。
【0069】
すなわち、HOサービングセルのパスサーチが実行中である場合、受信機200は、以下に示す優先度の順に、セルのパスサーチを実行する。なお、以下に示した優先度は、数値が小さいほど、優先度が高いものとする。
(優先度1)HSPAサービングセル、かつ、HOサービングセル
(優先度2)未実行のHOサービングセル
(優先度3)未実行のHSPAサービングセル
【0070】
図6〜図10を用いて具体的に説明する。図6〜図10は、実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理を説明するための図である。なお、図6〜図8は、HOサービングセルのパスサーチが実行中ではない場合のパスサーチ処理の一例を示している。また、図9及び図10は、HOサービングセルのパスサーチが実行中である場合のパスサーチ処理の一例を示している。
【0071】
図6に示した例において、受信機200は、時刻t10に、定期パスサーチA、Bを順に実行する。ここで、受信機200が、定期パスサーチBが実行中である時刻t11にセルAを用いたHSPA通信を開始するものとする。かかる場合、受信機200は、定期パスサーチBを停止する。ここでは、HOサービングセルのパスサーチが実行中ではないので、受信機200は、図7に示した例のように、定期パスサーチBを停止した後に、HSPAサービングセルAのパスサーチを実行する。そして、受信機200は、パスサーチAを実行した後に、定期パスサーチBを再開する。
【0072】
また、図6に示した例において、受信機200が、時刻t12にセルBを用いたHSPA通信を開始するものとする。かかる場合、受信機200は、図8に示した例のように、定期パスサーチの実行を禁止して、時刻t12にHSPAサービングセルBのパスサーチを実行する。そして、受信機200は、パスサーチBを実行した後に、定期パスサーチを再開する。すなわち、受信機200は、図8に示した例のように、時刻t20になった場合に、定期パスサーチA、Bを順に実行する。
【0073】
これにより、受信機200は、時刻t11にセルAを用いたHSPA通信を開始する場合や、時刻t12にセルBを用いたHSPA通信を開始する場合であっても、時刻t20に実行される定期パスサーチA、Bの終了を待たずに復調処理を行うことができる。
【0074】
また、図9に示した例のように、受信機200は、HOサービングセルC及びDのパスサーチC、Dを実行しているものとする。ここで、受信機200が、パスサーチC、Dが実行中である時刻t13に、セルA及びCを用いたHSPA通信を開始するものとする。
【0075】
かかる場合、受信機200は、定期パスサーチの実行を禁止する。そして、受信機200は、図10に示した例のように、HSPAサービングセル、かつ、HOサービングセルであるセルCのパスサーチを最初に実行する。これにより、受信機200は、セルCのパスサーチが終了した時点で、セルCのパスを伝送する信号の復調処理を行うことができる。
【0076】
続いて、受信機200は、図10に示した例のように、未実行のHOサービングセルであるセルDのパスサーチを実行する。最後に、受信機200は、未実行のHSPAサービングセルであるセルAのパスサーチを実行する。これにより、受信機200は、セルAのパスサーチが終了した時点で、セルAのパスを伝送する信号の復調処理を行うことができる。
【0077】
そして、受信機200は、パスサーチAを実行した後に、定期パスサーチを再開する。すなわち、受信機200は、図10に示した例のように、時刻t20になった場合に、定期パスサーチA〜Dを実行する。
【0078】
[実施例2に係る受信機200の構成]
次に、図11を用いて、実施例2に係る受信機200の構成について説明する。図11は、実施例2に係る受信機200の構成例を示す図である。なお、以下では、図3に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0079】
図11に示すように、受信機200は、アンテナ110と、I/F120と、制御部230と、ベースバンド部240と、パス選択部250とを有する。なお、図11では、実施例2におけるパスサーチ処理に関連する構成を図示している。
【0080】
制御部230は、受信機200を全体制御する。例えば、制御部230は、図3に示した制御部130と同様に、制御部230に対してパスサーチを実行するように指示したり、パス選択部250の起動状態及び休止状態を切り替えたりする。
【0081】
また、制御部230は、パスサーチ優先度決定部231を有する。パスサーチ優先度決定部231は、HSPA通信を開始する場合に、パスサーチの実行状況に応じて、パスサーチを実行するセルの優先度を決定する。
【0082】
具体的には、パスサーチ優先度決定部231は、HSPA通信を開始する場合に、HOサービングセルのパスサーチが実行中であるか否かを判定する。そして、パスサーチ優先度決定部231は、HOサービングセルのパスサーチが実行中でない場合、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチを停止するように指示する。その後、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、HSPAサービングセルのパスサーチを実行した後に、定期パスサーチを再開するように指示する。
【0083】
一方、HOサービングセルのパスサーチが実行中である場合、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチの実行を禁止するように指示する。そして、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、HSPAサービングセル、かつ、HOサービングセルであるセルのパスサーチを実行するように指示する。続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行するように指示する。最後に、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチを実行するように指示する。
【0084】
ベースバンド部240は、パス情報取得部241と、復調部242とを有する。パス情報取得部241は、制御部230の指示に従ってパスサーチを実行し、パスサーチにより取得したパス情報をパス選択部250へ出力する。
【0085】
復調部242は、パス選択部250によって選択されたパスを伝送する信号を復調する。例えば、3Gの通信規格に準拠した通信を行っている場合、復調部242は、3G用パス選択部251によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSDPA通信を行っている場合、復調部242は、HSDPA用パス選択部252によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。また、HSUPA通信を行っている場合、復調部242は、HSUPA用パス選択部253によって選択されたパスを用いて復調処理を行う。
【0086】
パス選択部250は、3G用パス選択部251と、HSDPA用パス選択部252と、HSUPA用パス選択部253とを有する。HSDPA用パス選択部252、HSUPA用パス選択部253は、図3に示したHSDPA用パス選択部152、HSUPA用パス選択部153と同様に、制御部230によって、起動状態又は休止状態のいずれかに切り替えられる。
【0087】
3G用パス選択部251は、受信機200が3Gの通信規格に準拠した通信を行っている場合に、パス情報取得部241から入力されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する。そして、3G用パス選択部251は、選択したパスに関する情報を復調部242へ出力する。
【0088】
HSDPA用パス選択部252は、受信機200がHSDPA通信を開始する場合に、制御部230によって起動される。起動した後に、HSDPA用パス選択部252は、パス情報取得部241から入力されるパス情報に基づいて、HSDPA通信に用いるパスを選択し、選択したパスに関する情報を復調部242へ出力する。
【0089】
図6及び図7に示した例を用いて説明する。例えば、図6に示した例において、受信機200が、時刻t11にセルAを用いたHSDPA通信を開始するものとする。かかる場合、HSDPA用パス選択部252は、制御部230によって起動される。そして、図7に示した例のように、時刻t11に、パス情報取得部241によってパスサーチAが実行される。かかるパスサーチAが終了した場合に、HSDPA用パス選択部252は、パス情報取得部241からパス情報を入力される。HSDPA用パス選択部252は、入力されたパス情報を用いてパス選択処理を行う。
【0090】
HSUPA用パス選択部253は、受信機200がHSUPA通信を開始する場合に、制御部230によって起動される。起動した後に、HSUPA用パス選択部253は、パス情報取得部241から入力されるパス情報に基づいて、HSUPA通信に用いるパスを選択し、選択したパスに関する情報を復調部242へ出力する。
【0091】
[実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理手順]
次に、図12を用いて、実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理の手順について説明する。図12は、実施例2に係る受信機200によるパスサーチ処理手順を示すフローチャートである。
【0092】
図12に示すように、受信機200の制御部230は、HSPA通信を開始する場合に(ステップS301肯定)、HSDPA用パス選択部252又はHSUPA用パス選択部253を、休止状態から起動状態に切り替える(ステップS302)。具体的には、制御部230は、HSDPA通信を開始する場合には、HSDPA用パス選択部252を起動状態に切り替え、HSUPA通信を開始する場合には、HSUPA用パス選択部253を起動状態に切り替える。
【0093】
続いて、制御部230のパスサーチ優先度決定部231は、HOサービングセルのパスサーチが実行中であるか否かを判定する。HOサービングセルのパスサーチが実行中でない場合(ステップS303否定)、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチを停止するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、定期パスサーチを停止する(ステップS304)。
【0094】
続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、HSPAサービングセルのパスサーチを実行するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、HSPAサービングセルのパスサーチを実行する(ステップS305)。続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチを再開するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、定期パスサーチを再開する(ステップS306)。
【0095】
一方、HOサービングセルのパスサーチが実行中である場合(ステップS303肯定)、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチの実行を禁止するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、定期パスサーチの実行を禁止する(ステップS307)。
【0096】
続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、HSPAサービングセル、かつ、HOサービングセルであるセルのパスサーチを実行するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、HSPAサービングセル、かつ、HOサービングセルであるセルのパスサーチを実行する(ステップS308)。
【0097】
続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行する(ステップS309)。
【0098】
続いて、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチを実行するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチを実行する(ステップS310)。
【0099】
そして、パスサーチ優先度決定部231は、パス情報取得部241に対して、定期パスサーチを再開するように指示する。かかる指示を受け付けたパス情報取得部241は、定期パスサーチを再開する(ステップS306)。
【0100】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る受信機200は、HSPA通信を開始する場合に、パスサーチの実行状況に応じて、パスサーチを実行するセルの優先度を決定する。これにより、実施例2に係る受信機200は、HSPA通信開始時に復調処理を行うことができるので、復調処理の遅延を抑制することができる。
【0101】
具体的には、実施例2に係る受信機200は、HSPA通信を開始する場合に、HOサービングセルのパスサーチが実行中でなければ、HSDPA用パス選択部252又はHSUPA用パス選択部253を起動状態に切り替える。そして、受信機200は、定期パスサーチを停止するとともに、HSPAサービングセルのパスサーチを実行する。これにより、HSDPA用パス選択部252又はHSUPA用パス選択部253は、起動後にパス選択処理を行うことができる。その結果、受信機200は、HSPA通信開始時に復調処理を行うことができるので、復調処理の遅延を抑制することができる。
【0102】
また、実施例2に係る受信機200は、HSPA通信を開始する場合に、HOサービングセルのパスサーチが実行中であれば、HSDPA用パス選択部252又はHSUPA用パス選択部253を起動状態に切り替える。そして、受信機200は、定期パスサーチの実行を禁止するとともに、HSPAサービングセルとHOサービングセルとの双方に含まれるセルのパスサーチを実行する。これにより、受信機200は、HSPAサービングセルとHOサービングセルとの双方に含まれるセルのパスサーチが終了した時点で、かかるセルを用いたHSPA通信を開始することができる。
【0103】
また、実施例2に係る受信機200は、HSPAサービングセルとHOサービングセルとの双方に含まれるセルのパスサーチを実行した後に、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行する。そして、受信機200は、未実行のHOサービングセルのパスサーチを実行した後に、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチを実行する。これにより、受信機200は、未実行のHSPAサービングセルのパスサーチが終了した時点で、かかるセルを用いたHSPA通信を開始することができる。
【実施例3】
【0104】
ところで、本願の開示する受信機及び受信方法は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例3では、本願の開示する受信機及び受信方法の他の実施例について説明する。
【0105】
[パス情報格納処理]
上記実施例1では、3G用パス選択部151が、パス情報をパス情報記憶部160に格納する例を示した。しかし、本願の開示する受信機及び受信方法は、これに限られず、パス情報取得部141が、取得したパス情報をパス情報記憶部160に格納してもよい。
【0106】
[復調処理1]
また、上記実施例1及び2では、復調部142又は242によってRAKE合成処理や復調処理等を行う例を示した。しかし、本願の開示する受信機及び受信方法は、これに限られず、他の処理部が、RAKE合成処理や復調処理等を行ってもよい。例えば、図3に示したパス選択部150内の各パス選択部151〜153が、RAKE合成処理や復調処理等を行ってもよい。同様に、図11に示したパス選択部250内の各パス選択部251〜253が、RAKE合成処理や復調処理等を行ってもよい。
【0107】
[復調処理2]
また、上記実施例1及び2では、復調部142又は242が、RAKE合成処理を行った後に、復調処理を行う例を示した。しかし、本願の開示する受信機及び受信方法は、これに限られず、復調部142又は復調部242は、復調処理を行った後に、復調された信号をRAKE合成してもよい。
【0108】
[パスサーチ実行指示]
また、上記実施例1及び2では、制御部130又は230が、パスサーチを実行する旨の指示を行う例を示した。しかし、本願の開示する受信機及び受信方法は、これに限られず、他の処理部が、パスサーチ実行指示を行ってもよい。例えば、図3に示した3G用パス選択部151がパスサーチ実行指示を行ってもよい。同様に、図11に示した3G用パス選択部251がパスサーチ実行指示を行ってもよい。
【0109】
[システム構成等]
また、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0110】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0111】
(付記1)第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記パス情報取得部によって取得されたパス情報をパスごとに記憶するパス情報記憶部と、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、
前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【0112】
(付記2)複数のパスを介して信号を受信する受信機であって、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記パス情報取得部によって取得されたパス情報をパスごとに記憶するパス情報記憶部と、
通信を行う場合に、前記信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択するパス選択部と、
前記パス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【0113】
(付記3)第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、
前記第一の通信規格による通信を行っている場合に、前記複数のパスに関する情報であるパス情報を定期的に取得し、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記第二の通信規格による通信に用いられるセルであるサービングセルのパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって定期的に取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報取得部によって取得されたサービングセルのパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、
前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【0114】
(付記4)前記パス情報取得部は、前記第二の通信規格による通信が終了した場合に、定期的にパス情報を取得する処理を再開することを特徴とする付記3に記載の受信機。
【0115】
(付記5)前記パス情報取得部は、ハンドオーバに伴って新たなセルであるハンドオーバセルのパス情報を取得する処理を行っている間に前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記サービングセル、かつ、前記ハンドオーバセルであるセルのパス情報を取得することを特徴とする付記3に記載の受信機。
【0116】
(付記6)前記パス情報取得部は、前記サービングセル、かつ、前記ハンドオーバセルであるセルのパス情報を取得した後に、前記ハンドオーバセルのうち、前記サービングセルと異なるセルのパス情報を取得し、前記サービングセルのうち、前記ハンドオーバセルと異なるセルのパス情報を取得することを特徴とする付記5に記載の受信機。
【0117】
(付記7)前記パス情報取得部は、前記サービングセル及び前記ハンドオーバセルのパス情報を取得した後に、定期的にパス情報を取得する処理を再開することを特徴とする付記6に記載の受信機。
【0118】
(付記8)第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機による受信方法であって、
前記受信機が、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得ステップと、
前記パス情報取得ステップによって取得されたパス情報をパスごとに、パス情報記憶部に格納するパス情報格納ステップと、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得ステップによって取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択ステップと、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御ステップと、
前記制御ステップによって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択ステップと、
前記第一のパス選択ステップ又は第二のパス選択ステップによって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調ステップと
を含んだことを特徴とする受信方法。
【0119】
(付記9)第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機による受信方法であって、
前記受信機が、
前記第一の通信規格による通信を行っている場合に、前記複数のパスに関する情報であるパス情報を定期的に取得し、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記第二の通信規格による通信に用いられるセルであるサービングセルのパス情報を取得するパス情報取得ステップと、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得ステップによって定期的に取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択ステップと、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御ステップと、
前記制御ステップによって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報取得ステップによって取得されたサービングセルのパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択ステップと、
前記第一のパス選択ステップ又は第二のパス選択ステップによって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調ステップと
を含んだことを特徴とする受信方法。
【符号の説明】
【0120】
100、200 受信機
110 アンテナ
120 I/F
130、230 制御部
140、240 ベースバンド部
141、241 パス情報取得部
142、242 復調部
150、250 パス選択部
151、251 3G用パス選択部
152、252 HSDPA用パス選択部
153、253 HSUPA用パス選択部
160 パス情報記憶部
231 パスサーチ優先度決定部
900 受信機
910 アンテナ
920 I/F
930 制御部
940 ベースバンド部
941 パス情報取得部
942 復調部
950 パス選択部
951 3G用パス選択部
952 HSDPA用パス選択部
953 HSUPA用パス選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記パス情報取得部によって取得されたパス情報をパスごとに記憶するパス情報記憶部と、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、
前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【請求項2】
複数のパスを介して信号を受信する受信機であって、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記パス情報取得部によって取得されたパス情報をパスごとに記憶するパス情報記憶部と、
通信を行う場合に、前記信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択するパス選択部と、
前記パス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【請求項3】
第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機であって、
前記第一の通信規格による通信を行っている場合に、前記複数のパスに関する情報であるパス情報を定期的に取得し、前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記第二の通信規格による通信に用いられるセルであるサービングセルのパス情報を取得するパス情報取得部と、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得部によって定期的に取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択部と、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御部と、
前記制御部によって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報取得部によって取得されたサービングセルのパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択部と、
前記第一のパス選択部又は第二のパス選択部によって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調部と
を備えたことを特徴とする受信機。
【請求項4】
前記パス情報取得部は、ハンドオーバに伴って新たなセルであるハンドオーバセルのパス情報を取得する処理を行っている間に前記第二の通信規格による通信を行う場合に、定期的にパス情報を取得する処理を停止するとともに、前記サービングセル、かつ、前記ハンドオーバセルであるセルのパス情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の受信機。
【請求項5】
前記パス情報取得部は、前記サービングセル、かつ、前記ハンドオーバセルであるセルのパス情報を取得した後に、前記ハンドオーバセルのうち、前記サービングセルと異なるセルのパス情報を取得し、前記サービングセルのうち、前記ハンドオーバセルと異なるセルのパス情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
第一の通信規格に準拠した第一の信号と、第二の通信規格に準拠した第二の信号とを、複数のパスを介して受信する受信機による受信方法であって、
前記受信機が、
前記複数のパスに関する情報であるパス情報を取得するパス情報取得ステップと、
前記パス情報取得ステップによって取得されたパス情報をパスごとに、パス情報記憶部に格納するパス情報格納ステップと、
前記第一の通信規格による通信を行う場合に、前記パス情報取得ステップによって取得されたパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第一のパス選択ステップと、
前記第二の通信規格による通信を行う場合に、前記第二の信号を処理する処理部を休止状態から起動状態に切り替え制御する制御ステップと、
前記制御ステップによって休止状態から起動状態に切えられた場合に、前記パス情報記憶部に記憶されているパス情報に基づいて、通信に用いるパスを選択する第二のパス選択ステップと、
前記第一のパス選択ステップ又は第二のパス選択ステップによって選択されたパスを伝送する信号を復調する復調ステップと
を含んだことを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−268311(P2010−268311A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119119(P2009−119119)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】