説明

受信装置、受信方法、およびプログラム

【課題】待機状態時に警報情報を受信する場合の消費電力を抑えることができるようにする。
【解決手段】ISDB-T規格においては、地震動警報情報がAC(Auxiliary Channel)信号により伝送される。待機状態時、受信部12においては、ISDB−T規格で規定される13セグメントのうち、No.0の1つのセグメントのみが選局され、No.0のセグメントのACキャリアで伝送されるAC信号が受信される。例えば、AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信され、受信した3ビットの構成識別が001または110である場合、地震動警報情報が伝送されてきたと判定される。早期検出フラグが受信部12から出力され、それを受信したコントローラ16により、地震に関する情報をユーザに通知するための処理が開始される。本発明は、デジタル放送を受信する受信装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、受信方法、およびプログラムに関し、特に、待機状態時に警報情報を受信する場合の消費電力を抑えることができるようにした受信装置、受信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送の変調方式として、多数の直交搬送波を用い、各搬送波をPSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)で変調する直交周波数分割多重方式(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式)が提案されている。
【0003】
OFDM方式は、多数のサブキャリアで伝送帯域全体を分割するため、サブキャリア1波あたりの帯域は狭くなり、伝送速度は遅くなるが、トータルの伝送速度は従来の変調方式と変わらないという特徴を有している。
【0004】
また、OFDM方式は、多数のサブキャリアが並列に伝送されるために、シンボル速度が遅くなるという特徴を有している。そのため、1シンボルの時間長に対する相対的なマルチパスの時間長を短くすることができ、これにより、マルチパスによる影響を受けにくくすることができるという特徴もOFDM方式は有している。
【0005】
さらに、複数のサブキャリアにデータが割り当てられることから、OFDM方式は、逆フーリエ変換を変調時に行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算回路を用いることにより送信回路を構成することができ、フーリエ変換を復調時に行うFFT(Fast Fourier Transform)演算回路を用いることにより受信回路を構成することができるという特徴を有している。
【0006】
以上のような特徴から、OFDM方式は、マルチパス妨害の影響を強く受ける地上デジタル放送に適用されることが多い。OFDM方式を採用した地上デジタル放送の規格としては、例えば、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)といった規格がある。
【0007】
ISDB−T規格では、変調波の伝送制御に関する付加情報、または地震動警報情報を伝送するため、204ビットの情報を一単位としたAC信号を、OFDMシンボル中の所定のサブキャリアで伝送することが規定されている。AC信号は、放送に関する付加情報信号である。
【0008】
AC信号は差動BPSK変調されている。差動BPSK変調は、伝送するデータ列を差動符号化し、差動符号化した後の情報(0,1)を、それぞれ(+4/3,0)、(-4/3,0)の信号点を持つ複素信号(I信号、Q信号)にする変調方式である。
【0009】
図1は、AC(Auxiliary Channel)信号の地震動警報情報復号回路を示す図である。
【0010】
図1において、各情報の下に付している数字は、AC信号の先頭を基準として、各情報が何ビット目の情報であるのかを表す。各情報の横方向の長さはビット数に比例していない。
【0011】
図1の上段に示すように、204ビットの情報で一単位とされたAC信号は、先頭から順に、1ビットの差動変調の基準信号、3ビットの構成識別、200ビットの、変調波の伝送制御に関する付加情報、または地震動警報情報から構成される。
【0012】
基準信号は、差動復調の基準振幅及び基準位相となる信号である。
【0013】
構成識別は、AC信号の構成を識別するための信号である。構成識別の000,010,011,100,101,111は、変調波の伝送制御に関する付加情報が伝送されていることを表し、001,110は、地震動警報情報が伝送されていることを表す。構成識別が001,110の時、それに続く200ビットで地震動警報情報が伝送される。
【0014】
なお、地震動警報情報は、No.0のセグメントのACキャリアで伝送される。ISDB−T規格のデジタル放送で用いられる周波帯域全体はNo.0からNo.12までの13のセグメントに分割されており、セグメント毎に、AC信号を伝送するキャリア(ACキャリア)が規定されている。
【0015】
200ビットの地震動警報情報は、13ビットの同期信号、2ビットの開始/終了フラグ、2ビットの更新フラグ、3ビットの信号識別、88ビットの地震動警報詳細情報、10ビットのCRC、および82ビットのパリティビットから構成される。
【0016】
同期信号は、地震動警報情報の先頭位置を示す情報である。具体的には、構成識別が001の時、W0="1010111101110"が、また、構成識別が110の時、W0の反転ワードであるW1="0101000010001"がフレーム単位で交互に挿入される。
【0017】
開始/終了フラグは、「地震動警報詳細情報あり」のとき00、「地震動警報詳細情報なし」のとき11である。
【0018】
更新フラグは、開始/終了フラグが00の場合に伝送される一連の地震動警報詳細情報の内容に変更が生じる毎に1ずつ増加し、信号識別や地震動情報が更新されたことを受信機に通知する。
【0019】
信号識別は、それに続く地震動警報詳細情報の種別を識別するために使用する信号である。
【0020】
信号識別の000は「地震動警報詳細情報 該当地域あり」を表し、001は「地震動警報詳細情報 該当地域なし」を表す。「地震動警報詳細情報 該当地域あり」は、放送区域内に地震動警報の対象地域があることを意味し、「地震動警報詳細情報 該当地域なし」は、放送区域内に地震動警報の対象地域がないことを意味する。
【0021】
また、信号識別の010は「地震動警報詳細情報の試験信号 該当地域あり」を表し、011は「地震動警報詳細情報の試験信号 該当地域なし」を表す。111は「地震動警報詳細情報なし(放送事業者識別)」を表す。信号識別の100,101,110は未定義である。
【0022】
信号識別が000,001,010,011のうちのいずれかである時、地震動警報情報を送出する現在時刻情報の情報、地震動警報の対象地域を示す情報、地震動警報の震源に関する情報が地震動警報詳細情報として伝送される。
【0023】
また、信号識別が111の時、放送事業者識別が地震動警報詳細情報として伝送され、100,101,110のうちのいずれかである時、ALL1が地震動警報詳細情報として伝送される。
【0024】
CRCは、AC信号の先頭を基準として22ビット目から112ビット目について生成多項式より生成されたCRC符号である。
【0025】
パリティビットは、AC信号の先頭を基準として18ビット目から122ビット目について差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(187,107)により生成された誤り訂正符号である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】STD-B31<http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B31v1_8.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
図2は、地震動警報情報復号回路の構成例を示すブロック図である。
【0028】
地震動警報情報復号回路は、差動復調回路51、ビット判定回路52、差集合巡回符号復号回路53、およびCRC回路54から構成される。
【0029】
例えば、このような構成を有する地震動警報情報復号回路において、AC信号で伝送される地震動警報情報の復号が行われることが想定される。地震動警報情報復号回路は、テレビジョン受像機や録画機器などの受信装置が搭載する受信部内に設けられる。
【0030】
受信部には、地震動警報情報復号回路の他に、チューナ、バンドパスフィルタ、A/D変換回路、デジタル直交復調回路、FFT演算回路、キャリア復調回路、誤り訂正回路等が設けられる。受信装置と受信部の構成の詳細については後述する。
【0031】
受信部内のデジタル直交復調回路により復調されたOFDM信号は、FFT演算回路においてFFTが施された後、地震動警報情報復号回路に入力される。地震動警報情報復号回路に入力された信号は、実軸成分(I信号)と虚軸成分(Q信号)とから構成される複素信号である。
【0032】
差動復調回路51は、複素信号として入力されたAC信号を差動復調し、元の情報ビットに対応した信号点の複素信号を生成する。差動復調回路51により差動復調された信号はビット判定回路52に供給される。
【0033】
ビット判定回路52は、差動復調された信号に基づいてビット判定を行う。すなわち、ビット判定回路52は、差動復調された信号のIQ平面上の信号点から、変調されている値が"0"と"1"のうちのいずれのビット値であるのかを判定し、一方のビット値を出力する。ビット判定回路52からは、ビットストリーム化されたAC信号が出力されることになる。ビット判定回路52から出力されたAC信号は、差集合巡回符号復号回路53に供給される。
【0034】
差集合巡回符号復号回路53は、図示せぬ同期/フレーム検出回路から供給されたフレーム同期信号に基づいて、AC信号のフレームの先頭を検出する。差集合巡回符号復号回路53は、AC信号を構成する最後のビットである204ビット目まで受信した後、82ビットのパリティビットとして地震動警報情報に含まれる差集合巡回符号を用いて誤り訂正を行う。差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。
【0035】
また、差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正の成否を表す誤り訂正成否信号を出力する。誤り訂正成否信号は、誤り訂正に成功すれば"OK"を示し、失敗すれば"NG"を示す。
【0036】
CRC回路54は、地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号を用いてCRCを行い、CRCの成否を表すCRC成否信号と、地震動警報情報を出力する。CRC成否信号は、CRCに成功すれば"OK"を示し、失敗すれば"NG"を示す。
【0037】
なお、CRC回路54から出力される地震動警報情報は、地震動警報情報に含まれる全部の情報、または地震動警報情報に含まれる情報のうちの、開始/終了フラグ、更新フラグ、信号識別、地震動警報詳細情報などの一部の情報である。
【0038】
差集合巡回符号復号回路53から出力された誤り訂正成否信号と、CRC回路54から出力されたCRC成否信号および地震動警報情報は、受信部内のI2C(Inter-Integrated Circuit)のレジスタに書き込まれる。受信部のレジスタから地震動警報情報を読み出したコントローラは、画面表示や音を出力することによって、地震に関する情報をユーザに通知するための処理を行う。
【0039】
ところで、地震動警報情報の受信は、テレビジョン受像機などの受信装置の状態が待機状態であるときにも行われる。待機状態は、主電源は入っているが、表示部やスピーカが起動しておらず、画面表示や音声出力を行っていない状態である。待機状態において例えばリモートコントローラの電源ボタンが押された場合、受信装置の状態はオン状態に切り替わり、画面表示や音声出力が開始される。
【0040】
主電源が入っており、動作可能である限り、待機状態においても地震動警報情報の検出が続けられ、地震動警報情報が伝送されてきたとき、地震に関する情報をユーザに通知することができるようにすることが望ましい。
【0041】
また、近年の環境問題に対する配慮の観点からも、待機状態時の消費電力は、できるだけ少ない方が望ましい。
【0042】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、待機状態時に警報情報を受信する場合の消費電力を抑えることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明の一側面の受信装置は、1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰する受信手段を備える。
【0044】
前記一部のセグメントは、ISDB-T規格で規定されるNo.0のセグメントであり、前記受信手段には、前記警報情報が伝送されてきたとき、13セグメント全体の受信を開始させることができる。
【0045】
前記警報情報は、ISDB-T規格で規定されたAC信号で伝送される地震動警報情報であるようにすることができる。
【0046】
前記受信手段には、前記AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定させ、受信した3ビットが001または110である場合、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力させることができる。
【0047】
前記受信手段には、前記AC信号の2ビット目から、5ビット目乃至17ビット目のビット列により表される前記地震動警報情報の同期信号の所定のビットまで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定させ、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、前記同期信号を表すビット列の一部が既知のビット列の一部と一致するとき、または、前記同期信号を表すビット列の全部が既知のビット列の全部と一致するとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力させることができる。
【0048】
前記受信手段には、前記AC信号の2ビット目から、18ビット目まで、または19ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定させ、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、18ビット目の1ビットが0のとき、または18ビット目と19ビット目の2ビットが00のとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力させることができる。
【0049】
前記受信手段には、さらに、前記AC信号の20ビット目、または20ビット目と21ビット目を受信させることができる。
【0050】
前記受信手段には、前記AC信号の2ビット目から24ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定させ、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、22ビット目から24ビット目までの3ビットが000のとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力させることができる。
【0051】
前記受信手段には、前記AC信号を構成する113ビット目から122ビット目までの前記CRC符号を受信した時、前記CRC符号を用いて前記地震動警報情報のビットの誤りを検出させ、誤りがない場合、前記地震動警報情報を出力させることができる。
【0052】
前記地震動警報情報が伝送されてきたと前記受信手段により判定され、前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグ、または前記地震動警報情報の少なくとも一部が前記受信手段から出力されたことに応じて、警報を出力するための処理を開始する制御手段をさらに設けることができる。
【0053】
前記受信手段には、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を、前記受信手段自身が実装される第1の半導体チップ内のレジスタに記憶させ、前記制御手段には、前記第1の半導体チップとは異なる第2の半導体チップに実装され、前記レジスタの記憶内容を所定の周期で確認させ、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部が前記レジスタに記憶されたことを確認した場合、警報を出力するための処理を開始させることができる。
【0054】
前記受信手段には、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を、前記受信手段自身が実装される第1の半導体チップのピンから、前記制御手段が実装される第2の半導体チップのピンに出力させ、前記制御手段には、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部が前記第2の半導体チップのピンに入力された場合、警報を出力するための処理を開始させることができる。
【0055】
前記受信手段には、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を所定の符号化方式で符号化させ、符号化後の情報を、所定のビット数のプリアンブルを付加して前記第1の半導体チップのピンから出力させることができる。
【0056】
本発明の一側面の受信方法は、1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰するステップを含む。
【0057】
本発明の一側面のプログラムは、1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0058】
本発明の一側面においては、1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみが受信され、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰することが行われる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、待機状態時に警報情報を受信する場合の消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】AC信号のフレーム構成を示す図である。
【図2】地震動警報情報復号回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の受信部の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の地震動警報情報復号回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】実施例をまとめて示す図である。
【図7】受信部の処理について説明するフローチャートである。
【図8】コントローラの処理について説明するフローチャートである。
【図9】受信部とコントローラの接続例を示す図である。
【図10】図4の地震動警報情報復号回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の地震動警報情報復号回路を有する受信部の処理について説明するフローチャートである。
【図12】図4の地震動警報情報復号回路のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の地震動警報情報復号回路を有する受信部の処理について説明するフローチャートである。
【図14】1つの物理チャンネルに含まれるセグメントを示す図である。
【図15】受信装置の切り替え処理について説明するフローチャートである。
【図16】フレーム構成の例を示す図である。
【図17】受信部を適用した受信システムの第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図18】受信部を適用した受信システムの第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図19】受信部を適用した受信システムの第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図20】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
<第1の実施の形態>
[受信装置の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図である。
【0062】
受信装置1は、テレビジョン受像機や録画機器などの、例えばISDB−T規格のデジタル放送を受信可能な機器である。放送局から送信された放送波はアンテナ11において受信され、受信信号が受信部12に供給される。
【0063】
受信部12は、所定の伝送チャネルを選局し、復調処理を行うことによって、"0"、"1"のデジタル信号を取り出す。また、受信部12は、復調した情報の誤り訂正を行い、放送局から送信されたTSパケットを取得する。TSパケットには、映像、音声などのデータが含まれる。映像や音声のデータを格納したTSパケットはMPEGデコード部13に供給される。
【0064】
また、受信部12は、AC信号によって地震動警報情報が伝送されてきた場合、地震動警報情報を復号し、コントローラ16に出力する。地震動警報情報の供給は、例えば、I2Cのレジスタ12Aに書き込まれた地震動警報情報がコントローラ16により読み出されることによって行われる。
【0065】
受信部12は、AC信号全体を受信して地震動警報情報を出力する前に、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを、AC信号全体のうちの受信済みの一部の情報に基づいて判定する。受信部12は、地震動警報情報が伝送されてきたと判定した場合、地震動警報情報が伝送されてきたことを表すフラグである早期検出フラグを生成し、コントローラ16に出力する。早期検出フラグも、地震動警報情報と同様にレジスタ12Aに書き込まれ、コントローラ16により読み出される。
【0066】
MPEGデコード部13は、受信部12から供給されたTSパケットをデコードすることによって画像データと音声データを抽出し、画像データを画像重畳部14に、音声データを図示せぬ音声処理回路にそれぞれ出力する。音声処理回路においては音声データに対して所定の処理が行われ、画像の表示にあわせてスピーカ17から音声が出力される。
【0067】
画像重畳部14は、MPEGデコード部13からデータが供給された画像と、コントローラ16から供給された情報を重ね合わせ、地震に関する情報が重ね合わせられた画像のデータを表示部15に出力する。画像重畳部14は、地震に関する情報がコントローラ16から供給されない場合、MPEGデコード部13から供給された画像データをそのまま表示部15に出力する。
【0068】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)などのディスプレイである。表示部15は、画像重畳部14から供給されたデータに基づいて、地震に関する情報が重ね合わせられた画像などの各種の画像を表示する。
【0069】
コントローラ16は、リモートコントローラ受光部18から供給された情報に基づいて、受信装置1の全体の動作を制御する。
【0070】
例えば、コントローラ16は、受信部12のレジスタ12Aから地震動警報情報を読み出した場合、地震動警報情報の内容に応じて、地震に関する情報を画像重畳部14に出力し、画像に重ねて表示させる。また、コントローラ16は、地震に関する情報を画面表示ではなく音によってユーザに通知する場合、地震に関する情報をユーザに通知するための音データをスピーカ17に出力し、警報音や音声を出力させる。
【0071】
また、コントローラ16は、地震動警報情報の前に早期検出フラグをレジスタ12Aから読み出した場合において、受信装置1の状態が待機状態にあるとき、表示部15やスピーカ17を起動させる。表示部15やスピーカ17の起動は、その後に地震動警報情報を受信した場合に、迅速に、地震に関する情報をユーザに通知することができるようにするための準備として行われる。
【0072】
スピーカ17は、コントローラ16から供給された音声データに基づいて、地震に関する情報をユーザに通知するための警報音などの音を出力する。
【0073】
リモートコントローラ受光部18は、リモートコントローラから送信された信号を受信し、ユーザの操作の内容を表す情報をコントローラ16に出力する。
【0074】
図4は、図3の受信部12の構成例を示すブロック図である。
【0075】
受信部12は、チューナ31、BPF32、A/D変換回路33、デジタル直交復調回路34、FFT演算回路35、キャリア復調回路36、誤り訂正回路37、同期/フレーム検出回路38、伝送制御情報復号回路39、および地震動警報情報復号回路40から構成される。アンテナ11から出力されたOFDM信号である受信信号はチューナ31に供給される。
【0076】
チューナ31は、乗算回路31Aおよび局部発振器31Bからなり、アンテナ11から供給されたRF信号に周波数変換を施し、IF信号を生成する。生成されたIF信号はBPF(Band Pass Filter)32に供給される。
【0077】
BPF32は、IF信号に対してフィルタリングを施し、A/D変換回路33に出力する。
【0078】
A/D変換回路33は、A/D変換を施すことによってIF信号をデジタル化し、デジタル直交復調回路34に出力する。
【0079】
デジタル直交復調回路34は、所定の周波数(搬送波周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号をFFT演算回路35に出力する。デジタル直交復調回路34から出力されたベースバンド信号は、直交復調された結果、実軸成分と虚軸成分とを含んだ複素信号となる。
【0080】
FFT演算回路35は、1つのOFDMシンボルの信号から有効シンボル長分の信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。すなわち、FFT演算回路は、1つのOFDMシンボルからガードインターバル長分の信号を除き、残った信号に対してFFTを行う。
【0081】
FFT演算回路35によりFFTが行われることによって抽出された、各サブキャリアに変調されていた信号は実軸成分と虚軸成分とから構成される複素信号である。FFT演算回路35により抽出された信号は、キャリア復調回路36と同期/フレーム検出回路38に供給される。
【0082】
キャリア復調回路36は、FFT演算回路35から出力された、各サブキャリアから復調された信号に対してキャリア復調を行う。具体的には、キャリア復調回路36は、差動変調信号(DQPSK信号)に対する差動復調処理と、同期変調信号(QPSK、16QAM、64QAM信号)に対する等化処理を行い、それらの処理によって得られた信号を誤り訂正回路37に出力する。
【0083】
誤り訂正回路37は、送信側でインターリーブされている信号に対してデインターリーブ処理を施し、デンパンクチャ、ビタビ復号、拡散信号除去、RS復号等の処理を施し、復号データを出力する。誤り訂正回路37から出力された復号データはMPEGデコード部13に供給される。
【0084】
同期/フレーム検出回路38は、デジタル直交復調回路34からFFT演算回路35に供給されたベースバンドのOFDM信号、FFT演算回路35により各サブキャリアから復調された信号に基づいて各種の同期処理を行う。例えば、同期/フレーム検出回路38は、同期処理を行うことによってOFDMシンボルの境界を検出し、FFTの範囲とそのタイミングを指定する情報をFFT演算回路35に出力する。
【0085】
また、同期/フレーム検出回路38は、FFT演算回路35により復調された信号の所定のサブキャリアから伝送制御情報であるTMCC信号を抽出し、TMCC信号の同期信号を検出してOFDMフレームの境界を検出する。同期/フレーム検出回路38は、検出したOFDMフレームの境界位置を表すフレーム同期信号を、TMCC信号とともに伝送制御情報復号回路39に出力する。
【0086】
同期/フレーム検出回路38は、FFT演算回路35により復調された信号の所定のサブキャリアからAC信号を抽出し、AC信号の同期信号を検出してOFDMフレームの境界を検出する。同期/フレーム検出回路38は、検出したOFDMフレームの境界位置を表すフレーム同期信号を、AC信号とともに地震動警報情報復号回路40に出力する。
【0087】
伝送制御情報復号回路39は、同期が確保されたTMCC信号に含まれるTMCC情報に対して、差集合巡回符号による誤り訂正を施す。また、伝送制御情報復号回路39は、誤り訂正を施したTMCC情報をキャリア復調回路36に出力し、キャリア復調回路36における処理を制御する。
【0088】
地震動警報情報復号回路40は、同期が確保されたAC信号に含まれる地震動警報情報に対して、差集合巡回符号による誤り訂正を施し、さらに、CRC符号によるCRCを行う。地震動警報情報復号回路40は、誤り訂正とCRCを施した地震動警報情報を出力する。
【0089】
また、地震動警報情報復号回路40は、地震動警報情報を出力する前に、地震動警報情報が伝送されてきたことをAC信号の受信済みの一部の情報に基づいて検出した場合、早期検出フラグを生成し、出力する。地震動警報情報復号回路40から出力された地震動警報情報と早期検出フラグはレジスタ12A(図4には図示していない)に書き込まれる。
【0090】
図5は、図4の地震動警報情報復号回路40の構成例を示すブロック図である。
【0091】
図5に示す構成のうち、図2に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0092】
図5に示す地震動警報情報復号回路40の構成は、差動復調回路51、ビット判定回路52、差集合巡回符号復号回路53、CRC回路54の他に、早期検出フラグ生成回路55が設けられている点で図2の構成と異なる。図4の同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号は差動復調回路51に入力され、フレーム同期信号は差集合巡回符号復号回路53と早期検出フラグ生成回路55に入力される。
【0093】
差動復調回路51は、入力されたAC信号を差動復調し、元の情報ビットに対応した信号点の複素信号を生成する。差動復調回路51により差動復調された信号はビット判定回路52に供給される。
【0094】
ビット判定回路52は、差動復調された信号に基づいてビット判定を行う。ビット判定の結果であるビットストリーム化されたAC信号を構成する各ビットは、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53と早期検出フラグ生成回路55に供給される。
【0095】
差集合巡回符号復号回路53は、入力されたフレーム同期信号に基づいてAC信号のフレームの先頭を検出する。差集合巡回符号復号回路53は、AC信号の204ビット目まで受信した後、82ビットのパリティビットとして地震動警報情報に含まれる差集合巡回符号による誤り訂正を行い、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。また、差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正の成否を表す誤り訂正成否信号を出力する。
【0096】
CRC回路54は、地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号によるCRCを行い、CRCの成否を表すCRC成否信号と、地震動警報情報を出力する。詳細には、CRC回路54から出力される地震動警報情報は、基準信号、CRC符号、およびパリティビットなどを除いた、地震動警報情報の一部の情報である。
【0097】
差集合巡回符号復号回路53から出力された誤り訂正成否信号と、CRC回路54から出力されたCRC成否信号と地震動警報情報はレジスタ12Aに書き込まれる。
【0098】
早期検出フラグ生成回路55は、入力されたフレーム同期信号に基づいてAC信号のフレームの先頭を検出する。また、早期検出フラグ生成回路55は、ビット判定回路52から供給された情報を受信し、AC信号を構成する204ビット全てを受信する前に、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを受信済みの情報に基づいて判定する。
【0099】
早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の受信済みの一部の情報に基づいて、地震動警報情報が伝送されてきたことを検出した場合、早期検出フラグを生成し、出力する。早期検出フラグ生成回路55から出力された早期検出フラグも、レジスタ12Aに書き込まれる。
【0100】
地震動警報情報の伝送に採用されている誤り検出、誤り訂正の方式は、CRC符号、差集合巡回符号を用いた方式である。両方式とも、データ部にパリティビットを付加する方式であるため、符号化の際にデータ部自体に変更は生じない。そのため、受信状況が良ければ、誤り訂正を行わない場合でも正しい信号を受信装置1側で受信できているものと考えられる。
【0101】
図5の地震動警報情報復号回路40においては、AC信号を構成する204ビットの途中まで受信したタイミングで、受信済みの一部の情報に基づいて、地震動警報情報が伝送されてきたか否かが判定される。
【0102】
地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定するタイミングについて説明する。
【0103】
[実施例1]
AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信したタイミングで、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する場合について説明する。
【0104】
早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信し、受信した3ビットが001または110である場合、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。上述したように、2ビット目から4ビット目までの3ビットの構成識別が001または110であることは、構成識別に続く情報が、変調波の伝送制御に関する付加情報ではなく、地震動警報情報であることを表す。
【0105】
この場合、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に開始/終了フラグや信号識別は用いられない。地震動警報詳細情報が有るか無いかを区別することなく、地震動警報情報が伝送されてきたか否かが構成識別に基づいて判定されることになる。
【0106】
[実施例2]
AC信号の2ビット目から、5ビット目乃至17ビット目の範囲のうちの予め設定された所定のビットまで受信したタイミングで、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する場合について説明する。
【0107】
17ビット目、すなわち同期信号の最後まで受信したタイミングで判定する場合、早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から17ビット目まで受信する。早期検出フラグ生成回路55は、構成識別が001または110であり、かつ、同期信号の13ビットが既知の同期信号の13ビットと一致するとき、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。早期検出フラグ生成回路55には、地震動警報情報に含まれる同期信号のビット列(13ビット)が既知の情報として設定されている。
【0108】
17ビット目より前、すなわち同期信号の途中まで受信したタイミングで判定する場合、早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から同期信号の途中の所定のビットまで受信する。早期検出フラグ生成回路55は、構成識別が001または110であり、かつ、受信済みの同期信号の一部が、対応する既知の同期信号の一部と一致するとき、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。
【0109】
この場合も、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に開始/終了フラグや信号識別は用いられないので、地震動警報詳細情報が有るか無いかの区別は行われない。
【0110】
[実施例3]
AC信号の2ビット目から、18ビット目または19ビット目まで受信したタイミングで、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する場合について説明する。
【0111】
18ビット目まで受信したタイミングで判定する場合、早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から18ビット目まで受信する。早期検出フラグ生成回路55は、構成識別が001または110であり、かつ、18ビット目である、開始/終了フラグの2ビットのうちの1ビット目が0のとき、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。
【0112】
19ビット目まで受信したタイミングで判定する場合、早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から19ビット目まで受信する。早期検出フラグ生成回路55は、構成識別が001または110であり、かつ、18ビット目と19ビット目の、開始/終了フラグの2ビットが00のとき、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。
【0113】
上述したように、開始/終了フラグは、「地震動警報詳細情報あり」のとき00、「地震動警報詳細情報なし」のとき11となる。開始/終了フラグの1ビット目が0であるとき、または、開始/終了フラグの2ビットが00であるとき、「地震動警報詳細情報あり」と判定することが可能になる。
【0114】
この場合、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に開始/終了フラグが用いられるため、地震動警報詳細情報が有るか無いかを区別することが可能になる。一方、信号識別は用いられないので、伝送されてきた地震動警報詳細情報が、地震動警報詳細情報の試験信号であるのか本信号なのか、または、「該当地域あり」なのか「該当地域なし」なのかの区別は行われない。
【0115】
18ビット目まで、または19ビット目までに加えて、20ビット目、または21ビット目まで受信し、上述した18ビット目の1ビットを用いた判定、または18ビット目と19ビット目の2ビットを用いた判定が行われるようにしてもよい。
【0116】
[実施例4]
AC信号の2ビット目から24ビット目まで受信したタイミングで、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する場合について説明する。
【0117】
早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から24ビット目まで受信し、構成識別が001または110であり、開始/終了フラグが00であり、かつ信号識別が所望のものである場合、地震動警報情報が伝送されてきたと判定し、早期検出フラグを生成する。
【0118】
上述したように、信号識別が000であることは「地震動警報詳細情報 該当地域あり」を表す。例えば、構成識別が001または110であり、開始/終了フラグが00であり、かつ、信号識別が000である場合に、地震動警報情報が伝送されてきたものとして判定される。
【0119】
信号識別が010または011であり、試験信号の伝送が行われていると判定された場合には早期検出フラグの生成が行われないようにしてもよい。また、信号識別が000または010であり、「該当地域あり」のときにのみ、地震動警報情報が伝送されてきたと判定され、早期検出フラグが生成されるようしてもよい。
【0120】
[実施例のまとめ]
図6は、以上の4つの例をまとめて示す図である。
【0121】
実施例1においては、2ビット目から4ビット目までが受信され、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に3ビットの構成識別が用いられる。
【0122】
実施例2においては、2ビット目から、同期信号を構成する13ビットのうちの所定のビットまでが受信され、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に、構成識別と、同期信号の全部または一部が用いられる。
【0123】
実施例3においては、2ビット目から、18ビット目、19ビット目、20ビット目、または21ビット目までが受信され、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に、構成識別と開始/終了フラグが用いられる。
【0124】
実施例4においては、2ビット目から24ビット目までが受信され、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に、構成識別、開始/終了フラグ、および信号識別が用いられる。
【0125】
このように、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定に用いるビットのパターンとしては4パターンが考えられる。
【0126】
[受信装置の動作]
ここで、図7のフローチャートを参照して、受信部12の処理について説明する。
【0127】
図7の処理は、例えば、FFT演算回路35から同期/フレーム検出回路38にAC信号が供給されたときに開始される。
【0128】
ステップS1において、同期/フレーム検出回路38は、FFT演算回路35により復調された信号の所定のサブキャリアからAC信号を抽出し、AC信号の同期信号を検出してOFDMフレームの境界を検出する。同期/フレーム検出回路38は、検出したOFDMフレームの境界位置を表すフレーム同期信号を、AC信号とともに地震動警報情報復号回路40に出力する。
【0129】
同期/フレーム検出回路38から出力されたフレーム同期信号は、地震動警報情報復号回路40の差集合巡回符号復号回路53と早期検出フラグ生成回路55に供給される。また、同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号を対象として差動復調回路51において差動復調が行われ、ビット判定回路52においてビット判定が行われる。ビット判定回路52から出力された、AC信号を構成する各ビットが、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53と早期検出フラグ生成回路55により受信される。
【0130】
ステップS2において、早期検出フラグ生成回路55は、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する。
【0131】
ここでは、実施例1乃至4として説明したようにして判定が行われる。例えば、地震動警報情報が伝送されてきたか否かをAC信号の2ビット目から4ビット目まで受信したタイミングで判定する場合、早期検出フラグ生成回路55は、AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信し、構成識別が001または110であるとき、地震動警報情報が伝送されてきたと判定する。
【0132】
地震動警報情報が伝送されてきたとステップS2において判定した場合、ステップS3において、早期検出フラグ生成回路55は早期検出フラグを生成し、レジスタ12Aに書き込む。地震動警報情報が伝送されてきていないとステップS2において判定された場合、ステップS3の処理はスキップされる。
【0133】
ステップS4において、差集合巡回符号復号回路53は、AC信号を構成する204ビットを最後まで受信したか否かを判定し、最後まで受信したと判定するまで待機する。
【0134】
AC信号を構成する204ビットを最後まで受信したとステップS4において判定した場合、ステップS5において、差集合巡回符号復号回路53は、差集合巡回符号による誤り訂正を行う。差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力し、誤り訂正成否信号を外部に出力する。
【0135】
ステップS6において、CRC回路54は、地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号によるCRCを行い、CRCの成否を表すCRC成否信号と、地震動警報情報を出力する。その後、処理は終了される。
【0136】
以上のようにして早期検出フラグを出力することによって、受信部12は、地震動警報情報が伝送されてきたことを、AC信号を最後まで受信する前にコントローラ16に伝達することが可能になる。
【0137】
次に、図8のフローチャートを参照して、図7の処理に対応して行われるコントローラ16の処理について説明する。
【0138】
図8の処理は、例えば、レジスタ12Aに記憶されている情報を所定の周期で繰り返し確認する処理であるポーリングによって、早期検出フラグが記憶されていることがコントローラ16により検出されたときに行われる。
【0139】
ステップS11において、コントローラ16は警報を出力するための処理を行う。例えば、受信装置1の状態が待機状態であり、地震に関する情報を画面表示によってユーザに通知する場合、表示部15を起動させる処理が開始される。
【0140】
受信装置1の状態には、表示部15が起動し、番組の映像などの画面表示を行っている状態であるオン状態の他に、主電源は入っているが、表示部15やスピーカ17が起動しておらず、画面表示や音声出力を行っていない状態である待機状態がある。待機状態において例えばリモートコントローラの電源ボタンが押された場合、受信装置1の状態はオン状態に切り替わり、画面表示が開始される。
【0141】
なお、待機状態においても、受信部12は起動しており、図7を参照して説明した処理が受信部12により行われる。また、コントローラ16によるポーリングも行われる。待機状態時、受信部12の構成のうち、キャリア復調回路36、誤り訂正回路37、伝送制御情報復号回路39に電源を供給しないようにして、電力消費を抑えるようにしてもよい。
【0142】
表示部15が起動した後、地震動警報情報が伝送されてきたことを表すメッセージが表示されるようにしてもよいし、地震動警報情報をコントローラ16が受信するまで黒画が表示されるようにしてもよい。
【0143】
また、受信装置1の状態が待機状態であり、地震に関する情報を音によってユーザに通知する場合、スピーカ17を起動させる処理が開始される。
【0144】
ステップS12において、コントローラ16は、地震動警報情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定するまで待機する。
【0145】
コントローラ16によるポーリングは、早期検出フラグがレジスタ12Aから読み出された後も行われる。そのポーリングにより、地震動警報情報復号回路40のCRC回路54から出力された地震動警報情報がレジスタ12Aに記憶されていることが確認された場合、レジスタ12Aから地震動警報情報が読み出され、コントローラ16により受信される。
【0146】
地震動警報情報を受信したとステップS12において判定した場合、ステップS13において、コントローラ16は検出エラーが発生したか否かを判定する。
【0147】
例えば、コントローラ16は、実施例1乃至3の場合において、早期検出フラグの後に受信した地震動警報情報に含まれる信号識別が000以外であるとき、検出エラーが発生したものとして判定する。信号識別が000であることは「地震動警報詳細情報 該当地域あり」を表す。
【0148】
また、実施例3の場合において、早期検出フラグを生成する際に開始/終了フラグに誤りが載っており、正しくは11だったものが00と判断して早期検出フラグを送出したとき、コントローラ16は、早期検出フラグを送出した後に受信した、誤り訂正が行われた地震動警報情報に含まれる開始終了フラグが11であるので、検出エラーが発生したものとして判定する。
【0149】
実施例1として説明したように、AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信して地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する場合、その判定においては、地震動警報詳細情報が有るか無いかは信号識別に基づいて区別されない。実施例2,3の場合も同様である。
【0150】
従って、構成識別が001または110であり、信号識別が001,010,011のうちのいずれかである場合、受信装置1が設置されている地域を対象にした地震が実際には発生していないにもかかわらず、早期検出フラグが受信部12により生成され、警報を出力するための処理がコントローラ16により開始されることになる。
【0151】
上述したように、信号識別の001は「地震動警報詳細情報 該当地域なし」、010は「地震動警報詳細情報の試験信号 該当地域なし」、011は「地震動警報詳細情報の試験信号 該当地域なし」をそれぞれ表す。構成識別が001または110であり地震動警報情報が伝送されてきたとしても、信号識別が001,010,011のうちのいずれかであるときは、受信装置1が設置されている地域を対象にした地震が実際には発生していないことになる。
【0152】
このように、早期検出フラグを受信したが、その後に受信した地震動警報情報に基づいて、受信装置1が設置されている地域を対象にした地震が実際には発生していないことが確認された場合、検出エラーが発生したとして判定される。
【0153】
検出エラーが発生したとステップS13において判定した場合、ステップS14において、コントローラ16は、警報を出力するための処理を停止する。
【0154】
表示部15の起動が終了し、地震動警報情報が受信されるまで黒画を表示する状態になっていた場合、他の画像を表示することなく、受信装置1の状態は、再度、待機状態になる。地震動警報情報の誤検出であったことを通知するメッセージが表示されるようにしてもよい。
【0155】
一方、検出エラーが発生していないとステップS13において判定した場合、ステップS15において、コントローラ16は、地震動警報情報に基づいて警報を出力する。
【0156】
例えば、コントローラ16は、画面表示によって地震に関する情報を通知する場合、地震動警報の対象地域を示す情報に基づいて、地震の発生地域を地図上に表示させたり、地震動警報の震源に関する情報に基づいて、震源を地図上に表示させたり、発生時刻に基づいて、地震の発生時刻を表示する。
【0157】
また、コントローラ16は、音によって地震に関する情報を通知する場合、地震動警報詳細情報として伝送されてきた情報に基づいて地震の発生時刻、地震の発生地域、震源を特定し、それらの情報を通知する音声をスピーカ17から出力させる。
【0158】
ステップS14において警報を出力するための処理が停止された後、または、ステップS15において警報が出力された後、処理は終了される。
【0159】
以上の処理により、コントローラ16は、受信装置1の状態が待機状態にある場合であっても、地震動警報情報を実際に受信する前に、地震に関する情報をユーザに通知するための準備を開始することができる。
【0160】
また、表示部15やスピーカ17の起動を先に行っているから、コントローラ16は、地震動警報情報を受信した後に、迅速に、地震に関する情報をユーザに通知することができる。
【0161】
[変形例]
以上においては、受信部12から出力された早期検出フラグと地震動警報情報がポーリングによってコントローラ16により受信されるものとしたが、受信部12からコントローラ16に直接、早期検出フラグと地震動警報情報が伝送されるようにしてもよい。
【0162】
図9は、受信部12とコントローラ16の接続例を示す図である。
【0163】
図9の例においては、受信部12を実現するLSI(Large Scale Integrated Circuit)のピン12Bと、コントローラ16を実現するLSIの割り込みピン16Aが直接接続されている。
【0164】
受信部12の早期検出フラグ生成回路55(図5)は、地震動警報情報が伝送されてきたことを上述したようにして判定した場合、早期検出フラグを生成する。早期検出フラグ生成回路55により生成された早期検出フラグはピン12Bから出力され、コントローラ16の割り込みピン16Aに入力される。
【0165】
受信部12のCRC回路54から出力された地震動警報情報も同様に、レジスタ12Aに書き込まれるのではなく、ピン12Bから出力され、コントローラ16の割り込みピン16Aに入力される。
【0166】
コントローラ16は、割り込みピン16Aにおいて早期検出フラグが受信された場合、図8を参照して説明した処理を他の処理に優先して開始し、割り込みピン16Aにおいて地震動警報情報が受信された場合、地震に関する情報を出力させる。
【0167】
早期検出フラグや地震動警報情報をポーリングによって受信する場合、ポーリングのタイミングによっては、それらの情報が受信部12のレジスタ12Aに書き込まれたときでも、コントローラ16がすぐに読み出すことができず、遅延が生じることがある。
【0168】
このように、早期検出フラグや地震動警報情報が受信部12からコントローラ16の割り込みピン16Aに直接入力されるようにすることにより、そのような遅延が生じるのを防ぐことができる。
【0169】
<第2の実施の形態>
図10は、図4の地震動警報情報復号回路40の他の構成例を示すブロック図である。
【0170】
図10に示す構成のうち、図2に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0171】
図10に示す地震動警報情報復号回路40の構成は、差動復調回路51、ビット判定回路52、差集合巡回符号復号回路53、CRC回路54の他に、CRC回路61が設けられている点で図2の構成と異なる。図4の同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号は差動復調回路51に入力され、フレーム同期信号は差集合巡回符号復号回路53に入力される。
【0172】
図10の差動復調回路51は、入力されたAC信号を差動復調し、元の情報ビットに対応した信号点の複素信号を生成する。差動復調回路51により差動復調された信号はビット判定回路52に供給される。
【0173】
ビット判定回路52は、差動復調された信号に基づいてビット判定を行う。ビット判定の結果であるビットストリーム化されたAC信号の各ビットは、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53とCRC回路61に供給される。
【0174】
差集合巡回符号復号回路53は、入力されたフレーム同期信号に基づいてAC信号のフレームの先頭を検出する。差集合巡回符号復号回路53は、AC信号の204ビット目まで受信した後、82ビットのパリティビットとして地震動警報情報に含まれる差集合巡回符号による誤り訂正を行い、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。
【0175】
CRC回路54は、差集合巡回符号復号回路53から供給された地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号によるCRCを行い、CRCの成否を表すCRC成否信号と、地震動警報情報を出力する。
【0176】
CRC回路61は、ビット判定回路52から供給された情報を順次受信し、AC信号を構成する最後のビットである204ビット目まで受信せずに、122ビット目まで、すなわちCRC符号の最後まで受信したタイミングで、CRC符号によるCRCを行う。CRC符号の受信には、適宜、図4の同期/フレーム検出回路38から供給されたフレーム同期信号が用いられる。
【0177】
図1を参照して説明したように、AC信号の10ビットのCRC符号は、82ビットのパリティビットより先に伝送されてくるため、10ビットのCRC符号を受信したタイミングで、CRCを行うことは可能である。
【0178】
CRC回路61は、CRCの成否を表すCRC成否信号と地震動警報情報を出力する。CRC回路54によるCRCにかかる時間とCRC回路61によるCRCにかかる時間が同じであるとすると、CRC回路54から出力される前に、CRC回路61から地震動警報情報が出力される。
【0179】
CRC回路54から出力された地震動警報情報と、CRC回路61から出力された地震動警報情報はレジスタ12Aに書き込まれ、コントローラ16により読み出される。
【0180】
また、CRC回路54から出力された地震動警報情報と、CRC回路61から出力された地震動警報情報が、図9を参照して説明したようにして、コントローラ16の割り込みピン16Aに直接入力されるようにしてもよい。
【0181】
このように、図10の地震動警報情報復号回路40においては、CRCに成功した場合、差集合巡回符号による誤り訂正を行わずにCRC回路61から地震動警報情報が出力される。これにより、AC信号を最後まで受信し、差集合巡回符号による誤り訂正を行ってから地震動警報情報を出力する場合に較べて、地震動警報情報をコントローラ16に迅速に伝達することが可能になる。
【0182】
なお、図10においては、CRC回路54とCRC回路61の2つのCRC回路が設けられているが、CRC回路54とCRC回路61の機能を実現する1つのCRC回路が設けられるようにしてもよい。
【0183】
その1つのCRC回路は、CRC符号が受信されたタイミングでCRCを行い、CRC成否信号と地震動警報情報を出力するとともに、地震動警報情報が差集合巡回符号復号回路53から供給されたタイミングでもCRCを行い、CRC成否信号と地震動警報情報を出力する。
【0184】
図11のフローチャートを参照して、図10の地震動警報情報復号回路40を有する受信部12の処理について説明する。
【0185】
図11の処理も、例えば、FFT演算回路35から同期/フレーム検出回路38にAC信号が供給されたときに開始される。
【0186】
ステップS21において、同期/フレーム検出回路38は、FFT演算回路35により復調された信号の所定のサブキャリアからAC信号を抽出し、AC信号の同期信号を検出してOFDMフレームの境界を検出する。同期/フレーム検出回路38は、検出したOFDMフレームの境界位置を表すフレーム同期信号を、AC信号とともに地震動警報情報復号回路40に出力する。
【0187】
同期/フレーム検出回路38から出力されたフレーム同期信号は、地震動警報情報復号回路40の差集合巡回符号復号回路53に供給される。また、同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号を対象として差動復調回路51において差動復調が行われ、ビット判定回路52においてビット判定が行われる。ビット判定回路52から出力された、AC信号を構成する各ビットが、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53とCRC回路61に供給される。
【0188】
ステップS22において、CRC回路61はCRC符号まで受信したか否かを判定し、受信したと判定するまで待機する。
【0189】
CRC符号まで受信したとステップS22において判定した場合、ステップS23において、CRC回路61は、CRC符号によるCRCを行い、CRC成否信号と地震動警報情報を出力する。CRC回路61によりCRC符号が受信された場合、差集合巡回符号復号回路53においても、CRC符号まで受信されている。
【0190】
ステップS24において、差集合巡回符号復号回路53は、AC信号の最後の204ビット目まで受信したか否かを判定し、受信したと判定するまで待機する。
【0191】
AC信号の最後の204ビット目まで受信したとステップS24において判定した場合、ステップS25において、差集合巡回符号復号回路53は、差集合巡回符号による誤り訂正を行う。差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正成否信号を外部に出力するとともに、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。
【0192】
ステップS26において、CRC回路54は、差集合巡回符号復号回路53から供給された地震動警報情報に含まれるCRC符号によるCRCを行い、CRC成否信号と地震動警報情報を出力する。その後、処理は終了される。
【0193】
以上の処理により、地震動警報情報をコントローラ16に迅速に伝達することが可能になる。
【0194】
<第3の実施の形態>
図12は、図4の地震動警報情報復号回路40のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【0195】
図12に示す構成のうち、図2に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0196】
図12に示す地震動警報情報復号回路40の構成は、差動復調回路51、ビット判定回路52、差集合巡回符号復号回路53、CRC回路54の他に、マンチェスタ符号化回路71が設けられている点で図2の構成と異なる。図4の同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号は差動復調回路51に入力され、フレーム同期信号は差集合巡回符号復号回路53に入力される。
【0197】
差動復調回路51は、入力されたAC信号を差動復調し、元の情報ビットに対応した信号点の複素信号を生成する。差動復調回路51により差動復調された信号はビット判定回路52に供給される。
【0198】
ビット判定回路52は、差動復調された信号に基づいてビット判定を行う。ビット判定の結果であるビットストリーム化されたAC信号を構成する各ビットは、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53に供給される。
【0199】
差集合巡回符号復号回路53は、入力されたフレーム同期信号に基づいてAC信号のフレームの先頭を検出する。差集合巡回符号復号回路53は、AC信号の204ビット目まで受信した後、82ビットのパリティビットとして地震動警報情報に含まれる差集合巡回符号による誤り訂正を行い、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。
【0200】
また、差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正成否信号を出力する。差集合巡回符号復号回路53から出力された誤り訂正成否信号は地震動警報情報復号回路40の外部に供給されるとともに、マンチェスタ符号化回路71に供給される。
【0201】
CRC回路54は、差集合巡回符号復号回路53から供給された地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号によるCRCを行い、CRCの成否を表すCRC成否信号と、地震動警報情報を出力する。CRC回路54から出力されたCRC成否信号と地震動警報情報は、地震動警報情報復号回路40の外部に供給されるとともに、マンチェスタ符号化回路71に供給される。
【0202】
マンチェスタ符号化回路71は、差集合巡回符号復号回路53による誤り訂正が成功し、CRC回路54によるCRCが成功したことを検出した場合、CRC回路54から供給された地震動警報情報の一部または全部をマンチェスタ符号化する。差集合巡回符号復号回路53による誤り訂正が成功したか否かは誤り訂正成否信号に基づいて判定され、CRC回路54によるCRCが成功したか否かはCRC成否信号に基づいて判定される。
【0203】
マンチェスタ符号化回路71は、マンチェスタ符号化後の地震動警報情報の先頭に、”00001”などの所定の数のビットからなるプリアンブルを付加し、出力する。
【0204】
マンチェスタ符号化回路71から出力された地震動警報情報はコントローラ16の割り込みピン16Aに入力される。すなわち、図12に示す地震動警報情報復号回路40を有する受信部12は、図9を参照して説明したように、コントローラ16の割り込みピン16Aに接続されるピン12Bを有するLSIにより実現される。
【0205】
マンチェスタ符号化回路71から出力された地震動警報情報を受信したコントローラ16においては、地震に関する情報をユーザに通知するための処理が行われる。
【0206】
上述したように、地震動警報情報がI2Cのレジスタ経由でコントローラ16に供給される場合、ポーリングのタイミングにより遅延が生じる場合がある。地震動警報情報そのものが、コントローラ16の割り込みピン16Aと接続されたLSI(受信部12)のピン12Bから出力されるようにすることにより、ポーリングによる遅延を回避して、地震動警報情報をコントローラ16に迅速に伝達することが可能になる。
【0207】
ここで、画像データや音声データをMPEGデコード部13に供給するためのピンを確保する必要があることなどから、受信部12を実現するLSIに搭載されているピンのうち、地震動警報情報を伝達するためのピンとして多くのピンを割り当てることができない。
【0208】
地震動警報情報をマンチェスタ符号化し、1ビットずつ出力することによって、1つのピンを用いて地震動警報情報をコントローラ16に伝達することが可能になる。マンチェスタ符号によれば、信号レベルが高レベルから低レベル、または低レベルから高レベルに1ビット周期毎に変化するため、コントローラ16においても同期を確保しやすくなる。
【0209】
マンチェスタ符号を利用する場合、0が連続する場合、または1が連続する場合、符号が1ビットずれると1の連続信号が0の連続信号と見なされてしまったり、0の連続信号が1の連続信号と見なされたりする。プリアンブルを付加して出力することによって、地震動警報情報の開始位置をコントローラ16に容易に検出させることができる。
【0210】
マンチェスタ符号の代わりに、NRZ(Non Return to Zero)符号、差動マンチェスタ符号、RZ(Return to Zero)符号、バイポーラ符号等が用いられるようにしてもよい。
【0211】
図13のフローチャートを参照して、図12の地震動警報情報復号回路40を有する受信部12の処理について説明する。
【0212】
図13の処理も、例えば、FFT演算回路35から同期/フレーム検出回路38にAC信号が供給されたときに開始される。
【0213】
ステップS41において、同期/フレーム検出回路38は、FFT演算回路35により復調された信号の所定のサブキャリアからAC信号を抽出し、AC信号の同期信号を検出してOFDMフレームの境界を検出する。同期/フレーム検出回路38は、検出したOFDMフレームの境界位置を表すフレーム同期信号を、AC信号とともに地震動警報情報復号回路40に出力する。
【0214】
同期/フレーム検出回路38から出力されたフレーム同期信号は、地震動警報情報復号回路40の差集合巡回符号復号回路53に供給される。また、同期/フレーム検出回路38から出力されたAC信号を対象として差動復調回路51において差動復調が行われ、ビット判定回路52においてビット判定が行われる。ビット判定回路52から出力された、AC信号を構成する各ビットが、先頭のビットから順に1ビットずつ、差集合巡回符号復号回路53により受信される。
【0215】
ステップS42において、差集合巡回符号復号回路53は、AC信号の最後の204ビット目まで受信したか否かを判定し、受信したと判定するまで待機する。
【0216】
AC信号の最後の204ビット目まで受信したとステップS42において判定した場合、ステップS43において、差集合巡回符号復号回路53は、差集合巡回符号による誤り訂正を行う。差集合巡回符号復号回路53は、誤り訂正成否信号を出力するとともに、誤り訂正を施した地震動警報情報をCRC回路54に出力する。
【0217】
ステップS44において、CRC回路54は、差集合巡回符号復号回路53から供給された地震動警報情報に含まれるCRC符号によるCRCを行い、CRC成否信号と地震動警報情報を出力する。
【0218】
ステップS45において、マンチェスタ符号化回路71は、差集合巡回符号復号回路53による誤り訂正とCRC回路54によるCRCが成功したことを検出した場合、CRC回路54から供給された地震動警報情報をマンチェスタ符号化し、出力する。
【0219】
マンチェスタ符号化された地震動警報情報を割り込みピン16Aにおいて受信したコントローラ16においては、復号処理が行われ、地震に関する情報をユーザに通知するための処理が行われる。その後、処理は終了される。
【0220】
以上の処理により、ポーリングによる遅延が発生するのを回避することができ、地震動警報情報をコントローラ16に迅速に伝達することが可能になる。
【0221】
なお、地震動警報情報自体ではなく、第1の実施の形態において説明した早期検出フラグに対してマンチェスタ符号化が施され、マンチェスタ符号化後の早期検出フラグがコントローラ16の割り込みピン16Aに供給されるようにしてもよい。
【0222】
この場合、図5の早期検出フラグ生成回路55の後段にマンチェスタ符号化回路71が設けられ、マンチェスタ符号化が行われる。マンチェスタ符号化後の早期検出フラグに所定の数のビットからなるプリアンブルがマンチェスタ符号化回路71により付加されるようにすることも可能である。
【0223】
<第4の実施の形態>
上述したような地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定や地震動警報情報の受信が、受信装置1の状態が待機状態にあり、複数セグメント(3セグメントや13セグメント)の受信が要求されていないときに行われるようにすることが可能である。
【0224】
受信装置1の状態が待機状態にあるとき、ISDB−T規格で規定される13セグメントのうち、周波数軸上に並べたときに中央にあるNo.0の1つのセグメントのみが受信部12において選局される。No.0の1つのセグメントのACキャリアの信号に基づいて、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定や地震動警報情報の受信が行われる。
【0225】
図14は、ISDB−T規格で規定される、1つの物理チャンネルに含まれるセグメントを示す図である。
【0226】
ISDB−T規格では、1つの物理チャンネルの周波数帯域(6MHz)が13のセグメントに分割される。各セグメントには、図14において各セグメント内に太線で示すようにACキャリアが設けられる。地震動警報情報は、No.0のセグメントのACキャリアを用いて伝送される。
【0227】
従って、No.0のセグメントのみを受信していれば、上述したような、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定や地震動警報情報の受信を行うことは可能である。
【0228】
これにより、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定や地震動警報情報の受信を行うために13セグメント全体を受信する場合に較べて、受信装置1の消費電力を抑えることが可能になる。ハイビジョンのテレビジョン番組を受信する場合にはNo.0のセグメント以外の12セグメントを受信する必要があるが、画面表示を行わない待機状態においては、No.0のセグメント以外を受信する必要はない。
【0229】
なお、AC信号の構成識別の3ビットは、他のセグメントのACキャリアでもTMCC信号と同一のタイミングで伝送される。No.0のセグメントしか受信しない場合においても、構成識別のビットの変調方式としてはDQPSK変調のようにノイズに強い変調方式が用いられている上、同一の構成識別のビットが複数のACキャリアで伝送されるため、十分な受信性能を得ることが可能となる。
【0230】
受信部12により生成された早期検出フラグがコントローラ16により受信されたタイミング、または受信部12により復号された地震動警報情報がコントローラ16により受信されたタイミングで、13セグメント全体を受信する状態に切り替えられる。
【0231】
図15のフローチャートを参照して、受信状態を切り替える受信装置1の処理について説明する。
【0232】
この処理は、例えば受信装置1の状態が待機状態にあるときに開始される。
【0233】
ステップS51において、受信部12はNo.0のセグメントのみを受信し、No.0のセグメントのACキャリアで伝送される信号に基づいて、地震動警報情報が伝送されてきたか否かの判定や地震動警報情報の受信を行う。すなわち、受信部12においては、図7、図11、図13を参照して説明した処理が行われる。
【0234】
ステップS52において、コントローラ16は、地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定する。例えば、受信部12により生成された早期検出フラグを受信した場合、または、受信部12により復号された地震動警報情報を受信した場合、コントローラ16は、地震動警報情報が伝送されてきたと判定する。
【0235】
地震動警報情報が伝送されてきていないとステップS52において判定された場合、ステップS51に戻り、No.0のセグメントのみの受信が続けられる。
【0236】
一方、地震動警報情報が伝送されてきたとステップS52において判定された場合、ステップS53において、受信部12は、コントローラ16による制御に従って13セグメント全体を受信する。
【0237】
受信装置1の状態は、待機状態からオン状態に切り替わり、表示部15やスピーカ17などの各部も起動する。各部が起動した後、No.0のセグメント以外のセグメントのキャリアによって伝送されてきた情報に基づいて、テレビジョン番組の画像が表示部15に表示され、音声がスピーカ17から出力される。
【0238】
地震動警報情報が伝送されてきたことに応じて待機状態からオン状態になり、画面表示などが自動的に行われるようにすることにより、ユーザに注意を喚起することが可能になる。また、地震に関する情報を、テレビジョン番組の画像に重ねて表示させることが可能になる。
【0239】
<変形例>
以上においては、AC信号を用いて地震動警報情報が伝送される場合について説明したが、地震動警報情報以外の警報情報が所定のフレーム構成を有する送信信号によって伝送される場合に同様の処理が行われるようにしてもよい。警報情報には、例えば、台風などの気象に関する情報、津波に関する情報が含まれる。
【0240】
これにより、警報情報が伝送されてきたことを、その所定のフレーム構成を有する送信信号を最後まで受信する前に検出することができ、また、警報情報が伝送されてきたことをコントローラ16に迅速に伝達することができる。
【0241】
図16は、警報情報を伝送する送信信号のフレーム構成の例を示す図である。
【0242】
図16の例においては、送信信号の先頭に同期信号が付加されている。また、送信信号には、伝送順に、警報情報と冗長信号が含まれる。冗長信号は、CRC符号とパリティビットから構成される。
【0243】
地震動警報情報を伝送するAC信号と対応させて説明すると、図16の同期信号は、同期/フレーム検出回路38により検出される、AC信号の同期信号に対応する。図16の警報情報は、AC信号の先頭から112ビット目までに対応し、図16のCRC符号は、地震動警報情報に含まれる10ビットのCRC符号に対応する。図16のパリティビットは、地震動警報情報に含まれる82ビットのパリティビットに対応する。
【0244】
例えば、警報情報の所定のビットまで受信したタイミングで、警報情報が伝送されてきたか否かが判定され、パリティビットの最後まで受信する前に、警報情報が伝送されてきたことを表すフラグが受信部12からコントローラ16に供給される。
【0245】
これにより、コントローラ16は、警報情報が伝送されてきたことを迅速に検出することができ、警報情報が伝送されてきたことをユーザに通知するための処理などの所定の処理を開始することが可能になる。
【0246】
また、パリティビットを受信する前に、CRC符号の最後のビットまで受信したタイミングでCRCが行われ、パリティビットによる誤り訂正が行われる前に、警報情報の少なくとも一部が受信部12からコントローラ16に供給されるようにしてもよい。
【0247】
[受信システムに適用した例]
図17は、受信部12を適用した受信システムの第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0248】
図17の受信システムは、取得部101、伝送路復号処理部102、および情報源復号処理部103から構成される。
【0249】
取得部101は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送、CATV網、インターネットその他のネットワーク等の図示せぬ伝送路を介して信号を取得し、伝送路復号処理部102に供給する。図4の受信部12は例えば取得部101に含まれる。
【0250】
伝送路復号処理部102は、取得部101が伝送路を介して取得した信号に対して、誤り訂正を含む伝送路復号処理を施し、その結果得られる信号を情報源復号処理部103に供給する。
【0251】
情報源復号処理部103は、伝送路復号処理が施された信号に対して、圧縮された情報を元の情報に伸張し、送信対象のデータを取得する処理を含む情報源復号処理を施す。
【0252】
すなわち、取得部101が伝送路を介して取得した信号には、画像や音声等のデータ量を少なくするために、情報を圧縮する圧縮符号化が施されていることがある。その場合、情報源復号処理部103は、伝送路復号処理が施された信号に対して、圧縮された情報を元の情報に伸張する処理等の情報源復号処理を施す。
【0253】
なお、取得部101が伝送路を介して取得した信号に圧縮符号化が施されていない場合、情報源復号処理部103では、圧縮された情報を元の情報に伸張する処理は行われない。ここで、伸張処理としては、例えば、MPEGデコード等がある。また、情報源復号処理には、伸張処理の他、デスクランブル等が含まれることがある。
【0254】
図17の受信システムは、例えば、デジタルテレビジョン放送を受信するテレビチューナ等に適用することができる。なお、取得部101、伝送路復号処理部102、および情報源復号処理部103は、それぞれ、1つの独立した装置(ハードウェア(IC(Integrated Circuit)等))、又はソフトウェアモジュール)として構成することが可能である。
【0255】
また、取得部101、伝送路復号処理部102、および、情報源復号処理部103については、それらの3つのセットを1つの独立した装置として構成することが可能である。取得部101と伝送路復号処理部102とのセットを1つの独立した装置として構成することも可能であるし、伝送路復号処理部102と情報源復号処理部103とのセットを1つの独立した装置として構成することも可能である。
【0256】
図18は、受信部12を適用した受信システムの第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0257】
図18に示す構成のうち、図17に示す構成と対応する構成については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0258】
図18の受信システムの構成は、取得部101、伝送路復号処理部102、および情報源復号処理部103を有する点で図17の構成と共通し、出力部111が新たに設けられている点で図17の構成と相違する。
【0259】
出力部111は、例えば、画像を表示する表示装置や音声を出力するスピーカであり、情報源復号処理部103から出力される信号としての画像や音声等を出力する。すなわち、出力部111は、画像を表示し、あるいは、音声を出力する。
【0260】
図18の受信システムは、例えば、デジタル放送としてのテレビジョン放送を受信するTVや、ラジオ放送を受信するラジオ受信機等に適用することができる。
【0261】
なお、取得部101において取得された信号に圧縮符号化が施されていない場合、伝送路復号処理部102が出力する信号が、直接、出力部111に供給される。
【0262】
図19は、受信部12を適用した受信システムの第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0263】
図19に示す構成のうち、図17に示す構成と対応する構成については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0264】
図19の受信システムの構成は、取得部101、および伝送路復号処理部102を有する点で図17の構成と共通し、情報源復号処理部103が設けられておらず、記録部121が新たに設けられている点で図17の構成と相違する。
【0265】
記録部121は、伝送路復号処理部102が出力する信号(例えば、MPEGのTSのTSパケット)を、光ディスクや、ハードディスク(磁気ディスク)、フラッシュメモリ等の記録(記憶)媒体に記録する(記憶させる)。
【0266】
以上のような図19の受信システムは、テレビジョン放送を録画するレコーダ機器等に適用することができる。
【0267】
なお、情報源復号処理部103を設け、情報源復号処理部103で情報源復号処理が施された後の信号、すなわち、デコードによって得られる画像や音声を記録部121で記録するようにしてもよい。
【0268】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0269】
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0270】
CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153は、バス154により相互に接続されている。
【0271】
バス154には、さらに、入出力インタフェース155が接続されている。入出力インタフェース155には、キーボード、マウスなどよりなる入力部156、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部157が接続される。また、入出力インタフェース155には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部158、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部159、リムーバブルメディア161を駆動するドライブ160が接続される。
【0272】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU151が、例えば、記憶部158に記憶されているプログラムを入出力インタフェース155及びバス154を介してRAM153にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0273】
CPU151が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア161に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部158にインストールされる。
【0274】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0275】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0276】
1 受信装置, 11 アンテナ, 12 受信部, 13 MPEGデコード部, 14 画像重畳部, 15 表示部, 16 コントローラ, 17 スピーカ, 18 リモートコントローラ受光部, 38 同期/フレーム検出回路, 40 地震動警報情報復号回路, 51 差動復調回路, 52 ビット判定回路, 53 差集合巡回符号復号回路, 54 CRC回路, 55 早期検出フラグ生成回路, 61 CRC回路, 71 マンチェスタ符号化回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰する受信手段を備える
受信装置。
【請求項2】
前記一部のセグメントは、ISDB-T規格で規定されるNo.0のセグメントであり、
前記受信手段は、前記警報情報が伝送されてきたとき、13セグメント全体の受信を開始する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記警報情報は、ISDB-T規格で規定されたAC信号で伝送される地震動警報情報である
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記AC信号の2ビット目から4ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定し、受信した3ビットが001または110である場合、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力する
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記AC信号の2ビット目から、5ビット目乃至17ビット目のビット列により表される前記地震動警報情報の同期信号の所定のビットまで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定し、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、前記同期信号を表すビット列の一部が既知のビット列の一部と一致するとき、または、前記同期信号を表すビット列の全部が既知のビット列の全部と一致するとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力する
請求項3に記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信手段は、前記AC信号の2ビット目から、18ビット目まで、または19ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定し、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、18ビット目の1ビットが0のとき、または18ビット目と19ビット目の2ビットが00のとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力する
請求項3に記載の受信装置。
【請求項7】
前記受信手段は、さらに、前記AC信号の20ビット目、または20ビット目と21ビット目を受信する
請求項6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記受信手段は、前記AC信号の2ビット目から24ビット目まで受信した時、前記地震動警報情報が伝送されてきたか否かを判定し、2ビット目から4ビット目までの3ビットが001または110である場合において、22ビット目から24ビット目までの3ビットが000のとき、前記地震動警報情報が伝送されてきたと判定して前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグを出力する
請求項3に記載の受信装置。
【請求項9】
前記受信手段は、前記AC信号を構成する113ビット目から122ビット目までの前記CRC符号を受信した時、前記CRC符号を用いて前記地震動警報情報のビットの誤りを検出し、誤りがない場合、前記地震動警報情報を出力する
請求項3に記載の受信装置。
【請求項10】
前記地震動警報情報が伝送されてきたと前記受信手段により判定され、前記地震動警報情報が伝送されてきたことを表す検出フラグ、または前記地震動警報情報の少なくとも一部が前記受信手段から出力されたことに応じて、警報を出力するための処理を開始する制御手段をさらに備える
請求項3に記載の受信装置。
【請求項11】
前記受信手段は、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を、前記受信手段自身が実装される第1の半導体チップ内のレジスタに記憶させ、
前記制御手段は、前記第1の半導体チップとは異なる第2の半導体チップに実装され、前記レジスタの記憶内容を所定の周期で確認し、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部が前記レジスタに記憶されたことを確認した場合、警報を出力するための処理を開始する
請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記受信手段は、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を、前記受信手段自身が実装される第1の半導体チップのピンから、前記制御手段が実装される第2の半導体チップのピンに出力し、
前記制御手段は、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部が前記第2の半導体チップのピンに入力された場合、警報を出力するための処理を開始する
請求項10に記載の受信装置。
【請求項13】
前記受信手段は、前記検出フラグまたは前記警報情報の少なくとも一部を所定の符号化方式で符号化し、符号化後の情報を、所定のビット数のプリアンブルを付加して前記第1の半導体チップのピンから出力する
請求項12に記載の受信装置。
【請求項14】
1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰する
ステップを含む受信方法。
【請求項15】
1つの物理チャネルの周波数帯域を分割した複数のセグメントのうちの一部のセグメントで警報情報を伝送することが可能とされている場合において、装置の状態が待機状態にあるとき、前記一部のセグメントのみを受信し、前記警報情報が伝送されてきたとき、前記待機状態から起動状態に復帰する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−171880(P2011−171880A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32126(P2010−32126)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】