説明

受信装置、送信装置及び通信方法

【課題】無料RMPのコンテンツを速やかに視聴することができると共に、有料放送も視聴が可能な受信装置、送信装置、受信方法を提供する。
【解決手段】 放送信号からスクランブル鍵(Ks)で暗号化されたコンテンツと、番組情報(ECM)と契約に関わる個別情報(EMM)を出力する受信部(102)と、制御モジュール(151)と通信を行うI/F部と、番組情報(ECM)を処理して第1鍵情報を出力する第1ECM処理部(111)と、制御モジュールでは個別情報(EMM)を受け番組情報(ECM)を復号するための鍵を記憶し、番組情報(ECM)を受け復号鍵で復号して第2鍵情報を出力する第2ECM処理部(153)と、第1又は第2ECM処理部から出力された第1又は第2鍵情報を選択又は演算処理してスクランブル鍵(Ks)を出力する制御部(114)と、制御部から出力されたスクランブル鍵(Ks)により暗号化されたコンテンツを復号して出力するデスクランブラ部(103)をもつ受信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツを送信装置から受信装置で受信する受信装置、送信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信衛星や放送衛星を用いた衛星デジタル放送や地上波デジタル放送が行われている。衛星デジタル放送では有料放送が行われており、契約者に対してチャンネル単位、番組単位、時間単位など様々な方法で視聴制御を可能にする限定受信システムが運用されている。
【0003】
特許文献1は、限定受信システムの例を開示しており、利用者の契約状態等に応じた個別契約情報を、放送局側から放送信号を使って受信装置に伝送し、受信装置や受信装置に挿入されているICカードに設定するものである。
【0004】
各受信装置に伝送する個別の視聴契約情報は、EMM(Entitlement Management Message)と呼ばれている。このEMMには“受信装置固有のID(Identification)”が付加されている。EMMは、“受信装置固有のID”毎にユニークなマスター鍵(Km)により暗号化された後、放送信号に多重されて放送局側のセンタ装置から各受信装置へ伝送される。
【0005】
また、映像、音声、データ等のコンテンツは、スクランブル鍵(Ks)によりスクランブル化された後、放送信号に多重されて放送局側のセンタ装置から各受信装置へ伝送される。
【0006】
スクランブル鍵(Ks)はEMMの一部として伝送されるワーク鍵(Kw)によって暗号化された後、ECM(Entitlement Control Message)として放送信号に多重されて放送局側のセンタ装置から各受信装置へ伝送される。
【0007】
現在、国内のデジタル放送はARIB(電波産業会)で規格化された方式で運用されており、限定受信方式としてはARIB STD-B25で上述したようなECM、EMMを利用した3重鍵構造でICカードを使用した限定受信方式が規定されている。
【0008】
BS/110°CS放送では有料放送における視聴制御のために上記限定受信方式を採用しており、地上デジタル放送では視聴自体は無料であるが、限定受信方式をRMP(Rights Management & Protection)方式として利用している。このためにこの方式を無料のRMPとして使用している。
【特許文献1】特許第2941398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような電波による放送とは別にネットワーク機能を備えたデジタル放送受信装置に対してネットワーク経由でのコンテンツ配信を行う場合の限定受信方式として放送と同様にICカードを使用した方式が考えられる。この場合、電波とネットワークという伝送媒体特性の違いや運用形態の相違により限定受信システムとしては異なるものになることが想定される。
【0010】
ネットワーク経由でのコンテンツ配信ではVOD(Video On Demand)や自主放送の他、地上デジタル放送の電波が届かない地域向けに地上デジタル放送の再送信サービスも行われることが想定される。
【0011】
しかし、現在受信装置のICカードのスロットは1つのものがほとんどであり、今後もコストなどの関係からこの状況は変わらないため、VOD等と再送信をそれぞれ別のICカードで処理するようなシステムは成り立たず、再送信サービス部分もネットワーク配信での限定受信システムを使用する必要がある。
【0012】
しかし、放送における限定受信システムでは限定受信用のICカードを受信装置に同梱するという運用スキームをとっているため、単なるRMP利用としてICカードを使用している地上デジタル放送では受信機を購入後特別な契約等はなしに即番組が視聴可能な状態になっている。
【0013】
しかし、ネットワーク配信用の限定受信システムではこのようなICカードを同梱するスキームは想定していないため、まず契約によりICカードを入手することからはじめる必要がある。従って、受信機を購入して設置した後、すぐ放送を視聴することができないという問題がある。特に地上デジタル放送は基幹放送であり、ネットワークでの再送信の場合でも受信機購入後、すぐに視聴可能な状態にすることが要望される。
【0014】
本発明は、このようなRMP方式によって保護された地上デジタル放送のコンテンツを速やかに視聴することができると共に、有料番組として放送されるコンテンツも視聴が可能な受信装置、送信装置、受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
課題を解決するための一実施形態は、
受信した放送信号からスクランブル鍵(Ks)で暗号化されたコンテンツと、コンテンツの視聴制御に関わる番組情報(ECM)と、契約に関わる個別情報(EMM)を出力する受信部(102)と、
前記コンテンツの視聴制御及び契約管理を行う着脱可能な制御モジュール(151)と通信を行うI/F部(112)と、
前記番組情報(ECM)を処理して第1鍵情報を出力する第1ECM処理部(111)と、
前記制御モジュールでは、前記I/F部を介して前記個別情報(EMM)を受け、前記番組情報(ECM)を復号するための鍵を記憶し、前記番組情報(ECM)を受け、復号鍵で復号して第2鍵情報を出力する第2ECM処理部(153)と、
前記第1ECM処理部又は第2ECM処理部から出力された前記第1又は第2鍵情報を選択または演算処理して前記スクランブル鍵(Ks)を出力する制御部(114)と、
前記制御部から出力された前記スクランブル鍵(Ks)により前記暗号化されたコンテンツを復号して出力するデスクランブラ部(103)と、
を具備することを特徴とする受信装置である。
【発明の効果】
【0016】
契約による有料放送をICカード等を用いて確実に受信できる一方で、地上波デジタル放送等の単なるRMP利用の場合は内蔵のECM処理部でECMを処理することで購入後速やかにこの放送を受信することが可能な送信装置、受信装置、受信方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
<本発明の一実施形態である送受信システム>
(受信装置の構成)
初めに、受信装置の構成を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
本発明の一実施形態であるデジタル放送受信装置101は、図1において、チューナ部102と、デスクランブラ103と、TSデコード部104と、映像音声デコード部105と、表示処理部106と、通信処理部107と、制御部108と、キー入力部109と、リモコン110と、ECM処理部111と、ICカードI/F(インターフェース)部112と、メモリ部113と、K制御部114から構成されている。以下、各部の特徴及び動作を説明する。
【0020】
チューナ部102は、デジタル放送受信装置101に入力された放送波から所望のチャンネルを選局し、この選局したチャンネルのトランスポートストリーム(以下、TSと記す)をデスクランブラ103へ出力する。TSはコンテンツ保護のためにスクランブルされている。
【0021】
デスクランブラ103は、チューナ部102又は通信処理部107から入力されたTSをデスクランブルしてTSデコード部104へ出力する。
【0022】
TSデコード部104は、デスクランブラ103から入力されたTSから必要なパケットを分離し、この分離したパケットから更に、放送番組信号(映像、音声)の抽出や各種多重データ(各種SI(Service Information)データやECM,EMM等)を分離する。また、TSデコード部104は、分離した放送番組信号(映像、音声)は映像音声デコード部105へ出力する。
【0023】
映像音声デコード部105は、TSデコード部104から入力された放送番組信号(映像、音声)のデコードを行い、表示処理部106へ出力する。
【0024】
表示処理部106は、映像音声デコード部105から入力された放送番組信号(映像、音声)を図示しない外部のモニタへ出力し表示・音声再生させる。また、表示処理部106は、ユーザとのインターフェース機能を果たすために各種エラー情報の表示画像信号を生成し、この生成した画像信号を放送番組信号(映像、音声)に代えて出力、或いは放送番組信号(映像、音声)と合成して出力する機能を有している。また、表示処理部106は、TSデコード部104で分離されたSIデータから構成されたEPG画像信号を生成し、この生成した画像信号を放送番組信号(映像、音声)に代えて出力、或いは放送番組信号(映像、音声)と合成して出力する機能を有している。
【0025】
通信処理部107は、Ethernet(登録商標)等のネットワーク回線に接続され、ネットワークを介してデータの送受を行うものであり、コンテンツ配信事業者のサーバーからコンテンツの受信、ECMやEMMを受信する機能を有する。
【0026】
制御部108は、デジタル放送受信装置101全体を制御する制御部であり、バス接続やシリアル通信接続等で接続されたデジタル放送受信装置101内の各ブロックによる機能を制御する。
【0027】
キー入力部109は、リモートコントローラ(リモコン)110等のユーザインターフェース機器からの例えば赤外線等による遠隔操作信号を受信する機能を有している。
【0028】
ECM処理部A111は、例えばRMP利用の放送に応じたECM処理を行なうものであり、後述するECM制御フラグにより、処理すべきと判断されたECMを選択的に処理する。
【0029】
制御部114は、制御部108と連携して、上述したようなECM、EMMを利用した3重鍵構造の復号処理等を制御する。
【0030】
ICカード151は、コンテンツの視聴制御及び契約管理を行うCAS(Conditional Access System)モジュールである。
【0031】
I/F部152は、ICカード151に内蔵されており、ICカードI/F部112と通信を行なう。
【0032】
ECM処理部153は、ICカード151に内蔵されており、ECMを復号してスクランブル鍵Kを取得する。
【0033】
EMM処理部154は、ICカード151に内蔵されており、“マスター鍵(Km)”によりEMMを復号して、ワーク鍵(Kw)等の契約により取得される情報を取得する。
【0034】
メモリ155は、ICカード151に内蔵されており、“マスター鍵(Km)”等が格納され、さらにEMM処理部で取得したワーク鍵(Kw)等も記憶する。
【0035】
(送信装置の構成)
次に、送信装置の構成を図面を用いて説明する。
【0036】
送信装置200は、図2に示すように、コンテンツをスクランブル鍵Kでスクランブル処理するスクランブラ201と、スクランブル鍵Kをの生成とECM生成部にスクランブル鍵Kから演算した鍵情報の生成を行うKs生成部生成部203、ECM生成部から入力される鍵情報とコンテンツの視聴制御に関わる番組情報をワーク鍵Kwで暗号化したECMを生成するECM生成部202、各ユーザの契約に関わる個別情報とワーク鍵をユーザ個別の鍵Kmiで暗号化したEMMを生成するEMM生成部204とを有する。更に、送信装置200は、スクランブルされたコンテンツとECM,EMM等のデータを多重化する多重化部205と、放送信号に搬送させて上記のコンテンツ信号等を送信するデジタル変調部206と、インターネット等のネットワークを介して上記のコンテンツ信号等を受信装置101に送信するネットワーク通信部207を有している。
【0037】
(ECM)
次に、上述したコンテンツの視聴制御に関わる番組情報であるECMのデータ構造を図面を用いて説明する。図3及び図4にECMの構成例を示す。
【0038】
ECMセクションは、図3に示すように、ECMセクションヘッダとECM本体とCRC誤り検出とからなる。ECM本体は、ECM非暗号化ヘッダと、ECM暗号化ヘッダと、ECM可変部と改ざん検出とからなる。
【0039】
特に、ECMの処理先識別を指標するために設けているECM本体のECM非暗号化ヘッダ部分のECM制御フラグ以外はARIB STD−B25に記載されるECMの項目と同等の機能を有するものである。。
【0040】
このECM制御フラグは、ECMの非暗号部分に記載される処理先識別はECM処理部A,Bのどちらで処理するECMを含んでいるかを示すフラグであり、例えばビットマップとして表現し、一例として、0×01であればECM処理部Aで処理するECMがあることを示し、0×02であればECM処理部Bで処理するECMがあることを示し、0×03であればECM処理部A,Bで処理するECMがともにあることを示すようにコーディングされる。
【0041】
制御部では受信したECMのこの領域を参照し、ECM処理部A又はECM処理部Bに必要な部分を入力するような制御機能を有する。
【0042】
(送信装置及び受信装置での通信処理)
上述した送信装置及び受信装置の間の通信処理を図5及び図6のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0043】
・送信処理
初めに、送信装置200の送信処理について、図面を用いて説明する。
【0044】
映像、音声、データ等のコンテンツは、コンテンツスクランブラ部201でスクランブル鍵(Ks)によりスクランブル化され、多重化部203に供給される。
【0045】
一方、EMM(Entitlement Management Message)は、各受信装置に伝送する個別の視聴契約情報である。このEMMデータには“受信装置固有のID(Identification)”が付加されている。番組情報であるEMMデータは、EMM生成部202で生成され、 “受信装置固有のID”毎にユニークなマスター鍵(Km)により暗号化された後、多重化部203でスクランブル化されたコンテンツ等と共に放送信号に多重される。
【0046】
スクランブル鍵(Ks)は、EMMの一部として伝送されるワーク鍵(Kw)によって暗号化された後、ECM生成部202により、ECM(Entitlement Control Message)が生成される。このとき、非暗号部分に上述したECM制御フラグである指定情報が付加される。ECMは、多重化部203にて、放送信号に多重される。
【0047】
多重化された放送信号は、送信部204において、アンテナを介して送信される。又、通信部205によって、インターネット等の通信路を介して、各受信装置に供給される。
【0048】
・受信処理
次に、受信装置101での受信処理について、図面を用いて説明する。
【0049】
チューナ102により放送信号として受信されると、TSデコード部104等により、スクランブル鍵(Ks)で暗号化されたコンテンツと、コンテンツの視聴制御に関わる番組情報(ECM)と、契約に関わる個別情報(EMM)とが抽出される。
【0050】
同様に、通信処理部107がインターネット等の通信路を介して、上述したコンテンツ信号(スクランブルされたコンテンツ信号にEMM,ECM等が多重された信号)を取得すると、TSデコード部104等により、同様に、スクランブル鍵(Ks)で暗号化されたコンテンツと、コンテンツの視聴制御に関わる番組情報(ECM)と、契約に関わる個別情報(EMM)とを抽出する。
【0051】
制御部108及びK制御部114は、TSデコード部104でTSから分離されたEMMを、ICカードI/F部112を介してICカード151内のI/F部152へ出力する。
【0052】
制御部108及びK制御部114は、一例として図5のフローチャートに示すように、番組情報であるECMの上述した指定情報であるECM制御フラグの値(0×01,0×02等)を解析する(ステップS11)。そして、解析結果に応じて、あて先を受信機内のECM処理部A111又はICカード151内のI/F部152へ選択的に出力する(ステップS12)。
【0053】
ステップS12にて制御部108及びK制御部114がカードをあて先と判断すると、このECMがICカード151内のI/F部152に供給される。ICカード151内のI/F部152は、このECMをECM処理部B153に引き渡す。ECM処理部B153では、不揮発性メモリ155に記憶しているワーク鍵(Kw)でこのECMを復号して、番組の視聴が可能か否かの判定後、視聴可能な場合にはスクランブルを解くための鍵情報をデジタル放送受信装置101内のICカードI/F部112へ出力する(ステップS13)。このワーク鍵はICカードI/F部112から入力されたEMMが、EMM処理部154でメモリ155に記憶している“マスター鍵(Km)”用いて復号されることにより取得され、不揮発性メモリ155に記憶される。
【0054】
一方、ステップS12にて制御部108及びK制御部114が受信機内のECM処理部A111をあて先と判断すると、ECM処理部A111に制御部108の制御により受信したECMが入力される。ECM処理部A111ではメモリ113に記憶しているワーク鍵(Kw)でこのECMを復号する(ステップS13)。このワーク鍵(Kw)はたとえば受信機製造時にあらかじめ記憶される。そして、番組を視聴可能か否かの判定後、視聴可能な場合にはスクランブルを解くための鍵情報をK制御部114に供給する。
【0055】
制御部114では、ECM処理部A、ECM処理部Bの少なくともいずれかから入力された鍵情報を、図6のフローチャートに示すように、ECMの入力データ数を判断する(ステップS21)。そして、“1”であれば、スクランブル鍵Ksをデスクランブラ103にセットする。ここで、“2”であれば、二つの入力を演算してスクランブル鍵Ksを算出し、このスクランブル鍵Ksをデスクランブラ103にセットする(ステップS22)。
【0056】
この演算は例えば2つの入力の排他的論理和であり、その他、四則演算や一方を鍵、もう一方をデータとして暗号演算をおこなった結果としてもよい。排他的論理和の場合、入力が1の場合は、他方を0とすることでそのままの値が出力されるため、入力数の判定を演算処理に含める構成にしてもよい。
【0057】
制御部114の制御により、スクランブル鍵(Ks)がデスクランブラ103にセットされることにより、デスクランブラ103にてコンテンツのデスクランブルが行われて、コンテンツは視聴可能となる。
【0058】
デスクランブラ103で復号されたコンテンツは、TSデコード部104、映像音声デコード部105、表示処理部106によりそれぞれ映像処理された後に、モニタ等の画面上に再生されるものである。
【0059】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係る通信処理により、有料コンテンツを視聴するためのECMはICカード内でのECM処理で行い、RMP利用のコンテンツに対しては内蔵されたECM処理部でECMを処理する構成にすることにより、このコンテンツを速やかに視聴することができる受信装置、送信装置、受信方法を提供することができる。
【0060】
(他の実施形態)
また、他の実施例として、上述したようにKs制御部114や制御部108により、ECMの供給先を判断して供給するのではなく、全てのECMを制御部108からそのままECM処理部A111及びECM処理部B153に入力してもよい。この場合、各ECM処理部A111とECM処理部B153にて、自身が処理すべきECMがあるかどうかをECM制御フラグに基づき判定し、自身が処理すべきECMがあった場合にはそのECMを処理するとした動作を行なうことも好適である。
【0061】
すなわち、この実施形態では、ECM処理部A111及びECM処理部B153に、ECMの非暗号部分に記載されるECM制御フラグの処理先識別を解釈する機能をもたせるものであり、たとえば複数のカードがあった場合にカード毎に処理先を指定するようなことが可能となる。
【0062】
以上説明したようにこの発明によれば、RMP利用の地上デジタル放送のネットワークでの再送信とVOD等の有料コンテンツ配信等の共存が比較的容易でかつユーザの利便性を考慮した限定受信システムを提供することが可能になる。
【0063】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る受信装置が用いるECMの構成の一例を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係る受信装置が用いるECMの構成の他の一例を示す説明図。
【図5】本発明の一実施形態に係る受信装置の受信処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に係る受信装置のECMの処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
101…デジタル放送受信装置、102…チューナ部、103…デスクランブラ、104…TSデコーダ部、105…映像音声デコード部、106…表示処理部、107…通信処理部、108…制御部、109…キー入力部、111…ECM処理部A、112…ICカードI/F部、113…メモリ、114…KS制御部、151…ICカード、152…I/F部、153…ECM処理部、154…EMM処理部、155…メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した放送信号からスクランブル鍵で暗号化されたコンテンツと、コンテンツの視聴制御に関わる番組情報と、契約に関わる個別情報を出力する受信部と、
前記コンテンツの視聴制御及び契約管理を行う着脱可能な制御モジュールと通信を行うI/F部と、
前記番組情報を処理して第1鍵情報を出力する第1ECM処理部と、
前記制御モジュールでは、前記I/F部を介して前記個別情報を受け、前記番組情報を復号するための鍵を記憶し、前記番組情報を受け、復号鍵で復号して第2鍵情報を出力する第2ECM処理部と、
前記第1ECM処理部又は第2ECM処理部から出力された前記第1又は第2鍵情報を選択または演算処理して前記スクランブル鍵を出力する制御部と、
前記制御部から出力された前記スクランブル鍵により前記暗号化されたコンテンツを復号して出力するデスクランブラ部を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記デスクランブラからの復号信号を表示又は記録する処理部を更に有することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記受信部が受信した番組情報を、前記番組情報に含まれる指定情報に応じて前記第1ECM処理部又は前記第2ECM処理部の一方に供給する手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
前記第1ECM処理部は、前記番組情報の非暗号部分に含まれる制御フラグを判別することで前記番組情報を前記第1ECM処理部で処理すべきかを判断し、前記第2ECM処理部も、前記番組情報の非暗号部分に含まれる制御フラグを判別することで前記番組情報を前記第2ECM処理部で処理すべきかを判断することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項5】
コンテンツをスクランブル鍵で暗号化する暗号化部と、
前記スクランブル鍵をそのまま第1鍵情報として、または前記スクランブル鍵から演算し生成した第1鍵情報、第2鍵情報の2つの鍵情報を選択出力する鍵生成部と、
前記第1鍵情報又は第2鍵情報の少なくともいずれかをワーク鍵で暗号化した番組情報を生成し、この番組情報の非暗号部分に受信機での処理単位を指定する情報を付加するECM生成部と、
前記ECM生成部の暗号化に使用するワーク鍵を含む個別情報を生成するEMM生成部と、
前記スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記番組情報と、前記個別情報を、放送波に重畳して送信し、又は、通信路を介して送信する送信部と、
を具備することを特徴とする送信装置。
【請求項6】
送信装置からのコンテンツを受信装置で受信する通信方法であって、
送信装置において、コンテンツをスクランブル鍵で暗号化し、
前記スクランブル鍵を演算して、第1鍵情報又はこれと異なる第2鍵情報を出力、またはスクランブル鍵をそのまま第1鍵情報として出力し、
前記第1鍵情報又は第2鍵情報を暗号化した番組情報を生成し、さらにこの番組情報の非暗号分に受信装置での処理先を指定する指定情報を付加し、
前記暗号化した鍵と契約にかかる情報を個別情報として生成し、
前記スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記番組情報と、前記個別情報を放送信号に重畳して送信し、
一方、受信装置において、
前記放送信号を受信しここから前記スクランブル鍵で暗号化されたコンテンツと、前記番組情報と、前記個別情報を抽出し、
前記番組情報に含まれる前記指定情報に応じて、前記番組情報を受信装置本体中に設けられた第1ECM処理部又は受信装置本体に着脱可能な制御モジュールの中に設けられた第2ECM処理部の一方に選択的に供給し、又は、前記指定情報に関わらず双方に供給し、
前記第1ECM処理部又は前記第2ECM処理部では選択供給された場合にはこのECMを処理し、選択されずに供給された場合には前記指定情報に応じて対応する部分を選択して処理して鍵情報を出力し、
前記鍵情報を選択または演算処理して前記スクランブル鍵として出力し、
前記スクランブル鍵により前記暗号化されたコンテンツを復号して出力することを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−92187(P2008−92187A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269521(P2006−269521)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】