説明

受動キーパッドにおける入力範囲間での区別化

【課題】受動キーパッドにおける入力範囲間での区別化をする。
【解決手段】スイッチS1...Snを有する受動回路網100のスイッチ投入を処理する方法および回路。受動回路網100は、スイッチ投入に応じて出力電圧を発生する。この回路は、受動回路網に結合され、出力電圧を基準電圧と比較する比較回路206を備えている。比較回路に結合されたデコーダ212は、出力電圧が所定の範囲内にある場合、スイッチ投入を復号化し、出力電圧が所定の範囲内にない場合、前記スイッチ投入を復号化しない。この回路は、意味あるキープレスの適切な処理ができると同時にうっかりとやったあるいは不注意なキープレスを無視し、それによって電力およびプロセッサ時間を確保する受動回路網キーパッドの入力範囲間で区別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受動キーパッド(passive keypads)に関するものである。より詳細には、本発明は、受動キーパッドの様々な入力範囲(input ranges)間で区別する(differentiating)新規の改良された方法および回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
受動回路網キーパッドは、ユーザ入力装置として使用するために当技術で周知である。このような受動回路網キーパッドの1つの例は抵抗はしご形回路網である。当技術で公知であるように、抵抗はしご形(ladder)回路網は直列に接続された複数の抵抗器を含み、各抵抗器はそれぞれのスイッチを介して電源に選択的に結合されている。抵抗はしご形回路網100の典型的な構成が図1に示されている。電源102は、一般的には電圧源あるいは電流源およびプルアップ(pull-up)抵抗器を含んでいる。抵抗器R1〜Rnは直列に結合されている。スイッチS1〜Snは、はしご形回路網において「より高い」(すなわち、直列構成において電源102により接近している)抵抗器を側路あるいは分路するために結合され、一方はしご形回路網において「より低い」(すなわち、直列構成において電源102からより遠くに離れる)全ての残りの抵抗器を介して電源102を結合する。スイッチS1〜Snの中の1つが閉じられる場合、対応する電圧Voutは抵抗はしご100の出力端子両端間に生じる。出力電圧Voutの大きさはどのスイッチS1〜Snが閉じられたかによって決まる。
【0003】
例えば、スイッチS3が閉じられる場合、電源102からの電流は、S3を介して流れ、抵抗器R1およびR2を側路する。この電流はR3〜Rnを介して流れる。したがって、オームの法則によって、いかなるスイッチSxの投入に対しても出力電圧Voutは等しい。
【数1】

【0004】
ここで、iは電源102によって発生された電流に等しく、nは抵抗はしごのスイッチの全数であり、Rjは抵抗はしごの第j番目の抵抗器である。
【0005】
各スイッチに対する予想出力電圧を計算し、それによってどのスイッチが押されているかを決定することは容易であるので、抵抗はしご形回路網は受動回路網キーパッドを符号化する便利な方法である。さらに、受動回路網は、機能のための能動部品を全然必要としないので、この部品は、その静的状態の場合、電力を全く消費しないために携帯電子装置での使用に対して望ましい。したがって、受動回路網キーパッドは、セルラあるいはPCS帯域無線電話のような無線通信装置の入力装置として使用するのに特に適している。
【0006】
しかしながら、無線通信装置の受動回路網キーパッドを使用することの1つの欠点は、受動回路網キーパッドは出力としてアナログ電圧レベルだけを発生するということである。それ自体、アナログ電圧レベルは、どのキーが押されたかを決定するために復号化されねばならない。どのキーが押されたかを復号化することは、電流を消費し、それによって無線通信装置の電池を枯渇させるプロセッサの動作を必要とする。さらに、どのキーが押されたかを復号化することも、プロセッサがキーが押された時間に実行できる他の機能から離れて時間をとるプロセッサ時間を必要とする。キープレスが意図しないものあるいは不必要である場合、どのキーが押されたかを復号化するためにプロセッサによって消費された電流および時間は無駄にされる。
【0007】
無線通信装置の典型的な受動回路網キーパッドの付加的欠点は、プロセッサがキープレスを検出するために若干の所定の間隔でキーパッドの出力のアナログ/ディジタル変換器(ADC)をポーリング(polling)しなければならないということである。キーが全然押されない場合、プロセッサはキーパッドADCをポーリングする程度まで、プロセッサ時間および電流も不必要に使用する。
【0008】
必要とされることは、意味があるキープレスの適切な処理を可能にする受動回路網キーパッドの入力範囲間を区別すると同時に意図しないキープレスあるいは不必要なキープレスを無視し、キーパッドの過度のポーリングを避け、それによって電力およびプロセッサ時間を確保する方法および回路である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、スイッチを有する受動回路網のスイッチ投入を処理する新規で、改良された方法および回路である。受動回路網は、スイッチ投入に応じて出力電圧を発生する。この回路は、受動回路網に結合され、出力電圧を基準電圧と比較する比較回路を含む。比較回路に結合されたデコーダは、出力電圧が所定の範囲内にある場合、スイッチ投入を復号化し、出力電圧が所定の範囲内にない場合、前記スイッチ投入を復号化しない。
【0010】
好ましい実施形態では、比較回路は少なくとも1つの比較器を備え、各比較器は受動回路網に結合された第1の入力を有する。それぞれの基準電圧発生器は、比較器の各々の第2の入力に結合される。基準電圧発生器の各々は、所定の範囲を規定するそれぞれの基準電圧を発生する。
【0011】
一つの実施形態では、比較回路は、比較器出力の各々に結合された範囲決定論理回路をさらに備える。この範囲決定論理は、受動回路網によって発生された出力電圧の異なる範囲間で識別する。
【0012】
さらに好ましい実施形態では、比較回路は、第1の所定のスイッチのサブセットが閉じられる場合だけ比較信号を発生する第1の比較器と、第2の所定のスイッチのサブセットが閉じられる場合だけ比較信号を発生する第2の比較器とを備えている。本実施形態では、比較回路は、出力電圧が所定のスイッチのサブセットに対応する所定の範囲内にある場合だけデコーダに対する割り込み信号を発生する。所定のスイッチのサブセットは電力スイッチを含んでもよい。このような場合、比較回路は、電力スイッチが閉じられる場合だけデコーダに対する割り込み信号を発生する。
【0013】
他の実施形態では、この回路は、デコーダに結合され、前記スイッチ投入を復号化するデコーダに応じて受動回路網の入力電圧を変更するコントローラをさらに備えている。受動回路網の入力電圧を変えることによって、出力電圧範囲は同様に変えられる。結果として、割り込みを発生するスイッチのサブセットは所与の比較基準電圧に対して変更される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】抵抗はしご形回路網の回路レベル図。
【図2】本発明の回路の機能ブロック図。
【図3】図2の基準電圧発生器および比較器の好ましい実施形態の回路レベル図。
【図4】本発明の方法のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の特徴、目的および長所は、同じ参照文字が全体に相応して識別する図面とともに行われる場合の詳述された詳細な説明からより明らかになる。
【0016】
本発明は、キーパッドのような、ユーザ入力を符号化するために受動回路網を使用するいかなる携帯あるいは固定の電子装置にも応用可能である。したがって、本発明は、電池電力およびプロセッサ計算時間を保持することが望ましい無線通信装置のような携帯電子装置に特に応用可能である。ここで規定されているように、「キープレス」は、ユーザ入力の任意の付勢、例えば、標準電話キーパッド上の機械キースイッチを押すことを意味する。
【0017】
次に、図2を参照すると、本発明の回路の機能ブロック図が示されている。抵抗はしご形回路網100および電源102は図1に関して説明される抵抗はしご形回路網100および電源102と同じである。したがって、電圧Voutの大きさは、どのスイッチS1〜Snが閉じられたかによって決まる。
【0018】
アナログ/ディジタル変換器(A/D)204は、アナログ電圧Voutを例えばユーザがキーパッド(図示せず)上の関連キースイッチを押すことによってどのスイッチS1〜Snが閉じられたかを示すディジタルキープレス(keypress)信号に変換する。当技術分野で公知であるように、A/D変換器204は、所定の速度でVoutをサンプリングし、ディジタルキープレス信号を発生する。A/D変換器は、当技術分野で公知であるような任意のビット幅の任意の既製のA/D変換器であってもよい。例えば、A/D変換器は、5ビット幅ディジタルキープレス信号を発生してもよく、それによってVoutの2の異なるレベルを識別する。このような構成は32の異なるスイッチS1〜S32をサポートできる。
【0019】
A/D変換器204は、どのスイッチが閉じられたかを決定するためにディジタルキープレス信号をデコーダ212に送る。デコーダ212は、どのスイッチS1〜Snが閉じられたかをA/D変換器204によって発生されたディジタルキープレス信号から決定する。例えば、デコーダ212は、ディジタルキープレス信号を記憶された値の対応テーブルと比較してもよい。対応テーブルの各値は特定のキープレスに対応してもよい。あるいは、デコーダ212は、どのスイッチS1〜Snが閉じられたかを決定するためにディジタルキープレス信号で数学的演算を実行されてもよい。デコーダ212は、ここで示されている復号化動作を実行するようにプログラム化された任意の汎用マイクロプロセッサおよび関連メモリを含んでもよい。
【0020】
本発明の背景で前述されるように、どのキーが押されたかの復号化は、電流を消費し、それによって無線通信装置の電池を枯渇させるデコーダ212の動作を必要とする。さらに、どのキーが押されたかの復号化も、デコーダ212が属し得るプロセッサがキーが押された時間に実行できる他の機能から離れて時間がかかるプロセッサ時間を必要とする。キープレスが意図しないか不必要であった場合、どのキーが押されたかを復号化するためにプロセッサによって費やされた電流および時間が無駄にされる。
【0021】
抵抗はしご形回路網100を使用する無線通信装置が「スリープ」モードで作動する場合、これは特にあてはまり、それによってこのスリープモードは、そのハードウェア部品が必要でない場合、デコーダ212およびA/D変換器204を含む多数のそのハードウェア部品の電源を切る。これを使用して、スリープモードは電池電力を保持し、より長い動作時間および待機時間をもたらす。
【0022】
デコーダ212の処理サイクルを消費することあるいはデコーダ212が電源を切断された場合にデコーダ212を起動することを避けるために、本発明は、比較回路206を使用し、デコーダ212に対する割り込みをゲートするかあるいは遮る。
【0023】
比較回路206の典型的な第1の実施形態は図2に示されている。本実施形態では、比較回路206は、好ましくは、少なくとも1つの比較器208A〜208Nと、対応する少なくとも1つの基準電圧発生器212A〜212Nとを備えている。少なくとも1つの比較器208A〜208Nの1つの入力は、抵抗はしご形回路網100のVout端子に結合されている。少なくとも1つの比較器208A〜208Nの第2入力は対応する少なくとも1つの基準電圧発生器212A〜212Nの出力に結合されている。好ましい実施形態では、各基準電圧発生器212A〜212Nはその対応する比較器208A〜208Nのための異なる基準電圧レベルを発生する。
【0024】
作動において、各比較器208A〜208Nは、電圧レベルVoutを検出し、この電圧レベルVoutとその対応する基準電圧発生器212A〜212Nによって発生された基準電圧とを比較する。各比較器208A〜208Nは、次に比較の結果を示す比較信号を出力する。例えば、好ましい実施形態では、電圧Voutが閾値基準電圧よりも小さい場合、比較器208A〜208Nは、論理レベル「ハイ」を出力する。一方、電圧Voutが閾値基準電圧よりも大きい場合、比較器208A〜208Nは、論理レベル「ロー」を出力する。換言すると、好ましい実施形態では、比較器208A〜208Nは、「未満(less than)」型比較器として構成される。他の実施形態では、比較器208A〜208Nは、「より大きい」型比較器として構成されてもよい。
【0025】
比較器208A〜208Nは、好ましくは、当技術分野で公知であるような任意の適当な既製オペアンプ比較器である。しかしながら、当技術分野で公知である2つの信号を比較する多数の他の手段がある。例えば、当技術分野で公知であるようなトランジスタゲート、ツェナーダイオード、あるいは他の装置は、比較器208A〜208Nおよび実際に比較回路206の全部の代わりに使用されてもよい。
【0026】
基準電圧発生器212A〜212Nは、好ましくは抵抗分圧器回路および関連電源である。例えば、電源102は、それぞれの閾値基準電圧を発生するために基準電圧発生器212A〜212Nの内部の抵抗分圧器によって減圧されてもよい。比較器208A〜208Bおよび基準電圧発生器212A〜212Bの典型的な実装は図3に示されている。
【0027】
図3では、電源102は、比較器208Aのための閾値基準電圧を供給するために抵抗器RaおよびRbによって減圧される。同様に、抵抗器RcおよびRdは、比較器208Bのための閾値基準電圧を発生する。抵抗器Ra〜Rdの値の選択は、比較器208Aおよび208Bがトリガされる前に一致させることがVoutに望まれる閾値電圧レベルによって決まる。
【0028】
好ましい実施形態では、Voutのための範囲は約0.01ボルト〜1.5ボルトである。抵抗器R1〜Rn(図2)の値は、スイッチSn(図2)が閉じられた場合、Voutの電圧レベルは約0.01ボルトであり、スイッチS1が閉じられた場合、Voutの電圧レベルは約1.5ボルトであるように選択される。したがって、スイッチSnだけが比較器208Nをトリガすることが望まれる場合、RcおよびRdの値は、比較器208Nための閾値基準電圧は0.01ボルトよりも大きいように選択される。3.3ボルトの典型的な電源電圧の場合、Rcに対する典型的な選択は1メガオームであり、Rdは30.9キロオームである。さらに、任意のスイッチS1〜Snが比較器208Aをトリガすることが望まれる場合、3.3ボルトの典型的な電源電圧の場合、Raに対する典型的な選択は511キロオームであり、Rbは453キロオームである。
【0029】
再度図2を参照すると、比較器208A〜208Nの出力は任意の範囲決定論理210に結合されてもよい。範囲決定論理210は、どのスイッチS1〜Snの範囲あるいはサブセットが閉じられたかを識別する機能を果たす。例えば、比較器208Aが任意のスイッチS1〜Snに対して前述されたようにトリガするように構成され、比較器208BがスイッチSnに対してのみ前述されたようにトリガするように構成される場合、簡単な結合論理(すなわち、1反転入力を有するANDゲート)は、範囲S1〜Sn−1のスイッチの中の1つが閉じられた(すなわち、Vout<1.5ボルト、およびVout<0.1ボルトでない)かどうかを決定することができる。閾値電圧、より大きいあるいはより小さいの比較および範囲決定論理210を様々な組み合わせに構成することによって、所望のようにスイッチ投入S1〜Snの任意の範囲の間で識別することができる。
【0030】
比較回路206の物理的実装は本発明を制限しない。比較器208A〜208N数、使用される比較の種類、および範囲決定論理210は本発明から逸脱しないで多数の異なる方法で実行されてもよい。
【0031】
要するに、比較回路206は、ある所定のスイッチ投入だけあるいはスイッチ投入の組み合わせがデコーダ212に対する割り込み信号を発生できるように機能を果たす。例えば、本発明が、スリープモードを使用し、電池電力を保持する無線通信装置で実施される場合、比較回路206は、スイッチSnが「電源オン」キーに対応するスイッチSnが閉じられる場合だけデコーダ212に対する割り込みを発生するように構成されてもよい。このような場合、デコーダ212は、「電源オン」キーが押された場合だけA/D変換器204を読み取るように起動する。このように、本発明を使用する無線通信装置は、デコーダ212およびA/D変換器204を完全に電源を切断することができ、さらに必要とされる場合、キーパッド入力を起動し、読み取ることができる。さらに、本発明は、部分的あるいは完全に割り込み駆動作動方法を可能にし、それによってデコーダ212は、能動的にA/D変換器204をポーリングする必要がなく、割り込みが比較回路206によって発生される場合、むしろA/D変換器204をポーリングするようにだけ構成されてもよい。
【0032】
換言すると、図2の回路の特定の用途は、デコーダが電源を切断される場合、「電源オン」キーを除く全ての他のキーがデコーダ212を起動することを防止することにある。これは、例えば、無線通信装置が、キーパッドを誤って起動する異物に接触するかもしれない財布あるいはブリーフケースの中にいれて運ぶ場合に役立つ。このような場合、「電源オン」キーを除いて全てのキープレスを無視し、不必要なキープレスを評価する時間および電力を消費することを避けることが望ましい。
【0033】
図2の回路の他の用途は、特定のキーの範囲以外は全てデコーダ212が一部であってもよいプロセッサに割り込むことを防止することにある。これは、例えば、ユーザがキーのサブセットだけが有効入力を示すメニュー中をスクロールする場合に役に立つ。このような場合、無効のキープレス全てを無視し、不必要なキープレスを評価する時間および電力を消費することを避けることも望ましい。
【0034】
他の実施形態では、デコーダ212は、所定のスイッチ投入あるいはスイッチ投入の組み合わせを検出する際に、所定のスイッチ投入が検出され、復号化されたことをコントローラ220に通知する。コントローラ220は、電源102を指令し、例えば、切り換え可能電圧あるいは電流源をオンあるいはオフするかあるいは可変電圧あるいは電流源を変えることによって、抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧を変更する。抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧を変更することによって、出力電圧Voutは、各スイッチ投入に対して対応する量だけシフトされる。換言すると、抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧が1ボルトだけ増加される場合、各スイッチ投入に対してVoutの対応する1ボルトシフトが観測される。
【0035】
抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧が変更されるとき基準電圧発生器212A〜212Nによって発生された閾値基準電圧が一定のままである場合、各比較器208A〜208NをトリガするスイッチS1〜Snの範囲が同様に変更される。したがって、比較器208NがスイッチSnの投入によってのみトリガされる場合、上記の例を続けると、抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧が十分低下される場合、比較器208NもスイッチSn−1の投入によってトリガされてもよい。あるいは、抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧を一定に保持することもでき、その代わりに、各比較器208A〜208NをトリガするスイッチS1〜Snの範囲を「シフト」するために基準電圧発生器212A〜212Nによって発生された閾値基準電圧を変更することが明らかである。
【0036】
抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧を変えることによって、Voutの範囲の対応するシフトは、キープレスの異なる範囲がデコーダ212に対する割り込みを発生させるために使用されてもよいことが容易に分かる。本発明のこの面の有用な用途は、「電源オン」機能性をスイッチSnに割り当て、スイッチSnの投入によって発生された電圧と同様に小さい電圧がVoutにある場合だけデコーダ212に対する割り込みを発生するように比較回路206を構成することにある。したがって、デコーダ212でスイッチSnの投入を検出し、復号化する際に、コントローラ220は、電源102を指令し、抵抗はしご形回路網100に対する入力電圧を任意のスイッチS1〜Snの投入がデコーダ212に対する割り込みを発生するのに十分低下させる。このように、「電源オン」キーを押すだけがデコーダ212を起動するが、その後、キープレスは、割り込みをトリガし、デコーダ212にA/D変換器204の出力を読み取らせる。
【0037】
コントローラ220は、当技術分野で公知であるような任意のマイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラであってもよく、さらに同じプログラマブル汎用マイクロプロセッサでデコーダ212と結合されてもよいことは有利である。図2の回路の様々な他の構成は当業者に明らかである。例えば、図2の要素のいずれかは、電圧レベルよりもむしろ電流レベルで作動するように構成されてもよい。
【0038】
さらにもう一つの実施形態では、A/D変換器204は、完全に取り除かれてもよく、比較回路206は、押された各キーに対して割り込みを発生するように構成されてもよい。2、3個のスイッチだけの場合、これはあまり高価でないかもしれない。さらに、複合キーパッドでさえ、比較回路206はより少ない処理サイクルで読み取ることができる。この他の実施形態は、キーボードを長い配線距離にわたって符号化するために使用されてもよく、それを変換し、比較器および論理を使用するマトリックスに戻す。
【0039】
次に、図4を参照すると、本発明の方法のフローチャートが示される。この処理は、電圧が受動回路網、例えば図2の抵抗はしご100でキープレスに応じて発生されるブロック402で開始する。ブロック404で、電圧は、例えば図2の比較回路206で基準電圧と比較される。判断408で、発生された電圧が所定の範囲内にあるかどうかが決定される。所定の範囲内にない場合、電圧を始動したキープレスが無視される(すなわち、プロセッサあるいはデコーダ動作が行われない)。
【0040】
一方、発生された電圧が所定の範囲内にある場合、電圧を発生したキープレスは、例えば図2のデコーダ212で復号化されることが判断408で決定される。任意には、流れは、受動回路網に対する入力電圧が、例えばコントローラ220に関して前述されたように変更されるブロック412に続く。どちらの場合も、流れは、次のキープレスに応じて電圧を発生するようにブロック402に戻る。
【0041】
前述のように、本発明は、意味があるキープレスの適切な処理を可能にする受動回路網キーパッドの入力範囲間を区別する一方で、うっかりとやったあるいは不注意なキープレスを無視し、それによって電力およびプロセッサ時間を確保する方法および回路である。
【0042】
好ましい実施形態の前述された説明は、当業者が本発明を製造あるいは使用できるように行われる。これらの実施形態に対する様々な修正は当業者に明らかであり、ここに規定された一般原則はこの発明能力を使用しないで他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、ここに示された実施形態に限定されることを意図したものではなく、ここに開示された原理および新規機能と一致する最も広い範囲に一致されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する、スイッチを有する受動回路網においてスイッチ投入を処理する回路、前記受動回路網はスイッチ投入に応じて電圧を発生する:
前記受動回路網に結合され、前記電圧を基準電圧と比較する比較回路;
前記比較回路に結合され、前記電圧が所定の範囲内にある場合、前記スイッチ投入を復号化するデコーダ、前記電圧が前記所定の範囲内にない場合、前記デコーダは前記スイッチ投入を復号化しない。
【請求項2】
前記比較回路が下記を具備する請求項1の回路:
各々が前記受動回路網に結合された第1の入力を有し、かつ第2の入力および比較信号を発生する出力を有する少なくとも1つの比較器;
各々が前記比較器のそれぞれの比較器の前記第2の入力に結合された少なくとも1つの基準電圧発生器、前記基準電圧発生器の各々はそれぞれの基準電圧を発生する、
ここで、前記所定の範囲は前記基準電圧によって規定される。
【請求項3】
前記比較回路は前記比較器出力に結合された範囲決定論理回路をさらに含み、前記範囲決定論理は前記受動回路網によって発生された前記電圧の異なる範囲を識別する、請求項2の回路。
【請求項4】
前記比較器回路が下記を具備する請求項2の回路:
第1の所定の前記スイッチのサブセットが投入される場合だけ前記比較信号を発生する第1の比較器;
第2の所定の前記スイッチのサブセットが閉じられる場合だけ前記比較信号を発生する第2の比較器。
【請求項5】
前記比較回路が、前記電圧が前記所定の範囲内にある場合だけ前記デコーダに対する割り込み信号を発生する、請求項1の回路。
【請求項6】
前記所定の範囲が所定の前記スイッチのサブセットに対応する、請求項5の回路。
【請求項7】
複数のスイッチの前記所定のサブセットが、電力スイッチを含み、かつ比較回路が、前記電力スイッチが投入される場合だけ、前記デコーダに対する割り込み信号を発生する、請求項6の回路。
【請求項8】
前記デコーダに結合され、前記スイッチ投入を復号化する前記デコーダに応じて前記受動回路網の入力電圧を変えるコントローラをさらに含む、請求項1の回路。
【請求項9】
下記工程を具備する、スイッチを有する受動回路網のスイッチ投入を処理する方法、前記受動回路網はスイッチ投入に応じて電圧を発生する:
前記電圧を基準電圧と比較する、
前記電圧が所定の範囲内にある場合、前記スイッチ投入を復号化する、
前記電圧が所定の範囲内にない場合、前記スイッチ投入を無視する。
【請求項10】
前記所定の範囲が前記基準電圧によって規定される、請求項9の方法。
【請求項11】
前記受動回路網によって発生された前記電圧の異なる範囲間を識別する工程をさらに含む、請求項10の方法。
【請求項12】
前記電圧が前記所定の範囲内にある場合だけ、割り込み信号を発生する工程をさらに含む、請求項9の方法。
【請求項13】
前記所定の範囲が前記複数のスイッチの前記所定のサブセットに対応する、請求項12の方法。
【請求項14】
前記複数のスイッチの前記所定のサブセットが電力スイッチを含み、かつ前記電圧が前記所定の範囲内にある場合だけ、割り込み信号を発生する前記工程が、前記電力スイッチが投入される場合だけ前記割り込み信号を発生することを具備する、請求項13の方法。
【請求項15】
前記スイッチ投入を復号化する前記デコーダに応じて前記受動回路網の入力電圧を変える工程をさらに具備する、請求項9の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−81601(P2010−81601A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−211707(P2009−211707)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2000−551485(P2000−551485)の分割
【原出願日】平成11年5月21日(1999.5.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】