可変分光素子、分光装置および内視鏡システム
【課題】小型でありながら組立容易性を向上でき、厳密な組立を行わなくても、光学基板間の間隔寸法を精度よく検出して所望の分光特性を達成する。
【解決手段】間隔を空けて対向する2つの光学基板4a,4bと、該光学基板4a,4bの対向面に設けられた光学コート層3と、2つの光学基板4a,4bの間隔を変化させるアクチュエータ4cと、2つの光学基板4a,4bにそれぞれ設けられたセンサ電極6a,6bを有し、光学基板4a,4bの間隔を検出する静電容量センサ6とを備え、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bに投影される範囲内に、当該他の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが含まれる可変分光素子1を提供する。
【解決手段】間隔を空けて対向する2つの光学基板4a,4bと、該光学基板4a,4bの対向面に設けられた光学コート層3と、2つの光学基板4a,4bの間隔を変化させるアクチュエータ4cと、2つの光学基板4a,4bにそれぞれ設けられたセンサ電極6a,6bを有し、光学基板4a,4bの間隔を検出する静電容量センサ6とを備え、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bに投影される範囲内に、当該他の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが含まれる可変分光素子1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変分光素子、分光装置および内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対向面に光学コート層が設けられた2枚の光学基板を対向させ、その間隔をピエゾ素子からなるアクチュエータにより可変としたエタロン型の可変分光素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この可変分光素子は、2枚の光学基板の対向面に静電容量センサのセンサ電極を備え、静電容量センサによって光学基板間の間隔寸法を検出し、平行性を保ちながら間隔を制御することができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平1−94312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の可変分光素子を内視鏡装置の挿入部先端のような極めて狭小なスペースに設置する場合に、可変分光素子のサイズ自体が極めて小さいものとなる。このため、2枚の光学基板を精度よく組み立てることが困難であり、光学基板どうし、特に、センサ電極どうしを精度よく正対させた状態に組み立てることが困難であるという不都合がある。また、アクチュエータによる光学基板の変位の際に、光学基板の板厚方向以外の方向への変位が発生し、センサ電極どうしの正対状態が維持できない場合もある。
【0005】
静電容量センサにより検出される静電容量は、センサ電極どうしが精度よく正対している場合に、センサ電極の面積に比例し、間隔に反比例するが、センサ電極どうしの対向状態がずれると、静電容量の距離依存特性が複雑な関数形になってしまい、光学基板の面間隔を精度よく検出することが困難になるという不都合がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型でありながら組立容易性を向上でき、厳密な組立を行わなくても、光学基板間の間隔寸法を精度よく検出して所望の分光特性を達成できる可変分光素子、分光装置および内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、間隔を空けて対向する第1および第2の光学基板の互いに対向する対向面に設けられた光学コート層と、前記第1および第2の光学基板の間隔を変化させるアクチュエータと、前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1の光学基板に設けられた第1のセンサ電極と、前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1のセンサ電極に対向するとともに、該第1のセンサ電極を前記第2の光学基板上に投影した範囲内に含まれるように設けられた第2のセンサ電極とを有する可変分光素子を提供する。
【0008】
上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が相似形であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が円形であることとしてもよい。
【0009】
また、上記発明においては、前記光学コート層が導電性材料により構成され、前記第1および第2のセンサ電極が、前記光学コート層により構成されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極の形状が異なることとしてもよい。
【0010】
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が、半径方向よりも周方向に大きな寸法差を有することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光学コート層が、所望の波長帯域の光を透過することとしてもよい。
【0011】
また、本発明は、上記いずれかの可変分光素子と、該可変分光素子により分光された光を撮影する撮像素子とを備える分光装置を提供する。
また、本発明は、上記可変分光装置を備える内視鏡システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型でありながら組立容易性を向上でき、厳密な組立を行わなくても、光学基板間の間隔寸法を精度よく検出して所望の分光特性を達成できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施形態に係る可変分光素子1について、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る可変分光素子1は、図1に示されるように、例えば、撮像ユニット2に備えられる素子であって、平行間隔をあけて配置され対向面に反射膜(光学コート層)3が設けられた2枚の円板状の光学基板4a,4bと、該光学基板4a,4bの間隔を変化させるアクチュエータ4cとを備えるエタロン型の光学フィルタである。光学基板4aは、撮像ユニット2を構成する枠部材5に直接固定され、光学基板4bは、アクチュエータ4cを介して枠部材5に取り付けられている。
【0014】
アクチュエータ4cは積層型の圧電素子であり、光学基板4bの周縁に沿って周方向に等間隔をあけて4カ所に設けられている。
この可変分光素子4は、アクチュエータ4cの作動により、光学基板4a,4bの間隔寸法を変化させ、それによって、軸方向に通過する光の波長帯域を変化させることができるようになっている。
【0015】
可変分光素子1を構成する2つの光学基板4a,4bには、該光学基板4a,4bの間隔を検出するためのセンサ6が備えられている。センサ6は、静電容量方式のものであって、光学基板4a,4bの光学有効径B(図2参照。)外の外周部に、相互に対向する位置にそれぞれ設けられた複数のセンサ電極6a,6bを備えている。センサ電極6a,6bは、光学基板4a,4bの外周部に周方向に沿って等間隔に4箇所配置されている。センサ電極6a,6bとしては金属膜を用いることができる。
【0016】
静電容量方式は、センサ電極6a,6b間の静電容量が面間隔に反比例して変化する特性を用いるものである。
本実施形態に係る可変分光素子1において、センサ電極6a,6bは、図1および図2に示されるように、いずれも円形を有し、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが、他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bよりも大きな半径寸法を有している。そして、図2に示されるように、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bへ投影される範囲(図中、鎖線で示す範囲)内に当該他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが配置されている。
【0017】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子1は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット2に用いられる可変分光素子1としては、間隔を変化させたときの2つの光学基板4a,4bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ6を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極6a,6bからの信号をもとに、アクチュエータ4cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができるようになっている。
【0018】
このように構成された本実施形態に係る可変分光素子1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る可変分光素子1によれば、平行間隔をあけた2枚の光学基板4a,4bの光学有効径Bの領域に光を入射させることにより、光学基板4a,4bの間隔寸法に応じて定まる波長の光のみが2枚の光学基板4a,4bを透過し、残りの光は反射される。そして、アクチュエータ4cの作動により2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法を変化させることにより、該2枚の光学基板4a,4bを透過する光の波長を変更し、これにより観察したい所望の波長帯域の光を他の波長帯域の光から分光することができる。
【0019】
光学基板4a,4bの対向面にはセンサ電極6a,6bが対向して配置されているので、センサ電極6a,6b間に形成された静電容量を示す電圧信号が検出され、該電圧信号に応じてセンサ電極6a,6b間の間隔寸法を検出することができる。センサ電極6a,6bは光学基板の周方向に4対設けられているので、各対のセンサ電極6a,6b毎に、対応する位置の光学基板4a,4bの間隔寸法を検出でき、検出された間隔寸法に基づいてアクチュエータ4cを制御することにより、2枚の光学基板4a,4bを平行状態に維持しながら、精度よく間隔寸法を調節することができる。
【0020】
この場合において、本実施形態に係る可変分光素子1は、対向するセンサ電極6a,6bの半径寸法が異なっているので、組み付けの際に厳密な位置合わせ作業を行わなくても、小さい側のセンサ電極6bの面積分の対向面積を確保することができる。すなわち、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bに投影される範囲内に、当該他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが配置されているので、2枚の光学基板4a,4bどうしが板厚方向に交差する方向、つまり、光学基板4a,4bの半径方向あるいは周方向に微妙にずれて組み付けられても、両センサ電極6a,6b間に形成される静電容量に変化はない。
【0021】
また、複数のアクチュエータ4cの駆動により、2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法を精度よく調節することができるが、各アクチュエータ4cの個体差により、2枚の光学基板4a,4bの相対位置が、板厚方向に交差する方向にずれることが考えられる。この場合においても、両センサ電極6a,6b間に形成される静電容量に変化はない。
したがって、2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法に一意的に対応した静電容量を示す電圧信号を検出することができ、該電圧信号に基づいて2つの光学基板4a,4b間の間隔を精度よく制御し、所望の波長帯域の光を精度よく分光することができるという利点がある。
【0022】
なお、本実施形態に係る可変分光素子1においては、センサ電極6a,6bを光学基板4a,4bの周方向に4対設けることとしたが、これに代えて、図3に示されるように、3対設けることとしてもよく、任意の数だけ設けることにしてもよい。図3に示される例では、各センサ電極6a,6bの形状として楕円形状のものを用いている。また、その形状としては特に限定されるものではなく、図4または図5に示されるように、扇形状あるいは長方形のような任意の形状を採用することができる。
【0023】
この場合において、図4および図5におけるセンサ電極6a,6bの形状は、大きい側のセンサ電極6aが、小さい側のセンサ電極6bに対して、半径方向の寸法差よりも周方向の寸法差が大きいことが好ましい。円形の光学基板4a,4bどうしは、その外周面を一致させることで、半径方向にはほぼ精度よく位置決めすることができるが、周方向への位置決めは困難である。上記のようにセンサ電極6a,6bを構成することで、光学基板4a,4bどうしの周方向の位置決めを大まかに行っても、センサ電極6a,6bにより検出される静電容量に変化はなく、組み付け作業をより容易にすることができるという利点がある。
【0024】
また、図6および図7に示されるように、各光学基板4a,4bに設けられたセンサ電極6a,6bの数は同じでなくても構わない。すなわち、図6に示されるように、一方の光学基板4bに周方向に間隔をあけて設けられた2つのセンサ電極6b毎に、これら2つのセンサ電極6bのいずれにも対向する大きさの1つのセンサ電極6aを他の光学基板4aに設けることにしてもよい。また、図7に示されるように、一方の光学基板4bに周方向に間隔をあけて設けられた複数のセンサ電極6bに対して、全てのセンサ電極6bに対向する単一のリング状のセンサ電極6aを他方の光学基板4aに設けることにしてもよい。
【0025】
さらに、図8に示す例では、光学基板4a,4bの対向面に設けられた反射膜3を導電性の材料により構成し、該反射膜3自体を、静電容量を形成するためのセンサ電極6a,6bとして兼用してもよい。この場合、各光学基板4a,4bの中心位置に半径寸法の異なる円形の反射膜3を設けることにより、光学基板4a,4bどうしが、半径方向および周方向のいずれの方向にずれて組み付けられても、あるいはアクチュエータ4cの作動により、いずれの方向にずれても、間隔寸法が同じであれば、同一の電圧信号を出力することができ、検出精度を向上することができる。なお、各光学基板4a,4bの中心位置に同一の半径寸法を有する反射膜3を設け、これらをセンサ電極6a,6bとして兼用することとしても、光学基板4a,4bどうしが周方向に位置ずれした場合には、光学基板4a,4bの間隔寸法の検出精度を低下させずに済むという利点がある。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る内視鏡システム10について、図9〜図12を参照して説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム10は、図9に示されるように、生体の体腔内に挿入される挿入部11と、該挿入部11内に配置される撮像ユニット2と、複数種の光を発する光源ユニット12と、前記撮像ユニット2および光源ユニット12を制御する制御ユニット13と、撮像ユニット2により取得された画像を表示する表示ユニット14とを備えている。
【0027】
前記挿入部11は、生体の体腔に挿入できる極めて細い外形寸法を有し、その内部に、前記撮像ユニット2と、前記光源ユニット12からの光を先端11aまで伝播するライトガイド15とを備えている。
前記光源ユニット12は、体腔内の観察対象Aを照明し、観察対象Aにおいて反射して戻る反射光を取得するための照明光を発する照明光用光源16と、体腔内の観察対象Aに照射され、観察対象A内に存在する蛍光物質を励起して蛍光を発生させるための励起光を発する励起光用光源17と、これらの光源16,17を制御する光源制御回路18とを備えている。
【0028】
前記照明光用光源16は、例えば、図示しないキセノンランプおよびバンドパスフィルタを組み合わせたもので、バンドパスフィルタの50%透過域は、430〜460nmである。すなわち、光源16は、波長帯域430〜460nmの照明光を発生するようになっている。
【0029】
前記励起光用光源17は、例えば、ピーク波長660±5nmの励起光を出射する半導体レーザである。この波長の励起光は、Cy5.5(Amersham社製)やALEXAFLUOR700(Molecular Probes社製)等の蛍光薬剤を励起することができる。
前記光源制御回路18は、後述するタイミングチャートに従う所定のタイミングで、照明光用光源16と励起光用光源17とを交互に点灯および消灯させるようになっている。
【0030】
前記撮像ユニット2は、挿入部11の先端部に配置されている。挿入部11の先端部は、例えば、挿入部11の長さ方向の中央位置より先端11a側、好ましくは、挿入部11の先端11aの向きを変更するために湾曲動作させられる屈曲部11bよりも先端11a側である。
【0031】
前記撮像ユニット2は、図1に示されるように、観察対象Aから入射される光を集光するレンズ19a,19bを含む撮像光学系19と、観察対象Aから入射されてくる励起光を遮断する励起光カットフィルタ20と、制御ユニット5の作動により分光特性を変化させられる上記可変分光素子1と、撮像光学系19により集光された光を撮影して電気信号に変換する撮像素子21と、これらを支持する枠部材5とを備えている。
【0032】
可変分光素子1は、さらに具体的には、図10に示されるように、1つの固定透過帯域および1つの可変透過帯域の2つの透過帯域を有する透過率波長特性を有している。固定透過帯域は、可変分光素子1の状態によらず、常に入射光を透過するようになっている。また、可変透過帯域は可変分光素子1の状態に応じて透過率特性が変化するようになっている。
【0033】
また、センサ電極6a,6bには、例えば、図12に示されるような電気回路7が接続されている。電気回路7は、センサ電極6a,6bに交流電流を供給し、光学部材4a,4bの間隔寸法に応じて決定されるセンサ電極6a,6b間の静電容量を電圧信号に変換し、増幅して(電圧Vを)出力するようになっている。図12中、符号8は能動素子であるオペアンプ、符号9は交流電源である。電気回路7は、枠部材5に固定された光学部材4aに固定されている。
【0034】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子1は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット2に用いられる可変分光素子1としては、間隔を変化させたときの2つの光学部材4a,4bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ6を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極6a,6bからの信号をもとに、アクチュエータ4cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができる。
【0035】
前記制御ユニット13は、図9に示されるように、撮像素子21を駆動制御する撮像素子駆動回路22と、可変分光素子1を駆動制御する可変分光素子制御回路23と、撮像素子21により取得された画像情報を記憶するフレームメモリ24と、該フレームメモリ24に記憶された画像情報を処理して表示ユニット14に出力する画像処理回路25とを備えている。
撮像素子駆動回路22および可変分光素子制御回路23は、前記光源制御回路18に接続され、光源制御回路18による照明光用光源16および励起光用光源17の切り替えに同期して可変分光素子1および撮像素子21を駆動制御するようになっている。
【0036】
具体的には、図11のタイミングチャートに示されるように、光源制御回路18の作動により、励起光用光源17から励起光が発せられるときには、可変分光素子制御回路23が、可変分光素子1を第1の状態として、撮像素子駆動回路22が撮像素子21から出力される画像情報を第1のフレームメモリ24aに出力させるようになっている。また、照明光用光源16から照明光が発せられるときには、可変分光素子制御回路23が、可変分光素子1を第2の状態として、撮像素子駆動回路22が撮像素子21から出力される画像情報を第2のフレームメモリ24bに出力するようになっている。
【0037】
また、前記画像処理回路25は、例えば、励起光の照射により得られる蛍光画像情報を第1のフレームメモリ24aから受け取って表示ユニット14の第1のチャネルに出力し、照明光の照射により得られる反射光画像情報を第2のフレームメモリ24bから受け取って表示ユニット14の第2のチャネルに出力するようになっている。
【0038】
このように構成された本実施形態に係る内視鏡システム10の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム10を用いて、生体の体腔内の撮影対象Aを撮像するには、蛍光薬剤を体内に注入するとともに、挿入部11を体腔内に挿入し、その先端11aを体腔内の撮影対象Aに対向させる。この状態で、光源ユニット12および制御ユニット13を作動させ、光源制御回路18の作動により、照明光用光源16および励起光用光源17を交互に作動させて照明光および励起光をそれぞれ発生させる。
【0039】
光源ユニット12において発生した励起光および照明光は、それぞれライトガイド15を介して挿入部11の先端11aまで伝播され、挿入部11の先端11aから撮影対象Aに向けて照射される。
励起光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aに浸透している蛍光薬剤が励起されて蛍光が発せられる。撮影対象Aから発せられた蛍光は、撮像ユニット2の撮像光学系19により集光され、励起光カットフィルタ20を透過し、可変分光素子1に入射される。
【0040】
可変分光素子1は、可変分光素子制御回路23の作動により励起光用光源17の作動に同期して第1の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が増大させられており、入射された蛍光を透過させることができる。この場合に、撮影対象Aに照射された励起光の一部が、撮影対象Aにおいて反射され、蛍光とともに撮像ユニット2に入射されるが、撮像ユニット2には励起光カットフィルタ20が設けられているので、励起光は遮断され、撮像素子21に入射されることが阻止される。
【0041】
そして、可変分光素子1を透過した蛍光は撮像素子21に入射され、蛍光画像情報が取得される。取得された蛍光画像情報は、第1のフレームメモリ24aに記憶され、画像処理回路25によって、表示ユニット14の第1のチャネルに出力されて表示ユニット14により表示される。
【0042】
一方、照明光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aの表面において照明光が反射され、撮像光学系19により集光されて励起光カットフィルタ20を透過し、可変分光素子1に入射される。照明光の反射光の波長帯域は、可変分光素子1の固定透過帯域に位置しているので、可変分光素子1に入射された反射光は全て可変分光素子1を透過させられる。
【0043】
そして、可変分光素子1を透過した反射光は撮像素子21に入射され、反射光画像情報が取得される。取得された反射光画像情報は、第2のフレームメモリ24bに記憶され、画像処理回路25によって、表示ユニット14の第2のチャネルに出力されて表示ユニット14により表示される。
【0044】
この場合に、励起光用光源17がオフにされているので、波長660nmの励起光による蛍光は発生していない。照明光用光源16の波長域は、上記蛍光薬剤に対しては励起効率が極めて低いので、実質的に発生しないと考えてよい。さらに、可変分光素子1は、可変分光素子制御回路23の作動により照明光用光源16の作動に同期して第2の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が低下させられており、蛍光が入射されても、これを遮断する。これにより、反射光のみが撮像素子21により撮影される。
このように、本実施形態に係る内視鏡システム10によれば、蛍光画像と反射光画像とを合成した画像を使用者に提供することができる。
【0045】
この場合において、本実施形態に係る内視鏡システム10によれば、可変分光素子1にセンサ6が設けられているので、第1の状態および第2の状態に切り替えられた際に、センサ6により2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法が検出され、アクチュエータ4cに加える電圧信号がフィードバック制御される。これにより、光学基板4a,4bの間隔寸法が精度よく制御され、高精度に所望の波長帯域の光を分光し、鮮明な蛍光画像および反射光画像を得ることができる。
【0046】
さらに、本実施形態においては、センサ電極6a,6bから出力されたセンサ電極6a,6b間の静電容量を示す電気信号が、可変分光素子1の光学基板4bに固定された電気回路7により増幅されるとともに出力インピーダンスが低減された後に、挿入部11内を伝送され、挿入部11の基端側から体外の可変分光素子制御回路23に送られる。したがって、センサ6により検出された電気信号に対するノイズの混入を低減することができ、光学基板4a,4bの間隔を高精度に検出でき、ひいては可変分光素子1の分光特性を高精度に制御することができるという効果がある。
【0047】
また、本実施形態においては、各光学基板4a,4bの対向面に設けられたセンサ電極6a,6bとして異なる外形寸法のものが採用されているので、アクチュエータ4cの駆動に際して、アクチュエータ4cの個体差等により、光学基板4a,4b間に光軸に交差する方向へのずれが発生した場合であっても、対向するセンサ電極6a,6b間に形成される静電容量は変化せず、光学基板4a,4bの間隔寸法を精度よく検出することができる。
【0048】
なお、本実施形態に係る内視鏡システム10においては、可変分光素子1として、図1〜図8のいずれかに示されたものを採用することとしてもよい。例えば、可変分光素子1として、図7に示されるものを使用する場合には、電気回路7として図13に示されるものを採用すればよい。
【0049】
また、電気回路7として静電容量を電圧信号として検出して増幅する回路を用いたが、これに限定されるものではなく、増幅機能を有しないバッファ回路を採用してもよい。バッファ回路としては、例えば、ボルテージフォロワ回路が挙げられる。バッファ回路によってもセンサ出力の出力インピーダンスを低下させることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る内視鏡システム10においては、薬剤蛍光画像および反射光画像を取得するシステムについて説明したが、これに代えて、自家蛍光画像と薬剤蛍光画像、自家蛍光と反射光画像など他の組み合わせに用いることもできる。
また、センサ6用の電気回路7として、静電容量値を電圧値に変換する回路を用いたが、電流値に変換する回路を用いてもよい。
【0051】
また、本実施形態においては屈曲部11bを有する内視鏡システム10を例示して説明したが、これに代えて、屈曲部11bを有しない硬性鏡に適用してもよい。また、観察対象Aとしては生体に限らない。配管や機械、構造物などの内部を対象とする工業用内視鏡にも適用できる。
【0052】
また、本実施形態においては、撮像ユニット2に可変分光素子1を備える内視鏡システム10について説明したが、これに代えて、挿入部11の先端に配置された光源ユニット30に可変分光素子1を備えていてもよい。
光源ユニット30は、図14に示されるように、白色光を発生する白色LED(光電変換素子)31と、上記可変分光素子1と、白色LED31から発せられた白色光を拡散させるレンズ32と、これらを固定する枠部材5とを備えている。
【0053】
このようにすることで、可変分光素子1のアクチュエータ4cの駆動によって、光学基板4a,4bどうしが光軸に交差する方向に相対的に変位してもセンサ6により検出される静電容量の値が変化せず、光学基板4a,4bどうしの間隔寸法を正確に検出して、白色光から精度よく分光した波長帯域の照明光を観察対象Aに照射することができる。
【0054】
なお、光源ユニット30においては、単一の白色LED31を備える場合の他、照明光量の増加および配光特性の向上を図るために、白色LED31を複数配置することとしてもよい。また、単一の白色LED31と拡散板とを組み合わせて、光源面積を拡大したものや、ランプなどを用いることとしてもよい。
また、多波長励起の半導体レーザやスーパールミネッセントダイオードなどを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変分光素子を備える撮像ユニットを示す縦断面図である。
【図2】図1の可変分光素子の光学基板を光軸方向からみた反射膜およびセンサ電極の配置例を示す図である。
【図3】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第1の変形例を示す図である。
【図4】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第2の変形例を示す図である。
【図5】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第3の変形例を示す図である。
【図6】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第4の変形例を示す図である。
【図7】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第5の変形例を示す図である。
【図8】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第6の変形例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図である。
【図10】図9の内視鏡システムに備えられる撮像ユニットを構成する可変分光素子の透過率特性を示す図である。
【図11】図9の内視鏡システムの動作を説明するタイミングチャートである。
【図12】図9の内視鏡システムに備えられる撮像ユニットを構成する可変分光素子のセンサの信号を増幅する電気回路を示す図である。
【図13】図7の可変分光素子を用いた場合の電気回路の例を示す図である。
【図14】図9の内視鏡システムの変形例であって挿入部の先端に配置される光源ユニットの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 可変分光素子
3 反射膜(光学コート層)
4a,4b 光学基板
4c アクチュエータ
6 センサ(静電容量センサ)
6a,6b センサ電極
10 内視鏡システム(分光装置)
21 撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変分光素子、分光装置および内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対向面に光学コート層が設けられた2枚の光学基板を対向させ、その間隔をピエゾ素子からなるアクチュエータにより可変としたエタロン型の可変分光素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この可変分光素子は、2枚の光学基板の対向面に静電容量センサのセンサ電極を備え、静電容量センサによって光学基板間の間隔寸法を検出し、平行性を保ちながら間隔を制御することができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平1−94312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の可変分光素子を内視鏡装置の挿入部先端のような極めて狭小なスペースに設置する場合に、可変分光素子のサイズ自体が極めて小さいものとなる。このため、2枚の光学基板を精度よく組み立てることが困難であり、光学基板どうし、特に、センサ電極どうしを精度よく正対させた状態に組み立てることが困難であるという不都合がある。また、アクチュエータによる光学基板の変位の際に、光学基板の板厚方向以外の方向への変位が発生し、センサ電極どうしの正対状態が維持できない場合もある。
【0005】
静電容量センサにより検出される静電容量は、センサ電極どうしが精度よく正対している場合に、センサ電極の面積に比例し、間隔に反比例するが、センサ電極どうしの対向状態がずれると、静電容量の距離依存特性が複雑な関数形になってしまい、光学基板の面間隔を精度よく検出することが困難になるという不都合がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型でありながら組立容易性を向上でき、厳密な組立を行わなくても、光学基板間の間隔寸法を精度よく検出して所望の分光特性を達成できる可変分光素子、分光装置および内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、間隔を空けて対向する第1および第2の光学基板の互いに対向する対向面に設けられた光学コート層と、前記第1および第2の光学基板の間隔を変化させるアクチュエータと、前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1の光学基板に設けられた第1のセンサ電極と、前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1のセンサ電極に対向するとともに、該第1のセンサ電極を前記第2の光学基板上に投影した範囲内に含まれるように設けられた第2のセンサ電極とを有する可変分光素子を提供する。
【0008】
上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が相似形であることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が円形であることとしてもよい。
【0009】
また、上記発明においては、前記光学コート層が導電性材料により構成され、前記第1および第2のセンサ電極が、前記光学コート層により構成されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極の形状が異なることとしてもよい。
【0010】
また、上記発明においては、前記第1および第2のセンサ電極が、半径方向よりも周方向に大きな寸法差を有することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光学コート層が、所望の波長帯域の光を透過することとしてもよい。
【0011】
また、本発明は、上記いずれかの可変分光素子と、該可変分光素子により分光された光を撮影する撮像素子とを備える分光装置を提供する。
また、本発明は、上記可変分光装置を備える内視鏡システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型でありながら組立容易性を向上でき、厳密な組立を行わなくても、光学基板間の間隔寸法を精度よく検出して所望の分光特性を達成できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施形態に係る可変分光素子1について、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る可変分光素子1は、図1に示されるように、例えば、撮像ユニット2に備えられる素子であって、平行間隔をあけて配置され対向面に反射膜(光学コート層)3が設けられた2枚の円板状の光学基板4a,4bと、該光学基板4a,4bの間隔を変化させるアクチュエータ4cとを備えるエタロン型の光学フィルタである。光学基板4aは、撮像ユニット2を構成する枠部材5に直接固定され、光学基板4bは、アクチュエータ4cを介して枠部材5に取り付けられている。
【0014】
アクチュエータ4cは積層型の圧電素子であり、光学基板4bの周縁に沿って周方向に等間隔をあけて4カ所に設けられている。
この可変分光素子4は、アクチュエータ4cの作動により、光学基板4a,4bの間隔寸法を変化させ、それによって、軸方向に通過する光の波長帯域を変化させることができるようになっている。
【0015】
可変分光素子1を構成する2つの光学基板4a,4bには、該光学基板4a,4bの間隔を検出するためのセンサ6が備えられている。センサ6は、静電容量方式のものであって、光学基板4a,4bの光学有効径B(図2参照。)外の外周部に、相互に対向する位置にそれぞれ設けられた複数のセンサ電極6a,6bを備えている。センサ電極6a,6bは、光学基板4a,4bの外周部に周方向に沿って等間隔に4箇所配置されている。センサ電極6a,6bとしては金属膜を用いることができる。
【0016】
静電容量方式は、センサ電極6a,6b間の静電容量が面間隔に反比例して変化する特性を用いるものである。
本実施形態に係る可変分光素子1において、センサ電極6a,6bは、図1および図2に示されるように、いずれも円形を有し、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが、他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bよりも大きな半径寸法を有している。そして、図2に示されるように、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bへ投影される範囲(図中、鎖線で示す範囲)内に当該他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが配置されている。
【0017】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子1は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット2に用いられる可変分光素子1としては、間隔を変化させたときの2つの光学基板4a,4bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ6を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極6a,6bからの信号をもとに、アクチュエータ4cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができるようになっている。
【0018】
このように構成された本実施形態に係る可変分光素子1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る可変分光素子1によれば、平行間隔をあけた2枚の光学基板4a,4bの光学有効径Bの領域に光を入射させることにより、光学基板4a,4bの間隔寸法に応じて定まる波長の光のみが2枚の光学基板4a,4bを透過し、残りの光は反射される。そして、アクチュエータ4cの作動により2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法を変化させることにより、該2枚の光学基板4a,4bを透過する光の波長を変更し、これにより観察したい所望の波長帯域の光を他の波長帯域の光から分光することができる。
【0019】
光学基板4a,4bの対向面にはセンサ電極6a,6bが対向して配置されているので、センサ電極6a,6b間に形成された静電容量を示す電圧信号が検出され、該電圧信号に応じてセンサ電極6a,6b間の間隔寸法を検出することができる。センサ電極6a,6bは光学基板の周方向に4対設けられているので、各対のセンサ電極6a,6b毎に、対応する位置の光学基板4a,4bの間隔寸法を検出でき、検出された間隔寸法に基づいてアクチュエータ4cを制御することにより、2枚の光学基板4a,4bを平行状態に維持しながら、精度よく間隔寸法を調節することができる。
【0020】
この場合において、本実施形態に係る可変分光素子1は、対向するセンサ電極6a,6bの半径寸法が異なっているので、組み付けの際に厳密な位置合わせ作業を行わなくても、小さい側のセンサ電極6bの面積分の対向面積を確保することができる。すなわち、一方の光学基板4aに設けられたセンサ電極6aが他方の光学基板4bに投影される範囲内に、当該他方の光学基板4bに設けられたセンサ電極6bが配置されているので、2枚の光学基板4a,4bどうしが板厚方向に交差する方向、つまり、光学基板4a,4bの半径方向あるいは周方向に微妙にずれて組み付けられても、両センサ電極6a,6b間に形成される静電容量に変化はない。
【0021】
また、複数のアクチュエータ4cの駆動により、2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法を精度よく調節することができるが、各アクチュエータ4cの個体差により、2枚の光学基板4a,4bの相対位置が、板厚方向に交差する方向にずれることが考えられる。この場合においても、両センサ電極6a,6b間に形成される静電容量に変化はない。
したがって、2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法に一意的に対応した静電容量を示す電圧信号を検出することができ、該電圧信号に基づいて2つの光学基板4a,4b間の間隔を精度よく制御し、所望の波長帯域の光を精度よく分光することができるという利点がある。
【0022】
なお、本実施形態に係る可変分光素子1においては、センサ電極6a,6bを光学基板4a,4bの周方向に4対設けることとしたが、これに代えて、図3に示されるように、3対設けることとしてもよく、任意の数だけ設けることにしてもよい。図3に示される例では、各センサ電極6a,6bの形状として楕円形状のものを用いている。また、その形状としては特に限定されるものではなく、図4または図5に示されるように、扇形状あるいは長方形のような任意の形状を採用することができる。
【0023】
この場合において、図4および図5におけるセンサ電極6a,6bの形状は、大きい側のセンサ電極6aが、小さい側のセンサ電極6bに対して、半径方向の寸法差よりも周方向の寸法差が大きいことが好ましい。円形の光学基板4a,4bどうしは、その外周面を一致させることで、半径方向にはほぼ精度よく位置決めすることができるが、周方向への位置決めは困難である。上記のようにセンサ電極6a,6bを構成することで、光学基板4a,4bどうしの周方向の位置決めを大まかに行っても、センサ電極6a,6bにより検出される静電容量に変化はなく、組み付け作業をより容易にすることができるという利点がある。
【0024】
また、図6および図7に示されるように、各光学基板4a,4bに設けられたセンサ電極6a,6bの数は同じでなくても構わない。すなわち、図6に示されるように、一方の光学基板4bに周方向に間隔をあけて設けられた2つのセンサ電極6b毎に、これら2つのセンサ電極6bのいずれにも対向する大きさの1つのセンサ電極6aを他の光学基板4aに設けることにしてもよい。また、図7に示されるように、一方の光学基板4bに周方向に間隔をあけて設けられた複数のセンサ電極6bに対して、全てのセンサ電極6bに対向する単一のリング状のセンサ電極6aを他方の光学基板4aに設けることにしてもよい。
【0025】
さらに、図8に示す例では、光学基板4a,4bの対向面に設けられた反射膜3を導電性の材料により構成し、該反射膜3自体を、静電容量を形成するためのセンサ電極6a,6bとして兼用してもよい。この場合、各光学基板4a,4bの中心位置に半径寸法の異なる円形の反射膜3を設けることにより、光学基板4a,4bどうしが、半径方向および周方向のいずれの方向にずれて組み付けられても、あるいはアクチュエータ4cの作動により、いずれの方向にずれても、間隔寸法が同じであれば、同一の電圧信号を出力することができ、検出精度を向上することができる。なお、各光学基板4a,4bの中心位置に同一の半径寸法を有する反射膜3を設け、これらをセンサ電極6a,6bとして兼用することとしても、光学基板4a,4bどうしが周方向に位置ずれした場合には、光学基板4a,4bの間隔寸法の検出精度を低下させずに済むという利点がある。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る内視鏡システム10について、図9〜図12を参照して説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム10は、図9に示されるように、生体の体腔内に挿入される挿入部11と、該挿入部11内に配置される撮像ユニット2と、複数種の光を発する光源ユニット12と、前記撮像ユニット2および光源ユニット12を制御する制御ユニット13と、撮像ユニット2により取得された画像を表示する表示ユニット14とを備えている。
【0027】
前記挿入部11は、生体の体腔に挿入できる極めて細い外形寸法を有し、その内部に、前記撮像ユニット2と、前記光源ユニット12からの光を先端11aまで伝播するライトガイド15とを備えている。
前記光源ユニット12は、体腔内の観察対象Aを照明し、観察対象Aにおいて反射して戻る反射光を取得するための照明光を発する照明光用光源16と、体腔内の観察対象Aに照射され、観察対象A内に存在する蛍光物質を励起して蛍光を発生させるための励起光を発する励起光用光源17と、これらの光源16,17を制御する光源制御回路18とを備えている。
【0028】
前記照明光用光源16は、例えば、図示しないキセノンランプおよびバンドパスフィルタを組み合わせたもので、バンドパスフィルタの50%透過域は、430〜460nmである。すなわち、光源16は、波長帯域430〜460nmの照明光を発生するようになっている。
【0029】
前記励起光用光源17は、例えば、ピーク波長660±5nmの励起光を出射する半導体レーザである。この波長の励起光は、Cy5.5(Amersham社製)やALEXAFLUOR700(Molecular Probes社製)等の蛍光薬剤を励起することができる。
前記光源制御回路18は、後述するタイミングチャートに従う所定のタイミングで、照明光用光源16と励起光用光源17とを交互に点灯および消灯させるようになっている。
【0030】
前記撮像ユニット2は、挿入部11の先端部に配置されている。挿入部11の先端部は、例えば、挿入部11の長さ方向の中央位置より先端11a側、好ましくは、挿入部11の先端11aの向きを変更するために湾曲動作させられる屈曲部11bよりも先端11a側である。
【0031】
前記撮像ユニット2は、図1に示されるように、観察対象Aから入射される光を集光するレンズ19a,19bを含む撮像光学系19と、観察対象Aから入射されてくる励起光を遮断する励起光カットフィルタ20と、制御ユニット5の作動により分光特性を変化させられる上記可変分光素子1と、撮像光学系19により集光された光を撮影して電気信号に変換する撮像素子21と、これらを支持する枠部材5とを備えている。
【0032】
可変分光素子1は、さらに具体的には、図10に示されるように、1つの固定透過帯域および1つの可変透過帯域の2つの透過帯域を有する透過率波長特性を有している。固定透過帯域は、可変分光素子1の状態によらず、常に入射光を透過するようになっている。また、可変透過帯域は可変分光素子1の状態に応じて透過率特性が変化するようになっている。
【0033】
また、センサ電極6a,6bには、例えば、図12に示されるような電気回路7が接続されている。電気回路7は、センサ電極6a,6bに交流電流を供給し、光学部材4a,4bの間隔寸法に応じて決定されるセンサ電極6a,6b間の静電容量を電圧信号に変換し、増幅して(電圧Vを)出力するようになっている。図12中、符号8は能動素子であるオペアンプ、符号9は交流電源である。電気回路7は、枠部材5に固定された光学部材4aに固定されている。
【0034】
蛍光観察においては、一般に、得られる蛍光強度が微弱なため、光学系の透過効率は非常に重要になる。エタロン型の可変分光素子1は、反射膜が平行なときに高い透過率が得られるが、その平行度調整に誤差があると透過率が急激に低下する。したがって、蛍光観察用の撮像ユニット2に用いられる可変分光素子1としては、間隔を変化させたときの2つの光学部材4a,4bの傾き誤差を調整するために、複数のセンサ6を備え、複数の駆動自由度を有していることが望ましい。
センサ電極6a,6bからの信号をもとに、アクチュエータ4cへの駆動信号のフィードバック制御を実施することにより、透過率特性の制御において精度を向上させることができる。
【0035】
前記制御ユニット13は、図9に示されるように、撮像素子21を駆動制御する撮像素子駆動回路22と、可変分光素子1を駆動制御する可変分光素子制御回路23と、撮像素子21により取得された画像情報を記憶するフレームメモリ24と、該フレームメモリ24に記憶された画像情報を処理して表示ユニット14に出力する画像処理回路25とを備えている。
撮像素子駆動回路22および可変分光素子制御回路23は、前記光源制御回路18に接続され、光源制御回路18による照明光用光源16および励起光用光源17の切り替えに同期して可変分光素子1および撮像素子21を駆動制御するようになっている。
【0036】
具体的には、図11のタイミングチャートに示されるように、光源制御回路18の作動により、励起光用光源17から励起光が発せられるときには、可変分光素子制御回路23が、可変分光素子1を第1の状態として、撮像素子駆動回路22が撮像素子21から出力される画像情報を第1のフレームメモリ24aに出力させるようになっている。また、照明光用光源16から照明光が発せられるときには、可変分光素子制御回路23が、可変分光素子1を第2の状態として、撮像素子駆動回路22が撮像素子21から出力される画像情報を第2のフレームメモリ24bに出力するようになっている。
【0037】
また、前記画像処理回路25は、例えば、励起光の照射により得られる蛍光画像情報を第1のフレームメモリ24aから受け取って表示ユニット14の第1のチャネルに出力し、照明光の照射により得られる反射光画像情報を第2のフレームメモリ24bから受け取って表示ユニット14の第2のチャネルに出力するようになっている。
【0038】
このように構成された本実施形態に係る内視鏡システム10の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡システム10を用いて、生体の体腔内の撮影対象Aを撮像するには、蛍光薬剤を体内に注入するとともに、挿入部11を体腔内に挿入し、その先端11aを体腔内の撮影対象Aに対向させる。この状態で、光源ユニット12および制御ユニット13を作動させ、光源制御回路18の作動により、照明光用光源16および励起光用光源17を交互に作動させて照明光および励起光をそれぞれ発生させる。
【0039】
光源ユニット12において発生した励起光および照明光は、それぞれライトガイド15を介して挿入部11の先端11aまで伝播され、挿入部11の先端11aから撮影対象Aに向けて照射される。
励起光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aに浸透している蛍光薬剤が励起されて蛍光が発せられる。撮影対象Aから発せられた蛍光は、撮像ユニット2の撮像光学系19により集光され、励起光カットフィルタ20を透過し、可変分光素子1に入射される。
【0040】
可変分光素子1は、可変分光素子制御回路23の作動により励起光用光源17の作動に同期して第1の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が増大させられており、入射された蛍光を透過させることができる。この場合に、撮影対象Aに照射された励起光の一部が、撮影対象Aにおいて反射され、蛍光とともに撮像ユニット2に入射されるが、撮像ユニット2には励起光カットフィルタ20が設けられているので、励起光は遮断され、撮像素子21に入射されることが阻止される。
【0041】
そして、可変分光素子1を透過した蛍光は撮像素子21に入射され、蛍光画像情報が取得される。取得された蛍光画像情報は、第1のフレームメモリ24aに記憶され、画像処理回路25によって、表示ユニット14の第1のチャネルに出力されて表示ユニット14により表示される。
【0042】
一方、照明光が撮影対象Aに照射された場合には、撮影対象Aの表面において照明光が反射され、撮像光学系19により集光されて励起光カットフィルタ20を透過し、可変分光素子1に入射される。照明光の反射光の波長帯域は、可変分光素子1の固定透過帯域に位置しているので、可変分光素子1に入射された反射光は全て可変分光素子1を透過させられる。
【0043】
そして、可変分光素子1を透過した反射光は撮像素子21に入射され、反射光画像情報が取得される。取得された反射光画像情報は、第2のフレームメモリ24bに記憶され、画像処理回路25によって、表示ユニット14の第2のチャネルに出力されて表示ユニット14により表示される。
【0044】
この場合に、励起光用光源17がオフにされているので、波長660nmの励起光による蛍光は発生していない。照明光用光源16の波長域は、上記蛍光薬剤に対しては励起効率が極めて低いので、実質的に発生しないと考えてよい。さらに、可変分光素子1は、可変分光素子制御回路23の作動により照明光用光源16の作動に同期して第2の状態に切り替えられているので、蛍光に対する透過率が低下させられており、蛍光が入射されても、これを遮断する。これにより、反射光のみが撮像素子21により撮影される。
このように、本実施形態に係る内視鏡システム10によれば、蛍光画像と反射光画像とを合成した画像を使用者に提供することができる。
【0045】
この場合において、本実施形態に係る内視鏡システム10によれば、可変分光素子1にセンサ6が設けられているので、第1の状態および第2の状態に切り替えられた際に、センサ6により2枚の光学基板4a,4bの間隔寸法が検出され、アクチュエータ4cに加える電圧信号がフィードバック制御される。これにより、光学基板4a,4bの間隔寸法が精度よく制御され、高精度に所望の波長帯域の光を分光し、鮮明な蛍光画像および反射光画像を得ることができる。
【0046】
さらに、本実施形態においては、センサ電極6a,6bから出力されたセンサ電極6a,6b間の静電容量を示す電気信号が、可変分光素子1の光学基板4bに固定された電気回路7により増幅されるとともに出力インピーダンスが低減された後に、挿入部11内を伝送され、挿入部11の基端側から体外の可変分光素子制御回路23に送られる。したがって、センサ6により検出された電気信号に対するノイズの混入を低減することができ、光学基板4a,4bの間隔を高精度に検出でき、ひいては可変分光素子1の分光特性を高精度に制御することができるという効果がある。
【0047】
また、本実施形態においては、各光学基板4a,4bの対向面に設けられたセンサ電極6a,6bとして異なる外形寸法のものが採用されているので、アクチュエータ4cの駆動に際して、アクチュエータ4cの個体差等により、光学基板4a,4b間に光軸に交差する方向へのずれが発生した場合であっても、対向するセンサ電極6a,6b間に形成される静電容量は変化せず、光学基板4a,4bの間隔寸法を精度よく検出することができる。
【0048】
なお、本実施形態に係る内視鏡システム10においては、可変分光素子1として、図1〜図8のいずれかに示されたものを採用することとしてもよい。例えば、可変分光素子1として、図7に示されるものを使用する場合には、電気回路7として図13に示されるものを採用すればよい。
【0049】
また、電気回路7として静電容量を電圧信号として検出して増幅する回路を用いたが、これに限定されるものではなく、増幅機能を有しないバッファ回路を採用してもよい。バッファ回路としては、例えば、ボルテージフォロワ回路が挙げられる。バッファ回路によってもセンサ出力の出力インピーダンスを低下させることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る内視鏡システム10においては、薬剤蛍光画像および反射光画像を取得するシステムについて説明したが、これに代えて、自家蛍光画像と薬剤蛍光画像、自家蛍光と反射光画像など他の組み合わせに用いることもできる。
また、センサ6用の電気回路7として、静電容量値を電圧値に変換する回路を用いたが、電流値に変換する回路を用いてもよい。
【0051】
また、本実施形態においては屈曲部11bを有する内視鏡システム10を例示して説明したが、これに代えて、屈曲部11bを有しない硬性鏡に適用してもよい。また、観察対象Aとしては生体に限らない。配管や機械、構造物などの内部を対象とする工業用内視鏡にも適用できる。
【0052】
また、本実施形態においては、撮像ユニット2に可変分光素子1を備える内視鏡システム10について説明したが、これに代えて、挿入部11の先端に配置された光源ユニット30に可変分光素子1を備えていてもよい。
光源ユニット30は、図14に示されるように、白色光を発生する白色LED(光電変換素子)31と、上記可変分光素子1と、白色LED31から発せられた白色光を拡散させるレンズ32と、これらを固定する枠部材5とを備えている。
【0053】
このようにすることで、可変分光素子1のアクチュエータ4cの駆動によって、光学基板4a,4bどうしが光軸に交差する方向に相対的に変位してもセンサ6により検出される静電容量の値が変化せず、光学基板4a,4bどうしの間隔寸法を正確に検出して、白色光から精度よく分光した波長帯域の照明光を観察対象Aに照射することができる。
【0054】
なお、光源ユニット30においては、単一の白色LED31を備える場合の他、照明光量の増加および配光特性の向上を図るために、白色LED31を複数配置することとしてもよい。また、単一の白色LED31と拡散板とを組み合わせて、光源面積を拡大したものや、ランプなどを用いることとしてもよい。
また、多波長励起の半導体レーザやスーパールミネッセントダイオードなどを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変分光素子を備える撮像ユニットを示す縦断面図である。
【図2】図1の可変分光素子の光学基板を光軸方向からみた反射膜およびセンサ電極の配置例を示す図である。
【図3】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第1の変形例を示す図である。
【図4】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第2の変形例を示す図である。
【図5】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第3の変形例を示す図である。
【図6】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第4の変形例を示す図である。
【図7】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第5の変形例を示す図である。
【図8】図2の可変分光素子におけるセンサ電極の第6の変形例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図である。
【図10】図9の内視鏡システムに備えられる撮像ユニットを構成する可変分光素子の透過率特性を示す図である。
【図11】図9の内視鏡システムの動作を説明するタイミングチャートである。
【図12】図9の内視鏡システムに備えられる撮像ユニットを構成する可変分光素子のセンサの信号を増幅する電気回路を示す図である。
【図13】図7の可変分光素子を用いた場合の電気回路の例を示す図である。
【図14】図9の内視鏡システムの変形例であって挿入部の先端に配置される光源ユニットの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 可変分光素子
3 反射膜(光学コート層)
4a,4b 光学基板
4c アクチュエータ
6 センサ(静電容量センサ)
6a,6b センサ電極
10 内視鏡システム(分光装置)
21 撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を空けて対向する第1および第2の光学基板の互いに対向する対向面に設けられた光学コート層と、
前記第1および第2の光学基板の間隔を変化させるアクチュエータと、
前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1の光学基板に設けられた第1のセンサ電極と、
前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1のセンサ電極に対向するとともに、該第1のセンサ電極を前記第2の光学基板上に投影した範囲内に含まれるように設けられた第2のセンサ電極とを有する可変分光素子。
【請求項2】
前記第1および第2のセンサ電極が相似形である請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項3】
前記第1および第2のセンサ電極が円形である請求項2に記載の可変分光素子。
【請求項4】
前記光学コート層が導電性材料により構成され、
前記第1および第2のセンサ電極が、前記光学コート層により構成されている請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項5】
前記第1および第2のセンサ電極の形状が異なる請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項6】
前記第1および第2のセンサ電極が、半径方向よりも周方向に大きな寸法差を有する請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項7】
前記光学コート層が、所望の波長帯域の光を透過する請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の可変分光素子と、
該可変分光素子により分光された光を撮影する撮像素子とを備える分光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の可変分光装置を備える内視鏡システム。
【請求項1】
間隔を空けて対向する第1および第2の光学基板の互いに対向する対向面に設けられた光学コート層と、
前記第1および第2の光学基板の間隔を変化させるアクチュエータと、
前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1の光学基板に設けられた第1のセンサ電極と、
前記第1および第2の光学基板の間隔を検出するためのものであって、前記第1のセンサ電極に対向するとともに、該第1のセンサ電極を前記第2の光学基板上に投影した範囲内に含まれるように設けられた第2のセンサ電極とを有する可変分光素子。
【請求項2】
前記第1および第2のセンサ電極が相似形である請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項3】
前記第1および第2のセンサ電極が円形である請求項2に記載の可変分光素子。
【請求項4】
前記光学コート層が導電性材料により構成され、
前記第1および第2のセンサ電極が、前記光学コート層により構成されている請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項5】
前記第1および第2のセンサ電極の形状が異なる請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項6】
前記第1および第2のセンサ電極が、半径方向よりも周方向に大きな寸法差を有する請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項7】
前記光学コート層が、所望の波長帯域の光を透過する請求項1に記載の可変分光素子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の可変分光素子と、
該可変分光素子により分光された光を撮影する撮像素子とを備える分光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の可変分光装置を備える内視鏡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−151544(P2008−151544A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337595(P2006−337595)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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