説明

可変容量型ターボチャージャ

【課題】タービンハウジング5のスクロール通路5aからタービンホイール2を経て排出口5bへ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニット7を備える可変容量型ターボチャージャ1において、排気ガスに含まれる未燃焼ガスが可動部品(21、27〜29)に付着、堆積したとしても、この堆積物(デポジット)を除去可能とする。
【解決手段】スクロール通路5aと環状空間9とを連通する連通部分には、当該連通部分を塞ぐように第1ノズルプレート11が配置されて、環状空間9に前記可動部品(21、27〜29)の一部が配置される。第1ノズルプレート11には、スクロール通路5aから環状空間9への排気ガスの流入を許容するための通孔41が設けられ、前記可動部品の一部には、通孔41を開放または閉塞させるための開閉部42が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備える可変容量型ターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディーゼルエンジン等に装備されるターボチャージャとして、タービン側を可変容量化した可変容量型ターボチャージャが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種のターボチャージャは、タービンハウジングのスクロール通路と排気管への排出口とを連通する連通路に、その流路面積またはスロート面積を可変とするバリアブルノズルユニットが配設されている。
【0004】
このバリアブルノズルユニットは、エンジンの低回転域において、複数のノズルベーン(可動ベーンとも呼ばれる)の姿勢を変更させて円周方向で隣り合うノズルベーン同士の対向間隔(流路面積またはスロート面積)を減少させることにより、排気ガスの流速を上昇させ、これにより、エンジンの低回転域から高い過給圧を得るようになっている。
【0005】
この特許文献1では、その段落0006に、「タービンハウジングの渦室とリンク室との圧力差により、前記渦室内の燃料またはガスが、ノズルを作動させるためのピンなどの隙間からリンク室に侵入することがあり、この堆積した燃料またはガスがリンク機構の摺動を妨げ、制御性を悪化させるという問題があった」と記載されている。なお、前記リンク機構は、アクチュエータで発生する動力をバリアブルノズルユニットのリンクプレートに伝達して当該リンクプレートを回動させるためのものであり、前記リンク室内に配置されている。
【0006】
そこで、この特許文献1では、渦室からリンク室への燃料の移動を抑制するために、前記渦室とリンク室とを接続する連結路を設けて、渦室とリンク室との圧力差を小さくするようにしている(請求項1、段落0009、0041参照)。なお、特許文献1の段落0009には、「この連結路を渦室に突出するように配設しているから、渦室に付着した燃料が連結路に入ることを防止することができる」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−233940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に係る従来例には、前記連結路を常に開放していて、それを開閉するようにはなっていないので、渦室からリンク室に排気ガスが漏れて過給効率が低下することが懸念される。
【0009】
このような事情に鑑み、本発明は、タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備える可変容量型ターボチャージャにおいて、排気ガスに含まれる未燃焼ガスが可動部品に付着、堆積したとしても、この堆積物(デポジット)を除去可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る可変容量型ターボチャージャは、タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備え、このバリアブルノズルユニットは、前記スクロール通路から前記排出口に至る流路を作るように対向配置される第1、第2ノズルプレートと、この第1、第2ノズルプレート間の円周数ヶ所に設けられるノズルベーンと、全てのノズルベーンの姿勢を一括して変更させることにより前記流路の面積を変更させるためのアクチュエータとを備え、前記スクロール通路と隣り合う領域には、前記アクチュエータに備える動力伝達用の可動部品の一部を配置するための環状空間が前記スクロール通路に連通する状態で設けられており、この連通部分には、当該連通部分を塞ぐように前記第1ノズルプレートが取り付けられており、この第1ノズルプレートには、前記スクロール通路から前記環状空間への排気ガスの流入を許容するための通孔が設けられており、前記可動部品の一部には、前記通孔を開放または閉塞させるための開閉部が設けられている、ことを特徴としている。
【0011】
この構成では、前記スクロール通路を流通する排気ガスに含まれる未燃焼ガスが、前記連通部分に対する前記第1ノズルプレートの取り付け隙間から前記環状空間へ漏洩することが起こり得る。このような漏洩が繰り返されると、前記未燃焼ガスが前記環状空間内に配置される前記可動部品に堆積することになって、この堆積物(デポジット)が前記可動部品の動きを阻害することになりかねない。
【0012】
それに対して、本発明の構成では、前記通孔を開放させたときに前記スクロール通路を流通する高温の排気ガスの一部が前記通孔を経て前記環状空間に流入させられることになる。このようにして環状空間内に流入した高温の排気ガスの熱が、前記可動部品に付着、堆積しているデポジットを気化、消失させるように作用する。その結果、前記可動部品の動きが長期にわたって良好に保たれるようになるので、前記可変容量型ターボチャージャの信頼性を高めることが可能になる。また、前記通孔を常時開放していないので、過給効率のロスを抑制することが可能になる。
【0013】
しかも、過給能力を変更するためにアクチュエータに備える可動部品を動かしたときに、当該動きに連動して前記通孔が開放または閉塞されるように構成されているので、前記通孔の開閉専用の制御系統を装備する必要が無くなって、設備コストの上昇を抑制することが可能になる。
【0014】
好ましくは、前記開閉部は、前記可動部品が前記流路面積を最大とする位置に配置されたときに前記通孔を開放する一方で、前記可動部品が前記流路面積を最小とする位置に配置されたときに前記通孔を閉塞するように、前記可動部品に設けられている。
【0015】
このように、前記可動部品によって前記流路面積を最大にする位置で前記通孔を開放させるようにしていても、前記スクロール通路から前記通孔を経て前記環状空間に流入する排気ガスの量が、前記スクロール通路を流通する排気ガスの総流量からすると僅かであるので、前記過給能力のロスが最小限で済むことになる。
【0016】
好ましくは、前記アクチュエータは、前記第1ノズルプレートに隣り合う位置に相対回転可能に支持される状態で配置されかつ円周数ヶ所に前記ノズルベーンが傾動可能に支持される環状板からなるユニゾンリングと、このユニゾンリングを前記流路面積を最大とする位置から前記流路面積を最小とする位置まで回転動作させるのに必要な動力を発生する駆動源と、この駆動源で発生する動力を前記ユニゾンリングに回転動力として伝達するためのリンク機構とを備え、かつ前記リンク機構において前記回転動力を前記可動部品に直接伝達する最終動力伝達部材が、前記環状板からなる前記可動部品の円周方向の所定位相に配置されており、前記通孔は前記最終動力伝達部材の配置位置に対応して設置され、前記ユニゾンリングおよび前記最終動力伝達部材が前記可動部品とされている。
【0017】
ここでは、可動部品を明確にするとともに、当該可動部品を作動させるための要素を明確にしている。この構成では、前記可動部品(ユニゾンリングおよび最終動力伝達部材)に前記未燃焼ガスが付着、堆積したとしても、前記通孔の開放時には前記スクロール通路から前記通孔を経て前記環状空間に流入される高温の排気ガスが、その流入直後に前記可動部品に触れるようになる。そのため、前記可動部品(ユニゾンリングおよび最終動力伝達部材)に付着、堆積しているデポジットが前記高温の排気ガスでもって気化、消失されやすくなる。
【0018】
好ましくは、前記バリアブルノズルユニットは、前記アクチュエータを制御する制御部をさらに備え、この制御部は、前記スクロール通路の上流側に排気ガス浄化用燃料を添加する時期や量に基づいて前記可動部品に付着、堆積するデポジットの堆積量を推定する推定手段と、この推定手段による推定値が所定値を超えたと判定した後、前記スクロール通路を流通する排気ガス流量が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を開放させるように前記可動部品を作動させる第1処理手段とを含む。
【0019】
この構成では、前記通孔を開放させるように前記可動部品を自動的に作動させることが可能になる。また、前記可動部品を必要以上に作動させる必要がなくなる。
【0020】
好ましくは、前記バリアブルノズルユニットは、前記アクチュエータを制御する制御部をさらに備え、この制御部は、前記スクロール通路の上流側に排気ガス浄化用燃料を添加する時期や量に基づいて前記可動部品に付着、堆積するデポジットの堆積量を推定する推定手段と、この推定手段による推定値が所定値を超えたと判定した後、前記排気ガス浄化用燃料が添加無しとなるアクセルペダルのオフ操作有りと判定し、かつ前記スクロール通路を流通する排気ガス流量が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を開放させるように前記可動部品を作動させる第1処理手段とを含む。
【0021】
この構成では、アクセルペダルのオフ操作有り時に通孔を開放させるように前記可動部品を作動させるようにしているから、通孔を開放させたときに、排気ガス浄化用燃料が排気ガスに含まれなくなる。そのため、通孔から環状空間に排気ガスが流入しても当該環状空間に余分な燃料が残存せずに済むようになる。このように、最適なタイミングで前記通孔を開放させることが可能になる。
【0022】
好ましくは、前記制御部は、前記通孔の開放時間を積算し、当該積算値が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を閉塞させるように前記可動部品を作動させる第2処理手段をさらに含む。
【0023】
この構成では、最適なタイミングで前記通孔を閉塞させるように前記可動部品を作動させることが可能になる。
【0024】
好ましくは、前記可変容量型ターボチャージャは、前記タービンホイールと前記コンプレッサインペラとを回転一体とする共通の回転軸が回転自在に支持するためのベアリングハウジングをさらに備え、前記タービンハウジングは、前記ベアリングハウジングの外周の軸方向中間領域においてタービン寄りに設けられる径方向外向きのフランジに結合され、前記環状空間は、前記ベアリングハウジングのフランジと前記タービンハウジングとの結合部分に設けられている。ここでは、環状空間が設けられる場所を明確にしている。
【0025】
好ましくは、前記開閉部は、前記可動部品に固定されて前記第1ノズルプレートに弾性的に圧接される板ばねとされる。
【0026】
ここでは、開閉部を特定している。この特定によれば、第1ノズルプレートの通孔を閉塞するときに前記板ばねからなる開閉部が第1ノズルプレートから離れてしまうという不具合が発生せずに済む。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備える可変容量型ターボチャージャにおいて、排気ガスに含まれる未燃焼ガスが可動部品に付着、堆積したとしても、この堆積物(デポジット)を除去することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る可変容量型ターボチャージャの一実施形態で、その概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のバリアブルノズルユニットの上半分を拡大して示す断面図である。
【図3】図1のバリアブルノズルユニットのユニゾンリングの外側面を示す図で、ノズルベーン開度を大きくした状態を示している。
【図4】図1のバリアブルノズルユニットの第1ノズルプレートの内側面を示す図で、ノズルベーン開度を大きくした状態を示している。
【図5】図1のバリアブルノズルユニットのユニゾンリングの外側面を示す図で、ノズルベーン開度を小さくした状態を示している。
【図6】図1のバリアブルノズルユニットの第1ノズルプレートの内側面を示す図で、ノズルベーン開度を小さくした状態を示している。
【図7】図1のリンク機構の一部を示す斜視図である。
【図8】図7のリンク機構の一部を分解して示す斜視図である。
【図9】図1の一対のプレートおよびユニゾンリングを上から見た図で、通孔を閉塞している状態を示している。
【図10】図1の一対のプレートおよびユニゾンリングを上から見た図で、通孔を開放している状態を示している。
【図11】図1に示すバリアブルノズルユニットの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】ユニゾンリング21を過給能力の通常制御に用いる通常回転角領域内で通孔を閉塞していて、前記通常回転角領域外で通孔を開放させる場合を示すグラフである。
【図13】ユニゾンリング21を過給能力の通常制御に用いる通常回転角領域内で通孔を開放または閉塞させる場合を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1から図12に、本発明の一実施形態を示している。図示する可変容量型ターボチャージャ1は、図示していない内燃機関に付設される。この可変容量型ターボチャージャ1は、図1から図8に示すように、タービンホイール2、コンプレッサインペラ3、ベアリングハウジング4、タービンハウジング5、コンプレッサハウジング6、バリアブルノズルユニット7などを備えている。
【0031】
タービンホイール2は、タービンシャフト2aの軸方向一端に一体に形成されており、コンプレッサインペラ3は、タービンシャフト2aの軸方向他端に一体に取り付けられている。このタービンシャフト2aは、ベアリングハウジング4の中心孔内に2つのラジアルベアリング8A,8Bを介して回転自在となるように挿通されている。
【0032】
なお、2つのラジアルベアリング8A,8Bは、メタルやブッシュと呼ばれるほぼ円筒形状のすべり軸受とされており、軸方向への変位が規制された状態で、フローティング状態とされている。
【0033】
ベアリングハウジング4の軸方向一端にはタービンハウジング5が取り付けられ、また、ベアリングハウジング4の軸方向他端にはコンプレッサハウジング6が取り付けられている。タービンホイール2は、タービンハウジング5内に収納され、コンプレッサインペラ3はコンプレッサハウジング6内に収納されている。
【0034】
タービンハウジング5には、排気ガスを旋回させるスクロール通路5aと、スクロール通路5a内の排気ガスをタービンホイール2を介して図示していない排気管に排出させる排出口5bとが設けられている。
【0035】
コンプレッサハウジング6には、図示していない吸気系からの吸入空気をコンプレッサインペラ3に向けて導入させる導入口6aと、コンプレッサインペラ3の回転により圧力が高められた吸入空気を吸気管(図示省略)に送出する送出通路6bとが設けられている。
【0036】
内燃機関から排気マニホールド(図示省略)に排出される排気ガスのエネルギーを利用してタービンホイール2を回転させ、このタービンホイール2と一体回転するコンプレッサインペラ3によって大気圧よりも高い圧力の新気を吸気マニホールド(図示省略)から燃焼室(図示省略)内に供給する。
【0037】
バリアブルノズル(VN)ユニット7は、タービンハウジング5のスクロール通路5aからタービンホイール2を経て排出口5bに排気ガスを排出する容量を変更可能とするものであって、図1から図6に示すように、一対の第1、第2ノズルプレート11,12、複数のノズルベーン13、アクチュエータ20、制御部100などを備えている。
【0038】
第1、第2ノズルプレート11,12は、環状板とされており、タービンハウジング5のスクロール通路5aから排出口5bに至る流路を作るように平行に対向するように配置されている。これら第1、第2ノズルプレート11,12の対向間に作られる流路の円周数ヶ所(例えば12ヶ所)に、ノズルベーン13が姿勢変更可能となるように取り付けられている。
【0039】
図4および図6に示すように、ノズルベーン13それぞれの左右には、第1、第2支軸14,15が一直線状に連なるように固定されている。第1支軸14の突出端は第1ノズルプレート11の貫通孔(符号省略)に、また、第2支軸15の突出端は第2ノズルプレート12の貫通孔(符号省略)にそれぞれ回動可能に挿入支持されている。
【0040】
アクチュエータ20は、全てのノズルベーン13の姿勢を一括して変更させるものであって、ユニゾンリング21、駆動源22、リンク機構23などを備えている。
【0041】
まず、ユニゾンリング21は、第1ノズルプレート11よりコンプレッサインペラ2寄りに非接触で隣り合うように配置されている。このユニゾンリング21は、第1ノズルプレート11に円周方向の両方向に回転可能となるように支持されている。そのために、図3、図5ならびに図7に示すように、第1ノズルプレート11に複数のローラ31がそれぞれ支軸32を介して回転自在に取り付けられている。この各ローラ31はユニゾンリング21の内周面に内接されるようになっている。
【0042】
駆動源22は、詳細に図示していないが、回転動力を発生する直流モータ(DCモータ)と、この直流モータの回転動力をリンク機構23のリンクロッド24を押し引きするための直線運動に変換する動力変換機構(例えば歯車機構およびウォーム機構など)とを備えている。
【0043】
リンク機構23は、駆動源22で発生する動力をユニゾンリング21に回転動力として伝達するものであって、図7および図8に示すように、リンクロッド24、リンクアーム25、第1、第2リンクピン26,27、操作レバー28、ベーンアーム29などを備えている。
【0044】
ユニゾンリング21の内周の円周数ヶ所には、図3、図5、図8に示すように、溝21aが設けられている。各溝21aには、1つの操作レバー28および多数のベーンアーム29の一部が係合されている。
【0045】
各ベーンアーム29は、ノズルベーン13と同数設けられており、各ベーンアーム29の傾動支点には、各第1支軸14の突出端が個別に固定状態で取り付けられている。操作レバー28をアクチュエータ20により所定方向に所定角度傾動させると、ユニゾンリング21が所定方向に所定角度回転されることになって、このユニゾンリング21によって各ベーンアーム29が一括連係して所定方向に所定角度傾動させられるようになっている。
【0046】
操作レバー28の傾動支点には、第2リンクピン27の一端が固定されており、この第2リンクピン27の他端にはリンクアーム25の一端側が固定されている。リンクアーム25の他端には、第1リンクピン26の一端が固定されており、この第1リンクピン26の他端にはリンクロッド24の一端が固定されている。このリンクロッド24の他端には、駆動源22の前記動力変換機構の出力部材(図示省略)が連結される。第2リンクピン27は、ベアリングハウジング4のフランジ4aに貫通装着されている円筒形ブッシュ33内に回転自在となるように挿通されている。
【0047】
制御部100は、アクチュエータ20を制御するもので、この実施形態では、例えばエンジン1の各種動作制御に必須となる既存のエンジンコントロールコンピュータ(ECU)とされる。このような既存のECUからなる制御部100には、ターボチャージャ1の過給能力を制御する機能と、適宜のタイミングでアクチュエータ20の可動部分に付着するデポジットを除去するための機能とが少なくとも装備されている。
【0048】
この制御部100は、詳細に図示していないが、共にCPU(中央処理装置)、ROM(プログラムメモリ)、RAM(データメモリ)、ならびにバックアップRAM(不揮発性メモリ)などを備える公知の構成とされる。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1の停止時にその保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。
【0049】
ところで、アクチュエータ20の可動部品の一部(ユニゾンリング21、リンク機構23の第2リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)は、ベアリングハウジング4とタービンハウジング5との間に設けられる環状空間9に配置されているが、アクチュエータ20の駆動源22とリンク機構23のリンクロッド24、リンクアーム25ならびに第1リンクピン26は、ベアリングハウジング4のフランジ4aの外側に露呈する状態で配置されている。
【0050】
具体的に、環状空間9を説明する。ベアリングハウジング4の外周面の軸方向中間領域でタービン寄りの位置には、径方向外向きのフランジ4aが設けられている。このフランジ4aには、タービンハウジング5の外筒部5cが結合されている。この結合部分に、前記した環状空間9がスクロール通路5aと隣り合うように作られている。
【0051】
ところで、タービンハウジング5においてベアリングハウジング4寄りの側壁における内径側領域は、開放されることによってスクロール通路5aと環状空間9とを連通する列部分になっている。但し、この連通部分には、第1ノズルプレート11が当該連通部分を塞ぐように取り付けられている。
【0052】
なお、第2ノズルプレート12の内周面とタービンハウジング5において第2ノズルプレート12の対向面との対向隙間は、シールリング16で密封されている。
【0053】
次に、バリアブルノズルユニット7の動作を説明する。
【0054】
アクチュエータ20によりリンクロッド24を図3矢印X1に示すように引くか、あるいは図5矢印Y1に示すように押すと、リンクアーム25が所定方向に所定角度回転させられることになって、このリンクアーム25によって操作レバー28が傾動される。これにより、ユニゾンリング21が図3矢印X2に示すように時計回り方向、あるいは図5矢印Y2に示すように反時計回り方向に所定角度回転させられるとともに、各ベーンアーム29が同期して傾動される。この各ベーンアーム29の傾動に伴い、それに第1支軸14を介して一体とされている各ノズルベーン13が同期して傾動されるようになって、各ノズルベーン13それぞれの対向間隔(流路面積またはスロート面積)が調節されることになる。
【0055】
具体的に、リンクロッド24を図3矢印X1に示すように引くと、各ノズルベーン13それぞれの対向間隔が図4に示すように最大になる。一方、リンクロッド24を図5矢印Y1に示すように押すと、各ノズルベーン13それぞれの対向間隔(流路面積またはスロート面積)が図6に示すように最小になる。
【0056】
ちなみに、内燃機関の低回転域において、隣り合うノズルベーン13の対向間隔(流路面積またはスロート面積)を小さくさせるようにノズルベーン13の姿勢を調整すれば、排気ガスの流速が増加して、低回転域から高い過給圧を得ることが可能になる。
【0057】
ところで、スクロール通路5aを流通する排気ガスに含まれる未燃焼ガスが、スクロール通路5aと環状空間9とを連通する部分に対する第1ノズルプレート11の取り付け隙間から環状空間9へ漏洩することが起こり得る。このような漏洩が繰り返されると、前記未燃焼ガスが、環状空間9内に配置されるアクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第2リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)に付着、堆積するために、この堆積物(デポジット)が当該可動部品の動きを阻害することになりかねない。
【0058】
そこで、この実施形態では、図7から図12に示すように、第1ノズルプレート11に、スクロール通路5aから環状空間9への排気ガスの流入を許容するための通孔41を設け、この通孔41をユニゾンリング21に設けている開閉部42によって開放または閉塞させるように構成している。
【0059】
この通孔41を開放させると、スクロール通路5aを流通する高温の排気ガスの一部が通孔41を経て環状空間9に流入させられることになる。このようにして環状空間9内に高温の排気ガスが流入すると、当該高温の排気ガスの熱によって、アクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第2リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)に付着、堆積しているデポジットが気化、消失されるようになる。これにより、アクチュエータ10の可動部品の動きが長期にわたって良好に保たれるようになるので、可変容量型ターボチャージャ1の信頼性を高めることが可能になる。
【0060】
以下、具体的に説明する。通孔41は、第1ノズルプレート11の板厚方向あるいは中心軸線方向とほぼ平行に貫通するように設けられている。開閉部42は、ユニゾンリング21において通孔41に中心軸線に平行な軸方向で対向する場所に取り付けられている。
【0061】
この開閉部42は、少なくとも耐熱性、耐蝕性に優れた弾性体とすることが好ましく、例えば板ばねなどとすることができる。この板ばねからなる開閉部42は、図9および図10に示すように、矩形板の数ヶ所をプレス成形などで屈曲することにより、横から見てほぼ台形のような形状にしている。これにより、開閉部42の平坦部42aが第1ノズルプレート11に面で弾性的に圧接されるようになっている。しかも、開閉部42の平坦部42aは、通孔41を完全に覆い隠せるように、当該平坦部42aの面積が通孔41の開口面積より大きく設定されている。
【0062】
そして、図9に示すように、ユニゾンリング21をノズルベーン13の間の流路面積を最大とする位置に配置させた場合には、開閉部42が通孔41を開放する位置に配置される。一方、図10に示すように、ユニゾンリング21を前記流路面積を最小とする位置に配置させた場合には、開閉部42が通孔41を閉塞する位置に配置される。
【0063】
さらに、この実施形態では、通孔41の設置場所について、ユニゾンリング21に回転動力を直接伝達する操作レバー28が、ユニゾンリング21の円周方向の所定位相に配置されているので、当該操作レバー28の配置位置に軸方向で正対する位置に通孔41を設置するようにしている。なお、操作レバー28が、請求項に記載の「最終動力伝達部材」に相当している。
【0064】
次に、図11のフローチャートを参照して、通孔41の開閉動作について説明する。
【0065】
このフローチャートは、内燃機関の始動開始から所定周期(数msec〜数十msec)毎に実行される。
【0066】
まず、ステップS1では、アクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第2リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)に付着、堆積するデポジットの堆積量を推定する。
【0067】
近年では、図示していないが、スクロール通路5aの上流側に排気ガス浄化用燃料を添加することにより、この燃料をタービンハウジング5の排出口5bに連結される排気系の触媒で燃焼させて高温雰囲気とすることにより排気ガスの浄化能力を高めるように構成される。このような場合には、内燃機関からスクロール通路5aに排出される排気ガスに未燃焼ガスが多く含まれる。
【0068】
この点を考慮し、前記ステップS1での推定方法の一例としては、スクロール通路5aの上流側に排気ガス浄化用燃料を添加する時期や量に基づいてアクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第2リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)に付着するデポジットの堆積量を推定するようにできる。一般に、アクセルペダル(図示省略)がオフ操作されると、前記排気ガス浄化用燃料が添加されなくなる。
【0069】
この後、続くステップS2において、前記ステップS1で推定した推定値Aが所定の閾値Xを超えたか否かを判定する。前記閾値Xはいろいろな実験またはシミュレーションにより把握した結果に基づいて適宜設定される。
【0070】
ここで、A≦Xの場合には前記ステップS2で否定判定し、このフローチャートを終了する。一方、A>Xの場合には前記ステップS2で肯定判定し、続くステップS3に移行する。
【0071】
このステップS3では、スクロール通路5aを流通する排気ガスの流量を測定し、この測定値Bが所定の閾値Yを超えたか否かを判定する。前記閾値Yはいろいろな実験またはシミュレーションにより把握した結果に基づいて適宜設定される。
【0072】
ここで、B≦Yの場合には前記ステップS3で否定判定し、前記測定値Bが前記閾値Yを超えるまで前記ステップS3を繰り返す。一方、B>Yの場合には前記ステップS3で肯定判定し、続くステップS4に移行する。
【0073】
このステップS4では、通孔41を開放させる。ここでは、アクチュエータ10でユニゾンリング21を円周方向所定方向(図10の矢印61方向)に作動させることにより、ユニゾンリング21と一体に開閉部42を円周方向所定方向へ変位させて、通孔41を開放させる。
【0074】
この実施形態では、図12に示すように、ユニゾンリング21を過給能力の通常制御に用いる通常回転角領域内では通孔41を閉塞していて、当該通常回転角領域から外れた回転角位置θxで通孔41を全開にさせるようにする。そのため、前記ステップS4ではユニゾンリング21を最大回転角位置θmaxを超えて回転角位置θxまで回転させるようにする。
【0075】
これにより、スクロール通路5aを流通する排気ガスの一部が通孔41から環状空間9に流入するようになる。この環状空間9に流入した排気ガスは流入直後にユニゾンリング21および操作レバー28に触れやすくなるので、アクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第1リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)にデポジットが付着している場合には、このデポジットが前記高温の排気ガスでもって気化、消失されるようになる。
【0076】
この後、続くステップS5において、通孔41の開放時間を積算し、当該積算値Cが所定の閾値Zを超えたか否かを判定する。前記閾値Zはいろいろな実験またはシミュレーションにより把握した結果に基づいて適宜設定される。
【0077】
ここで、C≦Zの場合つまり環状空間9内のデポジットを消失できていない場合には前記ステップS5で否定判定し、前記ステップS3に戻る。一方、C>Zの場合つまり環状空間9内のデポジットを消失できた場合には前記ステップS5で肯定判定し、続くステップS6に移行する。
【0078】
このステップS6では、通孔41を閉塞させる。ここでは、アクチュエータ10でユニゾンリング21を円周方向所定方向(図9の矢印60方向)に作動させる。この後、フローチャートを終了する。
【0079】
この実施形態において、前記ステップS1が請求項に記載の「推定手段」に相当し、前記ステップS2〜S4が請求項に記載の「第1処理手段」に相当し、前記ステップS5,S6が請求項に記載の「第2処理手段」に相当している。
【0080】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、環状空間9に配置されるアクチュエータ10の可動部品(ユニゾンリング21、リンク機構23の第1リンクピン27、操作レバー28、ベーンアーム29)に排気ガスに含まれる未燃焼ガスが経時的に付着、堆積することがあるので、適宜のタイミングで通孔41を開放させることにより前記堆積物(デポジット)を気化、消失させるようにしている。
【0081】
これにより、アクチュエータ10の前記可動部品の動きが長期にわたって良好に保たれるようになるので、前記可変容量型ターボチャージャ1の信頼性を高めることが可能になる。また、図12に示すように通常使用領域を超えた領域で通孔41を開放させるようにしているので、過給効率のロスを最小限に抑制することが可能になる。
【0082】
特に、この実施形態では、前記デポジットによって動きが阻害されやすくなる操作レバー28に対して軸方向で正対する位置に通孔41を設けているから、通孔41の開放時には環状空間9に流入される高温の排気ガスが、その流入直後に前記可動部品のうちの特に操作レバー28に触れやすくなる。そのため、前記可動部品のうちの特に操作レバー28に堆積している動作阻害要因であるデポジットを前記高温の排気ガスでもって気化、消失させることが可能になる。
【0083】
また、この実施形態では、アクセルペダル(図示省略)のオフ操作時に通孔41を開放させるようにユニゾンリング21を作動させるようにしているから、通孔41を開放させたときに、排気ガス浄化用燃料が排気ガスに含まれなくなる。そのため、通孔41から環状空間9に排気ガスが流入しても当該環状空間9に余分な燃料が残存せずに済むようになる。このように、最適なタイミングで通孔41を開放させることが可能になる。
【0084】
さらに、この実施形態では、通孔41を開閉するための開閉部42を板ばねにしているから、第1ノズルプレート11の通孔41を閉塞するときに板ばねからなる開閉部42が第1ノズルプレート11から離れてしまうという不具合が発生せずに済むなど、通孔41の開閉動作を安定化することが可能になる。
【0085】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0086】
(1)上記実施形態では、1つの通孔41を、第1ノズルプレート11において操作レバー28に軸方向で正対する場所に設置した例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。通孔41の数や、通孔41の設置場所については任意とすることが可能である。
【0087】
(2)上記実施形態では、図12に示すように、ユニゾンリング21を過給能力の通常制御に用いる通常回転角領域から外した回転角領域において通孔41を開放させる形態にした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図13に示すように、ユニゾンリング21を過給能力の通常制御に用いる通常回転角領域内で通孔41を開放または閉塞させるような形態にすることが可能である。
【0088】
具体的に、図13に示す例では、ユニゾンリング21を流路面積最小となる最小回転角位置θminから通常回転角領域の約2/3の回転角位置θyまでの間、通孔41を全閉にさせるようにして、ユニゾンリング21を前記通常回転角領域の約2/3の回転角位置θyに配置しているときに通孔41を開放し始めて流路面積最大となる最大回転角位置θmaxの少し手前の位置θzで通孔41を全開にさせるようにしている。
【0089】
このように、ユニゾンリング21の過給能力の通常制御における回転動作に連動して通孔41を開閉させるようにした場合には、上記実施形態のように通孔41の開閉専用の制御系統を装備する必要が無くなって、設備コストの上昇を抑制することが可能になる。
【0090】
しかも、ユニゾンリング21を流路面積最大となる回転角位置θmaxに配置したときに通孔41を全開にさせるようにしていても、スクロール通路5aから通孔41を経て環状空間9へ流入する排気ガスの量が、スクロール通路5aを流通する排気ガスの総流量からすると僅かであるので、過給能力のロスを最小限に抑制することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備える可変容量型ターボチャージャに好適に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 ターボチャージャ
2 タービンホイール
2a タービンシャフト
3 コンプレッサインペラ
4 ベアリングハウジング
4a ベアリングハウジングのフランジ
5 タービンハウジング
5a タービンハウジングのスクロール通路
5b タービンハウジングの排出口
7 バリアブルノズルユニット
9 環状空間
11 第1ノズルプレート
11a 通孔
12 第2ノズルプレート
13 ノズルベーン
20 アクチュエータ
21 ユニゾンリング
22 駆動源
23 リンク機構
24 リンクロッド
25 リンクアーム
26 第1リンクピン
27 第2リンクピン
28 操作レバー
29 ベーンアーム
41 通孔
42 開閉部
100 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンハウジングのスクロール通路からタービンホイールを経て排出口へ排気ガスを排出する容量を変更可能とするためのバリアブルノズルユニットを備え、
このバリアブルノズルユニットは、前記スクロール通路から前記排出口に至る流路を作るように対向配置される第1、第2ノズルプレートと、この第1、第2ノズルプレート間の円周数ヶ所に設けられるノズルベーンと、全てのノズルベーンの姿勢を一括して変更させることにより前記流路の面積を変更させるためのアクチュエータとを備え、
前記スクロール通路と隣り合う領域には、前記アクチュエータに備える動力伝達用の可動部品の一部を配置するための環状空間が前記スクロール通路に連通する状態で設けられており、
この連通部分には、当該連通部分を塞ぐように前記第1ノズルプレートが取り付けられており、
この第1ノズルプレートには、前記スクロール通路から前記環状空間への排気ガスの流入を許容するための通孔が設けられており、
前記可動部品の一部には、前記通孔を開放または閉塞させるための開閉部が設けられている、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項2】
請求項1に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記開閉部は、前記可動部品が前記流路面積を最大とする位置に配置されたときに前記通孔を開放する一方で、前記可動部品が前記流路面積を最小とする位置に配置されたときに前記通孔を閉塞するように、前記可動部品に設けられている、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記アクチュエータは、前記第1ノズルプレートに隣り合う位置に相対回転可能に支持される状態で配置されかつ円周数ヶ所に前記ノズルベーンが傾動可能に支持される環状板からなるユニゾンリングと、このユニゾンリングを前記流路面積を最大とする位置から前記流路面積を最小とする位置まで回転動作させるのに必要な動力を発生する駆動源と、この駆動源で発生する動力を前記ユニゾンリングに回転動力として伝達するためのリンク機構とを備え、かつ前記リンク機構において前記回転動力を前記可動部品に直接伝達する最終動力伝達部材が、前記環状板からなる前記可動部品の円周方向の所定位相に配置されており、
前記通孔は前記最終動力伝達部材の配置位置に対応して設置され、前記ユニゾンリングおよび前記最終動力伝達部材が前記可動部品とされている、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記バリアブルノズルユニットは、前記アクチュエータを制御する制御部をさらに備え、
この制御部は、前記スクロール通路の上流側に排気ガス浄化用燃料を添加する時期や量に基づいて前記可動部品に付着、堆積するデポジットの堆積量を推定する推定手段と、
この推定手段による推定値が所定値を超えたと判定した後、前記スクロール通路を流通する排気ガス流量が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を開放させるように前記可動部品を作動させる第1処理手段とを含む、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記バリアブルノズルユニットは、前記アクチュエータを制御する制御部をさらに備え、
この制御部は、前記スクロール通路の上流側に排気ガス浄化用燃料を添加する時期や量に基づいて前記可動部品に付着、堆積するデポジットの堆積量を推定する推定手段と、
この推定手段による推定値が所定値を超えたと判定した後、前記排気ガス浄化用燃料が添加無しとなるアクセルペダルのオフ操作有りと判定し、かつ前記スクロール通路を流通する排気ガス流量が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を開放させるように前記可動部品を作動させる第1処理手段とを含む、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項6】
請求項4または5に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記制御部は、前記通孔の開放時間を積算し、当該積算値が所定値を超えたと判定したときに、前記アクチュエータで前記通孔を閉塞させるように前記可動部品を作動させる第2処理手段をさらに含む、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記タービンホイールと前記コンプレッサインペラとを回転一体とする共通の回転軸が回転自在に支持するためのベアリングハウジングをさらに備え、
前記タービンハウジングは、前記ベアリングハウジングの外周の軸方向中間領域においてタービン寄りに設けられる径方向外向きのフランジに結合され、
前記環状空間は、前記ベアリングハウジングのフランジと前記タービンハウジングとの結合部分に設けられている、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
前記開閉部は、前記可動部品に固定されて前記第1ノズルプレートに弾性的に圧接される板ばねとされる、ことを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−96355(P2013−96355A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241959(P2011−241959)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】