説明

合わせパネル

【課題】構造を簡単にすることができる合わせパネルを提供する。
【解決手段】合わせパネル100において、非透明(半透明又は不透明)の中間膜130が互いに対向する一対のガラス板110,120の間に介在する。発光装置140は赤、緑、青色光を発光可能なLED141,142,143を備え、発光装置140はガラス板110,120の外周縁部を収容する枠体150の溝153の底面に取り付けられる。階調制御装置160は発光装置140のON・OFF及び発光する光の階調を制御可能である。合わせパネル100において発光装置140は、ガラス板110,120の外周端面の直ぐ近傍に配設され、発光する光がガラス板110,120の外周端面から板厚内に導入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合わせパネルに関し、特に、車両等の窓に用いられる面発光可能な合わせパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のルーフガラスに用いられる合わせパネルとして、一対のガラス板やプラスチック板等の一対の透明基板の間にエレクトロルミネセンス層が設けられた合わせパネルがある。エレクトロルミネセンス層は、エレクトロルミネセンス光素子や、このエレクトロルミネセンス光素子に電圧を印加する一対の電極層等から構成されている。上記従来の合わせパネルは、エレクトロルミネセンス層に電圧を印加することにより透明基板の全面において発光し、自動車の室内照明として使用することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2004−527894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エレクトロルミネセンス光素子は単一の色の光のみを発光可能であるため、上述の従来の合わせパネルにおけるエレクトロルミネセンス層は、単一色の光しか発光できず、ユーザが任意に所望する色の光を発光させることができなかった。従って、ユーザの嗜好を満足させるものではなかった。
【0004】
また、上述の従来の合わせパネルは、エレクトロルミネセンス光素子や電極層等から構成されるエレクトロルミネセンス層を一対の透明基板の間に形成するので、構造が複雑であった。このため、製造工程が煩雑となり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、構造を簡単にすることができる合わせパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の合わせパネルは、互いに対向する一対の透明基板と、該一対の透明基板の間に介在する非透明な中間膜と、前記一対の透明基板の端部から前記一対の透明基板の板厚内に赤、緑、及び青の光を発光可能な発光源とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の合わせパネルは、請求項1記載の合わせパネルにおいて、前記中間膜は半透明であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の合わせパネルは、請求項1記載の合わせパネルにおいて、前記中間膜は不透明であることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の合わせパネルは、請求項1記載の合わせパネルにおいて、前記中間膜は、一対の透明電極膜と、該一対の透明電極膜の間に介在すると共に、複数の空孔を有し且つ該空孔の各々に液晶材料が封入された透明な液晶層と、前記一対の透明電極膜に電圧を印加する電圧印加手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の合わせパネルは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の合わせパネルにおいて、前記発光源の発光する赤、緑、及び青の光の階調の各々を制御可能な階調制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の合わせパネルは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の合わせパネルにおいて、前記光源は赤、緑、及び青の光を発光可能な一対のLEDを少なくとも1つ備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の合わせパネルは、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の合わせパネルにおいて、前記一対の透明基板の外周縁部が収容されると共に前記光源が配設される枠体を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の合わせパネルは、互いに対向する一対の透明基板と、該一対の透明基板の間に介在する非透明な中間膜と、前記一対の透明基板の端部から前記一対の透明基板の板厚内に単色の光を発光可能な発光源とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の合わせパネルによれば、非透明な中間膜が間に介在する一対の透明基板の端部から、発光源がこの一対の透明基板の板厚内に、赤、緑、及び青の光を発光可能である。このため、発光源が種々の色の光を一対の透明基板の全面において発光させることができ、従って、ユーザの所望する色の光を発光させることができ、ユーザの嗜好を満たすことができる。また、上記一対の透明基板の端部に発光源を配設すればよく、構造を簡単にすることができる。
【0015】
請求項2記載の合わせパネルによれば、中間膜は半透明であるので、一対の透明基板の全面において確実に発光させることができる。
【0016】
請求項3記載の合わせパネルによれば、中間膜は不透明であるので、一対の透明基板の全面において発光する光の輝度をより上昇させることができる。
【0017】
請求項4記載の合わせパネルによれば、中間膜が、液晶材料が封入された複数の空孔を有する液晶層と、この液晶層が間に介在する一対の透明電極膜と、一対の透明電極膜に電圧を印加する電圧印加手段とを備えるので、電圧印加手段の操作により液晶層の液晶材料の配列方向を変更させることができ、中間膜に入射する光を透過又は散乱させることができる。従って、ユーザは電圧印加手段を操作することにより中間膜を透明又は非透明にすることができ、ユーザの嗜好をより満たすことができる。
【0018】
請求項5記載の合わせパネルによれば、階調制御手段が、発光源の発光する赤、緑、及び青の光の階調の各々を制御可能であるので、ユーザは階調制御手段を操作することにより、任意に所望する色の光を一対の透明基板の全面において発光させることができ、ユーザの嗜好をより満たすことができる。
【0019】
請求項6記載の合わせパネルによれば、光源は赤、緑、及び青の光を発光可能な一対のLEDを少なくとも1つ備えるので、請求項1の効果を確実に奏することができる。
【0020】
請求項7記載の合わせパネルによれば、光源が配設された枠体が一対の透明基板の外周縁部を収容するので、枠体を介してこの合わせパネルを種々の開口部に容易に取り付けることができる。
【0021】
請求項8記載の合わせパネルによれば、非透明な中間膜が間に介在する一対の透明基板の端部から、発光源がこの一対の透明基板の板厚内に単色の光を発光可能である。従って、上記一対の透明基板の端部に発光源を配設すればよく、構造を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る合わせパネルの概略構造を示す断面図であり、図2は、図1の合わせパネルの概略構造を示す斜視図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る合わせパネル100は、互いに対向する一対の透明基板としてのガラス板110,120と、ガラス板110,120の間に介在する中間膜130と、一対のガラス板110,120の外周端部から一対のガラス板110,120の板厚内に光を発光することができる発光源としての発光装置140と、ガラス板110,120の外周縁部を収容する枠体150と、ケーブル161を介して発光装置140のON・OFF及び発光する光の階調を制御することができる階調制御装置160とを備える。
【0025】
ガラス板110,120は、矩形のガラス板であり、互いに同一形状同一サイズである。ガラス板110,120は、夫々対向する内側面111,121の間が一定の間隔となるように、且つ外周短面が同一平面内に位置するように配設されている。
【0026】
中間膜130は、ガラス板110,120の間に充填されており、内側面111及び内側面121においてガラス板110及びガラス板120を接続している。中間膜130は、例えばポリビニルブチラール(PVB)製である。また、中間膜130は、透明ではなく、半透明若しくは不透明である。即ち、中間膜130は、非透明である。
【0027】
枠体150は、図1に示すように、断面形状が略H型であり、一対のガラス板110,120の外周縁部を収容可能に形成された溝151と、車両や建築物の開口部等を収容するために形成された所定の幅の溝152とを備える。また、枠体150において溝151の底面には、発光装置140を配設可能にする溝153が形成されている。枠体150は、例えばプラスチック製である。
【0028】
発光装置140は、赤色光を発光可能なLED141と、緑色光を発光可能なLED142と、青色光を発光可能なLED143とを備える。発光装置140は、枠体150の溝153の底面に取り付けられており、合わせパネル100において発光装置140は、一対のガラス板110,120の外周端面の直ぐ近傍に配設される。これにより、発光装置140から発光される光、即ちLED141,142,143から夫々発光される赤色光、緑色光、及び青色光が、一対のガラス板110,120の外周端面から、一対のガラス板110,120の板厚内に導入される。
【0029】
階調制御装置160は、例えばダイヤルスイッチ等の操作部162を備え、この操作部162が操作されることにより、LED141,142,143を夫々ON状態又はOFF状態に制御することができるように構成されている。また階調制御装置160は、操作部162が操作されることにより、LED141,142,143から夫々発光される赤色光、緑色光、及び青色光の各々の階調を任意に変更することができるように構成されている。従って、ユーザは、階調制御装置160の操作部162の操作によって、発光装置140が発光する光の色を所望の色に任意に変更することができる。
【0030】
また、合わせパネル100においては、複数の発光装置140が一定の間隔を空けて枠体150の右側部154(図2参照)の溝153の底面に取り付けられている。しかしながら、発光装置140は、枠体150の溝153に1つのみ取り付けられていてもよく、また、枠体150の右側部154、上側部155、左側部156、及び157(図2参照)の少なくともいずれか1つに取り付けられていてもよい。
【0031】
上述の構成を有する合わせパネル100において、ユーザは、階調制御装置160の操作部162において所定の操作をして発光装置140をON状態にすることにより、発光装置140が発光する。そして、発光装置140から発光される光は、一対のガラス板110,120の外周端面から一対のガラス板110,120の板厚内に導入される。中間膜130は、上述のように非透明であるので、一対のガラス板110,120の板厚内に導入された光は、中間膜130によって散乱される。これにより、合わせパネル100は、一対のガラス板110,120の全面において発光する。
【0032】
ここで、中間膜130が不透明である場合は、半透明である場合に比べてより多くの光を散乱させることができる。従って、合わせパネル100は、中間膜130が不透明である場合は、半透明である場合に比べて発光する光の輝度が高くなる。
【0033】
また、ユーザは、階調制御装置160の操作部162において所定の操作をして、LED141,142,143から夫々発光される赤色光、緑色光、及び青色光の各々の階調を任意に変更することができる。これにより、ユーザは、一対のガラス板110,120の全面において発光する光の色を所望の色に任意に変更することができる。
【0034】
上記合わせパネル100において、発光装置140の発光する光がガラス板110の板厚内に、又はガラス板120の板厚内に導入されるように、発光装置140を枠体150の溝153内において図1の上方向又は下方向に配設してもよい。これにより、合わせパネル100が、ガラス板110の全面において、又はガラス板120の全面において発光可能にすることができる。
【0035】
上述のように、本実施の形態に係る合わせパネル100によれば、ユーザは、階調制御装置160の操作部162における所定の操作により、一対のガラス板110,120の全面において発光させることができる。また、ユーザは、階調制御装置160の操作部162における所定の操作により、LED141,142,143から夫々発光される赤色光、緑色光、及び青色光の各々の階調を任意に変更することができる。これにより、ユーザは、一対のガラス板110,120の全面において発光する光の色を所望の色に任意に変更することができる。従って、ユーザの嗜好を満たすことができる。
【0036】
上述のように、合わせパネル100によれば、一対のガラス板110,120の全面において発光させるために、発光装置140を枠体150に取り付けて一対のガラス板110,120の外周端面の近傍に配設すればよく、合わせパネルの構造を簡単にすることができる。
【0037】
上述のように、合わせパネル100によれば、中間膜130は半透明又は不透明の非透明であるので、一対のガラス板110,120の板厚内に導入された光が散乱されて、一対のガラス板110,120の全面において発光させることができる。また、中間膜130が不透明である場合には、半透明である場合に比べて一対のガラス板110,120の全面において発光する光の輝度を上昇させることができる。
【0038】
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0039】
本実施の形態に係る合わせパネルは、上述の第1の実施の形態に係る合わせパネル100に対して中間膜の構成が異なるのみであり、同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、以下に異なる部分のみ説明する。
【0040】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る合わせパネルの概略構造を示す断面図である。
【0041】
図3に示すように、本実施の形態に係る合わせパネル200は、図1の合わせパネル100の中間膜130に代えて中間膜210を備える。中間膜210は、ガラス板110の内側面111及びガラス板120の内側面121に夫々積層された透明膜220,230と、透明膜220,230の間に介在する調光体240とを備える。
【0042】
透明膜220,230は、例えばPVB製であり、中間膜130とは異なり透明である。
【0043】
調光体240は、透明膜220,230上に夫々積層された一対の透明なPETフィルム261,261と、この一対のPETフィルム261,262上に夫々積層された透明導電膜263,264と、透明電極263,264の間に充填された液晶層250とを備える。
【0044】
液晶層250は、図3に示すように、複数の空孔251を有するラテックスから成る透明なポリマーフィルム252と、空孔251の各々に液晶分子254が封入されることによって形成された液晶カプセル253とから構成されている。
【0045】
また、調光体240は、その一端、例えば右側端(図3において右側)において液晶層250、並びに透明導電膜263及びPETフィルム261が切り欠かれることによって露出した透明導電膜264上に設けられた電極構造270を備える。
【0046】
電極構造270は、調光体240の一端において露出した透明導電膜264上に塗布された銀ペースト271及びこの銀ペースト271の上面に貼着された金属層272とから成る接続基部と、金属層272及び透明膜220の間に介在する銅テープから成るケーブル273とを有する。また、調光体240は、その他端、即ち左側端において露出した透明導電膜263の上に設けられた電極構造270と同様の構造を有する電極構造(不図示)を備える。この電極構造は、ケーブル273に対応するケーブル274を備える。
【0047】
また、中間膜210は、透明電極263,264に電圧を印加するための電圧印加装置280を備え、電圧印加装置280はケーブル273,274に接続されている。また、電圧印加装置280は、電圧を印加するON状態及び電圧を印加しないOFF状態に切換可能にするスイッチ281を備える。
【0048】
調光体240においては、スイッチ281の操作によって電圧印加装置280をON状態にすることにより、ケーブル273,274、金属層272、及び銀ペースト271を介して透明導電膜263,264間に電圧が印加される。即ち、液晶層250に電圧が印加される。
【0049】
上述の調光体240において、液晶層250への電圧無印加時には、液晶分子254が液晶カプセル253の壁の曲面に沿って整列するので、入射光の光路を曲折させ、液晶カプセル253及びポリマーフィルム252の境界層において入射光を散乱させて液晶層250を非透明、例えば乳白色にする。
【0050】
一方、調光体240において、液晶層250への電圧印加時には、液晶分子254が発生する電界方向に沿って整列するが、このとき、ポリマーフィルム252の屈折率npと液晶分子254の常光線屈折率noが一致するような材料から液晶層250が構成されることによって液晶カプセル253及びポリマーフィルム252の境界層が光学的に存在しない状態となり、液晶層250に入射した光をそのまま透過させることができ、これによって液晶層250は透明になる。
【0051】
上述のように、本実施の形態に係る合わせパネル200によれば、ユーザは、スイッチ281の操作によって電圧印加装置280をON状態又はOFF状態に切り換えることにより、中間膜210を非透明又は透明状態にすることができる。従って、ユーザは、中間膜210を非透明状態にすることにより、上述の合わせパネル100と同じ効果を得ることができると共に、中間膜210を透明状態にすることにより、合わせパネル200を介して風景等を見ることができ、ユーザの嗜好をより満たすことができる。
【0052】
本実施の形態に係る合わせパネル200において、調光体240の構造は上述の構造に限られるものではない。例えば、電極構造は他の構造であってもよい。
【0053】
次いで、本発明の第3の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0054】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る合わせパネルを示す斜視図である。
【0055】
図4に示すように、本実施の形態に係る合わせパネル300は、構造が合わせパネル100と同一であり、合わせパネル100を自動車310のルーフパネルとして利用したものである。合わせパネル300は、枠体150の外側の溝152に自動車310の開口部320を収容することによって取り付けられている。合わせパネル300は、上述のように枠体150の外側の溝152が自動車310の開口部320を収容可能に形成されており、開口部320に容易に取り付けることができる。
【0056】
また、階調制御装置160を自動車310の運転席近傍等に配設することにより、自動車310のユーザ、例えば運転者は、階調制御装置160を操作することによって、合わせパネル300の一対のガラス板110,120の全面において発光する光の色を任意に所望の色に変更することができ、車内の雰囲気を変えることができる。従って、自動車310ユーザの嗜好を満たすことができる。
【0057】
上述のように、本実施の形態に係る合わせパネル300によれば、枠体150を介して自動車310の開口部320に容易に取り付けることができる。従って、自動車310のルーフパネルとして容易に利用することができる。
【0058】
また、上述の合わせパネル100と同一の効果を奏することができ、自動車310ユーザの嗜好を満たすことができる。
【0059】
次いで、本発明の第4の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0060】
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る合わせパネルを示す斜視図である。
【0061】
図5に示すように、本実施の形態に係る合わせパネル400は、自動車420のルーフパネルとして利用されており、図1,2の合わせパネル100に対して、階調制御装置160に対象物間距離を検知可能な測距センサ410が複数接続されており、測距センサ410の検知する対象物間距離が所定の範囲内になった場合に階調制御装置160が発光装置280をON状態にするように構成されている点でのみ異なる。
【0062】
図5に示すように、合わせパネル400は、枠体150の外側の溝152に自動車420の開口部430を収容することによって取り付けられている。また、例えば4つの測距センサ410が自動車420の4つの隅角部に取り付けられている。
【0063】
上述の構成により、本実施の形態に係る合わせパネル400によれば、測距センサ410の検知する対象物間距離が所定の範囲内になった場合に、即ち自動車420と対象物との間の距離が所定の範囲内になったときに、階調制御装置160が発光装置280をON状態にして、合わせパネル400を一対のガラス板110,120の全面において発光させることができる。従って、自動車420のユーザ、例えば運転者に危険を知らせることができる。このように、合わせパネル400は、ワーニングランプとして機能することができる。
【0064】
また、階調制御装置160の設定により、ユーザは合わせパネル400の発光する光の色を変更することができるので、ユーザは予め、合わせパネル400の発光する光の色を危険を察知させるのに効果的な色、例えば赤に設定しておくことにより、自動車420のユーザ、例えば運転者により効果的に危険を知らせることができる。
【0065】
また、上述の第3の実施の形態と同一の効果を奏することができる。
【0066】
次いで、本発明の第5の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0067】
本実施の形態に係る合わせパネルは、上述の第3の実施の形態において合わせパネル300の構造を第2の実施の形態に係る合わせパネル200と同一にしたものである。即ち、第3の実施の形態と同様に、合わせパネル200を自動車300の開口部310に取り付けてルーフパネルとして利用するものである。
【0068】
本実施の形態に係る合わせパネルによれば、上述の第3の実施の形態に係る合わせパネル(合わせパネル300)と同様の効果を奏することができると共に上述の第2の実施の形態に係る合わせパネル(合わせパネル200)と同一の効果を奏することができる。例えば、電圧印加装置280を自動車310の運転席近傍等に配設することにより、自動車310のユーザ、例えば運転者は、電圧印加装置280を操作することによって、中間膜210を透明状態にすることにより、合わせパネル200を介して車外の風景等を見ることができ、ユーザの嗜好をより満たすことができる。また、ユーザは、中間膜210を透明又は非透明状態に切り換えることにより、車内に光を導入したり又は車内への光を遮断したりすることができる。
【0069】
次いで、本発明の第6の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0070】
本実施の形態に係る合わせパネルは、上述の第4の実施の形態において合わせパネル100に代えて合わせパネル200に測距センサ410を取り付けた点のみが異なる。
【0071】
本実施の形態に係る合わせパネルによれば、上述の第4の実施の形態に係る合わせパネル(合わせパネル400)と同様の効果を奏することができると共に上述の第2の実施の形態に係る合わせパネル(合わせパネル200)と同一の効果を奏することができる。
【0072】
次いで、本発明の第7の実施の形態に係る合わせパネルについて説明する。
【0073】
本実施の形態に係る合わせパネルは、上述の第1〜第6の各実施の形態に係る合わせパネルにおいて、発光装置140を単色の光を発光するLEDを備える発光装置に代えたものである。本実施の形態に係る合わせパネルにおいて、発光装置は、上記単色の光を発光するLEDを1つ備えるものであってもよく、複数個備えるものであってもよい。
【0074】
本実施の形態に係る合わせパネルによれば、上述の第1の実施の形態に係る合わせパネルと同様に、合わせパネルの構造を簡単にすることができる。また、ユーザは、階調制御装置160の操作部162における所定の操作により発光装置の発光する単色光の階調を任意に変更することができ、一対のガラス板110,120の全面において発光する光を所望の階調に任意に変更することができる。従って、ユーザの嗜好を満たすことができる。さらに、上述の各実施の形態に係る合わせパネルと同様の効果を奏することができる。
【0075】
上述の各実施の形態に係る合わせパネルは、従来の合わせパネルに枠体150等を取り付けることにより形成することもできる。このため、本発明は、従来の合わせパネルを利用することができる。
【0076】
上述の各実施の形態に係る合わせパネルは、透明基板として一対のガラス板110,120を有するものとしたが、合わせパネルの有する透明基板はこれに限るものではない。例えば、合わせパネル100は、透明基板として、一対のガラス板110,120に代えて一対のプラスチック基板を有するものであってもよい。プラスチック基板としては、例えば、ポリカーボネート製板がある。また、合わせパネル100は、ガラス板とこれに対応するプラスチック製板とから構成される一対の透明基板を備えるものであってもよい。
【0077】
尚、上述の各実施の形態において、発光装置はLEDから構成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば第1〜第6の実施の形態においては、発光装置は、赤、緑、及び青色の光を発光する発光素子から構成されるものであればよい。また、光の色を変更可能な発行装置であってもよい。
【0078】
また、上述の第3及び第5の実施の形態においては、合わせパネルを自動車のルーフパネルとして用いたが、合わせパネルの用い方はこれに限るものではない。例えば、自動車の他の窓や他の部品として用いてもよく、また他の車両、例えば電車等の窓として用いてもよく、さらに、建築物等の窓に用いてもよい。
【0079】
また、上述の第4及び第6の実施の形態においては、合わせパネルを自動車のルーフパネルとして用いたが、合わせパネルの用い方はこれに限るものではない。例えば、自動車の他の窓や他の部品として用いてもよく、また他の車両、例えば電車等に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る合わせパネルの概略構造を示す断面図である。
【図2】図1の合わせパネルの概略構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る合わせパネルの概略構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る合わせパネルを示す斜視図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る合わせパネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
100,200,300,400 合わせパネル
110,120 ガラス板
130,210 中間膜
140 発光装置
142,142,143 LED
150 枠体
151,152,153 溝
160 階調制御装置
162 操作部
220,230 透明膜
240 調光体
250 液晶層
261,262 PETフィルム
263,264 透明電極
270 電極構造
280 電圧印加装置
281 スイッチ
310,420 自動車
320,430 開口部
410 測距センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の透明基板と、該一対の透明基板の間に介在する非透明な中間膜と、前記一対の透明基板の端部から前記一対の透明基板の板厚内に赤、緑、及び青の光を発光可能な発光源とを備えることを特徴とする合わせパネル。
【請求項2】
前記中間膜は半透明であることを特徴とする請求項1記載の合わせパネル。
【請求項3】
前記中間膜は不透明であることを特徴とする請求項1記載の合わせパネル。
【請求項4】
前記中間膜は、一対の透明電極膜と、該一対の透明電極膜の間に介在すると共に、複数の空孔を有し且つ該空孔の各々に液晶材料が封入された透明な液晶層と、前記一対の透明電極膜に電圧を印加する電圧印加手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の合わせパネル。
【請求項5】
前記発光源の発光する赤、緑、及び青の光の階調の各々を制御可能な階調制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の合わせパネル。
【請求項6】
前記光源は赤、緑、及び青の光を発光可能な一対のLEDを少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の合わせパネル。
【請求項7】
前記一対の透明基板の外周縁部が収容されると共に前記光源が配設される枠体を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の合わせパネル。
【請求項8】
互いに対向する一対の透明基板と、該一対の透明基板の間に介在する非透明な中間膜と、前記一対の透明基板の端部から前記一対の透明基板の板厚内に単色の光を発光可能な発光源とを備えることを特徴とする合わせパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−298061(P2006−298061A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120131(P2005−120131)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】