合成開口レーダー
【解決手段】 合成開口レーダーを低PRFモードで動作させる方法は、レーダー・パルスのストリームを生成し、ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の所定の調整を施し、ストリームを目標領域へと向け、受信したパルスを処理する、ことを具備し、受信したパルスを一連の組として分けることと組の受信したレーダー・パルスを重畳して中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを減衰させることを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成開口レーダー(SAR)に関する。
【背景技術】
【0002】
SARの一般な要求事項は、一般に特色の無い領域内で比較的小さな物体(例えば海洋上の船)を発見することである。この場合、レーダーの範囲がレーダーのプラットフォームの「軌道進行(along track)」方向に直角の「軌道直交(cross track)」方向において広い観測幅(swath)を持っており、その結果、できるだけ大きな領域が走査されるということが望ましい。後に説明されるとともに図1に示されているように、広い観測幅は低いパルス繰り返し周波数(PRF)を必要とする。低PRFでSARを動作させることによって、軌道進行方向においてアンビギュイティ(曖昧性、ambiguity)が導入される。アンビギュイティは、隣接するローブ(lobe)において発生するとともに単色光が粗い回析格子によって投影されるときに観察されるグレーティング・ローブに類似する「ゴースト」映像である。
【0003】
SARモードで動作する場合、高レート(図1を参照)で、すなわちレーダーが追随する軌跡に沿ってサンプルが取得される場合(これは、合成されることになる開口の位置である)に、1波長を越えて離れたサンプルについて避けることができないグレーティング・ローブがレーダーからのおよびレーダーに向う実開口伝播パルスに関連する軌道進行パターンによって適切に減衰されるように十分高いレートで、振動することが通常要求される。この基準は、レーダーが動作しなければならないPRFに対する主要なドライバー(driver)である。PRFは、実開口長の関数(この長さが短いほど、実際のビームは広くなるとともにより多くのグレーティング・ローブを含むことになり、その結果、より多くのサンプルを導入するとともにこれらのグレーティング・ローブの角度間隔を広げるためにPRFは大きくならなければならない)であり、またプラットフォームの移動速度(低い地球周回軌道衛星は約7500m/sで移動する)の関数である。サンプル間の間隔についての良好な稼動値は、実開口の長さの半分より若干短いものであろう。
【0004】
PRFが高いと、軌跡直交方向からの曖昧なエコーに対して感度が高い。レーダーから目標までの距離の全ての測定値は、パルス相互間の距離のモジューロとされる。よって、レーダーからの距離の測定をアンビギュイティ無しに実行するために、パルス相互間の距離は、レーダーのビームの軌道直交幅によって照らされる地面/表面の距離よりも大きくあるべきである。このことは、低PRFを使用することを意味する。しかしながら、PRFが低いと、軌道進行方向においてアンビギュイティが導入される。
【0005】
米国特許5,745,069は、区別可能なサブパルスを提供する発信機フォーマット、例として周波数分割または符号分割フォーマットを用いることによって、アンビギュイティ考慮事項を解消することを提案する。しかしながら、これは、信号処理のオーバーヘッドが高くなることを要求する複雑な解決策で、また、高PRFパルスの送信に関連する画像において死角地帯が導入される可能性があり、受信チェイン内で飽和を引き起こす(または受信チェインを隠すことによって回避する)。
【0006】
本発明の目的は、低PRFで動作し得ながら、軌道進行範囲のアンビギュイティに対する感度が減じられた合成開口レーダーを提供することである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概念は、所与の場所からのエコーの捕捉の間、PRFを若干変化させるか変化させることである。例えば、所与のPRFにおけるパルスの組の各々について、特定のローブ間隔が、他のPRFと異なり、インパルス応答関数(IRF)内に収まる結果となる。中央のローブのみが、組相互の間で一致する。よって、処理結果を示す受信パルスの異なる組を重畳すると、中央のローブが増強されるとともにサイド・ローブが減衰する結果となる。
【0008】
本発明は、第1の側面において、レーダー・パルスのストリームを生成し、前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の所定の調整を施し、前記ストリームを目標領域へと向け、受信したパルスを処理する、ことを具備し、前記受信したパルスを一連の組として分けることと前記組の受信したレーダー・パルスを重畳して中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを減衰させることを具備する、合成開口レーダーを低PRFモードで動作させる方法を提供する。この文脈では、1つの組みは、1つ以上のパルスを含むであろう。
【0009】
第2の側面では、本発明は、レーダー・パルスのストリームを生成するための手段と、前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の調整を施すための手段と、前記ストリームを目標領域へと向けるための手段と、受信したパルスを処理するための手段と、を具備し、前記受信したレーダー・パルスを一連の組へと分ける手段と、前記複数の組の受信したレーダー信号を重畳するための手段とを含み、中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを交替させる、低PRFモードで動作する合成開口レーダーを提供する。
【0010】
この明細書の目的のために、「低PRF」は、著しいアンビギュイティを軌道進行目標分解能に導入するほどに十分低いパルス繰り返し周波数を意味することが意図されている。
【0011】
PRFに施される調整は、あらゆる便利なタイプのものであり得る。例えば、この調整は、以下のものによって達成され得る。(1)異なるPRFでのパルスの組、(2)比較的小さな周波数変動範囲内で継続的な周波数変化に従って繰り返し周波数が変化させられたパルス、(3)擬似ランダム・パターンに従って時間間隔が変更されたパルス。
【0012】
受信したレーダー・パルスを一連の組へと分けることは、あらゆる好都合の方法で行なわれ得る。送信されたパルスが、それぞれが異なるPRFを有するパルスの組を具備する場合、当然ながら、受信したパルスは同じ組へ分けられるであろう。PRFが擬似ランダム・シーケンスによって調整される場合、各組はシーケンスの1回の繰り返しを具備し得る。パルスが周波数調整される場合、各組は周波数調整帯域の1つの「掃引(sweep)」を具備し得る。
【0013】
ストリームが向けられる対象である目標領域は、図12に概略的に示されているようなSTRIPMAPと呼ばれるSARモードでのように、単一の観測幅であり得る。その場合、レーダー・ビームの足跡は、1つの観測幅に局所化されたままである。すなわち、この観測幅のニア・エッジ(near edge)はレーダー・ビーム足跡のニア・エッジによって定義され、観測幅のファー・エッジ(far edge)はレーダー・ビーム足跡のファー・エッジによって定義される。しかしながら、目標領域は、例えばSCANSAR(図12)と呼ばれるレーダー・モードでのように、広がりが小さくあり得る。その場合、レーダー・ビーム足跡は、連続する(RADASAT−1衛星においてまたENVISAT衛星上のASARにおいて用いられるような)サブ観測幅を照射する時間およびこの観測幅から受信する少ない期間を費やす。
【0014】
また、エコーの繰り返しの間、受信ビームのボアサイトを、このボアサイトがエコーが即座に受信される源である観測幅の(小さな)部分を常に指すように、連続的に再配置するサブ・モードが用いられ得る。このサブ・モードは、レーダー・ビームが広い観測幅を照射するように構成されている場合に感度を増強する役目をするが、本発明の原理にとって必須ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい実施形態が、次に、添付の図面を参照して記載される。
【0016】
低PRFモードのケースは、非常に曖昧なアジマス(方位角)インパルス応答関数を受け取るということを考えると、SAR動作の状況においては珍しい。このことは、目標を含んでいる分解能セル内に高レベルのクラッタ信号を導入することに繋がる。
【0017】
このモードで動作する場合のアジマス・インパルス応答関数の形式は、有用に「従来の」SAR動作と呼ばれ得るものに関連する形式とは全く異なる。従来のSAR動作では、所与の観察手順の間、レーダーは標準的なSARモードに関連する通常の高PRFで動作し、また、アジマス・インパルス応答関数は、主に、大きさがはるかに小さいサイド・ローブに囲まれた1つの中央ローブである。「従来の」モードで動作する場合、グレーティング・ローブは依然生じるが、その大きさは小さい。
【0018】
低PRFモードにおけるアジマスIRF
低PRFモードで動作する場合の典型的なアジマスIRFのプロファイルが、図3に示されている。この配列のグレーティング・ローブ内において、中央ローブが目標を含んでいるローブであると予想される。このようなモードがSARシステムによって頻繁に集められる陸の画像のような従来のシーンを画像化するために用いられるとするならば、この画像は、IRF内のローブの間隔に対応する距離によって各々が他の画像からずれている、シーン画像の連なりとして現われるであろう。全体的な結果は高度に混乱したものとなり、事実上役立たない画像になるであろう。
【0019】
しかしながら、低PRFモードが、主要な特徴が、船である目標のまばらで且つランダムな分布によって占められる海洋である海洋シーンを画像化するために用いられる場合、2つの特性が都合よく用いられることが可能である。画像化される目標の背景のシーンは比較的一様であり、特に、より大きな入射角(天底から離れた)では、表面の反射率は低く、この結果、クラッタの寄与が小さい。
【0020】
この状況では、陸での状況でのように、IRFの中のグレーティング・ローブによって各背景セル内の海の反射率が重なり合うことに繋がる。海面の細部はやはりまだ高度に乱れていて、この結果、航跡(その反射率値は、海自体の反射率値に近い)の特徴を検出することが困難(恐らく不可能)であろう。
【0021】
この海の反射率値が小さい背景に対して、海のみの分解能セル内の結果得られる信号のレベルは非常に小さいままであることが可能である。船目標は、はるかに大きく、また暗い海面背景上において明るい特徴として際立つであろう。しかしながら、ちょうど陸の場合のように、アジマスIRF内のローブによって、船目標の画像が繰り返し表示され、この結果、結果得られる画像はアジマス方向において表示される船の連なりとして現れるであろう。これらの繰り返し画像の輝度はIRF内のローブのプロファイルに従っており、この結果、中央部では、本当の目標の位置を正確に局所化することが難しいであろう。
【0022】
異なるPRFグループ化の効果
固定されたPRFを用いて観察が行なわれる場合、IRFの隣接するグレーティング・ローブの間隔は良く規定され、特に多くのローブが存在する場合、これらのローブのピークの包絡線は、アジマス・ビーム形状に良く従う。このことによって、ビームの中央部に近いローブは、図3に示されているように、非常に良く似た振幅になり、目標の明確な位置を分離することが難しくなる。
【0023】
しかしながら、エコー捕捉の間にPRFが所与の位置から例えばそれぞれPRFが若干相違するバースト(burst)の集合へと変えられれば、合成開口に沿ったサンプル間隔は変化する。所与のPRFにおけるパルスの組の各々について、特定のローブ間隔がIRF内に収まる結果となるが、異なった寄与をするPRFは、中央ローブだけが組相互の間で一致する間隔が異なったローブの組に繋がる。これによって、中央ローブは他のローブに対して増強される。このことによって、目標の位置を正確に特定することが支援される。
【0024】
図2を参照すると、図2は、少なくとも受信器部分に関する、本発明の好ましい実施形態を示している。レーダー・パルスのストリームが、送信されるとともに選択された目標領域に向けられる。レーダー・パルスのストリームは、連続する組へと仕分けられる。各組は、わずかに異なるPRFを有している。レーダー・パルスのストリームは、受信器10で受け取られ、12におけるように、エコー・データの組が格納される。レーダー・パルスのストリームは、14におけるように、相違するPRFの各組へと仕分けられる。各組は、それぞれのメモリ16−1、…16−nnに保存される。各プロセッサ18−1…18−nnは、それぞれのPRFの組から、照射された目標領域のサブ画像を生成する。プロセッサ20は、22におけるように、サブ画像を周到に重ね合わせて、結果得られる画像を提供する。
【0025】
各グループ中のパルスの数が1だけまで減らされる代替的な実施形態では、パルス間期間は、公称値(その上に偽似ランダム・デルタ期間が重畳される)の形態をとる。この場合、複数PRF処理ストリングのうちの1つだけが実行されるであろう。
【0026】
クラッタIRFに対するIRFローブの影響
低PRFモードで収集されたエコー・データから生成された画像内の所与の分解能セルに関連する信号は、IRFをシーンの反射率で畳み込んだものである。よって、海洋の場合において、中央のローブが目標上に位置しているとき、IRFの残り部分は海洋上に位置するとともに海洋の応答の多くのローブは、中央の、目標を含んだローブに最終的には関連する信号に対して寄与する。これらの付加的な成分の効果は、二重であり、目標を含んでいる中心セルは不要なエコーで汚染されており、より重要なことに、(目標の上に位置してない)背景セルは、より高いレベルのクラッタを含んでいる。このことは、平均背景信号レベルを増加させる影響を有し、この結果、目標が誤って発生することがより多く起こるようになる。
【0027】
中心セルおよび統合された背景の間の比率によって、従来のSARモード(標準的な高PRF)での動作によって予想されるものに比べた背景セルについての背景信号レベルの増分が数値化される。このことが図5に示されている。図5において、レーダー器具が低反射率地域(海)から高反射率地域(陸)へと徐々に移動するに連れてPRFが最高のPRFから最低のPRFに次第に変化する範囲についての、低PRF IRFからの統合された応答が見られる。
【0028】
上記のように適切な感度を達成して目標を検出するために、システムは次のものに感度を有する
a.熱/器具雑音
b.クラッタ
クラッタは、この場合、重要な問題である。レーダーは、周到な処理を用いて目標のエコーを増強するとともに局所化することによって動作する。しかしながら、アジマス・インパルス応答関数(IRF)は、従来のSAR画像用語では、恐ろしいものである。IRFは、高度に曖昧であり、また多くのグレーティング・ローブから構成されている。軌道に沿ったサンプル間隔aはPRFによって設定される。
【数1】
【0029】
こうして、vsatが7597m/sである具体的な高度について、サンプル間隔は31.7mであることが分かる。この最初の事例において記載されるアンテナ(長さ4m、高さ1.2m)であれば、アジマス・グレーティング・ローブを回避するために、2mより若干小さいサンプル間隔で動作することが期待されるであろう。
【0030】
例
シミュレーションへの入力条件
陸(ground)サンプル間隔:1.0m
目標までのレーダー範囲:1800km
波長:0.0311m
IRF空間広がり:中心から±30km
PRFステップの数:4
1ステップ当たりのPRF増分:1%
目標アジマス空間分解能: 40m
図6乃至図11の各々は、相違するPRFにおいて達成されたIRFの形状を示している。高PRFでアンビギュイティのレベルが非常に小さい図6から始まり、様々な値だけ小さいPRFを経て最低のPRF(図11)に至る。各図は、IRFの全体の形状を示し(図中、図**Aとして識別されている)、他方、もう一方の部分(図**Bとして識別されている)は、PRFが変化しても空間分解能を規定する中央ローブの形状が変化しないことを示している。最後に、IRFデータの全体形状の各々は、2つのプロファイルを含んでいる。これらは、容易にははっきりと目に見えないが、図中の付加的な構成によって強調されている。この構成においては、破線が外側の固定されたPRF方絡線を示すように描かれ、また、実線が内側のステップ分けされPRF動作に関連した、より急速に減衰するIRFを示すように描かれている。
【0031】
図6
PRF=7000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
6603.77 7000.00 4
図7
PRF=4000のHz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
3773.58 4000.00 4
図8
PRF=2000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
1886.79 2000.00 4
図9
PRF=1000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
943.40 1000.00 4
図10
PRF=500Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
471.70 500.00 4
図11
PRF=200Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
188.68 200.00 4
レーダーが固定された低PRFで動作される場合、エコーから生成されたIRFは、
ローブ間隔がPRFに逆比例する強いローブの櫛の形態を取る。この状況の結果が、図13に示されている。しかしながら、送信・受信イベントの規則的なパルス間期間がこの期間に正または負の擬似ランダム・デルタ期間を加えることによって変化されるとともにエコー・データがあたかも一定のPRFにおいて捕捉されたかのように処理されると、結果得られるIRFはローブ間領域のレベルが増加することによって特徴づけられることになるであろうが、主要ローブについて大きさが非常に急速に減衰する。そのようなパターンが、図14に示されている。
【0032】
擬似的なランダムで間隔を空けられたパルスを用いることによって達成される利点は、第1に、主要ローブがより少ないゆえに、この方法を用いて位置を特定された目標が固定されたPRFの場合よりも著しく高い精度で位置を限定されることが可能であること、第2に、信号処理負荷が緩和されることである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】低PRF SARの概念を示す概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態の概略的なブロック図である。
【図3】低PRFモードで動作している場合の典型的なアジマスIRFのプロファイルである。
【図4】本発明に従って動作している場合のアジマスIRFのプロファイルである。
【図5A】アジマスIRFのプロファイルである。
【図5B】統合クラッタの異なるレベルを示している。
【図6A】PRF=7000Hzのときの本発明の一例による結果を示している。
【図6B】PRF=7000Hzのときの本発明の一例による結果を示している。
【図7A】PRF=4000Hzのときの例の結果を示している。
【図7B】PRF=4000Hzのときの例の結果を示している。
【図8A】PRF=2000Hzのときの例の結果を示している。
【図8B】PRF=2000Hzのときの例の結果を示している。
【図9A】PRF=1000Hzのときの例の結果を示している。
【図9B】PRF=1000Hzのときの例の結果を示している。
【図10A】PRF=500Hzのときの例の結果を示している。
【図10B】PRF=500Hzのときの例の結果を示している。
【図11A】PRF=200Hzのときの例の結果を示している。
【図11B】PRF=200Hzのときの例の結果を示している。
【図12】SARモードにおける異なる動作モードの概略的な図である。
【図13A】レーダーが従来技術に従った固定の低PRFモードで動作している場合のIRFを示している。
【図13B】レーダーが従来技術に従った固定の低PRFモードで動作している場合のIRFを示している。
【図14A】送信・受信イベントのパルス間間隔が、正または負の擬似ランダム・デルタ期間を付加されることによって変更されながらレーダーが動作しているときのIRFを示している。
【図14B】送信・受信イベントのパルス間間隔が、正または負の擬似ランダム・デルタ期間を付加されることによって変更されながらレーダーが動作しているときのIRFを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は合成開口レーダー(SAR)に関する。
【背景技術】
【0002】
SARの一般な要求事項は、一般に特色の無い領域内で比較的小さな物体(例えば海洋上の船)を発見することである。この場合、レーダーの範囲がレーダーのプラットフォームの「軌道進行(along track)」方向に直角の「軌道直交(cross track)」方向において広い観測幅(swath)を持っており、その結果、できるだけ大きな領域が走査されるということが望ましい。後に説明されるとともに図1に示されているように、広い観測幅は低いパルス繰り返し周波数(PRF)を必要とする。低PRFでSARを動作させることによって、軌道進行方向においてアンビギュイティ(曖昧性、ambiguity)が導入される。アンビギュイティは、隣接するローブ(lobe)において発生するとともに単色光が粗い回析格子によって投影されるときに観察されるグレーティング・ローブに類似する「ゴースト」映像である。
【0003】
SARモードで動作する場合、高レート(図1を参照)で、すなわちレーダーが追随する軌跡に沿ってサンプルが取得される場合(これは、合成されることになる開口の位置である)に、1波長を越えて離れたサンプルについて避けることができないグレーティング・ローブがレーダーからのおよびレーダーに向う実開口伝播パルスに関連する軌道進行パターンによって適切に減衰されるように十分高いレートで、振動することが通常要求される。この基準は、レーダーが動作しなければならないPRFに対する主要なドライバー(driver)である。PRFは、実開口長の関数(この長さが短いほど、実際のビームは広くなるとともにより多くのグレーティング・ローブを含むことになり、その結果、より多くのサンプルを導入するとともにこれらのグレーティング・ローブの角度間隔を広げるためにPRFは大きくならなければならない)であり、またプラットフォームの移動速度(低い地球周回軌道衛星は約7500m/sで移動する)の関数である。サンプル間の間隔についての良好な稼動値は、実開口の長さの半分より若干短いものであろう。
【0004】
PRFが高いと、軌跡直交方向からの曖昧なエコーに対して感度が高い。レーダーから目標までの距離の全ての測定値は、パルス相互間の距離のモジューロとされる。よって、レーダーからの距離の測定をアンビギュイティ無しに実行するために、パルス相互間の距離は、レーダーのビームの軌道直交幅によって照らされる地面/表面の距離よりも大きくあるべきである。このことは、低PRFを使用することを意味する。しかしながら、PRFが低いと、軌道進行方向においてアンビギュイティが導入される。
【0005】
米国特許5,745,069は、区別可能なサブパルスを提供する発信機フォーマット、例として周波数分割または符号分割フォーマットを用いることによって、アンビギュイティ考慮事項を解消することを提案する。しかしながら、これは、信号処理のオーバーヘッドが高くなることを要求する複雑な解決策で、また、高PRFパルスの送信に関連する画像において死角地帯が導入される可能性があり、受信チェイン内で飽和を引き起こす(または受信チェインを隠すことによって回避する)。
【0006】
本発明の目的は、低PRFで動作し得ながら、軌道進行範囲のアンビギュイティに対する感度が減じられた合成開口レーダーを提供することである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概念は、所与の場所からのエコーの捕捉の間、PRFを若干変化させるか変化させることである。例えば、所与のPRFにおけるパルスの組の各々について、特定のローブ間隔が、他のPRFと異なり、インパルス応答関数(IRF)内に収まる結果となる。中央のローブのみが、組相互の間で一致する。よって、処理結果を示す受信パルスの異なる組を重畳すると、中央のローブが増強されるとともにサイド・ローブが減衰する結果となる。
【0008】
本発明は、第1の側面において、レーダー・パルスのストリームを生成し、前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の所定の調整を施し、前記ストリームを目標領域へと向け、受信したパルスを処理する、ことを具備し、前記受信したパルスを一連の組として分けることと前記組の受信したレーダー・パルスを重畳して中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを減衰させることを具備する、合成開口レーダーを低PRFモードで動作させる方法を提供する。この文脈では、1つの組みは、1つ以上のパルスを含むであろう。
【0009】
第2の側面では、本発明は、レーダー・パルスのストリームを生成するための手段と、前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の調整を施すための手段と、前記ストリームを目標領域へと向けるための手段と、受信したパルスを処理するための手段と、を具備し、前記受信したレーダー・パルスを一連の組へと分ける手段と、前記複数の組の受信したレーダー信号を重畳するための手段とを含み、中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを交替させる、低PRFモードで動作する合成開口レーダーを提供する。
【0010】
この明細書の目的のために、「低PRF」は、著しいアンビギュイティを軌道進行目標分解能に導入するほどに十分低いパルス繰り返し周波数を意味することが意図されている。
【0011】
PRFに施される調整は、あらゆる便利なタイプのものであり得る。例えば、この調整は、以下のものによって達成され得る。(1)異なるPRFでのパルスの組、(2)比較的小さな周波数変動範囲内で継続的な周波数変化に従って繰り返し周波数が変化させられたパルス、(3)擬似ランダム・パターンに従って時間間隔が変更されたパルス。
【0012】
受信したレーダー・パルスを一連の組へと分けることは、あらゆる好都合の方法で行なわれ得る。送信されたパルスが、それぞれが異なるPRFを有するパルスの組を具備する場合、当然ながら、受信したパルスは同じ組へ分けられるであろう。PRFが擬似ランダム・シーケンスによって調整される場合、各組はシーケンスの1回の繰り返しを具備し得る。パルスが周波数調整される場合、各組は周波数調整帯域の1つの「掃引(sweep)」を具備し得る。
【0013】
ストリームが向けられる対象である目標領域は、図12に概略的に示されているようなSTRIPMAPと呼ばれるSARモードでのように、単一の観測幅であり得る。その場合、レーダー・ビームの足跡は、1つの観測幅に局所化されたままである。すなわち、この観測幅のニア・エッジ(near edge)はレーダー・ビーム足跡のニア・エッジによって定義され、観測幅のファー・エッジ(far edge)はレーダー・ビーム足跡のファー・エッジによって定義される。しかしながら、目標領域は、例えばSCANSAR(図12)と呼ばれるレーダー・モードでのように、広がりが小さくあり得る。その場合、レーダー・ビーム足跡は、連続する(RADASAT−1衛星においてまたENVISAT衛星上のASARにおいて用いられるような)サブ観測幅を照射する時間およびこの観測幅から受信する少ない期間を費やす。
【0014】
また、エコーの繰り返しの間、受信ビームのボアサイトを、このボアサイトがエコーが即座に受信される源である観測幅の(小さな)部分を常に指すように、連続的に再配置するサブ・モードが用いられ得る。このサブ・モードは、レーダー・ビームが広い観測幅を照射するように構成されている場合に感度を増強する役目をするが、本発明の原理にとって必須ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい実施形態が、次に、添付の図面を参照して記載される。
【0016】
低PRFモードのケースは、非常に曖昧なアジマス(方位角)インパルス応答関数を受け取るということを考えると、SAR動作の状況においては珍しい。このことは、目標を含んでいる分解能セル内に高レベルのクラッタ信号を導入することに繋がる。
【0017】
このモードで動作する場合のアジマス・インパルス応答関数の形式は、有用に「従来の」SAR動作と呼ばれ得るものに関連する形式とは全く異なる。従来のSAR動作では、所与の観察手順の間、レーダーは標準的なSARモードに関連する通常の高PRFで動作し、また、アジマス・インパルス応答関数は、主に、大きさがはるかに小さいサイド・ローブに囲まれた1つの中央ローブである。「従来の」モードで動作する場合、グレーティング・ローブは依然生じるが、その大きさは小さい。
【0018】
低PRFモードにおけるアジマスIRF
低PRFモードで動作する場合の典型的なアジマスIRFのプロファイルが、図3に示されている。この配列のグレーティング・ローブ内において、中央ローブが目標を含んでいるローブであると予想される。このようなモードがSARシステムによって頻繁に集められる陸の画像のような従来のシーンを画像化するために用いられるとするならば、この画像は、IRF内のローブの間隔に対応する距離によって各々が他の画像からずれている、シーン画像の連なりとして現われるであろう。全体的な結果は高度に混乱したものとなり、事実上役立たない画像になるであろう。
【0019】
しかしながら、低PRFモードが、主要な特徴が、船である目標のまばらで且つランダムな分布によって占められる海洋である海洋シーンを画像化するために用いられる場合、2つの特性が都合よく用いられることが可能である。画像化される目標の背景のシーンは比較的一様であり、特に、より大きな入射角(天底から離れた)では、表面の反射率は低く、この結果、クラッタの寄与が小さい。
【0020】
この状況では、陸での状況でのように、IRFの中のグレーティング・ローブによって各背景セル内の海の反射率が重なり合うことに繋がる。海面の細部はやはりまだ高度に乱れていて、この結果、航跡(その反射率値は、海自体の反射率値に近い)の特徴を検出することが困難(恐らく不可能)であろう。
【0021】
この海の反射率値が小さい背景に対して、海のみの分解能セル内の結果得られる信号のレベルは非常に小さいままであることが可能である。船目標は、はるかに大きく、また暗い海面背景上において明るい特徴として際立つであろう。しかしながら、ちょうど陸の場合のように、アジマスIRF内のローブによって、船目標の画像が繰り返し表示され、この結果、結果得られる画像はアジマス方向において表示される船の連なりとして現れるであろう。これらの繰り返し画像の輝度はIRF内のローブのプロファイルに従っており、この結果、中央部では、本当の目標の位置を正確に局所化することが難しいであろう。
【0022】
異なるPRFグループ化の効果
固定されたPRFを用いて観察が行なわれる場合、IRFの隣接するグレーティング・ローブの間隔は良く規定され、特に多くのローブが存在する場合、これらのローブのピークの包絡線は、アジマス・ビーム形状に良く従う。このことによって、ビームの中央部に近いローブは、図3に示されているように、非常に良く似た振幅になり、目標の明確な位置を分離することが難しくなる。
【0023】
しかしながら、エコー捕捉の間にPRFが所与の位置から例えばそれぞれPRFが若干相違するバースト(burst)の集合へと変えられれば、合成開口に沿ったサンプル間隔は変化する。所与のPRFにおけるパルスの組の各々について、特定のローブ間隔がIRF内に収まる結果となるが、異なった寄与をするPRFは、中央ローブだけが組相互の間で一致する間隔が異なったローブの組に繋がる。これによって、中央ローブは他のローブに対して増強される。このことによって、目標の位置を正確に特定することが支援される。
【0024】
図2を参照すると、図2は、少なくとも受信器部分に関する、本発明の好ましい実施形態を示している。レーダー・パルスのストリームが、送信されるとともに選択された目標領域に向けられる。レーダー・パルスのストリームは、連続する組へと仕分けられる。各組は、わずかに異なるPRFを有している。レーダー・パルスのストリームは、受信器10で受け取られ、12におけるように、エコー・データの組が格納される。レーダー・パルスのストリームは、14におけるように、相違するPRFの各組へと仕分けられる。各組は、それぞれのメモリ16−1、…16−nnに保存される。各プロセッサ18−1…18−nnは、それぞれのPRFの組から、照射された目標領域のサブ画像を生成する。プロセッサ20は、22におけるように、サブ画像を周到に重ね合わせて、結果得られる画像を提供する。
【0025】
各グループ中のパルスの数が1だけまで減らされる代替的な実施形態では、パルス間期間は、公称値(その上に偽似ランダム・デルタ期間が重畳される)の形態をとる。この場合、複数PRF処理ストリングのうちの1つだけが実行されるであろう。
【0026】
クラッタIRFに対するIRFローブの影響
低PRFモードで収集されたエコー・データから生成された画像内の所与の分解能セルに関連する信号は、IRFをシーンの反射率で畳み込んだものである。よって、海洋の場合において、中央のローブが目標上に位置しているとき、IRFの残り部分は海洋上に位置するとともに海洋の応答の多くのローブは、中央の、目標を含んだローブに最終的には関連する信号に対して寄与する。これらの付加的な成分の効果は、二重であり、目標を含んでいる中心セルは不要なエコーで汚染されており、より重要なことに、(目標の上に位置してない)背景セルは、より高いレベルのクラッタを含んでいる。このことは、平均背景信号レベルを増加させる影響を有し、この結果、目標が誤って発生することがより多く起こるようになる。
【0027】
中心セルおよび統合された背景の間の比率によって、従来のSARモード(標準的な高PRF)での動作によって予想されるものに比べた背景セルについての背景信号レベルの増分が数値化される。このことが図5に示されている。図5において、レーダー器具が低反射率地域(海)から高反射率地域(陸)へと徐々に移動するに連れてPRFが最高のPRFから最低のPRFに次第に変化する範囲についての、低PRF IRFからの統合された応答が見られる。
【0028】
上記のように適切な感度を達成して目標を検出するために、システムは次のものに感度を有する
a.熱/器具雑音
b.クラッタ
クラッタは、この場合、重要な問題である。レーダーは、周到な処理を用いて目標のエコーを増強するとともに局所化することによって動作する。しかしながら、アジマス・インパルス応答関数(IRF)は、従来のSAR画像用語では、恐ろしいものである。IRFは、高度に曖昧であり、また多くのグレーティング・ローブから構成されている。軌道に沿ったサンプル間隔aはPRFによって設定される。
【数1】
【0029】
こうして、vsatが7597m/sである具体的な高度について、サンプル間隔は31.7mであることが分かる。この最初の事例において記載されるアンテナ(長さ4m、高さ1.2m)であれば、アジマス・グレーティング・ローブを回避するために、2mより若干小さいサンプル間隔で動作することが期待されるであろう。
【0030】
例
シミュレーションへの入力条件
陸(ground)サンプル間隔:1.0m
目標までのレーダー範囲:1800km
波長:0.0311m
IRF空間広がり:中心から±30km
PRFステップの数:4
1ステップ当たりのPRF増分:1%
目標アジマス空間分解能: 40m
図6乃至図11の各々は、相違するPRFにおいて達成されたIRFの形状を示している。高PRFでアンビギュイティのレベルが非常に小さい図6から始まり、様々な値だけ小さいPRFを経て最低のPRF(図11)に至る。各図は、IRFの全体の形状を示し(図中、図**Aとして識別されている)、他方、もう一方の部分(図**Bとして識別されている)は、PRFが変化しても空間分解能を規定する中央ローブの形状が変化しないことを示している。最後に、IRFデータの全体形状の各々は、2つのプロファイルを含んでいる。これらは、容易にははっきりと目に見えないが、図中の付加的な構成によって強調されている。この構成においては、破線が外側の固定されたPRF方絡線を示すように描かれ、また、実線が内側のステップ分けされPRF動作に関連した、より急速に減衰するIRFを示すように描かれている。
【0031】
図6
PRF=7000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
6603.77 7000.00 4
図7
PRF=4000のHz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
3773.58 4000.00 4
図8
PRF=2000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
1886.79 2000.00 4
図9
PRF=1000Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
943.40 1000.00 4
図10
PRF=500Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
471.70 500.00 4
図11
PRF=200Hz
PRF高 PRF低 サブPRFの数
188.68 200.00 4
レーダーが固定された低PRFで動作される場合、エコーから生成されたIRFは、
ローブ間隔がPRFに逆比例する強いローブの櫛の形態を取る。この状況の結果が、図13に示されている。しかしながら、送信・受信イベントの規則的なパルス間期間がこの期間に正または負の擬似ランダム・デルタ期間を加えることによって変化されるとともにエコー・データがあたかも一定のPRFにおいて捕捉されたかのように処理されると、結果得られるIRFはローブ間領域のレベルが増加することによって特徴づけられることになるであろうが、主要ローブについて大きさが非常に急速に減衰する。そのようなパターンが、図14に示されている。
【0032】
擬似的なランダムで間隔を空けられたパルスを用いることによって達成される利点は、第1に、主要ローブがより少ないゆえに、この方法を用いて位置を特定された目標が固定されたPRFの場合よりも著しく高い精度で位置を限定されることが可能であること、第2に、信号処理負荷が緩和されることである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】低PRF SARの概念を示す概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態の概略的なブロック図である。
【図3】低PRFモードで動作している場合の典型的なアジマスIRFのプロファイルである。
【図4】本発明に従って動作している場合のアジマスIRFのプロファイルである。
【図5A】アジマスIRFのプロファイルである。
【図5B】統合クラッタの異なるレベルを示している。
【図6A】PRF=7000Hzのときの本発明の一例による結果を示している。
【図6B】PRF=7000Hzのときの本発明の一例による結果を示している。
【図7A】PRF=4000Hzのときの例の結果を示している。
【図7B】PRF=4000Hzのときの例の結果を示している。
【図8A】PRF=2000Hzのときの例の結果を示している。
【図8B】PRF=2000Hzのときの例の結果を示している。
【図9A】PRF=1000Hzのときの例の結果を示している。
【図9B】PRF=1000Hzのときの例の結果を示している。
【図10A】PRF=500Hzのときの例の結果を示している。
【図10B】PRF=500Hzのときの例の結果を示している。
【図11A】PRF=200Hzのときの例の結果を示している。
【図11B】PRF=200Hzのときの例の結果を示している。
【図12】SARモードにおける異なる動作モードの概略的な図である。
【図13A】レーダーが従来技術に従った固定の低PRFモードで動作している場合のIRFを示している。
【図13B】レーダーが従来技術に従った固定の低PRFモードで動作している場合のIRFを示している。
【図14A】送信・受信イベントのパルス間間隔が、正または負の擬似ランダム・デルタ期間を付加されることによって変更されながらレーダーが動作しているときのIRFを示している。
【図14B】送信・受信イベントのパルス間間隔が、正または負の擬似ランダム・デルタ期間を付加されることによって変更されながらレーダーが動作しているときのIRFを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダー・パルスのストリームを生成し、
前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の所定の調整を施し、
前記ストリームを目標領域へと向け、
受信したパルスを処理する、
ことを具備し、
前記受信したパルスを一連の組として分けることと前記組の受信したレーダー・パルスを重畳して中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを減衰させることを具備する、合成開口レーダーを低PRFモードで動作させる方法。
【請求項2】
前記調整は、前記ストリームを複数のレーダー・パルスの組として提供することを具備し、
各組は、他の組と異なるPRFを有する、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記調整は、前記ストリームの前記PRFを連続的に周波数変化させることを具備する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記調整は、前記ストリームのPRFに擬似ランダム・シーケンスを施すことを具備する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記目標領域は、広い観測幅を具備する、あらゆる先行の請求項の方法。
【請求項6】
前記目標領域は、サブ観測幅を具備する、請求項1乃至4のいずれかの方法。
【請求項7】
レーダー・パルスのストリームを生成するための手段と、
前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の調整を施すための手段と、
前記ストリームを目標領域へと向けるための手段と、
受信したパルスを処理するための手段と、
を具備し、
前記受信したレーダー・パルスを一連の組へと分ける手段と、前記複数の組の受信したレーダー信号を重畳するための手段とを含み、中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを交替させる、低PRFモードで動作する合成開口レーダー。
【請求項8】
前記調整手段は、前記ストリームを複数のレーダー・パルスの組として提供するための手段を具備し、
各組は、他の組と異なるPRFを有する、
請求項7のレーダー。
【請求項9】
前記調整手段は、前記ストリームの前記PRFを連続的に周波数変化させるための手段を具備する、
請求項7のレーダー。
【請求項10】
前記調整手段は、前記ストリームのPRFに擬似ランダム・シーケンスを施すための手段を具備する、請求項7のレーダー。
【請求項11】
前記レーダーは、STRIPMAPモードで動作し、
前記目標領域は、広い観測幅を湯具備する、
請求項7乃至10のいずれかのレーダー。
【請求項12】
前記レーダーは、SCANSARモードで動作し、
前記目標領域は、サブ観測幅を具備する、
請求項7乃至10のいずれかのレーダー。
【請求項1】
レーダー・パルスのストリームを生成し、
前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の所定の調整を施し、
前記ストリームを目標領域へと向け、
受信したパルスを処理する、
ことを具備し、
前記受信したパルスを一連の組として分けることと前記組の受信したレーダー・パルスを重畳して中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを減衰させることを具備する、合成開口レーダーを低PRFモードで動作させる方法。
【請求項2】
前記調整は、前記ストリームを複数のレーダー・パルスの組として提供することを具備し、
各組は、他の組と異なるPRFを有する、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記調整は、前記ストリームの前記PRFを連続的に周波数変化させることを具備する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記調整は、前記ストリームのPRFに擬似ランダム・シーケンスを施すことを具備する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記目標領域は、広い観測幅を具備する、あらゆる先行の請求項の方法。
【請求項6】
前記目標領域は、サブ観測幅を具備する、請求項1乃至4のいずれかの方法。
【請求項7】
レーダー・パルスのストリームを生成するための手段と、
前記ストリームにパルス繰り返し周波数(PRF)の調整を施すための手段と、
前記ストリームを目標領域へと向けるための手段と、
受信したパルスを処理するための手段と、
を具備し、
前記受信したレーダー・パルスを一連の組へと分ける手段と、前記複数の組の受信したレーダー信号を重畳するための手段とを含み、中央の受信ローブを増強するとともにサイド・ローブを交替させる、低PRFモードで動作する合成開口レーダー。
【請求項8】
前記調整手段は、前記ストリームを複数のレーダー・パルスの組として提供するための手段を具備し、
各組は、他の組と異なるPRFを有する、
請求項7のレーダー。
【請求項9】
前記調整手段は、前記ストリームの前記PRFを連続的に周波数変化させるための手段を具備する、
請求項7のレーダー。
【請求項10】
前記調整手段は、前記ストリームのPRFに擬似ランダム・シーケンスを施すための手段を具備する、請求項7のレーダー。
【請求項11】
前記レーダーは、STRIPMAPモードで動作し、
前記目標領域は、広い観測幅を湯具備する、
請求項7乃至10のいずれかのレーダー。
【請求項12】
前記レーダーは、SCANSARモードで動作し、
前記目標領域は、サブ観測幅を具備する、
請求項7乃至10のいずれかのレーダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【公表番号】特表2009−516191(P2009−516191A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540703(P2008−540703)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050390
【国際公開番号】WO2007/057707
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(506112694)アストリウム・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050390
【国際公開番号】WO2007/057707
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(506112694)アストリウム・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】
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