説明

合成開口レーダ画像のオルソ補正装置及びオルソ補正方法

【課題】 従来、オルソ補正画像を等間隔の格子でブロック分割し、ブロック毎に、かつ複数の標高の基準面毎に、歪みのモデル式を求めていたため、各格子点で、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を複数の基準面毎に算出する必要があった。又、SARでは、衛星方向に向いた斜面は明るく、逆方向の斜面は暗く撮像される。オルソ補正画像ではこの縮まった明領域は引き伸ばされ、暗領域は縮められるため、SAR画像とオルソ補正画像を比較すると、画像全体の輝度値が保存されなかった。
【解決手段】 オルソ補正画像を等間隔の格子でブロックに分割し、ブロックの各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係の算出を1回に減らすことにより、処理時間の短縮を実現するとともに、輝度の補正を行い、画像全体の輝度値を保存する様にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星等のプラットフォームから撮像された合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar: SAR)画像について、撮像ターゲットに発生する位置誤差を補正するオルソ補正装置及びオルソ補正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
SARは、衛星のアンテナと地上のターゲットの距離(スラントレンジ)を計測して画像化するため、標高の高いターゲットは衛星側に近寄った位置に画像化される。この現象をフォアショートニング(倒れこみ)と呼ぶ。地表面より高い位置にあるターゲットは、地図上ではターゲットの垂下の位置にあるはずであるが、SAR画像上ではスラントレンジが等しい位置にずれて画像化される。
【0003】
オルソ補正処理は、観測対象地域の標高データDEM(Digital Elevation Model)及び地上の基準点GCP(Ground Control Point)を用いて、高度を持つターゲットのフォアショートニングを補正する処理である。
【0004】
従来の衛星画像のオルソ補正の方法は、以下のような方法である。従来の方法では、基準回転楕円体地球モデルの海抜標高ゼロの基準面に対して、複数の相異なる標高の基準面を設定し、オルソ補正画像を等間隔の格子でブロックに分割し、ブロックごとに、かつ複数の標高の基準面ごとに、歪みのモデル式を求める(例えば、特許文献1、参照)。
【0005】
SARの場合、衛星側に向いた斜面はフォアショートニングによりSAR画像上では縮まって画像化される。衛星方向に向いた斜面は明るく撮像され、逆方向の斜面は暗く撮像される。
オルソ補正処理は、フォアショートニングを補正する処理であるため、オルソ補正画像では縮まった明るい領域は引き伸ばされ、暗い領域は縮められる。そのため、SAR画像とオルソ補正画像を比較すると、画像全体の輝度値が保存されないという問題点がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−323611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
オルソ補正では、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を算出するが、処理は計算量が多い。従来の方式では、各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を複数の基準面ごとに算出する必要があった。また、従来の方式では、SAR画像とオルソ補正画像を比較すると、画像全体の輝度値が保存されないという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を複数の基準面ごとに算出せず、処理時間の短縮を実現するとともに、輝度の補正を行い、画像全体の輝度値を保存することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による合成開口レーダ画像のオルソ補正装置は、合成開口レーダによるSAR画像データ及び地図データ等から取得するGCPデータが取得可能な場合に、このGCPの地図座標に対応するSAR画像上のGCP位置を読み取りGCP設定情報を出力するGCP設定部と、このSAR画像、及びこのGCP設定情報を入力し、GCPのフォアショートニング位置の地図座標を出力するフォアショートニング位置算出部と、GCPのフォアショートニング位置の地図座標、及びSAR画像上のGCP位置のファイル座標から、地図座標をSAR画像のファイル座標に変換する変換係数を算出する変換係数算出部とを有し、GCPのデータを用いて地図座標からファイル座標への変換係数を算出する幾何補正処理部と、SAR画像、及び観測対象地域の標高データであるDEMデータを入力し、格子点の出力ファイル座標を算出する格子点算出部と、SAR画像、DEMデータ、地図座標からファイル座標への変換係数、格子点の出力ファイル座標を入力し、格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を算出するフォアショートニング位置算出部と、この格子点の出力ファイル座標、及びこの格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を入力し、出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を算出する変換係数算出部と、SAR画像、及びこの出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を入力し、出力ファイル座標から入力ファイル座標を算出し、入力ファイル座標の輝度値をリサンプリングにより求め、SAR画像とオルソ補正画像の輝度値の補正を行い、オルソ補正画像を出力するリサンプリング処理部とを有し、DEMデータの高度を基に、オルソ補正画像の各画素のフォアショートニング量を算出するフォアショートニング歪み補正処理部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各格子点での演算量を減らすことができ、かつ、画像全体の輝度値が保存するように補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1に係るSAR画像のオルソ補正処理装置の全体構成図である。
【0013】
図中の1は、衛星から撮像されたSAR画像である。ただし、SAR画像1は衛星の軌道情報を含み、かつ各画素の地図情報(緯度経度または地図座標)が取得可能である必要がある。2は地図データ等から取得したGCPデータ(位置、高度)である。3は高度取得に使用するDEMデータである。GCPデータ2,DEMデータ3ともに地図投影されている。SAR画像1,GCPデータ2及びDEMデータ3は、CD-ROM、磁気テープ等の記録媒体にて提供される。
【0014】
図1において、精密幾何補正処理部5は、GCPデータ2を入力し、地図座標からSAR画像1のファイル座標への変換係数を出力する。フォアショートニング歪み補正処理部6は、DEMデータ3の高度、地図座標からSAR画像1のファイル座標への変換係数を入力し、オルソ補正画像7を出力する。
【0015】
SARは、衛星のアンテナと地上のターゲットの距離(スラントレンジ)を計測して画像化するため、標高の高いターゲットは衛星側に近寄った位置に画像化される、フォアショートニングと呼ぶ現象が発生する。
図2は、SARのフォアショートニングの概念を示す概念図である。高度を持つターゲットAは、地図上ではBの位置にあるはずであるが、SAR画像上ではスラントレンジが等しいCの位置に画像化される。
【0016】
図3は、精密幾何補正処理部5の構成図である。精密幾何補正処理部5は、GCP設定部、フォアショートニング位置算出部、変換係数算出部からなる。GCP設定部は、SAR画像1及びGCPデータ2を入力し、GCP設定情報を出力する。フォアショートニング位置算出部は、SAR画像1及びGCP設定情報を入力し、GCPのフォアショートニング位置の地図座標を出力する。変換係数算出部は、GCPのフォアショートニング位置の地図座標及びGCPのファイル座標を入力し、地図座標からファイル座標への変換係数4を出力する。
【0017】
図4は、フォアショートニング歪み補正処理部6の構成図である。フォアショートニング歪み補正処理部6は、格子点算出部、フォアショートニング位置算出部、変換係数算出部及びリサンプリング処理部からなる。格子点算出部は、SAR画像1及びDEMデータ3を入力し、格子点の出力ファイル座標を出力する。フォアショートニング位置算出部は、SAR画像1、DEMデータ3、地図座標からファイル座標への変換係数4、格子点の出力ファイル座標を入力し、格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を出力する。変換係数算出部は、格子点の出力ファイル座標及び格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を入力し、出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を出力する。リサンプリング処理部は、SAR画像1及び出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を入力し、オルソ補正画像7を出力する。
【0018】
次に、実施の形態1に係るSAR画像のオルソ補正処理における動作を、図5のフローチャートで説明する。
【0019】
図5に示すように、オルソ補正処理全体は2つのSTEPからなる。
まず、STEP1(精密幾何補正処理)で、GCPデータ2を用いてオルソ補正画像7の位置精度を向上させる。次に、STEP2(フォアショートニング歪み補正処理)で、DEMデータ3の高度を基に、フォアショートニング歪みを取り除いたオルソ補正画像7を出力する。
【0020】
SAR画像の位置誤差の要因は、大きく分けると、(A)高度に起因する誤差と(B)その他の誤差(軌道の位置誤差等)とに分けられる。
STEP1は、GCPを用いて(B)の誤差を取り除く処理である。また、STEP2は、DEMを用いて(A)の誤差を取り除く処理である。
【0021】
次に、STEP1(精密幾何補正処理)について、概要を説明する。STEP1の目的は、STEP2を行う前に、(B)の誤差を取り除いた地図座標とSAR画像1のファイル座標の関係を求めることである。
【0022】
図6に、精密幾何補正の概要を示す。図中の点GはGCPの位置を表し、点HはGCPのフォアショートニング位置を表し、点Jは画像上のGCPの位置(ライン、ピクセル)を表す。精密幾何補正は、点Gから点Hを算出し、点Hと点Jの関係から、地図座標をSAR画像1のファイル座標に変換する変換係数を算出する処理である。
【0023】
図7は、STEP1(精密幾何補正処理)のフローチャートである。STEP1の各処理について、以下で説明する。
【0024】
STEP1−1では、地図データ等を用いてGCPが取得可能な場合、STEP1−2に進む。GCPが取得できない場合、STEP2へ進む。
【0025】
STEP1−2では、GCPの設定を行う。まず、地図上のGCP位置(地図座標)と高度を設定する。次に、GCPの地図座標に対応するSAR画像1上でのGCP位置(ファイル座標)を読み取る。
【0026】
STEP1−3では、GCPの位置の地図座標からGCPのフォアショートニング位置の地図座標を算出する。まず、GCPの地図座標を地球固定座標に変換し、GCPの位置の地球固定座標(図6の点G)を求める。その際、GCPの高度を考慮して変換する。次に、GCPの位置の地球固定座標(点G)からGCPのフォアショートニング位置の地球固定座標(図6の点H)を算出する。最後に、GCPのフォアショートニング位置の地球固定座標(点H)を地図座標に変換し、GCPのフォアショートニング位置の地図座標を算出する。
【0027】
STEP1−2、STEP1−3をすべてのGCPについて実施する。
【0028】
STEP1−4では、GCPのフォアショートニング位置の地図座標と、GCPのSAR画像1上でのファイル座標(点J)の関係から、地図座標をSAR画像1のファイル座標に変換する変換係数を算出する。
【0029】
ここで、GCPの点数に応じて、変換係数の算出方法を変更する。GCP点数が3点未満の場合、平行移動による変換係数を算出する。GCPが3点以上の場合、アフィン変換による変換係数を算出する。以下では、i番目のGCPのフォアショートニング位置の地図座標を(xi , yi )、i番目のGCPのSAR画像1上でのファイル座標を(pi , li )とする。
【0030】
まず、GCP点数が3点未満の場合の変換係数算出方法について、以下で説明する。場合、平行移動による変換係数を算出する。ピクセル方向及びライン方向における、地図座標からファイル座標への変換におけるスケールファクタをそれぞれ(fp , fl )とすると、変換式は数1で表される。
【0031】
【数1】

【0032】
ここで、a0, b0 は、求めようとしている変換係数(地図座標をSAR画像1のファイル座標に変換する変換係数)である。最小二乗法により、a0, b0 を求める。
【0033】
次に、GCP点数が3点以上の場合の変換係数算出方法について、以下で説明する。
場合、アフィン変換による変換係数を算出する。アフィン変換による変換式は、数2で表される。
【0034】
【数2】

【0035】
ここで、a0〜a , b0〜b は、求めようとしている変換係数(地図座標をSAR画像1のファイル座標に変換する変換係数)である。最小二乗法により、a0〜a , b0〜b を求める。
【0036】
次に、STEP2(フォアショートニング歪み補正処理)について、概要を説明する。
STEP2では、DEMデータ3の高度を基に、オルソ補正画像7の各画素のフォアショートニング量を算出し、オルソ補正画像7の各画素に対応するSAR画像1の画素を求め、リサンプリングを行ってオルソ補正画像7の各画素の輝度値を求める。
【0037】
STEP2の処理時間を短縮するため、オルソ補正画像7の全点についてフォアショートニング位置算出は行わず、ブロックに分割した四隅の点(格子点と呼ぶ)のみフォアショートニング計算を行う。
フォアショートニング計算によって得られた格子点のオルソ補正画像7のファイル座標とSAR画像1のファイル座標との関係から、オルソ補正画像7のファイル座標からSAR画像1のファイル座標への擬似アフィン変換係数を求める。ブロック内の各点については、フォアショートニング計算は行わず、各ブロックの格子点から求めた変換係数を用いてオルソ補正画像7のファイル座標からSAR画像1のファイル座標に変換し、リサンプリングを行ってオルソ補正画像7の各画素の輝度値を求める。
なお、以下では、SAR画像1のファイル座標のことを入力ファイル座標と呼び、オルソ補正画像7のファイル座標のことを出力ファイル座標と呼ぶことにする。
【0038】
図8は、STEP2(フォアショートニング歪み補正処理)のフローチャートである。STEP2の各処理について、以下で説明する。
【0039】
STEP2−1では、オルソ補正画像7をブロックに分割し、格子点を算出する。図9は、格子点の算出処理の概要を示す図である。
【0040】
分割するブロックサイズは、DEMのピクセルスペーシングと同じ値にする。これは、ブロックサイズがDEMのピクセルスペーシングより大きくなると、算出した変換係数による座標変換の位置誤差が大きくなってしまうためである。
【0041】
図10に、STEP2−2の概要を示す。STEP2−2では、格子点の出力ファイル座標(点F)から格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標(点K)を算出する。以下で、STEP2−2の詳細を示す。
【0042】
まず、格子点の出力ファイル座標(点F)を緯度経度に変換する。
【0043】
次に、格子点の緯度経度における高度を、DEMデータをバイリニア補間して取得する。格子点の緯度経度と高度を、地球固定座標に変換し、格子点の地球固定座標(点G)を求める。
【0044】
次に、格子点の地球固定座標(点G)から格子点のフォアショートニング位置の地球固定座標(点H)を算出する。
【0045】
次に、格子点のフォアショートニング位置の地球固定座標(点H)を地図座標に変換し、格子点のフォアショートニング位置の地図座標を算出する。次に、格子点のフォアショートニング位置の地図座標をファイル座標に変換し、格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標(点K)を算出する。
ここで、STEP1−4で地図座標をSAR画像1のファイル座標に変換する変換係数を算出した場合はこれを使用し、算出しなかった場合は、SAR画像1が保持している地図投影情報(ファイル座標と地図座標の変換係数)を使用する。
【0046】
STEP2−2を、すべての格子点について実施する。
【0047】
図11に、STEP2−3の概要を示す。STEP2−3では、ブロック四隅の格子点の出力ファイル座標(点F〜F)と、ブロック四隅の格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標(点K〜K)との関係から、出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を、ブロックごとに算出する。
【0048】
変換方式は、擬似アフィン変換を使用する。これは、隣り合うブロックの境界でオルソ補正画像7が連続するようにするためである。
【0049】
格子点の出力ファイル座標をFi(pi , li )、格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標をKi(Pi , Li )とすると、Fi(pi , li )をKi(Pi , Li )に変換する擬似アフィン変換は、数3で表される。
【0050】
【数3】

【0051】
ここで、a0〜a , b0〜b は、処理で求めようとしている擬似アフィン変換係数である。
【0052】
STEP2−4では、まずSTEP2−3で算出した変換係数を使って、ブロック内のすべての点の出力ファイル座標から入力ファイル座標を算出する。次に、入力ファイル座標の輝度値をその点の周りからリサンプリングにより求め、ブロック内のすべての点の出力ファイル座標の輝度値(各画素の補正前の輝度値)を求める。
【0053】
次に、SAR画像1とオルソ補正画像7の画像全体の輝度値が保存するように、輝度値の補正を行う。オルソ補正画像7の各ブロックの面積をSA、SAR画像1の各ブロックの面積をSBとすると、各ブロックの輝度補正係数αは数4で表される。
【0054】
【数4】

【0055】
各画素の補正前の輝度値Borgに、各ブロックの輝度補正係数αを掛けて、各画素の補正後の輝度値Bcorを求める。
【0056】
STEP2−3、STEP2−4を各ブロックについて実施し、オルソ補正画像7を作成する。
【0057】
以上のとおり、従来、オルソ補正では、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を算出する際の計算処理量が多く、各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を複数の基準面ごとに算出する必要があり、また、SAR画像とオルソ補正画像を比較すると、画像全体の輝度値が保存されなかった。しかしながら、本実施の形態では、各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係の算出を1回に減らすことにより、処理時間の短縮を実現して、各画素の輝度の補正を行い、画像全体の輝度値を保存している。
【0058】
実施の形態1によれば、各格子点での演算量を減らすことができ、処理時間の短縮を実現すると共に、輝度の補正を行い、画像全体の輝度値を保存することが可能となる。
また、撮像方式或いは再生方式に依存せず、任意の方式のSAR画像に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】発明の実施の形態であるSAR画像のオルソ補正装置の全体構成図である。
【図2】SARのフォアショートニングの概念図である。
【図3】精密幾何補正処理部の構成図である。
【図4】フォアショートニング歪み補正処理部の構成図である。
【図5】発明の実施の形態であるSAR画像のオルソ補正装置のフローチャートである。
【図6】精密幾何補正処理の概要を示す図である。
【図7】精密幾何補正処理のフローチャートである。
【図8】フォアショートニング歪み補正処理のフローチャートである。
【図9】格子点の算出処理の概要を示す図である。
【図10】格子点のフォアショートニング位置算出処理の概要を示す図である。
【図11】ブロックごとの変換係数算出処理の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 SAR画像、 2 GCPデータ、 3 DEMデータ、
4 地図座標からファイル座標への変換係数、 5 精密幾何補正処理部、
6 フォアショートニング歪み補正処理部、 7 オルソ補正画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成開口レーダによるSAR(Synthetic Aperture Radar)画像データ及び地図データ等から取得するGCP(Ground Control Point)データが取得可能な場合に、このGCPの地図座標に対応する上記SAR画像上のGCP位置を読み取りGCP設定情報を出力するGCP設定部と、このSAR画像、及びこのGCP設定情報を入力し、上記GCPのフォアショートニング位置の地図座標を出力するフォアショートニング位置算出部と、上記GCPのフォアショートニング位置の地図座標、及びSAR画像上のGCP位置のファイル座標から、上記地図座標をSAR画像のファイル座標に変換する変換係数を算出する変換係数算出部とを有し、上記GCPのデータを用いて上記地図座標からファイル座標への変換係数を算出する幾何補正処理部と、
上記SAR画像、及び観測対象地域の標高データであるDEM(Digital Elevation Model)データを入力し、格子点の出力ファイル座標を算出する格子点算出部と、上記SAR画像、上記DEMデータ、上記地図座標からファイル座標への変換係数、上記格子点の出力ファイル座標を入力し、格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を算出するフォアショートニング位置算出部と、この格子点の出力ファイル座標、及びこの格子点のフォアショートニング位置の入力ファイル座標を入力し、出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を算出する変換係数算出部と、上記SAR画像、及びこの出力ファイル座標を入力ファイル座標に変換する変換係数を入力し、上記出力ファイル座標から入力ファイル座標を算出し、入力ファイル座標の輝度値をリサンプリングにより求め、SAR画像とオルソ補正画像の輝度値の補正を行い、オルソ補正画像を出力するリサンプリング処理部とを有し、上記DEMデータの高度を基に、オルソ補正画像の各画素のフォアショートニング量を算出するフォアショートニング歪み補正処理部と、
を備えたことを特徴とする合成開口レーダ画像のオルソ補正装置。
【請求項2】
請求項1記載の合成開口レーダ画像のオルソ補正装置を用いたオルソ補正方法において、
オルソ補正画像を等間隔の格子でブロックに分割し、このブロックの各格子点において、オルソ補正画像とSAR画像の対応関係を算出し、各画素の輝度の補正を行ったことを特徴とする、合成開口レーダ画像のオルソ補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−248216(P2007−248216A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71001(P2006−71001)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】