説明

同期バイトを伝送パケットに挿入するシステム及び方法

【課題】本願の開示実施例は、ビデオ伝送ストリームに同期バイトを挿入するシステム及び方法に関する。
【解決手段】特に、第1のセット・トップ・ボックス(22a)によってサポートされる解析手順を判定する工程と、第1のセット・トップ・ボックス(22a)の解析手順に準拠するよう第1の伝送パケットを付加する工程と、第1の伝送パケットを第1のセット・トップ・ボックス(22a)に伝送する工程とを備える方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ネットワークを介した、ビデオやその他のディジタル・データの伝送に関する。特に、本発明は、ビデオ伝送ストリームに同期バイトを挿入するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分は、本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載する本発明の種々の局面に関し得る、当該技術分野の種々の局面を示すことを意図している。この記載は、本発明の種々の局面のより深い理解を促進するための、背景情報の提供に有用であると考える。したがって、前述の記載はこれに照らして読まれ、従来技術と認めるものとしてでないこととする。
【0003】
大半の人々に知られているように、衛星テレビジョン・システム(ディレクTV(DirecTV)など)は過去数年にわたってずっと普及してきている。実際に、西暦1994年のディレクTVの登場以来、アメリカの1200万を超える家庭が、衛星TVの加入者になっている。前述の加入者の大半は、衛星アンテナの設置及び接続が比較的簡単な単住戸に住んでいる。例えば、衛星アンテナは、家屋の屋根の上に設置することができる。
【0004】
しかし、潜在的な多くの加入者は、多住戸(「MDU」)(ホテルや高層マンションの建物など)に住んでいるか、又は一時滞在している。残念ながら、MDU内の個々の住戸への衛星TVサービスの提供に関係する課題が更に存在している。住戸毎に1つの衛星アンテナを設け、接続するのは非実用的であり、かつ/又は、非常に高価であり得る。例えば、一千戸のマンションを有する高層マンションの建物では、建物の屋根の上に一千個の衛星アンテナを搭載するのは非実用的であり得る。一部の従来のシステムは、単一の同軸ケーブルを介して複数の住戸に伝送可能なアナログ信号にディジタル衛星テレビジョン信号を変換することによって前述の課題を避けてきた。しかし、前述のシステムは、提供チャンネルが限られており、全ディジタルのシステムと比較して品質が低く、単住戸に住んでいるユーザが慣れ親しんでいる衛星TV体験を提供することが可能でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多住戸に衛星TVを提供する改良されたシステム及び/又は方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特許請求の範囲の当初記載範囲に対応した特定の局面を以下に記載する。前述の局面は、本発明がとり得る特定の形態の簡単な要約を単に提供するために提示しており、本発明の範囲を限定することを意図しているものでない。実際に、本発明は、以下に記載されていないことがあり得る種々の局面を包含し得る。
【0007】
本願の開示実施例は、ビデオ伝送ストリームに同期バイトを挿入するシステム及び方法に関する。特に、第1のセット・トップ・ボックス(22a)によってサポートされる解析手順を判定する工程と、第1のセット・トップ・ボックス(22a)の解析手順に準拠するよう第1の伝送パケットを付加する工程と、第1の伝送パケットを第1のセット・トップ・ボックス(22a)に伝送する工程とを備える方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例による例示的な衛星テレビジョン・オーバIPシステムのブロック図である。
【図2】本発明の図1に示す例示的な衛星テレビジョン・オーバIPシステムの別の実施例を示す図である。
【図3】本発明の例示的な衛星ゲートウェイのブロック図である。
【図4】本発明の例示的な伝送パケットのブロック図である。
【図5】本発明の実施例による例示的な付加伝送パケットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の効果は、以下の詳細の説明を読み、添付図面を参照することによって明らかになり得る。
【実施例】
【0010】
本発明の1つ又は複数の特定の実施例を以下に説明する。前述の実施例の簡潔な説明を提供しようとして、実際の実現形態の特徴全てを本明細書に記載している訳でない。前述の何れの実際の実現手段の開発においても、何れのエンジニアリング・プロジェクトや設計プロジェクトとも同様に、実現手段特有の多くの決定を行って、実現手段単位で異なり得る開発者の特定の目標(システム関連の制約及びビジネス関連の制約への準拠など)を達成しなければならない。更に、前述の開発労力は、複雑で、時間がかかり得るが、しかし、本願の開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、組み立て及び製造の慣例的な作業になる。
【0011】
図1に移れば、一実施例による例示的な衛星テレビジョン・オーバIPシステムのブロック図を示し、参照符号10によって全体を表す。図示したように、一実施例では、システム10は、1つ又は複数の衛星アンテナ12a乃至12m、ヘッドエンド装置(衛星ゲートウェイ14など)、IP配信ネットワーク20、及び1つ又は複数のセット・トップ・ボックス(「STB」)22a乃至22nを含み得る。しかし、図1に示すシステム10の実施例がシステム10の潜在的な一実施例に過ぎないことを当業者は認識するであろう。そういうものとして、別の実施例では、システム10の図示した構成部分を再配置するか、若しくは割愛することができるか、又は、更なる構成部分をシステム10に追加することができる。例えば、軽微な修正によって、非衛星のビデオ及びオーディオのサービスを配信するようシステム10を構成することができる。
【0012】
衛星アンテナ12a乃至12mは、軌道を描いて地球の周囲を回る衛星から伝送されるビデオ、オーディオやその他のタイプのテレビジョン関連データを受信するよう構成することができる。以下に更に説明するように、一実施例では、衛星アンテナ12a乃至12mは、10.7乃至12.75ギガヘルツ(「GHz」)のKUバンドを介してディレクTVプログラミングを受信するよう構成される。しかし、別の実施例では、衛星アンテナ12a乃至12mは、他のタイプの直接放送衛星(「DBS」)又はテレビジョン受信のみ(「TVRO」)信号(ディシュ・ネットワーク信号、エクスプレスビュー信号、スターチョイス信号等など)を受信するよう構成することができる。更に他の非衛星ベース・システムでは、衛星アンテナ12a乃至12mはシステム10から割愛することができる。
一実施例では、衛星アンテナ12a乃至12m内の低雑音ブロック変換器(「LNC」)は、受信信号を地球周回衛星から受信し、950メガヘルツ(「MHz」)と2150MHzとの間のLバンドにおける周波数に前述の受信信号を変換する。図2に関して以下に更に詳細に説明するように、衛星12a乃至12mそれぞれは、特定の周波数(トランスポンダと表す)上で、かつ、特定の偏波を備えて1つ又は複数の受信衛星TV信号を受信し、前述の衛星信号をLバンド信号(それぞれが複数のビデオ信号又はオーディオ信号を含み得る)に変換するよう構成することができる。
【0013】
衛星アンテナ12a乃至12mは、ヘッドエンド装置又はゲートウェイ・サーバ(衛星ゲートウェイ14など)にLバンド信号を送信するよう構成することができる。別の、非衛星の実施例では、ヘッドエンド装置は、ケーブル・テレビジョン受信器、高品位テレビジョン受信器、又はその他のビデオ配信システムであり得る。
【0014】
衛星ゲートウェイ14は、衛星同調/復調/逆多重化モジュール16及びIPラッパ・モジュール18を含む。モジュール16は、それぞれがサービス(例えば、テレビジョン・チャンネルのビデオ、テレビジョン・チャンネルのオーディオ、番組ガイド等)を収容する複数の単一番組伝送ストリーム(「SPTS」)に、衛星12a乃至12mから送信される変調され、かつ多重化されたLバンド信号に変換するための複数のチューナ、復調器及び逆多重化器を含み得る。一実施例では、モジュール16は、衛星アンテナ12a乃至12mによって受信されるサービス全ての単一番組伝送ストリームを生成するよう構成される。しかし、別の実施例では、モジュール16は、衛星アンテナ12a乃至12mによって受信されるサービスの部分集合のみの伝送ストリームを生成することができる。
衛星同調/復調/逆多重化モジュール16はSPTSをIPラッパ・モジュール18に送信することができる。一実施例では、IPラッパ・モジュール18は、IP配信ネットワーク20を介した伝送に適した複数のインターネット・プロトコル(「IP」)パケットにSPTS内のデータを再パッケージ化する。例えば、IPラッパ・モジュール18はSPTS内のディレクTVプロトコル・パケットをIPパケットに変換することができる。更に、IPラッパ・モジュール18は、STB22a乃至22nからサーバ要求を受信し、特定のサービスを要求したSTB22a乃至22nにIP SPTSをマルチキャストする(すなわち、1つ又は複数のSTB22a乃至22nにIPアドレスを介してブロードキャストする)よう構成することができる。
【0015】
別の実施例では、IPラッパ・モジュール18は、STB22a乃至22nのうちの1つによって要求されていないサービスのIPプロトコルSPTSをマルチキャストするよう構成することもできる。モジュール16及び18は、衛星ゲートウェイ14の例示的な一実施例に過ぎない。別の実施例(図2及び図3に関して以下に説明したものなど)では、モジュール16及び18の機能は、種々の適切な構成部分又はモジュールのうちで再配分又は集約することができる。
【0016】
IP配信ネットワーク20は、1つ又は複数のルータ、スイッチ、モデム、スプリッタ又はブリッジを含み得る。例えば、一実施例では、衛星ゲートウェイ14をマスタ配信フレーム(「MDF」)に結合し、マスタ配信フレーム(「MDF」)を中間配信フレーム(「IDF」)に結合し、中間配信フレーム(「IDF」)を同軸−イーサネット(登録商標)・ブリッジに結合し、同軸−イーサネット(登録商標)・ブリッジをルータに結合し、ルータを1つ又は複数のSTB22a乃至22nに結合することができる。別の実施例では、IP配信ネットワーク20は、ルータに結合されたDSLモデムに結合されたディジタル加入者線アクセス多重化器(「DSALM」)に結合されたMDFであり得る。更に別の実施例では、IP配信ネットワークは、無線ネットワーク(802.11又はWiMaxネットワークなど)を含み得る。この種の実施例では、STB22a乃至22nは、マルチキャストIPパケットを受信するよう構成された無線受信器を含み得る。前述の実施例が例示に過ぎないことを当業者は認識するであろう。そういうものとして、他の実施例では、多数の適切な形態のIP配信ネットワークをシステム10に用いることができる。
【0017】
IP配信ネットワーク20は、1つ又は複数のSTB22a乃至22nに結合することができる。STB22a乃至22nは、IP配信ネットワーク20を介してIPパケット(IP SPTSなど)を受信することができる何れかの適切なタイプのビデオ、オーディオ及び/又は他のデータの受信器であり得る。本明細書及び特許請求の範囲使用のセット・トップ・ボックス(「STB」)の語が包含するのは、テレビジョン受像機上に位置するものだけでないことがあり得る。むしろSTB22a乃至22nは、テレビジョン受像機、ディスプレイ又はコンピュータの中にあっても外にあっても、本明細書及び特許請求の範囲記載のように機能するよう構成することが可能な何れかのデバイス又は装置(ビデオ構成部分、コンピュータ、無線電話機やその他の形態のビデオ・レコーダに限定されないがそれらを含む)であり得る。一実施例では、STB22a乃至22nは、(他の入力のうち)イーサネット(登録商標)・ポートを介してサービス(ビデオ及び/又はオーディオなど)を受信するよう構成されたディレクTV受信器であり得る。別の実施例では、STB22a乃至22nは、同軸ケーブル、より線、銅線を介して、又は無線標準(IEEE802.11標準など)による無線でマルチキャスト伝送を受信するよう設計及び/又は構成することができる。
【0018】
前述の通り、システム10は、宇宙空間において衛星によって伝送されるビデオ、オーディオ、及び/他のデータを受信し、IP配信ネットワーク20を介して配信するためにこのデータを処理/変換することができる。よって、図2は、一実施例による、IPシステム10を介した例示的な衛星テレビジョンの別の実施例である。図2は、3つの例示的な衛星アンテナ12a乃至12cを示す。衛星アンテナ12a乃至12cそれぞれは、1つ又は複数の周回衛星から信号を受信するよう構成することができる。衛星、及び衛星から送信される信号が多くの場合、衛星が存在している周回スロットによって表されることを当業者は認識するであろう。例えば、図2では、衛星アンテナ12aは、101度の周回スロットに配置されたディレクTV衛星から信号を受信するよう構成される。同様に、衛星アンテナ12bは119度に配置された衛星から信号を受信し、衛星アンテナ12cは110度の周回スロットに配置された衛星から信号を受信する。別の実施例では、衛星アンテナ12a乃至12cは、種々の周回スロット(95度の周回スロットなど)における他の複数の衛星から信号を受信することができる。更に、衛星アンテナ12a乃至12cは、偏波衛星信号を受信するよう構成することもできる。例えば、図2では、衛星アンテナ12aは、左偏波(「101 L」として図示する)の信号及び右偏波(「101 R」として図示する)の信号を受信するよう構成される。
【0019】
図1に関して前述したように、衛星アンテナ12a乃至12cは、KUバンドにおいて衛星信号を受信し、前述の信号を、衛星ゲートウェイ14に送信されるLバンド信号に変換することができる。しかし、特定の実施例では、衛星アンテナ12a乃至12cによって生成されるLバンド信号は、衛星ゲートウェイ14に達する前に、より少ない信号にマージするか、又は、より多くの信号に分割することができる。例えば、図2に示すように、衛星アンテナ12b及び12cからのLバンド信号は、110度にある衛星及び119度にある衛星からのLバンド信号を含む単一のLバンド信号にスイッチ24によってマージすることができる。
【0020】
図示したように、システム10は、分割前のLバンド信号のサービスの半分をそれぞれが含む2つのLバンド信号に、衛星アンテナ12a乃至12cから送信されるLバンド信号を分割するための複数の1:2スプリッタ26a、26b、26c及び26dを含むこともできる。別の実施例では、1:2スプリッタ26a乃至26bは割愛するか、又は衛星ゲートウェイ14a及び14bに一体化させることができる。
【0021】
新たに分割されたLバンド信号を1:2スプリッタ26a乃至26dから衛星ゲートウェイ14a及び14bに送信することができる。図2に示すシステム10の実施例は、衛星ゲートウェイ14a及び14bのうちの2つを含む。しかし、別の実施例では、システム10は、何れかの適切な数の衛星ゲートウェイ14を含み得る。例えば、一実施例では、システムは、3つの衛星ゲートウェイ14を含み得る。
【0022】
衛星ゲートウェイ14a及び14bは次いで、Lバンド信号を更に分割し、次いで、Lバンド信号上に1つ又は複数のサービスに同調して、IPパケットに再パッケージ化し、IP配信ネットワーク20を介してマルチキャストすることができる1つ又は複数のSPTSを生成することができる。更に、1つ又は複数の衛星ゲートウェイ14a、14bは、公衆交換電話ネットワーク(「PSTN」)28にも結合することができる。衛星ゲートウェイ14a、14bはPSTN28に結合されているので、STB22a乃至22nは、IP配信ネットワーク20及び衛星ゲートウェイ14a、14bを介して衛星サービス・プロバイダと通信することができることがあり得る。この機能は効果的には、PSTN28に個々のSTB22a乃至22nそれぞれを直接結合させる必要性をなくすことができる。
【0023】
IP配信ネットワーク20は、インターネット・サービス・プロバイダ(「ISP」)30に結合することもできる。一実施例では、IP配信ネットワーク20を用いてインターネット・サービス(高速データ・アクセスなど)を、IP配信ネットワーク20に結合されたSTB22a乃至22n及び/又はその他の適切な装置(図示せず)に提供することができる。
前述の通り、衛星ゲートウェイ14a、14bは、複数のLバンド信号を受信し、複数のSPTSを生成し、IP配信ネットワーク20を介して、要求されたSPTSをマルチキャストするよう構成することができる。次に図3を参照すれば、例示的な衛星ゲートウェイ14のブロック図を示す。図示したように、衛星ゲートウェイ14a、14bは、電源40、2つのフロントエンド41a及び41b、並びにバックエンド52を含む。電源40は、フロントエンド41a、41b及びバックエンド52が以下に記載の機能を行うことを可能にするよう構成可能な業界標準のいくつかのAC又はDC電源のうちの何れか1つであり得る。
【0024】
衛星ゲートウェイ14a、14bは、2つのフロントエンド41a、41bも含み得る。一実施例では、フロントエンド41a、41bそれぞれは、図2に関して前述した1:2スプリッタ26a乃至26dから2つのLバンド信号入力を受け取るよう構成することができる。例えば、フロントエンド41aは1:2スプリッタ26aから2つのLバンド信号を受け取ることができ、フロントエンド41bは1:2スプリッタ26bから2つのLバンド信号を受け取ることができる。一実施例では、フロントエンド41a、41bへのLバンド入力それぞれは、8つ以下のサービスを含む。
【0025】
フロントエンド41a、41bは次いで、1:4Lバンド・スプリッタ42a、42b、42c及び42dを用いてLバンド入力を更に分割することができる。分割されると、Lバンド信号は、デュアル・チューナ・リンクの4つのバンク44a、44b、44c及び44dに進むことができる。バンク44a乃至44d内のデュアル・チューナ・リンクそれぞれは、その個々のデュアル・チューナ・リンクによって受信されたLバンド信号内の2つのサービスに同調してSPTSを生成するよう構成することができる。デュアル・チューナ・リンクそれぞれは次いで、低電圧差動信号(「LDVS」)ドライバ48a、48b、48c及び48dのうちの1つにSPTSを送信することができる。LVDSドライバ48a乃至48dは、バックエンド52に送信するためにLバンド伝送バンド信号を増幅するよう構成することができる。別の実施例では、種々の形態の差動ドライバ及び/又は増幅器をLVDSドライバ48a乃至48dの代わりに用いることができる。他の実施例は、バックエンド52にルーティングするために伝送信号全てを併せて直列化することを用いることができる。
【0026】
図示したように、フロントエンド41a、41bは、マイクロプロセッサ46a及び46bも含み得る。一実施例では、マイクロプロセッサ46a、46bは、デュアル・チューナ・リンクのバンク44a乃至44d、及び1;4Lバンド・スプリッタ42a乃至42dへのコマンドの制御及び/中継を行うことができる。マイクロプロセッサ46a、46bは、STマイクロエレクトロニクス社によって生産されたST10マイクロプロセッサを備え得る。マイクロプロセッサ46a、46bは、LVDS受信器モジュール50a及びLVDS送信器モジュール50bに結合することができる。LVDS受信器/送信器モジュール50a、50bは、以下に更に説明するように、マイクロプロセッサ46a、46bと、バンクエンド52上の構成部分との間の通信を促進することができる。
【0027】
次に、バックエンド52に移れば、バックエンド52は、LVDSドライバ48a乃至48dによって伝送される伝送信号を受信するよう構成されたLVDS受信器54a、54b、54c及び54dを含む。バックエンド52は、LVDS受信器/送信器モジュール50a、50bと通信するよう構成されたLVDS受信器/送信器モジュール56a、56bも含む。
【0028】
図示したように、LVDS受信器54a乃至54d及びLVDS受信器/送信器56a、56bは、伝送プロセッサ58a及び58bと通信するよう構成される。一実施例では、伝送プロセッサ58a、58bは、フロントエンド41a、41b内のデュアル・チューナ・リンクによって生成されるSPTSを受信するよう構成される。例えば、一実施例では、伝送プロセッサ58a、58bは、16個のSPTSを生成するよう構成することができる。伝送プロセッサ58a、58bは、IP配信ネットワーク20を介してマルチキャストすることが可能なIPパケットにSPTSを再パックするよう構成することができる。例えば、伝送プロセッサ58a、58bは、ディレクTVプロトコル・パケットをIPプロトコル・パケットに再パッケージ化し、次いで、IPアドレス上の前述のIPパケットを1つ又は複数のSTB22a乃至22nにマルチキャストすることができる。
【0029】
伝送プロセッサ58a、58bは、バス62(32ビットの、66MHz周辺装置相互接続(「PCI」)バスなど)に結合することもできる。バス62を介して、伝送プロセッサ58a、58bは、ネットワーク・プロセッサ70,イーサネット(登録商標)・インタフェース84、及び/又は拡張スロット66と通信することができる。ネットワーク・プロセッサ70は、STB22a乃至22nからサービス要求を受信し、要求サービスをマルチキャストする旨を伝送プロセッサ58a、58bに指示するよう構成することができる。一実施例では、ネットワーク・プロセッサは、インテル社によって生産されたIXP425ネットワーク・プロセッサである。図示していないが、ネットワーク・プロセッサ70は、衛星ゲートウェイ14a、14bの前面パネルにステータス・データを送信するか、又は、デバッグ・ポートを介して衛星ゲートウェイ14a、14bのデバッグ又は監視をサポートするよう構成することもできる。
【0030】
図示したように、伝送プロセッサ58a、58bは、イーサネット(登録商標)・インタフェース68にバス62を介して結合することもできる。一実施例では、イーサネット(登録商標)・インタフェース68は、IP配信ネットワーク20との銅線又は光ファイバのインタフェースを備えるギガビット・イーサネット(登録商標)・インタフェースである。更に、バス62は、拡張スロット(衛星ゲートウェイ14a、14bのアップグレード又は拡張を可能にするためのPCI拡張スロットなど)にも結合することができる。
【0031】
伝送プロセッサ58a、58bは、ホスト・バス64にも結合することができる。一実施例では、ホスト・バス64は、前述の通り、PSTN28を介して通信するよう構成することができるモデム72に伝送プロセッサ58a、58bを接続する16ビット・データ・バスである。別の実施例では、モデム72はバス62に結合することもできる。
【0032】
前述の通り、衛星ゲートウェイ14はIPパケット化衛星サービスをSTB22a乃至22nにIP配信ネットワーク20を介して送信することができる。一実施例では、衛星ゲートウェイ14は、Lバンド信号を受信し、衛星伝送パケットを含む伝送ストリームにLバンド信号を変換し、前述の伝送パケットをIPパケットに再パケット化することができる。IPパケットがSTB22a乃至22nに到着すると、STBは、IPパケットを復号化し、伝送ストリームの再組み立てを行う。それから、STB22a乃至22nは、衛星サービスを提供するために復号化することが可能な衛星伝送パケットを析出(すなわち、分離)することが可能である。
【0033】
一実施例では、STB22a乃至22nは、再組み立てされた伝送ストリーム内の1つ又は複数の同期バイトを識別することによって衛星伝送パケットを析出することができる。前述の同期バイトは、認識するようSTB22a乃至22nが構成される同期シンボルを含み得る。よって、固定長衛星伝送パケット内の所定の場所に同期バイトが追加されるので、STB22a乃至22nは、衛星伝送パケットの固定長に対応する間隔で同期バイトを位置特定することによって個々のIPパケットを析出することが可能である。例えば、衛星伝送パケットのうちの1つの合計長が132バイトの場合、1つ又は複数のSTB20a乃至20nが、再組み立てされた伝送ストリーム内で130バイト毎に再生起する同期シンボルを識別することによって複数の個々の伝送パケットに伝送ストリームをもう一度戻すことができる。
しかし、Lバンド伝送ストリームからの伝送パケットの析出における一課題は、別々のSTB22a乃至22nが各種の解析手順をサポートするよう構成されることがあり得ることである。すなわち、別々のSTB22a乃至22nは、異なる同期シンボル及び/又はパケット長を用い得る。例えば、STB22a乃至22nの1つは同期シンボルAA47及びパケット長132バイトを用いて伝送パケットを解析することができ、STB22a乃至22nの別の1つは同期シンボル47及びパケット長130バイトを用いてパケットを解析することができ、STB22a乃至22nの更に別の1つは同期シンボルCC47及びパケット長131バイトを用いてパケットを解析することができる。
【0034】
図4は、一実施例による例示的な衛星伝送パケット80のブロック図である。衛星伝送パケット80は、衛星伝送パケット80の同期シンボルを含むヘッダ部82を含み得る。衛星伝送パケット80は、伝送される実際の衛星サービスを含むペイロード84も含み得る。しかし、種々の理由で、衛星ゲートウェイによって受信される衛星伝送パケット80の同期シンボル及び/又はパケット長は、認識するようSTB22a乃至22nが構成される同期シンボル及び/又はパケット長(以下STBの「解析手順」として表す)に一致しないことがあり得る。例えば、一STB製造者は、一解析手順を用いるようそのSTBを構成する一方、別のSTB製造者は、別の異なる解析手順を用いるようそのSTBを構成する。
【0035】
種々の考えられる解析手順を補償するために、衛星ゲートウェイ14は、再組み立てされた伝送ストリームを最終的に解析することになるSTB解析手順によって衛星伝送パケット80に適宜、バイト又は同期シンボルを付加するよう構成することができる。特に、衛星ゲートウェイ14は、衛星伝送パケット80を付加して、STB22a乃至22の解析手順に準拠する伝送パケットを作成することができる。
【0036】
例えば、図5は、一実施例による例示的な付加伝送パケット90のブロック図である。単純にするように、同様の参照符号を用いて、図4を参照して前述した特徴を表している。図示したように、パケット90は、ヘッダ82及びペイロード84(図4に関して前述)を含む。しかし、更に、パケット90は、新たな同期シンボルAA47を含む2バイト長の付加部92も含む。そういうものとして、パケット90は次いで、同期シンボルAA47及びパケット長132バイトを用いて伝送ストリームを解析するSTB22a乃至22nの1つへの伝送に適していることがあり得る。図示していないが、別の実施例では、他の適切な組み合わせの同期シンボル及び/又はバイトを、パケット90内の他の場所に追加することができる。例えば、更なるバイトを、ペイロード84の後に、又はパケット80内の別の場所に追加することができる。
【0037】
前述の通り、衛星ゲートウェイ14は、衛星伝送パケット80を付加して個々のSTB22a乃至22nの解析手順に準拠するよう構成することができる。一実施例では、衛星ゲートウェイ14は、STB22a乃至22n毎に解析手順のリストを維持する。そういうものとして、衛星ゲートウェイ14は、特定のサービスを要求するSTB22a乃至22nによって用いられる別個の解析手順毎に別個のマルチキャストを適宜作成することができる。例えば、1つのSTB22a乃至22nのみが特定のサービスを要求する場合、そのサービスは、その単一のSTBによってサポートされる解析手順に従うよう修正することができる。しかし、それぞれが別々の解析手順をサポートする2つ以上のSTB22a乃至22nが特定のサービスを要求する場合、要求STB22a乃至22nによってサポートされる解析手順に一致させるようそれぞれが付加される別個の2つのマルチキャストに、要求されたサービスを分割することができる。この場合、衛星ゲートウェイ14は、同じ衛星サービス(違ったふうにパケット化されている)を別々の2つの要求STBにマルチキャストすることができる。
【0038】
本発明は、種々の修正及び代替的形態の対象となるが、特定の実施例を添付図面に例を挙げて示しており、本明細書において詳細に説明する。しかし、記載した特定の形態に本発明を限定することを意図するものでない。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲内に収まる修正、均等物及び代替全てを包含するものとする。
【符号の説明】
【0039】
22a STB
22b STB


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートウェイにおいて伝送パケットを処理する方法であって、前記方法は、
複数のセット・トップ・ボックス毎にパケット解析手順のリストを維持する工程であって、各パケット解析手順は、特定のセット・トップ・ボックスによって認識される伝送パケットのパケット長及び同期シンボルを識別する工程と、
第1のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定する工程と、
情報を伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成する工程であって、前記第1の付加伝送パケットは前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含む工程と、
前記第1の付加伝送パケットを前記第1のセット・トップ・ボックスに伝送する工程と、
第2のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定する工程であって、前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順は前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順と異なる工程と、
情報を前記伝送パケットに付加して、第2の付加伝送パケットを作成する工程であって、前記第2の付加伝送パケットは前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含む工程と、
前記第2の付加伝送パケットを前記第2のセット・トップ・ボックスに伝送する工程と
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成する工程が、前記第1の伝送パケットの最初に前記同期シンボルを追加する工程を含む方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成する工程が、前記第1の伝送パケットの最初に1つ又は複数のバイトを追加する工程を含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、前記伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成する工程が、前記第1の伝送パケットの最後に1つ又は複数のバイトを追加する工程を含む方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記第1の付加伝送パケット及び前記第2の付加伝送パケットが衛星サービスを収容する工程を含む方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記第1の付加伝送パケットを伝送する工程は、
IPパケットとして再パケット化する工程と、
前記再パケット化された第1の付加伝送パケットを前記第1のセット・トップ・ボックスにマルチキャストする工程と
を含む方法。
【請求項7】
ヘッドエンド装置であって、
複数のセット・トップ・ボックス毎にパケット解析手順のリストを維持し、各パケット解析手順は、特定のセット・トップ・ボックスによって認識される伝送パケットのパケット長及び同期シンボルを識別し、
前記パケット解析手順のリストから第1のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定し、
情報を伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成し、前記第1の付加伝送パケットは、前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含み、
前記第1の付加伝送パケットを前記第1のセット・トップ・ボックスに伝送し、
第2のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定し、前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順は前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順と異なり、
情報を前記伝送パケットに付加して、第2の付加伝送パケットを作成し、前記第2の付加伝送パケットは前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含み、
前記第2の付加伝送パケットを前記第2のセット・トップ・ボックスに伝送するよう構成されたヘッドエンド装置。
【請求項8】
請求項7記載のヘッドエンド装置であって、前記伝送パケットの最初に同期シンボルを追加するよう構成されたヘッドエンド装置。
【請求項9】
請求項7記載のヘッドエンド装置であって、前記伝送パケットの最初に1つ又は複数のバイトを追加するよう構成されたヘッドエンド装置。
【請求項10】
請求項9記載のヘッドエンド装置であって、前記伝送パケットの最後に1つ又は複数のバイトを追加するよう構成されたヘッドエンド装置。
【請求項11】
請求項7記載のヘッドエンド装置であって、前記第1の伝送パケット及び前記第2の伝送パケットが同じ衛星サービスを収容するヘッドエンド装置。
【請求項12】
請求項7記載のヘッドエンド装置であって、
前記第1の付加伝送パケットをIPパケットとして再パケット化し、
前記再パケット化された第1の付加伝送パケットを前記第1のセット・トップ・ボックスにマルチキャストするよう構成されるヘッドエンド装置。
【請求項13】
ヘッドエンド装置であって、
複数のセット・トップ・ボックスのパケット解析手順のリストを維持する手段であって、各パケット解析手順は特定のセット・トップ・ボックスによって認識される伝送パケットのパケット長及び同期シンボルを識別する手段と、
第1のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定する手段と、
情報を伝送パケットに付加して、第1の付加伝送パケットを作成する手段であって、前記第1の付加伝送パケットは前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含む手段と、
前記第1の付加伝送パケットを前記第1のセット・トップ・ボックスに伝送する手段と、
第2のセット・トップ・ボックスによってサポートされるパケット解析手順を前記パケット解析手順のリストから判定する手段であって、前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順は、前記第1のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順と異なる手段と、
情報を前記伝送パケットに付加して、第2の付加伝送パケットを作成する手段であって、前記第2の付加伝送パケットは前記第2のセット・トップ・ボックスの前記パケット解析手順に準拠し、前記情報は少なくとも1つの同期シンボルを含む手段と、
前記第2の付加伝送パケットを前記第2のセット・トップ・ボックスに伝送する手段と
を備えるヘッドエンド装置。
【請求項14】
請求項13記載のヘッドエンド装置であって、
同期シンボルを前記伝送パケットの最初に追加する手段を備えるヘッドエンド装置。
【請求項15】
請求項13記載のヘッドエンド装置であって、
1つ又は複数のバイトを前記伝送パケットの最初に追加する手段を備えるヘッドエンド装置。
【請求項16】
請求項13記載のヘッドエンド装置であって、
1つ又は複数のバイトを前記伝送パケットの最後に追加する手段を備えるヘッドエンド装置。
【請求項17】
請求項13記載のヘッドエンド装置であって、前記第1の付加伝送パケット及び前記第2の付加伝送パケットが同じ衛星サービスを収容するヘッドエンド装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−124907(P2012−124907A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288898(P2011−288898)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2008−537661(P2008−537661)の分割
【原出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】