説明

同期配信方法

【課題】 複数基地局から放送チャネルで同期配信を行うために集約装置が同期処理を行う。
【解決手段】 BSN104はAN102とAN103へ同期配信を行うための放送データを送信する際に、その放送データに周期番号とシーケンス番号を付与することにより、AN102とAN103から送信されるデータの同期配信を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期配信方法に係り、特に、複数の基地局と、それら複数の基地局を集約する集約装置とを備えた無線通信システムにおいて、集約装置が、複数の基地局から各無線端末へ同じ時刻情報に同期して配信データを送信する同期配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際標準化機関である3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)において、音声通信及びデータ通信が可能な移動体通信方式であるcdma2000 1x方式や、データ通信専用に特化することにより周波数利用効率を向上した移動体無線通信方式であるcdma2000 1xEV−DO (1x Evolution − Data Only)方式について標準化が行われている。cdma2000 1x方式及び1xEV−DO通信方式は、1対1の端末で通信を行うユニキャスト通信を移動体ネットワークで実現するものであったが、1対多の通信を行うマルチキャスト通信の実現が検討されている。マルチキャスト通信を実現するための技術の要素として、無線インタフェースにおいて、データ伝送を行うチャネルとしてBroadcast channelと呼ばれる放送チャネルがcdma2000 1x用としては3GPP2標準であるC.S0001−D v1.0、C.S0002−D v1.0、C.S0003−D v1.0、C.S0004−D v1.0、C.S0005−D v1.0で、cdma2000 1xEV−DO用としてはC.S0054−0 v1.0で規格化され、放送チャネルを用いたサービスのことをBCMCS (Broadcast Multicast Service)と呼んでいる。
【0003】
従来から基地局−移動機間の通信で使用されていたユニキャスト用のチャネルは、基地局から送信されるデータを単一移動機のみで受信可能であるという特徴を持つが、マルチキャスト通信サポートの為に規格化された放送チャネルは、基地局から送信されるデータを、電波受信可能な全移動機が受信可能であるという特徴を持つ。ユニキャスト用のチャネルを用いた従来の通信方法では、通信対象となる移動機と基地局との間で最適となるような電力制御、変調方式の適用、他の基地局に接近した場合にハンドオフ処理を行う等を行うことにより、移動機の電波受信環境に応じた最適な通信速度、パケットエラー率を制御することが可能であるが、放送チャネルを用いた通信の場合には、通信対象となる移動機が不特定となるため、そのような方法を用いた制御ができず、特に基地局間のエリアなど干渉が多くなり、高データレート、低エラーレートの通信が出来ないという課題がある。その課題を解決するため、3GPP2標準C.S0054(非特許文献1)においてはソフトコンバインと呼ばれる技術が導入されている。
ソフトコンバインは、ある基地局のカバレッジエリアと別の基地局のカバレッジエリアの間に存在する基地局から送信される電波同士が干渉し、受信環境が悪いエリアにおいて、放送チャネルを用いた通信の受信環境を改善するための技術として知られている。ソフトコンバインでは、複数の基地局が、同じデータを、同じ時刻に、同じ無線パラメータを使用して送信を行うことにより、移動機の受信機が各基地局から到来する電波をそれぞれ受信し、合成を行うことで、干渉源となっていた他基地局からの電波を、利得に変え、受信環境を改善する。ソフトコンバインを実現するには、複数の基地局で同じ時刻情報に同期して全く同じデータを送信する必要がある。cdma2000 1xEV−DO無線インタフェースを例に挙げると、下り方向の無線インタフェースは、1.67ms秒のタイムスロットの集合により構成されているが、この1.67msのタイムスロット単位で、送信するデータが基地局間でずれることなく同じ時刻情報に同期して送信される必要がある。移動機が、基地局間のタイミング誤差や伝播遅延による電波到来時間差を吸収する機能を持っている場合には、基地局間で送信タイミングの誤差があったとしてもソフトコンバインが可能となるが、この場合においても、基地局間で一定量のタイミング誤差が発生しないようデータ送信同期を行う必要がある。
【0004】
この同じ時刻情報に同期したタイミングを保証する技術として、3GPP2標準A.S0015−C v1.0(非特許文献2)で開示されているA3インタフェースを適用したアンカー方式が開示されている。このアンカー方式は、cdma2000 1x無線におけるソフトハンドオフと呼ばれるソフトコンバインと同等の技術を実現するものであるが、このアンカー方式では1台の基地局が複数台の基地局を集約するアンカー基地局となり、このアンカー基地局が全ての基地局の送信タイミングを管理して送信制御を行う。アンカー基地局は各基地局へデータを送信する際に、送信時間を無線送信タイミングの最小単位である20msフレーム単位の送信時間を指定してデータを送信する。従って基地局を集約する集約装置としての役割を持つアンカー基地局は無線送信タイミングを算出するための詳細な無線インタフェース情報を管理しなければならないことを意味する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP2標準C.S0054
【非特許文献2】3GPP2標準A.S0015−C v1.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アンカー方式による方法では、基地局を集約する装置が無線インタフェースの送信タイミングを計算するための詳細情報を管理しなければならず、集約装置が複雑な論理を実装しなければならないという課題がある。計算に必要となる詳細情報の例としては、基地局間の伝送遅延、適用している無線フレーム長、送信レート、制御チャネル用に確保されている時間タイミングなどが挙げられる。また、基地局を集約するために、基地局一台当りに要求される処理能力等が求められ、結局は接続可能な基地局数の限界が障壁となってソフトコンバインが可能となるエリアが制限されてしまうため、スケーラビリティがなくなってしまう。
本発明は、基地局を集約する集約装置においては無線特有の情報が無くとも同期配信を可能とし、同期情報として周期番号と周期内の送信バイト位置を送信することにより、同期がはずれた場合や伝送途中でパケット欠落が発生した場合においても、再同期を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、基地局を集約する装置としてアンカー基地局を設置するのではなく、上位に集約装置を設置し、その集約装置から各基地局へデータを送信する際に、送信データにタイミング情報を付与することによって、ソフトコンバインを実現するために必要な基地局間でのタイミングを合わせることが可能となる。
このとき、送信データに含めるタイミング情報は、無線特有パラメータを使用せずに、集約装置の管理する時刻を基に算出したシーケンス番号を含めることとし、それを受信した各基地局はシーケンス番号を基に、各基地局内で保持する無線特有パラメータから実際の送信時間を算出してデータの送信時間を決定することができる。また、シーケンス番号は、再同期を可能とするため、一定送信周期を定義し、何周期目に送信すべきデータなのかを示す周期番号と、その周期内で何バイト目のデータを送信するかを示すシーケンス番号から構成することによって、一度同期がはずれた場合や、集約装置からある基地局宛のみのデータが伝送途中で欠落した場合においても再同期が可能である。
【0008】
更に本発明は、集約装置に絶対送信時刻を意識させることなく基地局の同期を可能とすることができる。
本発明の解決手段によると、
コンテンツサーバと複数の基地局とひとつ又は複数の無線端末とを少なくとも有する無線通信システムにおいて、前記コンテンツサーバから配信されるデータを、前記複数の基地局のうちの2以上の基地局から前記無線端末へ同期配信する方法であって、
前記無線通信システムに、前記複数の基地局を集約する集約装置を備え、
前記集約装置は、前記無線端末へデータを配信する前記2以上の基地局に対して送信するデータに、タイミング情報を含めて送信し、
前記無線端末へデータを配信する前記2以上の基地局は、前記集約装置から受信したデータに含まれるタイミング情報に基いて前記無線端末へデータを同期配信することを特徴とする同期配信方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、基地局を集約する集約装置においては無線特有の情報が無くとも同期配信が可能となり、同期情報として周期番号と周期内の送信バイト位置を送信することにより、同期がはずれた場合や伝送途中でパケット欠落が発生した場合においても、再同期が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)は、1xEV−DOネットワーク上で基地局間同期配信を行う処理の流れを示す図。(B)は、パケットの同期概要図。
【図2】BSN(BCMCS Serving Node) 104のハードウェアを示す図。
【図3】AN(Access Network) 102及びAN103のハードウェア。
【図4】ソフトコンバインまでの手順(最初のAN接続)を示すシーケンス図。
【図5】ANがBSNへ通知する1周期で送信可能なバイト数を計算する方法を示した説明図。
【図6】BSNからANへ送信するパケット構成を示す図。
【図7】図6で示した周期番号612、周期内のシーケンス番号614を使用したときの各フィールドの使用例を示す図。
【図8】BSN104がコンテンツサーバ105から受信したパケットを送信しAN102、AN103が無線へパケットを送信するまでのタイムチャートを示した図。
【図9】BSN104における周期番号とシーケンス番号の決定方法を示したフローチャート。
【図10】ANにおける送信時刻決定方法を示す図。
【図11】時刻同期していない場合について示す図。
【図12】ソフトコンバインまでの手順(2台目以降のAN接続)を示すシーケンス図。
【図13】送信可能なバイト数についての説明図。
【図14】周期番号、シーケンス番号の使用例の図。
【図15】周期番号と周期内シーケンス番号の付与例(1)の図。
【図16】周期番号と周期内シーケンス番号の付与例(2)の図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、1xEV−DOネットワークにおいて本発明による基地局間同期配信方法を適用した場合の実施形態の一例を示す。本発明は、1xEV−DO以外にも、適宜の通信方式に適用することができる。
1.システム
図1(A)は、1xEV−DOネットワーク上で基地局間同期配信を行う処理の流れを示す図である。
コンテンツサーバ105は、BCMCSデータを配信するためのサーバであり、配信データ及び配信スケジュールの管理等を行っている。コンテンツサーバ105は、配信データを集約装置であるBSN(BCMCS Serving Node) 104へ、BCMCSデータを送信する。BSN104は、コンテンツサーバ105から受信したデータを、AN(Access Network)102及びAN103へデータをコピーして送信する。BSN104は、AN102とAN103でデータの同時配信を可能とするため、送信パケットに、例えば送信周期番号と周期内シーケンス番号を含む時刻情報を付与して送信する。AN102とAN103は、時刻情報が付与されたデータを受信すると、その時刻情報から無線でデータを送信する時刻を算出し、その時間になると無線上へデータを送信する。複数の移動機群であるAT101は、AN102とAN103から、それぞれ同時刻に送信されたデータを同時に受信し、信号の合成を行うことで、1つのANからデータが送信された場合に比べ受信品質の良い受信を行うことが可能となる。
AN102及びAN103は、同時刻でデータの送信を行うため時刻同期を行う必要があり、1xEV−DOシステムでは、GPS(Global Positioning System) 106から配信される時刻情報に同期することで、AN102とAN103との間で時刻同期を行うことが可能となっている。また、BSN104とAN102、AN103間で時刻同期を行うため、GPS106からの時刻情報に同期をしているタイムサーバ107からNTP(Network Time Protocol)などを利用し、時刻同期情報の配信を受けることで時刻同期をすることが可能である。BSN104がGPS受信機を備えることによってタイムサーバ107を介さずとも時刻同期を行うことも可能であるし、AN102またはAN103にタイムサーバ機能を備え、それに同期を行うことも可能である。
OMC(Operation and Maintenance Center)114では、AN102及びAN103等に対して、放送データ配信開始・終了の制御を行い、データ配信準備や配信終了処理のためのパス確立手順やパス解放手順を開始する機能を持つ。
なお、ANとBSN間における時刻同期が行われている場合、時刻同期が行われていない場合の両方について、本発明は適用可能である。図1では、ANが2台あるものとして記載しているものであるが、それ以上の複数台のANが存在している場合においても適用可能である。以降の実施の形態については、2台のANが適用されている網を適用例の一例として示す。
また、図1(B)は、パケットの同期概要図を示している。
コンテンツサーバ105からパケット108をBSN104に送信し、BSN104ではパケット109として受信する。BSN104は、受信パケット109をAN102とAN103宛てにそれぞれパケット110とパケット111として送信を行う。これらパケット110とパケット111には時刻情報として、例えば、周期番号情報が含まれており、ここでは周期番号0番が設定されていたとする。従って、AN102とAN103は周期番号0のパケットを送信するタイミングまでパケットを保持しており、送信タイミングとなると、パケット112およびパケット113に示すように同時タイミングにて送信を行う。
図2は、BSN(BCMCS Serving Node) 104のハードウェアを示している。
BSN104は、ANやコンテンツサーバ等、他の装置との通信を行うためのネットワークI/F 201を備えている。コンテンツサーバ105から配信されてくるデータは、ネットワークI/F201、通信バス206を経由してメモリ203へ書き込まれる。書き込まれた受信データ情報は、CPU202によって読み出され、クロック204が提供する時刻情報を基に生成されたシーケンス番号をデータに付与し、パケット化する。そのパケットは再び通信バス206、ネットワークI/F 201を経由してANへ送信される。BSNとAN間で時刻同期を行う場合においては、クロック204で管理する時刻情報は、予め定められた設定に従い、GPS受信機205から取得できる時刻情報に同期したり、タイムサーバ107から受信する時刻情報に受信したりする。
図3は、AN(Access Network) 102及びAN103のハードウェアを示している。
ANはBSNとの通信を行うためネットワークI/F 301を備えている。BSN104から受信するデータは、ネットワークI/F 301、通信バス306を経由して、メモリ303へ書き込まれる。書き込まれた受信データ情報は、CPU302によって読み出され、クロック304が提供する時刻情報と、受信したデータに付与されている時刻情報から、無線上で送信する時刻を決定する。
送信時刻になると、通信バス306を介し変復調回路307へ送信され、変復調回路307にて無線で送信するため、データの変調を行い、RF回路308にてアナログ信号へ変換されて無線上でデータが送信される。GPS受信機305は、GPS106から配信される時刻情報を受信し、クロック304へ時刻情報を提供する目的で実装される。
【0012】
2.同期配信手順
図4は、ソフトコンバインまでの手順(最初のAN接続)を示すシーケンス図である。この図は、AN102がBSN104へパスを確立し、データ配信を行うまでの流れを示したものである。本手順は、BSN104へ接続するANが全くない状態において、AN102がBSN104へ接続を行う手順を示すものである。
データの配信を行う前に、ANとBSN間でデータ通信用のパスを確立する必要がある。そのため、OMC113は、AN102に対してパス確立要求指示を行う(401)。このパス確立要求指示には、例えば、無線データレート、RS符号種別、使用スロット数等を含む。AN102はこれを受けてパス確立要求をBSN104へ送信する(402)。このパス確立要求には、一定周期(図では例として5.12秒としている)で送信可能な送信バイト数、周期番号0に対応するBSN時刻、データ送信用のGRE(General Routing Encapsulation)キー情報が一緒に送信される。一定周期で送信可能な送信バイト数は、無線インタフェース規定より導かれるバイト数で、無線方式に特化した値となる。従って、無線特有の情報を保持するANなどの装置でなければ導き出すことはできない。例えば、C.S0054規定に従う1xEV−DO基地局の場合で、伝送速度614.4kbps、TotalBurstLength 192slotの設定で、1インタレース分(192slot)使用し、RS符号として(12, 4, 16)を適用する場合には、1000ビットのデータ送信可能なMAC Packetが192送信可能であるが、そのうち1/4はRS符号のためのパリティビットとして使用される。従って、1.28秒間にデータ送信に使用可能なMACパケット数は、192 x 3/4 = 144パケット、つまり144,000 bit = 18,000バイト送信可能である。但し、16MACパケットに1バイトのヘッダ情報送信に使用されるため、実際には1.28秒に送信可能なデータ量は17,961バイトとなる。従って、5.12秒に送信可能なデータ量は、17,961 x 4 = 71,844バイトとなる。ここで、1インタレースとは、全無線送信時間を4分割したうちの1つ分を指しており、4インタレースで全無線送信時間を指すこととなる。また、TotalBurstLengthとは、BCMCS送信設定周期の長さを1インタレース単位で示しており、192slotに設定すると、全無線送信時間としては、4倍の768slot、つまり1.28秒となる。
【0013】
図13に、送信可能なバイト数についての説明図を示す。この図は、TotalBurstLengthを192slot、RS符号(12,4,16)、フレーミングヘッダ無しとし、1インタレース分(192slot)BCMCSデータ送信に割り当てた場合の5.12秒当りに送信可能なバイト数の一覧である。
周期番号0に対応するBSN時刻は、BSN104がデータをAN102へ送信する際に、送信パケットに付与される周期番号、周期内シーケンス番号を決定する際に用いられる情報である。この情報の用途については別途説明する。
GREキーは、BSN104からAN102へデータを送信する際に、送信パケットに付与されるGREヘッダのキーフィールドに設定される。AN102は、BSN104から受信するデータのキーフィールドを確認することにより、BSN104とAN102間で複数パスを確立している際に、各パスで流れるデータを区別することが可能になる。なお、GREヘッダ部については後述する。
BSN104は、パス確立要求402を受信すると、パス確立処理を行い、パス確立応答403をAN102へ送信する(403)。このパス確立応答403には、データ配信の際に用いられる周期番号と、その周期の先頭時点における対応時刻が含まれている。この時点で、BSN104からAN102へデータを送信するためのパス確立が完了し、データの送信が可能となる。
BSN104は、AN−BSN間におけるデータ送信準備が完了したところで、コンテンツサーバ106へデータの送信を行うことを指示するため、IGMP Joinなどの信号によりデータ配信要求を送信する(404)。
コンテンツサーバ105は、データ配信要求405を受け、データの配信を開始する(405)。コンテンツサーバ105から送信された配信データは、BSN104で受信され、無線で送信する時刻を計算する基となる周期番号と周期内シーケンス番号を付与し、AN102へ配信データを送信する(406)。
【0014】
AN102は受信した配信データについて、受信したパケットに付与されている周期番号と周期内シーケンス番号を基に無線で送信する時間(時刻情報)を計算し、算出された時間となった時点で(時刻情報に同期して)データの送信を行う(407)。全てのANでGPS106による時刻同期を行っており、BSN104から受信する周期番号と周期内シーケンス番号から無線送信時間を算出するアルゴリズムが同一であり、各ANが同じGPS時刻に対し同期を行っていることから、無線での送信時間を同じ時刻情報に同期する(一致させる)ことが可能となる。
図12は、ソフトコンバインまでの手順(2台目以降のAN接続)を示すシーケンス図である。この図は、AN102が既にBSN104へ接続している状態において、別のAN103がBSN104へパスを確立し、データ配信を行うまでの流れを示したものである。
既にAN102はパスを確立している状態であるため、コンテンツサーバ105から送信されている配信データは、BSN104、AN102を経由してAT101へ送信されている(1201)。
OMC113は、AN103へパス確立を要求するために、パス確立要求指示を送信する(1202)。AN103はこれを受けてパス確立要求をBSN104へ送信する(1203)。このパス確立要求には、一定周期(図では例として5.12秒としている)で送信可能なバイト数、周期番号0に対応するBSN時刻、データ送信用のGREキー情報が一緒に送信される。
BSN104は、パス確立要求1203を受信すると、パス確立処理を行い、パス確立応答1204をAN103へ送信する(1204)。このパス確立応答1204には、データ配信の際に用いられる周期番号と、その周期の先頭時点における対応時刻が含まれている。ここで送信される周期番号としては、手順1201でAN102へ送信中の配信データに付与されている周期番号nと、その周期番号n時点に対応するBSN対応時刻を使用する。BSN104は、既にAN102用にコンテンツサーバから配信データの受信を行っている(1205)。BSN104は、パス確立応答1204で送信した周期番号nとBSN時刻を基に、使用する周期番号と周期内シーケンス番号を決定し、それらをデータ送信パケットに付与してAN102とAN103へ送信する(1206)。
【0015】
AN102及びAN103は受信した配信データについて、受信したパケットに付与されている周期番号と周期内シーケンス番号を基に無線で送信する時間を算出し、算出された時間となった時点でデータの送信を行う(1207)。AN102とAN103はGPS106による時刻同期を行っており、BSN104から受信する周期番号と周期内シーケンス番号から無線送信時間を算出するアルゴリズムが同一であり、AN102とAN103が同じGPS時刻に対し同期を行っていることから、無線での送信時間を一致させることが可能となる。
図8は、BSN104がコンテンツサーバ105から受信したパケットを送信しAN102、AN103が無線へパケットを送信するまでのタイムチャートを示したものである。
ここでは前提として、AN102及びAN103とBSN104との間にパスが確立され、同期番号0に対応する送信時刻tが到来する前に、配信データがコンテンツサーバ105からBSN104に配信される場合に説明する。よって、AN102及びAN103からAT101へは、同期番号0、シーケンス番号0からパケットが配信される。
コンテンツサーバ105から送信された100バイト長のパケット801は、BSN104でパケット802として受信され、周期番号(P)0、シーケンス番号(S)0に設定されたパケット803、パケット804をそれぞれAN102、AN103へ送信する。BSN104は、コンテンツサーバ105から送信された50バイト長のパケット805を受信すると(パケット806)、手順401及び手順1203で受信した1周期で送信可能なバイト数と比較し、周期番号(P)を決定する。この例では、同じ周期で送信可能と判断し、周期番号(P)0とシーケンス番号(S)100に設定されたパケット807、パケット808をそれぞれAN102、AN103へ送信する。次にコンテンツサーバ105から送信される200バイト長のパケット809については、BSN104はパケット810として受信し、BSN104が1周期で送信可能なバイト数をパケット802とパケット806の送信で超えてしまったと判断し、次の周期番号(P)1とリセットされたシーケンス番号(S)0に設定されたパケット811、パケット812をそれぞれAN102、AN103へ送信する。
【0016】
AN102はパケット803とパケット807を周期番号0用のバッファに、パケット811は周期番号1用のバッファに保存する。同様にAN103はパケット804、パケット808を周期番号1用のバッファに、パケット812は周期番号1用のバッファに保存する。この時点で、AN102とAN103は同じバッファ内容を持つこととなる。
AN102とAN103は、手順403、手順1204等で予め受信した周期番号0に対応する送信時刻を基に送信時刻t0を決定し、周期番号0用のバッファから無線上のデータ送信を開始する。従って、AN102から送信されるパケット813とAN103から送信されるパケット814は同時刻から同じデータの送信を行うため、AT101では同じ時間にAN102とAN103から送信されたパケット813とパケット814を受信することとなり、ソフトコンバインが可能となる。同様に、AN102とAN103は同時刻に同じデータを送信するパケット815、パケット816を送信し、AN102とAN103の周期番号0での送信用バッファは共に空となり、周期番号0での期間の送信は終了する。
次に、周期番号1の時間t1となると、AN102、AN103は、周期番号1用のバッファからそれぞれパケット817、パケット818を送信する。
【0017】
3.送信可能バイト数
図5は、ANがBSNへ通知する1周期で送信可能なバイト数を計算する方法を示した説明図である。3GPP2標準C.S0054−0 v1.0で規定されている配信方式では、ECB (Error Control Block) 501という単位での送信が規定されている。
ECB501は、複数の1000ビット長パケットから構成されており、データ部502とパリティ部503とを含む。データ部では、BSN104から受信するデータが格納される部分であり、パリティ部503はデータを無線で送信される過程で発生したパケットエラーを訂正するための誤り訂正符号が格納される。
ECB501の横幅は1000ビットとしているが、1000ビットのパケット複数個で構成することが可能である。ECB501の最初の1000ビットは、ECB501の先頭バイトを表すブロックヘッダ504、暗号化情報を転送するためのSecurity Layer Packet 505、データ部の開始を示すフレーミングヘッダ506、正味データが格納される正味データ部507を含む。ここで、フレーミングヘッダ506はオプションであり、BSNでRFC1662によるHDLC like framingを行っている場合には含める必要はないが、HDLC like framingを行わない場合には必要となるものである。また、その他のデータ部502の1000ビット長パケットは、フレーミングヘッダ508と正味データ部509を含む。
1周期で送信可能なバイト数は、ECBに含まれる正味データ部が1周期内に何バイト含まれるか計算することで求める。図5の例では、1周期に含まれるECBがECB510、ECB511、・・・、ECB512である場合を示しており、各ECBに含まれる斜線部で示される正味データ部の総和を求めることで1周期に送信可能なバイト数を求めることができる。
【0018】
4.パケット構成
図6は、BSNからANへ送信するパケット構成を示している。
BSNから送信されるデータはRFC2784及びRFC2890に規定されているGRE (General Routing Encapsulation)によりカプセリングされる。本実施の形態ではBSNから送信するデータに時刻情報を付与するために、図に示すようにGREヘッダ使用方法に変更を加える。BSNからANへ送信されるパケットは、IPヘッダ部601、GREヘッダ部602、データ部603を含み、また、図の下部にGREヘッダ部602の詳細を示している。1オクテット目には、GREヘッダ内にチェックサムフィールドを含めるか否かを示すCビット604、予約フィールドであるRビット605、GREヘッダ内にキーフィールドを含めるか否かを示すKフィールド606、GREヘッダ内にシーケンス番号を含めるか否かを示すSフィールド607と予約フィールド608がある。
この図における適用例では、チェックサムフィールドは使用しないためCビット604を0に、予約ビット605は0に、キーフィールドは使用するためKビット606は1に、シーケンス番号を使用するためSビット607を1に、残りの予約フィールド608は全て0に設定する。2オクテット目には予約フィールド608の続きと、GREバージョンフィールド609がある。予約フィールド608は全て0に設定、GREバージョン609についても0に設定する。3オクテット目と4オクテット目はパケットのデータ部603に含まれるパケットのプロトコルを示すプロトコルタイプフィールド610が含まれ、Unstructured Byte Streamを示す8881Hに設定される。5オクテット目から8オクテット目にはGREキーを示すキーフィールド611が含まれる。このキーフィールド611は、ANから送信されるパス確立要求(401や403)で指定された値を設定する。9オクテット目から12オクテット目まではGREシーケンス番号として使用されるが、本実施の形態では、このシーケンス番号フィールドを周期番号612、周期内のシーケンス番号613の2つのフィールドに分割して使用する。周期番号612は、送信周期が変わる度に1つずつインクリメントされる番号である。周期内のシーケンス番号613は、GREパケットのデータ部603に含まれる先頭バイトが、周期番号612で示される周期内で何バイト目のデータであるかを示す。
【0019】
図7は、図6で示した周期番号612、周期内のシーケンス番号614を使用したときの各フィールドの使用例を示す図である。
パケット701は、最初の周期で送信される最初のパケットであるため、周期番号は0、シーケンス番号は0に設定される。次のパケット702は、パケット701と同じ周期内で送信されるため、周期番号は同じ0に設定される。シーケンス番号は、パケット702のデータ部の先頭バイトが周期内で151バイト目であることから、150に設定される。次のパケット703は、同様に、同期番号0、シーケンス番号200に設定される。次のパケット704は、次の周期内に送信されるパケットであるため、周期番号は1に設定される。以降のパケット705、706も同様の規則に従って周期番号、シーケンス番号が設定される。
周期番号を適用することによって、AN−BSN間におけるシーケンス番号の同期がはずれた場合においても同期の復旧が可能である。周期内のシーケンス番号をバイト単位で割り当てる方法を使うことによって、途中のパケットが伝送途中で欠落したとしても、その欠落分を無線で送信しない処理を行うことにより、他のANが送信するデータとの同期がはずれない利点がある。
また、周期内の最後のパケットか否かを示すT(terminate)フラグをGREヘッダ部に設けてもよい。この場合、送信元では、周期内における最後のパケットかどうかをTフラグによって設定し、送信元では、Tフラグを検知することによって、その周期内でBCMCS用に確保された無線リソースをユニキャストデータ送信用など他の用途に利用でき、周波数利用効率を高めるなどの効果がある。
【0020】
図14は、周期番号、シーケンス番号の使用例の図である。この図は、BSN104から送信されるパケットが周期をまたがる場合について例を示したものである。この例では、1周期で送信可能なバイト数が400バイトであるとする。
パケット1401は、最初の周期で送信される最初のパケットであるため、周期番号は0、シーケンス番号は0に設定される。次のパケット1402は、パケット1401と同じ周期内で送信されるため、周期番号は同じ0に設定される。シーケンス番号は、パケット1402のデータ部の先頭バイトが周期内で151バイト目であることから、150に設定される。
次のパケット1403は、300バイト長であることから、1周期に送信可能なバイト数を超えてしまうが、BSN104は周期番号は0、シーケンス番号は200として、パケットの先頭から200バイト分を周期番号0に属するデータとして送信処理を行い、残りの100バイト分のデータは周期番号1に属するデータとして送信処理を行う。BSN104が次のパケット1404を送信する際には、既に前のパケット1403を送信した時点で周期番号1に属する100バイト分のデータを送信済みであると判断し、周期番号1、シーケンス番号100として送信を行う。以上と同様にパケット1405、1406とデータを送信していく。
ここで、周期をまたがるパケットをそのまま送信する方法を示したが、BSN104において、HDLC like framingを行った後にペイロードを分割したり、IPフラグメンテーションを用いてペイロードを分割したりするなどのフラグメンテーション処理を行うことにより、周期内に納めることでデータの送信を行うことも可能である。
【0021】
5.周期番号とシーケンス番号の決定方法
図9は、BSN104における周期番号とシーケンス番号の決定方法を示したフローチャートである。
BSN104におけるパラメータの初期設定として、送信中の周期番号Pを0、送信中のシーケンス番号Sを0、1周期に送信可能なデータ量をdとする(901)。長さLバイトのパケットを受信すると(902)、BSN104にて管理されている時刻tと、周期番号とシーケンス番号から導かれる無線送信時刻とを比較する。たとえば、時刻tと、周期番号0に当たる時間と1周期の時間に周期番号Pをかけたものに伝送遅延や時刻ずれなどを勘案したマージンαを足したものとを比較する。この比較演算により、周期番号とシーケンス番号から導かれる無線送信時刻よりもBSN104の時刻tが早い時間であることが確認できる。比較の結果、無線で送信する時刻に間に合わない場合、つまり時刻tが、P=0の時間+1周期の時間×P+α より大きい場合には、周期番号Pに1を足し、周期Pで送信済みのデータ量Tpを0に設定し(904)、再度比較を行う。
手順903の比較の結果、無線送信時刻に間に合う時刻tである場合には、周期pで送信済みのデータ量Tpに受信パケット長であるLを足す(905)。足した結果のTpが、1周期に送信可能なデータ量dを超えていない場合には、周期P及びシーケンス番号Sを使用してANへデータを送信し(907)、シーケンス番号Sにパケット長Lを足す(908)。もし足した結果のTpが、1周期に送信可能なデータ量dを超えている場合には、受信パケットの先頭から L−(Tp−d)バイト部を周期P、シーケンス番号Sを使用してANへ送信し、残り部分であるTp−dバイト部を次の周期番号P+1、シーケンス番号S=0を使用してANへ送信する(909)。周期番号Pに1を加え、シーケンス番号Sはその周期で送信したバイト数Tp−dに設定、周期pで送信済みのデータ量TpをTp−dに設定する(910)。以上に示した処理を手順902へ戻り繰り返すこととなる。この方法を適用することにより、BSN104ではバッファリング処理を行うことなく、周期番号、シーケンス番号としてソフトコンバインを実施するのに適切な値を使用することができる。
【0022】
図15は、周期番号と周期内シーケンス番号の付与例(1)の図である。この図は、周期番号に対応するBSN時刻による周期番号更新の例を示す。
AN102は、パス確立要求を行うことにより、5.12秒に送信可能なバイト数として400バイト、周期番号0に対応するBSN時刻として7:59:50.000を送信する(1501)。AN102は、無線で送信する時刻から逆算し、BSN104で送信を開始しなければならない時間をBSN時刻として算出し、BSN104へ送信する。この例では、AN102から周期番号0に属するデータを8:00:00.000に無線送信開始を行いたいとして、BSN104からAN102への伝送遅延や、各装置での処理遅延、バッファリングする時間などで10秒かかると想定し、10秒引いた7:59:50.000を周期番号0に対応するBSN時刻として選択している。BSN104は、AN102から受信したBSN時刻を用い、周期番号0と周期番号0に対応するBSN時刻7:59:50.000を含むパス確立応答信号をAN102へ送信する(1502)。
周期番号0に対応するBSN時刻7:59:50.000以降に送信された、コンテンツサーバ105から送信された150バイトのデータ1503は、周期番号0に対応する最初のパケットであるため、周期番号P=0、周期内シーケンス番号S=0としてAN102へ送信される。次に送信される50バイトのデータ1504は、前のデータのデータ長から周期番号P=0、周期内シーケンス番号S=150を設定してAN102へ送信される。
ここで、周期番号1に対応するBSN時刻7:59:55.120が経過したため、周期番号0での送信は締め切られ、以降周期番号1以降を使用することとなる。次に送信される100バイトのデータ1505は、周期番号P=1、周期内シーケンス番号S=0を設定してAN102へ送信される。
【0023】
図16は、周期番号と周期内シーケンス番号の付与例(2)の図である。この図は、1周期に送信可能なバイト数が超過することによる周期番号更新の例を示す。
AN102は、パス確立要求を行うことにより、5.12秒に送信可能なバイト数として400バイト、周期番号0に対応するBSN時刻として7:59:50.000を送信する(1601)。BSN104は、AN102から受信したBSN時刻を用い、周期番号0と周期番号0に対応するBSN時刻7:59:50.000を含むパス確立応答信号をAN102へ送信する(1602)。
周期番号0に対応するBSN時刻7:59:50.000以降に送信された、コンテンツサーバ105から送信された150バイトのデータ1603は、周期番号0に対応する最初のパケットであるため、周期番号P=0、周期内シーケンス番号S=0としてAN102へ送信される。次に送信される250バイトのデータ1604は、前のデータのデータ長から周期番号P=0、周期内シーケンス番号S=150を設定してAN102へ送信される。この時点で、1周期に送信可能なバイト数である400バイトの送信が完了したため、以降送信されるデータには次の周期番号であるP=1を使用することとなる。従って、次に送信される100バイト長のデータ1605は、周期番号P=1、周期内シーケンス番号S=0を使用して送信される。また、その次に送信される150バイト長のデータ1606は周期番号P=1、周期内シーケンス番号S=100を使用して送信される。ここで、周期番号1に対応するBSN時刻7:59:55.120が到来したとしても、既に周期番号P=1を使用しているため、周期番号、周期内シーケンス番号は影響されず、次の50バイト長のパケット1607は、続きの番号を使用し、周期番号P=1、周期内シーケンス番号S=250を使用することとなる。
【0024】
6.ANにおける送信時刻決定方法
図10は、ANにおける送信時刻決定方法を示す図である。この図は、ANが、周期番号と周期内シーケンス番号が設定されたパケットを受信した後、無線上でパケットを送信するまでの手順を示したものである。
ANは周期番号0に設定されたパケット1001、パケット1002を受信すると、これらのパケットを周期0用バッファに格納する。同様に周期番号1に設定されたパケット1003、パケット1004を受信すると、これらのパケットを周期1用バッファに格納する。
AN内で保持する時刻情報により、周期0用バッファに対応する送信時間となると、無線上でのパケット送信処理を開始する。この送信時間は、手順402や手順404でBSN104から指示された時間であり、全ANで共通の時間が共有されている。ANは周期0用バッファ1005からパケットを取り出し、ECB1008を構成する。ECB1008の構成が完了すると、その先頭パケットから順に変調され、無線で送信される(パケット1009、パケット1010)。無線によるパケット送信の際には、5.12秒周期の先頭から送信を開始するため、全てのANで同じタイミングで同じパケットが送信されることとなる。以降同様に、周期1用バッファに対応する送信時間となると、周期1用バッファ1006からパケット送信が行われる。
【0025】
7.時刻同期していない場合
図11は、時刻同期していない場合について示す図である。この図は、BSNとANがGPS106やタイムサーバ107などが利用できない場合など、時刻同期を行っていない場合の基地局間同期配信方法の手順を示す。
図4に示したように、AN102とBSN104で時刻同期が行われていない場合においてもパス確立要求(1101)とパス確立応答(1102)の送信を行い、放送データ送信用のパスを確立する必要がある。パス確立が完了するとBSN104はコンテンツサーバ105に対し、データ配信要求を送信する(1103)。
コンテンツサーバは配信データの送信を開始し、配信データをBSN104へ送信する(1104)。この配信データはBSN104においてバッファリングされ続けることとなる。AN102は、データの送信タイミングとなると、シーケンス番号と要求データ量を載せたデータ送信要求をBSN104へ送信する(1105)。これに応答し、BSN104にバッファされたデータがある場合には、指定されたシーケンス番号を付与したデータをAN102へ送信する。このとき、送信されるデータ量は、手順1005で指定された要求データ量を超えないように送信する(1106)。
AN102は配信データを受信すると、シーケンス番号から送信時刻を算出し、その算出された送信時刻にて配信データの送信を行う(1107)。これらの手順が同様の形で繰り返される(1108、1109、1110、1111)。このように送信タイミングを把握しているAN102が使用するシーケンス番号とデータ量を制御し、BSN104へ指示することにより、BSN104とAN102が時刻同期していなくとも、データの同期配信が可能となる。
【符号の説明】
【0026】
101…AT(Access Terminal)
102、103…AN(Access Network)
104…BSN (Broadcast Serving Node)
105…コンテンツサーバ
106…GPS (Global Positioning System)
107…タイムサーバ
114…OMC (Operation and Maintenance Center)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツサーバと複数の基地局とひとつ又は複数の無線端末とを少なくとも有する無線通信システムにおいて、前記コンテンツサーバから配信されるデータを、前記複数の基地局のうちの2以上の基地局から前記無線端末へ同期配信する方法であって、
前記無線通信システムに、前記複数の基地局を集約する集約装置を備え、
前記集約装置は、前記無線端末へデータを配信する前記2以上の基地局に対して送信するデータに、タイミング情報を含めて送信し、
前記無線端末へデータを配信する前記2以上の基地局は、前記集約装置から受信したデータに含まれるタイミング情報に基いて前記無線端末へデータを同期配信することを特徴とする同期配信方法。
【請求項2】
前記タイミング情報は、前記集約装置が管理する時刻情報を基に算出した周期番号およびシーケンス番号であることを特徴とする請求項1に記載の同期配信方法。
【請求項3】
前記複数の基地局は、それぞれの前記基地局に特有の無線パラメータを保持しており、前記無線端末へデータを配信する前記2以上の基地局は、各々、前記周期番号およびシーケンス番号およびそれぞれの前記基地局が保持している無線パラメータから前記無線端末にデータを送信する時刻情報を算出し、算出された時刻情報に、前記無線端末にデータを配信することを特徴とする請求項2に記載の同期配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−252348(P2010−252348A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114274(P2010−114274)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【分割の表示】特願2005−200337(P2005−200337)の分割
【原出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】