説明

呼吸器疾患の治療においてβ模倣薬として使用するためのヘテロアリール化合物

本発明は、下記式(1):
【化1】


(式中、n、m、B、X及びR1は、特許請求の範囲及び明細書の定義どおり)の化合物に関する。本発明はまた、前記化合物の製造方法及びその薬物、特に呼吸器疾患治療用薬物としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
β模倣薬(betamimetic)(β-アドレナリン作動性物質)は、先行技術から公知である。例えば、この点に関し、種々多様の疾患の治療用β模倣薬を提案している米国特許第4,460,581号及び第4,154,829号の開示を参照する。
疾患の薬物治療では、多くの場合、より長い持続時間の活性がある薬物を調製することが望ましい。原則として、長い持続時間の活性が、頻繁な間隔で薬物を再投与する必要ななしに、体内における治療効果を果たすために必要な該活性物質の濃度を長時間保証することを確実にする。さらに、活性物質を長い時間間隔で与えることは、患者の幸福に高度に貢献する。
1日1回(単一用量)の投与で治療的に使用できる医薬組成物を調製することが特に望ましい。1日1回の薬物の使用は、患者が比較的速くその日の特定時間に薬物を規則的に服用することを習慣づけるようにできるという利点を有する。
従って、本発明の目的は、一方で呼吸器疾患の治療で治療利益を与え、かつ、より長い持続時間の活性によっても特徴づけられ、ひいては長い持続時間の活性を有する医薬組成物を調製するために使用可能なβ模倣薬を調製することである。本発明の特定の目的は、その長く続く効果のため、1日1回の投与用薬物の調製に使用できるβ模倣薬を調製することである。これら目的に加え、本発明のさらなる目的は、格別に効力があるのみならず、β2-アドレノ-受容体に対する高度の選択性によっても特徴づけられるβ模倣薬を提供することである。
【0002】
〔発明の説明〕
驚くべきことに、上記課題が、下記式1の化合物によって解決されることが分かった。従って、本発明は、下記一式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、
nは、1、2、3又は4を表し;
mは、1、2、3又は4を表し;
Xは、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aは、CO、SO、SO2の中から選択される二重結合基を表し;
Bは、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1は、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキル、O-C1-6-ハロアルキル、ハロゲン、OH、CN、NO2、O-C1-6-アルキル、COOH又はCOO-C1-4-アルキルを表し;
R2は、H、C1-6-アルキル、C1-4-アルキレン-C6-C10-アリール又はC1-4-アルキレン-C3-6-シクロアルキル、好ましくはH又はC1-6-アルキルを表し;
R3は、H又はC1-6-アルキルを表し;
R4は、H又はC1-6-アルキルを表し;
R5は、H又はC1-6-アルキルを表す。)
【0005】
基R1が繰り返し現れる場合(=m>1)、これら基は、R1の定義から選択される同一又は異なる意味であってよい。
上記式1の好ましい化合物は、式中、AがCOを表す化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0006】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、1、2又は3、好ましくは2又は3を表し;
mが、1、2、3又は4、好ましくは1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキル、O-C1-6-ハロアルキル、ハロゲン、OH、CN、NO2、O-C1-6-アルキル、COOH、COO-C1-4-アルキル、好ましくはH、C1-6-アルキル、C1-6-ハロアルキル、C3-6-シクロアルキル、ハロゲン、OH、CN、NO2、O-C1-6-アルキル、COOH又はCOO-C1-4-アルキルを表し;
R2が、H、C1-4-アルキル、C1-2-アルキレン-C3-6-シクロアルキル、フェニルエチル又はベンジル、好ましくはH、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル-メチル、特に好ましくはH、メチル又はシクロプロピルメチルを表し;
R3が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表し;
R4が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表し;
R5が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0007】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、1、2又は3、好ましくは2又は3を表し;
mが、1、2、3又は4、好ましくは1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、C1-4-アルキル、C1-4-ハロアルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ハロゲン、OH、O-C1-4-アルキル、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル-メチル、特に好ましくはH、メチル又はシクロプロピルメチルを表し;
R3が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表し;
R4が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表し;
R5が、H又はC1-4-アルキル、好ましくはH又はメチルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0008】
上記式1の好ましい化合物は、
nが、2又は3を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F、CH2CF3、フッ素、塩素、臭素、OH、メトキシ、エトキシ、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピルメチル、好ましくはH又はメチルを表し;
R3が、H、メチル、エチル又はプロピル、好ましくはHを表し;
R4が、H、メチル、エチル又はプロピル、好ましくはHを表し;
R5が、H、メチル、エチル又はプロピル、好ましくはHを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0009】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F、CH2CF3、フッ素、塩素、臭素、OH、メトキシ、エトキシ、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表し;
R3が、H又はメチル、好ましくはHを表し;
R4が、H又はメチル、好ましくはHを表し;
R5が、H又はメチル、好ましくはHを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0010】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F、CH2CF3、フッ素、塩素、臭素、OH、メトキシ、エトキシ、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0011】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1又は2を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F又はCH2CF3を表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0012】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表し;
R2が、H又はメチルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0013】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
Xが、NR2又はOを表し;ここで、R2は、上記意味を有し、好ましくはH又はC1-4-アルキル、特に好ましくはH、メチル、エチル又はプロピル、特に好ましくはH又はメチルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0014】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1を表し;
Xが、NR2又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O又はCH=CHの中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表し;
R2が、H又はメチルを表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0015】
上記式1の好ましい化合物は、式中、
nが、2を表し;
mが、1を表し;
Xが、NHを表し;
Aが、COを表し;
Bが、二重結合基CH2-Oを表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表す、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0016】
また、上記式1の特に好ましい化合物は、式中、
Xが、NR2を表し;
R2が、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル又はシクロヘキシルエチル、好ましくはシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル又はシクロヘキシルメチル、特に好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
かつ、式中、基n、m、A、B及びR1が、上記意味を有しうる、化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)である。
【0017】
また、式中、XがCH2を表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
また、式中、XがCOを表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
また、式中、XがOを表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
また、式中、XがSを表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
また、式中、XがNR2を表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
また、式中、XがNHを表し、かつ基n、m、A、B及びR1が上記意味を有しうる化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)も好ましい。
【0018】
式中、AがCOを表し、かつBがCH2-Oを表す、式1の化合物は、下記一般式1.1で特徴づけられる。
【0019】
【化2】

【0020】
好ましい局面では、本発明は、n、m、X及びR1が上記意味を有しうる上式1.1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
式中、AがCOを表し、かつBがCH=CHを表す式1の化合物は、下記一般式1.2で特徴づけられる。
【0021】
【化3】

【0022】
好ましい局面では、本発明は、n、m、X及びR1が上記意味を有しうる上式1.2の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
式中、AがCOを表し、かつBがCH2-CH2を表す式1の化合物は、下記一般式1.3で特徴づけられる。
【0023】
【化4】

【0024】
好ましい局面では、本発明は、n、m、X及びR1が上記意味を有しうる上式1.3の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
式中、AがCOを表し、かつBがOを表す式1の化合物は下記一般式1.4で特徴づけられる。
【0025】
【化5】

【0026】
好ましい局面では、本発明は、n、m、X及びR1が上記意味を有しうる上式1.4の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
式中、AがCOを表し、BがCR3R4-Oを表し、かつR3又はR4がメチルを表す式1の化合物は、下記一般式1.5で特徴づけられる。
【0027】
【化6】

【0028】
好ましい局面では、本発明は、n、m、X及びR1が上記意味を有しうる上式1.5の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
また、下記式の中から選択される式1の化合物が特に好ましい。
【0029】
【化7】

【0030】
(式中、1aでは、n=2又は3であり、1b、1c、1d及び1eでは、n=2であり、かつ該化合物は、任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい。)
【0031】
別の局面では、本発明は、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態の、上述した式1の新規化合物に関する。特に好ましくは、鏡像異性的に純粋な化合物の形態の式1の化合物であり、本発明の式1の化合物のR-エナンチオマーが格別重要である。式1の化合物のR-エナンチオマーは、下記一般式R-1で表される。
【0032】
【化8】

【0033】
(式中、基n、m、A、B、X及びR1は、上記意味を有しうる。)また、これらの特に好ましい化合物は、下記式の中から選択される式R-1の化合物である。
【0034】
【化9】

【0035】
(ここで、R-1a及びR-1cでは、n=2又は3、R-1b、R-1d及びR-1eでは、n=2であり、かつ該化合物は、任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい。)
【0036】
ラセミ化合物をそれぞれのエナンチオマーに分離する方法は技術上周知であり、該方法を用いて同様に式1の化合物の鏡像異性的に純粋なR-又はS-エナンチオマーを調製することができる。
別の局面では、本発明は、医薬組成物としての上記式1の新規化合物に関する。本発明は、さらに、呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための上記式1の化合物の使用に関する。
本発明は、好ましくは、様々な原因の閉塞性肺疾患、様々な原因の肺気腫、拘束性肺疾患、間質性肺疾患、嚢胞性線維症、様々な原因の気管支炎、気管支拡張症、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)及びすべての型の肺浮腫を含む群から選択される呼吸器疾患の治療用医薬組成物を調製するための上記式1の化合物の使用に関する。
好ましくは、式1の化合物を用いて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、小児喘息、重症喘息、急性喘息発作及び慢性気管支炎の中から選択される閉塞性肺疾患の治療用医薬組成物を調製する。特に好ましくは、気管支喘息の治療用医薬組成物を調製するため、本発明に従って、式1の化合物を使用する。
【0037】
好ましくは、式1の化合物を用いて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)又はα1-プロテイナーゼインヒビター欠乏にその原因がある肺気腫の治療用医薬組成物を調製する。
式1の化合物を用いて、アレルギー性肺胞炎、仕事関連の有毒物質によって誘発される拘束性肺疾患(例えば、アスベスト症又は珪肺)、及び肺腫瘍によって引き起こされる制限(例えば、癌性リンパ管症(lymphangiosis carcinomatosa)、気管支肺胞癌種及びリンパ腫)の中から選択される拘束性肺疾患の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、感染(例えばウイルス、細菌、真菌、原虫、蠕虫又は他の病原による感染)によって引き起こされる肺炎、様々な因子(例えば異物の吸引及び左心臓不全)によって引き起こされる間質性肺炎、放射線誘発性の間質性肺炎又は線維症、膠原病(例えば紅斑性狼瘡、全身性強皮症又はサルコイドーシス)、肉芽腫症(例えば、ベック病、特発性間質性肺炎又は特発性肺線維症(IPF))の中から選択される間質性肺疾患の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、嚢胞性線維症又は粘液粘稠症の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、気管支炎、例えば、細菌又はウイルス感染によって引き起こされる気管支炎、アレルギー性気管支炎及び中毒性気管支炎の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、気管支拡張症の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
式1の化合物を用いて、肺浮腫、例えば、毒性物質及び外来物質の吸引又は吸入後の中毒性肺浮腫の治療用医薬組成物を調製することも好ましい。
特に好ましくは、本発明は、喘息又はCOPDの治療用医薬組成物を調製するための、式1の化合物の使用に関する。炎症性及び閉塞性の呼吸器疾患の1日1回処置用、特に喘息又はCOPDの1日1回処置用の医薬組成物を調製するための、式1の化合物の上記使用も特に重要である。
【0038】
本発明は、上記疾患の治療方法であって、1種以上の上記一般式1の化合物を治療的に有効な量で投与することを特徴とする方法にも関する。本発明は、さらに、喘息又はCOPDの治療方法であって、1種以上の上記一般式1の化合物を1日1回治療的に有効な量で投与することを特徴とする方法にも関する。
別の局面では、本発明は、薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態の上記式1の化合物(任意に、その溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)に関する。
薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩とは、例えば、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨーダイド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタートレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ-p-トルエンスルホネート、好ましくはヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートを含む群から選択される塩を意味する。
用語“C1-6-アルキル”(他の基の一部であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基を意味し、用語“C1-4 -アルキル”は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。これらの例として、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、neo-ペンチル又はヘキシルが挙げられる。上記基について、任意に、略号Me、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Buなどを使用することもできる。特に断らない限り、定義プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルは、問題の基の可能なすべての異性形を包含する。従って、例えば、プロピルは、n-プロピルとiso-プロピルを含み、ブチルは、iso-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等を包含する。
【0039】
本発明の範囲内のアルキレン基は、架橋しているアルキル基、すなわち2個の他の基に結合しているアルキル基である。
用語“C2-6-アルケニル”(他の基の一部であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルケニル基を表し、用語“C2-4-アルケニル”は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルケニル基を表し、これらは少なくとも1個の二重結合を有することを条件とする。2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。例として、エテニル若しくはビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、又はヘキセニルが挙げられる。特に断らない限り、定義プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルは、問題の基の可能なすべての異性形を包含する。従って、例えば、 プロペニルは、1-プロペニルと2-プロペニルを含み、ブテニルは、1-、2-及び3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル等を包含する。
用語“C2-6-アルキニル”(他の基の一部であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキニル基を表し、用語“C2-4-アルキニル”は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキニル基を表し、これらは少なくとも1個の三重結合を有することを条件とする。2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。例として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル又はヘキシニルが挙げられる。特に断らない限り、定義プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルは、問題の基の可能なすべての異性形を包含する。従って、例えば、プロピニルは、1-プロピニルと2-プロピニルを含み、ブチニルは、1-、2-及び3-ブチニル、1-メチル-1-プロピニル、1-メチル-2-プロピニル等を包含する。
【0040】
用語“C3-6-シクロアルキル”(他の基の一部であるものを含む)は、3〜6個の炭素原子を有する環式アルキル基を表す。例として、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルが挙げられる。特に断らない限り、該環式アルキル基は、メチル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の中から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。アルキレンシクロアルキル基は、アルキレンブリッジで連結されているシクロアルキルである。これらには、特にシクロプロピルメチルが挙げられる。
用語“C1-6-ハロアルキル”(他の基の一部であるものを含む)は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基を表す。用語“C1-4-アルキル”は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。好ましいハロゲン原子は、フッ素、塩素、特に好ましくはフッ素である。例として、CF3、CHF2、CH2F、CH2CF3が挙げられる。
用語“C6-10-アリール”(他の基の一部であるものを含む)は、6〜10個の炭素中心を含有しうる芳香族環系を表す。例として、フェニル又はナフチルが挙げられる。アルキレン-アリール基は、アルキレンブリッジで連結されているアリール基である。これには、特にベンジルが包含される。
本発明の範囲内のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。特に断らない限り、フッ素、塩素及び臭素が好ましいハロゲンである。
【0041】
一般式1の化合物は、酸性基、優勢にはカルボキシル基、及び/又は塩基性、例えばアミノ官能を有しうる。従って、一般式1の化合物は、内部塩、医薬的に許容しうる無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸)若しくは有機酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸又は酢酸)との塩の形態で、或いは医薬的に許容しうる塩基、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩、亜鉛若しくはアンモニウムの水酸化物又は有機アミン、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等との塩としてでよい。
既に述べたように、式1の化合物は、その塩、特に医薬用途のため、その生理学的及び薬理学的に許容しうる塩に変換させうる。これら塩は、一方で、式1の化合物と無機若しくは有機酸との生理学的及び薬理学的に許容しうる酸付加塩の形態で存在しうる。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を用いて酸付加塩を調製することができる。これら酸の混合物を使用してもよい。式1の化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を調製するため、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物を用いることが好ましく、アルカリ金属、特にナトリウムとカリウムの水酸化物及び水素化物が好ましく、ナトリウムとカリウムの水酸化物が特に好ましい。
所望により、一般式(1)の化合物をその塩、特に医薬用途のため、無機又は有機酸とのその薬理学的に許容しうる塩に変換させうる。この目的に好適な酸として、例えば、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸又はクエン酸が挙げられる。これら酸の混合物を使用してもよい。
【0042】
本発明は、問題の化合物が、任意に個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態、互変異性体の形態、及び遊離塩基の形態、又はハロゲン化水素酸(例えば塩酸若しくは臭化水素酸)又は有機酸(例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸若しくはメタンスルホン酸)のような薬理学的に許容しうる酸との対応する酸付加塩の形態でよい、化合物に関する。
本発明の化合物はラセミ化合物の形態でよいが、純粋なエナンチオマーとして、すなわち(R)又は(S)形態で得ることもできる。ラセミ化合物の形態の化合物、又は(R)形態が好ましい。
技術上既知の方法と同様に本発明の化合物を調製することができる。好適な製造方法は、例えば、米国特許第4460581号及び第4,154,829号(参照によって、その全体が本明細書に取り込まれる)から公知である。
以下の実施例は、例示として提供される実施例に本発明の主題を限定することなく、本発明をさらに例証かつ明白にするために役立つ。
【0043】
〔実施例〕
〔中間体の合成〕
中間体1:(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチル
700mLのエタノール性アンモニア溶液中23.6g(117mmol)の(1,1-ジメチル-3-オキソ-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルを、3.5gのラネーニッケルの存在下、薄層クロマトグラフィーで、もはや抽出物が検出されなくなるまで、周囲温度にて3バールの水素圧で処理する。触媒をろ別し、蒸留で溶媒を除去する。暗緑色油。収量:22.7g(96%);質量分析:[M+H]+ = 203。
中間体2:1-(3-アミノ-1,1-ジメチル-プロピル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0044】
【化10】

【0045】
a) [3-メチル-3-(5-メチル-2-ニトロ-フェニルアミノ)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチル
2.0g(12.9mmol)の3-フルオロ-4-ニトロ-トルエン、2.6g(13.0mmol)の(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチル及び2.3g(16.8mmol)の炭酸カリウムを20mLのDMF中、周囲温度で一晩撹拌する。溶媒を蒸留して除き、残留物を酢酸エチルと混ぜ合わせる。混合物を水で繰り返し洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去する。4.8gの黄色油。質量分析:[M+H]+ = 338。
b) [3-(2-アミノ-5-メチル-フェニルアミノ)-3-メチル-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチル
4.71g(14.0mmol)の[3-メチル-3-(5-メチル-2-ニトロ-フェニルアミノ)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチルを110mLのメタノールに溶かし、340mgの木炭上パラジウム(10%)の存在下、周囲温度で水素化する。次に、触媒を分別し、溶媒を蒸留して除く。褐色固体。収量:3.72g(87%);質量分析:[M+H]+ = 308。
c) [3-メチル-3-(6-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチル
1.76g(5.7mmol)の[3-(2-アミノ-5-メチル-フェニルアミノ)-3-メチル-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチルを35mLのTHFに溶かし、2.1g(12.7mmol)の1,1'-カルボニルジ-(1,2,4-トリアゾール)と混ぜ合わせて一晩撹拌する。溶媒を蒸留して除き、残留物を酢酸エチルに溶かす。溶液を硫酸水素カリウム溶液と塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させる。残留物をクロマトグラフ処理し(シリカゲル;ジクロロメタンと0〜16%のメタノール:アンモニア=9:1)、このようして得た粗生成物をジエチルエーテルと撹拌する。明黄色固体。
収量:1.12g(59%);質量分析:[M+H]+ = 334。
d) 1-(3-アミノ-1,1-ジメチル-プロピル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
100mLのジオキサン中の1.50g(4.5mmol)の[3-メチル-3-(6-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチルの溶液を4モル濃度の塩酸(ジオキサン中)10mLと混ぜ合わせてから90℃に90分加熱すると、その間に白色沈殿物が沈降する。周囲温度に冷ました後、溶媒を蒸留して除き、残留物をジエチルエーテル中で撹拌する。白色固体。収量:1.04g(86%;塩酸塩);質量分析:[M+H]+ = 234。
【0046】
中間体3:1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-トリフルオロメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0047】
【化11】

【0048】
a) [3-メチル-3-(2-ニトロ-4-トリフルオロメチル-フェニルアミノ)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチル
これは、方法2a)と同様に、3.25g(15.5mmol)の1-フルオロ-2-ニトロ-4-トリフルオロメチル-ベンゼンと2.74g(13.5mmol)の(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルの全体から調製する。6.1gの黄色油。質量分析:[M+H]+ = 392。
b) [3-(2-アミノ-4-トリフルオロメチル-フェニルアミノ)-1,1-ジメチル-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチル
6.10g(15.6mmol)の[3-メチル-3-(2-ニトロ-4-トリフルオロメチル-フェニルアミノ)-ブチル]-カルバミン酸tert-ブチルを方法2b)と同様に水素化する。収量:5.05g(90%);質量分析:[M+H]+ = 362。
c) [1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-5-トリフルオロメチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチル
5.00g(13.8mmol)の[3-(2-アミノ-4-トリフルオロメチル-フェニルアミノ)-1,1-ジメチル-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルと6.73g(41.5mmol)の1,1'-カルボニルジイミダゾールを反応させ、方法2c)と同様に仕上げる。白色固体。収量:4.18g(78%);質量分析:[M-H]+ = 386。
d) 1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-トリフルオロメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
方法2d)と同様に、2.89g(7.5mmol)の[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-5-トリフルオロメチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルから調製する。収量:1.60g(66%);質量分析:[M+H]+ = 288。
【0049】
中間体4:3-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0050】
【化12】

【0051】
a) 1-ヨード-4-メチル-ニトロ-ペンタン
44.7mL(352mmol)のクロロトリメチルシランと50mLのアセトニトリルの溶液を、350mLのアセトニトリル中の26.0g(177mmol)の1-メチル-4-ニトロ-ペンタン-1-オールと52.8g(352mmol)のヨウ化ナトリウムに滴加する。次に、混合物を50℃に4時間加熱してから溶媒を蒸留して除き、残留物を500mLのジエチルエーテルと混ぜ合わせる。これを水、チオ硫酸ナトリウム溶液及び塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させてエバポレートする。34.2gの赤色油。
b) 3-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
50mLのDMF中の4.50g(33.3mmol)のベンゾオキサゾール-2-オンの溶液に、冷却して温度を0℃未満に維持しながら、1.70g(42.5mmol)の水素化ナトリウム(60%)をバッチ形式で加える。1時間の撹拌後、温度が5℃を超えないように、20mLのDMF中の9.61g(37.4mmol)の1-ヨード-4-メチル-4-ニトロ-ペンタンの溶液を滴加する。混合物を周囲温度で一晩撹拌し、溶媒を蒸留して除く。残留物を酢酸エチルに取り、水と塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させてエバポレートする。11.0gの油が得られる。質量分析:[M+H]+ = 265。
c) 3-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
上記反応から得た11.0gの3-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを130mLのエタノールに溶かし、触媒としてラネーニッケルを用いて、5バールで20時間水素化する。触媒をろ別し、ろ液から溶媒を除去する。10%のエタノール性塩酸を加え、溶媒を蒸留して除き、残留物をアセトン/ジエチルエーテル混合物中で撹拌する。白色固体。収量:6.0g(2工程全体で77%,塩酸塩);融解範囲=145〜147℃。
【0052】
中間体5:3-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0053】
【化13】

【0054】
a) [1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-ベンゾオキサゾール-3-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチル
4.0g(29.6mmol)のベンゾオキサゾール-2-オンを40mLのDMPUに溶かし、氷浴で冷却する。この溶液に保護ガス下で897mg(95%;35.5mmol)の水素化ナトリウムをバッチ形式で加える。反応混合物を周囲温度に戻してからさらに1時間撹拌する。9.85g(44.4mmol)の(3-アミノ-1,1-ジメチル-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルと1.97g(5.3mmol)のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加えて混合物を一晩撹拌する。慎重に炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させる。酢酸エチルを加え、水相を分け、酢酸エチルで繰り返し抽出する。混ぜ合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させてエバポレートする。カラムクロマトグラフィーで残留物を精製して(シリカゲル;石油エーテル/酢酸エチル=7:3)油の形態の所望生成物を得る。収量4.1g(43%);質量分析:[M+H]+ = 321。
b) 3-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
110mLのジクロロメタン中の4.0g(12.5mmol)の[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-ベンゾオキサゾール-3-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルの溶液に18mLのトリフルオロ酢酸を周囲温度で滴加する。混合物を一晩撹拌してから溶媒を蒸留して除く。残存している油をジエチルエーテル中で撹拌すると、その間に固体が沈殿し、これをろ別する。再びジエチルエーテルと撹拌後、ろ過でベージュ色の固体を得る。
収量:3.63g(65%;トリフルオロアセテート);質量分析:[M+H]+ = 221。
【0055】
中間体6:5-ベンジルオキシ-7-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0056】
【化14】

【0057】
a) 1-(5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-3-ニトロ-フェニル)-エタノン
700mLの酢酸中の81.5g(0.34 mol)の1-(5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-エタノン(米国特許第4,460581号から公知)の溶液に、温度が20℃を超えないように氷浴で冷却しながら、18mLの発煙硝酸を滴加する。次に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、氷水上に注ぎ、ろ過する。生成物をイソプロパノールから再結晶させ、吸引ろ過し、イソプロパノールとジイソプロピルエーテルで洗浄する。
収量:69.6g(72%);質量分析 [M+H]+ = 288。
b) 1-(3-アミノ-5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-エタノン
69.5g(242mmol)の1-(5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-3-ニトロ-フェニル)-エタノンを1.4Lのメタノールに溶かし、触媒として14gの木炭上ロジウム(10%)の存在下、3バール及び周囲温度で水素化する。次に、触媒をろ別し、ろ液をエバポレートする。残留物を何らさらに精製せずに使用する。
収量:60.0g(96%)、Rf値=0.45(シリカゲル上ジクロロメタン)。
c) 7-アセチル-5-ベンジルオキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
20〜40℃にて、800mLのピリジン中の121g(0.47mol)の1-(3-アミノ-5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-エタノンの溶液に52g(0.53 mol)のホスゲンをパイプで通す。反応混合物を50℃に2時間加熱してから氷上に注ぎ、濃塩酸で酸性にする。赤色がかった褐色固体が単離され、これを、活性炭を添加してエタノールから繰り返し再結晶させる。
収量:67.5g(50.6 %);融解範囲:163〜166℃。
d) 5-ベンジルオキシ-7-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
100mLのジオキサンと3.1mLの水中、活性炭の存在下で20g(71mmol)の7-アセチル-5-ベンジルオキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンと8g(72mmol)の二酸化セレンを8時間で還流させる。固体をろ別し、溶媒を蒸留して除き、残留物を50mLのエタノールと混ぜ合わせる。混合物を15分間還流させてから活性炭に通してろ過する。3時間後に冷却すると沈殿する固体を吸引ろ過し、エタノールとジエチルエーテルで洗浄する。収量:7g(29%);融解範囲:140〜143℃。
【0058】
中間体7:6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0059】
【化15】

【0060】
a) N-(3-アセチル-5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-ブロモ-2-メチル-プロピオンアミド
20mLのピリジン中の5.15g(20mmol)の1-(3-アミノ-5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-エタノンの溶液に、5〜20℃で4.64g(25mmol)の2-ブロモ-2-メチル-プロピオニルクロリドを滴加する。添加終了後、混合物を15分撹拌し、氷水及び100mLの酢酸エチルと混ぜ合わせ、濃塩酸で酸性にする。有機相を分別し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸留して除いた後、残留物をジエチルエーテル/石油エーテル混合物から再結晶させる。
収量:6.8g(84%);融解範囲:88〜90℃。
b) 8-アセチル-6-ベンジルオキシ-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
6.60g(16.2mmol)のN-(3-アセチル-5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-ブロモ-2-メチル-プロピオンアミドと2.76g(20mmol)の炭酸カリウムを1時間70mLのアセトニトリル中還流温度で撹拌する。固体を吸引ろ過し、ろ液をエバポレートし、残留物を30mLの酢酸エチルと混ぜ合わせる。さらにろ過後、溶媒を蒸留して除いた後、粗生成物を小量のメタノールから再結晶させる。
収量:1.00g(19%);質量分析 [M+H]+ = 326;融解範囲:148〜150℃。
c) 6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
これは、中間体6dについて述べた方法と同様に、8-アセチル-6-ベンジルオキシ-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンから調製する。
【0061】
中間体8:7-ベンジルオキシ-5-オキシラニル-1H-キノリン-2-オン
【0062】
【化16】

【0063】
a) 2-アセチル-4-ベンジルオキシ-6-ニトロ-フェニルトリフルオロメタンスルホネート
-10℃で940mLのジクロロメタン中90g(313mmol)の1-(5-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシ-3-ニトロ-フェニル)-エタノンに92.7mL(660mmol)のトリエチルアミンを加える。次に65mL(394mmol)の無水トリフルオロメタンスルホン酸と40mLのジクロロメタンの溶液をゆっくり滴加する。-5℃で15分撹拌後、400mLの塩化アンモニウム溶液と400mLの炭酸水素ナトリウム溶液を慎重に添加して反応を停止させる。有機相を分別し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートする。残留物を150mLのジエチルエーテルに溶かしてから800mLのヘキサンを添加して沈殿させる。固体をろ別し、ジエチルエーテル/ヘキサン混合物に懸濁させ、再び吸引ろ過する。
収量:118g(90%);質量分析:[M+H]+ = 420。
b) 3-(2-アセチル-4-ベンジルオキシ-6-ニトロ-フェニル)-アクリル酸メチル
5.88g(6.42mmol)のトリス-(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム、3.50g(12.01mmol)のトリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、81.2mL(371mmol)のジシクロヘキシルメチルアミン、105.8g(286mmol)のヨウ化テトラブチルアンモニウム及び32.6mL(362mmol)のアクリル酸メチルを、360mLのジオキサン中の100g(238mmol)の2-アセチル-4-ベンジルオキシ-6-ニトロ-フェニルトリフルオロメタンスルホネートの溶液に加える。窒素雰囲気下、100gの分子ふるい4Aの存在下で80℃にて2時間反応混合物を撹拌してから2Lのジエチルエーテル及び500gのシリカゲルと混ぜ合わせる。10分後、ジエチルエーテルで繰り返し洗浄しながら、シリカゲルを吸引ろ過する。混ぜ合わせた有機相を1N 塩酸、炭酸ナトリウム溶液及び塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。溶媒を蒸留して除き、残留物をエタノールから再結晶させ、固体をろ別してエタノールで洗浄する。
収量:32.2g(38%);質量分析:[M+H]+ = 356。
c) 5-アセチル-7-ベンジルオキシ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン
5.0g(14.07mmol)の3-(2-アセチル-4-ベンジルオキシ-6-ニトロ-フェニル)-アクリル酸メチルを100mLのエタノールと混ぜ合わせ、触媒としてラネーニッケルを用いて4バールで水素化する。触媒を分別し、ろ液を15mLの2N 塩酸で酸性にする。晶出する生成物を吸引ろ過して乾燥させる。
収量:1.0g(24%);質量分析:[M+H]+ = 296。
d) 5-アセチル-7-ベンジルオキシ-1H-キノリン-2-オン
13.0g(44mmol)の5-アセチル-7-ベンジルオキシ-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オンを130mLのジオキサンに溶かし、15.0g(66mmol)の2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノンと混ぜ合わせる。混合物を30分間還流させ、周囲温度に冷ましてさらに2時間撹拌する。固体をろ別し、ジオキサンで洗浄し、600mLのジクロロメタン/メタノール(9:1)に溶かす。この溶液を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させてエバポレートする。次に、残留物をメタノールに懸濁させ、ろ過して乾燥させる。
収量:8.3g(64%);質量分析:[M+H]+ = 294。
e) 7-ベンジルオキシ-5-(2-クロロ-アセチル)-1H-キノリン-2-オン
7.0g(23.9mmol)の5-アセチル-7-ベンジルオキシ-1H-キノリン-2-オンと19.0g(54.6mmol)のジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム(benzyltrimethylammonium dichloriodate)を43mLの酢酸、7mLの水及び147mLのジクロロエタン中65℃で撹拌する。4.5時間後、400mLの炭酸ナトリウム溶液と50mLの5%亜硫酸ナトリウム溶液を添加して反応を停止させる。不溶成分を吸引ろ過し、水で洗浄して乾燥させる。
収量:6.0g(77%);質量分析:[M+H]+ = 328。
f) 7-ベンジルオキシ-5-オキシラニル-1H-キノリン-2-オン
6.0g(18.3mmol)の7-ベンジルオキシ-5-(2-クロロ-アセチル)-1H-キノリン-2-オンを150mLのテトラヒドロフランに入れ、0〜5℃で434mg(19.9mmol)の水素化ホウ素リチウムと混ぜ合わせる。混合物を30分撹拌してから43mLの2.5モル濃度の水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物をさらに4時間、周囲温度に加熱しながら撹拌する。混合物を塩化ナトリウム溶液と混ぜ合わせ、ろ過し、酢酸エチル/テトラヒドロフラン(1:1)で繰り返し洗浄する。ろ別した固体と有機相を合わせて溶媒を除去する。残留物をメタノールに懸濁させ、吸引ろ過して乾燥させる。
収量 4.8g(89%);質量分析:[M+H]+ = 294。
【0064】
中間体9:1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0065】
【化17】

【0066】
a) 4-メチル-4-ニトロ-ペンタン-1-オール
50g(0.285mol)の4-メチル-4-ニトロ-ペンタン酸メチルをTHF/エタノールの6:4混合物(1000mL)に溶かす。溶液を-10℃に冷却し、24.2g(0.571mol)の塩化リチウムと混ぜる。次に、21.6g(0.571mol)の水素化ホウ素リチウムをバッチ形式で加える。混合物を-10℃で30分撹拌してから一晩周囲温度に加熱する。反応混合物を60℃で6時間及び周囲温度で一晩撹拌する。これを水と混ぜ合わせて希塩酸でpHを6に調整する。溶媒を蒸留して除き、残留物を水と混ぜ合わせる。混合物をジクロロメタンで抽出し、混ぜ合わせた有機相を水と塩化アンモニウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、生成物を黄色油として得る。
収量:40.0g(95%);質量分析:[M+H]+ = 148。
b) 1-ヨード-4-メチル-4-ニトロ-ペンタン
350mLのアセトニトリル中40g(0.272mol)の4-メチル-4-ニトロ-ペンタン-1-オールと81.5g(0.544mol)のヨウ化ナトリウムに70mL(0.544mol)のトリメチルクロロシランを周囲温度で滴加する。反応混合物をろ過し、エバポレートし、ジエチルエーテルと混ぜ合わせる。有機相を亜硫酸水素ナトリウム溶液と水で洗浄し、乾燥させ、溶媒を除去する。黄色油。
収量:56.0g(80%);質量分析:[M-NO2]+ = 211。
c) 2-メトキシ-6-ニトロ-フェニルアミン
200mLのDMF中の25g(0.162mol)の2-アミノ-3-ニトロ-フェノールの溶液に85%の水酸化カリウム溶液(11.7g,0.179mol)を加える。次に、11.1mL(0.178mol)のヨードメタンを滴加して混合物を周囲温度で一晩撹拌する。反応混合物を氷上に注ぎ、1時間撹拌する。沈殿した生成物をろ別し、水洗して乾燥させる。
収量:23.8g(87%);質量分析:[M+H]+ = 169。
d) (2-メトキシ-6-ニトロ-フェニル)-カルバミン酸エチル
300mLのTHF中の23.8g(0.142mol)の2-メトキシ-6-ニトロ-フェニルアミンの溶液に17.1mL(0.141mol)のトリクロロメチルクロロホルメートを還流温度で滴加してから混合物をこの温度で4時間撹拌する。溶媒を蒸留して除き、残留物をイソプロパノールと撹拌する。この間に黄色固体が沈殿する。収量:25.0g(73%);質量分析:[M+H]+ = 241。
e) (2-アミノ-6-メトキシ-フェニル)-カルバミン酸エチル
25.0g(0.104mol)の(2-メトキシ-6-ニトロ-フェニル)-カルバミン酸エチルを400mLのメタノールに溶かす。116.4g(0.516mol)のSnCl2・2H2Oを加えて混合物を3時間還流させる。反応混合物をエバポレートし、炭酸ナトリウム溶液と混ぜ合わせてろ過する。水相をジクロロメタンで繰り返し抽出し、混ぜ合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させてエバポレートする。静置すると晶出する残留物をイソプロパノールと撹拌する。収量:13.0g(59%);質量分析:[M+H]+ = 211。
f) 7-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-カルボン酸エチル
100mLのジクロロメタン中の13.0g(0.062mol)の(2-アミノ-6-メトキシ-フェニル)-カルボン酸エチルと10.3mL(0.074mol)のトリエチルアミンを、50mLのジクロロメタン中の8.20mL(0.068mol)のトリクロロメチルメチルホルメートの溶液に、氷で冷却しながら加える。周囲温度で4時間撹拌後、反応混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水洗し、乾燥させて溶媒を除去する。残留物をジエチルエーテル中で撹拌する。
収量:9.0g(62%);質量分析:[M+H]+ = 237。
g) 4-メトキシ-1-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
DMF中の4.0g(17mmol)の7-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-カルボン酸エチルを、氷浴で冷却しながら85%の水酸化カリウム溶液(3.3g,51mmol)と混ぜ合わせる。30分撹拌後、DMF中5.2g(21mmol)の1-ヨード-4-メチル-4-ニトロ-ペンタンの溶液を加えて混合物を周囲温度で一晩撹拌する。反応混合物を水で希釈して酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水洗し、乾燥させ、溶媒を除去する。残存している油をシリカゲル上クロマトグラフィーで精製する(シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配)。収量:0.5g(8%);質量分析:[M+H]+ = 366。
h) 1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
1.4g(4.8mmol)の4-メトキシ-1-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンをメタノールに溶かし、ラネーニッケルの存在下で3バールにて水素化する。触媒を分別し、溶媒を蒸留して除き、残留物をエーテル性塩酸に溶かす。蒸留で溶媒を除去し、残存している固体をイソプロパノールで撹拌する。
収量:0.6g(42%,塩酸塩);質量分析:[M+H]+ = 300。
【0067】
中間体10:1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-メトキシ-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0068】
【化18】

【0069】
a) (5-メトキシ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミン
200mLのジクロロメタン中の14.3g(83.56mmol)の3-フルオロ-4-ニトロ-アニソールと12.71g(92.02mmol)の炭酸カリウムに、メチルアミンのTHF中2モル濃度溶液83.5mL(167.0mmol)を滴加する。混合物を一晩撹拌してから水と混ぜ合わせる。有機相を水と塩化アンモニウム溶液で連続的に洗浄し、乾燥させてエバポレートする。残存している黄色固体をヘキサンと撹拌する。収量:12.7g(84%);質量分析:[M+H]+ = 183。
b) 4-メトキシ-N-2-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミン
200mLのエタノール中、12.5g(68.6mmol)の(5-メトキシ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミンと77.39g(343.0mmol)のSnCl2・2H2Oを6時間還流させる。反応混合物を炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、ろ過し、エバポレートする。残留物を水と混ぜ合わせて酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させて溶媒を除去する。油。
収量:8.0g(77%);質量分析:[M+H]+ = 153。
c) 5-メトキシ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
8.0g(52.56mmol)の4-メトキシ-N-2-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミンと8.7mL(63.00mmol)のトリエチルアミンを100mLのジクロロメタンに溶かし、50mLのジクロロメタン中の7mL(58.00mmol)のトリクロロメチルクロロホルメートに滴加する。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌してから氷水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ、エバポレートする。残存している固体をジエチルエーテルと撹拌する。
収量:4.2g(45%);質量分析:[M+H]+ = 179。
d) 5-メトキシ-3-メチル-1-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
氷浴で冷却しながら、30mLのDMF中の2.5g(14mmol)の5-メトキシ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンに1.1g(28mmol)の60%水素化ナトリウムを加える。30分後、20mLのDMF中の1-ヨード-4-メチル-4-ニトロ-ペンタンの溶液をパイプで通して混合物を一晩撹拌する。これを水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ、エバポレートする。残存している固体をジエチルエーテルと撹拌する。
収量:2.7g(63%);質量分析:[M+H]+ = 308。
e) 1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-メトキシ-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
200mLのエタノール中の2.7g(8.7mmol)の5-メトキシ-3-メチル-1-(3-メチル-3-ニトロ-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンと9.93g(44.0mmol)のSnCl2・2H2Oを3時間還流させる。反応混合物をエバポレートし、炭酸ナトリウム溶液と混ぜてろ過する。ろ液を酢酸エチルで抽出し、混ぜ合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させて溶媒を除く。残留物をエタノールに溶かして該溶液をエーテル性塩酸と混ぜ合わせる。溶媒を蒸留して除いた後、残存している固体をジイソプロピルエーテルと撹拌する。
収量:0.7g(29%);質量分析:[M+H]+ = 278。
【0070】
中間体11:3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-5-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0071】
【化19】

【0072】
a) (4-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミン
300mLのジクロロメタン中の25g(157mmol)の2,4-ジフルオロ-ニトロベンゼンと23.9g(173mmol)の炭酸カリウムに、メチルアミンのTHF中2モル濃度溶液157ml(314mmol)を冷却しながら滴加する。混合物を周囲温度で一晩撹拌してから水と混ぜ合わせる。有機相を水で洗浄し、乾燥させ、エバポレートする。残留物をジエチルエーテルと撹拌する。
収量:18g(69%);質量分析 [M+H]+ = 171.
b) 4-フルオロ-N-1-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミン
250mLのエタノール中の22g(0.12mol)の(4-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミンを、触媒として木炭上パラジウムを用いて4バールの水素圧で水素化する。触媒を分別し、溶媒を蒸留して除く。残存している油をクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチルの勾配)で精製する。油の形態で生成物を得る。
収量:9g(50%);質量分析 [M+H]+ = 141。
c) 5-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
中間体10cについて述べた方法と同様に、13.0g(92.1mmol)の4-フルオロ-N-1-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミンをトリクロロメチルクロロホルメートと反応させる。ジエチルエーテル中で撹拌後、生成物を固体として単離する。
収量:6.0g(39%);質量分析:[M+H]+ = 167。
d) 5-フルオロ-1-メチル-3-(4-メチル-4-ニトロ-ペンチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
DMF中の2.1g(12.6mmol)の5-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンの溶液に、まず0.624g(13.9mmol)の60%水素化ナトリウム、次いで冷却しながら10mLのDMF中の4.6g(17.8mmol)の1-ヨード-4-メチル-4-ニトロ-ペンタンを加える。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌してから水上に注いでジエチルエーテルで抽出する。有機相をエバポレートし、残留物をイソプロピルエーテルから再結晶させる。収量:1.8g(48%);質量分析 [M+H]+ = 296。
e) 3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-5-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
50mLのメタノール中の1.8g(6.09mmol)の5-フルオロ-1-メチル-3-(4-メチル-4-ニトロ-ペンチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンを、触媒としてラネーニッケルを用いて3バールの水素圧で水素化する。触媒を分別し、溶媒を蒸留して除く。塩酸塩を調製するため、残留物をジエチルエーテル中のエタノール及び塩酸と混ぜ合わせる。
収量:1.5g(83%,塩酸塩);融解範囲=225〜228℃;質量分析 [M+H]+ = 303。
【0073】
中間体12:3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-4-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
【0074】
【化20】

【0075】
a) (3-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミン
中間体10aの調製方法と同様に、2.0g(2.6mmol)の2,6-ジフルオロ-ニトロベンゼンをメチルアミンのTHF中2モル濃度溶液と反応。赤色固体。収量:1.8g(86%);質量分析:[M+H]+ = 171。
b) 3-フルオロ-N-1-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミン
中間体10bについて述べた方法に従い、8.0g(47.0mmol)の(3-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)-メチル-アミンをSnCl2・2H2Oで還元。赤色油。
収量:4.5g(68%);質量分析:[M+H]+ = 141。
c) 4-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
中間体10cについて述べた方法と同様に、4.5g(32.1mmol)の3-フルオロ-N-1-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミンから調製。褐色固体。
収量:1.4g(26%);質量分析:[M+H]+ = 167.
d) 4-フルオロ-1-メチル-3-(4-メチル-4-ニトロ-ペンチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
中間体10dの調製方法と同様に、1.4g(8.42mmol)の4-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから調製。黄色油。
収量:1.7g(68%);質量分析:[M+H]+ = 296。
e) 3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-4-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
メタノール中の2g(6.7mmol)の4-フルオロ-1-メチル-3-(4-メチル-4-ニトロ-ペンチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンの溶液をラネーニッケルの存在下で3バールの水素圧にて水素化する。触媒の分離後、ジエチルエーテル中の塩酸を加える。沈殿した塩酸塩をろ別して乾燥させる。収量:1.5g(83%,塩酸塩);融解範囲=230〜232℃;質量分析:[M+H]+ = 303。
【0076】
〔最終化合物の合成〕
一般的方法1:
1mmolのグリオキサルアルデヒド又はグリオキサルアセタールと1mmolのアミンを5mLのテトラヒドロフラン中で50℃にて30分間撹拌する。混合物を0℃に冷却し、アルゴン雰囲気下、水素化ホウ素リチウムのテトラヒドロフラン中2モル濃度溶液1.5mLを滴加する。混合物を0℃で30分撹拌し、10mLのジクロロメタン及び3mLの水と混ぜ合わせてさらに1時間周囲温度で撹拌してからキーゼルグール(kieselguhr)に通してろ過し、ジクロロメタンで溶出する。溶出液から溶媒を除去し、必要ならば、残留物をクロマトグラフィーで精製する。このようにして得たベンジルエーテルをメタノールに溶かし、触媒として木炭上パラジウム(10%)を用いて2.5バール及び周囲温度で水素化する。次に、触媒を分別し、粗生成物をクロマトグラフィー(逆相,アセトニトリル/水の勾配 0.1%のトリフルオロ酢酸と)で精製するか、又はアセトニトリルで再結晶させる。
【0077】
一般的方法2
1mmolのグリオキサルアルデヒド又はグリオキサルアセテートと1mmolのアミンを5mLのエタノールに懸濁させて70℃に加熱する。生じた溶液を70℃で1時間撹拌してから周囲温度に冷ます。113mg(3mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加後、混合物を周囲温度で3時間撹拌し、0.7mLの炭酸カリウム飽和溶液と混ぜ合わせてさらに30分撹拌する。酸化アルミニウム(塩基性)に通して混合物をろ過し、ジクロロメタン/メタノール15:1で繰り返し洗浄し、エバポレートしてクロマトグラフ処理 (シリカゲル;ジクロロメタン 0-10%のメタノール:アンモニア=9:1と)する。このようにして得たベンジル化合物を10mLのメタノールに溶かし、触媒として木炭上パラジウムを用いて1バールの水素圧で水素化する。次に、触媒をろ別してエバポレートする。
【0078】
実施例1:8-{2-[1,1-ジメチル-3-(6-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0079】
【化21】

【0080】
一般的方法1に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと233mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから本化合物を調製する。
収量:170mg(31%, トリフルオロアセテート);質量分析:[M+H]+ = 441。
実施例2:8-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-5-トリフルオロメチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0081】
【化22】

【0082】
一般的方法1に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと287mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-トリフルオロメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから調製。
収量:76mg(13%,トリフルオロアセテート);質量分析:[M+H]+ = 495。
【0083】
実施例3:8-{2-[1,1-ジメチル-4-(2-オキソ-ベンゾオキサゾール-3-イル)-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0084】
【化23】

【0085】
357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと287mg(1mmol)の3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを一般的方法1に従って反応させる。ベンジル保護基の水素化分解による切断後、油を単離し、アセトン/ジエチルエーテル混合物中で撹拌することによって生成物を得る。収量:161mg(29%,トリフルオロアセテート);質量分析:[M+H]+ = 442。
【0086】
実施例4:8-{2-[1,1-ジメチル-3-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0087】
【化24】

【0088】
一般的方法2に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと233mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから調製。
収量:270mg(61%);質量分析:[M+H]+ = 441。
【0089】
実施例5:8-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0090】
【化25】

【0091】
一般的方法2に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと219mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから目標の化合物を得る。
収量:187mg(44%);質量分析:[M+H]+ = 427。
【0092】
実施例6:8-{2-[1,1-ジメチル-4-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0093】
【化26】

【0094】
一般的方法2に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと233mg(1mmol)の1-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンから調製。
収量:192mg(44%);質量分析:[M+H]+ = 441。
【0095】
実施例7:8-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-ベンゾオキサゾール-3-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0096】
【化27】

【0097】
一般的方法1に従い、357mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-1,2-ジヒドロキシ-エチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと220mg(1mmol)の3-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンから調製。
収量:227mg(42%,トリフルオロアセテート);質量分析:[M+H]+ = 428。
【0098】
実施例8:7-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-5-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0099】
【化28】

【0100】
a) 5-ベンジルオキシ-7-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
343mg(1mmol)の5-ベンジルオキシ-7-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンと219mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンを15mLのエタノール中80℃で1.5時間撹拌する。周囲温度に冷ました後、80mg(2mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加えて混合物を2時間撹拌する。反応混合物を1モル濃度の塩酸溶液3mLで酸性にし、10分撹拌し、炭酸カリウム溶液でアルカリ性にする。これを酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸留して除く。残留物をシリカゲルカラム上クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノールの勾配)で精製する。ベージュ色固体。収量:340mg(68%);質量分析 [M+H]+ = 503。
b) 7-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-5-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
320mg(0.64mmol)の5-ベンジルオキシ-7-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを12mlのメタノールに溶かし、触媒として木炭上パラジウムを用いて周囲温度で水素化する。触媒を分別し、ろ液から溶媒を除去する。ベージュ色固体。収量:150mg(57%);質量分析 [M-H]+ = 411。
【0101】
実施例9:8-{2-[3-(3-ベンジル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0102】
【化29】

【0103】
a) 1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチル、塩化ベンジル及びカリウム-tert-ブトキシドをジメチルスルホキシド中で周囲温度にて一晩撹拌する。該反応から得たアルキル化生成物[3-(3-ベンジル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルをトリフルオロ酢酸/ジクロロメタンで処理して保護基を切断する。質量分析 [M+H]+ = 310。
b) 8-{2-[3-(3-ベンジル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
一般的方法1に従い、385mg(1mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-2,2-ジメチル-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと423mg(1mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンを反応させて仕上げる。
収量:39mg(6%, トリフルオロアセテート);質量分析 [M+H]+ = 545。
【0104】
実施例10:8-{2-[3-(3-シクロプロピルメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0105】
【化30】

【0106】
a) 1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3-シクロプロピルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン
[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルの、ジメチルスルホキシド中の(クロロメチル)-シクロプロパン及びカリウム-tert-ブトキシドとの周囲温度における反応が、[3-(3-シクロプロピルメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピル]-カルバミン酸tert-ブチルを与える。次に、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸で処理して、該アルキル化生成物の保護基を切断する。質量分析 [M+H]+ = 274。
b) 8-{2-[3-(3-シクロプロピルメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
165mg(0.5mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと194mg(0.5mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-3-シクロプロピルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンを8mLのエタノールに溶かして80℃で1.5時間撹拌する。混合物を周囲温度に戻し、19mg(0.5mmol)の水素化ホウ素ナトリウムと混ぜ合わせてさらに2時間撹拌する。反応混合物を1モル濃度の塩酸で酸性にし、10分撹拌し、炭酸カリウム溶液でアルカリ性にする。酢酸エチルを加え、キーゼルグールによるろ過で水相を分別する。有機相から溶媒を除去して残留物をアセトニトリル/水に懸濁させる。引き続き、一般的方法1と同様に脱ベンジル化を行う。
収量:77mg(26%,トリフルオロアセテート);質量分析 [M+H]+ = 481。
【0107】
実施例11:5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-7-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン
【0108】
【化31】

【0109】
a) 7-ベンジルオキシ-5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-1H-キノリン-2-オン
121mg(0.413mmol)の7-ベンジルオキシ-5-オキシラニル-1H-キノリン-2-オン、125mg(0.570mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン及び0.4mLのイソプロパノールを混ぜ合わせて30分間135℃にてマイクロ波で照射する。反応混合物を酢酸エチル及び0.5モル濃度の酒石酸と混ぜ合わせ、その間に固体が沈殿する。固体と水相を分別し、水、ジクロロメタン及びいくらかのメタノールを加える。水相をジクロロメタンで抽出し、混ぜ合わせたジクロロメタン相を乾燥させて溶媒を除去する。残留物を酢酸エチル中の塩酸と混ぜ合わせ、溶媒を蒸留して除き、残留物を酢酸エチル中で撹拌する。白色固体。
収量:87mg(38%,塩酸塩);質量分析:[M+H]+ = 513。
b) 5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-7-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン
71mg(0.129mmol)の7-ベンジルオキシ-5-{2-[1,1-ジメチル-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-1H-キノリン-2-オン塩酸塩をメタノールに溶かし、触媒として木炭上パラジウムを用いて常圧で水素化する。セライトによるろ過で触媒を分別し、ろ液から溶媒を除去する。残留物を酢酸エチルと撹拌して生成物を固体の形態で得る。収量:31mg(52%,塩酸塩);質量分析:[M+H]+=423。
【0110】
実施例12:6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[4-(4-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0111】
【化32】

【0112】
a) 6-ベンジルオキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[4-(4-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
5mLのTHF中の200mg(0.667mmol)の1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン塩酸塩と120μL(0.733mmol)のトリエチルアミンを30分撹拌してから200mg(0.666mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンと混ぜ合わせる。2時間後、反応混合物を10℃に冷却し、60mg(2.76mmol)の水素化ホウ素リチウムを加える。混合物を周囲温度で1時間撹拌してから10℃に冷却して15mLの水と混ぜ合わせる。有機相をジクロロメタンで抽出し、混ぜ合わせた有機抽出液を乾燥させて溶媒を除去する。残存している油を酢酸エチルに溶かして酢酸エチル中の塩酸でpHを2に調整する。溶媒を蒸留して除き、残留物をジクロロメタン/ジエチルエーテルと撹拌する。
収量:130mg(35%,塩酸塩);質量分析:[M+H]+ = 561。
b) 6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[4-(4-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
130mg(0.213mmol)の6-ベンジルオキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[4-(4-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン塩酸塩をメタノールに溶かし、触媒として木炭上パラジウムを用いて常圧で水素化する。セライトに通して触媒をろ別し、ろ液から溶媒を除去して残留物を酢酸エチルと撹拌する。固体。
収量:50mg(45%,塩酸塩);質量分析:[M+H]+ = 471。
【0113】
実施例13:6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[4-(5-メトキシ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0114】
【化33】

【0115】
実施例13で述べた方法に従い、1-(3-アミノ-3-メチル-ブチル)-5-メトキシ-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オンと6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンから調製。質量分析:[M+H]+ = 485。
【0116】
実施例14:8-{2-[4-(6-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0117】
【化34】

【0118】
a) 6-ベンジルオキシ-8-{2-[4-(6-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
実施例13aで述べた方法と同様に、200mg(0.754mmol)の3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-5-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン塩酸塩と237mg(0.663mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンを反応させる。シリカゲルカラム上のクロマトグラフィーで最後の精製を行う。収量:164mg(44%);質量分析:[M+H]+ = 563。
b) 8-{2-[4-(6-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
実施例13bで述べた方法と同様に、164mg(0.274mmol)の6-ベンジルオキシ-8-{2-[4-(6-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンを脱ベンジル化する。これを精製するため、粗生成物を酢酸エチルと撹拌する。質量分析:[M+H]+=473。
【0119】
実施例15:8-{2-[4-(7-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
【0120】
【化35】

【0121】
a) 6-ベンジルオキシ-8-{2-[4-(7-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
実施例13aを調製するために述べた方法と同様に、200mg(0.663mmol)の3-(4-アミノ-4-メチル-ペンチル)-4-フルオロ-1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-オン塩酸塩と237mg(0.663mmol)の6-ベンジルオキシ-8-(2-エトキシ-2-ヒドロキシ-アセチル)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンを反応させる。シリカゲルカラム上クロマトグラフィーで最後の精製を行う。
収量:68mg(17%);質量分析:[M+H]+ = 563。
b) 8-{2-[4-(7-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
実施例13bについて述べた方法に従い、68mg(0.121mmol)の6-ベンジルオキシ-8-{2-[4-(7-フルオロ-3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチル-ブチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オンを脱ベンジル化する。精製のため、粗生成物を酢酸エチル中で撹拌する。
収量:60mg;質量分析:[M+H]+ = 474。
【0122】
式1の化合物を投与するための適切な製剤として、例えば、錠剤、カプセル剤、座剤、液剤、散剤などが挙げられる。薬剤的に活性な化合物の含量は、全体として、該組成物の0.05〜90wt.-%、好ましくは0.1〜50wt.-%の範囲であるべきだ。例えば、活性物質を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ又はアルギニン酸)、結合剤(例えば、デンプン又はゼラチン)、潤沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク)及び/又は遅延放出用薬剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はポリ酢酸ビニル)と活性物質を混合することによって適切な錠剤を得ることができる。錠剤は、数層で構成されていてもよい。
従って、錠剤と同様に作製したコアを、錠剤コーティングに通常用いられる物質、例えばコリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖などでコーティングすることによってコーティング錠剤を調製することができる。遅延放出を達成するため又は不適合を防止するため、コアがいくつかの層から成ってもよい。同様に、錠皮がいくつかの層から成り、たぶん錠剤について上述した賦形剤を用いて遅延放出を達成しうる。
【0123】
本発明の活性物質又は活性物質の組合せを含有するシロップ剤又はエリキシル剤は、さらに甘味剤(例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖)及び香味増強剤(例えば、バニリン又はオレンジエキスのような香料)をさらに含んでよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、懸濁助剤又は増粘剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、湿潤剤(例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物)、又は保存剤(例えば、p-ヒドロキシベンゾエート)を含んでもよい。
液剤は、常法、例えば、等張剤、保存剤(例えば、p-ヒドロキシベンゾエート)又は安定剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩)と共に、任意に乳化剤及び/又は分散剤を用いて調製される。ここで、希釈剤として水を用いる場合、例えば、任意に有機溶媒を可溶化剤又は溶解助剤として用いてよい。そして、該液剤を注射用のバイアル若しくはアンプル又は注入ビンに移すことができる。
1種以上の活性物質又は活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば、ラクトース又はソルビトールのような不活性な担体と活性物質を混合し、該混合物をゼラチンカプセル中に詰めることによって調製される。適切な座剤は、例えば、この目的で提供される担体(例えば、中性脂肪又はポリエチレングリコール若しくはその誘導体)と混合することによって調製される。
【0124】
使用しうる賦形剤として、例えば、水、医薬的に許容しうる有機溶媒、例えばパラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、単官能若しくは多官能アルコール(例えば、エタノール若しくはグリセロール)など、担体、例えば天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散性のケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、ショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。
経口用途では、錠剤は、明らかに、指定した担体に加え、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムのような添加剤と共に、デンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等のような種々の追加物質を含んでよい。ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような潤沢剤も錠剤の製造に使用しうる。水性懸濁液の場合、上記賦形剤に加え、種々の香味増強剤又は着色剤と活性物質を混ぜ合わせてよい。
【0125】
本発明の呼吸器疾患の治療のための式1の化合物の好ましい使用では、吸入に好適な製剤又は医薬製剤を使用することが特に好ましい。吸入製剤として、吸入散剤、噴霧剤含有計量エアロゾル又は噴霧剤のない吸入液が挙げられる。本発明の範囲内では、用語“噴霧剤のない吸入液”は、濃縮物又はすぐに使える無菌注入液をも包含する。本発明の範囲内で使用しうる製剤については、本明細書の次のパートで詳述する。
本発明で使用しうる吸入散剤は、活性物質1を単独で含み、或いは適宜の生理学的に許容しうる賦形剤との混和材中に含有しうる。
活性物質1が生理学的に許容しうる賦形剤との混和材中にある場合、以下の生理学的に許容しうる賦形剤を用いてこれらの吸入散剤を調製することができる:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストラン)、ポリアルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれら賦形剤の混合物。好ましくは、単糖類又は二糖類を使用する。ラクトース又はグルコースの使用が好ましく、特に、排他的ではないが、その水和物の形態で使用するのが好ましい。本発明の目的では、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトースの一水和物が最も特に好ましい。
【0126】
本発明の吸入散剤の範囲内では、該賦形剤は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmの最大粒径を有する。上述した賦形剤に、平均粒径が1〜9μmの微細な賦形剤フラクションを加えると適切な場合もあるようだ。これら微細な賦形剤は、前述した可能な賦形剤の群から選択される。最後に、本発明の吸入散剤を調製するため、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmの平均粒径の微粉化活性物質1を該賦形剤混合物に添加する。成分を粉砕かつ微粉化し、最後に該成分を一緒に混合することによって本発明の吸入散剤を製造する方法は、先行技術から既知である。
先行技術から既知の吸入器を用いて、本発明の吸入散剤を投与することができる。
本発明の噴霧ガスを含有する吸入エアロゾルは、該噴霧ガスに溶けた状態又は分散した状態で化合物1を含みうる。吸入エアロゾルを調製するために使用しうる噴霧ガスは先行技術から既知である。好適な噴霧ガスは、炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン、及びハロ炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ化誘導体の中から選択される。上記噴霧ガスは単独で使用され、又は一緒に混合して用いられる。特に好ましい噴霧ガスは、TG134a及びTG227並びにその混合物から選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。
噴霧剤駆動型吸入エアロゾルは、他の成分、例えば共溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、潤沢剤及びpH調整剤をも含有しうる。すべてのこれら成分は技術上既知である。
技術上既知の吸入器(MDI=計量吸入器(metered dose inhaler))を用いて上記噴霧剤駆動型吸入エアロゾルを投与することができる。
【0127】
さらに、本発明の活性物質1を噴霧剤のない吸入用溶液及び懸濁液の形態で投与することができる。使用する溶媒は、水性又はアルコール性、好ましくはエタノール性溶液でよい。溶媒は水単独、又は水とエタノールの混合物でよい。水に対するエタノールの相対比は制限されないが、好ましくは最大70体積%まで、さらに特に60体積%まで、最も好ましくは30体積%までである。体積の残部は水で構成される。活性物質1を含有する溶液又は懸濁液は、適宜の酸を用いてpHを2〜7、好ましくは2〜5に調整される。無機又は有機酸から選択される酸を用いてpHを調整することができる。特に好適な無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例として、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸などが挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸と硫酸である。ある活性物質と酸付加塩を既に形成している酸を使用することもできる。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望により、特にその酸性にする性質に加えて他の特性、例えば、香料、抗酸化剤又は錯化剤の特性を有する酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合、上記酸の混合物を使用しうる。本発明によれば、塩酸を用いてpHを調整することが特に好ましい。
所望により、これら製剤では、安定剤又は錯化剤としてエデト酸(editic acid)(EDTA)又はその既知塩の1つであるエデト酸ナトリウムの添加を省いてよい。他の実施態様は、この化合物又はこれら化合物を含有しうる。好ましい実施態様では、エデト酸ナトリウムに基づいたその含量は、100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、さらに好ましくは20mg/100ml未満である。一般に、エデト酸ナトリウムの含量が0〜10mg/100mlである吸入液が好ましい。
【0128】
共溶媒及び/又は他の賦形剤を噴霧剤のない吸入液に添加することができる。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含む共溶媒、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。この文脈における用語“賦形剤”及び“添加剤”は、活性物質ではないが、生理学的に許容しうる溶媒中で1つの活性物質又は複数の活性物質と配合して、該活性物質製剤の質的特性を改良しうるいずれの薬理学的に許容しうる物質をも意味する。好ましくは、これら物質は薬理学的効果を持たず、或いは、所望の療法と関連して、感知されるほどの薬理学的効果、少なくとも望ましくない薬理学的効果を持たない。賦形剤及び添加剤として、例えば大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート)、ポリビニルピロリドンのような界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は完成医薬製剤の有効期限を保証又は延長する保存剤、香料、ビタミン及び/又は技術上既知の他の添加剤が挙げられる。添加剤には、等張剤として薬理学的に許容しうる塩、例えば塩化ナトリウムも含まれる。
好ましい賦形剤として、アスコルビン酸のような抗酸化剤が挙げられ、例えば、pHを調整するため既に使用されていないという条件で、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び同様のビタミン類並びに人体内に存在するプロビタミンが挙げられる。
【0129】
保存剤を用いて病原による汚染から製剤を保護することができる。好適な保存剤は、技術上既知のもの、特に、先行技術から既知濃度の塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸若しくは安息香酸塩、例えば安息香酸ナトリウムである。上記保存剤は、好ましくは50mg/100ml、さらに好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。
好ましい製剤は、溶媒の水と活性物質1に加え、塩化ベンザルコニウムとエデト酸ナトリウムだけを含む。
別の好ましい実施態様では、エデト酸ナトリウムが存在しない。
【0130】
本発明の化合物の用量は、当然、投与方法と治療すべき疾患に大きく依存する。吸入によって投与する場合、式1の化合物は、μgの範囲の用量でさえ高い効力という特徴がある。式1の化合物をμgの範囲を超えて効率的に使用することもできる。従って、用量は、例えばミリグラムの範囲でよい。
別の局面では、本発明は、式1の化合物を含む上記医薬製剤自体に関し、特に好ましくは、吸入によって投与される上記医薬製剤に関する。
【0131】
以下の製剤例は、本発明の範囲を制限することなく、本発明を実証する。
A) アンプル溶液
式1の化合物 25mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用水 5ml
活性物質をそれ自体のpHで、又は場合によっては5.5〜6.5のpHで水に溶かし、塩化ナトリウムを加えて等張にする。得られた溶液を熱源なしでろ過し、ろ液を無菌条件下でアンプルに移してから滅菌し、融合によって封止する。アンプルは、5mg、25mg及び50mgの活性物質を含む。
【0132】
B) 計量エアロゾル(懸濁液)
式1の活性物質 0.3wt.%
ソルビトラントリオレエート(sorbitolan trioleate) 0.6wt.%
HFA134A:HFA227 2:1 99.1wt.%
計量バルブを備えた通常のエアロゾル容器中に懸濁液を移す。好ましくは、1スプレー当たり50μlの懸濁液が送達される。所望により、さらに高量で活性物質を計量してもよい。
【0133】
C) 計量エアロゾル(溶液)
式1の活性物質 0.3wt.%
無水エタノール 20wt.%
0.01mol/lのHCl水溶液 2.0wt.%
HFA134A 77.7wt.%
個々の成分を一緒に混合することによって、常法で溶液を製造する。
【0134】
D) 吸入散剤
式1の活性物質 80μg
ラクトース一水和物を加えて 10mg
個々の成分を一緒に混合することによって、常法で吸入用の散剤を製造する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【化1】

(式中、
nは、1、2、3又は4を表し;
mは、1、2又は3を表し;
Xは、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aは、CO、SO、SO2の中から選択される二重結合基を表し;
Bは、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1は、H、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキル、O-C1-6-ハロアルキル、ハロゲン、OH、CN、NO2、O-C1-6-アルキル、COOH又はCOO-C1-4-アルキルを表し;
R2は、H、C1-6-アルキル、C1-4-アルキレン-C6-C10-アリール又はC1-4-アルキレン-C3-6-シクロアルキルを表し;
R3は、H又はC1-6-アルキルを表し;
R4は、H又はC1-6-アルキルを表し;
R5は、H又はC1-6-アルキルを表す。)
【請求項2】
式中、AがCOを表す、請求項1に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項3】
式中、
nが、1、2、3又は4を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、C1-6-アルキル、C1-6-ハロアルキル、C3-6-シクロアルキル、ハロゲン、OH、CN、NO2、O-C1-6-アルキル、COOH又はCOO-C1-4-アルキルを表し;
R2が、H、C1-4-アルキル、C1-2-アルキレン-C3-6-シクロアルキル、フェニルエチル又はベンジルを表し;
R3が、H又はC1-6-アルキルを表し;
R4が、H又はC1-6-アルキルを表し;
R5が、H又はC1-6-アルキルを表す、請求項1又は2に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項4】
式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、O、S、CH2、CR3R4-O、CR3R4-S、NR5、CR3R4-NR5、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F、CH2CF3、フッ素、塩素、臭素、OH、メトキシ、エトキシ、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表し;
R3が、H、メチル、エチル又はプロピルを表し;
R4が、H、メチル、エチル又はプロピルを表し;
R5が、H、メチル、エチル又はプロピルを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項5】
式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1、2又は3を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F、CH2CF3、フッ素、塩素、臭素、OH、メトキシ、エトキシ、COOH又はCOOMeを表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項6】
式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1又は2を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル、エチル、プロピル、CF3、CH2F又はCH2CF3を表し;
R2が、H、メチル、エチル又はプロピルを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項7】
式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1を表し;
Xが、CH2、CO、NR2、S又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O、CH=CH又はCH2-CH2の中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表し;
R2が、H又はメチルを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項8】
式中、
Xが、NR2又はOを表し;ここで、R2は、請求項1〜7で定義した通りであり、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項9】
式中、
nが、2又は3を表し;
mが、1を表し;
Xが、NR2又はOを表し;
Aが、COを表し;
Bが、CH2-O又はCH=CHの中から選択される二重結合基を表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表し;
R2が、H又はメチルを表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項10】
式中、
nが、2を表し;
mが、1を表し;
Xが、NHを表し;
Aが、COを表し;
Bが、二重結合基CH2-Oを表し;
R1が、H、メチル又はCF3を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式1の化合物(任意に個々のエナンチオマー、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態でよく、任意にその薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態でよく、かつ任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)。
【請求項11】
ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨーダイド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタートレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ-p-トルエンスルホネートの中から選択される薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩の形態であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【請求項12】
下記式R-1のR-エナンチオマーの形態であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【化2】

【請求項13】
医薬組成物としての請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物。
【請求項14】
医薬組成物としての請求項1〜13のいずれか1項に記載の式1の化合物の、呼吸器疾患の治療用薬物を調製するための使用。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式1の化合物を含むことを特徴とする医薬組成物。

【公表番号】特表2008−513412(P2008−513412A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531749(P2007−531749)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054595
【国際公開番号】WO2006/032627
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】