説明

呼吸器系疾患の処置に有用な1−酢酸−インドール、−インダゾールおよび−ベンズイミダゾール誘導体

本発明は、呼吸器系疾患の処置用の医薬化合物として有用な式(I):
【化1】


の置換インドールに関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器系疾患の処置用の医薬化合物として有用な置換複素環、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EPA1170594は、オーファン受容体CRTH2に対するリガンドであるプロスタグランジンD2が介在する病態の処置に有用な化合物の同定方法を開示している。GB1356834は、抗炎症活性、鎮痛活性および解熱活性を有すると言われている一連の化合物を開示している。今般、驚くことに、ある種のインダゾール酢酸がこのCRTH2受容体において活性があり、その結果、喘息およびCOPDをはじめとする種々の呼吸器系疾患の処置に有用な可能性があると予測されることが判明した。
【発明の開示】
【0003】
第1の態様において、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
A、B、DおよびEの各々は独立にC−RまたはNであり;
Yは、C−R、NまたはC=Oであり;
Zは、酸素、硫黄、C1−6アルキレン鎖または結合であり;
は、水素、ハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリール(この直前5つの基は、所望により1〜3個のハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、S(O)、C(O)NRから独立に選択され、xは0、1または2であり;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
はアリールまたはヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル(この直前の3つの基は所望によりハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよく、xは0、1または2であり;
およびRは独立に水素原子、C1−6アルキル基、またはアリール基(この直前の2つの基は所望によりハロゲン原子、アリール、−OR12および−NR1314から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、−CONR1314、−NR13COR14、−SONR1314、NR13SO14を表すか;
または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S、NR15から選択される1以上の原子を含有してもよい、そしてそれ自体所望によりC1−3アルキル、ハロゲンによって置換されていてもよい3〜8員の飽和複素環を形成することができ;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14の各々は独立に、水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(所望により1以上のハロゲン原子、OH、O−C−Cアルキルによって置換されていてもよい)を表し;
15は、水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、−COQC−Cアルキル、QはOまたはNRであり;
ただし、
YがCRであるとき、環ABDE内の窒素原子の数は1または2であり、YがC=O、かつ、Xが窒素であるとき、Rはフェニルではあり得ない]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0004】
本明細書において、特に断りのない限り、アルキルもしくはアルケニル基またはアルキルもしくはアルケニル部分は直鎖であっても、分枝鎖であっても、環状であってもよい。
【0005】
アリールはフェニルまたはナフチルである。ヘテロアリールは、5〜7員の芳香環として定義され、あるいは各々N、SおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む6,6−または6,5−縮合二環式基であってもよい。例としては、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾールおよびアズレン、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンゾキサゾール、プリン、4H−キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、キノロンが挙げられる。
【0006】
およびRに関して定義されている複素環式環は飽和複素環を意味し、例としては、モルホリン、チオモルホリン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピペリジンおよびピペラジンが挙げられる。
【0007】
式(I)のある種の化合物は立体異性体形態で存在し得る。本発明は、式(I)の化合物のあらゆる幾何異性体および光学異性体、ならびにラセミ体を含むその混合物を含むものと理解される。互変異性体およびその混合物も本発明の一態様をなす。
【0008】
上記の式(I)の化合物は、その医薬上許容される塩または溶媒和物、好ましくは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミンもしくはプロカインの塩などの塩基付加塩、または、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩へと変換してもよい。好ましい塩としては、ナトリウム塩が挙げられる。
【0009】
アルキルとは、単独であっても、別の基の一部であっても、直鎖、分枝および環状アルキル基を含む。
【0010】
好ましくは、Yが窒素またはC−Rであるとき、Zは結合または硫黄であり、Rはアリールまたはヘテロアリールである。
【0011】
好ましくは、Rは水素、アルキル、置換アルキル、ハロゲンまたはニトリル、NRSO、NRC(O)である。
【0012】
最も好ましくは、Rは水素、フェニル、CF、CN、アルキルまたはハロゲンであり、より好ましくは、水素、フェニル、CF、CN、メチル、ヨードまたはクロロである。
【0013】
置換基Rは環ABDEのいずれの位置に存在してもよく、より好ましくは、C−R基はDおよび(または)Eの位置に存在する。
【0014】
好ましくは、環ABDEが窒素原子を含む場合、それはABDEの4つの位置のいずれに存在してもよく、より好ましくは、N原子はA、DまたはEの位置に存在する。
好ましくは、YがCRであるとき、環ABDE内の窒素原子の数は1または2であり、より好ましくは、YがCRであるとき、窒素原子の数は1である。
【0015】
好ましくは、YがNまたはC=Oであるとき、環ABDE内の窒素原子の数は0〜2である。より好ましくは、YがNまたはC=Oであるとき、環内の窒素原子の数は1であり、すなわち、A、DまたはEのいずれかがNである。
【0016】
より好ましくは、YがNまたはC=Oであるとき、環ABDEに含まれる窒素原子の数は0である。
【0017】
好ましくは、YがC=Oであるとき、Xは窒素であり、Zは結合である。
【0018】
好ましくは、Yが窒素またはC−Rであるとき、Xは炭素であり、Zは酸素、硫黄、メチレンまたは結合であり得、好ましくは、硫黄、メチレンまたは結合であり得る。好ましくは、Rはアルキルであり、より好ましくは、メチルである。
【0019】
一般構造型(I)の例としては次のものがある。
【化2】

【0020】
好適には、Rはアリールまたはヘテロアリールである。好適なヘテロアリール基としては、所望により窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい6,6−もしくは6,5−縮合二環式芳香環、または窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員複素環式環が挙げられる。
【0021】
6,6−または6,5−縮合二環式芳香環の例としては、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、4H−キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、キノロンが挙げられる。
【0022】
5〜7員複素環式環の例としては、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、チオフェン、ピロール、イソチアゾールおよびアズレンが挙げられる。
【0023】
好ましくは、Rはキノリンまたはフェニルであり、双方とも上記で定義したように所望により置換されていてもよい。置換基が存在する場合には、窒素原子を含め、R基のいずれの好適な位置に存在してもよい。R基の好ましい置換基としては、ハロゲン、S(O)、より好ましくは、フルオロ、クロロまたはSOMeが挙げられる。
【0024】
本発明の好ましい化合物としては、
5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸ナトリウム塩;
3−[(4−クロロ−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
およびその医薬上許容される塩
が挙げられる。
【0025】
式(I)のある種の化合物は立体異性体形態で存在し得る。本発明は、式(I)の化合物のあらゆる幾何異性体および光学異性体、ならびにラセミ体を含むその混合物を含むものと理解される。互変異性体およびその混合物も本発明の一態様をなす。
【0026】
上記の式(I)の化合物は、その医薬上許容される塩または溶媒和物、好ましくは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミンもしくはプロカインの塩などの塩基付加塩、または、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩へと変換してもよい。好ましい塩としては、ナトリウム塩が挙げられる。
【0027】
当然のことながら、ある種の官能基は標準的な保護基を用いて保護する必要がある場合がある。官能基の保護および脱保護については、例えば、‘Protective Groups in Organic Chemistry’, J. W. F. McOmie編, Plenum Press (1973)、および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 第3版, T. W. Greene & P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。
【0028】
式(I)の化合物は、式(II):
【化3】

(式中、A、B、D、E、Y、ZおよびRは式(I)に定義された通り)
の化合物またはその保護誘導体と式(III):
【化4】

(式中、R16はアルキル基であり、Lは脱離基である)
の化合物とを塩基の存在下で反応させ、その後、所望により、いずれかの順序で
・保護基の除去、
・エステル基R11の、対応する酸への加水分解、
・医薬上許容される塩の形成
を行うことにより製造することができる。
【0029】
この反応はTHFなどの好適な溶媒中、水素化ナトリウムなどのような塩基を用いて行うことができる。好適なR16基としては、メチル、エチル、または第三級ブチルなどのC1−6アルキル基が挙げられる。好適なLはハロ、特にブロモなどの脱離基である。好ましくは、式(III)の化合物はブロモ酢酸メチル、エチルまたはt−ブチルである。
【0030】
エステル基R16の加水分解は、例えば水酸化ナトリウムまたはトリフルオロ酢酸水溶液とともに攪拌することによるなど、常法を用いて行うことができる。
【0031】
YがNである式(II)の化合物は、式(IV)の化合物の反応によって製造することができる。
【0032】
式(IV)の化合物は、式(V)の化合物とヒドラジンとを反応させ、100℃に加熱することで製造することができる。
【化5】

【0033】
式(IV)の化合物は、式(V)の化合物の酸化により製造することができる。好適な酸化条件はSwernまたはDess−martinである。
【化6】

【0034】
式(V)の化合物は、式(VI)の化合物と式(VII)の化合物とを反応させることにより製造することができる。
【化7】

(式中、Rは式(II)で定義した通り)
【0035】
式(VII)および(VIII)の化合物は市販されているか、または当技術分野で周知の標準的な化学法を用いて製造することができる。
【0036】
YがC−Rである式(II)の化合物は、WO01/07436に記載の手順を用い、式(IX)の化合物と式(XI)の化合物を反応させることで製造することができる。
【化8】

【0037】
Zが硫黄であるとき、式(II)の化合物を、DMFまたは第三級ブタノールなどの好適な溶媒中、カリウム第三級ブトキシドなどの塩基の存在下、加熱しながらジスルフィド(IXa):
【化9】

で処理する。
【0038】
ZがCHであるとき、式(II)の化合物を、臭化エチルマグネシウムおよびBrCHなどのグリニャール試薬で処理する。
【0039】
YがC=Oであり、XがNである式(II)の化合物は、式(XII)の化合物から、トリエチルアミン、およびDMFなどの好適な溶媒中のアジ化ジフェニルホスホリルで処理することで合成される。
【化10】

【0040】
式(XII)の化合物は、式(XIII)と(XIV)の化合物を反応させることで製造することができる。
【化11】

【0041】
式(II)、(V)および(IV)の特定の化合物またはその保護誘導体は新規なものであると考えられ、本発明のさらなる態様をなす。
【0042】
当業者ならば、本発明の工程において、出発試薬または中間化合物中の特定の官能基は保護基により保護する必要のある場合がある。よって、式(I)の化合物の製造は、適当な段階において1以上の保護基を除去することを含む。官能基の保護および脱保護については、‘Protective Groups in Organic Chemistry’, J. W. F. McOmie編, Plenum Press (1973)、および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 第3版, T. W. Greene & P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に詳細に記載されている。
【0043】
さらなる態様において、本発明は、治療に用いるための式(I)の化合物、医薬上許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0044】
式(I)の化合物は、医薬としての、特にCRTh2受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、PGDおよびその代謝産物の過剰な、または調節を受けない産生により悪化する、または引き起こされるヒトおよび非ヒト動物における症状/疾病の処置(治療または予防)に使用できる。このような症状/疾病の例としては以下のものが挙げられる。
【0045】
さらなる態様において、本発明は、治療に用いるための式(I)の化合物、そのプロドラッグ、医薬上許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0046】
式(I)の化合物は、医薬としての、特にCRTh2受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、PGDおよびその代謝産物の過剰な、または調節を受けない産生により悪化する、または引き起こされるヒトおよび非ヒト動物における症状/疾病の処置(治療または予防)に使用できる。このような症状/疾病の例としては以下のものが挙げられる。
【0047】
本発明の化合物、またはその医薬上許容される塩は、
(1)(気道) 気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、薬剤性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性)および塵肺など、間欠型と持続型の双方、およびあらゆる重篤度のものを含む喘息、および気道過敏の他の原因;慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎(感染性気管支炎および好酸性気管支炎を含む);気腫;気管支拡張症;嚢胞性繊維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏感性肺炎;肺繊維症(潜源性繊維性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法および慢性感染(結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染症を含む)に合併する繊維症を含む);肺移植合併症;肺血管の血管炎および血栓性障害、ならびに肺高血圧症;気道の炎症性症状および分泌症状に関連した慢性的な咳および医原性の咳の処置を含む鎮咳活性;急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む);鼻ポリープ;急性ウイルス感染症(風邪を含む)および呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染
(2)(骨および関節) 原発性、および例えば先天性股関節形成異常に続発する変形性関節症(osteoarthritis/osteoarthrosis)に関連する、または含む関節炎;頸部および腰部脊椎炎、ならびに腰痛および頸部痛;慢性関節リウマチおよびスティル病;血清反応陰性椎骨関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および未分化脊椎関節症を含む);敗血性関節炎およびその他の感染関連関節症、ならびにポット病およびポンセット症候群を含む結核などの骨疾患;急性および慢性結晶誘発性滑膜炎(尿酸痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患、およびカルシウムアパタイト関連腱、滑液包および滑膜炎症を含む);ベーチェット病;原発性および続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局性硬皮症;全身性紅斑性狼瘡、混合性結合組織病、および未分化結合組織病;炎症性筋障害(皮膚筋炎および多発性筋炎を含む);リウマチ性多発性筋痛;若年性関節炎(どの関節であれ、関節置換術の原因不明の炎症性関節炎疹および関連の症候群、ならびにリウマチ熱およびその全身性合併症を含む);脈管炎(巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ−ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎、およびウイルス感染、過敏感性反応、寒冷グロブリン、およびパラプロテインに関連する血管炎を含む);腰痛;家族性地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、および家族性アイルランド熱、菊池病;薬剤性関節痛、腱炎、および筋障害
(3)(皮膚) 乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏感反応;植物性皮膚炎および光線皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹性皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型脱毛症、スイート症候群、ウェーバー−クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣炎(感染性および非感染性の双方);皮下脂肪組織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌およびその他の形成不全性病変;固定薬疹を含む薬剤性疾患
(4)(眼) 眼瞼炎、結膜炎(通年性および春季性アレルギー性結膜炎を含む);虹彩炎;前部ブドウ膜炎および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜を侵す自己免疫疾患、変性性疾患または炎症性疾患;眼炎(交感神経性眼炎を含む);サルコイドーシス;ウイルス、真菌および細菌などの感染症
(5)(消化管) 舌炎、歯肉炎、歯周炎;食道炎(逆流を含む);好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れて作用し得る食物関連アレルギー(例えば片頭痛、鼻炎、または湿疹)
(6)(腹部) 肝炎(自己免疫性肝炎、アルコール性肝炎およびウイルス性肝炎を含む);肝臓の繊維症および硬変;胆嚢炎;膵炎(急性および慢性の双方)
(7)(尿生殖器) 腎炎(間質性腎炎および糸球体腎炎を含む);ネフローゼ症候群;膀胱炎(急性および慢性(間質性)膀胱炎、ならびにハナー潰瘍を含む);急性および慢性尿道炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペーロニー病;勃起不全(男性および女性の双方)
(8)(同種移植片拒絶反応) 例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜移植後のまたは輸血後の急性および慢性同種移植片拒絶反応;または慢性移植片対宿主病
(9)(CNS) アルツハイマー病、ならびにCJDおよびnvCJDを含む他の痴呆性疾患;アミロイドーシス;多発性硬化症およびその他の脱髄性症候群;脳アテローム性動脈硬化症および血管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性および慢性疼痛(脳起源であれ末梢起源であれ、急性、間欠性または持続性のもの、内臓痛、頭痛、片頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節および骨痛、癌および腫瘍浸潤からくる疼痛、神経因性疼痛症候群(糖尿病神経障害、疱疹後神経障害、およびHIV関連神経障害を含む);神経サルコイドーシス;悪性過程、感染過程または自己免疫過程の中枢神経系および末梢神経系合併症
(10) その他の自己免疫疾患およびアレルギー性疾患(橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群
(11) 炎症性成分または免疫成分を伴うその他の疾患(後天性免疫不全症候群(AIDS)、らい病、セザリー症候群および傍腫瘍症候群を含む)
(12)(心血管) 冠動脈循環および末梢循環を侵すアテローム性動脈硬化症;心膜炎、心筋炎、炎症性心筋症および自己免疫性心筋症(心筋サルコイドを含む);虚血性再潅流傷害;心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎(感染性のもの(例えば、梅毒性のもの)を含む);血管炎;近位静脈および末梢静脈の疾患(静脈炎および血栓症を含み、これは深静脈血栓症および拡張蛇行静脈の合併症を含む)
(13)(腫瘍) 前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、腸および結腸癌、胃癌、皮膚癌および脳腫瘍を含む一般的な癌、および骨髄を侵す悪性疾患(白血病を含む)およびホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫などのリンパ増殖系を侵す悪性疾患の処置(転移性疾患および腫瘍再発、ならびに傍腫瘍症候群の予防および処置を含む)
(14) PGDまたはその代謝産物のレベルの上昇に関連する疾病
の処置に使用できる。
【0048】
よって、本発明は、治療に用いるための、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0049】
好ましくは、本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属す疾病を処置するために使用される。
【0050】
本発明の化合物で処置可能な特定の症状は、喘息、鼻炎およびPGDまたはその代謝産物のレベルが上昇している他の疾病である。本発明の化合物は喘息の処置に用いるのが好ましい。
【0051】
さらなる態様において、本発明は、治療に用いるための薬剤の製造における、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0052】
本発明はさらに、式(1)の化合物、またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはin vivoで加水分解可能なエステル、または式(1)の化合物を含む医薬組成物もしくは医薬製剤を、喘息、アレルギー性鼻炎、癌、COPD、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、変形性関節症または骨粗鬆症のいずれかの処置のための療法および/または薬剤と同時または逐次に投与する組合せ療法に関する。
【0053】
特に、炎症性疾患、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置のためには、本発明の化合物を、抗TNFモノクローナル抗体(Remicade、CDP−870およびDなど)およびTNF受容体免疫グロブリン分子(Enbrel.reg.など)のようなTNF−α阻害剤、非選択性COX−1/COX−2阻害剤(ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸(ナプロキセン、フルルビプロフェン(flubiprofen)、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェンなど)、フェナメート類(メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾンなど)、ピラゾロン類(フェニルブタゾンなど)、サリチレート類(アスピリンなど)、COX−2阻害剤(メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびエトリコキシブ)、低用量メトトレキサート、レフノミド;シクレソニド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは非経口用もしくは経口用金といった薬剤と組み合わせることができる。
【0054】
本発明はさらに、本発明の化合物と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト(ジロートンなど);ABT−761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類(Zeneca ZD−2138など);化合物SB−210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物(L−739,010など);2−シアノキノリン化合物(L−746,530など);インドールおよびキノリン化合物(MK−591、MK−886およびBAY x 1005など)との組合せに関する。
【0055】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、L−651,392などのフェノチアジン−3−オンからなる群から選択されるロイコトリエンLTB、LTC、LTD、およびLTEの受容体アンタゴニスト;CGS−25019cなどのアミジノ化合物;オンタゾラストなどのベンゾオキサラミン類;BIIL 284/260などのベンゼンカルボキシイミドアミド類;およびザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195などの化合物との組合せに関する。
【0056】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、PDE4Dのアイソフォームの阻害剤を含むPDE4阻害剤との組合せに関する。
【0057】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、およびクロロフェニラミンなどの抗ヒスタミン性H受容体アンタゴニストとの組合せに関する。
【0058】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、胃保護性H受容体アンタゴニストとの組合せに関する。
【0059】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、および塩酸エチルノルエピネフリンなどのα−およびα−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮性交感神経作用薬との組合せに関する。
【0060】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;およびテレンゼピンなどの抗コリン作用薬との組合せに関する。
【0061】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、およびピルブテロールなどのβ−〜β−アドレナリン受容体アゴニスト;またはテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;クロモグリク酸ナトリウム;またはムスカリン性受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストとの組合せに関する。
【0062】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、I型インスリン様増殖因子(IGF−1)ミメティックとの組合せに関する。
【0063】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、およびフロ酸モメタゾンなどの、全身性副作用を軽減した吸入型グルココルチコイドとの組合せに関する。
【0064】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤、すなわちストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグレカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−12との組合せに関する。
【0065】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーに対して);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーに対して)ならびにC−X−Cファミリーに対してはCXCR1などのケモカイン受容体機能の他のモジュレーターとの組合せに関する。
【0066】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、Viracept、AZT、アシクロビルおよびファムシクロビルなどの抗ウイルス薬、およびValantなどの抗菌化合物との組合せに関する。
【0067】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、カルシウムチャネル遮断薬などの心血管薬、スタチンやフィブラートなどの脂質低下薬、β遮断薬、Ace阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニストおよび血小板凝集阻害剤との組合せに関する。
【0068】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、抗鬱薬(セルトラリンなど)、抗パーキンソン薬(デプレニル、L−ドーパ、Requip、Mirapex、MAOB阻害剤(セレジンおよびラサジリンなど)、comP阻害剤(Tasmarなど)、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストおよび神経型一酸化窒素シンターゼ阻害剤など)、および抗アルツハイマー薬(ドネペジル、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリフォネートなどのCNS薬との組合せに関する。
【0069】
本発明はなおさらに、本発明の化合物と、(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)MAPキナーゼ阻害剤;(viii)グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;(ix)キニン−B−およびB−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風薬、例えば、コルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール;(xii)尿酸排泄薬、例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進薬;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)繊維芽細胞増殖因子、例えば、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)NKP−608C、SB−233412(タルネタント)、およびD−4418からなる群から選択されるタキキニンNKおよびNK受容体アンタゴニスト;(xx)UT−77およびZD−0892からなる群から選択されるエラスターゼ阻害剤;(xxi)TNFα変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤(iNOS);または(xxiii)TH2細胞で発現された化学誘因物質受容体同族分子(CRTH2アンタゴニスト)との組合せに関する。
【0070】
本発明の化合物はまた、ロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンまたはフォソマックスなどの骨粗鬆症薬、およびFK−506、ラパマイシン、シクロスポリン、アザチオプリン、およびメトトレキサートなどの免疫抑制薬と組み合わせて使用することもできる。
【0071】
本発明の化合物はまた、変形性関節症の処置のための既存の治療薬と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて用いる好適な薬剤としては、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類(ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェンなど)、フェナメート類(例えば、メフェナム酸など)、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン類(フェニルブタゾンなど)、サリチレート類(アスピリンなど)といった標準的な抗ステロイド系抗炎症薬(以下、NSAID)、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブなどのCOX−2阻害剤、鎮痛薬、およびコルチコステロイドやヒアルロン酸類(ヒアルガンおよびシンビスクなど)などの関節内治療薬、およびP2X7受容体アンタゴニストが挙げられる。
【0072】
本発明の化合物はまた、癌の処置のための既存の治療薬と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて用いる好適な薬剤としては、
(i) アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソ尿素);代謝拮抗物質(例えば、5−フルオロウラシルやテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビンおよびパクリタキセル(タキソール(登録商標));抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラサイクリン);細胞分裂抑制薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイド、ならびにタキソールおよびタキソテールのようなタキソイド);ならびにトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドやテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン)といった癌医療に用いられるような抗増殖薬/抗腫瘍薬およびその組合せ;
(ii) 抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えば、フルベストラン)、抗アンドロゲン(例えば、酢酸ビカルタミド、酢酸フルタミド、酢酸ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)、ならびにフィナステリドなどの5α−レダクターゼ阻害剤といった細胞増殖抑制剤;
(iii) 癌細胞の浸潤を阻害する薬剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、およびウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤);
(iv) 増殖因子機能の阻害剤、例えば、このような阻害剤としては、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbb2抗体トラスツズマブ[ヘルセプチン(商標)]および抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI 774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤)、例えば、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、例えば、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤が挙げられる;
(v) 血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害するもののような抗脈管形成薬(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin(商標)]、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に開示されているものなどの化合物)および他の機構で働く化合物(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能阻害剤およびアンギオスタチン);
(vi) コンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213に開示されている化合物といった血管傷害剤;
(vii) アンチセンス療法、例えば、抗rasアンチセンスであるISIS 2503など、上記で挙げた標的に対するもの;
(viii) 遺伝子療法アプローチ(例えば、異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2などの異常な遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いるものなどのGDEPT(gene directed enzyme pro drug therapy)アプローチ、および多剤耐性遺伝子療法などの化学療法または放射線療法に対する患者の許容性を高めるアプローチを含む);および
(ix) 免疫療法アプローチ(例えば、インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクションなど、患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるex vivoおよびin vivoアプローチ、T細胞アネルギーを低下させるアプローチ、サイトカインによってトランスフェクトされた樹状細胞などのトランスフェクト免疫細胞を用いたアプローチ、サイトカインによってトランスフェクトされた腫瘍細胞系統を用いたアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を用いたアプローチを含む);を含む。
【0073】
なおさらなる態様において、本発明は、CRTh2受容体の活性の調節が有益なヒト疾病または症状の処置のための薬剤の製造における、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0074】
本明細書において、「治療」とは、特にそうではないことが示されない限り、「予防」も含む。「治療的」および「治療上」もこれに応じて解釈すべきである。
【0075】
本発明はなおさらに、PGD2またはその代謝産物(このプロスタノイドはその受容体(特にCRTh2)受容体と結合する)が介在する疾病を処置する方法を提供し、その方法は、患者に、治療上有効な量の、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む。
【0076】
本発明はまた、炎症性疾患、特に乾癬を患う、またはそのリスクのある患者において、該疾患を処置する方法を提供し、その方法は、その患者に、治療上有効な量の、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む。
【0077】
上述の治療的使用のためには、投与量は当然、用いる化合物、投与様式、意図する処置および適応される疾患によって異なる。
【0078】
上述の治療的使用のためには、投与量は当然、用いる化合物、投与様式、意図する処置および適応される疾患によって異なる。
【0079】
式(I)の化合物、そのプロドラッグおよび医薬上許容される塩および溶媒和物はそれら自体で用いることもできるが、一般には、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(有効成分)を医薬上許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わせた医薬組成物の形態で投与する。投与様式に応じて、医薬組成物は、0.05〜99重量%、より好ましくは0.05〜80重量%、なおより好ましくは0.10〜70重量%、いっそうより好ましくは0.10〜50重量%の有効成分を含むのが好ましい。なお、全て、全組成物に対する重量%である。
【0080】
本発明はまた、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を、医薬上許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。
【0081】
医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカンエアゾールおよび乾燥粉末製剤の形態で局所投与(例えば、肺および/または気道、または皮膚に対するものなど)することもできるし、あるいは例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ、粉末または顆粒の形態での経口投与により、もしくは溶液または懸濁液の形態での非経口投与により、もしくは皮下投与により、もしくは坐剤の形態での直腸投与により全身投与することもできるし、経皮投与することもできる。好ましくは本発明の化合物は経口投与される。
【0082】
本発明はまた、以上で定義したような式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を、医薬上許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。
【0083】
以下に、本発明を非限定的な実施例により示すが、特に断りのない限り以下の通りである。
(i) これらの実施例および方法の標題および副題化合物は、Advanced Chemical Development Inc, CanadaからのACD labs/nameプログラム(バージョン6.0)を用いて呼称した。
(ii) 特に断りのない限り、Symmetry, NovaPakまたはEx-Terra逆相シリカカラムを用いて逆相分取HPLCを行った。
(iii) フラッシュカラムクロマトグラフィーは、順相シリカクロマトグラフィーを言う。
(iv) 溶媒は、MgSOまたはNaSOで乾燥させた。
(v) 蒸発は真空回転蒸発によって行い、濾過により、乾燥剤のような残渣固体を除去した後に後処理を行った。
(vi) 特に断りのない限り、操作は周囲温度、すなわち、18〜25℃の範囲、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行った。
(vii) 収量は単に例として示すものであり、必ずしも達成可能な最大値ではない。
(viii) 式(I)の最終生成物の構造は核(一般に、プロトン)磁気共鳴(NMR)および質量スペクトル技術により確認した。なお、プロトン磁気共鳴化学シフト値はδスケールで評価し、ピーク多重度は次のように示す:s、一重項;d、二重項;t、三重項;m、多重項;br、ブロード;q、四重項;quin、五重項。
(ix) 中間体は、一般に、完全に同定せず、純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、赤外線(IR)またはNMR分析により評価した。
(x) 質量スペクトル(MS):一般に、示されている場合には、親マスを示すイオンのみを記載し、H NMRデータは、主要な判定プロトンのδ値の形態で、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対しての百万分の一(ppm)で示す。
(xi) 以下の略号を用いる。
EtOAc 酢酸エチル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
NMP N−メチルピロリジン
THF テトラヒドロフラン
RT 室温
TFA トリフルオロ酢酸
【実施例】
【0084】
実施例1
5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
【化12】

【0085】
a) α−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4−キノリンメタノール
−78℃にて、THF(100ml)中の3−ブロモ−4−フルオロトルエン(2g)にn−BuLi(ヘキサン中2.5M、5.1ml)を滴下した。この反応混合物を10分間攪拌した後、THF(10ml)中の4−キノリンカルボキシアルデヒド(1.7g)を滴下し、40分間攪拌した。この反応混合物をクエンチして(水)、室温とした後、抽出し(EtOAc)、乾燥させ(MgSO)、および真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc:ヘキサン=6:4で溶出)により精製し、副題化合物を白色固体として得た(1.15g)。
MS ESI+ 267 [M+1]
【0086】
b) (2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4−キノリニル−メタノン
−78℃にて、ジクロロメタン(40ml)中、塩化オキサリル(1.12ml)の溶液にDMSO(1.26ml)を滴下した。この溶液を30分間攪拌した後、ジクロロメタン(10ml)中のステップaからの生成物(1.11g)を滴下した。この反応混合物を2時間かけて0℃とした。温度を0〜10℃の間に維持しながらトリエチルアミン(1.25ml)を加え、5分間攪拌した。この反応混合物をクエンチし(水)、2層に分けた。その後、ジクロロメタンで再度抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにより精製し(シリカ、EtOAc:ヘキサン=1:1で溶出)、副題化合物を黄色固体として得た(1.2g)。
MS ESI+ 265 [M+1]
【0087】
c) 4−(5−メチル−1H−インダゾール−3−イル)−キノリン
トルエン(6ml)中、ステップb)の生成物(0.52g)にヒドラジン(Hydazine)一水和物(0.48ml)を加え、110℃で3日間加熱した。この反応物を真空濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc:ヘキサン(hexame)=4:6で溶出)により精製し、副題化合物を得た(0.25g)。
MS ESI+ 260 [M+1]
【0088】
d) 5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸エチルエステル
窒素下、THF(8ml)中、ステップcからの生成物(245mg)にNaH(鉱油中60%分散物、50mg)を加えた。この反応混合物を10分間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(0.11ml)を滴下し、その混合物をさらに1時間攪拌した。この反応混合物を水でクエンチし、抽出した(EtOAc)。有機相を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc:ヘキサン(hexame)=3:7)により精製し、副題化合物を得た(100mg)。
MS ESI+ 346 [M+1]
【0089】
e) 5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
ステップbからの生成物(70mg)をNaOH(2M、0.2ml)、THF(1ml)およびメタノール(1ml)で処理した。得られた溶液を室温で3時間攪拌した。この反応混合物を真空濃縮した後、逆相HPLC(アンモニアおよびアセトニトリルで溶出)により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た(15mg)。
1H NMR (DMSO) δ 2.43(s, 3H), 5.38(s,2H), 7.35(d,1H), 7.5-7.83(m,5H), 8.12(d,1H), 8.53(d, 1H), 9.03(d, 1H).
MS APCI+ 318 [M+1]
【0090】
実施例2
5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
【化13】

【0091】
a) 4−フルオロ−3−(ヒドロキシ−4−キノリニルメチル)−ベンゾニトリル
副題化合物は、2−フルオロ−4−シアノブロモベンゼンおよびキノリン−4−アルデヒドを用い、実施例1パートaの方法によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 2.84(d,1H), 6.85(d,1H), 7.18-7.22(m,1H), 7.52-7.89(m,5H), 7.92(d, 1H), 8.08(d, 1H) and 8.97(d,1H).
【0092】
b) 4−フルオロ−3−(4−キノリニルカルボニル)−ベンゾニトリル
副題化合物は、ステップa)の生成物を用い、実施例1パートbの方法によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 7.23-7.31(m,1H), 7.39(d,1H), 7.62(t, 1H), 7.82(t,1H), 7.84-7.98(m,1H), 8.13-8.18(m,2H), 8.2-8.25(d, 1H), 9.05(d,1H).
【0093】
c) 3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−5−カルボニトリル
副題化合物は、ステップb)の生成物を用い、実施例1パートcの方法によって製造した。
MS APCI+ 279 [M+1]
【0094】
d) 5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸エチルエステル
副題化合物は、ステップc)の生成物を用い、実施例1パートdの方法によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 0.83(t,3H), 4.31(q,2H), 5.34(s,2H), 7.54-7.76(m,4H), 7.8-7.84(m,1H), 8.14(s,1H), 8.27-8.31(m, 2H), 9.08(d,1H).
【0095】
e) 5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
標題化合物は、ステップd)の生成物を用い、実施例1パートe)の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 5.16 (s,2H), 7.6-7.7(m,1H), 7.78-7.96(m,4H), 8.15-8.19(d,1H), 8.42(s, 1H), 8.78(d,1H) and 9.05(d,1H).
【0096】
実施例3
3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸
【化14】

【0097】
a) 7−フルオロ−α−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ナフタレンメタノール
2−ブロモ−1−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンおよび6−フルオロキノリンを用い、実施例1ステップaの方法によって製造した。
MS ESI+ 340 [M+1]
【0098】
b) (6−フルオロ−4−キノリニル)[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−メタノン
ジクロロメタン(25ml)中、ステップaの生成物(0.85g)にデス・マーチンペルヨージノン(1.06g)を加えた。この溶液を2時間攪拌した後、チオ硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、その後、真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAC:ヘキサン(hexame)=3:7で溶出)により精製し、副題化合物を得た(420mg)。
MS ESI+ 338 [M+1]
【0099】
c) 6−フルオロ−4−[4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−3−イル]−キノリン
副題化合物は、ステップc)の生成物から、実施例1ステップc)の方法によって製造した。
MS ESI+ 314 [M+1]
【0100】
d) 3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸エチルエステル
窒素下、THF(8ml)中、ステップcからの生成物(245mg)にNaH(鉱油中60%分散物、22mg)を加えた。この反応混合物を10分間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(0.11ml)を滴下し、その混合物をさらに1時間攪拌した。この反応混合物を水でクエンチし、抽出した(EtOAC)。有機相を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、EtOAC:ヘキサン(hexame)=3:7で溶出)により精製し、副題化合物を得た(100mg)。
MS ESI+ 346 [M+1]
【0101】
e) 3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸
標題化合物は、ステップd)の生成物を用い、実施例1パートe)の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 5.1(s,2H), 7.14(dd,1H), 7.57-7.62(m,3H), 7.62-7.75(m,1H), 8.051(d, 1H), 8.18-8.22(m,1H) and 9.01 (d,1H).
【0102】
実施例4
4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
【化15】

【0103】
a) α−(2−フルオロ−6−ヨードフェニル)−4−キノリンメタノール
窒素下、0℃にて、THF(80ml)中、ジイソプロピルアミンの攪拌溶液に、n−BuLi(2.5M)を滴下した。この反応混合物を−78℃まで冷却し、1−ヨード−3−フルオロベンゼン(10g)を滴下した。この反応混合物をこの温度で1.5時間攪拌し、THF(30ml)中、キノリン−4−アルデヒド(7.1g)の溶液で処理し、10分間攪拌した後、塩化アンモニウム溶液でクエンチし、室温とした。この混合物を水および酢酸エチルで希釈した。有機相を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。ジエチルエーテルでトリチュレートした後、副題化合物を白色固体として得た(6.65g)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.97-3(m, 1H), 6.76(d, 1H), 7-7.5(m,1H), 7.42(m, 1H), 7.52-7.58(m,1H), 7.64-7.79(m, 2H), 8.02(d, 1H) and 8.18(d, 1H).
【0104】
b) 4−(4−ヨード−1H−インダゾール−3−イル)−キノリン
ステップa)の生成物を用い、実施例3パートbおよびcの方法によって製造した。
MS ESI+ 372 [M+1]
【0105】
c) 4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸1,1−ジメチルエチルエステル
副題化合物は、パートb)の生成物(0.82g)およびブロモ酢酸tert−ブチル(0.5ml)を用い、実施例1パートd)の方法によって製造した。この生成物をさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0106】
d) 4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸
ステップc)の生成物(0.2g)を、ジクロロメタン(4ml)に溶解し、TFA(1ml)で処理し、室温で一晩攪拌し、真空濃縮した。副題化合物を逆相HPLCによりさらに精製し、副題化合物を黄色固体として得た(93mg)。
1H NMR (DMSO) δ 5.4(s,2H), 7.2-7.23 (m,1H), 7.42-7.9(m,5H), 8.16(d,1H) and 9.07(d, 1H).
【0107】
実施例5
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール−1−酢酸
【化16】

【0108】
a) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール
DMF(8ml)中、5−ヨードインダゾール(0.3g)をカリウム第三級ブトキシド溶液(1.5ml、THF中1M)およびビス(4−クロロフェニル)ジスルフィドで処理し、4日間65℃で加熱し、その後、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥させ(MgSO)、その後、真空濃縮した。シリカクロマトグラフィーにより精製し、生成物を白色固体として得た。
MS ES+ 387 [M+1]
【0109】
b) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール−1−酢酸
副題化合物は、ステップa)からの生成物を用い、実施例1パートd)および実施例1パートe)の方法によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 4.98(s, 2H), 7.17(dd, 2H), 7.36(dd,2H), 7.51(d, 1H), 7.63(dd,1H) and 7.87(s,1H)
【0110】
実施例6
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸ナトリウム塩
【化17】

【0111】
a) 7−クロロ−4−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−キノリン
2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.4g)、4−クロロキノリン(0.6g)およびN−メチルピロリジン(1ml)を100℃で2日間攪拌した。この反応混合物をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して固体を得、これを、酢酸エチル:イソヘキサン(3:7)で溶出するシリカクロマトグラフィーによりさらに精製し、副題化合物を得た(31mg)。
MS ES+ 293 [M+1]
【0112】
b) 3−(7−クロロ−4−キノリニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸エチルエステル
副題化合物は、ステップa)の生成物から、実施例1パートd)の方法によって製造した。
MS ES+ 380 [M+1]
【0113】
c) 3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸ナトリウム塩
パートb)の生成物(30mg、0.09mmol)、水酸化ナトリウム(0.09ml)、メタノール(0.2ml)およびTHF(0.2ml)を室温で一晩攪拌した。この溶液を真空濃縮した後、ジエチルエーテルでトリチュレートし、標題化合物を白色固体として得た(20mg)。
1H NMR (DMSO) δ 2.3(s, 3H), 4.62(d, 2H), 7.01-7.06(M, 1H), 7.5-7.6(m,3H), 7.8(d, 1H), 8.15-8.22(m,2H) and 8.98(d,1H).
【0114】
実施例7
3−[(4−クロロ−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
【化18】

【0115】
a) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
tert−ブタノール(25ml)中、2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(0.5g)およびカリウムtert−ブトキシド(3.7ml、tert−ブタノール中1M)の混合物を還流下で20分間加熱した後、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド(1.44g)を加えた。さらに1時間加熱した後、その混合物を冷却し、水(100ml)を加えた。沈殿を濾別し、水、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、標題化合物を得た(930mg)。
MS ESI+ 289 [M+1]
【0116】
b) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸エチルエステル
副題化合物は、ステップa)の生成物を用い、実施例1パートdの方法によって製造した。
MS ESI+ 375 [M+1]
【0117】
c) 3−[(4−クロロ−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
ステップbの生成物(355mg)をNaOH水溶液(1M、0.95ml)、THF(15ml)および水(2ml)で処理した。得られた溶液を室温で5時間攪拌した後、減圧下で蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートし、濾過し、乾燥させ、標題化合物を得た(0.302g)。
δH (DMSO) 2.39(s,3H), 2.47(s,3H), 4.46(s,2H), 6.69-7.25(m,5H), 7.65(d,1H).
MS APCI- 345 [M-1]
【0118】
実施例8
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
【化19】

【0119】
a) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
室温にて、THF(20ml)中、2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(0.44g)の攪拌溶液に、臭化エチルマグネシウム(1.2ml、ジエチルエーテル中3M)を加えた。30分後、臭化p−メチルスルホニルベンジル(0.7g)を加え、その混合物を還流下で2時間加熱した。DMF(5ml)を加え、その混合物を還流下で4時間加熱し、冷却し、酢酸エチルと水の層間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、5%メタノール/DCMで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た(0.121g)。
MS ESI+ 315 [M+1]
【0120】
b) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸エチルエステル
DMF(5ml)中、ステップa)からの生成物(0.115g)、炭酸カリウム(0.2g)およびブロモ酢酸エチル(0.05ml)を50℃で5時間加熱した。ブロモ酢酸エチル(0.1ml)を加え、その混合物をさらに4時間80℃で加熱し、冷却した後、ジエチルエーテルと水の層間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、2〜3%メタノール/DCMで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製し、副題化合物を得た(73mg)。
MS ESI+ 401 [M+1]
【0121】
c) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
ステップb)からの生成物(72mg)をNaOH水溶液(1M、0.3ml)、THF(5ml)および水(3ml)で処理した。得られた溶液を室温で3時間攪拌した後、2M HCl(3ml)を加えた。水層を酢酸エチルで抽出した後、減圧下で蒸発させた。残渣を水から再結晶させ、副題化合物を得た(40mg)。
1H NMR (DMSO) δ 2.40(s,3H), 2.81(s,3H), 3.17(s,3H), 4.52(s,2H), 5.27(s,2H), 7.45(d,1H), 7.49(d,2H), 7.82(d,2H), 8.57(d,1H), 15.74(s,1H).
MS APCI- 371 [M-1]
【0122】
実施例9
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
【化20】

【0123】
a) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
DMF(15ml)中、2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(0.4g)、炭酸カリウム(0.7g)およびビス(4−メチルスルホニルフェニル)ジスルフィド(1.2g)の混合物を室温で4日間攪拌した後、50℃で6時間加熱した。この混合物を酢酸エチルと水の層間に分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルでトリチュレートし、濾過し、副題化合物を得た(0.3g)。
MS ESI+ 333 [M+1]
【0124】
b) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸1,1−ジメチルエチルエステル
DMF(8ml)中、ステップa)の生成物(0.3g)、炭酸カリウム(0.3g)およびブロモ酢酸tert−ブチル(0.13ml)を室温で18時間攪拌した。混合物を酢酸エチルと水の層間に分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル/イソヘキサンでトリチュレートし、副題化合物を得た(0.175g)。
MS ESI+ 447 [M+1]
【0125】
c) 2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸
ステップb)からの生成物(0.175g)、トリフルオロ酢酸(5ml)およびDCM(10ml)を室温で16時間攪拌した後、減圧下で蒸発させた。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過し、標題化合物を得た(125mg)。
1H NMR (DMSO) δ 2.71(s,3H), 3.16(s,3H), 5.34(s,2H), 7.21(d,2H), 7.43(brd,1H), 7.75(d,2H), 8.46(brs,1H).
MS APCI- 389 [M-1]
【0126】
実施例10
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
【化21】

【0127】
a) [2−クロロ−3−(1−プロピニル)−4−ピリジニル]−カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル
DMF(30ml)中、(2−クロロ−3−ヨード−ピリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.4g)、ヨウ化銅(I)(0.09g)、トリエチルアミン(2.8ml)、プロピン(約1g)およびジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2g)の混合物を50℃で5時間加熱した。この混合物をジエチルエーテルと水の層間に分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、10%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製し、副題化合物を得た(2.14g)。
MS ESI- 265/7 [M-1]
【0128】
b) 4−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
DMF(50ml)中、ステップa)からの生成物(2.1g)およびヨウ化銅(I)(0.035g)を90℃で6時間加熱し、冷却し、酢酸エチルと塩水の層間に分配した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、40%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製し、副題化合物を得た(0.785g)。
1H NMR (DMSO) δ 2.42(s,3H), 6.24(s,1H), 7.29(d,1H), 7.87(d,1H), 11.76(s,1H).
【0129】
c) 4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
副題化合物は、ステップb)の生成物を用い、実施例9パートa)の方法によって製造した。
MS ESI+ 309/11 [M+1]
【0130】
d) 4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸1,1−ジメチルエチルエステル
副題化合物は、ステップc)の生成物を用い、実施例9パートb)の方法によって製造した。
MS ESI+ 423/5 [M+1]
【0131】
e) 4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
標題化合物は、ステップd)の生成物を用い、実施例9パートc)の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 2.46(s,3H), 5.23(s,2H), 6.98(d,2H), 7.29(d,2H), 7.69(d,1H), 8.05(d,1H).
MS APCI- 365/7 [M-1]
【0132】
実施例11
4−クロロ−2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
【化22】

標題化合物は、実施例10の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 2.71(s,3H), 3.16(s,3H), 5.34(s,2H), 7.21(d,2H), 7.43(brd,1H), 7.75(d,2H), 8.46(brs,1H).
MS APCI- 389 [M-1]
【0133】
実施例12
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
【化23】

【0134】
a) 4−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル
DCM(20ml)中、実施例10パートb)からの生成物(0.5g)、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.655g)および4−ジメチルアミノピリジン(0.05g)を室温で72時間攪拌した後、ジエチルエーテルと水の層間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させ、副題化合物を得た(0.8g)。
MS ESI+ 267/9 [M+1]
【0135】
b) 2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル
ジオキサン(20ml)中、ステップa)からの生成物(0.6g)、フッ化セシウム(0.87g)、フェニルボロン酸(0.45g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1g)を100℃で5時間加熱し、冷却し、ジエチルエーテルと水の層間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製し、副題化合物を得た(0.627g)。
MS ESI+ 309 [M+1]
【0136】
c) 2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジントリフルオロ酢酸塩
ステップb)からの生成物(0.62g)、トリフルオロ酢酸(5ml)およびDCM(15ml)を室温で24時間攪拌した後、減圧下で蒸発させた。粗生成物を次のステップで用いた。
【0137】
d) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
副題化合物は、ステップc)の生成物を用い、実施例9パートa)の方法によって製造した。
MS ESI+ 351/3 [M+1]
【0138】
e) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸1,1−ジメチルエチルエステル
副題化合物は、ステップd)の生成物を用い、実施例9パートb)の方法によって製造した。
MS ESI+ 465/7 [M+1]
【0139】
f) 3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
標題化合物は、ステップe)の生成物を用い、実施例9パートc)の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 2.53(s,3H), 5.47(s,2H), 6.58(d,2H), 7.14(d,2H), 7.35-7.56(m,5H), 8.28(d,1H), 8.55(d,1H).
MS APCI- 407/9 [M-1]
【0140】
実施例13
2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸
【化24】

標題化合物は、実施例11の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 2.53(s,3H), 3.15(s,3H), 5.49(s,2H), 6.80(d,2H), 7.29-7.51(m,5H), 7.57(d,2H), 8.30(d,1H), 8.57(d,1H).
MS APCI- 451 [M-1]
【0141】
実施例14
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2,3−ジヒドロ−5−メチル−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−酢酸
【化25】

【0142】
a) 2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]−4−メチル−安息香酸
NMP中、2−アミノ−4−メチル安息香酸(2g)および4,7−ジクロロキノリン(2.62g)の溶液を140℃で4時間攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、塩水に加えて沈殿を得、これを濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、副題化合物を得た(4.04g)。
MS ES+ 313 [M+1]
【0143】
b) 1−(7−クロロ−4−キノリニル)−1,3−ジヒドロ−6−メチル−2H−ベンズイミダゾール−2−オン
乾燥DMF中、パートa)の生成物(2g)の懸濁液をトリエチルアミン(0.9ml)で処理し、30分間攪拌した。アジ化ジフェニルホスホリル(1.38ml)を加え、反応物をさらに2時間攪拌し、その後、60℃で4時間攪拌した。この反応物を室温まで冷却し、塩水に加え、この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。得られた固体をトリチュレートし、乾燥させ、副題化合物を得た(1.06g)。
【0144】
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2,3−ジヒドロ−5−メチル−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−酢酸
副題化合物は、実施例1パートd)およびe)の方法によって製造した。
1H NMR (DMSO) δ 2.23(s,3H), 4.74(d,2H), 6.54(s,1H), 7.07(d, 1H), 7.25(d,1H), 7.64 (m,2H), 7.77(d,1H), 8.28(s,1H), 9.15(d, 1H) and 13.22 (s, 1H).
MS APCI + 369 [M+1]
【0145】
薬理学的データ
リガンド結合アッセイ
[H]PGDは、比活性100〜210Ci/mmolのものを、Perkin Elmer Life Sciencesから購入した。他の化学薬品は全て分析級のものとした。
【0146】
rhCRTh2/Gα16を発現するHEK細胞は通常、10%ウシ胎児血清(HyClone)、1mg/mlゲネチシン、2mM L−グルタミンおよび1%非必須アミノ酸を含有するDMEM中で維持した。膜を調製するために、接着性のトランスフェクトHEK細胞を二層ティッシュカルチャーファクトリー(Fisher、カタログ番号TKT−170−070E)中で密集まで増殖させた。最大レベルの受容体発現は、最後の18時間の培養中、500mMの酪酸ナトリウムの添加により誘導された。これらの接着性細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS、50ml/セルファクトリー)で一度洗浄し、氷冷した膜ホモジネーションバッファー[20mM HEPES(pH7.4)、0.1mMジチオトレイトール、1mM EDTA、0.1mMフッ化フェニルメチルスルホニルおよび100μg/mlバシトラシン]50ml/セルファクトリーを添加することで解離させた。細胞を4℃、220xgで10分間遠心分離することでペレットとし、元の量の半分の新鮮な膜ホモジネーションバッファーに再懸濁させ、終始氷中で試験管を維持しながら、ポリトロンホモジナイザーを用い、2×20秒バーストの間、破砕した。壊れなかった細胞を4℃、220xgで10分間の遠心分離によって除去し、膜画分を4℃、90000xgで30分間遠心分離することでペレットとした。最終的なペレットを、使用するセルファクトリー当たり4mlの膜ホモジネーションバッファー中に再懸濁させ、タンパク質含量を測定した。膜を適当なアリコートとして−80℃で保存した。
【0147】
アッセイは全て、底が透明なCorning白色96ウェルNBSプレート(Fisher)中で行った。アッセイの前に、CRTh2を含むHEK細胞膜をSPA PVT WGAビーズ(Amersham)にコーティングした。コーティングに関しては、4℃にて、膜をビーズとともに、通常、25μg膜タンパク質/ビーズmgで、一晩一定の振盪をしながらインキュベートした。(最適なコーティング濃度は膜の各バッチで決定した。)これらのビーズを遠心分離(4℃、800xgで7分間)によりペレットとし、アッセイバッファー(5mM塩化マグネシウムを含有する50mM HEPES pH7.4)で一度洗浄し、最後に、アッセイバッファーにビーズ濃度10mg/mlで再懸濁した。
【0148】
各アッセイには、20μlの6.25nM[H]PGD、20μl膜飽和SPAビーズ(いずれもアッセイバッファー中)および10μlの化合物溶液または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(非特異的結合の測定のためにはDK−PGD、Cayman chemical company)を含んだ。
【0149】
化合物およびDK−PGDはDMSOに溶かし、同じ溶媒に必要な最終濃度の1/100まで希釈した。アッセイバッファーを加え、終濃度10%DMSOとし(このとき、化合物は必要な終濃度の10倍)、これがアッセイプレートに加えた溶液であった。このアッセイプレートを室温で2時間インキュベートし、Wallac Microbeta液体シンチレーションカウンター(1分/ウェル)にてカウントした。
【0150】
式(I)の化合物のIC50値は、10μM未満である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
A、B、DおよびEの各々は独立にC−RまたはNであり;
Yは、C−R、NまたはC=Oであり;
Zは、酸素、硫黄、C1−6アルキレン鎖または結合であり;
は、水素、ハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリール(この直前5つの基は、所望により1〜3個のハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、S(O)、C(O)NRから独立に選択され、xは0、1または2であり;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
はアリールまたはヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル(この直前の3つの基は所望によりハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよく、xは0、1または2であり;
およびRは独立に水素原子、C1−6アルキル基、またはアリール基(この直前の2つの基は所望によりハロゲン原子、アリール、−OR12および−NR1314から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、−CONR1314、−NR13COR14、−SONR1314、NR13SO14を表すか;
または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S、NR15から選択される1以上の原子を含有してもよい、そしてそれ自体所望によりC1−3アルキル、ハロゲンによって置換されていてもよい3〜8員の飽和複素環を形成することができ;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14の各々は独立に、水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(所望により1以上のハロゲン原子、OH、O−C−Cアルキルによって置換されていてもよい)を表し;
15は、水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、−COQC−Cアルキル、QはOまたはNRであり;
ただし、
YがCRであるとき、環ABDE内の窒素原子の数は1または2であり、YがC=O、かつ、Xが窒素であるとき、Rはフェニルではあり得ない]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
A、B、DおよびEが全てC−Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
A、DまたはEの1つがNおよびDであり、他のものがC−Rであり、Rが水素、フェニル、CF、CN、アルキルまたはハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
YがC=Oであり、XがNである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Zが結合である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Yが窒素またはC−Rであり、Rがメチルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Xが炭素である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが硫黄、メチレンまたは結合である、請求項6または7に記載の化合物。
【請求項9】
5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸ナトリウム塩;
3−[(4−クロロ−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
およびその医薬上許容される塩
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
治療に用いるための請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
プロスタグランジンD2が介在する疾病を処置する方法であって、患者に治療上有効な量の、請求項1〜9で定義したような式(I)の化合物、または医薬上許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項12】
前記疾病が喘息または鼻炎である、請求項11に記載の処置方法。
【請求項13】
プロスタグランジンD2が介在する疾病の処置用薬剤の製造における式(I):
【化2】

[式中、
A、B、DおよびEの各々は独立にC−RまたはNであり;
Yは、C−R、NまたはC=Oであり;
Zは、酸素、硫黄、C1−6アルキレン鎖または結合であり;
は、水素、ハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリール(この直前5つの基は、所望により1〜3個のハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、S(O)、C(O)NRから独立に選択され、xは0、1または2であり;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
はアリールまたはヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、CN、ニトロ、S(O)、OR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRC(O)、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C1−6アルキル(この直前の3つの基は所望によりハロゲン原子、−ORおよび−NRから独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよく、xは0、1または2であり;
およびRは独立に水素原子、C1−6アルキル基、またはアリール基(この直前の2つの基は所望によりハロゲン原子、アリール、−OR12および−NR1314から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよい)、−CONR1314、−NR13COR14、−SONR1314、NR13SO14を表すか;
または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S、NR15から選択される1以上の原子を含有してもよい、そしてそれ自体所望によりC1−3アルキル、ハロゲンによって置換されていてもよい3〜8員の飽和複素環を形成することができ;
は、所望によりハロゲン原子、アリール、−ORおよび−NR1011から独立に選択される1以上の置換基によって置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14の各々は独立に、水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(所望により1以上のハロゲン原子、OH、O−C−Cアルキルによって置換されていてもよい)を表し;
15は、水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、−COQC−Cアルキル、QはOまたはNRであり;
ただし、
YがCRであるとき、環ABDE内の窒素原子の数は1または2であり、YがC=O、かつ、Xが窒素であるとき、Rはフェニルではあり得ない]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項14】
前記疾病が喘息または鼻炎である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
化合物が
5−メチル−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
5−シアノ−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(6−フルオロ−4−キノリニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
4−ヨード−3−(4−キノリニル)−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−ヨード−1H−インダゾール−1−酢酸;
3−(7−クロロ−4−キノリニル)−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−酢酸ナトリウム塩;
3−[(4−クロロ−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)−2,4−シクロヘキサジエン−1−イル]メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
2,5−ジメチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
4−クロロ−2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
2−メチル−3−[[4−(メチルスルホニル)フェニル]チオ]−4−フェニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−酢酸;
およびその医薬上許容される塩
から選択される、請求項13または14に記載の使用。

【公表番号】特表2007−512299(P2007−512299A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540603(P2006−540603)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004937
【国際公開番号】WO2005/054232
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】