説明

商品の自動段積包装装置

【課題】商品の充填工程等の各工程に所要時間を勘案して、各工程の稼動適正化を図り、自動段積包装の高速化を図る。
【解決手段】商品の充填列個数幅W以上の間隔Yをあけて、商品の商品集積搬送路C、Dが平行に設けられ、それぞれの商品集積搬送路C、Dには、商品段積み装置及び先端部には段積みされた商品Sを商品集積搬送路C、Dの内側中央位置へ交互にスライドさせられるスライドテーブルG、Hが設けられ、前方には包装資材Pの搬送路Jが設けられ、後方には該スライドテーブルG、H上に支持された商品を前記包装資材P中に充填する商品充填装置Kが設けられてなり、好ましくは、前記商品Gの充填列個数幅Wが前記包装資材Pの2ケース分であり、それぞれの商品集積搬送路C、Dに商品交互倒立装置Lが設けられ、前記包装資材Pが成形中途過程にある段ボールシートであることを特徴とする商品の自動段積包装装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の自動段積包装装置に関し、詳しくは、商品の集積、商品の(交互倒立)段積み、包装資材の供給、その後の包装資材への商品の充填等の各工程の稼動適正化を図り、商品の自動段積包装の高速化を図ったことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、前記商品がカップ状商品であり、該カップ状商品の小径部と大径部とを交互に隣設させて無駄な空間をなくした自動段積包装装置として、例えば、適数列に搬送されたカップ状商品の横2列を二段積みする装置を提案している(特許文献1、2)。
【0003】
前記装置は、先に搬送された一段分(上段分)の商品を吸盤により吸着して上昇させ、つぎに送られてきた一段分(下段分)の商品の上に前記一段分(上段分)の商品を下降載置して前記吸盤による吸着を解除して二段積を行い、さらに該二段積みされた商品を箱詰装置へ送り自動的に箱詰めを行なう構成である。
【特許文献1】特開平11−157508号公報
【特許文献2】特開2001−2023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、さらに、商品の集積工程、商品の(交互倒立)段積み工程、包装資材の供給、その後の前記包装資材への商品の充填工程等の各工程の所要時間を勘案して、前記各工程の稼動適正化を図り、商品の自動段積包装の高速化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的達成のため、本発明の商品の自動段積包装装置は、商品の充填列個数幅以上の間隔をあけて、前記商品の充填列個数幅を有する商品集積搬送路が平行に設けられ、前記それぞれの商品集積搬送路には商品の段積み装置及び先端部には段積みされた商品を支持してそれぞれ前記商品集積搬送路の内側中央位置へ交互にスライドさせられるスライドテーブルが設けられ、該スライドテーブルの前方には包装資材の搬送路が設けられ、前記商品集積搬送路の内側中央位置にスライドさせられたスライドテーブルの後方には該スライドテーブル上に支持された商品を前記包装資材中に充填する商品充填装置が設けられてなることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
前記本発明では、商品の充填列個数幅以上の間隔をあけて平行に設けられたそれぞれの商品集積搬送路へ適宜の方法で充填列個数の商品が供給される。
【0007】
そして、前記それぞれの商品集積搬送路において、それぞれ適数列個数の上段分の商品が集積される。続いて、前記それぞれの上段分の商品が前方へ搬送されて所定位置において段積み装置を形成する吸盤あるいは櫛状のリフトによって一段上昇させられる。
【0008】
つぎに、前記と同様に、前記それぞれの商品集積搬送路には、それぞれ適数列個数の下段分の商品が集積されて、前記一段上昇させられている前記適数列個数の上段分の商品の下方にそれぞれ搬送される。その後、前記適数列個数の上段分の商品が前記適数列個数の下段分の商品の上面部にそれぞれ下降及び載置されて商品の段積みが行われる。なお、必要に応じて、前記段積装置の手前位置の前記商品集積搬送路に商品の交互倒立装置が設けられる。
【0009】
前記のごとくして、前記それぞれの商品集積搬送路において段積みを完了した商品は、前記それぞれの商品集積搬送路の先端部に設けられたスライドテーブル上に移送される。
【0010】
そして、前記スライドテーブルが、それぞれ前記集積及び段積みした商品を支持して交互に前記商品集積搬送路の内側中央位置へスライドさせられる。すなわち、本発明では、前記それぞれの商品集積搬送路の間には、前記商品の充填列個数幅以上の間隔があけられており、前記それぞれのスライドテーブルが、前記商品集積搬送路のそれぞれ内側中央位置へ交互にスライドさせられるように制御される。
【0011】
さらに、前記スライドテーブルの前方には包装資材の搬送路が設けられており、また、前記商品集積搬送路のそれぞれ内側中央位置へスライドさせられた前記スライドテーブルの後方には、該スライドテーブル上に集積及び段積みされた商品を前記包装資材の搬送路に供給された包装資材中に充填する商品充填装置が設けられており、該商品充填装置によって、前記スライドテーブル上に集積及び段積みされた商品が前記包装資材中に充填される。
【0012】
前記構成の本発明では、商品の集積工程、商品の(交互倒立)段積み工程、包装資材の供給、その後の包装資材への商品の充填工程等の各工程の所要時間を勘案して、前記各工程の稼動適正化を図り、商品の自動段積包装の高速化を図ることができる。
【0013】
本発明の実施の一形態は、前記商品の充填列個数幅が前記包装資材の2ケース分であることを特徴とする(請求項2)。すなわち、前記それぞれの商品集積搬送路がそれぞれ包装資材の2ケースに充填する商品の個数幅に形成され、同様に、前記スライドテーブル及び商品充填装置が2ケースに充填する商品を支持及び充填する大きさに形成される。また、必要に応じて設けられ前記商品の交互倒立装置も同様に形成される。この実施の一形態によれば、商品の自動段積包装の高速化が倍増される。
【0014】
本発明の一実施の形態は、前記それぞれの商品集積搬送路に商品の交互倒立装置を設けたことを特徴とする(請求項3)。この商品の交互倒立装置は、すでに特開2001−2023号で公知にしており、このような商品の交互倒立装置を設けることにより、特に、カップ状商品の集積スペースを小さくすることができ、したがって、包装資材を節約でき、さらに、格納、運搬時のスペース効率が向上し、経済的である効果が得られる。なお、前記商品の交互倒立装置を必要としない商品では、前記商品の交互倒立装置を前記商品集積搬送路の上方に退避させておけばよい。
【0015】
本発明の実施の一形態は、前記包装資材が成形中途過程にある段ボールシートであることを特徴とする(請求項4)。この実施の一形態によれば、段ボールケースの成形過程に同期させて該段ボールケースに容易且つ正確に段積商品を自動供給することができる。すなわち、あらかじめ成形されて蓋部フラップのみが開放された段ボールケース内への段積商品の自動供給は、開口スペースが限られていることから困難を伴うものである。
【0016】
本発明の実施の一形態は、包装資材の搬送路を間欠駆動としたことを特徴とする(請求項5)。この実施の形態によれば、前記包装資材の定位置への供給と該包装資材に対する商品の充填タイミングを容易に同期させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明装置によれば、商品の自動段積包装装置の各工程でそれぞれ必要とされる時間を勘案して、前記各工程の稼動適正化を図り、商品の自動段積包装の高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図13(a)〜(e)には、本発明に係る商品の自動包装装置における段積み商品の包装工程の一例が示されている。
【0019】
すなわち、同図には図示されていない段ボールシートのマガジン部から、図示しない段ボールシートの搬送路上に、第1の段ボールシート1及び第2の段ボールシート2が順次引き出されて、同時にそれぞれ略コ字状に成形されて前記搬送路を構成する搬送体に設けられたアタッチメント間に並べて保持される。なお、前記第1の段ボールシート1及び第2の段ボールシート2は、同一であるので、以下の説明では同一の符号を付す。
【0020】
すなわち、前記マガジン部から前記搬送路への引き出されて、底部フラップ3の両側に連続させられた側部フラップ4a、4bが起立させられてそれぞれコ字状に成形される。なお、前記側部フラップ4aには接着フラップ5が設けられ、前記側部フラップ4bには蓋部フラップ6が設けられている。その他、前記底部フラップ3の両端には端部フラップ7が連続させられ、前記側部フラップ4aの両端には端部フラップ8が連続させられ、前記側部フラップ4bの両端には端部フラップ9が連続させられ、前記蓋部フラップ6の両端には端部フラップ10が連続させられている(図13(a)(b))。
【0021】
前記第1の段のボールシート1及び第2の段ボールシート2に充填されるカップ状商品G(以下単に「商品G」という。)は、予め、交互倒立により二段積み(12個×2)にされて、それぞれ前記第1の段ボールシート1及び第2の段ボールシート2の開口端部に供給されて、それぞれ前記第1の段ボールシート1及び第2の段ボールシート2に同時に充填される(同図(b))。
【0022】
その後、前記側部フラップ4a及び前記側部フラップ4bの端部フラップ8及び端部フラップ9並びに前記接着フラップ5が折り畳まれ、該接着フラップ5の上面に速乾性接着剤が塗布された後、前記蓋部フラップ6が折り畳まれる(同図(c)(d))。
【0023】
さらに、前記折り畳まれた前記側部フラップ4a及び前記側部フラップ4bの端部フラップ8及び端部フラップ9の外側面に速乾性接着剤が塗布されて、前記底部フラップ3の端部フラップ7が上方に、前記蓋部フラップ6の端部フラップ10が下方に折り畳まれて包装が完了する(同図(d)(e))。
【0024】
つぎに、本発明の装置について説明する。図1には、本発明の実施の一形態を示す全体図が示されている。まず、商品Gの製造現場等に従って、例えば、商品Sの商品搬送路A及びBが平行に設けられる。
【0025】
本発明を実施する場合には、前記外側の商品搬送路Aの先端部が内側の商品搬送路Bの先端部よりも前記商品Sの略充填列個数幅W以上の間隔Yをあけて延長される。なお、図面実施の一形態における前記充填列個数(幅)は、包装資材Pの2ケース分の商品の4個(幅)とされている。
【0026】
つぎに、前記それぞれの商品搬送路A、Bの先端部の内側にそれぞれ直角に、本発明を構成する商品Sの充填列個数幅Wを有する商品集積搬送路C、Dが設けられる。また、前記それぞれの商品搬送路A、Bの先端部の前記商品集積搬送路C、Dと反対側には前記商品搬送路A、Bの先端部に供給された充填列個数4個の商品Gを前記商品集積搬送路C、Dに供給する変向供給部E、Fが設けられる。
【0027】
また、前記それぞれの商品集積搬送路C、Dの先端部には、集積及び段積みされた商品Sを支持してそれぞれ前記商品集積搬送路C、Dの内側中央位置へ交互にスライドさせられるスライドテーブルG、Hが設けられ、該スライドテーブルG、Hの前方には包装資材Pの搬送路Jが設けられ、前記内側中央位置にスライドさせられた前記スライドテーブルGあるいはHの後方には該スライドテーブルGあるいはHに支持された商品Sを前記包装資材Pの搬送路Jに供給された包装資材P中に充填する商品充填装置Kが設けられて構成される。
【0028】
図2は、前記図1のX−X線矢視図であり、該図2には、さらに商品Sの交互倒立装置Lが示されている。図面実施の一形態は、1ケースにつき商品6個ずつを二段積みにし、同時に2ケース分を同時に包装する例であり、前記商品集積搬送路C、Dは、前記の充填列個数(4個)の幅でそれぞれ構成されている。
【0029】
前記商品搬送路A、Bには、それぞれ連続して搬送される商品Sのうち、先端の充填列個数(4個)の商品Sを一時後続の商品Sと分離するための適宜の装置が設けられる。
【0030】
例えば、前記商品搬送路A、Bに、それぞれストッパー部材11、12、が設けられる。そして、該ストッパー部材11、12によって、前記商品搬送路A、Bの先端部に充填列個数の商品Sが、後続の商品Gの干渉を受けることなく供給されるように制御される。もっとも、前記商品搬送路A、Bの先端部への充填列個数の商品Sの制御は、前記商品搬送路A、Bを複数のベルトコンベアで構成し、それぞれのベルトコンベアの速度を先に行くにしたがって順次速めて分離する等しても可能である。
【0031】
つぎに、前記商品搬送路A、Bの先端部の前記商品集積搬送路C、Dの反対側に設けられた変向供給部E、Fについて説明する。なお、以下の説明では、前記変向供給部Fの構成及び作用は、前記変向供給部Eと同様であるのでその説明を省略する。
【0032】
変向供給部Eは、図3に示すように、下端が固定軸13に回動自在に支持された揺動杆14の上端に、予め前記商品Sの充填列個数幅の長さに形成した移送杆15を設け、前記揺動杆14の略中間部に往復動杆16の一端がピン17で連結され、前記往復動杆16の他端がピン18でロータ19に連結される。
【0033】
前記構成において、前記ロータ19を駆動させると、前記往復動杆16及び揺動杆14を介して前記移送杆15が往復動させられ、前記商品移送路Aの先端部に供給された充填列個数(4個)の商品Sを前記商品集積搬送路Cへ供給する。
【0034】
図面実施の一形態では、前記商品集積搬送路C、Dは、それぞれ集積搬送路C1(D1)がベルトコンベア、C2(D2)及びC3(D3)がローラコンベアで構成されている。もっとも、前記集積搬送路C2及びC3(D2及びD3)もベルトコンベアとしてもよい。前記構成は、商品の交互倒立、集積及び段積みをスムーズ且つ確実に行うためである。
【0035】
なお、以下の説明では、商品集積搬送路D(集積搬送路D1、D2及びD3)の構成及び作用は、前記商品集積搬送路C(集積搬送路C1、C2及びC3)と同様であるのでその説明を省略する。
【0036】
図2に示す前記集積搬送路C1(D1)は、滑りにくいベルトコンベアで構成され、その上方には、図4〜図6に示す、従来公知の商品の交互倒立装置Lが昇降自在に設けられる。すなわち、前記起立状態で移送された商品Sを倒立させることが必要な場合には、前記商品の交互倒立装置Lを所定位置に下降させ、商品Sの移送方向前端上部が、前記商品の交互倒立装置Lを構成するゴム等からなり平行に吊り下げられた揺動部材20に当接させられる(図4)。
【0037】
その後、前記商品Sの移送が続行されると、前記商品Sの集積搬送路C1(D1)の表面が滑りにくいベルトコンベアで構成されているため、商品Sはスリップさせられることなくベルトコンベアによって前方へ移送される。
【0038】
さらに、前記商品Sの移送が続行されると、前記揺動部材20が前記商品Sの移送方向上方に揺動させられつつ前記商品Sの移送方向前端上部が上方へ徐々に持ち上げられる(図5)。同時に、前記揺動部材20がエアシリンダ21によって上昇させられ、最終的に前記商品sが反転倒立させられる(図6)。図中、22は錘である。なお、通常は、つぎに同所に送られてくる商品Sを反転倒立させる必要がないため、前記揺動部材20が後続の商品Sに当接しないように前記シリンダ21によって前記集積搬送路C1の上方に退避させられる。
【0039】
前記のごとく交互に倒立させられて前記集積搬送路C2に集積された商品Sは、該集積搬送路C2の先端に設けられたストッパー23の解除により前記集積搬送路C2からさらに前記集積搬送路C3へ供給され、該集積搬送路C3の先端に設けられたストッパー24に係止させられる。
【0040】
同時に、前記集積搬送路C2とC3間に設けられたストッパー23が前記集積搬送路C2とC3との間に突出して前記集積搬送路C3への後続の商品Sの侵入を阻止し、その間に、前記集積搬送路C3上において商品Sの段積みが行われる。
【0041】
図面実施の一例における前記商品Sの段積みは、吸盤25により、前記集積搬送路C3上の12個の商品Gを一括吸着して上昇し、一括下降して吸気解除することにより行われる。
【0042】
すなわち、前記12個の商品Sごとに吸盤25を設けることは、多くの吸盤と、該吸盤に連結される吸気用配管を準備する必要があり、装置が複雑になり且つ不経済である。さらに、一般の吸盤では、前記商品Gを包装している薄いプラスチックフィルムを破壊、さらに吸い込む可能性がある。そこで、本発明では、図7に示すように、商品Sの列ごとの一体成形構造とされ、さらに吸気孔26が小孔且つ複数に構成される。
【0043】
前記集積搬送路C3上に位置した前記商品Sの上面部に、前記吸盤25がエアシリンダ27により下降させられ、さらに吸気により、前記商品Sが吸着させられ、前記エアシリンダ27により所定位置に上昇させられる。
【0044】
つぎに、前記集積搬送路C2と前記集積搬送路C3との間に突出させられていた前記ストッパー23が下降及び解除され、前記集積搬送路C2上の商品Sが前記集積搬送路C3上に供給される。
【0045】
そして、前記集積搬送路C3上への商品Sの供給が検知されると、前記吸盤25及び該吸盤25に吸着させられている商品Sが前記エアシリンダ27により下降させられて、前記吸盤25の吸気解除により、該吸盤25に吸着されていた商品Sの二段積みが行われる。
【0046】
前記のごとくして、二段積みされた商品Sは、エアシリンダ28によって下降及び前方へスライドさせられるプッシャ29によってスライドテーブルG、Hへ搬送される。
【0047】
前記スライドテーブルG、Hは、それぞれ個別に駆動させられる構成であり、機体側に平行に設けられたガイドロッド30及び31に、前記スライドテーブルG、Hの底面に設けたボス32及び33を嵌装してそれぞれスライド自在に支持され、前記集積及び段積みされた商品Sを支持して、それぞれ前記商品集積搬送路C、Dの内側中央位置へ交互にスライドさせられる構成とされている。
【0048】
図面実施例では、前記スライドテーブルG、Hの前記商品集積搬送路C、Dの内側中央へのスライドを、機体側に設けられたスクリューロッド34及び35に、前記スライドテーブルG、Hの底面に設けたボールナット36及び37を螺合させて行っている。図中、38及び39は、前記スクリューロッド34及び35の駆動モータである。
【0049】
また、前記スライドテーブルG、Hのそれぞれ上面には、該上面に供給された前記商品Sを、その正確な位置に保つためのセンターリング用のシリンダ40及び41等が設けられる。図中、42及び43は、機体側に設けられたストッパーガイドである。
【0050】
つぎに、前記スライドテーブルG、Hの前方には、前記包装資材Pの搬送路Jが設けられ、また、前記商品集積搬送路C、Dの内側中央位置へスライドさせられた前記スライドテーブルG、Hの後方には、該スライドテーブルG、H上に支持された商品Sを前記包装資材Pの搬送路Jに供給された包装資材P中に充填する商品充填装置Kが設けられる。該商品充填装置Kとしては、直進及び復帰するプッシャが採用される。
【0051】
図9、図10、図11及び図12には、前記マガジン部Mから第1の段ボールシート1及び第2の段ボールシート2(以下単に「段ボールシート1」という。)を包装資材の搬送路J上に供給してコ字状に成形する装置が示されている。
【0052】
前記搬送路Jは、前記段ボールシート1を支持する幅に設けられた平行レール44と、該平行レール44に沿って配置されて間欠駆動させられる無端状チェーン45と該無端状チェーン45に所定間隔をあけて設けられたアタッチメント46を有する搬送体47とからなる。すなわち、前記段ボールシート1は、前記平行レール44上を前記搬送体47のアタッチメント46によって押圧されて所定距離ずつ間欠搬送させられる。
【0053】
前記マガジン部Mに収容された前記段ボールシート1を前記搬送路J上へ供給する方法としては、吸盤48を有する揺動杆49が採用される。すなわち、前記マガジン部Mに収容された最下位置にある段ボールシート1の底部フラップ3に前記吸盤48を吸着させ、前記揺動杆49の先端方向を下方に揺動させて前記搬送路J上に前記底部フラップ3を載置し、前記吸盤48の吸気を解除することにより行われる。
【0054】
その結果、一方の側部フラップ4aが、予め、機体側に設けられた円弧状ガイド板50(図12参照)によって起立させられる。また、他方の側部フラップ4bが、前記マガジン部Mからに段ボールシート1、2の引き出し過程に設けられた調整ガイド51(図9参照)により折り曲げられ、さらに前記搬送体J上に前記底部フラップ3が載置された時には、前記搬送Jの適位置にエアシリンダ52によって進出させられているセットガイド53(図12参照)によって起立状態が維持されてコ字状に成形される。
【0055】
前記のごとく、段ボールシート1がコ字状に成形されたことが検知されると、図9に示すごとく、該コ字状に成形された段ボールシート1の後方に、エアシリンダ54の伸長によって押圧杆55が上昇させられ、さらに前記セットガイド53がエアシリンダ52により後退させられ、同時に前記押圧杆55がエアシリンダ56の収縮によって前方へ揺動させられる。
【0056】
前記の結果、図10に示すごとく、前記押圧杆55が前方へ揺動させられ、前記コ字状の段ボールシート1を前方に間欠停止している前記搬送体Jのアタッチメント46まで移動させる。この状態では、前記コ字状の段ボールシート1は、前記搬送体Jのアタッチメント46と前記押圧杆55によってコ字状に保持されている。
【0057】
つぎに、図10に示すごとく、前記コ字状の段ボールシート1の後方の搬送路Jの始端部に、前記段ボールシート1と同様に段ボールシート2が供給されてコ字状に成形される。同時に、図11に示すごとく、前記押圧杆55がエアシリンダ54の収縮により下降させられ、さらに前記エアシリンダ56の伸長によって原状位置に復帰させられる。
【0058】
前記押圧杆55の下降とともに、前記搬送体Jが駆動させられ、該搬送体Jに設けられた後方位置のアタッチメント56aがタイミングを合わせて前記搬送体Jの始端部に起立させられ、前記コ字状の段ボールシート1及び2が、前記搬送体Jに所定間隔をあけて設けられた前記アタッチメント56と56a間に保時される。
【0059】
さらに前記搬送路Jの間欠駆動により、商品Sの充填位置、すなわち、前記商品集積路C、Dの内側中央にスライドさせられた前記スライドテーブルGあるいはHの前方に供給される。そして、該スライドテーブルGあるいはHの後方に設けられた商品充填装置Kによって前記コ字状に成形された段ボールシート1及びに商品Gの充填が行われる。
【0060】
前記商品Sが前記コ字状に成形された段ボールシート1及2に充填されると、該段ボールシート1及び2は、前記搬送体Jによって、前記平行レール44上を搬送され、前記図13に示した順序で各フラップが折り畳まれ、適宜フラップが接着されて包装が完了する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の一形態を示す全体図である。
【図2】図1のX−X線矢視図である。
【図3】商品の変向供給部の側面図である。
【図4】商品の交互倒立装置の斜視図である。
【図5】商品の交互倒立装置の側面図である。
【図6】商品の交互倒立装置の側面図である。
【図7】吸盤部の平面図である。
【図8】スライドテーブル部の平面図である。
【図9】段ボールシートの成形工程を示す正面図である。
【図10】段ボールシートの成形工程を示す正面図である。
【図11】段ボールシートの成形工程を示す正面図である。
【図12】段ボールシートの成形工程を示す斜視図である。
【図13】段積み商品の包装工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
C、D 商品集積搬送路
H、I スラードテーブル
J 包装資材の搬送路
P 包装資材
S 商品
W 商品の充填列個数幅
Y 商品の充填列個数幅以上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の充填列個数幅以上の間隔をあけて、前記商品の充填列個数幅を有する商品集積搬送路が平行に設けられ、前記それぞれの商品集積搬送路には商品の段積み装置及び先端部には段積みされた商品を支持してそれぞれ前記商品集積搬送路の内側中央位置へ交互にスライドさせられるスライドテーブルが設けられ、該スライドテーブルの前方には包装資材の搬送路が設けられ、前記商品集積搬送路の内側中央位置にスライドさせられた前記スライドテーブルの後方には前記スライドテーブル上に支持された商品を前記包装資材の搬送路に供給された包装資材中に充填する商品充填装置が設けられてなることを特徴とする商品の自動段積包装装置。
【請求項2】
前記商品の充填列個数幅が包装資材の2ケース分であることを特徴とする請求項1に記載の商品の自動段積包装装置。
【請求項3】
前記それぞれの商品集積搬送路に商品交互倒立装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の商品の自動段積包装装置。
【請求項4】
前記包装資材が成形中途過程にある段ボールシートであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の商品の自動段積包装装置。
【請求項5】
前記包装資材の搬送路を間欠駆動としたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の商品の自動段積包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−280082(P2008−280082A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127849(P2007−127849)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(390039549)株式会社インターパック (15)
【Fターム(参考)】