喫煙品用パッケージ
紙巻きタバコのような喫煙品用パッケージであって、このパッケージはお互い対向するサイドパネル4、5によって接合された正面パネル2および背面パネル3と、底面パネル6と、蓋7とを含み、これらのパネルの少なくともひとつが複数の横方向に延びた帯体18を含み、帯体の厚さが帯体と帯体との間の領域19の厚さよりも厚くなっている。帯体18はエンボス加工によって形成してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品用、特に専ら紙巻きタバコ用のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコのような喫煙品用のパッケージは、板紙、例えば厚紙からなるブランクから作製することはよく知られており、このブランクは、互いに対向するサイドパネルによって接続された正面および背面パネルと、底面パネルと、蓋とを含む。蓋はフリップトップ方式と呼ばれている構造に構成してもよい。
【0003】
このような従来のパッケージには、パネル、とりわけ正面パネルと背面パネルが、特に板紙の紙目がパッケージの長さと平行である場合に撓んでしまうという問題がある。当然のことながら、費用を抑えるためにもより薄い厚紙を用いてパッケージを作製するにこしたことはないが、そのような薄い厚紙は使用者にとっては安っぽく見えるし、幅広のパッケージを作製するには弱すぎるため、パッケージの形状の選択肢が限られることになる。
【0004】
従来のフリップトップ式のパッケージに内部フレームを設けて、蓋がその閉じた位置において当接することができ、パッケージの蓋以外の部分と蓋の外周部が同一面で延びるようにする引っかかり部を供することが知られている。パッケージの正面パネルの内部表面に当接する内部フレームの表面においてリブ(ribbig)を設けることが下記の特許文献で提案されている。しかしながら、この構成では容器内の空間を多く使うことになり、かつパッケージの全体の材料費が高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5964345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、互いに対向するサイドパネルによって接合された正面および背面パネルと、底面パネルと、頂部パネルとを含み、これらのパネルの内少なくとも一つのパネルが、複数の横方向に延びた帯体を含み、その帯体の厚さは、その帯体と帯体との間の領域より厚いことを特徴とする喫煙品用パッケージを提供する。
【0007】
頂部パネルは蓋を含んでもよい。帯体はパッケージの外部周辺に形成することができるし、正面パネルと背面パネルの両方が横方向に延びた帯体を含んでもよい。
【0008】
都合がよいように、ブランクを作製中かパッケージに喫煙品を梱包する工程での予備段階のどちらかで、帯体をエンボス加工によって形成してもよい。
【0009】
パッケージはシート材によって作製され、帯体はシート材の厚み方向に形成されたひだを含んでもよい。少なくとも1つののひだを蓋に形成してもよい。
【0010】
また本発明は喫煙品用パッケージを作製するためのブランクを含み、このブランクは正面および背面パネル部分、底面パネル部分、サイドパネル部分および蓋を形成する部分で構成され、少なくともこれらパネル部分の1つが、複数の横方向に延びた帯体を含み、この帯体の厚さは、これら帯体と帯体との間の領域より厚いことを特徴とする。
【0011】
本発明はさらに喫煙品用パッケージと、正面および背面パネル部分、底面パネル部分、サイドパネル部分および蓋を形成する部分を含むブランクの作製方法を含み、この作製方法は、少なくともこれらパネル部分の1つに、複数の横方向に延びた帯体をその厚さが帯体と帯体との間の領域より厚くなるように形成することを含む。
【0012】
この方法は、横方向に延びた帯体を形成するためにブランクをエンボス加工することを含んでもよい。
【0013】
この方法は、ブランクのマガジンからエンボス加工ステーションへブランクの1つを連続的に供給して帯体を形成し、エンボス加工されたブランクを、パッケージに喫煙品を詰めるための喫煙品梱包用機械に供給することによって行ってもよい。
【0014】
本明細書では、喫煙品とは、紙巻きタバコ、葉巻、またはシガリロなどの喫煙可能な物品を指し、それらは、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再構成タバコ、またはタバコ代用品及び不燃性(heat-not-burn)物質を基材とする。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明をより深く理解できるように、あくまでの例示のみを目的とし、以下の図面を参照し本発明の態様を説明する。
【0016】
【図1】蓋が閉じた状態の喫煙品用パッケージの前方の一方向からみた略式斜視図である。
【図2】蓋が開いた状態の図1のパッケージの図である。
【図3】図1および図2のパッケージの略式分解図である。
【図4】パッケージの正面図である。
【図5】パッケージの背面図である。
【図6】パッケージの側面図である。
【図7】パッケージの底面図である。
【図8】図1から図7のパッケージの作製のためのブランクの略式図である。
【図9】図8のA−A’線に沿った部分断面図である。
【図10】図1から図7のパッケージに紙巻きタバコを詰めるための設備の略式図である。
【図11】図10の設備におけるエンボス加工ステーションの略式図である。
【0017】
図1から図8は、図8で示すブランクによって形成されたフリップトップ式蓋付き紙巻きタバコ用パッケージを示し、このパッケージは、正面パネル2、背面パネル3、サイドパネル4、5、底面パネル6およびヒンジ式蓋7を含み、全ては図8で示す厚紙のような板紙が重なったシート材でできたブランクの選択された部分を折り曲げ接着することで形成される。
【0018】
パッケージはサイドパネル4、5と正面と背面パネル2、3の間の接合部分に沿って長手方向に延びた面取りされている縁部8を有する。
【0019】
蓋7は傾斜した側縁部9と、閉じた状態において蓋のヒンジ線11より低い位置に位置する正面縁部10とを有し、正面パネルおよびサイドパネル2、3、4の上方縁部12および13は、蓋がきっちり閉まるようにこれら側縁部と正面縁部に対応するように形成されている。図2および図3が示すように、この例ではパッケージには20本の紙巻きタバコ14が収容されており、当業界で知られているとおり、蓋7が傾斜していることによって蓋が開いた状態において紙巻きタバコを取り出しやすくなっている。
【0020】
厚紙のような板紙が重なったシート材でできた内部フレーム15は、容器の開口部の上方部分内に装着されていて、例えば、接着剤によって接着され、ユーザーが紙巻きタバコを取り出すための凹部16を含む。内部フレーム15は、正面およびサイドパネル2、3、4と同じ広さの外部表面と、蓋7が閉じて、その外面が前面パネルおよびサイドパネル2、4、5と同一面に位置した状態になった時に蓋が当接できるひっかかりとしての役割を果たすために正面パネルと隣接する面取りされた縁8に沿って正面およびサイドパネル2、3、4の内部を制限するような形となっている。内部フレーム15は、そこから延びたフランジ17を含み、このフランジは、閉じている状態において蓋7を保持するためのストッパーとして機能する。
【0021】
正面および背面パネル2、3には、以下に詳しく説明するブランクをエンボス加工することによって形成される横方向に延びた帯体18が設けられる。
【0022】
横方向に延びた帯体18は、図9に示すひだを含む。帯体18の厚さtは、帯体18間の領域19の厚さrより大きい。領域19は、エンボス加工によって形成してもよいが、例えば領域19に沿って板紙材を鋭利なブレードで刻み付けまたは叩打するなどの他の技法を用いてもよい。
【0023】
上述の例において、ひだ18は正面および背面パネル2、3の全幅に亘って延び、図9に示すように等しい幅wを有する。ひだ18の間の領域19はこの例において、直線的で互いに平行である。さらに、図4および図5に示すように、蓋7の正面および背面にもこのようなひだ18Aが設けられている。
【0024】
ひだ18はパッケージの正面及び背面パネル2、3を頑丈にし強化する効果があり、これによってより薄い板紙材を、パッケージを組み立てる際に強度を失うことなくブランクの形成に使用できる。このことによって、材料費が安くなるだけでなく、パッケージの重さの減少により輸送費も安くなる。ひだ18Aは蓋7に対して同様の機能を果たす。
【0025】
また、ひだ18によって強化されることによってパッケージは、板紙材の紙目の方向による影響を受けなくなり、正面および背面パネル2、3においてその強度がなんら大きく変わることなしに、紙目をパッケージの長手方向あるいは横手方向のどちらにでも配置することが可能になる。
【0026】
加えて、上述のひだ18の使用によって、特別なボードの厚みをもつこれまでのものよりもパッケージの幅をより広く作製することができ、デザイナーは新しいパッケージデザインをより自由に考えることができる。
【0027】
さらに、ひだ18および18Aは、使用者がパッケージを掴み、蓋7を開けやすくするために、パッケージの外側に使用者が感じることができる保持面を供する。
【0028】
パッケージ1で使用されるカードは、1平方メートルあたりの重さが180〜300g、例えば280gであるが、帯体18を設けることにより、1平方メートルあたりの重さが215gあるいは200グラムのより軽い材料を使用することが可能になる。重さを軽くするとカードの強度が弱くなるが、帯体18の設置によりこのことは改善される。カードの厚さは、帯体18を形成するエンボス加工のものだと、通常0.3mmであり、エンボス加工をしていないものの50%となる。
【0029】
パッケージに紙巻きタバコを梱包する方法を、図10および図11を参照して説明する。図10に示すようにマガジン20は、複数のブランク1´を含み、これらは実質的に図8に示されたものだが、ひだ18がない。ブランクは当業界でよく知られた方法で、事前に印刷されていたり折り曲げ線によって事前に形成されていてもよい。事前印刷されたブランクにひだ18がエンボス加工されるエンボス加工ステーション21に、個々のブランクは連続して運ばれる。その後、紙巻きタバコ23が供給される紙巻きタバコの梱包機械22に、ブランクは運ばれる。紙巻きタバコの梱包機械22は、パッケージ1を形成するためにブランクを折り曲げ、内部フレーム15に紙巻きタバコを詰め、アルミ箔で包装する(図示せず)。
【0030】
梱包機械22は、折り曲げ斜線に沿って図8で示すようにブランクを折り曲げるために、当業者によく知られた方法で作動し、パッケージを形成する。ブランク1´は底部パネル部6´によって接合された正面パネル部2´および背面パネル部3´を含む。蓋は蓋パネル部7´によって形成され、蓋パネル部7´は、蓋の頂部24、蓋の背面パネル25、蓋の正面パネル26および図1乃至図3で示す蓋構造を作製するために内方向へ折り曲げ可能な凹部フラップ(re-entrant flaps)28〜30で形成される。
【0031】
パッケージの側壁4、5は、正面パネル部2´及び背面パネル部3´にそれぞれ属するパネル部4´、4´´、5´及び5´´から形成される。パッケージが折り曲げられると、パネル部4´と4´´ならびにパネル5´と5´´は、お互いに重なり合い、共に接着され側壁4、5を形成する。
【0032】
面取りされた縁部8は、折り曲げ斜線31、32を折り曲げることにより領域8´から形成される。組み立てられると、蓋7はヒンジ線11に沿ってヒンジ式で動くことが可能である。
【0033】
最初は、ブランクはひだ18、18Aがない状態で、取引や使用上の注意などを予め印刷してあってもよい。それらは、連続的にエンボス加工ステーション21に運ばれ、図11に示すようにツールを使ってエンボス加工される。ここで、ブランクの表面をエンボス加工するために、予め印刷されたブランク1´は、矢印Aの方向へと動かされたエンボス加工ツール34と位置合わせされて配置される。ツール34は、ブランクに形成される凸面のひだ18の鏡面(型)となる一連の凹面のひだ35を含み、ブランク1´上へと下方に移動し、ブランクにひだをエンボス加工によって形成し、図8に示す構成のブランクを作製する。
【0034】
その後、エンボス加工されたブランク1´は、上述したように組み立てられ、紙巻きタバコを詰めるために、図10で示す紙巻きタバコ梱包機械22へと運ばれる。
【0035】
既述のパッケージの様々な改良や変形例が、本発明の範囲内で可能である。本明細書では、正面および背面パネル2、3におけるひだ18の数が同じであるが、ひだの数は異なってもよく、例えば、正面パネルと比較して背面パネル3に設けられるひだ18の数が少なくてもよい。また、正面パネルの全てにひだ18が設けられなくてもよく、表面がひだのない平らな構成であるパネル部分があってもよい。
【0036】
さらに、上述のパッケージは面取りされた縁部8を有するが、パッケージが直線的な縁や湾曲した縁部を有する場合は、省略できる。湾曲した縁部が設けられる場合は、ひだ18があることにより、パッケージの正面および背面が頑丈に作製できる一方で、湾曲した縁部に容易に変形できる比較的薄いボード材を使用できる。
【0037】
ひだ18は、上述のように幅が全く同じ必要なく、幅は様々であってもよい。さらに、ひだは直線的である必要なく、湾曲した縁部を有してもよい。ひだ18は、正面および背面パネル2、3の幅全体にわたって延びる必要はない。
【0038】
エンボス加工ステーション21におけるエンボス加工ツールもまた、回転式エンボス装置であってもよく、エンボス加工を必要としない帯体を形成する他の方法も当業者には自明である。
【0039】
またブランクは、帯体ともに同時に製造してもよく、これにより、マガジン20にあるブランクはすでに帯体を有し、エンボス加工ステーション21が不要となる。
【0040】
本発明は、フリップトップ式蓋付きパッケージと関連して記載されているが、蓋を必要としないその他の喫煙品用のパッケージ、例えば、複数のフリップトップ式紙巻きタバコパッケージを保持する容器にも適用できる。
【0041】
その他多くの変形および変性が添付の特許請求の範囲内にあることは明白である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品用、特に専ら紙巻きタバコ用のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコのような喫煙品用のパッケージは、板紙、例えば厚紙からなるブランクから作製することはよく知られており、このブランクは、互いに対向するサイドパネルによって接続された正面および背面パネルと、底面パネルと、蓋とを含む。蓋はフリップトップ方式と呼ばれている構造に構成してもよい。
【0003】
このような従来のパッケージには、パネル、とりわけ正面パネルと背面パネルが、特に板紙の紙目がパッケージの長さと平行である場合に撓んでしまうという問題がある。当然のことながら、費用を抑えるためにもより薄い厚紙を用いてパッケージを作製するにこしたことはないが、そのような薄い厚紙は使用者にとっては安っぽく見えるし、幅広のパッケージを作製するには弱すぎるため、パッケージの形状の選択肢が限られることになる。
【0004】
従来のフリップトップ式のパッケージに内部フレームを設けて、蓋がその閉じた位置において当接することができ、パッケージの蓋以外の部分と蓋の外周部が同一面で延びるようにする引っかかり部を供することが知られている。パッケージの正面パネルの内部表面に当接する内部フレームの表面においてリブ(ribbig)を設けることが下記の特許文献で提案されている。しかしながら、この構成では容器内の空間を多く使うことになり、かつパッケージの全体の材料費が高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5964345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、互いに対向するサイドパネルによって接合された正面および背面パネルと、底面パネルと、頂部パネルとを含み、これらのパネルの内少なくとも一つのパネルが、複数の横方向に延びた帯体を含み、その帯体の厚さは、その帯体と帯体との間の領域より厚いことを特徴とする喫煙品用パッケージを提供する。
【0007】
頂部パネルは蓋を含んでもよい。帯体はパッケージの外部周辺に形成することができるし、正面パネルと背面パネルの両方が横方向に延びた帯体を含んでもよい。
【0008】
都合がよいように、ブランクを作製中かパッケージに喫煙品を梱包する工程での予備段階のどちらかで、帯体をエンボス加工によって形成してもよい。
【0009】
パッケージはシート材によって作製され、帯体はシート材の厚み方向に形成されたひだを含んでもよい。少なくとも1つののひだを蓋に形成してもよい。
【0010】
また本発明は喫煙品用パッケージを作製するためのブランクを含み、このブランクは正面および背面パネル部分、底面パネル部分、サイドパネル部分および蓋を形成する部分で構成され、少なくともこれらパネル部分の1つが、複数の横方向に延びた帯体を含み、この帯体の厚さは、これら帯体と帯体との間の領域より厚いことを特徴とする。
【0011】
本発明はさらに喫煙品用パッケージと、正面および背面パネル部分、底面パネル部分、サイドパネル部分および蓋を形成する部分を含むブランクの作製方法を含み、この作製方法は、少なくともこれらパネル部分の1つに、複数の横方向に延びた帯体をその厚さが帯体と帯体との間の領域より厚くなるように形成することを含む。
【0012】
この方法は、横方向に延びた帯体を形成するためにブランクをエンボス加工することを含んでもよい。
【0013】
この方法は、ブランクのマガジンからエンボス加工ステーションへブランクの1つを連続的に供給して帯体を形成し、エンボス加工されたブランクを、パッケージに喫煙品を詰めるための喫煙品梱包用機械に供給することによって行ってもよい。
【0014】
本明細書では、喫煙品とは、紙巻きタバコ、葉巻、またはシガリロなどの喫煙可能な物品を指し、それらは、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再構成タバコ、またはタバコ代用品及び不燃性(heat-not-burn)物質を基材とする。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明をより深く理解できるように、あくまでの例示のみを目的とし、以下の図面を参照し本発明の態様を説明する。
【0016】
【図1】蓋が閉じた状態の喫煙品用パッケージの前方の一方向からみた略式斜視図である。
【図2】蓋が開いた状態の図1のパッケージの図である。
【図3】図1および図2のパッケージの略式分解図である。
【図4】パッケージの正面図である。
【図5】パッケージの背面図である。
【図6】パッケージの側面図である。
【図7】パッケージの底面図である。
【図8】図1から図7のパッケージの作製のためのブランクの略式図である。
【図9】図8のA−A’線に沿った部分断面図である。
【図10】図1から図7のパッケージに紙巻きタバコを詰めるための設備の略式図である。
【図11】図10の設備におけるエンボス加工ステーションの略式図である。
【0017】
図1から図8は、図8で示すブランクによって形成されたフリップトップ式蓋付き紙巻きタバコ用パッケージを示し、このパッケージは、正面パネル2、背面パネル3、サイドパネル4、5、底面パネル6およびヒンジ式蓋7を含み、全ては図8で示す厚紙のような板紙が重なったシート材でできたブランクの選択された部分を折り曲げ接着することで形成される。
【0018】
パッケージはサイドパネル4、5と正面と背面パネル2、3の間の接合部分に沿って長手方向に延びた面取りされている縁部8を有する。
【0019】
蓋7は傾斜した側縁部9と、閉じた状態において蓋のヒンジ線11より低い位置に位置する正面縁部10とを有し、正面パネルおよびサイドパネル2、3、4の上方縁部12および13は、蓋がきっちり閉まるようにこれら側縁部と正面縁部に対応するように形成されている。図2および図3が示すように、この例ではパッケージには20本の紙巻きタバコ14が収容されており、当業界で知られているとおり、蓋7が傾斜していることによって蓋が開いた状態において紙巻きタバコを取り出しやすくなっている。
【0020】
厚紙のような板紙が重なったシート材でできた内部フレーム15は、容器の開口部の上方部分内に装着されていて、例えば、接着剤によって接着され、ユーザーが紙巻きタバコを取り出すための凹部16を含む。内部フレーム15は、正面およびサイドパネル2、3、4と同じ広さの外部表面と、蓋7が閉じて、その外面が前面パネルおよびサイドパネル2、4、5と同一面に位置した状態になった時に蓋が当接できるひっかかりとしての役割を果たすために正面パネルと隣接する面取りされた縁8に沿って正面およびサイドパネル2、3、4の内部を制限するような形となっている。内部フレーム15は、そこから延びたフランジ17を含み、このフランジは、閉じている状態において蓋7を保持するためのストッパーとして機能する。
【0021】
正面および背面パネル2、3には、以下に詳しく説明するブランクをエンボス加工することによって形成される横方向に延びた帯体18が設けられる。
【0022】
横方向に延びた帯体18は、図9に示すひだを含む。帯体18の厚さtは、帯体18間の領域19の厚さrより大きい。領域19は、エンボス加工によって形成してもよいが、例えば領域19に沿って板紙材を鋭利なブレードで刻み付けまたは叩打するなどの他の技法を用いてもよい。
【0023】
上述の例において、ひだ18は正面および背面パネル2、3の全幅に亘って延び、図9に示すように等しい幅wを有する。ひだ18の間の領域19はこの例において、直線的で互いに平行である。さらに、図4および図5に示すように、蓋7の正面および背面にもこのようなひだ18Aが設けられている。
【0024】
ひだ18はパッケージの正面及び背面パネル2、3を頑丈にし強化する効果があり、これによってより薄い板紙材を、パッケージを組み立てる際に強度を失うことなくブランクの形成に使用できる。このことによって、材料費が安くなるだけでなく、パッケージの重さの減少により輸送費も安くなる。ひだ18Aは蓋7に対して同様の機能を果たす。
【0025】
また、ひだ18によって強化されることによってパッケージは、板紙材の紙目の方向による影響を受けなくなり、正面および背面パネル2、3においてその強度がなんら大きく変わることなしに、紙目をパッケージの長手方向あるいは横手方向のどちらにでも配置することが可能になる。
【0026】
加えて、上述のひだ18の使用によって、特別なボードの厚みをもつこれまでのものよりもパッケージの幅をより広く作製することができ、デザイナーは新しいパッケージデザインをより自由に考えることができる。
【0027】
さらに、ひだ18および18Aは、使用者がパッケージを掴み、蓋7を開けやすくするために、パッケージの外側に使用者が感じることができる保持面を供する。
【0028】
パッケージ1で使用されるカードは、1平方メートルあたりの重さが180〜300g、例えば280gであるが、帯体18を設けることにより、1平方メートルあたりの重さが215gあるいは200グラムのより軽い材料を使用することが可能になる。重さを軽くするとカードの強度が弱くなるが、帯体18の設置によりこのことは改善される。カードの厚さは、帯体18を形成するエンボス加工のものだと、通常0.3mmであり、エンボス加工をしていないものの50%となる。
【0029】
パッケージに紙巻きタバコを梱包する方法を、図10および図11を参照して説明する。図10に示すようにマガジン20は、複数のブランク1´を含み、これらは実質的に図8に示されたものだが、ひだ18がない。ブランクは当業界でよく知られた方法で、事前に印刷されていたり折り曲げ線によって事前に形成されていてもよい。事前印刷されたブランクにひだ18がエンボス加工されるエンボス加工ステーション21に、個々のブランクは連続して運ばれる。その後、紙巻きタバコ23が供給される紙巻きタバコの梱包機械22に、ブランクは運ばれる。紙巻きタバコの梱包機械22は、パッケージ1を形成するためにブランクを折り曲げ、内部フレーム15に紙巻きタバコを詰め、アルミ箔で包装する(図示せず)。
【0030】
梱包機械22は、折り曲げ斜線に沿って図8で示すようにブランクを折り曲げるために、当業者によく知られた方法で作動し、パッケージを形成する。ブランク1´は底部パネル部6´によって接合された正面パネル部2´および背面パネル部3´を含む。蓋は蓋パネル部7´によって形成され、蓋パネル部7´は、蓋の頂部24、蓋の背面パネル25、蓋の正面パネル26および図1乃至図3で示す蓋構造を作製するために内方向へ折り曲げ可能な凹部フラップ(re-entrant flaps)28〜30で形成される。
【0031】
パッケージの側壁4、5は、正面パネル部2´及び背面パネル部3´にそれぞれ属するパネル部4´、4´´、5´及び5´´から形成される。パッケージが折り曲げられると、パネル部4´と4´´ならびにパネル5´と5´´は、お互いに重なり合い、共に接着され側壁4、5を形成する。
【0032】
面取りされた縁部8は、折り曲げ斜線31、32を折り曲げることにより領域8´から形成される。組み立てられると、蓋7はヒンジ線11に沿ってヒンジ式で動くことが可能である。
【0033】
最初は、ブランクはひだ18、18Aがない状態で、取引や使用上の注意などを予め印刷してあってもよい。それらは、連続的にエンボス加工ステーション21に運ばれ、図11に示すようにツールを使ってエンボス加工される。ここで、ブランクの表面をエンボス加工するために、予め印刷されたブランク1´は、矢印Aの方向へと動かされたエンボス加工ツール34と位置合わせされて配置される。ツール34は、ブランクに形成される凸面のひだ18の鏡面(型)となる一連の凹面のひだ35を含み、ブランク1´上へと下方に移動し、ブランクにひだをエンボス加工によって形成し、図8に示す構成のブランクを作製する。
【0034】
その後、エンボス加工されたブランク1´は、上述したように組み立てられ、紙巻きタバコを詰めるために、図10で示す紙巻きタバコ梱包機械22へと運ばれる。
【0035】
既述のパッケージの様々な改良や変形例が、本発明の範囲内で可能である。本明細書では、正面および背面パネル2、3におけるひだ18の数が同じであるが、ひだの数は異なってもよく、例えば、正面パネルと比較して背面パネル3に設けられるひだ18の数が少なくてもよい。また、正面パネルの全てにひだ18が設けられなくてもよく、表面がひだのない平らな構成であるパネル部分があってもよい。
【0036】
さらに、上述のパッケージは面取りされた縁部8を有するが、パッケージが直線的な縁や湾曲した縁部を有する場合は、省略できる。湾曲した縁部が設けられる場合は、ひだ18があることにより、パッケージの正面および背面が頑丈に作製できる一方で、湾曲した縁部に容易に変形できる比較的薄いボード材を使用できる。
【0037】
ひだ18は、上述のように幅が全く同じ必要なく、幅は様々であってもよい。さらに、ひだは直線的である必要なく、湾曲した縁部を有してもよい。ひだ18は、正面および背面パネル2、3の幅全体にわたって延びる必要はない。
【0038】
エンボス加工ステーション21におけるエンボス加工ツールもまた、回転式エンボス装置であってもよく、エンボス加工を必要としない帯体を形成する他の方法も当業者には自明である。
【0039】
またブランクは、帯体ともに同時に製造してもよく、これにより、マガジン20にあるブランクはすでに帯体を有し、エンボス加工ステーション21が不要となる。
【0040】
本発明は、フリップトップ式蓋付きパッケージと関連して記載されているが、蓋を必要としないその他の喫煙品用のパッケージ、例えば、複数のフリップトップ式紙巻きタバコパッケージを保持する容器にも適用できる。
【0041】
その他多くの変形および変性が添付の特許請求の範囲内にあることは明白である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するサイドパネルによって接合された正面パネルおよび背面パネルと、底面パネルと、頂部パネルとを含み、これらのパネルの内少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体との間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とする喫煙品用パッケージ。
【請求項2】
前記頂部パネルが蓋を含むことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記正面パネルおよび前記背面パネルの両方が前記横方向に延びた帯体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記帯体がエンボス加工によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージがシート材から作製され、前記帯体がシート材の厚み方向に形成されたひだを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記蓋上に少なくともひとつの前記ひだを含むことを特徴とする請求項4に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記ひだが平行な側縁部を有することを特徴とする請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記ひだがサイドパネルとサイドパネルとの間に延びていることを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記シート材が厚紙を含むことを特徴とする請求項5に記載のパッケージ。
【請求項10】
喫煙品を収容することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記喫煙品が紙巻きタバコを含むことを特徴とする請求項10に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記蓋がフリップトップを含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項13】
内部フレームをパッケージ内に含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記帯体が少なくともひとつのパネルの外部表面に形成されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記パッケージの角縁部が面取りされている、または湾曲している、あるいは矩形であることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項16】
喫煙品用パッケージを作製するブランクであって、正面パネル部、背面パネル部、底面パネル部、サイドパネル部および蓋パネル部を含み、これらパネル部の少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体の間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とするブランク。
【請求項17】
正面パネル部、背面パネル部、底面パネル部、サイドパネル部および蓋パネル部を含み、これらパネル部の少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体の間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とするブランクから喫煙品用パッケージを作製する方法。
【請求項18】
横方向に延びた帯体を形成するためにブランクにエンボス加工することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記帯体を形成するためにブランクのマガジンからブランクの1つを連続的にエンボス加工ステーションに搬送し、そしてエンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ梱包機械に搬送し、パッケージを形成し紙巻きタバコを梱包することを含む請求項18記載の方法。
【請求項1】
互いに対向するサイドパネルによって接合された正面パネルおよび背面パネルと、底面パネルと、頂部パネルとを含み、これらのパネルの内少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体との間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とする喫煙品用パッケージ。
【請求項2】
前記頂部パネルが蓋を含むことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記正面パネルおよび前記背面パネルの両方が前記横方向に延びた帯体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記帯体がエンボス加工によって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージがシート材から作製され、前記帯体がシート材の厚み方向に形成されたひだを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記蓋上に少なくともひとつの前記ひだを含むことを特徴とする請求項4に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記ひだが平行な側縁部を有することを特徴とする請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記ひだがサイドパネルとサイドパネルとの間に延びていることを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記シート材が厚紙を含むことを特徴とする請求項5に記載のパッケージ。
【請求項10】
喫煙品を収容することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記喫煙品が紙巻きタバコを含むことを特徴とする請求項10に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記蓋がフリップトップを含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項13】
内部フレームをパッケージ内に含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記帯体が少なくともひとつのパネルの外部表面に形成されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記パッケージの角縁部が面取りされている、または湾曲している、あるいは矩形であることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項16】
喫煙品用パッケージを作製するブランクであって、正面パネル部、背面パネル部、底面パネル部、サイドパネル部および蓋パネル部を含み、これらパネル部の少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体の間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とするブランク。
【請求項17】
正面パネル部、背面パネル部、底面パネル部、サイドパネル部および蓋パネル部を含み、これらパネル部の少なくとも1つが複数の横方向に延びた帯体を含み、帯体の厚さが帯体と帯体の間の領域の厚さよりも厚いことを特徴とするブランクから喫煙品用パッケージを作製する方法。
【請求項18】
横方向に延びた帯体を形成するためにブランクにエンボス加工することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記帯体を形成するためにブランクのマガジンからブランクの1つを連続的にエンボス加工ステーションに搬送し、そしてエンボス加工されたブランクを紙巻きタバコ梱包機械に搬送し、パッケージを形成し紙巻きタバコを梱包することを含む請求項18記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−519785(P2011−519785A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506632(P2011−506632)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053514
【国際公開番号】WO2009/132905
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053514
【国際公開番号】WO2009/132905
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【Fターム(参考)】
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