説明

回路基板及び電気機器

【課題】プリント基板とフレキシブル基板との接続部の高さ寸法を小さくし、及び、プリント基板上におけるフレキシブル基板の接続部が占める面積を小さくする。
【解決手段】回路基板において、表裏両面に電極が設けられたプリント基板4、5と、異方性導電膜11を介してプリント基板4、5に接続されるフレキシブル基板6と、を備え、フレキシブル基板6における電極が設けられた領域がプリント基板4、5を表裏両面から挟む位置にフレキシブル基板6が折り曲げられ、フレキシブル基板6に設けられた電極とプリント基板4、5の表裏両面に設けられた電極とが異方性導電膜11を介して接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及び電気機器に関し、特に、プリント基板とフレキシブル基板とを接続した回路基板及びこの回路基板を使用した電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されているように、電気機器である折り畳み形式の携帯電話機には、リジッドタイプのプリント基板とフレキシブル基板とを接続した回路基板が使用されている。プリント基板とフレキシブル基板とは、コネクタを用いて接続されている。
【特許文献1】特開2002−134872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した回路基板においては、以下の点について配慮がなされていない。
【0004】
携帯電話機等の携帯形式の電気機器は、薄型化や小型化の要望が大きい。電気機器の薄型化や小型化を実現するためには、プリント基板に実装される電子部品の小型化を図る必要があり、特に、プリント基板の実装面からの高さ寸法が小さい電子部品を使用する必要がある。
【0005】
しかし、プリント基板に実装されるコネクタは、プリント基板の実装面からの高さ寸法が大きい。このため、プリント基板とフレキシブル基板とをコネクタを用いて接続した場合には、プリント基板とフレキシブル基板との接続部の高さ寸法が大きくなり、電気機器の薄型化や小型化を図ることが難しくなる。
【0006】
また、プリント基板上に実装される電子部品の数が増え、コネクタにより接続される電気信号線の数が増えた場合にはコネクタの設置面積が大きくなる。コネクタの設置面積が大きくなればプリント基板の面積を大きくする必要が生じ、この点からも電気機器の小型化を図ることが難しくなる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、プリント基板とフレキシブル基板との接続部の高さ寸法を小さくすることができ、及び、プリント基板上におけるフレキシブル基板の接続部が占める面積を小さくすることができる回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、回路基板において、表裏両面に電極が設けられたプリント基板と、異方性導電膜を介して前記プリント基板に接続されるフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板における電極が設けられた領域が前記プリント基板を表裏両面から挟む位置に前記フレキシブル基板が折り曲げられ、前記フレキシブル基板に設けられた前記電極と前記プリント基板の表裏両面に設けられた前記電極とが前記異方性導電膜を介して接続されていることである。
【0009】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、電気機器において、本発明の実施の形態に係る第1の特徴の回路基板を具備することである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プリント基板とフレキシブル基板との接続部の高さ寸法を小さくすることができ、及び、プリント基板上におけるフレキシブル基板の接続部が占める面積を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、折り畳み式の携帯電話機は、表示部が設けられている第1筐体1と、入力キーが設けられている第2筐体2とに分割して形成され、これらの第1筐体1と第2筐体2とが支持部3により回動可能に連結されている。
【0013】
第1筐体1の内部にはリジッドタイプのプリント基板4が収納され、このプリント基板4には複数の電子部品(図示せず)が実装されている。
【0014】
第2筐体2の内部にはリジッドタイプのプリント基板5が収納され、このプリント基板5には複数の電子部品(図示せず)が実装されている。
【0015】
プリント基板4の縁部にはフレキシブル基板6の一端側が接続され、プリント基板5の縁部にはフレキシブル基板6の他端側が接続されている。
【0016】
フレキシブル基板6は、図3に示すように、絶縁性膜7と、絶縁性膜7の上に設けられた複数の配線8と、配線8の両端に設けられた電極9a、9bとを備えている。絶縁性膜7は、直線形状の連絡部7aと、連絡部7aの両端に設けられた挟み部7bとを有し、挟み部7bに電極9a、9bが形成されている。挟み部7bには折り目10が付けられており、挟み部7bを折り目10に沿って折り曲げることにより、プリント基板4、5の縁部が表裏両面から挟み部7bにより挟まれる。折り目10は、挟み部7bをプリント基板4、5を表裏両面から挟む位置に折り曲げる場合の目印となるもので、フレキシブル基板6を折り目10を付ける装置に押し込むことにより、又は、フレキシブル基板6を折り目10を付ける装置で挟むことにより付けられている。
【0017】
プリント基板4、5の表裏両面の縁部には、フレキシブル基板6の電極9a、9bとの接続用の電極(図示せず)が設けられている。挟み部7bでプリント基板4、5の縁部を挟んだ場合に、電極9aに対向する位置にプリント基板4、5の表面側の電極が形成され、電極9bに対向する位置にプリント基板4、5の裏面側の電極が形成されている。プリント基板4、5の電極とフレキシブル基板6の電極9a、9bとの接続は、異方性導電膜11を介して行われている。
【0018】
このような構成において、プリント基板4、5とフレキシブル基板6とを接続する場合は、フレキシブル基板6を折り目10に沿って折り曲げ、電極9aを異方性導電膜11を介してプリント基板4、5の表面側の電極に対向させ、さらに、電極9bを異方性導電膜11を介してプリント基板4、5の裏面側の電極に対向させる。
【0019】
ついで、図2の矢印Aで示す方向から熱と圧力とを加え、フレキシブル基板6の電極9a、9bとプリント基板4、5の電極とを接続する。
【0020】
矢印A方向から熱と圧力とを加えてフレキシブル基板6の電極9a、9bとプリント基板4、5の電極とを接続する場合、表面側と裏面側とを同時に接続してもよく、又は、表面側と裏面側とを別工程で接続してもよい。
【0021】
プリント基板4、5とフレキシブル基板6との接続を異方性導電膜11を介して行うことにより、プリント基板4、5の表面からの高さ寸法が大きい電子部品であるコネクタを使用する必要がなく、プリント基板4、5とフレキシブル基板6との接続部の高さ寸法を小さくすることができる。このため、異方性導電膜11を用いてプリント基板4、5とフレキシブル基板6とを接続した回路基板を携帯電話機に用いることにより、携帯電話機の薄型化や小型化を図ることができる。
【0022】
さらに、プリント基板4、5とフレキシブル基板6とを接続した回路基板では、フレキシブル基板6を折り曲げてプリント基板4、5を表裏両面から挟み、プリント基板4、5の電極とフレキシブル基板6の電極9a、9bとを接続している。このため、プリント基板4、5の片面においては、フレキシブル基板6との接続部が占める面積が小さくなり、プリント基板4、5の表面積を小さくすることができる。これにより、プリント基板4、5を小型化することができ、この小型化されたプリント基板4、5とフレキシブル基板6とを接続した回路基板を小型化することができる。そして、この小型化された回路基板を携帯電話機に用いることにより、携帯電話機の薄型化や小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリント基板とフレキシブル基板とを接続した回路基板を示す平面図である。
【図2】一部を破断にして示す回路基板の側面図である。
【図3】フレキシブル基板を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
4、5…プリント基板、6…フレキシブル基板、9a、9b…電極、10…折り目、11…異方性導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏両面に電極が設けられたプリント基板と、
異方性導電膜を介して前記プリント基板に接続されるフレキシブル基板と、
を備え、
前記フレキシブル基板における電極が設けられた領域が前記プリント基板を表裏両面から挟む位置に前記フレキシブル基板が折り曲げられ、前記フレキシブル基板に設けられた前記電極と前記プリント基板の表裏両面に設けられた前記電極とが前記異方性導電膜を介して接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記フレキシブル基板に、前記プリント基板を表裏両面から挟む位置に折り曲げる場合の目印となる折り目が付けられていることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
請求項1又は2記載の回路基板を具備することを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−78498(P2008−78498A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257727(P2006−257727)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】