説明

回転電機用ステータ

【課題】回転電機用ステータにおいて、分割コアを備える構成において、コストを低減でき、かつ、設計や締め付け力管理を容易に行え、かつ、各部品の製造を容易に行え、しかも、冷却専用部品を設けることなく、冷却機能を持たせる構成を実現することである。
【解決手段】ステータは、円環状に配置された複数の分割コア18により構成されるコア本体24と、コア本体24の外周に巻き付けられた金属管である外筒20とを含む。外筒20の両端寄り部分を径方向外側に曲げ形成する。外筒20の両端寄り部分とコア本体24の外周面とを同時に溶接固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円環状に配置された複数の分割コアを備える回転電機用ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジン及びモータを駆動源として走行するハイブリッド車両や、電気自動車や燃料電池車等において、回転電機がモータや発電機として使用されている。また、回転電機をモータ及び発電機の両方の機能を有するものとして使用される場合もある。また、回転電機は、ステータと、ステータに対向配置され、回転するロータとを備える。このようなステータとして、高周波での鉄損を抑える等のために、絶縁被膜処理を施した金属磁性粉末の圧粉体や、樹脂を添加した金属磁性粉末の圧粉体を用いたステータコアを使用することが考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、円環状に配置した複数の分割コアの外周に外周薄板を巻き付け、外周薄板の周方向端部を径方向外側に折り曲げて形成した折り曲げ部である耳部同士が溶接により接続され、外周薄板と複数の分割コアとが嵌合されている。
【0004】
また、外周薄板の軸方向に対向するように周方向に間隔をあけて複数組設けられる挟持片であって、舌片を径方向内側に折り曲げて設けられた挟持片により分割コアが挟持されている。また、挟持片を、分割コアのヨーク部の軸方向端面に形成された凹部に嵌合して、分割コアを周方向に位置決めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−195281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載されたステータでは、分割コアの位置決めのために外周部に設ける外周薄板が折り曲げ部である挟持片を有し、外周薄板を成形するためのプレス工程が必要となるだけでなく、プレス型が複雑になる。また、挟持片の折り曲げ工程も必要になる。このように工程が増えることはコストが過度に上昇する原因となる。
【0007】
また、外周薄板と分割コアとの相手部材に対する嵌合部の寸法を高精度にしなければ外周薄板と分割コアとの位置決め精度が不十分になりやすい。例えば、外周薄板の挟持片の曲げ精度自体や、挟持片の寸法や個々の部品の寸法ばらつきが重なった組み付け状態に合わせた曲げ固定が必要になる。このため、分割コアを備えるステータで、取り付け時の締め代ばらつきに対する設計や寸法管理による締め付け力管理を容易に行え、取り付け部品間での寸法精度を低くでき、各部品の製造を容易に行える構造の実現が望まれている。さらに、ステータを冷却するために冷却専用の別部品をステータに設ける場合、部品点数が増え、コストが過度に増大する可能性がある。このため、分割コアを備えるステータで、冷却専用の部品を設けることなく、冷却機能を持たせることも望まれている。
【0008】
本発明は、回転電機用ステータにおいて、分割コアを備える構成において、コストを低減でき、かつ、設計や締め付け力管理を容易に行え、かつ、各部品の製造を容易に行え、しかも、冷却専用部品を設けることなく冷却機能を持たせる構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る回転電機用ステータは、円環状に配置された複数の分割コアと、複数の分割コアの外周に巻き付けられた金属管と、を備え、金属管の両端寄り部分と、円環状に配置された複数の分割コアの外周とが同時に溶接固定されていることを特徴とする回転電機用ステータである。
【0010】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、好ましくは、金属管は、断面矩形に形成され、複数の分割コアの外周に金属管を丸めた状態で両端寄り部分が同時に溶接固定されている。
【0011】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、好ましくは、金属管は、複数の分割コアの外周に複数周回分巻き付けられている。
【0012】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、好ましくは、金属管は、複数の分割コアの外周の周方向片側部分に巻き付けられた第1金属管であり、さらに、複数の分割コアの外周の周方向他側部分に巻き付けられた第2金属管を備え、第1、第2両金属管の一端寄り部分同士及び円環状に配置された複数の分割コアの外周の一部と、第1、第2両金属管の他端寄り部分同士及び円環状に配置された複数の分割コアの外周の別の部分とが、同時に溶接固定されている。
【0013】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、好ましくは、金属管は、複数の分割コアの外周面に軸方向に沿う外形を有する扁平な矩形断面を有し、かつ、金属管の少なくとも軸方向一端面に、金属管内の流れと直交する方向に形成された冷媒噴出孔を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る回転電機用ステータによれば、分割コアを備える構成において、単純な管形状で複数の分割コアを円環状に一体に固定できるので、複雑なプレス型を使用せずコストを低減できる。また、組み付け時の締め代ばらつきに対する設計や締め付け力の管理を容易に行える。また、組み付ける部品間での寸法精度を過度に高くする必要がなくなり、各部品の製造を容易に行える。さらに、組み付け部品である金属管に冷媒を流すことで、冷却専用部品を設けることなくステータに冷却機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態の回転電機用ステータを構成するステータコアを示す図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】ステータコアにコイルを巻回したステータを示す、図2のB−B断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の別例の第1例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。
【図5】本発明の実施の形態の別例の第2例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。
【図6】本発明の実施の形態の別例の第3例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。
【図7】本発明の実施の形態の別例の第4例の回転電機用ステータを構成するステータコアを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の別例の第5例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図3は、本発明の実施の形態の1例を示している。図1に示すように、モータや発電機として使用される回転電機を構成する回転電機用ステータである、ステータ10(図3)は、円環状に設けられたステータコア12と、ステータコア12の内周部の周方向複数個所に径方向に突出するように設けられたティース14に、集中巻きまたは分布巻きで巻回されたコイル16(図3)とを備える。また、ステータコア12は、円環状に周方向に隣接するように配置された複数の分割コア18と、複数の分割コア18の外周面に周方向に巻き付けられたパイプ状の金属管である外筒20とを備える。
【0017】
図2に詳しく示すように、各分割コア18は、組み付けられた状態で外周部に設けられるヨーク要素22と、組み付けられた状態でヨーク要素22の内周側となる部分に設けられたティース14とを有する。分割コア18は、複数個が円環状に隣接するように配置され、コア本体24を構成する。各ティース14にはコイル16(図3)が巻回される。
【0018】
図1に示すように、このようなコア本体24の外周面には、金属管であり、略円筒形に形成された外筒20を密着するように巻き付けている。図1、図3に示すように、外筒20は、コア本体24の円筒状の外周面に軸方向に沿うように、コア本体24の軸方向全長とほぼ同じ軸方向長さを有するように設けられた断面矩形状としている。そして外筒22が、コア本体24の外周面に沿って略円筒状に丸めて締め付けるようにコア本体24の外周面に周方向に巻き付けられ、外筒20の両端寄り部分の互いに対向する部分が、それぞれ径方向外側に曲げ形成されて曲げ部26が形成されている。また、外筒20の周方向両端寄り部分同士の間に隙間27(図2)が設けられている。
【0019】
そして、外筒20の周方向両端寄り部分と、コア本体24の外周面の周方向一部とが図1、図2に斜線部で示す溶接部28で、同時に溶接固定されている。すなわち、外筒20の両端寄り部分と分割コア18の外周部とが同時に溶接固定されている。図示の例では、コア本体24の周方向に関して、外筒20の周方向両端寄り部分の間に、2個の分割コア18の隣接する端部同士が位置し、2個の分割コア18と外筒20の両端寄り部分とが同時に溶接固定されている。ただし、コア本体24の周方向に関して、外筒20の周方向両端寄り部分の間に、1個の分割コア18の周方向中央部が位置する場合に、1個の分割コア18と外筒20の両端寄り部分とを同時に溶接固定することもできる。
【0020】
このように分割コア18の外周に外筒20を巻き付ける場合、円環状に配置した複数の分割コア18の内側に円筒状の治具(図示せず)を嵌合させて行うこともできる。また、外筒20を造る際に、丸い断面の金属管を潰して断面矩形の扁平形状に成形したあと、円筒状に丸め成形したり、矩形の断面を有する金属管を円筒状に丸め成形することができる。
【0021】
また、図3に示すように、外筒20の内側に冷媒通路29を設けるとともに、図2に示すように、外筒20の径方向外側に向く一端部を冷媒入口30とし、外筒20の径方向外側に向く他端部を冷媒出口32とすることができる。そして冷媒、例えば冷却水や、オートマチックトランスミッションフルード(ATF)等の冷却油等の冷却液を、冷媒入口30から冷媒出口32に向け、外筒20内に流すことで、コア本体24を冷却することができる。このため、外筒20は、高い熱伝導性を有する材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等により造るようにしてもよい。また、使用時には、冷媒入口30と冷媒出口32とに、図示しない冷媒経路の両端を接続し、冷媒経路の途中に熱交換部や冷媒ポンプを設けて、冷媒経路と外筒20とを含む冷媒循環経路に冷媒を循環させる。この場合、熱交換部で冷媒を空気や他の冷媒等と熱交換させて冷媒を冷却する。また、冷媒として冷却油を用いる場合に、熱交換部の代わりにオイルパンを設けて、オイルパンに冷媒を通過させることで冷却することもできる。
【0022】
このようなステータコア12は、ティース14にコイル16を巻回してステータ10(図3)を形成した状態で、図示しないハウジングの内側にステータ10を嵌合固定したり、ステータ10の外周部に図示しないブラケットを接合し、そのブラケットにより、図示しない固定部に固定して使用することができる。また、図3に示すように、コイル16のうち、ステータコア12の軸方向両端面から軸方向に突出する部分により、コイルエンド34が形成されている。
【0023】
このようなステータ10によれば、分割コア18を備える構成において、単純な管形状の外筒20で複数の分割コア18を円環状に一体に固定できるので、複雑なプレス型を使用せず、コストを低減できる。また、組み付け時の締め代ばらつきに対する設計や締め付け力の管理を容易に行える。すなわち、本実施の形態と異なり、円環状に配置された複数の分割コアを外側の筒部により焼き嵌めや圧入により固定する場合と異なり、外筒20に対するコア本体24の固定時の締め代ばらつきに対する設計や締め付け力の管理が容易になる。
【0024】
また、複数の分割コア18と、分割コア18に巻き付けた外筒20とを同時に溶接により固定できるため、外筒20に対する分割コア18の位置決め精度が良好で、構成部品に要求される寸法精度を低くできる。すなわち、外筒20及び分割コア18である、組み付ける部品間での寸法精度を過度に高くする必要がなくなり、各部品の製造を容易に行える。また、外筒20が単純な形状で、さらに分割コア18に巻き付ける形状であるため、複数の分割コア18の軸方向厚さの違いや径方向の寸法の違いに対応することを容易に行える。さらに、組付け部品である外筒20に冷却機能を持たせ、外筒20に冷媒を流すことで、ステータ10に冷却専用部品を設けることなく、冷却機能を持たせることができる。このため、ステータ10に冷却機能を持たせるのにもかかわらず、部品点数を過剰にすることなく、設置空間を小さくでき、しかもコストの過度の上昇を防止できる。
【0025】
また、外筒20の管の形状が単純であるため、板材に深絞り等のプレス成形を施すことにより外筒20を作る場合と異なり、材料歩留まりを大幅に向上できる。なお、上記では、外筒20の断面が矩形である場合を説明したが、外筒20の断面は丸形や三角形等、他の形状とすることもできる。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態の別例の第1例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。図4に示す別例の第1例の場合、上記の図1〜3の構成で設けていた外筒20(図1等)の代わりに、複数の分割コア18の外周にらせん状に複数周回分巻き付けられた細管状の金属管36が設けられている。図4に示す例では、金属管36は断面丸形としている。また、金属管36の内側に冷媒通路37が設けられている。そして、円環状に配置された複数の分割コア18により構成されるコア本体24の外周に金属管36を複数周回分巻き付け、両端寄り部分を径方向外側に曲げ形成した状態で、金属管36の両端寄り部分とコア本体24の外周面とが同時に溶接固定されている。この場合、金属管36の両端寄り部分同士が周方向に対向しない場合があるが、この場合は、金属管36の一端寄り部分及びコア本体24の外周部の溶接と、金属管36の他端寄り部分及びコア本体24の外周部の溶接との、複数個所の溶接部の溶接を同時に行う。また、このようにステータコア12を構成した状態で、ステータコア12を構成するティース14にコイル16を巻き付けることで、ステータ10を形成している。
【0027】
このような構成によれば、金属管36を組み付け前に、コア本体24の軸方向(図4の左右方向)全長とほぼ同じ軸方向長さを有するように金属管36を扁平に成形する必要がなくなる。また、金属管36をコア本体24に複数周回分巻き付けているため、金属管36の断面寸法に応じて巻き付け周回を変化させることができる。このため、金属管36の断面寸法によらずに、ステータ10の軸方向全長(厚さ)の変化に対応することが容易になる。さらに、金属管36をコア本体24に複数周回分巻き付けるため、コア本体24と金属管36との接触面積及び金属管36の外部への放熱面積を保つか、または増大させつつ、扁平金属管に冷媒を流す場合と同一冷媒量で流速を増大できるので、冷却効率を向上でき、しかも金属管36内の冷媒の淀み、すなわち滞留を防止できる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜3に示した実施形態の場合と同様である。
【0028】
なお、図4の別例の第1例では、金属管36の断面を丸形としているが、図5、図6にそれぞれ示す別例の第2例、第3例のように、金属管36の断面を三角形または正方形、長方形等の矩形とすることもできる。このように金属管36の断面を三角形または矩形とする場合には、金属管36とコア本体24との接触面積をより増大でき、冷却効率を向上させることができる。
【0029】
図7は、本発明の実施の形態の別例の第4例の回転電機用ステータを構成するステータコアを示す図である。図7に示す別例の第4例のステータコア12では、円環状に配置された複数の分割コア18により構成されるコア本体24の外周に、パイプ状で断面矩形の金属管を複数系統に分けて巻き付けている。すなわち、図7に示す例では、コア本体24の外周面の周方向片側部分(図7の右側部分)に断面矩形で略半円状に形成された第1金属管38を巻き付け、コア本体24の外周面の周方向他側部分(図7の左側部分)に断面矩形で略半円状に形成された第2金属管40を巻き付けている。
【0030】
また、各金属管38,40の両端寄り部分で互いにほぼ直径方向反対側部分をそれぞれ径方向外側に曲げ形成することで、曲げ部42を形成している。また、各金属管38,40の一端寄り部分同士を隙間をあけて、ステータコア12の周方向に対向させ、各金属管38,40の他端寄り部分同士を隙間をあけて、ステータコア12の周方向に対向させている。
【0031】
そして、第1、第2両金属管38,40の一端寄り部分同士及びコア本体24の外周面の周方向一部と、第1、第2両金属管38,40の他端寄り部分同士及びコア本体24の外周面の別の部分である直径方向のほぼ反対側の部分とを、溶接部44,46により同時に溶接固定している。
【0032】
さらに、各金属管38,40の両端部のうち、上側に向く一端部を冷媒入口30とし、下側に向く他端部を冷媒出口32としている。
【0033】
このような別例の第4例によれば、各金属管38,40内で冷媒を上側から下側に流すことができ、冷媒が各金属管38,40内で円環状に循環しないので、円環状に循環させる場合よりも冷媒温度を低減できるとともに、冷媒の熱劣化の防止を図れる。また、冷媒が各金属管38,40内で円環状に循環する構成でないので、使用時に各金属管38,40の冷媒入口30に、冷媒を冷却する冷却部を有する冷媒供給部(図示せず)の冷媒出口を接続すれば、各金属管38,40の冷媒出口32に冷媒経路を接続しなくてもよく、各金属管38,40内に冷媒供給部で冷却された冷媒を連続的に注入し、流すことができる。また、各金属管38,40の冷媒出口32からは下側に冷媒を噴出させ、下側で受け止めた図示しない冷媒溜まりから冷媒供給部にポンプ等により冷媒を戻すこともできる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜図3に示した実施形態の場合と同様である。なお、上記では、金属管38,40の断面が矩形である場合を説明したが、金属管38,40の断面は丸形や三角形等、他の形状とすることもできる。
【0034】
図8は、本発明の実施の形態の別例の第5例の回転電機用ステータを示す、図3に対応する図である。図8に示す別例の第5例の場合には、上記の図1〜図3に示した実施形態において、金属管である外筒20aを、複数の分割コア18により構成されるコア本体24の外周面に軸方向に沿う外形を有する扁平な矩形断面を有するように形成している。また、外筒20aの内側に冷媒通路29を設けるとともに、外筒20aの軸方向両端面の周方向複数個所に、外筒20a内の流れと直交する方向である、軸方向(図8の左右方向)に形成された冷媒噴出孔48を有するようにしている。
【0035】
このような構成によれば、外筒20aの内部を流れる冷媒が、冷媒通路29から冷媒噴出孔48を通じて外部に噴出され、噴出された冷媒は図8に矢印α方向で示すように、ステータ10の両側に設けられた各コイルエンド34にかかる。このため、各コイルエンド34を冷媒によりコア本体24を介さずに直接に冷却することができる。また、外筒20aはコア本体24の外周面に接触しているので、外筒20aを流れる冷媒によりコア本体24も冷却できる。すなわち、本構成例によれば、外筒20aを流れる冷媒によりコア本体24の外周部とコイル16とをより有効に冷却することができる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜図3に示した実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0036】
10 ステータ、12 ステータコア、14 ティース、16 コイル、18 分割コア、20,20a 外筒、22 ヨーク要素、24 コア本体、26 曲げ部、27 隙間、28 溶接部、29 冷媒通路、30 冷媒入口、32 冷媒出口、34 コイルエンド、36 金属管、37 冷媒通路、38 第1金属管、40 第2金属管、42 曲げ部、44,46 溶接部、48 冷媒噴出孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状に配置された複数の分割コアと、
複数の分割コアの外周に巻き付けられた金属管と、を備え、
金属管の両端寄り部分と、円環状に配置された複数の分割コアの外周とが同時に溶接固定されていることを特徴とする回転電機用ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
金属管は、断面矩形に形成され、複数の分割コアの外周に金属管を丸めた状態で両端寄り部分が同時に溶接固定されていることを特徴とする回転電機用ステータ。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
金属管は、複数の分割コアの外周に複数周回分巻き付けられていることを特徴とする回転電機用ステータ。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
金属管は、複数の分割コアの外周の周方向片側部分に巻き付けられた第1金属管であり、
さらに、複数の分割コアの外周の周方向他側部分に巻き付けられた第2金属管を備え、
第1、第2両金属管の一端寄り部分同士及び円環状に配置された複数の分割コアの外周の一部と、第1、第2両金属管の他端寄り部分同士及び円環状に配置された複数の分割コアの外周の別の部分とが、同時に溶接固定されていることを特徴とする回転電機用ステータ。
【請求項5】
請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
金属管は、複数の分割コアの外周面に軸方向に沿う外形を有する扁平な矩形断面を有し、かつ、金属管の少なくとも軸方向一端面に、金属管内の流れと直交する方向に形成された冷媒噴出孔を有することを特徴とする回転電機用ステータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−222929(P2012−222929A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85302(P2011−85302)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】