回転電機
【課題】安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部と磁石体との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機を提供する。
【解決手段】回転電機1は、複数の巻線部20を環状に配してなる巻線ユニット2と、巻線部20に対向配置された磁石体61を有する磁石体ユニット6とを備えている。巻線部20は、磁性体からなるコア30と、このコア30の周囲に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に介在したボビン5とからなる。磁石体61と巻線部20のコア30とは、対向配置されている。ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。
【解決手段】回転電機1は、複数の巻線部20を環状に配してなる巻線ユニット2と、巻線部20に対向配置された磁石体61を有する磁石体ユニット6とを備えている。巻線部20は、磁性体からなるコア30と、このコア30の周囲に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に介在したボビン5とからなる。磁石体61と巻線部20のコア30とは、対向配置されている。ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機や発電機として用いられる回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や家電製品などの様々な分野において、電力を駆動力に変換する電動機又は駆動力を電力に変換する発電機をなす回転電機が用いられている。この回転電機としては、環状に配された複数の巻線部を有する巻線ユニットと、この巻線部に対向するように配された複数の磁石体を有する磁石体ユニットとを備えたものが多く用いられている。
【0003】
回転電機は、巻線ユニットと磁石体ユニットとを備えており、いずれか一方をロータ(回転)とし、他方をステータ(固定側)として、巻線ユニットと磁石体ユニットとは、相対的に回転可能に構成されている。
このような回転電機においては、巻線部と磁石体との間に隙間が形成されるため、この隙間に砂や小石等の異物が入り込み、巻線部又は磁石体が損傷したり、円滑な回転を阻害するおそれがある。そこで、特許文献1に開示されているような、巻線部及び磁石体の全面を覆うカバーを配する構造を採用することにより、異物の入り込みを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4572591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造を採用しようとすると、回転電機を構成する部品点数の増加及びカバーの組付工数の増加が必要となる。そのため、回転電機のコストの増大及び生産効率の低下につながる場合がある。
【0006】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部と磁石体との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
該巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、上記巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う被覆部を備えることを特徴とする回転電機にある(請求項1)。
【0008】
発明の第2の態様は、複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって突出した突出部を備えることを特徴とする回転電機にある(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の態様において、上記回転電機の上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う上記被覆部を備えている。この被覆部を備えることにより、上記開口端の開口面積を小さくすることができる。そのため、上記開口端から上記コアと上記磁石体との間における隙間に異物が入り込みにくくなるようにすることができる。それゆえ、回転電機の損傷を防止することができる。また、上記被覆部は、上記ボビンの一部により構成されている。そのため、上記回転電機を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。したがって、回転電機の生産効率の低下を抑制し、コストの増大を防止することができる。それゆえ、シンプルな構造でかつ、安価な上記回転電機を得ることができる。
【0010】
上記第2の態様において、上記回転電機の上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって、突出した上記突出部を備えている。そのため、上記巻線ユニットを回転させた際に、上記開口部から上記巻線部と上記磁石体との間に入り込んだ異物を上記突出部によって掃き出すことができる。したがって、仮に上記開口部から上記コアと上記磁石体との間における隙間に異物が入り込んだとしても、その異物は上記突出部により速やかに掃き出される。それゆえ、上記巻線部及び上記磁石体の損傷を防止することができる。また、上記突出部は、上記ボビンの一部により構成されている。そのため、上記回転電機を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。したがって、回転電機のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。それゆえ、シンプルな構造でかつ、安価な上記回転電機を得ることができる。
【0011】
本発明によれば、上記のごとく、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部と磁石体との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における、回転電機を示す説明図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】実施例1における、ボビンを示す説明図。
【図5】図4における、B矢視方向の説明図。
【図6】図2のC−C線矢視断面図。
【図7】突出部の変形例を示す説明図。
【図8】実施例2における、回転電機を示す説明図。
【図9】図8のD−D線矢視断面図。
【図10】図9のE−E線矢視断面図。
【図11】実施例3における、回転電機を示す説明図。
【図12】図11のF−F線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記回転電機において、上記被覆部は、上記開口端における開口面積の1/3以上を覆っていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記コアと上記磁石体との間における隙間への異物の入り込み防止効果をより向上することができる。
【0014】
また、上記ボビンは、樹脂からなることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記被覆部及び上記突出部と上記ボビンとを容易に一体成形することができる。すなわち、樹脂成形は、製品形状の自由度が高いため、複雑な形状であっても比較的容易に形成することができる。また、一般的に樹脂は、金属や磁石体に比べて軟らかい。したがって、仮に公差等のばらつきによって、上記被覆部又は上記突出部が上記磁石体ユニットに接触したとしても、上記磁石体に対してかかる入力を小さくすることができる。それゆえ、上記磁石体の損傷や脱落を防止することができる。
【実施例】
【0015】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる回転電機1について、図1〜図6を参照して説明する。
回転電機1は、複数の巻線部20を環状に配してなる巻線ユニット2と、巻線部20に対向配置された磁石体61を有する磁石体ユニット6とを備えている。巻線部20は、磁性体からなるコア30と、このコア30の周囲に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に介在したボビン5とからなる。磁石体61と巻線部20のコア30とは、対向配置されている。ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。
【0016】
本例の回転電機1について、さらに詳細に説明する。
本例において、回転電機1のロータ(回転側)が回転する方向を回転方向Rとする。
また、本例に示す回転電機1は、自動二輪車に搭載され発電機として用いられるものである。
回転電機1は、図1及び図2に示すごとく、エンジン(図示略)を駆動源として回転するロータ(回転側)である磁石体ユニット6と、自動二輪車の車体に固定されたステータ(固定側)である巻線ユニット2とからなる。
【0017】
磁石体ユニット6は、図1及び図2に示すごとく、上記エンジンと連結されたケース62と、このケース62の内側に配された複数の磁石体61と、巻線ユニット2によって回転可能に軸支される回転軸622とを備えている。
ケース62は、図2に示すごとく、略円板状の底部621と、この底部621の外周から垂直に立設する円筒部623とからなる。円筒部623の内周面には、図1に示すごとく、複数の磁石体61を配してある。複数の磁石体61は、それぞれの磁極を内周側に向けると共に、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように配してある。また、磁石体61は、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体して回転電機1とした際に、環状に配した巻線部20の外周側において、巻線部20と対向する位置に配される。
【0018】
また、図2に示すごとく、底部621において、ケース62の内側に配される面には回転軸622を設けてある。回転軸622は、その中心とケース62の中心とが共通で、かつ底部621に対して垂直に立設している。回転軸622は、同図に示すごとく、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体させた際に、巻線ユニット2の基部31に配された軸受31に回転可能に軸支される。これにより、複数の磁石体61を保持した磁石体ユニット6は、巻線ユニット2に対して回転することができる。
【0019】
巻線ユニット2は、図1に示すごとく、環状に配された複数の巻線部20を備えている。この巻線部20は、磁性体からなるコア30と、コア30に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に配されたボビン5とからなる。
【0020】
コア30は、プレス機により切り出された電磁鋼板を、磁石体ユニット6の回転軸622の方向に複数枚積層してなる積層コア30である。コア30は、図1及び図2に示すごとく、積層状態において略円筒状をなす基部31の外周側面から径方向外側に向かって放射状に複数突出形成してある。図4及び図6に示すごとく、コア30の先端部には、磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に向かって延びる屈折部301が形成されている。また、図2に示すごとく、基部31の内周には、軸受312を挿通保持してあり、この軸受312によって磁石体ユニット6に配された回転軸622を軸支することができる。また、コア30及び基部31の表面は、絶縁塗料により塗装が施されている。
【0021】
図1及び図2に示すごとく、コア30の突出方向に対して垂直に配された側面には、コイル4が巻き付けてある。コイル4は、送電ハーネス(図示略)と連結してあり、磁石体ユニット6を回転させることで、コイル4内に発生する電力を、送電ハーネスを介して自動二輪車の電気回路へと送電するよう構成してある。
【0022】
図2〜図6に示すごとく、コア30とコイル4との間には、絶縁性樹脂からなるボビン5を配してある。ボビン5は、図4及び図5に示すごとく、第1ボビン51と第2ボビン52とからなり、1つのコア30に対してコア30における積層方向の両側から挟み込むように配設してある。このとき、第2ボビン52は、磁石体ユニット6に対して、ケース62の底部621側に位置するように配される。
【0023】
第1ボビン51は、図5及び図6に示すごとく、コア30の突出方向に対して垂直な平面における断面が略コの字形をなすと共にコア30の側面を被覆する側面絶縁部53を備えている。この側面絶縁部53には、コア30の先端側に配される端部から回転電機1の回転方向Rの前方側及び後方側に延びると共に、コア30の屈折部301の内側面を被覆する屈折絶縁部54を備えている。また、屈折絶縁部54において、磁石体ユニット6の回転方向Rに対する前方側及び後方側に配された先端部には、回転電機1の外周側に向かって突出形成された突出部544を備えている。本例において、突出部544は、コア30と磁石体61との間における隙間101の径方向の幅に対して、半分以上の長さを有している。図4及び図5に示すごとく、突出部544は、略平板状をなしており、屈折絶縁部54における先端部の全体に一様に形成されている。
【0024】
第2ボビン52は、図4〜図6に示すごとく、第1ボビン51と同様に、側面絶縁部53、屈折絶縁部54及び、突出部544を備えている。第2ボビン52は、図1〜図5に示すごとく、屈折絶縁部54からコア30の径方向外側に向かって突出形成された被覆部543を備えている。本例において被覆部543は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の全体を覆うように形成してある。また、回転電機1の円周方向において、被覆部543の幅は、開口端10における幅よりも広く設定してある。また、被覆部543の幅と、隣り合う被覆部543同士の間の幅とは、8:2程度の割合とした。
【0025】
次に本例の作用効果を説明する。
回転電機1のボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。この被覆部543を備えることにより、開口端10の開口面積を小さくすることができる。これにより、開口端10に異物を入り込みにくくすることができる。それゆえ、回転電機1の損傷を防止することができる。また、被覆部543は、ボビン5の一部により構成されている。したがって、回転電機1を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。それゆえ、回転電機1のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。
【0026】
また、ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101に向かって、突出した突出部544を備えている。そのため、巻線ユニット2を回転させた際に、開口端10から巻線部20と磁石体61との間に入り込んだ異物を突出部544によって掃き出すことができる。これにより、仮に開口端10に異物が入り込んだとしても、速やかに排出することができる。それゆえ、巻線部20及び磁石体61の損傷を防止することができる。また、突出部544は、ボビン5の一部により構成されている。そのため、回転電機1を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。これにより、回転電機1のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。
【0027】
また、回転電機1において、被覆部543は、開口端10における開口面積の1/3以上を覆っている。そのため、被覆部543によって開口端10を覆う範囲をより大きくし、開口端10の開口面積を小さくすることができる。したがって、被覆部543による異物の入り込み防止効果をより向上することができる。
【0028】
また、ボビン5は、樹脂からなる。そのため、被覆部543又は突出部544をボビン5に一体成形しやすい。すなわち、樹脂成形においては、製品形状の自由度が高いため、複雑な形状であっても比較的容易に形成することができる。また、樹脂は、金属や磁石体61に比べて軟らかい場合が多い。したがって、仮に公差等のばらつきによって、被覆部543又は突出部544が磁石体ユニット6に接触したとしても、磁石体ユニット6を傷付けにくい。
また、本例の突出部544は平板状としたが、図7に示す櫛歯状等、種々の形状を用いることができる。この場合にも、本例と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
以上のごとく、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部20と磁石体61との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機1を提供することができる。
【0030】
(実施例2)
本例は、実施例1に対して回転電機1の構造を変更した例である。
本例の回転電機1は、図8〜図10に示すごとく、磁石体ユニット6をロータ(回転側)とし巻線ユニット2をステータ(固定側)として、磁石体ユニット6を巻線ユニット2の内周側に配設してある。
磁石体ユニット6は、図9に示すごとく、略円筒状の磁石体保持体63と、この磁石体保持体63における軸方向と垂直な方向に配された外周側面に複数の磁石体61を配してある。複数の磁石体61は、それぞれの磁極を外周側に向けると共に、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように配してある。磁石体保持体63は、エンジンの駆動力によって回転可能に構成されている。また、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体した際に、巻線部20と磁石体61とが対向するように配されている。
【0031】
巻線ユニット2におけるコア30は、図8〜図10に示すごとく、円環状をなす基部31の内周面から、基部31の径方向内側に向かって等間隔に突出形成してなる。コア30の先端部には磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に延びる屈折部301を形成してある。
ボビン5の被覆部543は、図8及び図9に示すごとく、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆うように、巻線ユニット2の内周側に突出形成してある。また、図10に示すごとく、屈折絶縁部54において、磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に配された先端部には、磁石体61に向かって突出する略平板状の突出部544を形成してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
(実施例3)
本例は、アキシャルギャップ型の回転電機1において、ボビン5に被覆部543及び突出部544を設けた例である。
本例の回転電機1は、図11及び図12に示すごとく、ロータ(回転側)をなす磁石体ユニット6の磁石体61と、ステータ(固定側)をなす巻線ユニット2の巻線部20とを回転電機1の回転軸622方向に並べて配設したアキシャルギャップ型の回転電機1を示している。
図12に示すごとく、磁石体ユニット6は、回転軸622と、回転軸622の両端にそれぞれ配された磁石体61とからなる。
磁石体61は、円環板状に形成され、磁極を主面側に向けると共にN極とS極とが周方向に交互に複数形成されるよう着磁処理を施してある。磁石体61は、円板状の磁石体保持体63に接着固定され、磁石体保持体63を介して回転軸622の軸線方向に対して垂直に配設してある。また、回転軸622の両端にそれぞれ配された磁石体61は、互いに異なる磁極同士が対向するよう配してある。
【0033】
巻線ユニット2は、図12に示すごとく、磁石体ユニット6が有する2つの磁石体61の間に配してある。
巻線ユニット2の巻線部20は、図11及び図12に示すごとく、略台形断面からなる角柱状のコア30と、コア30の外周側面に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に配されたボビン5とを有している。また、巻線部20は、回転軸622の軸方向と、コア30の長手方向とが平行で、かつ回転軸622の径方向外側の位置に環状に配されている。
【0034】
ボビン5は、図11及び図12に示すごとく、コア30の側面を被覆する角柱状の側面絶縁部53と、側面絶縁部53の両端に形成された開口部全周から外側に向かって立設した鍔部540とを備えている。鍔部540において外周側に配される端部には、巻線部20と磁石体61との間に形成される隙間101の開口端10を覆う被覆部543が形成してある。また、ボビン5の鍔部540において、回転方向Rの前方に配される端部には、磁石体61に向かって突出する平板状の突出部544を形成してある。
【0035】
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
また、本例においては、対向して配された一対の磁石体61の間に巻線部20を配する構造としたが、一対の巻線部20を対向して配置し、その間に磁石体61を配して構成することもできるし、1つの巻線部20と1つの磁石体61により構成することもできる。
【0036】
また、実施例1〜実施例3に示した回転電機1においては、ボビン5に被覆部543と突出部544の両方を設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。この場合には、被覆部543又は突出部544による作用効果を上述の実施例と同様に得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 回転電機
10 開口端
101 隙間
2 巻線ユニット
20 巻線部
30 コア
4 コイル
5 ボビン
543 被覆部
6 磁石体ユニット
61 磁石体
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機や発電機として用いられる回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や家電製品などの様々な分野において、電力を駆動力に変換する電動機又は駆動力を電力に変換する発電機をなす回転電機が用いられている。この回転電機としては、環状に配された複数の巻線部を有する巻線ユニットと、この巻線部に対向するように配された複数の磁石体を有する磁石体ユニットとを備えたものが多く用いられている。
【0003】
回転電機は、巻線ユニットと磁石体ユニットとを備えており、いずれか一方をロータ(回転)とし、他方をステータ(固定側)として、巻線ユニットと磁石体ユニットとは、相対的に回転可能に構成されている。
このような回転電機においては、巻線部と磁石体との間に隙間が形成されるため、この隙間に砂や小石等の異物が入り込み、巻線部又は磁石体が損傷したり、円滑な回転を阻害するおそれがある。そこで、特許文献1に開示されているような、巻線部及び磁石体の全面を覆うカバーを配する構造を採用することにより、異物の入り込みを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4572591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構造を採用しようとすると、回転電機を構成する部品点数の増加及びカバーの組付工数の増加が必要となる。そのため、回転電機のコストの増大及び生産効率の低下につながる場合がある。
【0006】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部と磁石体との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
該巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、上記巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う被覆部を備えることを特徴とする回転電機にある(請求項1)。
【0008】
発明の第2の態様は、複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって突出した突出部を備えることを特徴とする回転電機にある(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の態様において、上記回転電機の上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う上記被覆部を備えている。この被覆部を備えることにより、上記開口端の開口面積を小さくすることができる。そのため、上記開口端から上記コアと上記磁石体との間における隙間に異物が入り込みにくくなるようにすることができる。それゆえ、回転電機の損傷を防止することができる。また、上記被覆部は、上記ボビンの一部により構成されている。そのため、上記回転電機を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。したがって、回転電機の生産効率の低下を抑制し、コストの増大を防止することができる。それゆえ、シンプルな構造でかつ、安価な上記回転電機を得ることができる。
【0010】
上記第2の態様において、上記回転電機の上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって、突出した上記突出部を備えている。そのため、上記巻線ユニットを回転させた際に、上記開口部から上記巻線部と上記磁石体との間に入り込んだ異物を上記突出部によって掃き出すことができる。したがって、仮に上記開口部から上記コアと上記磁石体との間における隙間に異物が入り込んだとしても、その異物は上記突出部により速やかに掃き出される。それゆえ、上記巻線部及び上記磁石体の損傷を防止することができる。また、上記突出部は、上記ボビンの一部により構成されている。そのため、上記回転電機を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。したがって、回転電機のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。それゆえ、シンプルな構造でかつ、安価な上記回転電機を得ることができる。
【0011】
本発明によれば、上記のごとく、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部と磁石体との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における、回転電機を示す説明図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】実施例1における、ボビンを示す説明図。
【図5】図4における、B矢視方向の説明図。
【図6】図2のC−C線矢視断面図。
【図7】突出部の変形例を示す説明図。
【図8】実施例2における、回転電機を示す説明図。
【図9】図8のD−D線矢視断面図。
【図10】図9のE−E線矢視断面図。
【図11】実施例3における、回転電機を示す説明図。
【図12】図11のF−F線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記回転電機において、上記被覆部は、上記開口端における開口面積の1/3以上を覆っていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記コアと上記磁石体との間における隙間への異物の入り込み防止効果をより向上することができる。
【0014】
また、上記ボビンは、樹脂からなることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記被覆部及び上記突出部と上記ボビンとを容易に一体成形することができる。すなわち、樹脂成形は、製品形状の自由度が高いため、複雑な形状であっても比較的容易に形成することができる。また、一般的に樹脂は、金属や磁石体に比べて軟らかい。したがって、仮に公差等のばらつきによって、上記被覆部又は上記突出部が上記磁石体ユニットに接触したとしても、上記磁石体に対してかかる入力を小さくすることができる。それゆえ、上記磁石体の損傷や脱落を防止することができる。
【実施例】
【0015】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる回転電機1について、図1〜図6を参照して説明する。
回転電機1は、複数の巻線部20を環状に配してなる巻線ユニット2と、巻線部20に対向配置された磁石体61を有する磁石体ユニット6とを備えている。巻線部20は、磁性体からなるコア30と、このコア30の周囲に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に介在したボビン5とからなる。磁石体61と巻線部20のコア30とは、対向配置されている。ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。
【0016】
本例の回転電機1について、さらに詳細に説明する。
本例において、回転電機1のロータ(回転側)が回転する方向を回転方向Rとする。
また、本例に示す回転電機1は、自動二輪車に搭載され発電機として用いられるものである。
回転電機1は、図1及び図2に示すごとく、エンジン(図示略)を駆動源として回転するロータ(回転側)である磁石体ユニット6と、自動二輪車の車体に固定されたステータ(固定側)である巻線ユニット2とからなる。
【0017】
磁石体ユニット6は、図1及び図2に示すごとく、上記エンジンと連結されたケース62と、このケース62の内側に配された複数の磁石体61と、巻線ユニット2によって回転可能に軸支される回転軸622とを備えている。
ケース62は、図2に示すごとく、略円板状の底部621と、この底部621の外周から垂直に立設する円筒部623とからなる。円筒部623の内周面には、図1に示すごとく、複数の磁石体61を配してある。複数の磁石体61は、それぞれの磁極を内周側に向けると共に、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように配してある。また、磁石体61は、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体して回転電機1とした際に、環状に配した巻線部20の外周側において、巻線部20と対向する位置に配される。
【0018】
また、図2に示すごとく、底部621において、ケース62の内側に配される面には回転軸622を設けてある。回転軸622は、その中心とケース62の中心とが共通で、かつ底部621に対して垂直に立設している。回転軸622は、同図に示すごとく、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体させた際に、巻線ユニット2の基部31に配された軸受31に回転可能に軸支される。これにより、複数の磁石体61を保持した磁石体ユニット6は、巻線ユニット2に対して回転することができる。
【0019】
巻線ユニット2は、図1に示すごとく、環状に配された複数の巻線部20を備えている。この巻線部20は、磁性体からなるコア30と、コア30に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に配されたボビン5とからなる。
【0020】
コア30は、プレス機により切り出された電磁鋼板を、磁石体ユニット6の回転軸622の方向に複数枚積層してなる積層コア30である。コア30は、図1及び図2に示すごとく、積層状態において略円筒状をなす基部31の外周側面から径方向外側に向かって放射状に複数突出形成してある。図4及び図6に示すごとく、コア30の先端部には、磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に向かって延びる屈折部301が形成されている。また、図2に示すごとく、基部31の内周には、軸受312を挿通保持してあり、この軸受312によって磁石体ユニット6に配された回転軸622を軸支することができる。また、コア30及び基部31の表面は、絶縁塗料により塗装が施されている。
【0021】
図1及び図2に示すごとく、コア30の突出方向に対して垂直に配された側面には、コイル4が巻き付けてある。コイル4は、送電ハーネス(図示略)と連結してあり、磁石体ユニット6を回転させることで、コイル4内に発生する電力を、送電ハーネスを介して自動二輪車の電気回路へと送電するよう構成してある。
【0022】
図2〜図6に示すごとく、コア30とコイル4との間には、絶縁性樹脂からなるボビン5を配してある。ボビン5は、図4及び図5に示すごとく、第1ボビン51と第2ボビン52とからなり、1つのコア30に対してコア30における積層方向の両側から挟み込むように配設してある。このとき、第2ボビン52は、磁石体ユニット6に対して、ケース62の底部621側に位置するように配される。
【0023】
第1ボビン51は、図5及び図6に示すごとく、コア30の突出方向に対して垂直な平面における断面が略コの字形をなすと共にコア30の側面を被覆する側面絶縁部53を備えている。この側面絶縁部53には、コア30の先端側に配される端部から回転電機1の回転方向Rの前方側及び後方側に延びると共に、コア30の屈折部301の内側面を被覆する屈折絶縁部54を備えている。また、屈折絶縁部54において、磁石体ユニット6の回転方向Rに対する前方側及び後方側に配された先端部には、回転電機1の外周側に向かって突出形成された突出部544を備えている。本例において、突出部544は、コア30と磁石体61との間における隙間101の径方向の幅に対して、半分以上の長さを有している。図4及び図5に示すごとく、突出部544は、略平板状をなしており、屈折絶縁部54における先端部の全体に一様に形成されている。
【0024】
第2ボビン52は、図4〜図6に示すごとく、第1ボビン51と同様に、側面絶縁部53、屈折絶縁部54及び、突出部544を備えている。第2ボビン52は、図1〜図5に示すごとく、屈折絶縁部54からコア30の径方向外側に向かって突出形成された被覆部543を備えている。本例において被覆部543は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の全体を覆うように形成してある。また、回転電機1の円周方向において、被覆部543の幅は、開口端10における幅よりも広く設定してある。また、被覆部543の幅と、隣り合う被覆部543同士の間の幅とは、8:2程度の割合とした。
【0025】
次に本例の作用効果を説明する。
回転電機1のボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆う被覆部543を備えている。この被覆部543を備えることにより、開口端10の開口面積を小さくすることができる。これにより、開口端10に異物を入り込みにくくすることができる。それゆえ、回転電機1の損傷を防止することができる。また、被覆部543は、ボビン5の一部により構成されている。したがって、回転電機1を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。それゆえ、回転電機1のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。
【0026】
また、ボビン5は、コア30と磁石体61との間における隙間101に向かって、突出した突出部544を備えている。そのため、巻線ユニット2を回転させた際に、開口端10から巻線部20と磁石体61との間に入り込んだ異物を突出部544によって掃き出すことができる。これにより、仮に開口端10に異物が入り込んだとしても、速やかに排出することができる。それゆえ、巻線部20及び磁石体61の損傷を防止することができる。また、突出部544は、ボビン5の一部により構成されている。そのため、回転電機1を構成する部品数の増加を防止すると共に、部品組付工数の増加を防止することができる。これにより、回転電機1のコストの増大及び生産効率の低下を防止することができる。
【0027】
また、回転電機1において、被覆部543は、開口端10における開口面積の1/3以上を覆っている。そのため、被覆部543によって開口端10を覆う範囲をより大きくし、開口端10の開口面積を小さくすることができる。したがって、被覆部543による異物の入り込み防止効果をより向上することができる。
【0028】
また、ボビン5は、樹脂からなる。そのため、被覆部543又は突出部544をボビン5に一体成形しやすい。すなわち、樹脂成形においては、製品形状の自由度が高いため、複雑な形状であっても比較的容易に形成することができる。また、樹脂は、金属や磁石体61に比べて軟らかい場合が多い。したがって、仮に公差等のばらつきによって、被覆部543又は突出部544が磁石体ユニット6に接触したとしても、磁石体ユニット6を傷付けにくい。
また、本例の突出部544は平板状としたが、図7に示す櫛歯状等、種々の形状を用いることができる。この場合にも、本例と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
以上のごとく、安価で、かつシンプルな構造によって、巻線部20と磁石体61との間への異物の入り込みを防止することができる回転電機1を提供することができる。
【0030】
(実施例2)
本例は、実施例1に対して回転電機1の構造を変更した例である。
本例の回転電機1は、図8〜図10に示すごとく、磁石体ユニット6をロータ(回転側)とし巻線ユニット2をステータ(固定側)として、磁石体ユニット6を巻線ユニット2の内周側に配設してある。
磁石体ユニット6は、図9に示すごとく、略円筒状の磁石体保持体63と、この磁石体保持体63における軸方向と垂直な方向に配された外周側面に複数の磁石体61を配してある。複数の磁石体61は、それぞれの磁極を外周側に向けると共に、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように配してある。磁石体保持体63は、エンジンの駆動力によって回転可能に構成されている。また、磁石体ユニット6と巻線ユニット2とを合体した際に、巻線部20と磁石体61とが対向するように配されている。
【0031】
巻線ユニット2におけるコア30は、図8〜図10に示すごとく、円環状をなす基部31の内周面から、基部31の径方向内側に向かって等間隔に突出形成してなる。コア30の先端部には磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に延びる屈折部301を形成してある。
ボビン5の被覆部543は、図8及び図9に示すごとく、コア30と磁石体61との間における隙間101の開口端10の一部を覆うように、巻線ユニット2の内周側に突出形成してある。また、図10に示すごとく、屈折絶縁部54において、磁石体ユニット6の回転方向Rにおける前方側及び後方側に配された先端部には、磁石体61に向かって突出する略平板状の突出部544を形成してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
(実施例3)
本例は、アキシャルギャップ型の回転電機1において、ボビン5に被覆部543及び突出部544を設けた例である。
本例の回転電機1は、図11及び図12に示すごとく、ロータ(回転側)をなす磁石体ユニット6の磁石体61と、ステータ(固定側)をなす巻線ユニット2の巻線部20とを回転電機1の回転軸622方向に並べて配設したアキシャルギャップ型の回転電機1を示している。
図12に示すごとく、磁石体ユニット6は、回転軸622と、回転軸622の両端にそれぞれ配された磁石体61とからなる。
磁石体61は、円環板状に形成され、磁極を主面側に向けると共にN極とS極とが周方向に交互に複数形成されるよう着磁処理を施してある。磁石体61は、円板状の磁石体保持体63に接着固定され、磁石体保持体63を介して回転軸622の軸線方向に対して垂直に配設してある。また、回転軸622の両端にそれぞれ配された磁石体61は、互いに異なる磁極同士が対向するよう配してある。
【0033】
巻線ユニット2は、図12に示すごとく、磁石体ユニット6が有する2つの磁石体61の間に配してある。
巻線ユニット2の巻線部20は、図11及び図12に示すごとく、略台形断面からなる角柱状のコア30と、コア30の外周側面に巻き付けられたコイル4と、コア30とコイル4との間に配されたボビン5とを有している。また、巻線部20は、回転軸622の軸方向と、コア30の長手方向とが平行で、かつ回転軸622の径方向外側の位置に環状に配されている。
【0034】
ボビン5は、図11及び図12に示すごとく、コア30の側面を被覆する角柱状の側面絶縁部53と、側面絶縁部53の両端に形成された開口部全周から外側に向かって立設した鍔部540とを備えている。鍔部540において外周側に配される端部には、巻線部20と磁石体61との間に形成される隙間101の開口端10を覆う被覆部543が形成してある。また、ボビン5の鍔部540において、回転方向Rの前方に配される端部には、磁石体61に向かって突出する平板状の突出部544を形成してある。
【0035】
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
また、本例においては、対向して配された一対の磁石体61の間に巻線部20を配する構造としたが、一対の巻線部20を対向して配置し、その間に磁石体61を配して構成することもできるし、1つの巻線部20と1つの磁石体61により構成することもできる。
【0036】
また、実施例1〜実施例3に示した回転電機1においては、ボビン5に被覆部543と突出部544の両方を設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。この場合には、被覆部543又は突出部544による作用効果を上述の実施例と同様に得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 回転電機
10 開口端
101 隙間
2 巻線ユニット
20 巻線部
30 コア
4 コイル
5 ボビン
543 被覆部
6 磁石体ユニット
61 磁石体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
該巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、上記巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う被覆部を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、上記被覆部は、上記開口端における開口面積の1/3以上を覆っていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって突出した突出部を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回転電機において、上記ボビンは、樹脂からなることを特徴とする回転電機。
【請求項1】
複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
該巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、上記巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間の開口端の少なくとも一部を覆う被覆部を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、上記被覆部は、上記開口端における開口面積の1/3以上を覆っていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
複数の巻線部を環状に配してなる巻線ユニットと、
巻線ユニットに対して相対的に回転すると共に、巻線部に対向配置された磁石体を有する磁石体ユニットとを備えており、
上記巻線部は、磁性体からなるコアと、該コアの周囲に巻き付けられたコイルと、上記コアと上記コイルとの間に介在したボビンとからなり、
上記磁石体と上記巻線部の上記コアとは、対向配置されており、
上記ボビンは、上記コアと上記磁石体との間における隙間に向かって突出した突出部を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回転電機において、上記ボビンは、樹脂からなることを特徴とする回転電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−5464(P2013−5464A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130532(P2011−130532)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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