固体撮像素子及び撮像装置
【課題】多画素化が進んだ場合でも電荷転送効率や感度を維持可能にすると共に、電荷の混合を行った場合でも高画質の画を作ることが可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】互いに隣接する1対の光電変換素子1,2からなる光電変換素子組を複数有し、1対の光電変換素子1,2のうちの光電変換素子2に隣接して設けられた、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3と、垂直電荷転送路3と光電変換素子2との間に設けられた、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部10と、光電変換素子2とこれと対をなす光電変換素子1との間に設けられた、該光電変換素子1に蓄積された電荷を該光電変換素子2に読み出すための素子−素子間電荷読出し部11とを備える。
【解決手段】互いに隣接する1対の光電変換素子1,2からなる光電変換素子組を複数有し、1対の光電変換素子1,2のうちの光電変換素子2に隣接して設けられた、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3と、垂直電荷転送路3と光電変換素子2との間に設けられた、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部10と、光電変換素子2とこれと対をなす光電変換素子1との間に設けられた、該光電変換素子1に蓄積された電荷を該光電変換素子2に読み出すための素子−素子間電荷読出し部11とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子と、光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送路と、該電荷を光電変換素子から電荷転送路に読み出すための電荷読出し部とを有する固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光電変換素子と、光電変換素子で発生した電荷を垂直方向に転送する垂直電荷転送路とを有する固体撮像素子が開示されている。この固体撮像素子は、垂直方向に並ぶ複数の光電変換素子からなる光電変換素子列2つに対して、1つの垂直電荷転送路が設けられた構成となっている。2つの光電変換素子列に対応する垂直電荷転送路は、その2つの光電変換素子列の間に配置されている。このような構成により、一般的な固体撮像素子と比べて垂直電荷転送路の数を半分にすることができるため、多画素化が進んだ場合でも、垂直電荷転送路の幅を狭めたり、光電変換素子の面積を小さくしたりする必要がなくなり、電荷転送効率や感度を維持することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平08−9267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の固体撮像素子では、垂直電荷転送路を挟んで配置された2つの光電変換素子を同一色を検出するものとし、この2つの光電変換素子で発生した電荷を混合して画像データを生成することが可能である。しかし、このような混合を行った場合、混合された2つの電荷は、垂直電荷転送路を挟んで離れた位置にある2つの光電変換素子から得られたものであるため、距離の離れたサンプリングポイント同士の電荷が混合されることになり、画像品質が劣化してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多画素化が進んだ場合でも電荷転送効率や感度を維持可能にすると共に、電荷の混合を行った場合でも高画質の画を作ることが可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の固体撮像素子は、互いに隣接する一対の光電変換素子からなる光電変換素子組を複数有し、前記一対の光電変換素子のいずれか一方の光電変換素子に隣接して設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を所定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路と前記一方の光電変換素子との間に設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記電荷転送路に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部と、前記一対の光電変換素子の前記一方の光電変換素子と他方の光電変換素子との間に設けられた、前記他方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記一方の光電変換素子に読み出すための素子−素子間電荷読出し部とを備える。
【0007】
本発明の固体撮像素子は、前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組の側部に設けられている。
【0008】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子は、前記一対の光電変換素子の前記第一の光電変換素子の位置から前記所定方向及び前記直交方向の各々と交差する方向にずれた位置に配置されている。
【0009】
本発明の固体撮像素子は、前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる2つの前記第一の光電変換素子列及び2つの前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうちの両端の前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列を除く前記第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子列との間に設けられている。
【0010】
本発明の固体撮像素子は、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、前記4つの光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子を構成する前記第一の光電変換素子の位置を基準位置としたときに、前記電荷転送路を挟んで片側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子と、前記電荷転送路を挟んで前記片側とは反対側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子とは、前記基準位置からそれぞれ異なる方向にずれた位置に配置されている。
【0011】
本発明の固体撮像素子は、前記片側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向と、前記反対側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向とが直交する。
【0012】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子のうち、前記一対の光電変換素子のうちの他方の光電変換素子のポテンシャルが、前記一方の光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなっている。
【0013】
本発明の固体撮像素子は、前記他方の光電変換素子の面積が、前記一方の光電変換素子の面積よりも小さくなっている。
【0014】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子は、それぞれ検出感度が異なるものである。
【0015】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子は、それぞれ同じ波長域の光を検出するものである。
【0016】
本発明の固体撮像素子は、前記素子−素子間電荷読出し部の上方に前記一対の光電変換素子の並ぶ方向に配列して設けられた、それぞれ独立に電圧を印加可能な複数の電極を備える。
【0017】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記複数の電極に電圧を印加するタイミングをずらして、前記他方の光電変換素子から前記一方の光電変換素子に電荷を移動させる。
【0018】
本発明の撮像装置は、前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする。
【0019】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする。
【0020】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、多画素化が進んだ場合でも電荷転送効率や感度を維持可能にすると共に、電荷の混合を行った場合でも高画質の画を作ることが可能な固体撮像素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。
図1に示す固体撮像素子は、垂直方向Yとこれに直交する水平方向Xに格子状に配列された多数の光電変換素子1と、多数の光電変換素子1の各々に対応して各々に対して同じ方向に隣接して設けられた光電変換素子2とを備える。光電変換素子2は、それに対応する光電変換素子1の位置を基準としたときに、この位置から垂直方向Y及び水平方向Xそれぞれに対して45度で交差する方向(図中の右斜め上方向)にずれた位置に配置されている。光電変換素子1とその右斜め上に隣接する光電変換素子2とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。
【0024】
多数の光電変換素子1は、入射光のうちの赤色(R)の波長域の光を検出するR光電変換素子(図1では“R”の文字を付してある)と、入射光のうちの緑色(G)の波長域の光を検出するG光電変換素子(図1では“G”の文字を付してある)と、入射光のうちの青色(B)の波長域の光を検出するB光電変換素子(図1では“B”の文字を付してある)との3種類を含む。多数の光電変換素子1は、G光電変換素子とB光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したGB光電変換素子行と、R光電変換素子とG光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したRG光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列した構成となっている。
【0025】
光電変換素子2は、それに対応する光電変換素子1と同じ波長域の光を検出するものであり、入射光のうちのRの波長域の光を検出するR光電変換素子(図1では“r”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図1では“g”の文字を付してある)と、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図1では“b”の文字を付してある)との3種類を含む。多数の光電変換素子2は、G光電変換素子とB光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したgb光電変換素子行と、R光電変換素子とG光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したrg光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列した構成となっている。
【0026】
光電変換素子1と光電変換素子2は、それぞれ検出感度が異なり、例えば光電変換素子2の検出感度の方が高くなっている。光電変換素子の検出感度を変化させるには、光電変換素子の受光面の面積を変化させてもよいし、光電変換素子上方に設けたマイクロレンズによって、集光面積を変化させてもよいし、2つの光電変換素子の各々で露光時間を変えても良い。これらの方法は公知であるため、説明を省略する。本実施形態では、光電変換素子1の面積を、光電変換素子2の面積よりも小さくすることで、光電変換素子1と光電変換素子2とに感度差を設けている。尚、図面では、光電変換素子1と光電変換素子2の面積は同一で図示してある。
【0027】
尚、本明細書において、光電変換素子の検出感度とは、光電変換素子に所定量の光が入射したときに、その光電変換素子から取り出せる信号量がどのくらいなのかを示す特性のことを示す。つまり、同一光量の光が入射したとき、検出感度が相対的に高い高感度の光電変換素子は、検出感度が相対的に低い低感度の光電変換素子よりも、取り出せる信号量が多いという特性を持つものと定義することができる。高感度の光電変換素子は、少ない光量で多くの信号を得ることができるため、低照度の被写体を撮影するのに最適であるが、多くの光量が入射した場合には、信号がすぐに飽和してしまうため、高照度の被写体を撮影するのには適さない。又、低感度の光電変換素子は、多くの光量が入射してもあまり多くの信号を得られないため、高照度の被写体を撮影するのに最適であるが、少ない光量が入射した場合には、得られる信号が少なすぎてしまい、低照度の被写体を撮影するのには適さない。
【0028】
図1に示す固体撮像素子に含まれる光電変換素子の配列は、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子1からなる第一の光電変換素子列と、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子2からなる第二の光電変換素子列とを、水平方向Xに交互に配列したものということができる。又は、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子1からなる第一の光電変換素子行と、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子2からなる第二の光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列したものということもできる。
【0029】
水平方向Xに連続して並ぶ第一の光電変換素子列と第二の光電変換素子列からなる素子列組のうち、この素子列組の側部(ここでは第二の光電変換素子列の右側部)には、該第二の光電変換素子列を構成する光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3が、この素子列組に対応して設けられている。
【0030】
垂直電荷転送路3の上方には、転送電極V1、転送電極V2、転送電極V3、及び転送電極V4をこの順番に垂直方向Yに配列した電極組が、垂直方向Yに多数配列して形成されている。1つの光電変換素子2には、転送電極V1〜V4の4つの転送電極が対応して設けられている。転送電極V1〜V4は、それぞれ、第一の光電変換素子行と第二の光電変換素子行との間を、水平方向Xに向かって蛇行して配設されている。具体的に、第二の光電変換素子行の下側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V1と転送電極V2とが並べて配置され、第二の光電変換素子行の上側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V4と転送電極V3とが並べて配置されている。転送電極V1〜V4には、垂直電荷転送路3に読み出された電荷を垂直方向Yに転送するための転送パルスが印加される。
【0031】
図2は、図1に“R”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図1に“G”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成と、図1に“B”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“b”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成も図2と同様である。
【0032】
図2に示すように、光電変換素子1と、これと対をなす光電変換素子2との間には、光電変換素子1に蓄積された電荷を光電変換素子2に読み出すための電荷読出し部11が設けられている。又、光電変換素子2の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部10が形成されている。そして、転送電極V1は、電荷読出し部10全体と電荷読出し部11の一部を覆って形成されており、転送電極V2は、電荷読出し部11の一部以外を覆って形成されている。
【0033】
図3は、図2に示したA−A’線断面におけるポテンシャルを示した図である。
図3に示すように、光電変換素子1は、光電変換素子2よりも面積が小さいため、そのポテンシャルは光電変換素子2よりも浅くなっている。電荷読出し部11の上方には、転送電極V2と転送電極V1とが、光電変換素子1と光電変換素子2との並ぶ方向に並べて配置されており、この転送電極V1,V2が電荷を読み出すための読出しゲートとしても機能する。又、電荷読出し部10の上方には転送電極V1が形成されており、この転送電極V1が電荷を読み出すための読出しゲートとしても機能する。
【0034】
尚、図1には図示していないが、本実施形態の固体撮像素子には、垂直電荷転送路3の終端に、垂直電荷転送路3を転送されてきた電荷を水平方向Xに転送するための水平電荷転送路が設けられ、この水平電荷転送路の終端に、水平電荷転送路を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプが設けられている。
【0035】
図4は、図1に示した固体撮像素子を搭載する撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ41と、図1に示した構成の固体撮像素子45と、この両者の間に設けられた絞り42と、赤外線カットフィルタ43と、光学ローパスフィルタ44とを備える。
【0036】
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部51は、フラッシュ発光部52及び受光部53を制御し、レンズ駆動部48を制御して撮影レンズ41の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部49を介し絞り42の開口量を制御して露光量調整を行う。
【0037】
又、システム制御部51は、撮像素子駆動部50を介して固体撮像素子45を駆動し、撮影レンズ41を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。システム制御部51には、操作部54を通してユーザからの指示信号が入力される。
【0038】
デジタルカメラの電気制御系は、更に、固体撮像素子45の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部46と、このアナログ信号処理部46から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路47とを備え、これらはシステム制御部51によって制御される。
【0039】
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ56と、メインメモリ56に接続されたメモリ制御部55と、補間演算やガンマ補正演算,RGB/YC変換処理等を行って画像データを生成するデジタル信号処理部57と、デジタル信号処理部57で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部58と、測光データを積算しデジタル信号処理部57が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部59と、着脱自在の記録媒体61が接続される外部メモリ制御部60と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部63が接続される表示制御部62とを備え、これらは、制御バス64及びデータバス65によって相互に接続され、システム制御部51からの指令によって制御される。
【0040】
撮像素子駆動部50は、転送電極V1のみに読出しパルスを印加して光電変換素子2のみから電荷を読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該電荷を転送する単独読み出しモードと、転送電極V1と転送電極V2とに読出しパルスを印加して、光電変換素子1に蓄積された電荷と光電変換素子2に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送する混合読み出しモードとの少なくとも2つの駆動モードで固体撮像素子を駆動する。
【0041】
以下、固体撮像素子の動作について説明する。
(単独読み出しモード)
撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1下方の電荷読出し部10,11によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部11によって形成されるポテンシャル障壁は転送電極V1下方のみが消滅し、転送電極V2下方は維持されるため、光電変換素子1に蓄積されている電荷は光電変換素子2へは移動せずに、光電変換素子1に保持される。一方、光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部10を通って垂直電荷転送路3へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0042】
(混合読み出しモード)
撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部10,11のポテンシャル障壁が消滅する。このため、光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部11を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部10を通って垂直電荷転送路3に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0043】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、転送電極V1,V2に読み出しパルスを印加することで、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合して、垂直電荷転送路3に読み出すことができる。光電変換素子2は光電変換素子1よりも検出感度が高くなっているため、このような電荷混合を行うことで、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。又、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2とは、電荷読出し部11を介して隣接している。電荷読出し部11の幅は、垂直電荷転送路3より十分小さくすることができるため、光電変換素子1と光電変換素子2との距離は、水平方向Xに並ぶ光電変換素子1又は光電変換素子2同士の距離よりも大幅に小さくなっている。つまり、非常に近い位置にある2つの光電変換素子で得られた電荷を混合することができるため、サンプリングポイントのずれがほとんどない2つの電荷を混合することが可能となり、良質な画を作ることが可能となる。
【0044】
又、本実施形態の固体撮像素子は、転送電極V1のみに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子2のみから電荷を読み出すことが可能となっている。光電変換素子2のみから電荷を読み出すときは、光電変換素子1と光電変換素子2から電荷を読み出すときよりも、電荷読み出しにかかる時間を短縮することができる。このため、単独読み出しモードで駆動することで撮影時間を短縮することができ、AF機能を実行するための撮影や動画撮影等の高速動作が要求される状況に適したものとなる。
【0045】
尚、単独読み出しモード時には、光電変換素子2のみから電荷が読み出されるが、光電変換素子2は検出感度が相対的に高くなっているため、被写体が明るい場合には、出力がすぐに飽和してしまい、所望の画が得られなくなることが考えられる。このため、光電変換素子1と光電変換素子2の検出感度差は、露光時間で変えられるようにしておくことが好ましい。このようにしておけば、単独読み出しモード時には、光電変換素子2の検出感度を被写体に応じて調整することが可能となり、出力が飽和してしまうのを防ぐことができる。
【0046】
又、本実施形態の固体撮像素子は、図3に示したように、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2からなる光電変換素子組のうち、この光電変換素子組に対応する垂直電荷転送路3から遠い位置にある光電変換素子1のポテンシャルが、垂直電荷転送路に近い位置にある光電変換素子2のポテンシャルよりも浅くなるように設計されている。このため、光電変換素子1から光電変換素子2へかけてポテンシャルスロープを形成することができ、光電変換素子1から光電変換素子2への電荷読み出しをスムーズに行うことができる。
【0047】
尚、本実施形態の固体撮像素子は、光電変換素子1の面積を光電変換素子2よりも小さくすることで、光電変換素子1のポテンシャルを光電変換素子2のポテンシャルよりも浅くするものとしているが、ポテンシャルを浅くする方法はこれに限らず、公知の様々な手法を採用することができる。
【0048】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成では、混合読み出しモード時に、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを同時に印加してしまうと、電界集中が発生して、不具合を起こす可能性がある。このため、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加するタイミングは、同時ではなくずらしておくことが好ましい。例えば、まず、転送電極V1に読み出しパルスを印加し、その後少ししてから、転送電極V2に読み出しパルスを印加するといった制御を行うことで、電界集中を避けることができる。
【0049】
又、電界集中を避けるために、転送電極V2に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V1に印加する読み出しパルスよりも小さくしておくことも好ましい。
【0050】
又、以上の説明では、光電変換素子1と光電変換素子2とに検出感度差を設けるものとしたが、検出感度差はなくても構わない。
【0051】
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。
図5に示す固体撮像素子は、垂直方向Yとこれに直交する水平方向Xに格子状に配列された多数の光電変換素子4と、多数の光電変換素子4の各々に対して同じ方向に隣接して設けられた光電変換素子5とを備える。光電変換素子5は、それに対応する光電変換素子4の位置を基準としたときに、この位置から垂直方向Y及び水平方向Xそれぞれに対して45度で交差する方向(図中の右斜め上方向)にずれた位置に配置されている。
【0052】
図5に示す固体撮像素子に含まれる光電変換素子の配列は、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子4からなる第一の光電変換素子列と、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子5からなる第二の光電変換素子列とを、水平方向Xに交互に配列したものということができる。又は、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子4からなる第一の光電変換素子行と、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子5からなる第二の光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列したものということもできる。
【0053】
水平方向Xに連続して並ぶ2つの第一の光電変換素子列と2つの第二の光電変換素子列からなる素子列組(図5中の左から数えて4番目までの光電変換素子列)のうち、両端の光電変換素子列を除く第一の光電変換素子列と第二の光電変換素子列との間には、該第一の光電変換素子列と該第二の光電変換素子列を構成する光電変換素子に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3が、この素子列組に対応して設けられている。
【0054】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも左側にある第一の光電変換素子列は、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図5では“B”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“G”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。又、垂直電荷転送路3よりも左側にある第一の光電変換素子列を構成する光電変換素子4の右斜め上に隣接する光電変換素子5は、光電変換素子4と同じ波長域の光を検出するものとなっている。つまり、垂直電荷転送路3よりも左側にある第二の光電変換素子列は、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図5では“b”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“g”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。
【0055】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも左側にある光電変換素子4と、その光電変換素子4の右斜め上の光電変換素子5とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。
【0056】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも右側にある第一の光電変換素子列は、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“G”の文字を付してある)と、入射光のうちのRの波長域の光を検出するR光電変換素子(図5では“R”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。又、垂直電荷転送路3よりも右側にある第一の光電変換素子列を構成する光電変換素子4の右斜め下に隣接する光電変換素子5は、光電変換素子4と同じ波長域の光を検出するものとなっている。つまり、垂直電荷転送路3よりも右側にある第二の光電変換素子列は、入射光のうちのRの波長域の光を検出するr光電変換素子(図5では“r”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“g”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。
【0057】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも右側にある光電変換素子4と、その光電変換素子4の右斜め下の光電変換素子5とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。このように、垂直電荷転送路3よりも右側にある一対の光電変換素子の光電変換素子5の光電変換素子4からのずれ方向と、垂直電荷転送路3よりも左側にある一対の光電変換素子の光電変換素子5の光電変換素子4からのずれ方向とは、直交する関係となっている。
【0058】
光電変換素子4と光電変換素子5は、それぞれ検出感度が異なり、例えば光電変換素子4が光電変換素子5よりも検出感度が高くなっている。
【0059】
垂直電荷転送路3の上方には、転送電極V1、転送電極V2、転送電極V3、及び転送電極V4をこの順番に垂直方向Yに配列した電極組が、垂直方向Yに多数配列して形成されている。1つの光電変換素子4又は光電変換素子5には、転送電極V1〜V4の4つの転送電極が対応して設けられている。転送電極V1〜V4は、それぞれ、第一の光電変換素子行と第二の光電変換素子行との間を、水平方向Xに向かって蛇行して配設されている。具体的に、第二の光電変換素子行の下側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V1と転送電極V2とが並べて配置され、第二の光電変換素子行の上側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V4と転送電極V3とが並べて配置されている。転送電極V1〜V4には、垂直電荷転送路3に読み出された電荷を垂直方向Yに転送するための転送パルスが印加される。
【0060】
図6は、図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある“G”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある“B”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“b”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成も図6と同様である。
【0061】
図6に示すように、光電変換素子4と、これと対をなす光電変換素子5との間には、光電変換素子4に蓄積された電荷を光電変換素子5に読み出すための電荷読出し部22が設けられている。又、光電変換素子5の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子5に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部21が形成されている。そして、転送電極V1は、電荷読出し部21全体と電荷読出し部22の一部を覆って形成されており、転送電極V2は、電荷読出し部22の一部以外を覆って形成されている。
【0062】
図7は、図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“R”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“G”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成も図7と同様である。
【0063】
図7に示すように、光電変換素子4と、これと対をなす光電変換素子5との間には、光電変換素子5に蓄積された電荷を光電変換素子4に読み出すための電荷読出し部23が設けられている。又、光電変換素子4の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子4に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部24が形成されている。そして、転送電極V3は、電荷読出し部24全体と電荷読出し部23の一部を覆って形成されており、転送電極V4は、電荷読出し部23の一部以外を覆って形成されている。
【0064】
尚、図5には図示していないが、本実施形態の固体撮像素子には、垂直電荷転送路3の終端に、垂直電荷転送路3を転送されてきた電荷を水平方向Xに転送するための水平電荷転送路が設けられ、この水平電荷転送路の終端に、水平電荷転送路を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプが設けられている。
【0065】
本実施形態の固体撮像素子を搭載する撮像装置の構成は図4に示したものと同様である。本実施形態の撮像装置の撮像素子駆動部50は、転送電極V1及び転送電極V2に読出しパルスを印加して、光電変換素子4に蓄積された電荷と光電変換素子5に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送し、転送電極V3及び転送電極V4に読出しパルスを印加して、光電変換素子4に蓄積された電荷と光電変換素子5に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送する混合読み出しモードで固体撮像素子を駆動する。
【0066】
以下、固体撮像素子の動作について説明する。
まず、撮像素子駆動部50は、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加する。読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部21,22のポテンシャル障壁が消滅する。このため、素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある光電変換素子4に蓄積されている電荷が、電荷読出し部22を通って光電変換素子5へと読み出され、光電変換素子5に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子4から読み出された電荷と光電変換素子5に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部21を通って垂直電荷転送路3に読み出される。垂直電荷転送路3に電荷が読み出された後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、読みだされた電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0067】
次に、撮像素子駆動部50は、転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスを印加する。読み出しパルスが印加されると、転送電極V3,V4下方の電荷読出し部23,24のポテンシャル障壁が消滅する。このため、素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある光電変換素子5に蓄積されている電荷が、電荷読出し部23を通って光電変換素子4へと読み出され、光電変換素子4に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子5から読み出された電荷と光電変換素子4に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部24を通って垂直電荷転送路3に読み出される。垂直電荷転送路3に電荷が読み出された後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、読みだされた電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0068】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、転送電極V1,V2に読み出しパルスを印加することで、垂直電荷転送路3の左側に隣接する光電変換素子5とそれと対をなす光電変換素子4とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合し、垂直電荷転送路3に読み出して転送することができ、転送電極V3,V4に読み出しパルスを印加することで、垂直電荷転送路3の右側に隣接する光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合し、垂直電荷転送路3に読み出して転送することができる。光電変換素子4は光電変換素子5よりも検出感度が高くなっているため、このような電荷混合を行うことで、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
【0069】
又、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とは、電荷読出し部22又は23を介して隣接している。電荷読出し部22,23の幅は、垂直電荷転送路3より十分小さくすることができるため、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5との距離は、水平方向Xに並ぶ光電変換素子4又は光電変換素子5同士の距離よりも大幅に小さくなっている。つまり、非常に近い位置にある2つの光電変換素子で得られた電荷を混合することができるため、サンプリングポイントのずれがほとんどない2つの電荷を混合することが可能となり、良質な画を作ることが可能となる。
【0070】
又、本実施形態の固体撮像素子は、4つの光電変換素子列に対して1つの垂直電荷転送路3を設けているため、垂直電荷転送路3の数を、特許文献1記載の素子の半分にすることができる。このため、多画素化を進めた場合でも、垂直電荷転送路3の幅を狭めることなく、光電変換素子の面積を確保することができ、電荷転送効率の劣化及び感度の低下を防ぐことができる。又、画素数を変えない場合は、光電変換素子の面積を拡大して感度を高めたり、垂直電荷転送路3面積を拡大して電荷転送効率を向上させたりすることができる。
【0071】
尚、本実施形態の固体撮像素子においても、第一実施形態と同様に、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とからなる光電変換素子組のうち、この光電変換素子組に対応する垂直電荷転送路3から遠い位置にある光電変換素子のポテンシャルが、垂直電荷転送路に近い位置にある光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなるようにしておくことで、電荷の読み出しをスムーズに行うことができる。例えば、図6に示した光電変換素子4と光電変換素子5については、光電変換素子4のポテンシャルが光電変換素子5のポテンシャルよりも浅くなるようにし、図7に示した光電変換素子4と光電変換素子5については、光電変換素子5のポテンシャルが光電変換素子4のポテンシャルよりも浅くなるようにすれば良い。
【0072】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成においても、第一実施形態と同様に、電界集中を防ぐため、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加するタイミングをずらし、転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスを印加するタイミングをずらしておくことが好ましい。又、転送電極V2に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V1に印加する読み出しパルスよりも小さくし、転送電極V4に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V3に印加する読み出しパルスよりも小さくしておくことが好ましい。
【0073】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成においても、第一実施形態と同様に、光電変換素子4と光電変換素子5とに検出感度差を設けなくても良い。
【0074】
(第三実施形態)
第一実施形態の固体撮像素子では、光電変換素子2を、それと対をなす光電変換素子1の位置から斜め右上方向にずらした位置に配置したものとしているが、本実施形態の固体撮像素子は、図1に示した光電変換素子2の位置を、該光電変換素子2と対をなす光電変換素子1の位置から水平方向Xにずらした位置に配置したものとなっている。
【0075】
図8は、本発明の第三実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。図8において図1と同様の構成には同一符号を付してある。図8において、光電変換素子1と光電変換素子2の形状は、図1のそれとは異なっているが、機能自体は全く同じである。図9(a)は、図8に示すB−B’線の断面模式図であり、図9(b)は、図8に示すC−C’線の断面模式図である。
【0076】
本実施形態の固体撮像素子は、図8に示すように、光電変換素子1の右隣に、それと対をなす光電変換素子2が配置された構成となっている。光電変換素子2の右側部には、この光電変換素子2と、これと対をなす光電変換素子1とからなる光電変換素子組に対応させて、該光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3’が設けられている。垂直電荷転送路3’は、垂直方向Yに延びる直線形状となっている。
【0077】
垂直電荷転送路3’と、これに対応する光電変換素子2との間には、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3’に読み出すための電荷読出し部31が形成されている。光電変換素子1と、これと対をなす光電変換素子2との間には、光電変換素子1に蓄積された電荷を光電変換素子2に読み出すための電荷読出し部32が形成されている。
【0078】
垂直電荷転送路3’を挟んで隣接する光電変換素子1と光電変換素子2との間の上方には、電極34が形成されている。電極34は、電荷読出し部31と垂直電荷転送路3’の一部とを覆って形成されている。
【0079】
水平方向Xに並ぶG光電変換素子1,2とR光電変換素子1,2とからなるGR光電変換素子行の下側部の上方には、このGR光電変換素子行に対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V2が形成されている。転送電極V2は、これに対応するGR光電変換素子行の光電変換素子同士の間にある電荷読出し部32の上方に迫り出した迫り出し部35aを有している。
【0080】
転送電極V2上には、これに対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V1が絶縁膜を介して形成されている。転送電極V1は、これに対応するGR光電変換素子行の光電変換素子同士の間の電極34の上方に迫り出した迫り出し部36aを有しており、この迫り出し部36aと電極34との間には、これらを電気的に接続する配線部33aが形成されている。
【0081】
水平方向Xに並ぶB光電変換素子1,2とG光電変換素子1,2とからなるBG光電変換素子行の下側部の上方には、このBG光電変換素子行に対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V4が形成されている。転送電極V4は、これに対応するBG光電変換素子行の光電変換素子同士の間にある電荷読出し部32の上方に迫り出した迫り出し部35bを有している。
【0082】
転送電極V4上には、これに対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V3が絶縁膜を介して形成されている。転送電極V3は、これに対応するBG光電変換素子行の光電変換素子同士の間の電極34の上方に迫り出した迫り出し部36bを有しており、この迫り出し部36bと電極34との間には、これらを電気的に接続する配線部33bが形成されている。
【0083】
以上のように構成された固体撮像素子の動作について説明する。本実施形態の固体撮像素子も、第一実施形態と同様に、単独読み出しモードと混合読み出しモードとの2つの読み出しモードで駆動が可能である。
【0084】
(単独読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1の迫り出し部36aに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部32によって形成されるポテンシャル障壁は維持されるため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、GR光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0085】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3の迫り出し部36bに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部32によって形成されるポテンシャル障壁は維持されるため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、BG光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0086】
(混合読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部31,32のポテンシャル障壁が消滅する。このため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0087】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3,V4下方の電荷読出し部31,32のポテンシャル障壁が消滅する。このため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0088】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、第一実施形態の固体撮像素子と同様の効果を得ることができる。第一実施形態や第二実施形態で説明したような光電変換素子配列の場合、1セルあたりの垂直電荷転送路3の占める面積が大きくなってしまう。光電変換素子の面積を拡大して感度を向上させるためには、垂直電荷転送路を削ってその空いた分を光電変換素子に充てるのが常套であるが、垂直電荷転送路の面積は電荷転送効率に大きく関わってくるので、簡単に削ることはできない。本発明は、垂直電荷転送路の数を減らすことが可能であるため、このように垂直電荷転送路の面積を削ることが難しい光電変換素子配列を有する固体撮像素子において特に有効なものとなる。
【0089】
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態の固体撮像素子は、図8に示した固体撮像素子の変形例である。
図10は、本発明の第四実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。図10において図8と同様の構成には同一符号を付してある。図11(a)は、図10に示すD−D’線の断面模式図であり、図11(b)は、図10に示すE−E’線の断面模式図である。
【0090】
図10に示す固体撮像素子は、図8に示す電荷読出し部32を、その面積を拡大して電荷読出し部32’としている。そして、転送電極V2には、電荷読出し部32’の一部の上方まで迫り出す迫り出し部35a’が設けられ、電荷読出し部32’の迫り出し部35a’と重ならない部分の上方には電極37が設けられている。転送電極V1には、電極37上方まで迫り出す迫り出し部38aが設けられ、迫り出し部38aと電極37との間には、これらを電気的に接続する配線39aが形成されている。
【0091】
転送電極V4には、電荷読出し部32’の一部の上方まで迫り出す迫り出し部35b’が設けられ、電荷読出し部32’の迫り出し部35b’と重ならない部分の上方には電極37が設けられている。転送電極V3には、電極37上方まで迫り出す迫り出し部38bが設けられ、迫り出し部38bと電極37との間には、これらを電気的に接続する配線39bが形成されている。
【0092】
以上のように構成された固体撮像素子の動作について説明する。本実施形態の固体撮像素子も、第一実施形態と同様に、単独読み出しモードと混合読み出しモードとの2つの読み出しモードで駆動が可能である。
【0093】
(単独読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1の迫り出し部33aに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅し、電極37下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁が消滅する。迫り出し部35a’下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁は残ったままであるため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、GR光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0094】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3の迫り出し部33bに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅し、電極37下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁が消滅する。迫り出し部35b’下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁は残ったままであるため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、BG光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0095】
(混合読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、電極34、電極37、及び迫り出し部35a’下方の電荷読出し部31,32’のポテンシャル障壁が消滅する。このため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32’を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0096】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスが印加されると、電極34、電極37、及び迫り出し部35b’下方の電荷読出し部31,32’のポテンシャル障壁が消滅する。このため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32’を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0097】
本実施形態のような構成でも、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、混合読み出しモードでは、電界集中を避けるために、転送電極V1,V2への読み出しパルスの印加タイミングをずらしたり、転送電極V1に印加する読み出しパルスの電圧レベルを転送電極V2よりも小さくしたりすることが好ましい。同様に、混合読み出しモードでは、電界集中を避けるために、転送電極V3,V4への読み出しパルスの印加タイミングをずらしたり、転送電極V3に印加する読み出しパルスの電圧レベルを転送電極V4よりも小さくしたりすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図2】図1に“R”で示した光電変換素子と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図3】図2に示したA−A’線断面におけるポテンシャルを示した図
【図4】図1に示した固体撮像素子を搭載する撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図
【図5】本発明の第二実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図6】図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路の左側にある“G”で示した光電変換素子と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図7】図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“R”で示した光電変換素子と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図8】本発明の第三実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図9】(a)は図8に示すB−B’線の断面模式図、(b)は図8に示すC−C’線の断面模式図
【図10】本発明の第四実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図11】(a)は図10に示すD−D’線の断面模式図、(b)は図8に示すE−E’線の断面模式図
【符号の説明】
【0099】
1 低感度光電変換素子
2 高感度光電変換素子
3 垂直電荷転送路
10,11 電荷読出し部
V1〜V4 転送電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子と、光電変換素子で発生した電荷を転送する電荷転送路と、該電荷を光電変換素子から電荷転送路に読み出すための電荷読出し部とを有する固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光電変換素子と、光電変換素子で発生した電荷を垂直方向に転送する垂直電荷転送路とを有する固体撮像素子が開示されている。この固体撮像素子は、垂直方向に並ぶ複数の光電変換素子からなる光電変換素子列2つに対して、1つの垂直電荷転送路が設けられた構成となっている。2つの光電変換素子列に対応する垂直電荷転送路は、その2つの光電変換素子列の間に配置されている。このような構成により、一般的な固体撮像素子と比べて垂直電荷転送路の数を半分にすることができるため、多画素化が進んだ場合でも、垂直電荷転送路の幅を狭めたり、光電変換素子の面積を小さくしたりする必要がなくなり、電荷転送効率や感度を維持することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平08−9267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の固体撮像素子では、垂直電荷転送路を挟んで配置された2つの光電変換素子を同一色を検出するものとし、この2つの光電変換素子で発生した電荷を混合して画像データを生成することが可能である。しかし、このような混合を行った場合、混合された2つの電荷は、垂直電荷転送路を挟んで離れた位置にある2つの光電変換素子から得られたものであるため、距離の離れたサンプリングポイント同士の電荷が混合されることになり、画像品質が劣化してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多画素化が進んだ場合でも電荷転送効率や感度を維持可能にすると共に、電荷の混合を行った場合でも高画質の画を作ることが可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の固体撮像素子は、互いに隣接する一対の光電変換素子からなる光電変換素子組を複数有し、前記一対の光電変換素子のいずれか一方の光電変換素子に隣接して設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を所定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路と前記一方の光電変換素子との間に設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記電荷転送路に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部と、前記一対の光電変換素子の前記一方の光電変換素子と他方の光電変換素子との間に設けられた、前記他方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記一方の光電変換素子に読み出すための素子−素子間電荷読出し部とを備える。
【0007】
本発明の固体撮像素子は、前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組の側部に設けられている。
【0008】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子は、前記一対の光電変換素子の前記第一の光電変換素子の位置から前記所定方向及び前記直交方向の各々と交差する方向にずれた位置に配置されている。
【0009】
本発明の固体撮像素子は、前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる2つの前記第一の光電変換素子列及び2つの前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうちの両端の前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列を除く前記第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子列との間に設けられている。
【0010】
本発明の固体撮像素子は、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、前記4つの光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子を構成する前記第一の光電変換素子の位置を基準位置としたときに、前記電荷転送路を挟んで片側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子と、前記電荷転送路を挟んで前記片側とは反対側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子とは、前記基準位置からそれぞれ異なる方向にずれた位置に配置されている。
【0011】
本発明の固体撮像素子は、前記片側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向と、前記反対側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向とが直交する。
【0012】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子のうち、前記一対の光電変換素子のうちの他方の光電変換素子のポテンシャルが、前記一方の光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなっている。
【0013】
本発明の固体撮像素子は、前記他方の光電変換素子の面積が、前記一方の光電変換素子の面積よりも小さくなっている。
【0014】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子は、それぞれ検出感度が異なるものである。
【0015】
本発明の固体撮像素子は、前記一対の光電変換素子は、それぞれ同じ波長域の光を検出するものである。
【0016】
本発明の固体撮像素子は、前記素子−素子間電荷読出し部の上方に前記一対の光電変換素子の並ぶ方向に配列して設けられた、それぞれ独立に電圧を印加可能な複数の電極を備える。
【0017】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記複数の電極に電圧を印加するタイミングをずらして、前記他方の光電変換素子から前記一方の光電変換素子に電荷を移動させる。
【0018】
本発明の撮像装置は、前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする。
【0019】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする。
【0020】
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、多画素化が進んだ場合でも電荷転送効率や感度を維持可能にすると共に、電荷の混合を行った場合でも高画質の画を作ることが可能な固体撮像素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。
図1に示す固体撮像素子は、垂直方向Yとこれに直交する水平方向Xに格子状に配列された多数の光電変換素子1と、多数の光電変換素子1の各々に対応して各々に対して同じ方向に隣接して設けられた光電変換素子2とを備える。光電変換素子2は、それに対応する光電変換素子1の位置を基準としたときに、この位置から垂直方向Y及び水平方向Xそれぞれに対して45度で交差する方向(図中の右斜め上方向)にずれた位置に配置されている。光電変換素子1とその右斜め上に隣接する光電変換素子2とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。
【0024】
多数の光電変換素子1は、入射光のうちの赤色(R)の波長域の光を検出するR光電変換素子(図1では“R”の文字を付してある)と、入射光のうちの緑色(G)の波長域の光を検出するG光電変換素子(図1では“G”の文字を付してある)と、入射光のうちの青色(B)の波長域の光を検出するB光電変換素子(図1では“B”の文字を付してある)との3種類を含む。多数の光電変換素子1は、G光電変換素子とB光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したGB光電変換素子行と、R光電変換素子とG光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したRG光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列した構成となっている。
【0025】
光電変換素子2は、それに対応する光電変換素子1と同じ波長域の光を検出するものであり、入射光のうちのRの波長域の光を検出するR光電変換素子(図1では“r”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図1では“g”の文字を付してある)と、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図1では“b”の文字を付してある)との3種類を含む。多数の光電変換素子2は、G光電変換素子とB光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したgb光電変換素子行と、R光電変換素子とG光電変換素子をこの順番で水平方向Xに交互に配列したrg光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列した構成となっている。
【0026】
光電変換素子1と光電変換素子2は、それぞれ検出感度が異なり、例えば光電変換素子2の検出感度の方が高くなっている。光電変換素子の検出感度を変化させるには、光電変換素子の受光面の面積を変化させてもよいし、光電変換素子上方に設けたマイクロレンズによって、集光面積を変化させてもよいし、2つの光電変換素子の各々で露光時間を変えても良い。これらの方法は公知であるため、説明を省略する。本実施形態では、光電変換素子1の面積を、光電変換素子2の面積よりも小さくすることで、光電変換素子1と光電変換素子2とに感度差を設けている。尚、図面では、光電変換素子1と光電変換素子2の面積は同一で図示してある。
【0027】
尚、本明細書において、光電変換素子の検出感度とは、光電変換素子に所定量の光が入射したときに、その光電変換素子から取り出せる信号量がどのくらいなのかを示す特性のことを示す。つまり、同一光量の光が入射したとき、検出感度が相対的に高い高感度の光電変換素子は、検出感度が相対的に低い低感度の光電変換素子よりも、取り出せる信号量が多いという特性を持つものと定義することができる。高感度の光電変換素子は、少ない光量で多くの信号を得ることができるため、低照度の被写体を撮影するのに最適であるが、多くの光量が入射した場合には、信号がすぐに飽和してしまうため、高照度の被写体を撮影するのには適さない。又、低感度の光電変換素子は、多くの光量が入射してもあまり多くの信号を得られないため、高照度の被写体を撮影するのに最適であるが、少ない光量が入射した場合には、得られる信号が少なすぎてしまい、低照度の被写体を撮影するのには適さない。
【0028】
図1に示す固体撮像素子に含まれる光電変換素子の配列は、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子1からなる第一の光電変換素子列と、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子2からなる第二の光電変換素子列とを、水平方向Xに交互に配列したものということができる。又は、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子1からなる第一の光電変換素子行と、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子2からなる第二の光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列したものということもできる。
【0029】
水平方向Xに連続して並ぶ第一の光電変換素子列と第二の光電変換素子列からなる素子列組のうち、この素子列組の側部(ここでは第二の光電変換素子列の右側部)には、該第二の光電変換素子列を構成する光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3が、この素子列組に対応して設けられている。
【0030】
垂直電荷転送路3の上方には、転送電極V1、転送電極V2、転送電極V3、及び転送電極V4をこの順番に垂直方向Yに配列した電極組が、垂直方向Yに多数配列して形成されている。1つの光電変換素子2には、転送電極V1〜V4の4つの転送電極が対応して設けられている。転送電極V1〜V4は、それぞれ、第一の光電変換素子行と第二の光電変換素子行との間を、水平方向Xに向かって蛇行して配設されている。具体的に、第二の光電変換素子行の下側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V1と転送電極V2とが並べて配置され、第二の光電変換素子行の上側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V4と転送電極V3とが並べて配置されている。転送電極V1〜V4には、垂直電荷転送路3に読み出された電荷を垂直方向Yに転送するための転送パルスが印加される。
【0031】
図2は、図1に“R”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図1に“G”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成と、図1に“B”で示した光電変換素子1と、これと対をなす“b”で示した光電変換素子2とからなる光電変換素子組近傍の構成も図2と同様である。
【0032】
図2に示すように、光電変換素子1と、これと対をなす光電変換素子2との間には、光電変換素子1に蓄積された電荷を光電変換素子2に読み出すための電荷読出し部11が設けられている。又、光電変換素子2の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部10が形成されている。そして、転送電極V1は、電荷読出し部10全体と電荷読出し部11の一部を覆って形成されており、転送電極V2は、電荷読出し部11の一部以外を覆って形成されている。
【0033】
図3は、図2に示したA−A’線断面におけるポテンシャルを示した図である。
図3に示すように、光電変換素子1は、光電変換素子2よりも面積が小さいため、そのポテンシャルは光電変換素子2よりも浅くなっている。電荷読出し部11の上方には、転送電極V2と転送電極V1とが、光電変換素子1と光電変換素子2との並ぶ方向に並べて配置されており、この転送電極V1,V2が電荷を読み出すための読出しゲートとしても機能する。又、電荷読出し部10の上方には転送電極V1が形成されており、この転送電極V1が電荷を読み出すための読出しゲートとしても機能する。
【0034】
尚、図1には図示していないが、本実施形態の固体撮像素子には、垂直電荷転送路3の終端に、垂直電荷転送路3を転送されてきた電荷を水平方向Xに転送するための水平電荷転送路が設けられ、この水平電荷転送路の終端に、水平電荷転送路を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプが設けられている。
【0035】
図4は、図1に示した固体撮像素子を搭載する撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ41と、図1に示した構成の固体撮像素子45と、この両者の間に設けられた絞り42と、赤外線カットフィルタ43と、光学ローパスフィルタ44とを備える。
【0036】
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部51は、フラッシュ発光部52及び受光部53を制御し、レンズ駆動部48を制御して撮影レンズ41の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部49を介し絞り42の開口量を制御して露光量調整を行う。
【0037】
又、システム制御部51は、撮像素子駆動部50を介して固体撮像素子45を駆動し、撮影レンズ41を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。システム制御部51には、操作部54を通してユーザからの指示信号が入力される。
【0038】
デジタルカメラの電気制御系は、更に、固体撮像素子45の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部46と、このアナログ信号処理部46から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路47とを備え、これらはシステム制御部51によって制御される。
【0039】
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ56と、メインメモリ56に接続されたメモリ制御部55と、補間演算やガンマ補正演算,RGB/YC変換処理等を行って画像データを生成するデジタル信号処理部57と、デジタル信号処理部57で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部58と、測光データを積算しデジタル信号処理部57が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部59と、着脱自在の記録媒体61が接続される外部メモリ制御部60と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部63が接続される表示制御部62とを備え、これらは、制御バス64及びデータバス65によって相互に接続され、システム制御部51からの指令によって制御される。
【0040】
撮像素子駆動部50は、転送電極V1のみに読出しパルスを印加して光電変換素子2のみから電荷を読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該電荷を転送する単独読み出しモードと、転送電極V1と転送電極V2とに読出しパルスを印加して、光電変換素子1に蓄積された電荷と光電変換素子2に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送する混合読み出しモードとの少なくとも2つの駆動モードで固体撮像素子を駆動する。
【0041】
以下、固体撮像素子の動作について説明する。
(単独読み出しモード)
撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1下方の電荷読出し部10,11によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部11によって形成されるポテンシャル障壁は転送電極V1下方のみが消滅し、転送電極V2下方は維持されるため、光電変換素子1に蓄積されている電荷は光電変換素子2へは移動せずに、光電変換素子1に保持される。一方、光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部10を通って垂直電荷転送路3へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0042】
(混合読み出しモード)
撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部10,11のポテンシャル障壁が消滅する。このため、光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部11を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部10を通って垂直電荷転送路3に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0043】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、転送電極V1,V2に読み出しパルスを印加することで、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合して、垂直電荷転送路3に読み出すことができる。光電変換素子2は光電変換素子1よりも検出感度が高くなっているため、このような電荷混合を行うことで、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。又、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2とは、電荷読出し部11を介して隣接している。電荷読出し部11の幅は、垂直電荷転送路3より十分小さくすることができるため、光電変換素子1と光電変換素子2との距離は、水平方向Xに並ぶ光電変換素子1又は光電変換素子2同士の距離よりも大幅に小さくなっている。つまり、非常に近い位置にある2つの光電変換素子で得られた電荷を混合することができるため、サンプリングポイントのずれがほとんどない2つの電荷を混合することが可能となり、良質な画を作ることが可能となる。
【0044】
又、本実施形態の固体撮像素子は、転送電極V1のみに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子2のみから電荷を読み出すことが可能となっている。光電変換素子2のみから電荷を読み出すときは、光電変換素子1と光電変換素子2から電荷を読み出すときよりも、電荷読み出しにかかる時間を短縮することができる。このため、単独読み出しモードで駆動することで撮影時間を短縮することができ、AF機能を実行するための撮影や動画撮影等の高速動作が要求される状況に適したものとなる。
【0045】
尚、単独読み出しモード時には、光電変換素子2のみから電荷が読み出されるが、光電変換素子2は検出感度が相対的に高くなっているため、被写体が明るい場合には、出力がすぐに飽和してしまい、所望の画が得られなくなることが考えられる。このため、光電変換素子1と光電変換素子2の検出感度差は、露光時間で変えられるようにしておくことが好ましい。このようにしておけば、単独読み出しモード時には、光電変換素子2の検出感度を被写体に応じて調整することが可能となり、出力が飽和してしまうのを防ぐことができる。
【0046】
又、本実施形態の固体撮像素子は、図3に示したように、光電変換素子1とそれに対応する光電変換素子2からなる光電変換素子組のうち、この光電変換素子組に対応する垂直電荷転送路3から遠い位置にある光電変換素子1のポテンシャルが、垂直電荷転送路に近い位置にある光電変換素子2のポテンシャルよりも浅くなるように設計されている。このため、光電変換素子1から光電変換素子2へかけてポテンシャルスロープを形成することができ、光電変換素子1から光電変換素子2への電荷読み出しをスムーズに行うことができる。
【0047】
尚、本実施形態の固体撮像素子は、光電変換素子1の面積を光電変換素子2よりも小さくすることで、光電変換素子1のポテンシャルを光電変換素子2のポテンシャルよりも浅くするものとしているが、ポテンシャルを浅くする方法はこれに限らず、公知の様々な手法を採用することができる。
【0048】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成では、混合読み出しモード時に、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを同時に印加してしまうと、電界集中が発生して、不具合を起こす可能性がある。このため、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加するタイミングは、同時ではなくずらしておくことが好ましい。例えば、まず、転送電極V1に読み出しパルスを印加し、その後少ししてから、転送電極V2に読み出しパルスを印加するといった制御を行うことで、電界集中を避けることができる。
【0049】
又、電界集中を避けるために、転送電極V2に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V1に印加する読み出しパルスよりも小さくしておくことも好ましい。
【0050】
又、以上の説明では、光電変換素子1と光電変換素子2とに検出感度差を設けるものとしたが、検出感度差はなくても構わない。
【0051】
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。
図5に示す固体撮像素子は、垂直方向Yとこれに直交する水平方向Xに格子状に配列された多数の光電変換素子4と、多数の光電変換素子4の各々に対して同じ方向に隣接して設けられた光電変換素子5とを備える。光電変換素子5は、それに対応する光電変換素子4の位置を基準としたときに、この位置から垂直方向Y及び水平方向Xそれぞれに対して45度で交差する方向(図中の右斜め上方向)にずれた位置に配置されている。
【0052】
図5に示す固体撮像素子に含まれる光電変換素子の配列は、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子4からなる第一の光電変換素子列と、垂直方向Yに配列された複数の光電変換素子5からなる第二の光電変換素子列とを、水平方向Xに交互に配列したものということができる。又は、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子4からなる第一の光電変換素子行と、水平方向Xに配列された複数の光電変換素子5からなる第二の光電変換素子行とを、垂直方向Yに交互に配列したものということもできる。
【0053】
水平方向Xに連続して並ぶ2つの第一の光電変換素子列と2つの第二の光電変換素子列からなる素子列組(図5中の左から数えて4番目までの光電変換素子列)のうち、両端の光電変換素子列を除く第一の光電変換素子列と第二の光電変換素子列との間には、該第一の光電変換素子列と該第二の光電変換素子列を構成する光電変換素子に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3が、この素子列組に対応して設けられている。
【0054】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも左側にある第一の光電変換素子列は、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図5では“B”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“G”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。又、垂直電荷転送路3よりも左側にある第一の光電変換素子列を構成する光電変換素子4の右斜め上に隣接する光電変換素子5は、光電変換素子4と同じ波長域の光を検出するものとなっている。つまり、垂直電荷転送路3よりも左側にある第二の光電変換素子列は、入射光のうちのBの波長域の光を検出するB光電変換素子(図5では“b”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“g”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。
【0055】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも左側にある光電変換素子4と、その光電変換素子4の右斜め上の光電変換素子5とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。
【0056】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも右側にある第一の光電変換素子列は、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“G”の文字を付してある)と、入射光のうちのRの波長域の光を検出するR光電変換素子(図5では“R”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。又、垂直電荷転送路3よりも右側にある第一の光電変換素子列を構成する光電変換素子4の右斜め下に隣接する光電変換素子5は、光電変換素子4と同じ波長域の光を検出するものとなっている。つまり、垂直電荷転送路3よりも右側にある第二の光電変換素子列は、入射光のうちのRの波長域の光を検出するr光電変換素子(図5では“r”の文字を付してある)と、入射光のうちのGの波長域の光を検出するG光電変換素子(図5では“g”の文字を付してある)とをこの順番で垂直方向Yに交互に配列したものとなっている。
【0057】
素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、垂直電荷転送路3よりも右側にある光電変換素子4と、その光電変換素子4の右斜め下の光電変換素子5とにより、特許請求の範囲の一対の光電変換素子が構成されている。このように、垂直電荷転送路3よりも右側にある一対の光電変換素子の光電変換素子5の光電変換素子4からのずれ方向と、垂直電荷転送路3よりも左側にある一対の光電変換素子の光電変換素子5の光電変換素子4からのずれ方向とは、直交する関係となっている。
【0058】
光電変換素子4と光電変換素子5は、それぞれ検出感度が異なり、例えば光電変換素子4が光電変換素子5よりも検出感度が高くなっている。
【0059】
垂直電荷転送路3の上方には、転送電極V1、転送電極V2、転送電極V3、及び転送電極V4をこの順番に垂直方向Yに配列した電極組が、垂直方向Yに多数配列して形成されている。1つの光電変換素子4又は光電変換素子5には、転送電極V1〜V4の4つの転送電極が対応して設けられている。転送電極V1〜V4は、それぞれ、第一の光電変換素子行と第二の光電変換素子行との間を、水平方向Xに向かって蛇行して配設されている。具体的に、第二の光電変換素子行の下側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V1と転送電極V2とが並べて配置され、第二の光電変換素子行の上側部には、隣接する第一の光電変換素子行との間に、第二の光電変換素子行側から順に転送電極V4と転送電極V3とが並べて配置されている。転送電極V1〜V4には、垂直電荷転送路3に読み出された電荷を垂直方向Yに転送するための転送パルスが印加される。
【0060】
図6は、図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある“G”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある“B”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“b”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成も図6と同様である。
【0061】
図6に示すように、光電変換素子4と、これと対をなす光電変換素子5との間には、光電変換素子4に蓄積された電荷を光電変換素子5に読み出すための電荷読出し部22が設けられている。又、光電変換素子5の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子5に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部21が形成されている。そして、転送電極V1は、電荷読出し部21全体と電荷読出し部22の一部を覆って形成されており、転送電極V2は、電荷読出し部22の一部以外を覆って形成されている。
【0062】
図7は、図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“R”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図である。図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“G”で示した光電変換素子4と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子5とからなる光電変換素子組近傍の構成も図7と同様である。
【0063】
図7に示すように、光電変換素子4と、これと対をなす光電変換素子5との間には、光電変換素子5に蓄積された電荷を光電変換素子4に読み出すための電荷読出し部23が設けられている。又、光電変換素子4の下側部と垂直電荷転送路3との間には、光電変換素子4に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3に読み出すための電荷読出し部24が形成されている。そして、転送電極V3は、電荷読出し部24全体と電荷読出し部23の一部を覆って形成されており、転送電極V4は、電荷読出し部23の一部以外を覆って形成されている。
【0064】
尚、図5には図示していないが、本実施形態の固体撮像素子には、垂直電荷転送路3の終端に、垂直電荷転送路3を転送されてきた電荷を水平方向Xに転送するための水平電荷転送路が設けられ、この水平電荷転送路の終端に、水平電荷転送路を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプが設けられている。
【0065】
本実施形態の固体撮像素子を搭載する撮像装置の構成は図4に示したものと同様である。本実施形態の撮像装置の撮像素子駆動部50は、転送電極V1及び転送電極V2に読出しパルスを印加して、光電変換素子4に蓄積された電荷と光電変換素子5に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送し、転送電極V3及び転送電極V4に読出しパルスを印加して、光電変換素子4に蓄積された電荷と光電変換素子5に蓄積された電荷とを混合して読み出し、その後、転送電極V1〜V4に転送パルスを供給して該混合電荷を転送する混合読み出しモードで固体撮像素子を駆動する。
【0066】
以下、固体撮像素子の動作について説明する。
まず、撮像素子駆動部50は、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加する。読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部21,22のポテンシャル障壁が消滅する。このため、素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の左側にある光電変換素子4に蓄積されている電荷が、電荷読出し部22を通って光電変換素子5へと読み出され、光電変換素子5に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子4から読み出された電荷と光電変換素子5に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部21を通って垂直電荷転送路3に読み出される。垂直電荷転送路3に電荷が読み出された後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、読みだされた電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0067】
次に、撮像素子駆動部50は、転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスを印加する。読み出しパルスが印加されると、転送電極V3,V4下方の電荷読出し部23,24のポテンシャル障壁が消滅する。このため、素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある光電変換素子5に蓄積されている電荷が、電荷読出し部23を通って光電変換素子4へと読み出され、光電変換素子4に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子5から読み出された電荷と光電変換素子4に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部24を通って垂直電荷転送路3に読み出される。垂直電荷転送路3に電荷が読み出された後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、読みだされた電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0068】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、転送電極V1,V2に読み出しパルスを印加することで、垂直電荷転送路3の左側に隣接する光電変換素子5とそれと対をなす光電変換素子4とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合し、垂直電荷転送路3に読み出して転送することができ、転送電極V3,V4に読み出しパルスを印加することで、垂直電荷転送路3の右側に隣接する光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とにそれぞれ蓄積されている電荷を混合し、垂直電荷転送路3に読み出して転送することができる。光電変換素子4は光電変換素子5よりも検出感度が高くなっているため、このような電荷混合を行うことで、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
【0069】
又、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とは、電荷読出し部22又は23を介して隣接している。電荷読出し部22,23の幅は、垂直電荷転送路3より十分小さくすることができるため、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5との距離は、水平方向Xに並ぶ光電変換素子4又は光電変換素子5同士の距離よりも大幅に小さくなっている。つまり、非常に近い位置にある2つの光電変換素子で得られた電荷を混合することができるため、サンプリングポイントのずれがほとんどない2つの電荷を混合することが可能となり、良質な画を作ることが可能となる。
【0070】
又、本実施形態の固体撮像素子は、4つの光電変換素子列に対して1つの垂直電荷転送路3を設けているため、垂直電荷転送路3の数を、特許文献1記載の素子の半分にすることができる。このため、多画素化を進めた場合でも、垂直電荷転送路3の幅を狭めることなく、光電変換素子の面積を確保することができ、電荷転送効率の劣化及び感度の低下を防ぐことができる。又、画素数を変えない場合は、光電変換素子の面積を拡大して感度を高めたり、垂直電荷転送路3面積を拡大して電荷転送効率を向上させたりすることができる。
【0071】
尚、本実施形態の固体撮像素子においても、第一実施形態と同様に、光電変換素子4とそれと対をなす光電変換素子5とからなる光電変換素子組のうち、この光電変換素子組に対応する垂直電荷転送路3から遠い位置にある光電変換素子のポテンシャルが、垂直電荷転送路に近い位置にある光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなるようにしておくことで、電荷の読み出しをスムーズに行うことができる。例えば、図6に示した光電変換素子4と光電変換素子5については、光電変換素子4のポテンシャルが光電変換素子5のポテンシャルよりも浅くなるようにし、図7に示した光電変換素子4と光電変換素子5については、光電変換素子5のポテンシャルが光電変換素子4のポテンシャルよりも浅くなるようにすれば良い。
【0072】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成においても、第一実施形態と同様に、電界集中を防ぐため、転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスを印加するタイミングをずらし、転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスを印加するタイミングをずらしておくことが好ましい。又、転送電極V2に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V1に印加する読み出しパルスよりも小さくし、転送電極V4に印加する読み出しパルスの電圧レベルを、転送電極V3に印加する読み出しパルスよりも小さくしておくことが好ましい。
【0073】
又、本実施形態の固体撮像素子の構成においても、第一実施形態と同様に、光電変換素子4と光電変換素子5とに検出感度差を設けなくても良い。
【0074】
(第三実施形態)
第一実施形態の固体撮像素子では、光電変換素子2を、それと対をなす光電変換素子1の位置から斜め右上方向にずらした位置に配置したものとしているが、本実施形態の固体撮像素子は、図1に示した光電変換素子2の位置を、該光電変換素子2と対をなす光電変換素子1の位置から水平方向Xにずらした位置に配置したものとなっている。
【0075】
図8は、本発明の第三実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。図8において図1と同様の構成には同一符号を付してある。図8において、光電変換素子1と光電変換素子2の形状は、図1のそれとは異なっているが、機能自体は全く同じである。図9(a)は、図8に示すB−B’線の断面模式図であり、図9(b)は、図8に示すC−C’線の断面模式図である。
【0076】
本実施形態の固体撮像素子は、図8に示すように、光電変換素子1の右隣に、それと対をなす光電変換素子2が配置された構成となっている。光電変換素子2の右側部には、この光電変換素子2と、これと対をなす光電変換素子1とからなる光電変換素子組に対応させて、該光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直方向Yに転送するための垂直電荷転送路3’が設けられている。垂直電荷転送路3’は、垂直方向Yに延びる直線形状となっている。
【0077】
垂直電荷転送路3’と、これに対応する光電変換素子2との間には、光電変換素子2に蓄積された電荷を垂直電荷転送路3’に読み出すための電荷読出し部31が形成されている。光電変換素子1と、これと対をなす光電変換素子2との間には、光電変換素子1に蓄積された電荷を光電変換素子2に読み出すための電荷読出し部32が形成されている。
【0078】
垂直電荷転送路3’を挟んで隣接する光電変換素子1と光電変換素子2との間の上方には、電極34が形成されている。電極34は、電荷読出し部31と垂直電荷転送路3’の一部とを覆って形成されている。
【0079】
水平方向Xに並ぶG光電変換素子1,2とR光電変換素子1,2とからなるGR光電変換素子行の下側部の上方には、このGR光電変換素子行に対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V2が形成されている。転送電極V2は、これに対応するGR光電変換素子行の光電変換素子同士の間にある電荷読出し部32の上方に迫り出した迫り出し部35aを有している。
【0080】
転送電極V2上には、これに対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V1が絶縁膜を介して形成されている。転送電極V1は、これに対応するGR光電変換素子行の光電変換素子同士の間の電極34の上方に迫り出した迫り出し部36aを有しており、この迫り出し部36aと電極34との間には、これらを電気的に接続する配線部33aが形成されている。
【0081】
水平方向Xに並ぶB光電変換素子1,2とG光電変換素子1,2とからなるBG光電変換素子行の下側部の上方には、このBG光電変換素子行に対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V4が形成されている。転送電極V4は、これに対応するBG光電変換素子行の光電変換素子同士の間にある電荷読出し部32の上方に迫り出した迫り出し部35bを有している。
【0082】
転送電極V4上には、これに対応させて、水平方向Xに延びる転送電極V3が絶縁膜を介して形成されている。転送電極V3は、これに対応するBG光電変換素子行の光電変換素子同士の間の電極34の上方に迫り出した迫り出し部36bを有しており、この迫り出し部36bと電極34との間には、これらを電気的に接続する配線部33bが形成されている。
【0083】
以上のように構成された固体撮像素子の動作について説明する。本実施形態の固体撮像素子も、第一実施形態と同様に、単独読み出しモードと混合読み出しモードとの2つの読み出しモードで駆動が可能である。
【0084】
(単独読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1の迫り出し部36aに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部32によって形成されるポテンシャル障壁は維持されるため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、GR光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0085】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3の迫り出し部36bに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅する。電荷読出し部32によって形成されるポテンシャル障壁は維持されるため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、BG光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0086】
(混合読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1,V2下方の電荷読出し部31,32のポテンシャル障壁が消滅する。このため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0087】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3,V4下方の電荷読出し部31,32のポテンシャル障壁が消滅する。このため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0088】
以上のように、本実施形態の固体撮像素子によれば、第一実施形態の固体撮像素子と同様の効果を得ることができる。第一実施形態や第二実施形態で説明したような光電変換素子配列の場合、1セルあたりの垂直電荷転送路3の占める面積が大きくなってしまう。光電変換素子の面積を拡大して感度を向上させるためには、垂直電荷転送路を削ってその空いた分を光電変換素子に充てるのが常套であるが、垂直電荷転送路の面積は電荷転送効率に大きく関わってくるので、簡単に削ることはできない。本発明は、垂直電荷転送路の数を減らすことが可能であるため、このように垂直電荷転送路の面積を削ることが難しい光電変換素子配列を有する固体撮像素子において特に有効なものとなる。
【0089】
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態の固体撮像素子は、図8に示した固体撮像素子の変形例である。
図10は、本発明の第四実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図である。図10において図8と同様の構成には同一符号を付してある。図11(a)は、図10に示すD−D’線の断面模式図であり、図11(b)は、図10に示すE−E’線の断面模式図である。
【0090】
図10に示す固体撮像素子は、図8に示す電荷読出し部32を、その面積を拡大して電荷読出し部32’としている。そして、転送電極V2には、電荷読出し部32’の一部の上方まで迫り出す迫り出し部35a’が設けられ、電荷読出し部32’の迫り出し部35a’と重ならない部分の上方には電極37が設けられている。転送電極V1には、電極37上方まで迫り出す迫り出し部38aが設けられ、迫り出し部38aと電極37との間には、これらを電気的に接続する配線39aが形成されている。
【0091】
転送電極V4には、電荷読出し部32’の一部の上方まで迫り出す迫り出し部35b’が設けられ、電荷読出し部32’の迫り出し部35b’と重ならない部分の上方には電極37が設けられている。転送電極V3には、電極37上方まで迫り出す迫り出し部38bが設けられ、迫り出し部38bと電極37との間には、これらを電気的に接続する配線39bが形成されている。
【0092】
以上のように構成された固体撮像素子の動作について説明する。本実施形態の固体撮像素子も、第一実施形態と同様に、単独読み出しモードと混合読み出しモードとの2つの読み出しモードで駆動が可能である。
【0093】
(単独読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1に読み出しパルスが印加されると、転送電極V1の迫り出し部33aに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅し、電極37下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁が消滅する。迫り出し部35a’下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁は残ったままであるため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、GR光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0094】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3に読み出しパルスが印加されると、転送電極V3の迫り出し部33bに接続された電極34下方の電荷読出し部31によって形成されているポテンシャル障壁が消滅し、電極37下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁が消滅する。迫り出し部35b’下方の電荷読出し部32’のポテンシャル障壁は残ったままであるため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、それと対をなす光電変換素子2へは移動せずに、保持される。一方、BG光電変換素子行の光電変換素子2に蓄積されている電荷は、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’へと読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0095】
(混合読み出しモード)
まず、撮像素子駆動部50により転送電極V1と転送電極V2に読み出しパルスが印加されると、電極34、電極37、及び迫り出し部35a’下方の電荷読出し部31,32’のポテンシャル障壁が消滅する。このため、GR光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32’を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0096】
次に、撮像素子駆動部50により転送電極V3と転送電極V4に読み出しパルスが印加されると、電極34、電極37、及び迫り出し部35b’下方の電荷読出し部31,32’のポテンシャル障壁が消滅する。このため、BG光電変換素子行の光電変換素子1に蓄積されている電荷は、電荷読出し部32’を通って光電変換素子2へと読み出され、光電変換素子2に蓄積されている電荷と混合される。そして、光電変換素子1から読み出された電荷と光電変換素子2に元々蓄積されていた電荷との混合電荷が、電荷読出し部31を通って垂直電荷転送路3’に読み出される。光電変換素子2からの電荷読み出し後は、撮像素子駆動部50によって転送電極V1〜V4に4相の転送パルスが印加されて、電荷が垂直方向Yへと転送される。
【0097】
本実施形態のような構成でも、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、混合読み出しモードでは、電界集中を避けるために、転送電極V1,V2への読み出しパルスの印加タイミングをずらしたり、転送電極V1に印加する読み出しパルスの電圧レベルを転送電極V2よりも小さくしたりすることが好ましい。同様に、混合読み出しモードでは、電界集中を避けるために、転送電極V3,V4への読み出しパルスの印加タイミングをずらしたり、転送電極V3に印加する読み出しパルスの電圧レベルを転送電極V4よりも小さくしたりすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図2】図1に“R”で示した光電変換素子と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図3】図2に示したA−A’線断面におけるポテンシャルを示した図
【図4】図1に示した固体撮像素子を搭載する撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図
【図5】本発明の第二実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図6】図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路の左側にある“G”で示した光電変換素子と、これと対をなす“g”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図7】図5に示した素子列組を構成する光電変換素子のうち、垂直電荷転送路3の右側にある“R”で示した光電変換素子と、これと対をなす“r”で示した光電変換素子とからなる光電変換素子組近傍の構成を詳細に示した図
【図8】本発明の第三実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図9】(a)は図8に示すB−B’線の断面模式図、(b)は図8に示すC−C’線の断面模式図
【図10】本発明の第四実施形態である固体撮像素子の概略構成を示す部分拡大模式図
【図11】(a)は図10に示すD−D’線の断面模式図、(b)は図8に示すE−E’線の断面模式図
【符号の説明】
【0099】
1 低感度光電変換素子
2 高感度光電変換素子
3 垂直電荷転送路
10,11 電荷読出し部
V1〜V4 転送電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する一対の光電変換素子からなる光電変換素子組を複数有し、
前記一対の光電変換素子のいずれか一方の光電変換素子に隣接して設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を所定方向に転送するための電荷転送路と、
前記電荷転送路と前記一方の光電変換素子との間に設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記電荷転送路に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部と、
前記一対の光電変換素子の前記一方の光電変換素子と他方の光電変換素子との間に設けられた、前記他方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記一方の光電変換素子に読み出すための素子−素子間電荷読出し部とを備える固体撮像素子。
【請求項2】
請求項1記載の固体撮像素子であって、
前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、
前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、
前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組の側部に設けられている固体撮像素子。
【請求項3】
請求項2記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子は、前記一対の光電変換素子の前記第一の光電変換素子の位置から前記所定方向及び前記直交方向の各々と交差する方向にずれた位置に配置されている固体撮像素子。
【請求項4】
請求項1記載の固体撮像素子であって、
前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、
前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、
前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる2つの前記第一の光電変換素子列及び2つの前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうちの両端の前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列を除く前記第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子列との間に設けられている固体撮像素子。
【請求項5】
請求項4記載の固体撮像素子であって、
前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、前記4つの光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子を構成する前記第一の光電変換素子の位置を基準位置としたときに、前記電荷転送路を挟んで片側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子と、前記電荷転送路を挟んで前記片側とは反対側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子とは、前記基準位置からそれぞれ異なる方向にずれた位置に配置されている固体撮像素子。
【請求項6】
請求項5記載の固体撮像素子であって、
前記片側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向と、前記反対側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向とが直交する固体撮像素子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子のうち、前記一対の光電変換素子のうちの他方の光電変換素子のポテンシャルが、前記一方の光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなっている固体撮像素子。
【請求項8】
請求項7記載の固体撮像素子であって、
前記他方の光電変換素子の面積が、前記一方の光電変換素子の面積よりも小さくなっている固体撮像素子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子は、それぞれ検出感度が異なるものである固体撮像素子。
【請求項10】
請求項9記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子は、それぞれ同じ波長域の光を検出するものである固体撮像素子。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記素子−素子間電荷読出し部の上方に前記一対の光電変換素子の並ぶ方向に配列して設けられた、それぞれ独立に電圧を印加可能な複数の電極を備える固体撮像素子。
【請求項12】
請求項11記載の固体撮像素子と、
前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極に電圧を印加するタイミングをずらして、前記他方の光電変換素子から前記一方の光電変換素子に電荷を移動させる撮像装置。
【請求項13】
請求項12記載の撮像装置であって、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする撮像装置。
【請求項14】
請求項11記載の固体撮像素子と、
前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする撮像装置。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか1項記載の固体撮像素子を備える撮像装置。
【請求項1】
互いに隣接する一対の光電変換素子からなる光電変換素子組を複数有し、
前記一対の光電変換素子のいずれか一方の光電変換素子に隣接して設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を所定方向に転送するための電荷転送路と、
前記電荷転送路と前記一方の光電変換素子との間に設けられた、前記一方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記電荷転送路に読み出すための素子−転送路間電荷読出し部と、
前記一対の光電変換素子の前記一方の光電変換素子と他方の光電変換素子との間に設けられた、前記他方の光電変換素子に蓄積された電荷を前記一方の光電変換素子に読み出すための素子−素子間電荷読出し部とを備える固体撮像素子。
【請求項2】
請求項1記載の固体撮像素子であって、
前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、
前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、
前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組の側部に設けられている固体撮像素子。
【請求項3】
請求項2記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子は、前記一対の光電変換素子の前記第一の光電変換素子の位置から前記所定方向及び前記直交方向の各々と交差する方向にずれた位置に配置されている固体撮像素子。
【請求項4】
請求項1記載の固体撮像素子であって、
前記複数の光電変換素子組を構成する光電変換素子の配列が、前記所定方向に配列された複数の第一の光電変換素子からなる第一の光電変換素子列と、前記複数の第一の光電変換素子の各々に隣接する前記所定方向に配列された複数の第二の光電変換素子からなる第二の光電変換素子列とを、前記所定方向に直交する直交方向に交互に配列した構成となっており、
前記一対の光電変換素子が、前記第一の光電変換素子とそれに隣接する前記第二の光電変換素子であり、
前記電荷転送路は、前記直交方向に連続して並んでいる2つの前記第一の光電変換素子列及び2つの前記第二の光電変換素子列からなる素子列組に対応して、前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうちの両端の前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列を除く前記第一の光電変換素子列と前記第二の光電変換素子列との間に設けられている固体撮像素子。
【請求項5】
請求項4記載の固体撮像素子であって、
前記素子列組を構成する4つの光電変換素子列のうち、前記4つの光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子を構成する前記第一の光電変換素子の位置を基準位置としたときに、前記電荷転送路を挟んで片側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子と、前記電荷転送路を挟んで前記片側とは反対側にある前記第一の光電変換素子列及び前記第二の光電変換素子列に含まれる前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子とは、前記基準位置からそれぞれ異なる方向にずれた位置に配置されている固体撮像素子。
【請求項6】
請求項5記載の固体撮像素子であって、
前記片側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向と、前記反対側にある前記一対の光電変換素子の前記第二の光電変換素子の前記基準位置からのずれ方向とが直交する固体撮像素子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子のうち、前記一対の光電変換素子のうちの他方の光電変換素子のポテンシャルが、前記一方の光電変換素子のポテンシャルよりも浅くなっている固体撮像素子。
【請求項8】
請求項7記載の固体撮像素子であって、
前記他方の光電変換素子の面積が、前記一方の光電変換素子の面積よりも小さくなっている固体撮像素子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子は、それぞれ検出感度が異なるものである固体撮像素子。
【請求項10】
請求項9記載の固体撮像素子であって、
前記一対の光電変換素子は、それぞれ同じ波長域の光を検出するものである固体撮像素子。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記素子−素子間電荷読出し部の上方に前記一対の光電変換素子の並ぶ方向に配列して設けられた、それぞれ独立に電圧を印加可能な複数の電極を備える固体撮像素子。
【請求項12】
請求項11記載の固体撮像素子と、
前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極に電圧を印加するタイミングをずらして、前記他方の光電変換素子から前記一方の光電変換素子に電荷を移動させる撮像装置。
【請求項13】
請求項12記載の撮像装置であって、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする撮像装置。
【請求項14】
請求項11記載の固体撮像素子と、
前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記電圧印加手段は、前記複数の電極のうち、前記他方の光電変換素子に近い電極ほど、印加電圧を小さくする撮像装置。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか1項記載の固体撮像素子を備える撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−33015(P2009−33015A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197300(P2007−197300)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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