説明

固体撮像装置及びその駆動方法並びにカメラ

【課題】固体撮像装置の垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減する。
【解決手段】例えば3つの垂直転送部2を1つのグループとし、各垂直転送部2は第1転送部21と第2転送部22とを有し、駆動制御部7は、第1転送部21がパケットを転送した後、水平方向へのパケットの転送が行われる期間でパケットの転送を停止し、第2転送部22が同一のグループ内の異なる第1転送部21により転送されたパケットを異なるタイミングで水平転送部4に転送し、水平転送部4が異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、前記異なる期間で、第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段を、全転送電極下の界面準位をホールで充満させるために、ホールを蓄積できる時間、各転送電極にホールが蓄積できる電圧を印加しながらパケットを移動させ、前記異なる期間で移動させる前の位置に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクス(行列)状に配列された複数の光電変換部に蓄積された信号電荷を読み出して、二次元の画像信号を得るように構成されたCCD型固体撮像装置に関し、特に信号電荷の転送技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置としては、ビデオカメラやデジタルカメラの撮像部、あるいはファックスやイメージスキャナの画像認識部を構成し、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ(CCD型固体撮像素子)を用いたCCD型固体撮像装置が広く用いられている。
【0003】
特許文献1によれば、撮像部に加えて蓄積部を有するFIT(Frame Interline Transfer)方式のCCD型固体撮像素子において、撮像部と蓄積部との間に電荷制御部を設け、当該電荷制御部の作用により、垂直転送部(VCCD)の複数列(例えば、3列)を単位とし、当該複数列における所定の列の垂直転送部からの信号電荷の転送を阻止し、残りの2列以上の各垂直転送部から転送される信号電荷を加算して出力することで、水平間引き加算を行うようにしている。
【0004】
ここで、CCD型固体撮像装置の一般的な平面構造について、図13に示した模式図を参照して説明する。
【0005】
フォトダイオード101は光電変換部を形成し、マトリクス状に複数配列されている。フォトダイオード101の各列間に、垂直転送部102が配列されて撮像領域103が形成されている。各フォトダイオード101に蓄積された信号電荷は垂直転送部102へ移送され、複数の垂直転送部102により水平転送部104へ向けて垂直方向に並列転送される。したがって、水平転送部104には、複数本の垂直転送部102から1走査線に相当する信号電荷が順次転送される。水平転送部104に達した信号電荷は水平方向へ転送されて、電荷検出部105により信号電圧に変換され、出力アンプ106で増幅された後、撮像出力OUTとして導出される。以上の要素がn型基板107上に形成されている。
【0006】
垂直転送部102は、タイミング発生回路108から供給される、例えば6相の転送クロックφV1、φV2、φV3、φV4、φV5及びφV6によって転送駆動される。これにより、垂直転送部102に読み出された信号電荷は、水平ブランキング期間に1走査線に相当する部分ずつ順に垂直方向に転送される。
【0007】
水平転送部104は、例えば2相の水平転送クロックφH1及びφH2によって転送駆動される。これにより、1走査線分の信号電荷は、水平ブランキング期間後の水平走査期間において、順次水平方向に転送される。
【0008】
ところで、図13の固体撮像装置では、図14の垂直転送部102におけるポテンシャル分布に示されるように、垂直転送部102の転送電極V1、V2、V3、V4、V5及びV6に6相の転送クロックφV1〜φV6が印加されてパケット(バリア領域で区切られる連続したウェル領域で転送される信号電荷)31の電荷転送が行われる。そして、水平走査期間において垂直転送部102によるパケット31の転送は停止され、例えば転送電極V1及びV2下にパケット31が蓄積される状態が保持される。したがって、例えば転送電極V1下に暗電流発生源となる欠陥が存在している場合には、水平走査期間に比例してパケット31に暗電流ノイズが加算される。
【0009】
これに対して、特許文献2の固体撮像装置では、垂直転送部のパケットを保持する転送電極の枚数を水平転送期間で交互に変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−129137号公報
【特許文献2】特開2007−295365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献2の従来の固体撮像装置のように、1行分の信号電荷を水平転送する水平転送期間毎にパケットを保持する垂直転送部の転送電極枚数を変更する転送方式であると、垂直転送部にて発生する暗電流による縦線に行毎の強弱が生じ、画質的に不具合が生じる。
【0012】
すなわち、特許文献2の固体撮像装置では、図15の垂直転送部のポテンシャル分布に示されるように、垂直転送部は転送電極V1、V2、V3、V4、V5及びV6を繰り返しとした6相駆動の垂直転送電極を備えている。そして、偶数行及び奇数行の信号電荷の水平転送期間にてパケット31を保持する垂直転送部の転送電極数が変更されており、N行目、N+2行目、・・・の水平転送期間では転送電極V1〜V3の3電極下にパケット31が保持され、N+1行目、N+3行目、・・・の水平転送期間では転送電極V2〜V3の2電極下にパケット31が保持される。したがって、例えば転送電極V1の電極下に暗電流発生源が存在すると、N行目の信号電荷の水平転送期間にては転送電極V1の電極下で発生した暗電流がパケット31にノイズとして加算されるのに対して、N+1行目の水平転送期間にては、転送電極V1を含む電荷転送段がバリア状態となり該当箇所からの暗電流がパケット31に加算されない。その結果、偶数行及び奇数行毎に暗電流ノイズ信号レベルが異なり点線状の縦線ノイズが発生して画質が著しく劣化する。
【0013】
言い換えると、垂直転送部に局所的に暗電流を発生させる暗電流源が形成された転送電極下方にウェル領域が形成されているか、バリア領域が形成されているかで、暗電流の発生信号レベルが異なる。例えば、転送電極V1下に暗電流発生源が存在すると、転送電極V1下方にウェル領域が形成されている状態では発生する暗電流は大きくなるが、転送電極V1下方にバリア領域が形成されている状態では発生する暗電流は小さくなる。したがって、特許文献2の固体撮像装置であれば、偶数行及び奇数行の信号電荷の水平転送期間で転送電極V1下方の状態が異なるため、偶数行及び奇数行の信号で暗電流ノイズ信号レベルが異なり、VCCD暗電流縦線レベルに強弱が生じる。
【0014】
このとき、VCCD暗電流縦線は、垂直ダミー部の暗電流ノイズ信号レベルを検出し、補正を行うことで対応可能であるが、縦線レベルに強弱があるとノイズが点線状となり縦線欠陥補正を行うとしても一様な補正が不可能になるため、非常に複雑な補正を行う必要があり、暗電流縦線が残ったままの画像になってしまう。また、垂直ダミー部も偶数行及び奇数行の信号で暗電流ノイズ信号レベルを区別して検出し、偶数行及び奇数行の信号で別に縦線補正を行うことも可能であるが、メモリ容量の増加や信号処理の複雑化により、コストアップとなる。
【0015】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減することが可能な固体撮像装置及びその駆動方法並びにカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の固体撮像装置は、行列状に配列された複数の光電変換部と、前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部と、前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御する駆動制御部とを備え、前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、前記駆動制御部は、前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段が少なくとも1段異なるように、前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御することを特徴とする。ここで、前記駆動制御部は、前記異なる期間で前記第1転送部のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が異なるように前記垂直転送部による電荷転送を制御してもよいし、前記駆動制御部は、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる全ての垂直転送部のパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送するように前記垂直転送部による電荷転送を制御してもよい。
【0017】
これにより、同一行で異なる列の光電変換部に同一期間に蓄えられた信号電荷を複数回に分けて水平転送部に転送し、水平転送部は転送された信号電荷を複数回の期間に分けて水平転送することができる。そして、その複数回の期間で転送が停止されている垂直転送部のパケットの位置をずらすことができる。したがって、1つの行の信号電荷について水平転送が行われる期間において、同一の電荷転送段に長期間にわたってパケットが留まることがなくなり、暗電流発生源が存在する電荷転送段にパケットが留まる時間が短くなる。その結果、垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減することが可能な固体撮像装置を実現できる。よって、微少信号電荷を取り扱うときの暗電流信号を低減させて転送効率を向上させ、高ISO感度での高ゲイン状態での画質を改善することが可能な固体撮像装置を実現できる。
【0018】
このとき、同一行内の信号電荷の水平転送において垂直転送部のパケットの位置をずらすため、特許文献2の固体撮像装置のように、偶数行及び奇数行の信号で暗電流ノイズ信号レベルが異なることはなく、VCCD暗電流縦線レベルに強弱が生じることはない。
【0019】
また、前記駆動制御部は、前記第1転送部が、前記異なる期間の間で前記第1転送部のパケットを前記第2転送部に向かって転送するように前記垂直転送部による電荷転送を制御してもよい。これにより、次の行の信号電荷の水平転送が行われるまでに次に水平転送される第1転送部のパケットが垂直転送方向の下流に移動しているため、第1転送部から第2転送部へのパケットの転送時間を短くすることができる。その結果、信号出力の高速化を実現でき、暗電流ノイズによる影響を更に低減することができる。
【0020】
また、前記駆動制御部は、前記第1転送部において、暗電流発生源をホールで遮蔽するために、垂直転送部の転送電極に順次ある一定期間例えば負電圧を印加して垂直転送部の転送電極下の界面準位にホールが蓄積できるように制御してもよい。ただし、負電圧を印加することにより信号電荷がオーバーフローしないように制御する必要がある。これにより、垂直転送部の界面準位がホールで充満され暗電流発生源をホールで遮蔽できるため、暗電流ノイズを低減することができる。
【0021】
また、本発明は、行列状に配列された複数の光電変換部と、前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部とを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段が少なくとも1段異なるように制御する駆動方法とすることもできる。これにより、垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減することが可能な固体撮像装置の駆動方法を実現できる。
【0022】
更に、本発明は、上記固体撮像装置を備えたカメラとすることもできる。これにより、垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減することが可能なカメラを実現できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、垂直転送部における暗電流ノイズによる影響を低減することができ、暗電流ノイズ信号の最大値レベルを低減することができる。また、VCCD暗電流縦線にて行毎にレベル段差が生じることを抑えることができる。特に近年では、高画素微細化が進行し、VCCDを形成する不純物濃度も上がって暗電流がより発生しやすい状態になっている中で、暗電流によるノイズを抑制することができ、高画素及び高品質な固体撮像装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の電極構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図4】従来の技術における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による第1転送部のポテンシャルを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【図8】従来の技術の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【図11】従来の技術の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態におけるカメラのブロック図である。
【図13】従来のCCD型固体撮像装置の一般的な平面構造を示す模式図である。
【図14】図13の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【図15】従来の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施の形態における固体撮像装置及びその駆動方法並びにカメラについて、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
《第1の実施の形態》
まず、本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置及びその駆動方法について説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態における固体撮像装置の構成を示すブロック図である。この固体撮像装置は、複数のフォトダイオード1及び複数の垂直転送部2からなる撮像部3と、水平転送部4と、出力部6と、駆動制御部7とを備える。
【0028】
フォトダイオード1は、本発明の光電変換部の一例であり、撮像部3において行列状に複数配列される。
【0029】
複数の垂直転送部2は、それぞれがフォトダイオード1の列に対応して設けられ、対応するフォトダイオード1に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する。複数の垂直転送部2は3つの垂直転送部2を1つのグループとして複数のグループを有し、このグループが水平方向に繰り返して設けられている。同一のグループ内の垂直転送部2のそれぞれは、グループ内で共通(グループ内の他の第1転送部21と共通)の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部21と、該第1転送部21に対応して設けられ、グループ内で独立(グループ内の他の第1転送部21に対して独立)の駆動電圧の供給を受けて、対応する第1転送部21から水平転送部4に信号電荷を転送する第2転送部22とを有する。
【0030】
垂直転送部2は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への転送パルス(駆動電圧)に応じてポテンシャルのバリア領域又はウェル領域として動作する複数の電荷転送段から構成される。第1転送部21は異なる転送パルスが供給される6段の電荷転送段を含み、第2転送部22は垂直転送部2を構成する電荷転送段のうちの水平転送部4の直前に位置する最終の電荷転送段で構成される。電荷転送段のそれぞれは、転送パルスが供給される1つの電極と、該電極の下方に形成された半導体基板の不純物領域とから構成される。
【0031】
水平転送部4は、垂直転送部2から転送された信号電荷を水平方向へ転送する。水平転送部4は異なる転送パルスが供給される3段の電荷転送段を含む。
【0032】
駆動制御部7は、垂直転送部2及び水平転送部4による電荷転送を制御する。具体的に、駆動制御部7は、第1転送部21の垂直転送電極に6相の転送パルスφV1、φV2、φV3、φV4、φV5及びφV6を供給して第1転送部21を駆動する。そして、駆動制御部7は、第2転送部22の垂直最終段電極に7種類の転送パルスφV7、φV7L、φV7R、φV8、φV8L、φV8R及びφV9を供給して第2転送部22を駆動する。また、駆動制御部7は、水平転送部4の水平転送電極に3相の水平転送パルスφH1、φH2及びφH3を供給して水平転送部4を駆動する。
【0033】
駆動制御部7は、第1転送部21が、バリア領域で区切られるウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、水平方向へのパケットの転送が行われる期間でパケットの転送を停止し、第2転送部22が、同一のグループ内の異なる第1転送部21により転送されたパケットを異なるタイミングで水平転送部4に転送し、水平転送部4が、異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、異なる期間のそれぞれで、第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段が異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御する。このとき、駆動制御部7は、第1転送部21が、上記異なる期間の間で第1転送部21のパケットを第2転送部22に向かって転送するように垂直転送部2による電荷転送を制御する。
【0034】
図2は、本実施の形態における固体撮像装置の電極構成を示す図である。図2を用いて、第1転送部21、第2転送部22及び水平転送部4の各々の詳細を説明する。
【0035】
第1転送部21においては、垂直転送電極は1つのフォトダイオード1に対して2電極が形成されており、垂直転送電極V1、V2、V3、V4、V5及びV6の6電極を1単位としてこれが繰り返し配置されている。これらの垂直転送電極V1〜V6には転送パルスφV1〜φV6が印加され、パケットを水平転送部4に向けて転送する。
【0036】
第2転送部22においては、垂直最終段電極V7、V7L、V7R、V8、V8L、V8R及びV9が形成され、これらの垂直最終段電極V7〜V9には転送パルスφV7、φV7L、φV7R、φV8、φV8L、φV8R、φV9が印加される。
【0037】
水平転送部4においては、3種類の転送電極H1、H2及びH3が形成され、これらの転送電極H1〜H3には3相の水平転送パルスφH1〜φH3が印加されるが、水平転送におけるパケットはこの転送電極H1〜H3に対して1パケットが形成されるため、垂直転送部2の3列に対して独立して1パケットを転送することができる。このため、垂直転送部2を転送された1行分の信号電荷は、第2転送部22にて3回に割り振られて水平転送部4に転送され、3回に分けて水平転送されて出力部6から出力される。
【0038】
図3は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。図3の駆動方法では、1行分の信号電荷の転送期間(前の行の信号電荷が固体撮像装置から出力されてから次の行の信号電荷が固体撮像装置から出力されるまでの期間)が第1垂直転送期間、第2垂直転送期間及び第3垂直転送期間と、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間とに分けられる。
【0039】
第1垂直転送期間では、同一行に同一期間に蓄えられた全ての列の信号電荷が同時期に第2転送部22に転送された後、垂直転送部2のグループ内の第1列目の信号電荷のみが水平転送部4に転送される。そして、第2垂直転送期間では、垂直転送部2のグループ内の第2列目の信号電荷のみが水平転送部4に転送される。更に、第3垂直転送期間では、垂直転送部2のグループ内の第3列目の信号電荷のみが水平転送部4に転送される。
【0040】
第1水平転送期間では、第1列目の信号電荷のみが出力部6に水平転送される。そして、第2水平転送期間では、第2列目の信号電荷のみが出力部6に水平転送される。更に、第3水平転送期間では、第3列目の信号電荷のみが出力部6に水平転送される。
【0041】
具体的に、第1垂直転送期間では、まずt=0のタイミングで、転送パルスφV5及びφV6がハイレベルの電圧とされ、パケットは垂直転送電極V5及びV6の2電極下に保持される。
【0042】
その後、t=1〜t=3で転送パルスφV7、φV7L、φV7R及びφV8がローレベルからハイレベルの電圧に変化し、第2転送部22の垂直最終段電極V7、V7L、V7R及びV8の電極下にパケットが保持される。
【0043】
その後、t=4〜t=7で転送パルスφV1及びφV2がローレベルからハイレベルの電圧に変化し、また、転送パルスφV5及びφV6がハイレベルからローレベルの電圧に変化する。これにより、垂直転送電極V5及びV6の電極下にあったパケットは、それぞれ第1転送部21においては次に繰り返される垂直転送電極V1及びV2の電極下に転送され、第2転送部22においては垂直最終段電極V7、V7L及びV7Rの電極下に転送される。この時、転送パルスφV8が既にハイレベルの電圧となっており、第2転送部22の垂直最終段電極V8にもパケットが保持される。
【0044】
その後、t=8〜t=10で転送パルスφV7及びφV8がハイレベルからローレベルの電圧に変化し、また、転送パルスφV9がローレベル、ハイレベル及びローレベルの電圧に順次推移し、垂直最終段電極V7及びV8の電極下のパケットが水平転送部4に転送される。
【0045】
第1水平転送期間では、第1垂直転送期間で水平転送部4に転送されたパケットが水平転送され出力される。その結果、1行の信号電荷のうちの1/3の信号電荷が水平転送され出力される。第2転送部22の残りの2/3の信号電荷は、垂直最終段電極V7L及びV7Rの電極下に保持されたままとなっており、第1水平転送期間ではこのままの状態で保持される。また、第1水平転送期間では、第1転送部21の他の行の信号電荷は分割されることなく垂直転送電極V1及びV2の2電極下に保持された状態となっている。
【0046】
第2垂直転送期間では、t=0で転送パルスφV1、φV2、φ7L及びφ7Rがハイレベルの電圧であり、パケットは第1水平転送期間直前の位置、すなわち、第1転送部21においては垂直転送電極V1及びV2の2電極下、第2転送部22においては垂直最終段電極V7L及びV7Rの電極下に保持されている。
【0047】
その後、第2転送部22では、t=1〜t=6で転送パルスφV7R、φV8R及びφV9により、垂直最終段電極V7Rに保持されていた1/3の信号電荷(1行の信号電荷のうちの1/3の信号電荷)が水平転送部4に転送される。また、第1転送部21では、転送パルスφV1〜φV4により、垂直転送電極V1及びV2の2電極下に保持されていたパケットが垂直転送電極V3及びV4の2電極下に転送される。
【0048】
第2水平転送期間では、第2垂直転送期間で水平転送部4に転送されたパケットが水平転送され出力される。その結果、1行の信号電荷のうちの1/3の信号電荷が水平転送され出力される。第2転送部22の残りの1/3の信号電荷は、垂直最終段電極V7Lの電極下に保持されたままとなっており、第2水平転送期間ではこのままの状態で保持される。また、第2水平転送期間では、第1転送部21の他の行の信号電荷は分割されることなく垂直転送電極V3及びV4の2電極下に保持された状態となっている。
【0049】
第3垂直転送期間では、t=0で転送パルスφV3、φV4及びφV7Lがハイレベルの電圧であり、パケットは第2水平転送期間直前の位置、すなわち、第1転送部21においては垂直転送電極V3及びV4の2電極下、第2転送部22においては垂直最終段電極V7Rの電極下に保持されている。
【0050】
その後、第2転送部22では、t=1〜t=6で転送パルスφV7L、φV8L及びφV9により、垂直最終段電極V7Lの電極下に残っていた1/3の信号電荷が水平転送部4に転送される。また、第1転送部21では、転送パルスφV3〜φV6により、垂直転送電極V3及びV4の2電極下に保持されていたパケットが垂直転送電極V5及びV6の2電極下に転送される。
【0051】
第3水平転送期間では、第3垂直転送期間で水平転送部4に転送されたパケットが水平転送され出力される。その結果、1行の信号電荷のうちの1/3の信号電荷が水平転送され出力される。第3の水平転送期間では、第1転送部21の他の行の信号電荷は垂直転送電極V5及びV6の2電極下に保持された状態となっている。
【0052】
図4は、図2と同様の電極構造を持つ固体撮像装置における従来の駆動方法を示すタイミング図である。従来の駆動方法においても、第1垂直転送期間から第3垂直転送期間と、それぞれの垂直転送期間に続く第1水平転送期間から第3水平転送期間とにおいて、1行分の信号電荷が3回の水平転送により出力される。しかし、従来の駆動方法は、第1垂直転送期間でグループ内の全ての第1転送部21における信号電荷を次の繰り返しの垂直転送電極下まで一度に転送させるという点で本実施の形態の駆動方法と異なる。
【0053】
図4の第1垂直転送期間では、t=0で転送パルスφV1及びφV2がハイレベルの電圧であり、パケットは垂直転送電極V1及びV2の2電極下に保持される。そして、その後の転送パルスにより第1水平転送期間までに再び次の繰り返しの垂直転送電極V1及びV2の2電極下にパケットが転送され保持される。
【0054】
また、第2垂直転送期間及び第3垂直転送期間では、第2転送部22に残っていたパケットが同様に水平転送部4に転送される。しかし、第1転送部21の転送パルスはそのレベルを変化させることなく一定に維持されるため、第1転送部21のパケットは分割もされないが垂直転送電極V1及びV2の同一の電極下に保持されたままである。
【0055】
図5は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による第1転送部21のポテンシャル分布(垂直転送電極V1〜V6の電極下に形成されるポテンシャル分布)を示した図である。図5に示されるように垂直転送電極V1の電極下に暗電流発生源となる欠陥が存在している場合、この電極を含む電荷転送段がウェル領域として動作している時間、つまり蓄積状態にある時間に比例してこの電極下のパケット31に暗電流が蓄積される。
【0056】
図4の従来の駆動方法では、1行分の信号電荷の水平転送が全て終了するまで同一の垂直転送電極V1及びV2を含む電荷転送段が蓄積状態でパケット31を保持するが、この時に同時に暗電流発生源からの暗電流ノイズがパケット31に加算される。これに対して、本実施の形態の駆動方法(図3)によれば、垂直転送電極V1を含む電荷転送段が蓄積状態になるのは、1行分全体の信号を読み出す際に行われる全水平転送期間の約1/3の期間のみであるので、発生する暗電流も略1/3に低減される。
【0057】
また、特許文献2の固体撮像装置の電極構成では、1行分の信号電荷を分割して異なる期間で水平転送することができず、1行分の信号電荷は同じ1回の期間で水平転送される。したがって、水平転送期間において暗電流発生源となる垂直転送電極下にパケットが存在する場合には、1行分の信号電荷の水平転送が行われている期間で続けて暗電流発生源からの暗電流ノイズがパケットに加算される。しかし、水平転送期間において暗電流発生源となる垂直転送電極下にパケットが存在しない場合には、1行分の信号電荷の水平転送が行われている期間で暗電流発生源からの暗電流ノイズがパケットにほとんど加算されない。したがって、特許文献2の固体撮像装置では、不均一な暗電流ノイズ縦線が生じる。これに対して、本実施の形態の駆動方法によれば、1行単位の暗電流信号は3回の水平転送期間の加算平均となるため、特許文献2の固体撮像装置のような不均一な暗電流ノイズ縦線は生じず、縦線欠陥補正も容易となる。
【0058】
また、暗電流発生源は垂直転送部2に確率的に存在し、図5のように、暗電流が発生する垂直転送電極下にパケット31を保持することがあるが、水平転送期間毎にパケット31を保持する垂直転送電極を変更すると、水平転送期間で暗電流発生源を避けてパケット31を保持することができる。水平転送期間毎にパケット31を保持する垂直転送電極を変更しても重ねて暗電流発生源が存在する垂直転送電極下にてパケット31を保持する確率もゼロではないが、トータルの時間を考慮すれば、パケット31を保持する垂直転送電極を変化させる方が大幅な暗電流低減効果が得られる。特に最大暗電流が約1/3に低減される効果は大きい。
【0059】
また、本実施の形態の駆動方法において、パケット31を保持する垂直転送電極は、垂直転送電極V1及びV2、垂直転送電極V3及びV4、又は垂直転送電極V5及びV6と水平転送期間毎に異なり、同一の垂直転送電極下に保持されることが無い。したがって、1箇所の暗電流発生源からパケット31にノイズが加算される期間は必ず1/3に低減することができ、これによって大きな暗電流低減効果が得られる。
【0060】
また、本実施の形態の駆動方法によれば、第1転送部21のパケットを3回の垂直転送期間のそれぞれで水平転送部4に向かって転送させることで、次の行の信号電荷の垂直転送における第1垂直転送期間の垂直転送ステップ数を減少させることができる。したがって、信号出力におけるトータルの転送ステップ数を減少させ、信号出力の高速化が図れる。同時に、暗電流によるノイズを低減することもできる。
【0061】
《第2の実施の形態》
次に、本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置及びその駆動方法について説明する。
【0062】
本実施の形態における固体撮像装置の装置構成及び電極構成は図1及び図2と同様であり、駆動制御部7が垂直転送部2及び水平転送部4に供給する駆動パルスのタイミングのみが第1の実施の形態の固体撮像装置と異なる。
【0063】
図6は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。図6の駆動方法は、第1転送部21のパケットが4つの垂直転送電極により形成されているという点で第1の実施の形態に係る駆動方法と異なる。
【0064】
図7は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による第1転送部21のポテンシャル分布を示した図である。図8は、従来の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示した図である。
【0065】
図7に示されるように、本実施の形態における固体撮像装置において、パケット31は第1〜第3の水平転送期間それぞれで、垂直転送電極V1〜V4、垂直転送電極V2〜V5、又は垂直転送電極V3〜V6の4電極ずつに保持され、かつ、パケット31を保持する垂直転送電極がずれるように駆動される。一方、従来の固体撮像装置の駆動方法では、図8に示されるように、パケット31は水平転送期間で4電極に保持されるものの、パケット31を保持する垂直転送電極は水平転送期間でずれることなく同じである。
【0066】
したがって、本実施の形態の固体撮像装置の駆動方法によれば、第1の実施の形態の固体撮像装置の駆動方法と同様に、第1〜第3の水平転送期間トータルとして垂直転送電極V1の電極下にある暗電流発生源からの暗電流が加算される時間は全水平転送期間の1/3である。したがって、図8の従来の駆動方法に比べての暗電流は1/3となり、大きな暗電流の低減効果が得られる。
【0067】
また、本実施の形態の固体撮像装置の駆動方法によれば、パケットを保持する垂直転送電極数が第1の実施の形態の駆動方法と比べて2倍になっている。したがって、パケットの最大許容量が2倍になり、1つのパケットとして転送可能な信号電荷量を増やすことができるので、明るい撮像シーンにおいても転送漏れなどの画像不具合を起こすことなくパケットを転送することができる。
【0068】
《第3の実施の形態》
次に、本発明の第3の実施の形態における固体撮像装置及びその駆動方法について説明する。
【0069】
本実施の形態における固体撮像装置の装置構成及び電極構成は図1及び図2と同様であり、駆動制御部7が垂直転送部2及び水平転送部4に供給する駆動パルスのタイミングのみが第1の実施の形態の固体撮像装置と異なる。
【0070】
図9は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。図9の駆動方法は、第1転送部21のパケットが4つの垂直転送電極により形成され、各垂直転送期間においてパケットを前後に移動させ、各転送電極の下の界面準位にホールを形成するという点で第2の実施の形態に係る駆動方法と異なる。
【0071】
図10は、本実施の形態における固体撮像装置の駆動方法による第1転送部21のポテンシャル分布を示した図である。図11は、従来の固体撮像装置の駆動方法による垂直転送部のポテンシャル分布を示した図である。
【0072】
図10に示されるように、本実施の形態における固体撮像装置において、パケット31は第1水平転送期間に、4つの垂直転送電極に保持されるが、この水平転送期間にパケットは一画素分移動してもとに戻る動作をする。このとき、各転送電極下の界面準位にホールが蓄積されるように一定期間電極に負電圧が印加されるように駆動する。また、この動作は第2及び第3水平転送期間においても同様に行う。これにより、界面準位を満たしていたホールを補充でき、常に、パケットを蓄積している電極下の界面準位をホールで満たすことができる。
【0073】
一方、従来の固体撮像装置の駆動方法では、図11に示されるように、パケット31は水平転送期間で4電極に保持されるものの、パケット31を保持する垂直転送電極は水平転送期間でずれることなく同じである。そのため、保持している電極下の界面準位にはホールがなく、ここを介した暗電流及び暗電流源からのノイズが信号パケットに加算される。
【0074】
したがって、本実施の形態の固体撮像装置の駆動方法によれば、第2の実施の形態の固体撮像装置の駆動方法と同様に、第1〜第3の水平転送期間トータルとして垂直転送電極V1の電極下にある暗電流発生源からの暗電流が加算される時間は全水平転送期間の1/3で、かつ界面準位からの暗電流が低減できるため、図11の従来の駆動方法に比べて暗電流は1/3以下となり、大きな暗電流の低減効果が得られる。
【0075】
また、本実施の形態の固体撮像装置の駆動方法によれば、パケットを保持する垂直転送電極数が第1の実施の形態の駆動方法と比べて2倍になっている。したがって、パケットの最大許容量が2倍になり、1つのパケットとして転送可能な信号電荷量を増やすことができるので、明るい撮像シーンにおいても転送漏れなどの画像不具合を起こすことなくパケットを転送することができる。
【0076】
また、この駆動の応用として、上記第2の実施の形態における図6の第1垂直転送期間にて、垂直転送電極V3及びV4がローレベルになる期間を、当該垂直転送電極V3及びV4の電極下の界面準位にホールが蓄積できる時間(例えば、数μs)まで延ばすことで、当該垂直転送電極V3及びV4から発生する暗電流を抑圧でき、上記第2の実施の形態と同様に1/3以上暗電流を低減できる。
【0077】
図4の従来駆動に対する応用も可能である。すなわち、図4の垂直転送電極V1及びV2のローレベル期間として、当該垂直転送電極V1及びV2の電極下の界面準位にホールを蓄積できる時間(例えば数μs)以上を確保して駆動するのである。これにより、当該垂直転送電極V1及びV2の界面準位をホールで充満することができるため、界面準位から発生する暗電流、つまりキズを抑圧することができる。
【0078】
なお、電極にローレベル電圧を印加して界面準位にホールを蓄積しても、次にローレベル以外の電圧が電極に印加されると、界面準位を終端しているホールは離脱し始める。しかし、ホールが完全に離脱するためには200μsぐらいかかるため、本実施の形態のようにハイレベル周期(100μs前後)でホールがチャージできれば、ほぼ常に界面準位にホールを充満させることができる。
【0079】
《第4の実施の形態》
図12は、本発明の第4の実施の形態のカメラのブロック図である。このカメラは、レンズ90と、第1〜第3の実施の形態に係る固体撮像装置91と、信号処理部93と、外部インターフェイス部94とから構成される。
【0080】
このような構成を有するカメラにおいて、外部に信号が出力されるまでの処理は以下のような順序に沿って行われる。
【0081】
(1)レンズ90を光が通過し、固体撮像装置91に入る。
【0082】
(2)信号処理部93は、固体撮像装置91を駆動し、固体撮像装置91からの出力信号を取り込む。このとき、信号処理部93は、カメラ外部からの指示及び固体撮像装置91からの出力の少なくともいずれかに基づいて、第1〜第3水平転送期間のそれぞれで第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段をいずれにするかを決定し、駆動制御部7を制御する。例えば、信号処理部93は、ユーザにより高ISO感度での高ゲイン状態が設定されている場合(暗い被写体を撮影する場合)には第1の実施の形態の駆動方法で第1転送部21の転送が行われ、低ISO感度での低ゲイン状態が設定されている場合(明るい被写体を撮影する場合)には第2の実施の形態の駆動方法で第1転送部21の転送が行われるように駆動制御部7を制御する。
【0083】
(3)信号処理部93で処理した信号が、外部インターフェイス部94を通して外部に出力される。
【0084】
以上のように本実施の形態のカメラによれば、暗電流ノイズによる影響が低減された固体撮像装置91からデータが出力される。よって、本実施の形態によれば、画質に優れたカメラを実現することができる。
【0085】
また、本実施の形態のカメラによれば、信号処理部93が撮像シーン、信号電荷量やカメラのゲイン設定に応じて駆動制御部7の転送パルスを制御することにより、電荷転送容量確保と暗電流低減とを両立することができる。
【0086】
以上、本発明に係る固体撮像装置及びその駆動方法並びにカメラについて、第1、第2第3及び第4の実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、これらの実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、これらの実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も、本発明に含まれる。
【0087】
例えば、上記実施の形態において、駆動制御部7は転送パルスの制御に留まらず、基板電圧などフォトダイオード1の信号電荷量を同時に調整することも可能であり、この場合には大幅な画質向上に貢献ができる。
【0088】
また、上記実施の形態において、水平転送期間中にパケットを保持する垂直転送電極数は2電極又は4電極であるとしたが、この電極数に限られない。
【0089】
また、上記実施の形態において、駆動制御部7は、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間で第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御してもよい。すなわち、水平転送期間毎にパケットを保持する垂直転送電極数を変更してもよい。例えば、駆動制御部7は、第1水平転送期間において垂直転送電極V1及びV2下でパケットを保持し、第2水平転送期間において垂直転送電極V2下でパケットを保持するように第1転送部21を制御してもよい。この場合でも、1行分の信号電荷の転送トータルでパケットを保持する垂直転送電極数と保持期間との積の総和が同一であれば、上記実施の形態の固体撮像装置と同様の効果が得られるのは明らかである。
【0090】
また、上記実施の形態において、複数の垂直転送部2は、3つの垂直転送部2を1つのグループとして複数のグループを有するとしたが、複数の垂直転送部2を1つのグループとすれば3という数字に特に限定されることはない。
【0091】
また、上記実施の形態において、駆動制御部7は、第2転送部22が、同一のグループ内の全ての異なる垂直転送部2のパケットを異なるタイミングで水平転送部4に転送するように垂直転送部2を制御するとした。しかし、同一のグループ内の少なくとも2つの垂直転送部2のパケットが異なるタイミングで水平転送部4に転送されれば、同一行の信号電荷を複数回の期間に分けて水平転送することができる。したがって、同一のグループ内の全ての垂直転送部2のパケットを異なるタイミングで水平転送部4に転送する必要は特にない。
【0092】
また、上記実施の形態において、第1転送部21は異なる転送パルスが供給される6段の電荷転送段を含むとしたが、上記実施の形態のパケット転送が適用可能な転送部、つまり4段以上の電荷転送段を含む転送部であればこれに限られない。例えば、第1転送部21は異なる転送パルスが供給される4段の電荷転送段を含んでいてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態において、第1転送部21のパケットを3回の垂直転送期間のそれぞれで水平転送部4に向かって転送させるとしたが、水平転送部4から離れる方向に転送させてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態において、複数の垂直転送部2は、3つの垂直転送部2を1つのグループとして複数のグループを有するとしたが、少なくとも1種類(1つ)のグループを有すれば同一行の信号電荷を複数回の期間に分けて水平転送することができるため、これに限られない。
【0095】
また、上記実施の形態において、駆動制御部7は、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間の3つの期間のそれぞれで第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が全て異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御するとした。しかし、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間の少なくとも2つの期間で第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が異なれば、複数の水平転送期間で第1転送部21のパケットの位置をずらすことができる。したがって、駆動制御部7は、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間の少なくとも2つの期間で第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御してもよい。
【0096】
また、上記第1の実施の形態において、駆動制御部7は、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間の3つの期間で第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の全てが異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御するとした。しかし、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間の3つの期間でウェル領域として動作する電荷転送段が少なくとも1段異なれば、複数の水平転送期間で第1転送部21のパケットの位置をずらすことができる。したがって、駆動制御部7は、第1水平転送期間、第2水平転送期間及び第3水平転送期間で第1転送部21のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が少なくとも1段異なるように垂直転送部2による電荷転送を制御してもよい。
【0097】
また、上記実施の形態において、水平転送部4は異なる転送パルスが供給される3段の電荷転送段を含み、それを駆動する駆動制御部7は3相の水平転送パルスを供給するとしたが、これに限ることはなく、垂直転送部2の同一グループに対して少なくとも1つのパケットを形成できればよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、固体撮像装置及びその駆動方法並びにカメラに好適であり、特に一体型ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ及び医療用内視鏡のイメージセンサ等に好適である。
【符号の説明】
【0099】
1,101 フォトダイオード
2,102 垂直転送部
3 撮像部
4,104 水平転送部
6 出力部
7 駆動制御部
21 第1転送部
22 第2転送部
31 パケット
90 レンズ
91 固体撮像装置
93 信号処理部
94 外部インターフェイス部
103 撮像領域
105 電荷検出部
106 出力アンプ
107 n型基板
108 タイミング発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配列された複数の光電変換部と、
前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、
前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部と、
前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御する駆動制御部とを備え、
前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、
同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、
前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、
前記駆動制御部は、前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段が少なくとも1段異なるように、前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の固体撮像装置において、
前記駆動制御部は、前記第1転送部が、前記異なる期間の間で前記第1転送部のパケットを前記第2転送部に向かって転送するように前記垂直転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固体撮像装置において、
前記駆動制御部は、前記異なる期間で前記第1転送部のパケットを形成するウェル領域として動作する電荷転送段の数が異なるように前記垂直転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記異なる期間のそれぞれで、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段が全て異なる段になるように前記垂直転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記駆動制御部は、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる全ての垂直転送部のパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送するように前記垂直転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項6】
行列状に配列された複数の光電変換部と、
前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、
前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部と、
前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御する駆動制御部とを備え、
前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、
同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、
前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、
前記駆動制御部は、前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段を、全転送電極下の界面準位をホールで充満させるために、ホールを蓄積できる時間、各転送電極にホールが蓄積できる電圧を印加しながらパケットを移動させ、前記異なる期間で移動させる前の位置に戻すように、前記垂直転送部及び前記水平転送部による電荷転送を制御する固体撮像装置。
【請求項7】
行列状に配列された複数の光電変換部と、前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部とを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、
前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、
同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、
前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、
前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、
前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、
前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、
前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段が少なくとも1段異なるように制御する駆動方法。
【請求項8】
行列状に配列された複数の光電変換部と、前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部とを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、
前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、
同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、
前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、
前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、
前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、
前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、
前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段を、全転送電極下の界面準位をホールで充満させるために、ホールを蓄積できる時間、各転送電極にホールが蓄積できる電圧を印加しながらパケットを移動させ、前記異なる期間で移動させる前の位置に戻すように制御する駆動方法。
【請求項9】
行列状に配列された複数の光電変換部と、前記光電変換部に蓄えられた信号電荷を読み出し、垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、前記垂直転送部から転送された信号電荷を水平方向へ転送する水平転送部とを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、
前記複数の垂直転送部は、複数の垂直転送部を1つのグループとして少なくとも1種類のグループを有し、前記グループが水平方向に繰り返して設けられ、
同一の前記グループ内の垂直転送部のそれぞれは、前記グループ内で共通の駆動電圧の供給を受けて信号電荷を垂直方向に転送する第1転送部と、該第1転送部に対応して設けられ、前記グループ内で独立の駆動電圧の供給を受けて対応する前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を転送する第2転送部とを有し、
前記第1転送部は、1つの転送電極に対応して設けられ、対応する前記転送電極への駆動電圧に応じてバリア領域又はウェル領域として動作する電荷転送段を4段以上含み、
前記第1転送部が、前記バリア領域で区切られる前記ウェル領域で転送される信号電荷であるパケットを転送した後、前記水平方向へのパケットの転送が行われる期間で前記パケットの転送を停止し、
前記第2転送部が、前記同一のグループ内の異なる前記第1転送部により転送されたパケットを異なるタイミングで前記水平転送部に転送し、
前記水平転送部が、前記異なるタイミングで転送されたパケットを異なる期間で水平方向に転送し、
前記異なる期間で、前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段を、全転送電極下の界面準位をホールで充満させるために、ホールを蓄積できる時間、各転送電極にホールが蓄積できる電圧を印加し、この電圧印加の間隔が、界面準位のホールが離脱する時定数より短くなるように制御する駆動方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えたカメラ。
【請求項11】
請求項10記載のカメラにおいて、
外部からの指示及び前記固体撮像装置からの出力の少なくとも一方に基づいて、前記異なる期間のそれぞれで前記第1転送部のパケットを形成する前記ウェル領域として動作する電荷転送段をいずれにするかを決定する信号処理部を更に備えたカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−244173(P2011−244173A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114022(P2010−114022)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】