説明

圧力調整弁

【課題】弁体を安定的に開閉させることにより、振動や異音の発生を抑制することのできる圧力調整弁を提供する。
【解決手段】圧力調整弁10は、入口21及び出口28を有する弁室20が形成され、かつ、入口21の弁室側に弁座23を備えたケーシング12と、弁座23を開閉する弁体30と、弁体30とケーシング12との間に介装され、弁体30を閉方向に付勢するコイルスプリング40とを備える。弁体30には、コイルスプリング側で軸方向に延在するステム33を設ける。コイルスプリング40の固定側端部には、コイルスプリング40の軸線にステム33の軸線が整合する状態において、コイルスプリング40の横力によるステム33の傾動方向に対する反対側からステム33に接触するステム支持部45を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧経路内の圧力を調整する圧力調整弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の圧力調整弁の従来例について述べる。図9は圧力調整弁を示す断面図である。
図9に示すように、圧力調整弁101が備えるケーシング114は、ケーシング本体115とプレート117とから構成される。ケーシング本体115に、有天状の中空孔からなる弁室145が形成されている。ケーシング本体115の下面にプレート117が取付けられ、弁室145の下端開口部が閉鎖されている。プレート117には、弁室145の入口121が形成されている。入口121の弁室145側(図9において上側)に弁座119が形成されている。ケーシング本体115には、弁室145の出口147,151が形成されている。弁室145内には、弁体109が軸方向すなわち上下方向に移動可能に設けられている。弁体109は、上下方向の移動によって弁座119を開閉する。弁体109とケーシング本体115との対向面間にコイルスプリング113が介装されている。コイルスプリング113は、弁体109を閉方向(図9において下方)に付勢している。弁体109には、コイルスプリング113側(図9において上側)で軸方向に延在するステム134が設けられている。ステム134の先端部(図9において上端部)には、大径軸状の横方向力支持部139が形成されている。コイルスプリング113の横力によって、弁体109が傾動し、ステム134の横方向力支持部139がコイルスプリング113の内周面に接触する。なお、圧力調整弁101は特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−533821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記圧力調整弁101によると、コイルスプリング113の軸線に弁体109の軸線が整合する状態において、コイルスプリング113の内周面と横方向力支持部139の外周面との間に所定の間隔が存在するように設定されている。したがって、弁体109は、横方向力支持部139の外周面がコイルスプリング113の内周面に接触する位置まで傾き、その傾いた状態のまま開閉する。このように、弁体109が傾いた状態で開閉すると、弁座119に弁体109が着座したときや、弁座119から弁体109が離座したときに、弁体109のバランスが崩れて振動や異音が発生するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、弁体を安定的に開閉させることにより、振動や異音の発生を抑制することのできる圧力調整弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とする圧力調整弁により解決することができる。
請求項1に記載された圧力調整弁によると、流体の入口及び出口を有する弁室が形成され、その入口の弁室側に弁座を備えたケーシングと、前記弁座を開閉する弁体と、前記弁体と前記ケーシングとの間に介装され、該弁体を閉方向に付勢するコイルスプリングとを備える圧力調整弁であって、前記弁体には、前記コイルスプリング側で軸方向に延在するステムを設け、前記コイルスプリングの固定側端部を含む固定側部材には、前記コイルスプリングの軸線に前記ステムの軸線が整合する状態において、前記コイルスプリングの横力による前記ステムの傾動方向に対する反対側から該ステムに接触するステム支持部を設けたものである。このように構成すると、コイルスプリングの固定側端部を含む固定側部材に設けたステム支持部が、コイルスプリングの横力によるステムの傾動方向に対する反対側からステムに接触することによって、コイルスプリングの軸線にステムの軸線が整合する状態を維持することができる。このため、弁体を安定的に開閉させることにより、振動や異音の発生を抑制することができる。なお、本明細書において、コイルスプリングの軸線にステムの軸線が整合する状態には、コイルスプリングの軸線にステムの軸線が完全一致又は略一致する状態が含まれる。また、コイルスプリングの軸線にステムの軸線が略一致する状態には、組付誤差の許容範囲内においてコイルスプリングの軸線にステムの軸線が一致する状態を意味する。
【0006】
請求項2に記載された圧力調整弁によると、前記ステム支持部を、前記ステムの傾動方向に弾性変形可能な弾性部材で形成したものである。このように構成すると、ステム支持部にステムを弾性的に接触させることにより、弁体の振動を減衰することができる。
【0007】
請求項3に記載された圧力調整弁によると、前記ステム支持部を、前記コイルスプリングの固定側端部の端末部により形成したものである。このように構成すると、コイルスプリングの固定側端部の端末部によりステム支持部を形成することにより、固定側部材に別部品としてのステム支持部を付加する場合と比べて、部品点数及び組付工数の増加を防止することができる。
【0008】
請求項4に記載された圧力調整弁によると、前記コイルスプリングの有効巻数を整数に設定したものである。このように構成すると、コイルスプリングの横力を低減し、弁体のヒステリシス特性を向上することができる。なお、本明細書において、有効巻数の整数には、整数又は整数近傍が含まれる。また、整数近傍とは、整数±0.15巻の範囲内における整数を意味する。
【0009】
請求項5に記載された圧力調整弁によると、前記ステムと前記ステム支持部との接触部の少なくとも一方に、両者間の摺動抵抗を低減するための摺動抵抗低減処理を施したものである。このように構成すると、ステムとステム支持部との接触部の間の摺動抵抗を低減し、弁体のヒステリシス特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態にかかる圧力調整弁を示す断面図である。
【図2】弁体を示す下面図である。
【図3】コイルスプリングと弁体との関係を示す側面図である。
【図4】コイルスプリングと弁体との関係を示す下面図である。
【図5】比較例にかかるコイルスプリングと弁体との関係を示す側面図である。
【図6】比較例にかかるコイルスプリングと弁体との関係を示す下面図である。
【図7】有効巻数とステムの傾動方向との関係を示す特性線図である。
【図8】有効巻数とステムの傾動量との関係を示す特性線図である。
【図9】従来例にかかる圧力調整弁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、燃料タンク内の燃料を内燃機関(エンジン)の燃料噴射弁(インジェクタ)へ供給する燃料供給装置における燃料供給経路内の圧力すなわち供給する燃料の圧力を所定の圧力に調整する燃料圧力調整弁(以下、圧力調整弁という)について例示する。図1は圧力調整弁を示す断面図、図2は弁体を示す下面図である。なお、説明の都合上、図1を基準として圧力調整弁の上下左右を定める。
【0012】
図1に示すように、圧力調整弁10はケーシング12を備えている。ケーシング12は、ケーシング本体13とプラグ14とから構成されている。ケーシング本体13は、有天円筒状に形成されており、筒状壁16と上端壁17とを有している。ケーシング本体13の有天状の中空孔が弁室20となっている。ケーシング本体13の上端壁17の中央部には、弁室20の軸方向(図1において上下方向)に貫通する円形孔からなる入口21が同心状に形成されている。入口21の弁室20側(図1において下側)には、弁座23が形成されている。
【0013】
前記プラグ14は、前記ケーシング本体13の筒状壁16の下端部内に圧入によって固定されている。プラグ14により弁室20の下端開口部が閉鎖されている。プラグ14は、有底円筒状に形成されており、筒状壁25と下端壁26とを有している。プラグ14の下端壁26の中央部には、弁室20の軸方向(図1において上下方向)に貫通する中空孔からなる出口28が形成されている。
【0014】
前記弁室20内には弁体30が配置されている。弁体30は、上側のボール弁31と下側のリテーナ32とから構成されている。ボール弁31は、球状に形成されている。ボール弁31は、上動により前記弁座23に着座して弁座23を閉じ、また、下動により弁座23から離座して弁座23を開く。なお、ボール弁31は本明細書でいう「弁部材」に相当する。
【0015】
前記リテーナ32は、丸軸状のステム33と、ステム33の上端部に同心状に形成された円板状のフランジ34とを有している。ステム33は、前記プラグ14の出口28を貫通している。ステム33は、出口28の中央部に位置する。このため、出口28の内周面とステム33の外周面との間の空間部が実質的な出口となる。また、フランジ34は、前記ボール弁31の外径よりも大きい外径で、かつ、前記ケーシング本体13の筒状壁16の内径よりも小さい外径で形成されている。また、フランジ34は、前記プラグ14の筒状壁16の内径より大きい外径で形成されている。また、リテーナ32の上端面の中央部には、位置決め凹部35が形成されている。位置決め凹部35は、例えば凹型円錐面に形成されている。位置決め凹部35は、ボール弁31の下端部を回転可能に受け入れることによって、ボール弁31に対する調心機能を発揮する。また、ステム33とフランジ34とのなす隅角部には、複数枚(図2では4枚を示す)の四角板状のリブ36が放射状に形成されている。
【0016】
前記弁室20内において、前記プラグ14の下端壁26と前記リテーナ32のフランジ34との対向面間には、コイルスプリング40が同心状に介装されている、コイルスプリング40は、圧縮コイルスプリングとして機能するもので、リテーナ32を介して前記ボール弁31を所定のスプリング荷重をもって閉方向(図9において上方)に付勢している。ボール弁31に対するコイルスプリング40のスプリング荷重は、ケーシング本体13に対するプラグ14の圧入量によって調整される。また、コイルスプリング40の内周面とリテーナ32のリブ36の外端面との間には所定の隙間が設定されている。また、コイルスプリング40の下端部は固定側端部に相当し、また、その上端部は可動側端部に相当する。なお、ケーシング本体13、プラグ14、コイルスプリング40の下端部(固定側端部)は、本明細書でいう「固定側部材」に相当する。
【0017】
前記コイルスプリング40について説明する。図3はコイルスプリングと弁体との関係を示す側面図、図4は同じく下面図である。
図3に示すように、コイルスプリング40は、所定の有効巻数を有するコイル部41と、クローズドエンド型の上下の添巻部(座巻部ともいう)42,43とを有する。上側の添巻部42の上端面は、研削等によって軸線Lに直交する平面に形成されている。上側の添巻部42の上端面は、前記リテーナ32のフランジ34の下面に面接触状に当接されている。また、コイルスプリング40の下側の添巻部43の下端面は、プラグ14の下端壁26(図1参照)の上面に当接されている。また、コイルスプリング40の固定側端部すなわち下側の添巻部43の端末部により、内径を次第に小さくする渦巻状のステム支持部45が形成されている(図3及び図4参照)。
【0018】
図3に示すように、前記ステム支持部45は、前記コイルスプリング40の軸線Lに直交する下端面と同一面をなすように形成されている。また、ステム支持部45は、コイルスプリング40の軸線Lに弁体30のリテーナ32の軸線が整合する状態において、ステム33に巻装されている。また、ステム支持部45の先端寄り(内端寄り)に円弧状の当接部46が設定されている(図4参照)。当接部46は、コイルスプリング40の横力によるステム33の傾動方向(偏心方向ともいう)側からステム33の下端部の外周面に対して当接すなわち接触されている。当接部46は、例えば、ステム33の外周面に対して点接触するように形成されている。なお、当接部46は、ステム33の外周面に対して所定の角度範囲、例えば90°以下で線接触するように形成してもよい。すなわち、当接部46は、ステム33の外周面に対して点接触又は90°以下で線接触するように形成するとよい。また、ステム33の外周面に線接触させる当接部46は、コイルスプリング40の横力によるステム33の傾動方向に線接触の角度範囲の中央部が合致するように形成するとよい。
【0019】
前記コイルスプリング40の横力と前記ステム支持部45との関係について比較例を参照して説明する。図5は比較例にかかるコイルスプリングと弁体との関係を示す側面図、図6は同じく下面図である。なお、図5及び図6において、リテーナ32の傾きは誇張して表されている。
図5に示すように、比較例のコイルスプリング(符号、50を付す)は、前記実施形態におけるコイルスプリング40のステム支持部45を含む下側の添巻部43(図3参照)に代えて、上側の添巻部42を上下反転した添巻部(符号、53を付す)としたものである。なお、図6では添巻部53の端末部が省略されている。
【0020】
前記コイルスプリング40に代えて、コイルスプリング50を用いた場合、コイルスプリング50の横力F(図6参照)がリテーナ32に作用することにより、リテーナ32が傾動する(図5参照)。リテーナ32のステム33の傾動方向は、有効巻数(コイル部41の有効巻数)によって決まる。図7は有効巻数とステムの傾動方向との関係を示す特性線図である。
図7において、横軸は有効巻数を示し、縦軸は傾動方向を示している。特性線Aで示されるように、例えば、有効巻数が3巻であると、傾動方向は有効巻数の下側の始端位置(0°)から−90°の方向となる(図6参照)。図6には、有効巻数の下側の始端位置(コイル部41と添巻部53との境界位置)を0°として添巻部53の巻き方向(図6において右回り方向)に沿って、90°、180°、−90°の角度が記されている。
【0021】
前記リテーナ32の傾動量は、コイルスプリング40の有効巻数によって決まる。図8は有効巻数とステムの傾動量との関係を示す特性線図である。なお、本明細書でいう「傾動量」とはステム33の下端部の軸心の変位量で「偏心量」ともいう。
図8において、横軸は有効巻数を示し、縦軸は傾動量を示している。特性線Bで示されるように、例えば、有効巻数が3巻であると、傾動量は0.03mmとなる。
また、特性線Bから、傾動量は、有効巻数が整数のときが、整数以外のときの傾動量に比べて小さいことがわかる。したがって、有効巻数を整数に設定することによって、リテーナ32に加わる横力F(図6参照)を低減することができる。
【0022】
前記した有効巻数と傾動方向及び傾動量に基づいて、本実施形態では、前記コイルスプリング40のコイル部41の有効巻数を整数(例えば3巻)とし、コイルスプリング40の横力Fによるステム33の傾動方向に対する反対側(図4中、矢印F1参照)から、ステム33の下端部の外周面にステム支持部45の当接部46が接触(当接)する。これによって、コイルスプリング40の軸線Lに弁体30のリテーナ32の軸線が整合する状態に維持される。図4には、有効巻数の下側の始端位置(コイル部41と添巻部43との境界位置)を0°として添巻部43の巻き方向(図4において右回り方向)に沿って、90°、180°、−90°の角度が記されている。
【0023】
前記ステム33と前記当接部46との接触部の少なくとも一方には、両者(33,46)間の摺動抵抗を低減する摺動抵抗低減処理が施される。摺動抵抗低減処理としては、例えば、テフロン(登録商標)コーティングを採用することができる。この処理は、リテーナ32のステム33とステム支持部45の当接部46との接触部の少なくとも一方に施されていればよい。
【0024】
また、前記圧力調整弁10の構成部品としてのケーシング本体13、プラグ14、ボール弁31、リテーナ32、コイルスプリング40のそれぞれの材質は、とくに限定されるものではなく、適宜選定することができる。
【0025】
前記圧力調整弁10において、ケーシング12の入口21には、高圧側である燃料供給経路が連通される。また、出口28には、燃料タンクへの低圧側である燃料リターン経路が連通される。燃料供給経路における燃料圧力は、圧力調整弁10のボール弁31に作用する。燃料圧力が所定値を超えると、ボール弁31を含む弁体30がコイルスプリング40の付勢力(スプリング荷重)に抗して開く。これにより、燃料供給経路内の燃料の一部が入口21から弁室20に流出し、さらに出口28から燃料リターン経路へと排出される。これにともない、燃料供給経路の圧力が所定値に低下すると、ボール弁31を含む弁体30はコイルスプリング40の付勢力により閉じる。このようにして、燃料供給経路の燃料圧力が所定値に調整される。また、ボール弁31の開閉時において、リテーナ32は、ステム33がコイルスプリング40のステム支持部45の当接部46に接触しながら上下方向に移動する。
【0026】
前記した圧力調整弁10によると、コイルスプリング40に設けたステム支持部45の当接部46が、コイルスプリング40の横力Fによるステム33の傾動方向に対する反対側からステム33に接触する。これによって、コイルスプリング40の軸線Lにステム33の軸線が整合する状態を維持することができる。このため、弁体30を安定的に開閉させることができ、振動や異音の発生を抑制することができる。
【0027】
また、ステム支持部45を、ステム33の傾動方向に弾性変形可能な弾性部材すなわちコイルスプリング40の一部で形成したものである。したがって、ステム支持部45にステム33を弾性的に接触させることにより、弁体30の振動を減衰することができる。
【0028】
また、ステム支持部45を、コイルスプリング40の固定側端部である下側の添巻部43の端末部により形成したものである。したがって、固定側部材に別部品としてのステム支持部45を付加する場合と比べて、部品点数及び組付工数の増加を防止することができる。
【0029】
また、コイルスプリング40の有効巻数(コイル部41の有効巻数)を整数に設定したものである。したがって、コイルスプリング40の横力Fを低減し、弁体30のヒステリシス特性を向上することができる。
【0030】
また、リテーナ32のステム33とステム支持部45の当接部46との接触部の少なくとも一方に、両者(33,46)間の摺動抵抗を低減するための摺動抵抗低減処理を施したものである。したがって、ステム33とステム支持部45との接触部の間の摺動抵抗を低減し、弁体30のヒステリシス特性を向上することができる。
【0031】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、内燃機関の燃料供給装置に限らず、種々の流体の圧力を調整する圧力調整弁として適用することができる。また、本発明の圧力調整弁10は、リリーフ弁、逆止弁等としても適用することが可能である。また、ステム支持部45の形状は適宜変更することができる。また、ステム支持部45は、前記実施形態ではコイルスプリング40に一体形成したが、コイルスプリング40と別体で形成したものをコイルスプリング40に取付けてもよいし、固定側部材であるケーシング本体13、プラグ14に一体形成してもよいし、固定側部材と別体で形成したものを固定側部材に取付けてもよい。また、固定側部材にステム支持部を取付ける場合において、ステム支持部45は、剛体で形成したり、弾性を有する弾性部材で形成したりすることができる。また、弁体30は、前記実施形態ではボール弁(弁部材)30とリテーナ32とから構成したが、一部品で構成することもできる。この場合、弁体30は、弁部材に相当する弁部と、リテーナ32のフランジ34に相当するフランジ部と、リテーナ32のステム33に相当するステム部とを一体に備えていればよい。また、弁部材としては、ボール弁31以外の弁部材を用いてもよい。また、ケーシング12の出口28は、プラグ14に代えて、ケーシング本体13の筒状壁16に設けてもよい。また、ケーシング12の出口28は複数としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10…圧力調整弁
12…ケーシング
13…ケーシング本体
14…プラグ
21…入口
20…弁室
23…弁座
28…出口
30…弁体
31…ボール弁(弁部材)
32…リテーナ
33…ステム
40…コイルスプリング
41…コイル部
42,43…添巻部
45…ステム支持部
46…当接部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の入口及び出口を有する弁室が形成され、その入口の弁室側に弁座を備えたケーシングと、
前記弁座を開閉する弁体と、
前記弁体と前記ケーシングとの間に介装され、該弁体を閉方向に付勢するコイルスプリングと
を備える圧力調整弁であって、
前記弁体には、前記コイルスプリング側で軸方向に延在するステムを設け、
前記コイルスプリングの固定側端部を含む固定側部材には、前記コイルスプリングの軸線に前記ステムの軸線が整合する状態において、前記コイルスプリングの横力による前記ステムの傾動方向に対する反対側から該ステムに接触するステム支持部を設けた
ことを特徴とする圧力調整弁。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力調整弁であって、
前記ステム支持部を、前記ステムの傾動方向に弾性変形可能な弾性部材で形成したことを特徴とする圧力調整弁。
【請求項3】
請求項2に記載の圧力調整弁であって、
前記ステム支持部を、前記コイルスプリングの固定側端部の端末部により形成したことを特徴とする圧力調整弁。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧力調整弁であって、
前記コイルスプリングの有効巻数を整数に設定したことを特徴とする圧力調整弁。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の圧力調整弁であって、
前記ステムと前記ステム支持部との接触部の少なくとも一方に、両者間の摺動抵抗を低減するための摺動抵抗低減処理を施したことを特徴とする圧力調整弁。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−237365(P2012−237365A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106298(P2011−106298)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】