説明

圧縮ガス分給システムにおける圧力サイクル管理

【課題】2以上の圧縮ガス貯蔵容積空間から、例えば車両の燃料タンクなどの受入容器へ、圧縮ガスを分給するための方法を提供すること。
【解決手段】圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのが圧力の上限から圧力の下限まで周期変動するような周期的な輪番カスケード式の圧力サイクルにより圧縮ガス貯蔵容積空間を周期変動させるよう、制御命令を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
圧縮ガス貯蔵システムから低圧の受入容器へと圧縮ガスを分給することは、圧縮天然ガス(CNG)を動力源とする又は水素を動力源とする車両に燃料を供給するといったような様々な用途についての技術分野において知られている。圧縮ガスの貯蔵システムは一般に、複数の高圧ガス貯蔵容積空間を配管及び弁システムとともに含み、高圧ガス貯蔵容積空間のおのおのから順次低圧の受入容器へガスを分給し、そしてガス供給システムは分給後にガス貯蔵容積空間を再充填して補完される。貯蔵容積空間は単一の容器を含んでもよく、一連の容器を含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのから低圧の受入容器へと順次ガスを移送する一般的な分給方法は、当該技術分野ではカスケード分給法として知られている。カスケード分給法の例は、米国特許第5406988号、同第5673735号、同第6779568号、同第7128103号各明細書、及び米国特許出願公開第2003/0175564号、同第2006/0260950号、同第2007/0125441号各明細書に開示されている。
【0003】
カスケード法では、低圧の受入容器を複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのから順次圧力を増加させて充填し、各ガス貯蔵容積空間は各充填工程について所定の圧力範囲内で運転する。例えば、おのおのが上方ガス貯蔵圧力のガスを収容している3つの圧縮ガス貯蔵容積空間を有するシステムでは、第1のガス貯蔵容積空間が受入容器に初期圧力から第1の中間圧力までガスを分給し、第2の貯蔵容積空間が受入容器に第1の中間圧力から第2の中間圧力までガスを分給し、第3の貯蔵容積空間が受入容器に第2の中間圧力から最終の充填圧力までガスを分給する。貯蔵容積空間は、ガス源から上記の上方ガス貯蔵圧力まで再充填されて、同じようにしてガスを順次別の低圧受入容器に分給する。従って、おのおのの後続の分給工程では、第1のガス貯蔵容積空間は常により低い圧力範囲のガスを分給し、第2の貯蔵容積空間は常に中間圧力範囲のガスを分給し、第3の貯蔵容積空間は常により高い圧力範囲のガスを分給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5406988号明細書
【特許文献2】米国特許第5673735号明細書
【特許文献3】米国特許第6779568号明細書
【特許文献4】米国特許第7128103号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0175564号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0260950号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0125441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圧縮ガスを燃料とする自動車の数が数年内に増加すると予想されることに伴い、カスケードガス分給システムの使用は大いに増加しよう。今後のカスケードガス分給システムの効率的な運転とより長い運転寿命とを確保するためには、カスケードガス分給システムの設計と運転の改善が必要とされる。この必要は、以下で説明し特許請求の範囲により規定される本発明の実施形態により満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法には以下で概説するようにいくつかの実施形態がある。
【0007】
実施形態1:
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間から圧縮ガスを分給するための方法であり、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間を下方ガス貯蔵圧力PLOWERから上方ガス貯蔵圧力PUPPERまでの圧力範囲で運転する方法であって、圧縮ガスを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれから抜き出しそして圧縮ガスを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれへ導入する圧力サイクルにより複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力を周期変動させる制御命令を与えることを含み、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれについての圧力サイクルは互いに独立しており、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれについての圧力サイクルは圧力減少部分とこの圧力減少部分に続く圧力増加部分とを有し、圧力減少部分では、圧力はPUPPERの7.5MPa以内からPLOWERの7.5MPa以内へと(あるいはPUPPERの5MPa以内からPLOWERの5MPa以内へと)移行し、圧力増加部分では、PLOWERの7.5MPa以内からPUPPERの7.5MPa以内へと(あるいはPLOWERの5MPa以内からPUPPERの5MPa以内へと)移行し、圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力は圧力サイクルの圧力減少部分の間はいかなる時点でも増加せず、圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力は圧力サイクルの圧力増加部分の間はいかなる時点でも減少しない、圧縮ガス分給方法。
【0008】
実施形態2:
次の(a)〜(d)を更に含む、実施形態1の方法。
(a)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第1の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものは初めに第1の圧力P1にあり、PLOWER<P1≦PUPPERであること。
(b)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内(あるいはPLOWERの5MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了すること。
(c)工程(b)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第1の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは初めに第2の圧力P2にあり、PLOWER<P2≦PUPPERであること。
(d)第1の受入容器が第1の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること。
【0009】
実施形態3:
工程(b)での分給を、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間と第1の受入容器との圧力差にかかわりなく終了させる、実施形態2の方法。
【0010】
実施形態4:
工程(b)での分給を、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間から第1の受入容器への圧縮ガスの瞬間的な流量にかかわりなく終了させる、実施形態2又は実施形態3の方法。
【0011】
実施形態5:
工程(b)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものから第1の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものは初めにPUPPERの7.5MPa以内(あるいはPUPPERの5MPa以内)の圧力を有すること、及び、
別の圧縮ガス貯蔵容積空間における圧力がPLOWERの7.5MPa以内(あるいはPLOWERの5MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものからの分給を終了すること、
を更に含む、実施形態2〜4のいずれか一つの方法。
【0012】
実施形態6:
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものが工程(d)での分給終了時に圧力P3を有し、当該方法が更に次の(e)〜(h)を含む、実施形態2〜5のいずれか一つの方法。
(e)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは初めに上記の圧力P3にあること。
(f)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内(あるいはPLOWERの5MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること。
(g)工程(f)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものは初めに第4の圧力P4にあり、PLOWER<P4≦PUPPERであること。
(h)第2の受入容器が第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものからの分給を終了すること。
【0013】
実施形態7:
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものが工程(d)での分給終了時に圧力P3を有し、当該方法が更に、
(e)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは初めに上記の圧力P3にあること、
(f)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内(あるいはPLOWERの5MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること、
(g’)工程(f)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものは初めにPUPPERの7.5MPa以内(あるいはPUPPERの5MPa以内)にあること、
(h’)第2の受入容器が第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了すること、
を含む、実施形態2〜5のいずれか一つの方法。
【0014】
実施形態8:
追加の圧縮ガスを工程(b)後と工程(g)前に複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものに加えて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものにおける圧力をPLOWERの7.5MPa以内のからPUPPERの7.5MPa以内へと(あるいはPLOWERの5MPa以内からPUPPERの5MPa以内へと)増加させる、実施形態7の方法。
【0015】
実施形態9:
工程(a)の間に、圧縮ガスを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものへ圧縮ガス源から導入する、実施形態2〜8のいずれか一つの方法。
【0016】
実施形態10:
工程(c)の間に、圧縮ガスを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものへ圧縮ガス源から導入する、実施形態2〜8のいずれか一つの方法。
【0017】
実施形態11:
工程(a)の間に、圧縮ガスを第1の受入容器へコンプレッサから導入する、実施形態2〜8のいずれか一つの方法。
【0018】
実施形態12:
工程(c)の間に、圧縮ガスを第1の受入容器へコンプレッサから導入する、実施形態2〜8のいずれか一つの方法。
【0019】
実施形態13:
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのに圧縮ガスを導入するための二次的な制御命令を、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力がPUPPERの7.5MPa以内(あるいはPUPPERの5MPa以内)になるまで与え、該二次的な制御命令は、圧縮ガスを導入するため制御命令を与えるこの工程に先立つ複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力と無関係に与えられること、を更に含む、請求項1〜13のいずれか一つの方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】圧縮ガス貯蔵分給システムの概略プロセスフロー図である。
【図2】図1の圧縮ガス貯蔵分給システムを使用する周期的な輪番式カスケード分給プロセスについて経過時間に対し圧力を一般化してプロットした図である。
【図3】圧縮ガス貯蔵容積空間を2つ備えた圧縮ガス貯蔵分給システムを使用する周期的な輪番式カスケード分給プロセスについて経過時間に対し圧力を一般化してプロットした図である。
【図4】圧縮ガス貯蔵分給システムのためのプロセスの典型的な分給部分についてのプロセスロジック図である。
【図5】圧縮ガス貯蔵分給システムのためのプロセスの典型的な貯蔵充填部分についてのプロセスロジック図である。
【図6】再充填を含む従来技術の輪番式カスケード分給プロセスについて経過時間に対し圧力をプロットした図である。
【図7】図1の圧縮ガス貯蔵分給システムを使用し再充填と圧縮を含む周期的な輪番式カスケード分給プロセスについて経過時間に対し圧力をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、2以上の圧縮ガス貯蔵容積空間を有する圧縮ガス分給システムから一連の圧縮ガス分給工程でもって圧縮ガスを分給するための方法に関する。
【0022】
圧縮した天然ガス(CNG)と水素が、これらの圧縮ガス分給システムから分給される代表的な成分である。これらのシステムは、水素の臨界温度(−240℃(−400°F))及びメタンの臨界温度(−83℃(−117°F))より十分高い広い範囲の周囲温度にさらされ、そのためこれらの成分は一般に、厳密な熱力学的定義によるガスよりはむしろ超臨界流体として貯蔵され分給される。しかし、「ガス」及び「圧縮ガス」という用語は当該技術分野では一般に、ガスと超臨界流体の両方についての包括的な用語として使用される。本開示においては、「ガス」及び「圧縮ガス」という用語は互いに取り替えできるように用いられることがあり、そしてガスと超臨界流体の両方の熱力学的状態での元素及び成分を含むことが意図されている。
【0023】
「圧縮ガス貯蔵容積空間」又は「ガス貯蔵容積空間」という用語は同等であり、単一のガス貯蔵容器及び/又は一緒に接続されて単一の組み合わされたガス貯蔵容積空間として集合的に機能する複数のガス貯蔵容器を含むものと定義される。複数のガス貯蔵容器を含むガス貯蔵容積空間からガスを抜き出す場合、ガスは分給工程の間に複数のガス貯蔵容積空間のおのおのから同時に抜き出される。このように接続されて運転される複数の容器は、一連の容器として定義することができる。
【0024】
「圧縮ガス受入容器」及び「ガス受入容器」という用語は同等であり、ガス分給サイクルの分給工程の間に圧縮ガス貯蔵容積空間からのガスが充填されるガス貯蔵容積空間として定義される。圧縮ガス受入容器は、乗用車、トラック、フォークリフト、又はバスなどの車両の燃料タンクであることができる。
【0025】
原文明細書で使用される冠詞の“a”及び“an”は、本明細書と特許請求の範囲に記載された本発明の態様におけるいずれの構成要件に対して適用される場合にも、1又は複数を意味する。“a”及び“an”を用いることは、特に断らない限り、意味を単一の構成要件に限定するものではない。原文明細書で使用される単数又は複数の名詞又は名詞句に先行する冠詞の“the”は、1又は複数の特定の規定された構成要件を表し、それが用いられる文脈に応じて単数又は複数の含意を有することができる。原文明細書で使用される形容詞の“any”は、いかなる量であれ区別なく、1つ、いくらか、又は全てを意味する。第1の構成要素と第2の構成要素との間に置かれた「及び/又は」という用語は、(1)第1の構成要素、(2)第2の構成要素、及び(3)第1の構成要素と第2の構成要素、のうちの一つを意味する。3以上の構成要素のリストのうちの最後の2つの構成要素の間に置かれた「及び/又は」は、リスト中の構成要素のうちの少なくとも一つを意味する。
【0026】
ここで使用する「複数」は、2以上を意味する。
【0027】
ここで使用する「連通」とは、1以上の導管、マニホールド、弁などにより流体を移送するのに有効となるように接続されることを意味する。導管は、流体を輸送することができる任意のパイプ、チューブ、通路などである。特に断らない限りは、中間的な装置、例えばポンプ、コンプレッサ、熱交換器、あるいは容器などが、第1の装置及びそれと連通する第2の装置の間に存在してもよい。
【0028】
第1及び第2の領域又は容積空間に対し適用される「連通」という用語は、流体が第1の領域又は容積空間から第2の領域又は容積空間へと接続配管及び/又は中間領域もしくは容積空間を介して流れることができるということを意味する。第1及び第2の領域又は容積空間に対し適用される「接続する」又は「接続された」という用語は、流体が第1の領域又は容積空間から第2の領域又は容積空間へと接続配管を介して流れることができるということを意味する。「連通」という用語は、第1及び第2の領域又は容積空間との間に弁が、(1)ガスの流動が実際に、すなわち弁が開いているときに、起こるように、あるいは(2)ガスの流動が潜在的に、すなわち弁が閉じていて且つ開く可能性があるときに、起こるように、設置されているシステムに適用される。
【0029】
流量制御弁に対し適用されるときの形容詞「開いた(開放した)」は、ガスが弁を通って流れるのを可能にする弁の流量制御部材、例えばバルブステム、ダイヤフラム、バタフライ、回転ボールなどの、任意の位置を意味する。このように形容詞の「開いた(開放した)」は、部分的に開放した又は完全に開放した流量制御弁に適用することができる。動詞の「開く」、「開放する」は、閉じた位置から部分的に開放した位置又は完全に開放した位置へと弁の流量制御部材を動かす作用を意味する。「閉じた」という用語は、流量制御部材が閉じた位置にあるためガスの流れが起こらない弁の通常の意味を有する。
【0030】
下流及び上流というのは、移送されるプロセス流体の意図する流動方向について言うものである。プロセス流体の意図する流動方向が第1の装置から第2の装置へというものである場合は、第2の装置は第1の装置の下流で連通する。
【0031】
典型的な圧縮ガス貯蔵分給システムは図1に例示され、参照数字1、3、5でそれぞれ示された3つの圧縮ガス貯蔵容積空間A、B、Cを有する。3つの圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれは、図示のように単一のガス貯蔵容積空間でもよく、あるいは直列又は並列に配置した複数のガス貯蔵容器であってもよく、ここでの各ガス貯蔵容積空間のための複数のガス貯蔵容器は、組み合わされた単一のガス貯蔵容積空間として集合的に機能するよう互いに連通している。3つの圧縮ガス貯蔵容積空間1、3、5の入口は、マニホールド9とそれぞれの入口流量制御弁11、13、15を介してコンプレッサ7に接続され、ガス貯蔵容積空間の出口は、それぞれの流量制御弁17、19、21を介して分給マニホールド23に接続されている。コンプレッサ7は、導管25を介してガス源27につながれており、そしてそれはパイプライン、大きなガス貯蔵容器、複数のガス貯蔵容器、及び液化ガスの貯蔵及び気化システム、のうちの少なくとも1つであることができる。
【0032】
図1には3つの圧縮ガス貯蔵容積空間が例示されてはいるが、本方法は2以上の圧縮ガス貯蔵容積空間を有する圧縮ガス貯蔵分給システムに適用される。
【0033】
分給マニホールド23は、分給導管29、分給流量制御弁31、及び任意選択的な熱交換器33を介して、継手35に接続される。任意選択的な熱交換器33を使用して、圧縮ガスを受入容器へ導入する直前に圧縮ガスを冷却してもよい。継手35は、圧縮ガス貯蔵分給システムを参照数字37で示された受入容器Rに接続させるのに適合している。
【0034】
「ガス分給圧力」という用語は、継手35における圧力をいうこともあり、あるいは分給工程中の圧縮ガス受入容器Rへの入口における圧力をいうこともある。
【0035】
弁11、13、15、17、19、21、及び31は、それらのそれぞれの制御信号線を介して制御装置39によって制御される。制御装置39は、ガス分給工程中と圧縮ガス貯蔵容積空間A、B、Cの再充填工程中に、弁11、13、15、17、19、21、及び31を適切に動作させるための当該技術分野において公知のコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、あるいは他の任意のタイプの制御装置でよい。制御装置39はコンプレッサ7の運転を制御することもできる。制御装置39は、温度測定素子41からの入力を受け取ることができ、この素子は周囲温度を計測する。周囲温度の測定値を使用して、分給するガスの圧力上昇速度又は流量に作用を及ぼすことができる。
【0036】
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間から圧縮ガスを分給するための本方法を、図2を参照して説明する。図2は、3つの圧縮ガス貯蔵容積空間を有する分給システムについて経過時間に対し典型的な一般化した圧力をプロットしたものを示しているが、2以上の任意の数の圧縮ガス貯蔵容積空間を使用することができる。
【0037】
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのは、下方ガス貯蔵圧力PLOWERから上方ガス貯蔵圧力PUPPERまでの圧力範囲で運転される。圧縮ガス貯蔵容積空間は一般に、設計圧力サイクル範囲を有する。例えば、図2の圧縮ガス貯蔵容積空間は、60MPaの下方ガス貯蔵圧力PLOWERと、90MPaの上方ガス貯蔵圧力PUPPERを有するように示されている。上方ガス貯蔵圧力PUPPERは、最大の許容作動圧力、又は最大許容作動圧力よりも低い値であることができる。ASME標準規格には、容器の最大許容作動圧力は、その圧力について規定された同時に観測される指定温度で、普通の運転位置での容器の最上部において許される最高圧力であると記載されている。下方ガス貯蔵圧力PLOWERは一般にゼロよりおおきく、その理由は、容器に対する周期的な応力は下方ガス貯蔵圧力PLOWERと上方ガス貯蔵圧力PUPPERとの差が大きいと増大するためと、貯蔵容器が受入容器に圧縮ガスを供給できる能力は下方ガス貯蔵圧力PLOWERがゼロに近づくと不相応に低下することの両方のためである。
【0038】
本方法は、特別な主制御命令を与えることを含む。本方法はまた、1以上の組の二次的な制御命令を与えることを含んでもよい。
【0039】
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのの圧力は、圧力サイクルにより周期変動する。圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力サイクルの間に、1以上の受入容器への分給のために圧縮ガスが抜き出され、それにより圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力を低下させ、そしてその後圧縮ガスが圧縮ガス貯蔵容積空間へ導入されて、それにより圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力を上昇させる。複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのについての圧力サイクルは互いに独立しており、すなわちそれらは相互に時間的に取って代わられる。図2に示したように、各圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力は、他の圧縮ガス貯蔵容積空間とは独立に増減する。
【0040】
各圧力サイクルは、圧力減少部分とこの圧力減少部分に続く圧力増加部分とを有する。例えば、図2を参照すると、貯蔵容積空間Aは圧力減少部分201と、それに続く圧力増加部分203を有する。貯蔵容積空間Bは圧力減少部分205と、それに続く圧力増加部分207を有する。貯蔵容積空間Cは圧力減少部分209と、それに続く圧力増加部分211を有する。
【0041】
本方法の主制御命令によれば、圧力減少部分の間に圧力はPUPPERの7.5MPa以内からPLOWERの7.5MPa以内へ移る。1以上の実施形態においては、圧力減少部分の間に圧力はPUPPERの5MPa以内からPLOWERの5MPa以内へ移る。1以上の実施形態では、圧力減少部分の間に圧力はPUPPERの2MPa以内からPLOWERの1MPa以内へ移る。図2において、PUPPERと5MPaの許容範囲との間のマージンは、PUPPER,MARGINと表示されており、PLOWERと5MPaの許容範囲との間のマージンは、PLOWER,MARGINと表示されている。
【0042】
本方法の主制御命令によれば、圧力増加部分の間に圧力はPLOWERの7.5MPa以内からPUPPERの7.5MPa以内へ移る。1以上の実施形態においては、圧力増加部分の間に圧力はPLOWERの5MPa以内からPUPPERの5MPa以内へ移る。1以上の実施形態では、圧力増加部分の間に圧力はPLOWERの1MPa以内からPUPPERの2MPa以内へ移る。
【0043】
主制御命令は、圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力が圧力サイクルの圧力減少部分の間はいつの時点でも増加せず、且つ、圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力が圧力サイクルの圧力増加部分の間はいつの時点でも減少しないことを特徴とする。
【0044】
これらの特徴を図2に例示しており、そしてそれは例示のつもりであって、本方法を限定しようとするものではない。
【0045】
簡単にするため、図中には経過時間に対してプロットした圧力プロファイルを直線であるとして示しているが、これは説明を目的とした単純化である。実際の運転時には、これらのプロファイルは直線でなくてよく、またこれらのプロファイルは、米国全国防火協会(NFPA)により求められるホース点検のための分給サイクル中に1以上の中断があってもよいように、不連続であってもよい。
【0046】
例示を目的として、図2におけるPUPPERは90MPa、PLOWERは60MPaである。
【0047】
初期において90MPa(PUPPER)であり、点221に相当している貯蔵容積空間Aは、初期において20MPaの受入容器Aに圧縮ガスを分給するのに用いられる。貯蔵容積空間A内の圧力は圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路201に沿って減少し、その一方同時に、受入容器A内では圧力が増加する。図2のプロットで点223に相当する5分の時点で、貯蔵容積空間Aからの分給は停止する。点223での貯蔵容積空間A内の圧力は63MPaであり、本方法により必要とされるPLOWERの7.5MPa以内にある。
【0048】
次に、初期において88MPa(PUPPERの7.5MPa以内)であり、点231に相当している貯蔵容積空間Bが、受入容器Aへの充填を完了させるために用いられる。圧縮ガスは貯蔵容積空間Bから受入容器Aに分給される。貯蔵容積空間B内の圧力は貯蔵容積空間Bについての圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路205に沿って減少し、その一方同時に、受入容器A内の圧力は、受入容器Aについての最終充填圧力の70MPaに達するまで増加する。貯蔵容積空間Bの圧力は、受入容器Aがその最終充填圧力、ここでは70MPaに達するとき、80MPaまで減少する。
【0049】
圧力減少部分201に続いて、圧縮ガスが消費された貯蔵容積空間Aはその後、圧縮ガスが88MPaの圧力に達するまで貯蔵容積空間Aに導入される経路203に沿った圧力増加部分に付される。圧縮ガスは、少なくとも貯蔵容積空間Aの圧力がPUPPERの7.5MPa以内になるまで、貯蔵容積空間Aに導入される。
【0050】
図2に例示したように、貯蔵容積空間Aの圧力は、圧力減少部分の経路201にある間はいつの時点でも増加せず、且つ貯蔵容積空間Aの圧力は、圧力増加部分の経路203にある間はいつの時点でも減少しない。
【0051】
図2のプロットで点235に相当する10分の時点で80MPaにある貯蔵容積空間Bは、最初に20MPaにある受入容器Bへ圧縮ガスを分給するのに用いられる。貯蔵容積空間Bの圧力は、貯蔵容積空間Bについての圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路205に沿って更に減少し、その一方で同時に、受入容器Bでは圧力が増加する。図2のプロットで点237に相当する13分の時点で、貯蔵容積空間Bからの分給は停止する。点237における貯蔵容積空間Bの圧力は60MPaであり、従って本方法によって必要とされるPLOWERの7.5MPa以内にある。
【0052】
次に、初期において89MPa(PUPPERの7.5MPa以内)であり、点241に相当している貯蔵容積空間Cが、受入容器Bへの充填を完了させるために用いられる。圧縮ガスは貯蔵容積空間Cから受入容器Bに分給される。貯蔵容積空間C内の圧力は貯蔵容積空間Cについての圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路209に沿って減少し、その一方同時に、受入容器B内の圧力は、受入容器Bについての最終充填圧力の70MPaに達するまで増加する。貯蔵容積空間Cの圧力は、受入容器Bがその最終充填圧力に達するとき、点243での75MPaまで減少する。
【0053】
圧力減少部分205に続いて、圧縮ガスが消費された貯蔵容積空間Bはその後、圧縮ガスが90MPa(PUPPER)の圧力に達するまで貯蔵容積空間Bに導入される経路207に沿った圧力増加部分に付される。圧縮ガスは、少なくとも貯蔵容積空間Bの圧力がPUPPERの7.5MPa以内になるまで、貯蔵容積空間Bに導入される。
【0054】
図2に例示したように、貯蔵容積空間Bの圧力は、圧力減少部分の経路205にある間はいつの時点でも増加せず、且つ貯蔵容積空間Bの圧力は、圧力増加部分の経路207にある間はいつの時点でも減少しない。図2に例示したように、圧力減少部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。同様に、圧力増加部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。
【0055】
図2のプロットで点245に相当する19分の時点で、75MPaにある貯蔵容積空間Cは、最初に20MPaにある受入容器Cへ圧縮ガスを分給するのに用いられる。貯蔵容積空間Cの圧力は、貯蔵容積空間Cについての圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路209に沿って更に減少し、その一方で同時に、受入容器Cでは圧力が増加する。図2のプロットで点247に相当する21分の時点で、貯蔵容積空間Cからの分給は停止する。点247における貯蔵容積空間Cの圧力は61MPaであり、従って本方法によって必要とされるPLOWERの7.5MPa以内にある。
【0056】
次に、88MPa(PUPPERの7.5MPa以内)まで再充填され、点251に相当している貯蔵容積空間Aが、受入容器Cへの充填を完了させるために用いられる。圧縮ガスは貯蔵容積空間Aから受入容器Cに分給される。貯蔵容積空間A内の圧力は貯蔵容積空間Aについての別の圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路202に沿って減少し、その一方同時に、受入容器C内の圧力は、受入容器Bについての最終充填圧力の70MPaに達するまで増加する。貯蔵容積空間Aの圧力は、受入容器Cがその最終充填圧力に達するとき、点253で70MPaまで減少する。
【0057】
圧力減少部分209に続いて、圧縮ガスが消費された貯蔵容積空間Cはその後、圧縮ガスが85.5MPaの圧力に達するまで貯蔵容積空間Cに導入される経路211に沿った圧力増加部分に付される。圧縮ガスは、少なくとも貯蔵容積空間Cの圧力が90MPa(PUPPER)の7.5MPa以内になるまで、貯蔵容積空間Cに導入される。
【0058】
図2に例示したように、貯蔵容積空間Cの圧力は、圧力減少部分の経路209にある間はいつの時点でも増加せず、且つ貯蔵容積空間Cの圧力は、圧力増加部分の経路211にある間はいつの時点でも減少しない。図2に例示したように、圧力減少部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。同様に、圧力増加部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。
【0059】
図2のプロットで点255に相当する28分の時点で、70MPaにある貯蔵容積空間Aは、最初に20MPaにある受入容器Dへ圧縮ガスを分給するのに用いられる。貯蔵容積空間Aの圧力は、貯蔵容積空間Aについての圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路202に沿って更に減少し、その一方で同時に、受入容器Dでは圧力が増加する。図2のプロットで点257に相当する29分の時点で、貯蔵容積空間Aからの分給は停止する。点257における貯蔵容積空間Aの圧力は60MPa(PLOWER)であり、従って本方法によって必要とされるPLOWERの7.5MPa以内にある。
【0060】
次に、90MPa(PUPPERの7.5MPa以内)まで再充填され、点261に相当している貯蔵容積空間Bが、受入容器Dへの充填を完了させるために用いられる。圧縮ガスは貯蔵容積空間Bから受入容器Dに分給される。貯蔵容積空間B内の圧力は貯蔵容積空間Bについての別の圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路206に沿って減少し、その一方同時に、受入容器D内の圧力は、貯蔵容積空間Bと受入容器Dとが点263において65MPaで平衡するまで増加する。
【0061】
次に、85.5MPa(PUPPERの7.5MPa以内)まで再充填され、点271に相当している貯蔵容積空間Cが、受入容器Dへの充填を完了させるために用いられる。圧縮ガスは貯蔵容積空間Cから受入容器Dに分給される。貯蔵容積空間C内の圧力は貯蔵容積空間Cについての別の圧力サイクルの圧力減少部分に相当する経路208に沿って減少し、その一方同時に、受入容器D内の圧力は、受入容器Dについての最終充填圧力の70MPaに達するまで増加する。貯蔵容積空間Cの圧力は、受入容器Dがその最終充填圧力に達するとき、点273の81MPaまで減少する。
【0062】
貯蔵容積空間B内の圧力は、受入容器Dと貯蔵容積空間BとがPLOWERの7.5MPa以内である65MPaで平衡するとき、点263における65MPaまで減少する。
【0063】
圧力減少部分202に続いて、圧縮ガスが消費された貯蔵容積空間Aはその後、圧縮ガスが90MPa(PUPPER)の圧力に達するまで貯蔵容積空間Aに導入される経路204に沿った圧力増加部分に付される。圧縮ガスは、少なくとも貯蔵容積空間Aの圧力が90MPa(PUPPER)の7.5MPa以内になるまで、貯蔵容積空間Aに導入される。
【0064】
図2に例示したように、貯蔵容積空間Aの圧力は、圧力減少部分の経路202にある間はいつの時点でも増加せず、且つ貯蔵容積空間Aの圧力は、圧力増加部分の経路204にある間はいつの時点でも減少しない。図2に例示したように、圧力減少部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。同様に、圧力増加部分は圧力が一定である期間を含んでもよい。
【0065】
圧力減少部分206に続いて、圧縮ガスが消費された貯蔵容積空間Bはその後、圧縮ガスが89MPaの圧力に達するまで貯蔵容積空間Bに導入される経路210に沿った圧力増加部分に付される。圧縮ガスは、少なくとも貯蔵容積空間Bの圧力が90MPa(PUPPER)の7.5MPa以内になるまで、貯蔵容積空間Bに導入される。
【0066】
図2に例示したように、貯蔵容積空間Bの圧力は、圧力減少部分の経路206にある間はいつの時点でも増加せず、且つ貯蔵容積空間Bの圧力は、圧力増加部分の経路210にある間はいつの時点でも減少しない。図2に例示したように、圧力減少部分と圧力増加部分は圧力が一定である1以上の期間を含んでもよい。
【0067】
貯蔵容積空間の利用量は、PUPPERとPUPPER,MARGINとの差が減少するにつれ、またPLOWERとPLOWER,MARGINとの差が減少するにつれて増加する。利用量は、システムの寿命にわたり圧力サイクル当たりに分給される圧縮ガスの平均の量として定義される。
【0068】
本方法は更に、
(a)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第1の受入容器へと分給し、この複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものは最初に(すなわちこの工程での分給を開始する時点において)第1の圧力P1にあり、PLOWER<P1≦PUPPERであること、
(b)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内(あるいはPLOWERの5MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了すること、
(c)工程(b)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第1の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは最初に(すなわちこの工程での第2の圧縮ガス貯蔵容積空間からの分給を開始する時点において)第2の圧力P2にあり、PLOWER<P2≦PUPPERであること、
(d)第1の受入容器が第1の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること、
を含むことができる。
【0069】
本方法の1以上の実施形態において、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものにおける圧力がPLOWERの5MPa以内(あるいはPLOWERの1MPa以内)になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了してもよい。
【0070】
圧縮ガス貯蔵容積空間における圧力はPLOWERとPUPPERの間に保持されるので、工程(b)における分給は、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間と第1の受入容器との圧力差にかかわらず終了させてもよく、及び/又は第1の圧縮ガス貯蔵容積空間から第1の受入容器への圧縮ガスの瞬間の流量にかかわらず終了させてもよい。
【0071】
工程(a)の間においては、圧縮ガスを第1の圧縮ガス貯蔵容積空間から分給しているときに、圧縮ガスを圧縮ガス源から複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものへと同時に導入してもよい。圧縮ガスは、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が圧力サイクルの圧力減少部分の間のいつの時点においても増加しないことを条件に、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間へ導入することができる。
【0072】
工程(a)の間においては、圧縮ガスを第1の圧縮ガス貯蔵容積空間から分給しているときに、圧縮ガスをコンプレッサから第1の受入容器へと同時に導入してもよい。圧縮ガスは、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が圧力サイクルの圧力減少部分の間のいつの時点においても増加しないことを条件に、第1の受入容器へ導入してもよい。
【0073】
図1の分給システムは、コンプレッサ7の出口を分給管路29と連通させる管路43を加えることにより変更してもよい。管路43は、プログラマブルロジックコントローラ39によって制御される流量制御弁45を含む。この実施形態は、一連のガス分給サイクル中の各ガス分給サイクルにおけるガス受入容器がそれぞれのガス貯蔵容積空間からガスを受け取るとともに、該ガス分給サイクルのうちの少なくとも一部の間にコンプレッサ7から貯蔵容積空間に及び/又はガス受入容器に追加のガスが供給されるという構成を特徴としている。
【0074】
工程(c)の間においては、圧縮ガスを第2の圧縮ガス貯蔵容積空間から分給しているときに、圧縮ガスを圧縮ガス源から第2の圧縮ガス貯蔵容積空間へと同時に導入してもよい。圧縮ガスは、第2の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が第2の圧縮ガス貯蔵容積空間についての圧力サイクルの圧力減少部分の間のいつの時点においても増加しないことを条件に、第2の圧縮ガス貯蔵容積空間へ導入することができる。
【0075】
工程(c)の間においては、圧縮ガスを第2の圧縮ガス貯蔵容積空間から分給しているときに、圧縮ガスをコンプレッサから第1の受入容器へと同時に導入してもよい。圧縮ガスは、第2の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が第2の圧縮ガス貯蔵容積空間についての圧力サイクルの圧力減少部分の間のいつの時点においても増加しないことを条件に、受入容器へ導入してもよい。
【0076】
圧縮ガスを導入している間に同時に圧縮ガス貯蔵容積空間が分給を行うことにより、圧縮ガス貯蔵容積空間のための圧力サイクルの数を増やさずに貯蔵容積空間からの圧縮ガスの処理量を増加させるという利点が得られる。
【0077】
工程(a)〜(d)を図2を参照して説明する。貯蔵容積空間Aを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものとし、貯蔵容積空間Bを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものとし、受入容器Aを第1の受入容器とする。工程(a)と一致して、貯蔵容積空間Aは最初は90MPa、すなわち第1の圧力P1にあり、PLOWER<P1≦PUPPERである。図2において、受入容器Aに分給している貯蔵容積空間AについてはP1=PUPPERである。
【0078】
工程(b)に一致して、貯蔵容積空間Aの圧力が63MPa、すなわちPLOWERの7.5MPa以内の圧力になったならば、貯蔵容積空間Aからの分給を停止する。
【0079】
工程(c)に一致して、貯蔵容積空間Aからの分給を停止後に、圧縮ガスを貯蔵容積空間Bから受入容器Aへ分給し、ここでは貯蔵容積空間Bは最初は88MPaの圧力、すなわちPLOWERより高くPUPPERより低いかそれと等しい圧力にある。
【0080】
工程(d)に一致して、受入容器Aが、受入容器Aについての所望のレベルである70MPaまで充填されたならば、貯蔵容積空間Bからの分給を停止する。「所望のレベル」は、当該技術分野において既知の任意の適切な基準に基づくことができる。例えば、所望のレベルは、受入容器の所望の圧力でよく、あるいは所望のレベルは受入容器における所望の密度であってもよい。
【0081】
工程(c)において、「工程(b)に続いて」という文言は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給より前に他の貯蔵容積空間からの分給を容認しないということを意味するものではない。
【0082】
図2において受入容器Dへの分給は、工程(a)〜(d)に一致して3つの貯蔵容積空間が1つの受入容器に分給する事例を例示しているものである。貯蔵容積空間Aを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものとし、貯蔵容積空間Cを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものとし、受入容器Dを第1の受入容器とする。工程(a)に一致して、貯蔵容積空間Aは最初は70MPa(点255)、すなわちPLOWERより高くPUPPERより低いかそれと等しい圧力にある。工程(b)に一致して、貯蔵容積空間Aの圧力が60MPa(点257)、すなわちPLOWERの7.5MPa以内の圧力になったならば、貯蔵容積空間Aからの分給を停止する。工程(c)に一致して、貯蔵容積空間Aからの分給を停止後に、圧縮ガスを貯蔵容積空間Cから受入容器Dへ分給し、ここでは貯蔵容積空間Cは最初は85.5MPaの圧力(点271)、すなわちPLOWERより高くPUPPERより低いかそれと等しい圧力にある。工程(d)に一致して、受入容器Dが、受入容器Dについての所望のレベルである70MPaまで充填されたならば、貯蔵容積空間Cからの分給を停止させる。
【0083】
本方法は、工程(b)と工程(c)の間に追加の工程を含んでもよい。例えば、本方法は更に、
工程(b)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものから第1の受入容器へと分給し、この複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものは最初にPUPPERの7.5MPa以内の圧力を有すること、
この複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば該別の圧縮ガス貯蔵容積空間からの分給を終了すること、
を含んでもよい。
【0084】
本方法の1以上の実施形態において、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものからの分給は、最初の圧力がPUPPERの5MPa以内又はPUPPERの2MPa以内であることができる。
【0085】
本方法の1以上の実施形態において、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものからの分給は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものにおける圧力がPLOWERの5MPa以内又はPLOWERの1MPa以内になったならば停止させることができる。
【0086】
受入容器Dへ分給する場合について言えば、図2は、貯蔵容積空間Aから分給する工程と貯蔵容積空間Cから分給する工程との間で貯蔵容積空間Bが受入容器Dへ分給することを示している。貯蔵容積空間Bが受入容器Dへ分給する別の圧縮ガス貯蔵容積空間であり、そして貯蔵容積空間Bは最初に、PUPPERの7.5MPa以内である90MPaの圧力(点261)を有する。貯蔵容積空間Bからの分給は、貯蔵容積空間Bの圧力が65MPa(点263)、すなわちPLOWERの7.5MPa以内になったならば停止される。
【0087】
工程(d)での分給を終了させると、第2の圧縮ガス貯蔵容積空間は圧力P3を有する。本方法は更に、
(e)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第2の受入容器へと分給し、この複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは最初に(すなわちこの工程での分給を開始する時点において)圧力P3にあること、
(f)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること、
(g)工程(f)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものは最初に(すなわちこの工程での分給を開始する時点において)第4の圧力P4にあり、PLOWER<P4≦PUPPERであること、
(h)第2の受入容器が第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものからの分給を終了すること、
を含むことができる。
【0088】
本方法の1以上の実施形態において、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの5MPa以内又はPLOWERの1MPa以内になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了してもよい。
【0089】
工程(e)〜(h)を図2を参照して説明する。貯蔵容積空間Bを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものとし、貯蔵容積空間Cを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものとし、受入容器Bを第2の受入容器とする。
【0090】
工程(e)と一致して、貯蔵容積空間Bは最初は80MPa(点235)、すなわち第3の圧力P3、工程(d)での分給停止時の第2の圧縮ガス貯蔵容積空間におけるのと同じ圧力(点233)、にある。
【0091】
工程(f)に一致して、貯蔵容積空間Bの圧力が60MPa(点237)、すなわちPLOWERの7.5MPa以内の圧力になったならば、貯蔵容積空間Bからの分給を停止する。
【0092】
工程(g)に一致して、貯蔵容積空間Bからの分給を停止後に、圧縮ガスを貯蔵容積空間Cから受入容器Bへ分給し、ここでは貯蔵容積空間Cは最初は89MPaの圧力(点241)、すなわちPLOWERより高くPUPPERより低いかそれと等しい圧力(第4の圧力P4)にある。
【0093】
工程(h)に一致して、受入容器Bが、受入容器Bについての所望のレベルである70MPaまで充填されたならば、貯蔵容積空間Cからの分給を停止する。受入容器Bについての所望のレベルは、受入容器Aについての所望のレベルと同じでよく、あるいは受入容器Aについての所望のレベルと異なっていてもよい。この場合もやはり、「所望のレベル」は、当該技術分野において既知の任意の適切な基準に基づくことができる。
【0094】
工程(g)において、「工程(b)に続いて」という文言は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給より前に他の貯蔵容積空間からの分給を容認しないということを意味するものではない。
【0095】
本方法は、2つの圧縮ガス貯蔵容積空間を使用するシステムに特有の工程を含むことができる。工程(d)における分給を終了させると、第2の圧縮ガス貯蔵容積空間は圧力P3を有する。本方法は更に、
(e)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから第2の受入容器へと分給し、この複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは最初に(すなわちこの工程での分給を開始する時点において)圧力P3にあること、
(f)複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること、
(g’)工程(f)に続いて、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第2の受入容器へと分給し、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものは最初に(すなわちこの工程での分給を開始する時点において)PUPPERの7.5MPa以内であること、
(h’)第2の受入容器が第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了すること、
を含むことができる。
【0096】
本方法の1以上の実施形態において、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものにおける圧力がPLOWERの5MPa以内又はPLOWERの1MPa以内になったならば複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了してもよい。
【0097】
本方法は更に、工程(b)後と工程(g)前に第1の圧縮ガス貯蔵容積空間に圧縮ガスを追加して、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力をPLOWERの7.5MPa以内からPUPPERの7.5MPa以内まで増加させることを含むことができる。本方法の1以上の実施形態では、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力をPLOWERの5MPa以内からPUPPERの5MPa以内まで増加させてもよい。本方法の1以上の実施形態では、第1の圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力をPLOWERの1MPa以内からPUPPERの2MPa以内まで増加させてもよい。
【0098】
工程(a)〜(f)、(g’)及び(h’)を図3を参照して説明する。貯蔵容積空間Aを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものとし、貯蔵容積空間Bを複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものとし、受入容器Aを第1の受入容器とし、受入容器Bを第2の受入容器とする。
【0099】
工程(a)と一致して、貯蔵容積空間Aは最初は89MPa(点321)、すなわち第1の圧力P1にあり、PLOWER<P1≦PUPPERである。
【0100】
工程(b)に一致して、貯蔵容積空間Aの圧力が61MPa(点323)、すなわちPLOWERの7.5MPa以内の圧力になったならば、貯蔵容積空間Aからの分給を停止する。
【0101】
工程(c)に一致して、貯蔵容積空間Aからの分給を停止後に、圧縮ガスを貯蔵容積空間Bから受入容器Aへ分給し、ここでは貯蔵容積空間Bは最初は89MPaの圧力(点331)、すなわちPLOWERより高くPUPPERより低いかそれと等しい圧力にある。
【0102】
工程(d)に一致して、受入容器Aが、受入容器Aについての所望のレベルである70MPaまで充填されたならば、貯蔵容積空間Bからの分給を停止する。「所望のレベル」は、当該技術分野において既知の任意の適切な基準に基づくことができる。
【0103】
工程(c)において、「工程(b)に続いて」という文言は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給より前に他の貯蔵容積空間からの分給を容認しないということを意味するものではない。
【0104】
工程(e)と一致して、貯蔵容積空間Bは最初は80MPa(点335)、すなわち第3の圧力P3、工程(d)での分給停止時の第2の圧縮ガス貯蔵容積空間におけるのと同じ圧力(点333)、にある。
【0105】
工程(f)に一致して、貯蔵容積空間Bの圧力が61MPa(点337)、すなわちPLOWERの7.5MPa以内の圧力になったならば、貯蔵容積空間Bからの分給を停止する。
【0106】
工程(g’)に一致して、貯蔵容積空間Bからの分給を停止後に、圧縮ガスを貯蔵容積空間Aから受入容器Bへ分給し、ここでは貯蔵容積空間Aは最初は89MPaの圧力(点351)、すなわちPUPPERの7.5MPa以内の圧力にある。
【0107】
工程(h’)に一致して、受入容器Bが、受入容器Bについての所望のレベルである70MPaまで充填されたならば、貯蔵容積空間Aからの分給を停止する。受入容器Bについての所望のレベルは、受入容器Aについての所望のレベルと同じでよく、あるいは受入容器Aについての所望のレベルと異なっていてもよい。この場合もやはり、「所望のレベル」は、当該技術分野において既知の任意の適切な基準に基づくことができる。
【0108】
工程(g’)において、「工程(f)に続いて」という文言は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第2の受入容器への分給より前に他の貯蔵容積空間からの分給を容認しないということを意味するものではない。
【0109】
上で説明した方法は、説明中で使用した特定のパラメータによって限定されることを意図するものではなく、多くの様々なプロセスが可能である。例えば、分給サイクルにおける工程間の時間間隔は様々であることができ、一連の分給サイクル間の経過時間はランダムに相違して差し支えない。種々の圧力パラメータも様々でよい。例えば、ガス受入容器の初期圧力は、事前の受入容器の充填後のガス利用量に応じて様々でよい。上方及び下方ガス貯蔵圧力、中間の分給圧力、及び上方分給圧力は、様々な特定の工程上の必要条件を満たすために、上記の例と相違して差し支えない。図2に例示した方法では3つのガス貯蔵容積空間を利用してはいるが、図3に例示したようにわずかに2つの貯蔵容積空間を使用することができ、また4つ以上の貯蔵容積空間を使用することができる。様々な充填速度を使用してもよく、容積空間の相対的な大きさを違えてもよい。
【0110】
図4は、適切なコンピュータプログラム又はPLCプログラムを作成することができる本方法の分給工程についての典型的なプロセスロジック図を例示するものである。
【0111】
受入容器を継手35で接続後に、システムの分給部分を開始させる。プログラムが、それ以前に最大に充填されていてPLOWERより高くそしてまた接続された受入容器の圧力よりも高い圧力を有する貯蔵容積空間を探して選定する。説明のため、図1を参照すると、貯蔵容積空間Aが、それ以前に最大に充填されていてPLOWERより高くそしてまた接続された受入容器の圧力よりも高い圧力を有する選定された貯蔵容積空間となる。
【0112】
プログラムは、システムが分給しているかどうかを引き続き調べる。そうでない(NO)ならば、何も変更しない。そうである(YES)ならば、上記の選定された貯蔵容積空間のための弁が開く(例えば弁17が開く)。
【0113】
次いでプログラムは、受入容器内の圧力が圧縮ガスを分給している貯蔵容積空間の圧力未満であるかどうかを調べる。そうでないならば、開放して受入容器と連通している貯蔵容積空間のための弁を閉じる(例えば弁17が閉じる)。そうであるならば、プログラムは貯蔵容器内の圧力がPLOWERより高いか又はそれと等しいかどうかを調べる。そうでないならば、開放して受入容器と連通している貯蔵容積空間のための弁を閉じる(例えば弁17が閉じる)。そうであるならば、プログラムは受入容器が所望のレベルまで充填されているかどうかを調べる。受入容器が所望のレベルまで充填されているならば、貯蔵容積空間のための弁が閉じ(例えば弁17が閉じ)、サイクルの分給部分が終了する。
【0114】
受入容器が所望のレベルまで充填されていない場合には、プログラムは、それ以前に最大に充填されていてPLOWERより高くそしてまた接続された受入容器の圧力よりも高い圧力を有する別の貯蔵容積空間を探して選定することに戻る。このプロセスが、プロセスロジック図に示したように継続する。
【0115】
いずれかの分給と同時に、又は受入容器への分給の合間に、プログラムは貯蔵容積空間の再充填を実行する。
【0116】
図5は、適切なコンピュータプログラム又はPLCプログラムを作成することができる本方法の充填工程についての典型的なプロセスロジック図を例示するものである。
【0117】
システムを始動後に、プログラムは圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力がPLOWER,MARGIN未満であるかどうかを調べる。そうでないならば、プログラムはシステムが圧縮ガス貯蔵容積空間から圧縮ガスを分給しているかどうかを調べる。そうでないならば、システムは圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力がPLOWER,MARGIN未満になるまで待機する。
【0118】
圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力がPLOWER,MARGIN未満である場合には、システムはコンプレッサが別の圧縮ガス貯蔵容積空間を充填するのに使用されているかどうかを調べる。コンプレッサが別の圧縮ガス貯蔵容積空間を充填するのに使用されている場合には、当該圧縮ガス貯蔵容積空間はコンプレッサが別の圧縮ガス貯蔵容積空間の充填を完了するまで待機する。コンプレッサが別の圧縮ガス貯蔵容積空間を充填するのに使用されていない場合には、プログラムは圧縮ガス源(図1の27)から圧縮ガス貯蔵容積空間へのコンプレッサ(図1の7)を介しての圧縮ガスの移送を開始する。
【0119】
プログラムは次いで、圧縮ガス貯蔵容積空間が所望のレベル(例えばPUPPER,MARGIN)まで充填されたかどうかを調べる。圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力がPUPPER,MARGIN未満である場合は、圧縮ガス貯蔵容積空間は圧縮ガスの受け入れを継続する。圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力がPUPPER,MARGINより高いか又はそれと等しい場合は、圧縮ガス貯蔵容積空間の充填を停止する。プログラムは初めに戻って、充填するための別の圧縮ガス貯蔵容積空間を探す。
【0120】
システムが圧縮ガス貯蔵容積空間から圧縮ガスを分給しているときには、プログラムは圧縮ガス貯蔵容積空間からの流量がコンプレッサの吐出量より大きいかどうかを調べる。そうでないならば、何も起こらない。そうであるならば、圧縮ガスが圧縮ガス貯蔵容積空間へ導入される。この工程が、圧力サイクルの圧力減少部分の間のいつの時点においても圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が増加しないことを保証する。
【0121】
プログラムは、システムが圧縮ガス貯蔵容積空間から分給しているかどうかと、圧縮ガス貯蔵容積空間の圧力が減少していることを調べる。そうであるならば、コンプレッサによる圧縮ガス貯蔵容積空間の充填を継続する。そうでないならば、コンプレッサによる圧縮ガス貯蔵容積空間の充填を停止し、そしてプログラムは初めに戻って充填するための別の圧縮ガス貯蔵容積空間を探す。
【0122】
図4と図5のプロセスロジック図は代表的なものである。特許請求の範囲に規定された本方法の範囲内にとどまりながら、様々な変更や改変を行うことができる。
【0123】
例えば、システムが圧縮ガス貯蔵容積空間からガスを分給していないとき、またシステムが選択された期間稼働していないとき、またシステムに選択された数の受入容器を充填するのに十分な量の圧縮ガスがないとき、また夜間であるとき、プログラムは圧力がPLOWER,MARGIN未満でなくても圧縮ガス貯蔵容積空間を充填してもよい。また、システムはここに取り上げない様々な構成要件を含んでもよい。
【0124】
本方法は、1以上の二次的な制御命令を与えることを含んでもよい。二次的な制御命令は、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのの圧力がPUPPERの7.5MPa以内になるまで複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのに圧縮ガスを導入するために与えることができ、ここでは二次的な制御命令は、圧縮ガスを導入するための制御命令を与えるためのこの工程に先立つ複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのの圧力とは無関係に与えられる。
【0125】
二次的制御命令は、サイクル数を最小限にすることに代えて発電所容量を向上させることを踏まえてどの圧縮ガス貯蔵容積空間充填するかという違った基準で実行してもよい。例えば、午前2時に、発電所は二次的制御命令を使用して、発電所が朝運転を開始するとき圧縮ガス貯蔵容積空間が全面的に始動するように、それらの全てを完全に再充填することができる。これは1日当たりに1つのサイクル数を追加するが、それはより良好な発電所の運転のために受け入れられる歩み寄りであろう。
【0126】
二次的制御命令を実行することができる場合のもう一つの発電所は、例えば別の受入容器の充填を完了するのに十分な圧縮ガスが圧縮ガス貯蔵容積空間のいずれにも残っていないときなどのように、圧縮ガス貯蔵容積空間をたとえそれがPLOWERの7.5MPa以内でないとしても充填する場合を含む。例えば、システムが2つの高圧供給源を有し、一方が再充填ポイントよりちょっと高い65MPaであり、第2のものが72MPaである場合は、どちらも主制御命令によって再充填するときにはにはなっていない。しかしユーザーが到着すると、かれらは完全な充填を受けることができず、おそらく最高圧力は70MPaにしかならなくて、その結果ユーザーは不満を抱くことになろう。二次的制御命令を実施して、サイクルの一部を「早いうちに」無効にして、ユーザーが不満を抱くのを回避しながら、圧縮ガス貯蔵容積空間を再充填することができる。
【実施例】
【0127】
〔例1−比較例〕
図1に示した分給システムを、ガス貯蔵容積空間A、B、Cのおのおのから圧縮ガス受入容器Rへとガスを順次増加する圧力で移送させる通常の輪番式カスケード分給プロセスでもって運転することができ、ここでは各ガス貯蔵容積空間は各充填工程について所定の圧力範囲内で運転する。ガス貯蔵容積空間Aはガスを圧縮ガス受入容器Rへ、初期圧力から第1の中間圧力に至るまで分給し、貯蔵容積空間Bはガスを該受入容器へ第1の中間圧力から第2の中間圧力に至るまで分給し、貯蔵容積空間Cはガスを該受入容器へ第2の中間圧力から最終充填圧力に至るまで分給する。分給完了後、圧縮ガス受入容器Rを継手35のところで分給システムから切り離す。圧縮ガス受入容器Rは車両の圧縮ガス貯蔵タンクであることができる。
【0128】
続いて、貯蔵容積空間をガス源27からコンプレッサ7によって上方ガス貯蔵圧力に至るまで再充填する。その後の分給工程において、別の圧縮ガス受入容器Rを継手35で接続し、直ぐ上で説明したのと同じようにしてガスを分給する。ガス分給システムが一連の更なる圧縮ガス受入容器に圧縮ガスを供給する普通のやり方でこれを繰り返す。この典型的な分給方法では、ガス貯蔵容積空間Aは常に、より低い圧力範囲でガスを分給し、ガス貯蔵容積空間Bは常に、中間の圧力範囲でガスを分給し、ガス貯蔵容積空間Cは常に、より高い圧力範囲でガスを分給する。こうして、一連の分給サイクルを行う間、ガス貯蔵容積空間は常に、輪番シーケンスABC、ABC、などでもって分給を行う。
【0129】
各受入容器へ分給している間に、各圧縮ガス貯蔵容積空間は累算圧力サイクル数に関してもう一つのカウント数を受け取る。
【0130】
〔例2−比較例〕
非カスケード式分給プロセスを説明する例を表1に示し、ここではガス貯蔵容積空間A、B、Cは最初に41.5MPa(6000psig)まで充填され、そしてガスを並列式に分給して圧縮ガス受入容器Rを7.0MPa(1000psig)の初期圧力から充填する。各ガス貯蔵容積空間の代表容積は2m3であり、圧縮ガス受入容器Rの代表容積は5m3であって、従ってガス受入容器Rの容積は各ガス貯蔵容積空間の容積の2.5倍である。このプロセスでは、ガス受入容器Rは、弁17、19、21、31を同時に開き、貯蔵容積空間と受入容器との均圧後にガス受入容器Rを25.8MPa(3727psig)の最終圧力まで充填する単一の工程でもって充填される。
【0131】
【表1】

【0132】
〔例3−比較例〕
輪番式のカスケード分給プロセスを説明する例を表2に示し、ここではガス貯蔵容積空間A、B、Cは最初に41.5MPa(6000psig)まで充填され、そしてガスを分給して圧縮ガス受入容器Rを7.0MPa(1000psig)の初期圧力から充填する。各ガス貯蔵容積空間の代表容積は2m3であり、圧縮ガス受入容器Rの代表容積は、ガス受入容器Rの容積が各ガス貯蔵容積空間の容積の2.5倍となるように、5m3である。このプロセスでは、ガス受入容器Rは、弁17、19、21のおのおのを順次開閉する一方で弁31は開いたままにする一連の工程でもって充填される。第1の工程では、弁17を開き、貯蔵容積空間と受入容器とが16.8(2430psig)の第1の中間圧力で均圧になるまでガスが貯蔵容積空間Aからガス受入容器Rへと流れ、そして弁17を閉じる。第2の工程では、弁19を開き、23.9MPa(3450psig)の第2の中間圧力で均圧になるまでガスが貯蔵容積空間Bからガス受入容器Rへと流れ、そして弁19を閉じる。第3の工程では、弁21を開き、28.9MPa(4180psig)の最終充填圧力で均圧になるまでガスが貯蔵容積空間Cからガス受入容器Rへと流れ、そして弁21を閉じる。
【0133】
【表2】

【0134】
表1の非カスケード式プロセスと表2の輪番式カスケードプロセスとの比較から、カスケード式分給プロセスの利点が明らかになり、受入容器及び貯蔵容積空間の所定の容積と貯蔵容積空間及び受入容器の所定の初期圧力のもとではカスケードプロセスでもってガス受入容器Rのより高い最終充填圧力を得ることができる。この利点は、圧縮ガスを分給する技術分野ではよく知られている。
【0135】
〔例4−比較例〕
当該技術分野において知られている輪番式カスケード分給プロセスについての典型的な圧力−経過時間プロファイルを図6に示す。このプロセスでは、ガス貯蔵容積空間A、B、Cを最初に40MPaの圧力まで充填し、圧縮ガス受入容器Rは最初は5MPaの圧力である。この例では、ガス貯蔵容積空間A、B、Cと圧縮ガス受入容器Rは全て同じ容積を有する。弁31(図1)を開き、そして経過時間1分で弁17を開くことにより第1の充填工程が始まる。ガス貯蔵容積空間Aの圧力は点401の初期圧力から経路403に沿って減少し、その一方で受入容器Rの圧力は点405の初期圧力から増加し、そして圧力は経過時間5分で点409の第1の中間圧力22.5MPaで等しくなる。弁17を閉じる一方で、弁31は開いたままにする。
【0136】
次に、弁19を開いて第2の充填工程を始める。ガス貯蔵容積空間Bの圧力は点411の初期圧力から経路413に沿って減少し、その一方で受入容器Rの圧力は経路415に沿って増加し、そして圧力は経過時間7分で点417の第2の中間圧力31.25MPaで等しくなる。弁17を閉じる一方で、弁31は開いたままにする。
【0137】
次に、弁21を開いて最終の充填工程を始める。ガス貯蔵容積空間Cの圧力は点419の初期圧力から経路421に沿って減少し、その一方で受入容器Rの圧力は経路423に沿って増加し、そして圧力は経過時間8分で点425の最終充填圧力35.625MPaで等しくなる。弁21を閉じ、弁31を閉じて、最終充填工程を終了させる。最終充填工程完了後任意の時間が経過したところで、受入容器Rは継手35のところで切り離すことができる。
【0138】
ガス貯蔵容積空間Cを、9分を起点として、弁11を開きコンプレッサ7を始動させて点427から経路429に沿って再充填し、それにより貯蔵容積空間Cをガス源27から再充填する。この再充填工程は、10分の時点及び40MPaの圧力のところで弁11を閉じることにより、点431のところで終了する。ガス貯蔵容積空間Bは、10分を起点として、弁13を開く一方でコンプレッサ7の運転を継続させて点433から経路435に沿って再充填し、それにより貯蔵容積空間Bをガス源27から再充填する。この再充填工程は、12分の時点及び40MPaの圧力のところで弁13を閉じることにより、点437のところで終了する。ガス貯蔵容積空間Aは、12分を起点として、弁15を開く一方でコンプレッサ7の運転を継続させて点439から経路441に沿って再充填し、それにより貯蔵容積空間Aをガス源27から再充填する。この再充填工程は、16分の時点及び40MPaの圧力のところで弁15を閉じることにより、点443のところで終了する。再充填後、システムは継手35で接続された別のガス受入容器へガスを分給する用意ができている。
【0139】
図6を参照して上で説明した例において、経過時間に対してプロットした圧力プロファイルを直線であるとして示しているが、これは説明を目的とした単純化である。実際の運転時には、これらのプロファイルは直線でなくてよく、またこれらのプロファイルは米国全国防火協会(NFPA)により求められるホース点検のための分給サイクル中に1以上の中断があってもよいように、不連続であってもよい。
【0140】
この例のガス分給サイクルにおいては、各分給工程の最後における圧力は、分給を別のガス貯蔵容積空間へ切り換える前の各ガス貯蔵容積空間とガス受入容器とを実質的に等しくする。一つのガス貯蔵容積空間からもう一つのガス貯蔵容積空間へ切り換えるためのほかの基準が可能である。例えば、ガス貯蔵容積空間とガス受入容器との差圧が所定の値に達したときに切換を始めることができる。もう一つの例では、ガス貯蔵容積空間とガス受入容器との間のガス流量が所定の値に達したときに切換を始めることができる。
【0141】
図6を参照して上で説明した典型的な輪番式カスケードガス分給システムでは、ガス貯蔵容積空間Aは常に、より高い貯蔵圧力(例えば40MPa)とより低い分給圧力(例えば22.5MPa)の間の圧力範囲でガスを分給し、ガス貯蔵容積空間Bは常に、該より高い貯蔵圧力と中間の分給圧力(例えば31.25MPa)の間の圧力範囲でガスを分給し、そしてガス貯蔵容積空間Cからのガスは常に、該より高い貯蔵圧力と最終の分給圧力(例えば35.625MPa)の間の圧力範囲で分給される。このように、3つの貯蔵容積空間のサイクルのおのおのにおける圧力は、全ての分給サイクルの間、それぞれの分給圧力とより高い貯蔵圧力との間にあり、そして全てのガス分給サイクルは3つのガス貯蔵容器のおのおのの昇圧と減圧を必要とする。各受入容器へ分給している間に、各圧縮ガス貯蔵容積空間は累算圧力サイクル数に関してもう一つのカウント数を受け取る。
【0142】
〔例5〕
本方法は再充填に関し周期的な輪番式カスケード分給シーケンスとして説明することができ、それを以下において図1と、3つのガス貯蔵容積空間と4つのガス受入容器について4つのガス分給サイクルにまたがる経過時間に対する圧力プロファイルを示す図7を参照して例示する。この例では、ガス貯蔵容積空間A、B、Cと圧縮ガス受入容器Rは全て、同じ容積を有する。
【0143】
図7の一連のガス分給サイクルは、ここでの説明では80MPaである上方ガス貯蔵圧力の圧縮ガスが入った各ガス貯蔵容積空間から開始する。各ガス受入容器は、ここでの説明では10MPaである初期圧力にあり、分給サイクルの間にここでの説明では35MPaであるより高い分給圧力まで充填される。最初、全ての弁は閉じている。
【0144】
第1のガス受入容器Rを継手35で分給システムに接続し、そして弁31を開く。図7の一連の分給サイクルのうちの最初のものが1分の経過時間で開始し、その際貯蔵容積空間Aの圧力は点501aの80MPaにあり、第1のガス受入容器の圧力は点501の10MPaにある。弁17を開き、そしてガスが貯蔵容積空間Aから流れる一方で圧力が経路503aに沿って減少し、5分のところの点505aの60MPaの圧力で停止する。ここでの説明では下方ガス貯蔵圧力は60MPaであり、そしてこれを第1の中間ガス貯蔵圧力と見なすことができる。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第1のガス受入容器Rへと流れ、その一方でその圧力は経路503に沿って増加して、30MPaの圧力の5分のところの点505で停止する。弁17が閉じられる。
【0145】
次に、弁19を開き、そして貯蔵容積空間Bからのガスの流れが点507bの5分のところで80MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Bから流れるとともに、その圧力は経路509bに沿って低下し、75MPaの第2の中間圧力の6分のところの点511bで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第1のガス受入容器Rへと流れ、その一方でその圧力は経路509に沿って増加して、35MPaの圧力の6分のところの点511で停止する。弁19が閉じられる。第1のガス受入容器Rは現在いっぱいになっており、継手35のところで切り離すことができる。貯蔵容積空間Aは、弁11を開きガス源27からのガスを圧縮し移送するためコンプレッサ7を始動させることにより、6分のところの点507aから再充填が開始される。再充填が進むにつれて、貯蔵容積空間Aの圧力は経路509aに沿って増加し、9分のところの点511aの80MPaの上方ガス貯蔵圧力で停止する。弁11が閉じられ、コンプレッサが停止される。
【0146】
最初に10MPaの圧力にある第2のガス受入容器Rを継手35で分給システムに接続する。次に、弁19を開き、そして貯蔵容積空間Bからのガスの流れが点513bの10分のところで75MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Bから流れるとともに、その圧力は経路515bに沿って低下し、60MPaの下方ガス貯蔵圧力の6分のところの点517bで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第2のガス受入容器Rへと流れ、その一方でその圧力は点513から経路515に沿って増加して、25MPaの第2の中間ガス貯蔵圧力の13分のところの点517で停止する。弁19が閉じられる。
【0147】
次に、弁21を開き、そしてガス貯蔵容積空間Cからのガスの流れが点517cの13分のところで80MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Cから流れるとともに、その圧力は経路519cに沿って低下し、70MPaの第2の中間圧力の15分のところの点521cで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第2のガス受入容器Rへと流れ、その一方その圧力は経路319に沿って増加して、35MPaの圧力の15分のところの点521で停止する。弁21が閉じられる。第2のガス受入容器Rは現在いっぱいになっており、継手35のところで切り離すことができる。貯蔵容積空間Bは、弁13を開きガス源27からのガスを圧縮し移送するためコンプレッサ7を始動させることにより、15分のところの点519bから再充填が開始される。再充填が進むにつれて、貯蔵容積空間Bの圧力は経路521bに沿って増加し、18分のところの点523bの80MPaのより高い貯蔵圧力で停止する。弁11が閉じられ、コンプレッサ7が停止される。
【0148】
最初に10MPaの圧力にある第3のガス受入容器Rを継手35で分給システムに接続する。弁21を開いて、貯蔵容積空間Cからのガスの流れが点523cの18分のところで70MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Cから流れるとともに、その圧力は経路525cに沿って低下し、60MPaの下方ガス貯蔵圧力の21分のところの点527cで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第3のガス受入容器Rへと流れ、その一方でその圧力は点523から経路525に沿って増加して、20MPaの第3の中間ガス貯蔵圧力の21分のところの点527で停止する。弁21が閉じられる。
【0149】
次に、弁17を開き、そしてガス貯蔵容積空間Aからのガスの流れが点527aの21分のところで80MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Aから流れるとともに、その圧力は経路529cに沿って低下し、65MPaの第2の中間圧力の24分のところの点531aで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第3のガス受入容器Rへと流れ、その一方その圧力は経路529に沿って増加して、35MPaの圧力の24分のところの点531で停止する。弁17が閉じられる。第3のガス受入容器Rは現在いっぱいになっており、継手35のところで切り離すことができる。貯蔵容積空間Cは、弁15を開きガス源27からのガスを圧縮し移送するためコンプレッサ7を始動させることにより、24分のところの点529cから再充填が開始される。再充填が進むにつれて、貯蔵容積空間Cの圧力は経路531cに沿って増加し、27分のところの点533cの80MPaのより高い貯蔵圧力で停止する。弁15が閉じられ、コンプレッサ7が停止される。
【0150】
最初に10MPaの圧力にある第4のガス受入容器Rを継手35で分給システムに接続する。弁17を開いて、貯蔵容積空間Aからのガスの流れが点535aの28分のところで65MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Aから流れるとともに、その圧力は経路537aに沿って低下し、60MPaの下方ガス貯蔵圧力の29分のところの点539aで停止する。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第4のガス受入容器Rへと流れ、その一方でその圧力は点535から経路537に沿って増加して、15MPaの第4の中間ガス貯蔵圧力の29分のところの点539で停止する。弁17が閉じられる。
【0151】
次に、弁19を開き、そしてガス貯蔵容積空間Bからのガスの流れが点527aの29分のところで80MPaで始まり、ガスが貯蔵容積空間Bから流れるとともに、その圧力は経路541bに沿って低下し、ここでの説明では60MPaの下方ガス貯蔵圧力の33分のところの点543bで停止し、この圧力は60MPaの第4の中間ガス貯蔵圧力と見なすことができる。この期間中に、ガスはマニホールド23と管路29とを通って第4のガス受入容器Rへと流れ、その一方その圧力は経路341に沿って増加して、35MPaの圧力の33分のところの点531で停止する。弁19が閉じられる。第4のガス受入容器Rは現在いっぱいになっており、継手35のところで切り離すことができる。貯蔵容積空間Aは、弁11を開きガス源27からのガスを圧縮し移送するためコンプレッサ7を始動させることにより、33分のところの点543bから再充填が開始される。再充填が進むにつれて、貯蔵容積空間Aの圧力は経路543aに沿って増加し、36分のところの点545aの80MPaの上方ガス貯蔵圧力で停止する。
【0152】
弁11が閉じられ、弁13が開かれる一方で、コンプレッサ7は運転を継続する。貯蔵容積空間Bの再充填が36分のところの点545bで開始されるとともに、コンプレッサ7がガス源27からのガスを圧縮し移送する。再充填が進むにつれて、貯蔵容積空間Bの圧力は経路547bに沿って増加して、39分のところの点549bの80MPaの上方ガス貯蔵圧力で停止する。この時点で、分給システムは上で説明したのと同じように別の一連の分給サイクルのために用意ができている。
【0153】
上で説明した例は、3つのガス貯蔵容積空間を利用して、各受入容器に2つの異なるそれぞれのガス貯蔵容積空間からガスを充填する一連の分給サイクルでもって一連のガス受入容器を充填するものを例示している。各分給サイクルにおいて、充填は、ガス受入容器の初期圧力と最終圧力との間の中間の圧力で一つのガス貯蔵容積空間からもう一つのガス貯蔵容積空間へと切り換えられる。
【0154】
例5は、4つの受入容器を充填するために5つの圧力サイクルが必要とされる本方法の利点を例示している。これは、1つの受入容器を充填するたびに3つの圧力サイクルが必要とされる図4を参照して先に説明した従来技術の方法と比較して、有意の改善である。図4で説明した方法と比べ、本方法を使用する例5では、圧縮ガス貯蔵容積空間が関わる圧力サイクルはおよそ3回少ない。
【0155】
上述の再充填に関する一連の周期的な輪番式カスケード分給サイクルでは、ガス貯蔵容積空間は周期的な輪番式カスケードシーケンスAB、BC、CA、AB、BC等で分給を行う。これは、輪番シークエンスがABC、ABC、ABC等である先に説明した従来技術の輪番式カスケードとは異なる。
【0156】
図7を参照して上で説明した例では、経過時間に対してプロットした圧力プロファイルを直線であるとして示しており、これは説明を目的として単純化したものである。実際の運転時には、これらのプロファイルは直線でなくてよく、またこれらのプロファイルは、米国全国防火協会(NFPA)により求められるホース点検のための分給サイクル中に1以上の中断があってもよいように、不連続であってもよい。
【0157】
〔例6〕
上述のように、ガス分給システムの容器における最大の運転サイクル数は、容器の故障の可能性をなくすために、一定のタイプの容器設計と製作材料に対して制限される。例えば、複合材料で製作された容器における昇圧−減圧のサイクル数は、米国機械学会(ASME)の圧力容器規則によって制限されることがあり、この規則がこれらの容器について運転の許可を与える州又は地方の規制機関により適用されることがある。本方法とその様々な実施形態は、従来技術で説明されたような一連の分給工程における昇圧−減圧サイクルの数を減らすのに有効である。
【0158】
以下では、許容可能な最大数の昇圧−減圧サイクルを有する圧力容器の例を説明する。この容器は水素分給システムの一部として設置され、上述の方法に従う分給サイクルで運転することができる。
【0159】
複合材料の圧力容器を水素の貯蔵のために用意し、この容器は円筒型の継ぎ目なしの水平の容器であって、長さ0.337m(14.5フィート)、直径44.5cm(17.5インチ)、容積0.343m3(12.11立方フィート)である。この容器は、ASME section VII Div. 3, 2007 edition, 2009 Addendaに従い、また該当する場合ASME Section Xに従って製作される。この容器は、SA 372のグレードJクラス70による4147鋼で製作され、スパンヘッドと炭素繊維プラスチック積層品の外装材を備えている。一方のヘッドはガスを充填するためのネックとフランジを有し、双方のヘッドは外装されていない。設計圧力は103.5MPa(15,000psig)であり、そしてこの容器は−40℃〜66℃(−40°F〜150°F)の設計周囲温度範囲の屋外の地上に設置される。
【0160】
上に列挙したASME規則による認定された運転条件は次のとおりである。
(a)許容最大使用圧力:103.5MPa(15,000psig)
(b)標準運転温度:21℃(70°F)
(c)サイクル運転データ:
(1)61.45MPa(8,900psig)と93.15MPa(13,500psig)の間で37,540の最大耐用充填サイクル
(2)20年の最大寿命
(3)−1℃(30°F)未満で最大耐用充填サイクルの5%
(4)43℃(110°F)を超える運転時に最大耐用充填サイクルの5%
(5)周囲温度での運転時に最大耐用充填サイクルの90%
(6)20年の寿命にわたる−40℃〜66℃(−40°F〜150°F)の範囲内で50℃(90°F)Δの1日当たり1回の温度サイクル
(7)93.2MPa(13,500psig)から0.101MPa(0psig)までの最大サイクル数40
【0161】
上で使用した昇圧サイクルは、中間での減圧工程なしに1つの工程で又は一連の工程でより低い圧力からより高い圧力に至るまで容器を昇圧することとして定義される。昇圧工程間における減圧工程の数は制限されない。
【0162】
ガス分配サイクルの数をこの許容最大昇圧サイクル数の範囲内で最大にするために、上で様々な実施形態とともに説明した本方法を利用して、所定の数の分給サイクルのために使用するサイクル数を最小にすることができる。
【0163】
図7を参照して上で説明した再充填に関する周期的な輪番式カスケード分給シーケンスを水素の分給のために利用する場合には、4つのガス分給サイクルごとに5つの昇圧工程が必要とされることが分かる。図7において、ガス貯蔵容積空間の5つの昇圧工程は圧力プロファイルの経路509a、521b、531c、543a、及び547bで明示されており、受入容器での4つの分給サイクルは圧力プロファイルの経路503+509、515+519、525+529、及び537+541で明示されている。
【0164】
図6を参照して先に説明した従来技術の周期的カスケードサイクルを水素の分給のために利用する場合、ガス分給サイクルごとに3つの昇圧工程が必要とされることが分かる。図6では、ガス貯蔵容積空間の3つの昇圧工程が圧力プロファイルの経路429、435、及び441で明示され、受入容器での分給サイクルは圧力プロファイルの経路407+415+423で明示されている。
【0165】
この例は、本方法による周期的な輪番式カスケード分給サイクルは、許容昇圧サイクル数に最大値のある圧力容器を有するガス分給システムで使用するための従来技術のカスケード分給サイクルを凌ぐ有意の改善をもたらすことを例示している。
【0166】
本発明の実施形態によるガス分給サイクルはまた、必要に応じて、容器の昇圧サイクル数に制限のないガス分給システムの運転で使用することもできる。
【0167】
図1の分給システムを使用して、ガス貯蔵容積空間A、B、Cが複合材料の容器を含みそしてシステムが本方法に従って運転される場合の昇圧サイクル数を記録してもよい。プログラマブルロジック制御装置39をプログラムして、温度測定素子41によって提供される周囲温度情報を使って上述の特定のタイプのサイクルの数を認識し記録することができる。制御装置はまた、それぞれの温度範囲で行われた昇圧サイクルの数に関するシステムの状況の定期的な出力を提供し、これらの数が許容最大値に近づいたときに警告を発することができる。制御装置は、最大のサイクル数に達したならばその後の充填用貯蔵器の充填工程を阻止するようにプログラムすることもできる。プログラマブルロジック制御装置39により記録されたサイクル情報は、例えば電話回線、インターネット接続、又は無線モデムなどの既知の送信方法により現場から離れた運転員に送信することができる。
【0168】
長期の経過時間にわたるガス貯蔵容器のサイクル式の運転においては、各容器が多数回の昇圧−減圧サイクルにさらされ、その結果容器の壁とヘッドが長期の経過時間にわたり周期的な応力にさらされる。一定タイプの容器設計と製作材料については、容器の故障の可能性をなくすために運転サイクルの最大の回数が制限されることがある。例えば、複合材料で製作された容器における昇圧−減圧のサイクル数は、米国機械学会(ASME)の圧力容器規則によって制限されることがあり、この規則がこれらの容器について運転の許可を与える州又は地方の規制機関により適用されることがある。
【0169】
ガス貯蔵容器についての昇圧−減圧サイクルの最大許容回数に潜在的な制限があることを考えると、容器の運転寿命を最大にするため各貯蔵容器当たりの昇圧−減圧サイクルの数を各分給サイクルごとに最小にするように、ガス分給システムを設計し運転するのが望ましい。3つのガス貯蔵容積空間を備えたガス分給システムを運転するための従来技術による上述の例においては、全ての分給サイクルに際して3つの貯蔵容積空間のおのおのがそれぞれの分給圧力と上方貯蔵圧力との間をゆききし、そして全てのガス分給サイクルが3つのガス貯蔵容器のおのおのの昇圧と減圧とを必要とする。
【0170】
ここに記載された本方法は、ガス貯蔵容器のための昇圧−減圧サイクル数が減少し、それにより運転サイクルの上限の数に制限のある容器の運転寿命を最大にする改善された分給サイクルを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧縮ガス貯蔵容積空間から圧縮ガスを分給するための方法であり、複数の圧縮ガス貯蔵容積空間を下方ガス貯蔵圧力PLOWERから上方ガス貯蔵圧力PUPPERまでの圧力範囲で運転する方法であって、
圧縮ガスを前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれから抜き出しそして圧縮ガスを前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれへ導入する圧力サイクルにより前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力を周期変動させる制御命令を与えることを含み、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれについての圧力サイクルは互いに独立しており、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれについての圧力サイクルは圧力減少部分とこの圧力減少部分に続く圧力増加部分とを有し、圧力減少部分では圧力はPUPPERの7.5MPa以内からPLOWERの7.5MPa以内へと移行し、圧力増加部分ではPLOWERの7.5MPa以内からPUPPERの7.5MPa以内へと移行し、前記圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力は前記圧力サイクルの圧力減少部分の間はいかなる時点でも増加せず、前記圧縮ガス貯蔵容積空間のそれぞれにおける圧力は前記圧力サイクルの圧力増加部分の間はいかなる時点でも減少しない、圧縮ガス分給方法。
【請求項2】
前記圧力減少部分での圧力がPUPPERの5MPa以内からPLOWERの5MPa以内へと移行し、圧力増加部分ではPLOWERの5MPa以内からPUPPERの5MPa以内へと移行する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
次の(a)〜(d)、すなわち、
(a)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものから第1の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものは初めに第1の圧力P1にあり、PLOWER<P1≦PUPPERであること、
(b)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第1のものからの分給を終了すること、
(c)工程(b)に続いて、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものから前記第1の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものは初めに第2の圧力P2にあり、PLOWER<P2≦PUPPERであること、
(d)前記第1の受入容器が当該第1の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第2のものからの分給を終了すること、
を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程(b)での分給を、前記第1の圧縮ガス貯蔵容積空間と前記第1の受入容器との圧力差にかかわりなく終了させる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
工程(b)での分給を、前記第1の圧縮ガス貯蔵容積空間から前記第1の受入容器への圧縮ガスの流量にかかわりなく終了させる、請求項3記載の方法。
【請求項6】
工程(b)に続いて、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの別のものから前記第1の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの当該別のものは初めにPUPPERの7.5MPa以内の圧力を有すること、及び、
前記別の圧縮ガス貯蔵容積空間における圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記別のものからの分給を終了すること、
を更に含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものが工程(d)での分給終了時に圧力P3を有し、当該方法が更に次の(e)〜(h)、すなわち、
(e)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものから第2の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの当該第2のものは初めに上記の圧力P3にあること、
(f)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものからの分給を終了すること、
(g)工程(f)に続いて、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの第3のものから前記第2の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの当該第3のものは初めに第4の圧力P4にあり、PLOWER<P4≦PUPPERであること、
(h)前記第2の受入容器が当該第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第3のものからの分給を終了すること、
を含む、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものが工程(d)での分給終了時に圧力P3を有し、当該方法が更に、
(e)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものから第2の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの当該第2のものは初めに上記の圧力P3にあること、
(f)前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものにおける圧力がPLOWERの7.5MPa以内になったならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものからの分給を終了すること、
(g’)工程(f)に続いて、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第1のものから前記第2の受入容器へと分給し、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの当該第1のものは初めにPUPPERの7.5MPa以内にあること、
(h’)前記第2の受入容器が当該第2の受入容器についての所望レベルまで充填されたならば前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第1のものからの分給を終了すること、
を含む、請求項3記載の方法。
【請求項9】
追加の圧縮ガスを工程(b)後及び工程(g)前に前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第1のものに加えて、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第1のものにおける圧力をPLOWERの7.5MPa以内からPUPPERの7.5MPa以内へと増加させる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程(a)の間に、圧縮ガスを前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第1のものへ圧縮ガス源から導入する、請求項3記載の方法。
【請求項11】
工程(c)の間に、圧縮ガスを前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のうちの前記第2のものへ圧縮ガス源から導入する、請求項3記載の方法。
【請求項12】
工程(a)の間に、圧縮ガスを前記第1の受入容器へコンプレッサから導入する、請求項3記載の方法。
【請求項13】
工程(c)の間に、圧縮ガスを前記第1の受入容器へコンプレッサから導入する、請求項3記載の方法。
【請求項14】
前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのに圧縮ガスを導入するための二次的な制御命令を、前記複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力がPUPPERの7.5MPa以内になるまで与え、当該二次的な制御命令は、圧縮ガスを導入するため前記制御命令を与えるこの工程に先立つ複数の圧縮ガス貯蔵容積空間のおのおのにおける圧力と無関係に与えられること、
を更に含む、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−2635(P2013−2635A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−135623(P2012−135623)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】