説明

圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】圧電素子の圧電体層の大粒化を防止し、しかも圧電体層のパターニングの際のエッチングストップ層としての機能も有する圧電アクチュエーターの製造方法を提供する。
【解決手段】下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を具備する圧電素子300と、振動板と、を備えた圧電アクチュエーターの製造方法であって、LaNiO(x=2.5乃至2.75)膜からなるLNO層56を振動板50,55上に形成する工程と、LNO層56上にエッチングを用いてパターニングし、下電極60を形成する工程と、LNO層56及び下電極60上にエッチングを用いてパターニングし、圧電体層70を形成する工程と、圧電体層70上にエッチングを用いてパターニングし、上電極80を形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド及
び液体噴射装置に関し、特に圧電体層の粒径制御のためのLNO層を設ける場合に適用し
て有用なものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例としては、例えばインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧
力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を下電極と上電極とを有する圧電素子によ
り変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインク
ジェット式記録ヘッド等が知られている。
【0003】
この種のインクジェット式記録ヘッドの一種として、圧力発生室が形成された流路形成
基板の上面に二酸化シリコンからなる酸化膜及び酸化ジルコニウムからなる弾性膜を形成
し、この弾性膜上に下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を配設したものがある
。ここで、圧電体層としては 鉛、ジルコニウム及びチタンを含んだ、例えばチタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)等を用いたものが汎用されている。
【0004】
しかしながら、酸化ジルコニウムの弾性膜の上に圧電体層(PZT)を成膜すると1μ
mを超える粒径を持つ圧電体層が形成されてしまい、圧電アクチュエーターとして駆動さ
せた際に破損の起点となり易いという問題がある。
【0005】
かかる問題に対する解決策を提案する文献として特許文献1乃至特許文献3が挙げられ
る。特許文献1及び特許文献2には、チタン又は酸化チタンを用いることで、PZTの粒
径を制御する点が開示されている。特許文献3には、酸化アルミニウム層を弾性板と下部
電極との密着層として用いることで、PZTの粒径を制御する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−83937号公報
【特許文献2】特開2003−282843号公報
【特許文献3】特開2008−177234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示する技術では、一層目のPZTと2層
目のPZTとの間にチタン層を設けた場合、圧電体層の中に誘電体層が形成されることに
なり、結果として圧電体層に印加される実効電圧の低下につながるために圧電特性が劣化
してしまうという新たな問題を生起する。
【0008】
また、特許文献3に開示する技術では、ヤング率の異なるPZTが隣接することになり
、下部電極の端部での駆動/非駆動による応力集中が増大するという新たな問題を発生す
る。すなわち、PZTが高い圧電特性を示す理由の一つは、酸化アルミニウムや酸化ジル
コニウムなどの誘電体酸化物よりもヤング率が小さいからである。また、PZTにおいて
比誘電率は平均粒径の減少とともに低下し、ドメイン構造がなくなると比誘電率が大幅に
減少する事が知られている。つまり、比誘電率の減少は圧電体から単なる誘電体への変化
を示しており、誘電体になるとヤング率が増加してしまう。
【0009】
さらに、パターンを形成するためにエッチングを行うが、エッチング装置内でプラズマ
状態の分布に違いがあるとエッチングレートの面内分布が起こる。この場合、面内を完全
にエッチングしようとすると場所によっては振動板のオーバーエッチング部分が不可避的
に形成されてしまう。オーバーエッチング部分が形成された場合、振動板の機械的強度が
単純に低下するだけでなく、圧電アクチュエーターとして駆動させた際に、オーバーエッ
チングによる不連続部に応力が集中するために破損の起点となり易いという問題も発生す
る。ちなみに、エッチングストップ層として酸化チタン層を利用することも提案されてい
るが、チタンは熱によって拡散するという性質を有しているので、エッチングストップ層
としては有効且つ安定的に機能し得ない場合があると考えられる。
【0010】
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体
を噴射する液体噴射ヘッドにも存在する。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、圧電素子の圧電体層の大粒化を防止し、しか
も圧電体層のパターニングの際のエッチングストップ層としての機能も有する圧電アクチ
ュエーターの製造方法、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明の態様は、第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電
素子と、振動板と、を備えた圧電アクチュエーターの製造方法であって、LaNiO
x=2.5乃至2.75)膜からなるLNO層を前記振動板上に形成する工程と、前記L
NO層上にエッチングを用いてパターニングし、前記第1電極を形成する工程と、前記L
NO層及び前記第1電極上にエッチングを用いてパターニングし、前記圧電体層を形成す
る工程と、前記圧電体層上にエッチングを用いてパターニングし、前記第2電極を形成す
る工程と、を有することを特徴とする圧電アクチュエーターの製造方法にある。
【0013】
本態様によれば、酸素欠陥を有するペロブスカイト構造のLaNiO(x=2.5乃
至2.75)膜であるLNO層上に圧電体層が形成されるので、圧電体層の結晶成長が促
進される(核形成が多くなる)結果、圧電体層の大粒径化を有効に防止して微少な粒径で
圧電体層を形成することができる。すなわち、破損の起点となるような部位の発生を排除
することができるので、圧電アクチュエーターとしての繰り返し使用に対しても長期に亘
り安定な駆動が保証される。
【0014】
また、LNO層を形成しているLaNiO(x=2.5乃至2.75)膜は実質的に
絶縁膜として機能するので、上述のエッチングによるパターニング工程において除去され
ずに残っていても第1乃至第2電極と他の導電部とが短絡等されることはなく、所定の絶
縁状態が維持される。したがって、エッチングの手法乃至条件が緩和される。すなわち、
例えエッチングレートの面内分布が存在する場合でも振動板にオーバーエッチングになる
部位が形成される以前にエッチングを停止することで機械的強度の脆弱部位が形成される
のを未然に防止する等の手段を容易に講じることができる。この結果、エッチングの手法
乃至条件によらず、振動板の不連続部位を完全に除去することができ、かかる不連続部位
における応力集中に起因する当該圧電アクチュエーターの破損を未然に防止することがで
きる。
【0015】
ここで、前記エッチングはリアクティブ・イオン・エッチング(RIE(Reactive Ion
Etching))で行うのが最適である。この場合には、LaNiOx膜の成分であるLa及
びNiのハロゲン化物の沸点が相対的に高温であるため、第1乃至第2電極及び圧電体層
に較べてLaNiOx膜のエッチングレートが遅い。すなわち、当該エッチング処理にお
ける選択比が非常に良好であるため、LaNiOx膜はエッチングストップ層として機能
し、弾性板のオーバーエッチングを完全に防止し得る。
【0016】
また、前記エッチングは前記LNO層をアンダーエッチング状態で残存させるようイオ
ンミリングで行うこともできる。この場合には、エッチング法として一般的なイオンミリ
ングを適用することができ、簡易且つ迅速に所定のパターニングを行うことができる。こ
こで、LaNiOx膜は絶縁体であるのでアンダーエッチング状態で残存していても所定
の絶縁状態は良好に維持される。
【0017】
さらに、前記第1電極を個別電極、前記第2電極を共通電極として形成するのが好適で
ある。この場合には第1電極が共通電極で第2電極が個別電極である場合に較べLaNi
Ox膜が絶縁膜であり、エッチングストップ層として機能させることができるという性質
がより有効に活かされる。エッチングストップ層として機能させても必要な絶縁は保持さ
れ、しかも第1電極が個別電極である場合の方が広い領域に絶縁膜を形成しておく必要が
あるからである。つまり、前記第1電極が共通電極、前記第2電極が個別電極の場合より
も、前記第1電極が個別電極、前記第2電極が共通電極の場合のほうが、エッチングされ
る前記第1電極の領域が広くなるためである。
【0018】
本発明の他の態様は、第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電素子と、振動板
と、を備えた圧電アクチュエーターであって、前記振動板と前記第1電極との間に、La
NiO(x=2.5乃至2.75)からなるLNO層を有することを特徴とする圧電ア
クチュエーターにある。
本態様によれば、圧電体層の粒径の大粒径化が有効に防止され、充分微小な粒径となっ
ているばかりでなく、エッチングによる振動板の不連続部分が除去されているので、圧電
アクチュエーターとして繰り返し駆動させても破損し難く、長期期間に亘る安定した駆動
が保証される。
【0019】
本発明の他の態様は、上記圧電アクチュエーターを具備することを特徴とする液体噴射
ヘッドにある。
本態様によれば、圧電アクチュエーターの長寿命化に伴い、長期に亘り安定した駆動が
保証される液体噴射ヘッドを実現できる。
【0020】
本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置に
ある。
本態様によれば、液体噴射ヘッドの長寿命化に伴い、長期に亘り安定した駆動が保証さ
れる液体噴射装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施形態に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】実施形態に係る記録ヘッドの要部拡大断面図である。
【図4】実施形態に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図5】実施形態に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図6】実施形態に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図7】実施形態に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図8】一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘ
ッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図
である。
【0023】
図示するように、流路形成基板10は、本形態では結晶面方位が(110)であるシリ
コン単結晶基板からなり、その一方面には酸化膜からなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、隔壁11によって区画され一方側の面が弾性膜50で構成される
複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。
【0024】
流路形成基板10には、圧力発生室12の長手方向一端部側に、隔壁11によって区画
され各圧力発生室12に連通するインク供給路13と連通路14とが設けられている。連
通路14の外側には、各連通路14と連通する連通部15が設けられている。この連通部
15は、後述する保護基板30のリザーバー部32と連通して、各圧力発生室12の共通
のインク室(液体室)となるリザーバー100の一部を構成する。
【0025】
ここで、インク供給路13は、圧力発生室12よりも狭い断面積となるように形成され
ており、連通部15から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持してい
る。例えば、インク供給路13は、リザーバー100と各圧力発生室12との間の圧力発
生室12側の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されて
いる。なお、本形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路を形成したが、流
路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るので
はなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。各連通路14は、圧力
発生室12の幅方向両側の隔壁11を連通部15側に延設してインク供給路13と連通部
15との間の空間を区画することで形成されている。
【0026】
なお、流路形成基板10の材料として、本形態ではシリコン単結晶基板を用いているが
、勿論これに限定されず、例えば、ガラス、セラミックス、ステンレス鋼等を用いてもよ
い。
【0027】
流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路13とは反対側の
端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着
フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラ
ミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼などからなる。
【0028】
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜5
0が形成され、この弾性膜50上には、弾性膜50とは異なる材料の酸化膜からなる絶縁
体膜55が形成されている。本形態における絶縁体膜55は酸化ジルコニウム(ZrO
)で形成してある。さらに、この絶縁体膜55上には、LNO層56として酸素欠損をも
つLaNiOx膜が形成されている。このLaNiOx膜はxが2.5乃至2.75であ
り、実質的に絶縁体膜として機能させられる。また、LNO層56は、第1電極である下
電極膜60乃至第2電極である上電極膜80及び圧電体層70のエッチングによるパター
ニングの際のエッチングストップ層となり、絶縁体膜55に不連続部分が形成されないよ
うにすることができる(この点に関しては後に詳述する)。
【0029】
さらに、LNO層56上には、下電極膜60と圧電体層70と上電極膜80とが、後述
するプロセスで積層形成されて、圧電素子300が形成されている。ここで、圧電素子3
00は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、
圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を圧電体層70と共に圧
力発生室12毎にパターニングして個別電極とする。本形態では下電極膜60が個別電極
、上電極膜80が共通電極となる、いわゆる共通上電極構造となっている。
【0030】
また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動
板とを合わせて圧電アクチュエーターと称する。なお、本形態では、弾性膜50、絶縁体
膜55、LNO層56及び下電極膜60が振動板として作用する。
【0031】
ここで、本形態に係る圧電素子300の構造について詳しく説明する。図2(a)のB
−B′断面図である図3に示すように、圧電素子300を構成する下電極膜60は、各圧
力発生室12に対向する領域毎に、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で設けられて各圧電
素子300の個別電極を構成している。また下電極膜60は、各圧力発生室12の長手方
向一端部側から周壁上まで延設されている。そして下電極膜60には、圧力発生室12の
外側の領域で、例えば、金(Au)等からなるリード電極90がそれぞれ接続され、この
リード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている
。一方、圧力発生室12の長手方向他端部側の下電極膜60の端部は、圧力発生室12に
対向する領域内に位置している。
【0032】
圧電体層70は、下電極膜60の幅よりも広い幅で且つ圧力発生室12の幅よりも狭い
幅で設けられている。圧力発生室12の長手方向においては、圧電体層70の両端部は、
圧力発生室12の端部の外側まで延設されている。すなわち、圧電体層70は、圧力発生
室12に対向する領域の下電極膜60の上面及び端面を完全に覆うように設けられている
。なお、圧力発生室12の長手方向一端部側の圧電体層70の端部は、圧力発生室12の
端部近傍に位置しており、その外側の領域には下電極膜60がさらに延設されている。
【0033】
ここで、LNO層56を構成するLaNiOxは圧電体層70と同様のペロブスカイト
構造であるので、LNO層56の上においても圧電体層70の結晶成長が促進され50〜
200nm程度の微小粒径の圧電体層70が形成されている。
【0034】
上電極膜80は、複数の圧力発生室12に対向する領域に連続的に形成されるとともに
、圧力発生室12の長手方向の他端部側から周壁上まで延設されている。すなわち、上電
極膜80は、圧力発生室12に対向する領域の圧電体層70の上面及び端面のほぼ全域を
覆って設けられている。その分、LNO層56との接触領域も共通下電極構造に較べて広
くなる。
【0035】
上述の如く圧力発生室12に対向する領域の圧電体層70の上面及び端面のほぼ全域を
上電極膜80で覆うことにより圧電体層70への大気中の水分(湿気)の浸透が実質的に
防止される。したがって、水分(湿気)に起因する圧電素子300(圧電体層70)の破
壊を防止することができ、圧電素子300の耐久性を著しく向上させることができる。
【0036】
また、圧力発生室12の長手方向の他端部側の上電極膜80の端部は、圧力発生室12
に対向する領域内に位置している。この結果、圧電素子300の実質的な駆動部が圧力発
生室12に対向する領域内に設けられている。すなわち、圧力発生室12内に位置する下
電極膜60の端部と上電極膜80の端部との間の部分の圧電素子300が実質的な駆動部
となっている。このため、圧電素子300を駆動しても、圧力発生室12の長手方向両端
部近傍の振動板(弾性膜50、絶縁体膜55)には大きな変形が生じることはないため、
この部分の振動板に割れが発生するのを防止することができる。なおこのような構成では
、圧力発生室12に対向する領域内でも圧電体層70の表面が若干露出されることになる
が、その面積は極めて狭く、また後述するように上電極膜80の周縁部と下電極膜60の
間の距離が大きいため、水分に起因する圧電体層70の破壊を防止することができる。
【0037】
圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域
にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板3
0が接着剤35を介して接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内
に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。また、保
護基板30には、流路形成基板10の連通部15に対応する領域にリザーバー部32が設
けられている。このリザーバー部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫
通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板
10の連通部15と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー10
0を構成している。
【0038】
さらに、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバー部32との間の領域には、保
護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、下電極膜60及びリード電極9
0の端部がこの貫通孔33内に露出されている。そして、図示しないが、これら下電極膜
60及びリード電極90は、貫通孔33内に延設される接続配線によって圧電素子300
を駆動するための駆動IC等に接続される。
【0039】
なお、保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂
等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることが
より好ましく、本形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて
形成した。
【0040】
保護基板30上には、さらに、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス
基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、こ
の封止膜41によってリザーバー部32の一方面が封止されている。固定板42は、金属
等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚
さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可
撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0041】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給
手段からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をイン
クで満たした後、図示しない駆動ICからの記録信号に従い、圧力発生室12に対応する
それぞれの圧電素子300に電圧を印加し、圧電素子300をたわみ変形させることによ
り、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0042】
ここで、本形態においては圧電素子300の粒径の大粒径化が有効に防止され、充分微
小な粒径となっているばかりでなく、絶縁体膜55の不連続部分が除去されているので、
繰り返し駆動させても破損し難く、長期期間に亘る安定した駆動が保証される。
【0043】
以下、本発明の実施形態に係る圧電アクチュエーターの製造方法を図1乃至図3に示す
インクジェット式記録ヘッドの製造方法とともに、図4乃至図6を参照して説明する。
【0044】
図4は図2のB−B′線に沿う方向から見た断面図である。まず、図4(a)に示すよ
うに、シリコンウェハーであり流路形成基板10が複数一体的に形成される流路形成基板
用ウェハー110の表面に弾性膜50を構成する酸化膜51を形成する。
【0045】
そして、図4(b)に示すように、弾性膜50(酸化膜51)上に、弾性膜50とは異
なる材料の酸化膜からなる絶縁体膜55を形成する。本形態では酸化ジルコニウム(Zr
)を形成した。
【0046】
次いで、図4(c)に示すように、絶縁体膜55上にLaNiO(x=2.5乃至2
.75)膜でLNO層56を形成する。かかるLaNiO(x=2.5乃至2.75)
膜は実質的に絶縁膜として機能する膜で、LaNiOを成膜した後これを還元して形成
する。還元処理は、1)CaHやNaH等の還元剤を用いる、2)水素雰囲気(還元雰
囲気)において、例えば500℃程度の電気炉で加熱処理を行う、3)所定の減圧条件(
例えば10−4Torr程度)で、加熱処理(例えば500℃程度)する等の方法により
好適に実施し得る。また、このときの膜厚は5〜200nmが好適である。
【0047】
次いで、図4(d)に示すように、LNO層56上の全面に下電極膜60を形成する。
この下電極膜60の材料は、特に限定されないが、圧電体層70としてチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)を用いる場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ない材料である
ことが望ましい。このため、下電極膜60の材料としては白金、イリジウム等が好適に用
いられる。また、下電極膜60は、例えば、スパッタリング法やPVD法(物理蒸着法)
などにより形成することができる。
【0048】
次に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。ここで、本
形態では、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層
70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、MOD(Metal-Organic Decomposition
)法、スパッタリング法、CVD(chemical vapor deposition)法等を用いてもよい。
【0049】
圧電体層70の具体的な作成手順を説明する。まず、図5(a)に示すように、下電極
膜60上にPZT前駆体膜である圧電体前駆体膜71を成膜する。すなわち、下電極膜6
0が形成された流路形成基板用ウェハー110上に金属有機化合物を含むゾル(溶液)を
塗布する(塗布工程)。
【0050】
次いで、この圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程
)。例えば、本実施形態の乾燥工程では、流路形成基板用ウェハー110上に塗布された
ゾルを150〜170℃で3〜30分保持することで乾燥する。
【0051】
次に、乾燥した圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによっ
て脱脂する(脱脂工程)。本形態では、乾燥された圧電体前駆体膜71を300〜400
℃に加熱して約3〜30分保持することで脱脂した。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体
前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させ
ることであり、圧電体前駆体膜71が結晶化しない程度に、すなわち、非晶質の圧電体前
駆体膜71を形成することを言う。
【0052】
次に、図5(b)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保
持することにより結晶化させ、圧電体膜72を形成する(焼成工程)。かかる焼成工程に
おいては、脱脂した圧電体前駆体膜71を500〜800℃に加熱して焼成するのが好ま
しい。
【0053】
次に、図6(a)に示すように、下電極膜60上に1層目の圧電体膜72を形成した段
階で、下電極膜60及び1層目の圧電体膜72をそれらの側面が傾斜するように同時にパ
ターニングする。
【0054】
ここで、例えば、下電極膜60をパターニングした後、1層目の圧電体膜72を形成す
る場合、フォトリソグラフィー工程・エッチング工程・アッシング工程を行い下電極膜6
0をパターニングするため、下電極膜60の表面や、表面に設けた図示しないチタン等の
結晶種層などが変質してしまう。そうすると変質した面上に圧電体膜72を形成しても当
該圧電体膜72の結晶性が良好なものではなくなり、2層目以降の圧電体膜72も1層目
の圧電体膜72の結晶状態に影響して結晶成長するため、良好な結晶性を有する圧電体層
70を形成することができない。
【0055】
これに対し本形態の如く、1層目の圧電体膜72を形成した後に下電極膜60と同時に
圧電体膜72をパターニングすれば、1層目の圧電体膜72はチタン等の結晶種に比べて
2層目以降の圧電体膜72を良好に結晶成長させる種(シード)としても性質が強く、た
とえパターニングで表層に極薄い変質層が形成されていても2層目以降の圧電体膜72の
結晶成長に大きな影響を与えない。
【0056】
そして、上述した前駆体膜形成工程(塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程)と、焼成工程
とを有する圧電体膜形成工程を2回以上繰り返すことで、図6(b)に示すように、2層
目以降、最上層までの圧電体膜72を積層する。その後、図7(a)に示すように、2層
目以降が積層された圧電体膜72をパターニングして圧電体層70を形成する。
【0057】
次いで、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って上電
極膜80を形成し、所定形状にパターニングする。具体的には、上電極膜80は、圧力発
生室12の並設方向に亘って連続的に設け、且つ圧力発生室12の長手方向端部よりも外
側まで延設するようにする(図2参照)。
【0058】
さらに、図示はしないが、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って、例えば、金
(Au)等からなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。
【0059】
次いで、流路形成基板用ウェハー110の圧電素子300側に、シリコンウェハーであ
り複数の保護基板30となる保護基板用ウェハーを接着剤35によって接合する。なお、
保護基板30には、リザーバー部32、圧電素子保持部31等が予め形成されている。ま
た、保護基板30は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコン単結晶基板からな
り、保護基板30を接合することで流路形成基板10の剛性は著しく向上することになる
。その後、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚さにする。
【0060】
次いで、流路形成基板用ウェハー110にマスク膜を新たに形成し、所定形状にパター
ニングする。そして、流路形成基板用ウェハー110をマスク膜を介してKOH等のアル
カリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子3
00に対応する圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15等を形成
する。
【0061】
その後は、保護基板用ウェハー上に図示しない駆動回路を実装すると共に、駆動回路と
リード電極90とを接続配線によって接続する(図2参照)。そして、流路形成基板用ウ
ェハー110の圧力発生室12が開口する面側のマスク膜を除去し、流路形成基板用ウェ
ハー110及び保護基板用ウェハーの外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等によ
り切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用
ウェハーとは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると
共に、保護基板用ウェハーにコンプライアンス基板40を接合し、これら流路形成基板用
ウェハー110等を、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割
することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドを製造する。
【0062】
本形態に係る製造方法における下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80のパター
ニングはRIEを適用するのが最適である。RIEの場合には、LaNiOx膜の成分で
あるLa及びNiのハロゲン化物の沸点が相対的に高温であるため、下電極膜60、圧電
体層70及び上電極膜80に較べてLaNiOx膜のエッチングレートが遅い。すなわち
、当該エッチング処理における選択比が非常に良好であるため、LaNiOx膜はエッチ
ングストップ層として機能させることができるからである。
【0063】
この結果、所定のパターニングに際しRIEを適用すれば、圧電体層70の大粒径化を
防止すべくペロブスカイト構造のLaNiOx膜で形成したLNO層56を、同時にエッ
チングストップ層としても機能させることができる。ちなみに、この場合には、本形態の
場合酸化ジルコニウムで形成した絶縁体膜55がオーバーエッチングされて前記絶縁膜5
5の不連続部位が形成され、この部分が応力集中部となるのを回避し得る。
【0064】
かかる製造方法によれば、LNO層56がエッチングストップ層となるため絶縁体膜5
5が露出することはなく、したがって圧電体層70は実質的に絶縁膜として機能するペロ
ブスカイト構造のLNO層56上に形成されるので、粒径制御のための中間チタンがない
にもかかわらず、LNO層56上の圧電体層70は下電極膜60上と同程度の50〜20
0nm程度の微小粒径のものとして形成される。
【0065】
上記実施形態において、圧電体層70はPZTで形成し、上下電極膜80,60は白金
、イリジウムで形成する場合を例示的に説明したが、RIEによりパターニングを行う上
記実施形態と同様の効果を得ることができる圧電体層70の材料としては鉛系圧電体材料
であるPb(Zr,Ti)O、Pb(Mg,Nb)O−PbTiO、Pb(Zn,
Nb)O−PbTiO、非鉛系圧電体材料であるBiFeO、BaTiO、Ka
NbO、NaNbO、(Bi,K)TiO、(Bi,Na)TiO及びこれらの
材料を含む固溶体(Pb(Mg,Nb)O−Pb(Zr,Ti)Oや、BiFeO
−KNbO等)を挙げることができる。また、電極材料としてはAl、Cu、Au、P
t、Ag、Ru,Wが好適である。ただし、Ir、Cr、Ni、Pbのように難エッチン
グ金属であっても膜厚を薄く(例えば10nm程度)すれば良好に使用し得る。
【0066】
なお、パターニングを行うためのエッチング法としては、LaNiOx膜をエッチング
ストップ層として機能させることが可能であるため、RIEが最適であるが、これに限定
するものではない。物理的エッチング法として汎用されているイオンミリング法も適用し
得る。この場合、LaNiOx膜の膜厚は、例えば5〜200nm程度が望ましい。薄す
ぎると下地の絶縁体膜55までエッチングされてしまう可能性があるからである。ただ、
上記実施形態におけるLaNiOx(x=2.5乃至2.75)膜は絶縁膜であるので、
イオンミリング法によりパターニングを行う場合、LNO層56がアンダーエッチング状
態でエッチングを止めることができ、この場合でも所定のパターニングは可能になる。ア
ンダーエッチング状態でも不都合な短絡状態等を生起することがないからである。
【0067】
また、上記実施形態では、いわゆる共通上電極構造のものを示したが、これに限るもの
ではない。共通下電極構造のものでも同様に適用できる。ただ、共通上電極構造の場合の
方が共通下電極構造の場合に較べ、LaNiOx膜が絶縁膜であり、エッチングストップ
層として機能させることができるという性質がより有効に活かされる。エッチングストッ
プ層として機能させても必要な絶縁は保持され、しかも共通上電極構造の場合の方がより
広い領域に絶縁膜を形成しておく必要があるからである。つまり、共通下電極の場合より
も、共通上電極の場合のほうが、エッチングされる下電極の領域が広くなるためである。
なお、共通上電極構造の場合は圧電体層70のパターニング工程と、上電極膜80のパタ
ーニング工程とを独立に行うようにしたが、共通下電極構造の場合には圧電体層70のパ
ターニング工程と、上電極膜80のパターニング工程とを同時に行っても良い。
【0068】
上記実施形態においては酸化ジルコニウムで形成した絶縁体膜55上にLNO層56を
形成したが、かかる構成に限定するものではない。絶縁体膜55の酸化ジルコニウムは鉛
の拡散防止層としても機能させているので、圧電体層70が鉛系圧電材料で形成されてい
る場合には酸化ジルコニウム膜が必要であるが、圧電体層70が非鉛系圧電材料で形成さ
れている場合には、弾性膜50である酸化シリコン膜上に直接LNO層56を形成しても
構わない。この場合には、振動板は弾性膜50とLNO層56とで形成される。
【0069】
上記実施形態で製造されたインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連
通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記
録装置に搭載される。図8は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である

【0070】
図8に示すインクジェット式記録装置において、インクジェット式記録ヘッドを有する
記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2
Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3
は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。こ
の記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラ
ーインク組成物を吐出するものとしている。
【0071】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を
介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキ
ャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5
に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙
等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになって
いる。
【0072】
なお、図8に示す例では、インクジェット式記録ヘッドユニット1A、1Bは、それぞ
れ1つのインクジェット式記録ヘッドを有するものとしたが、特にこれに限定されず、例
えば、1つのインクジェット式記録ヘッドユニット1A又は1Bが2以上のインクジェッ
ト式記録ヘッドを有するようにしてもよい。もちろん、ヘッドユニット1A、1Bという
形式を取らずに、インクジェット式記録ヘッドを直接インクジェット式記録装置に搭載し
てもよい。
【0073】
また、上述したインクジェット式記録装置では、インクジェット式記録ヘッドを有する
ヘッドユニット1A、1Bがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示
したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドが固定されて、紙
等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置に
も本発明を適用することができる。
【0074】
なお、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッ
ドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、イン
ク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴
射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド
、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL
ディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射
ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0075】
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 50 弾性膜、 55 絶縁膜、 56
LNO層、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 300 圧電


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電素子と、振動板と、を備えた圧電アク
チュエーターの製造方法であって、
LaNiO(x=2.5乃至2.75)膜からなるLNO層を前記振動板上に形成す
る工程と、
前記LNO層上にエッチングを用いてパターニングし、前記第1電極を形成する工程と

前記LNO層及び前記第1電極上にエッチングを用いてパターニングし、前記圧電体層
を形成する工程と、
前記圧電体層上にエッチングを用いてパターニングし、前記第2電極を形成する工程と
、を有することを特徴とする圧電アクチュエーターの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載する圧電アクチュエーターの製造方法において、
前記エッチングはリアクティブ・イオン・エッチングで行うことを特徴とする圧電アク
チュエーターの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載する圧電アクチュエーターの製造方法において、
前記エッチングは前記LNO層をアンダーエッチング状態で残存させるようイオンミリ
ングで行うことを特徴とする圧電アクチュエーターの製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する圧電アクチュエーターの製造方法におい
て、
前記第1電極を個別電極、前記第2電極を共通電極として形成することを特徴とする圧
電アクチュエーターの製造方法。
【請求項5】
第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電素子と、振動板と、を備えた圧電アク
チュエーターであって、
前記振動板と前記第1電極との間に、LaNiO(x=2.5乃至2.75)からな
るLNO層を有することを特徴とする圧電アクチュエーター。
【請求項6】
請求項5に記載する圧電アクチュエーターを具備することを特徴とする液体噴射ヘッド

【請求項7】
請求項6に記載する液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−171335(P2011−171335A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30995(P2010−30995)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】