説明

地図出力装置、地図出力装置の制御方法、および地図出力装置の制御プログラム

【課題】ユーザが方角を容易に理解することができる地図出力装置を提供する。
【解決手段】地図表示装置は、装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段を備える。地図表示装置は、記憶手段に記憶された方角に基づいて、装置を使用するユーザが見た方角を上にした地図を取得し、取得された地図を可視出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は地図出力装置、地図出力装置の制御方法、および地図出力装置の制御プログラムに関し、特にユーザにとって装置の設置されている方角がわかるように加工された地図を表示することができる地図出力装置、地図出力装置の制御方法、および地図出力装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末において、現在地を含む地図を表示させることがある。目的対象物を上にした地図を表示することで、ユーザは移動しながら、目標までの方向を知ることができる。携帯端末で表示される地図の画像は粗く、印刷に耐えることができないことが多い。そこで、パソコンなどで再検索をすることで、高解像度の画像を得て印刷する方法がある。
【0003】
下記特許文献1(特開2002−116048号公報)は、現在地における地図上の方向の認識を容易にすることができる携帯用ナビゲーション装置を開示する。当該装置は、現在地と、それとは別の目的対象物とを地図上に識別可能に表示して、ユーザが実際に見ている現在地周辺と地図とを容易に関連付けできるようにする。目的対象物は、現在地を基準にして地図の上方に表示される。
【0004】
下記特許文献2(特開2002−36638号公報)は、携帯電子機器が保持している電子メール情報や、携帯電子機器から参照した比較的低解像度の情報を指定するURLから、実際の印刷に耐えうる高解像度の地図印刷情報を取得して印刷する印刷装置を開示している。パソコン等を使ってインターネット上のサーバから検索した地図情報のURLが、電子メールにて携帯電子機器に送信される。ユーザはその携帯電子機器を印刷装置に接続してURLを読み込ませる。印刷装置は読み込んだURLを用いてインターネットに接続して、高解像度の地図情報を取得して印刷する。
【特許文献1】特開2002−116048号公報
【特許文献2】特開2002−36638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置に搭載されたWEBブラウザにおいて地図検索を行い、その結果を表示もしくは印刷したとき、北が上になって表示される。このため、ユーザは現在位置(MFP)から目的地への方向が判りにくいという問題がある。
【0006】
携帯電話などに地図を表示させた場合には、北が上になって表示させても、それを閲覧するユーザ自身が同じ方向に向けば方角を合わせることができる。しかしながら、据え置き型のMFPの場合には、MFPの画面自体の向きも、それを閲覧するユーザ自体も向きを変えることは困難である。このため、MFPの大型パネルのブラウザによって地図を閲覧したとしてもユーザにとっては判り難いという課題があった。
【0007】
また、画面で確認した地図をプリントアウトしてユーザがMFPから離れた場合、画面を見ていた時と印刷物を見た時とで地図を見る方角が変わってしまい、ユーザに無用な混乱をきたしてしまうおそれがあった。
【0008】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが方角を容易に理解することができる地図出力装置、地図出力装置の制御方法、および地図出力装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、地図出力装置は、装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段と、記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得手段と、取得された地図情報を可視出力する出力手段とを備える。
【0010】
好ましくは記憶手段はさらに、装置が設置されている位置の情報を記憶し、出力手段は、装置が設置されている位置がわかるように地図情報を可視出力する。
【0011】
好ましくは取得手段は、記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって方角がわかるように地図情報を変換する変換手段を含む。
【0012】
好ましくは取得手段は、装置を使用するユーザが見た方角を上にした地図の情報を取得する。
【0013】
好ましくは取得手段は、記憶手段に記憶された方角に基づいて、装置を使用するユーザが見た方角を示す記号または文字を含む地図の情報を取得する。
【0014】
好ましくは出力手段は、表示手段と印刷手段とを備え、取得手段は、表示手段で表示出力する場合と印刷手段で印刷出力する場合とで異なる形態の地図情報を取得する。
【0015】
好ましくは地図表示装置は、表示手段では、装置の方角に応じて変換された地図を出力し、印刷手段では、正規の地図情報に装置の方角情報を合成した地図を出力する。
【0016】
好ましくは表示手段は、変換がされない地図を出力することが可能であり、印刷手段は、表示手段で変換がされない地図が出力されたときには、変換がされない地図を出力する。
【0017】
好ましくは取得手段は、ユーザによって実行された検索に基づいて地図情報を取得する。
【0018】
好ましくは地図出力装置は、装置の設置されている方角に応じた地図の出力と、正規の地図の出力とをユーザに選択させる選択キーを備える。
【0019】
この発明の他の局面に従うと、装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段を備えた地図出力装置の制御方法は、記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得ステップと、取得された地図情報を可視出力する出力ステップとを備える。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段を備えた地図出力装置の制御プログラムは、記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得ステップと、取得された地図情報を可視出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
これらの発明に従うと、ユーザが方角を容易に理解することができる地図出力装置、地図出力装置の制御方法、および地図出力装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPについて説明する。
本実施の形態においては、あらかじめMFPに当該MFPがどの方角を向いているかが設定される。地図検索結果を表示または印刷するときに、MFPの前(現在地)に立ったユーザの方向を上にした地図を示すことで、目的地がどの方向にあるかを容易にユーザに示すことができる。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける地図表示システムの構成を示す図である。
図を参照して地図表示システムは、ブラウザを備えたMFP100と、地図データを記憶し、所望とされるデータを検索してMFP100に送信するWEBサーバ200と、MFPとWEBサーバとを繋ぐネットワーク300とから構成される。
【0024】
MFP(印刷装置)100の備えるブラウザにより、ネットワーク300を介した地図検索が実行される。
【0025】
なお、ここではネットワーク300を介した地図検索を実行することとするが、MFP内に地図データを記憶させておき、MFP内で地図検索を行なうこととしてもよい。
【0026】
図2は、MFP100のハードウェア構成を示すブロック図である。
MFP100は、装置全体の制御を行なうCPU20と、ユーザからの操作入力を受付ける操作部11と、地図その他の情報の表示を行なうディスプレイ部12と、ユーザ認証を行なうユーザ認証部24と、MFPで実行されるジョブを解析するジョブ解析部25と、近距離の無線通信を行なうための無線通信制御部26と、ネットワーク、電話回線、および無線通信のための通信インタフェース16と、装置制御のためのプログラムや定数を記憶するROM21と、プログラムやジョブデータなどの一時的な記憶を行なうRAM22と、給紙装置18と、プリントを行なうプリンタ部14と、プログラムやジョブデータなどを格納するハードディスク23と、原稿のスキャンを行なうスキャナ部13と、原稿の搬送を行なうドキュメントフィーダ17とを備える。
【0027】
また、MFP100には必要に応じて、MFPの現在位置を取得するためのGPSユニット51や、MFPの設置されている方向を検出するためのデジタルコンパス53が接続される。
【0028】
ブラウザのソフトウェアは、RAM22の記憶領域22aやハードディスク23の記憶領域23aに記憶される。
【0029】
図3は、図1のWEBサーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図を参照して、WEBサーバ200は、装置全体の制御を行なうCPU601と、ディスプレイ605と、ネットワークに接続したり外部と通信を行なうためのLAN(ローカルエリアネットワーク)カード607(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力装置609と、フレキシブルディスクドライブ611と、CD−ROMドライブ613と、ハードディスクドライブ615と、RAM617と、ROM619とを備えている。なお、CD−ROMドライブに代えてDVD−ROMドライブなどを接続してもよい。
【0030】
フレキシブルディスクドライブ611により、フレキシブルディスクFに記録されたプログラムや画像などのデータを読取ることが可能であり、CD−ROMドライブ613により、CD−ROM613aに記録されたプログラムや画像などのデータを読取ることが可能である。
【0031】
図4は、MFP100の機能構成を示すブロック図である。
MFP100はネットワーク300に接続された印刷装置システムとして機能し、記憶部101と、表示部103と、操作部105と、印刷部107と、画像処理部109とを備える。
【0032】
記憶部101には、MFP100の設置されている位置と設置されている方向(方角)とが記憶される。また、地図の表示方法、および印刷方法が記憶される。
【0033】
図5は、MFP100の実行する地図表示処理を説明する図である。
図を参照して表示部103においてはブラウザにより情報入力画面が表示される。地図の検索開始がユーザから指示されると、ネットワークまたは記憶部101から該当する地図データの取得が行なわれる。取得された地図データは、記憶部101に記憶された表示形態、MFPの位置、および方角に基づいて画像処理部109で処理される。処理された地図データが検索結果として表示部103のブラウザで表示される。
【0034】
図6は、MFPの設置されている方向を説明するための斜視図であり、図7はその平面図である。
【0035】
ユーザPは、操作のためにMFP100の表示部103の前に立つこととなる。このときユーザPが向いている方向をMFPの設置方向とする。すなわちこの例では、南がMFPの設置されている方向とされる。
【0036】
図8は、MFP100の実行する地図取得処理を示すフローチャートである。
ステップS101において、管理者による現在地の設定が行なわれる。ステップS103において、管理者による表示形態の設定が行なわれる。ステップS101およびS103の処理は、通常はMFPを設置するときや、位置を変えるときに行なわれる。
【0037】
ステップS105において、ユーザからの目的地(MFPの現在位置からの経路探索を行なう目的となる地点)の設定を受付ける。ステップS107において、MFPの現在位置から目的地までの経路探索が行なわれ、MFPの現在位置と目的地の双方が含まれる縮尺の地図データが検索される。
【0038】
ステップS109において、ブラウザ画面で検索された地図データの表示が行なわれる。
【0039】
ステップS111において、ユーザによる印刷時の設定が行なわれ、ステップS113において印刷が開始される。
【0040】
図9は、図8の管理者による現在地の設定処理(S101)の内容を示すフローチャートである。
【0041】
ステップS201で管理者による現在地の設定を受付ける。現在地の設定方法としては、以下のいずれかの方法が用いられる。
【0042】
(1) 管理者が現住所を入力して設定する方法。
(2) 管理者がGPSユニットの得た緯度経度情報より現在地情報を取得して設定する方法(または、MFPがGPSユニットから緯度経度情報を自動取得し、自動的に現在地を設定するようにしてもよい)。
【0043】
(3) 管理者が現在地の近くの住所を検索し、地図上でポインタを移動させて現在地を設定する方法。
【0044】
(4) なお管理者によらず、ユーザが検索開始前に現在地を設定することとしてもよい。
【0045】
ステップS203で管理者によるMFPの設置方向(方角)の設定を受付ける。設置方向の設定方法としては、以下のいずれかの方法が用いられる。
【0046】
(1) 管理者が実際の方角をコンパスなどで調べて入力する方法。
(2) 管理者がMFP内蔵のデジタルコンパスから方角情報を取得して設定する方法(または、MFPがデジタルコンパスから方角情報を自動取得し、自動的に設置方向を設定するようにしてもよい)。
【0047】
(3) 管理者が地図検索により現在地に対してのMFPの設置方向を地図上より特定して設定する方法。
【0048】
(4) なお管理者によらず、ユーザが検索開始前に方向を設定することとしてもよい。
【0049】
図10は、図9の設定処理においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【0050】
この画面においては、管理者が現在の位置情報とMFPの方角とを直接入力することとしている。「設定」キーが押下されると、設定内容が確定される。
【0051】
図11は、図10の画面の変形例を示す図である。
ここでは、「自動取得」キーが表示される。「自動取得」キーが押下されることで、GPSユニットやデジタルコンパスから位置情報、方角情報が取得され、現在の位置情報およびMFPの方角の入力欄に自動的に入力される。管理者は、それを修正することも可能である。「設定」キーが押下されると、設定内容が確定される。
【0052】
なお、ネットワークを介した管理者の遠隔設定を受付けるようにしてもよい。また、ユーザが設定を行なう場合、図10または図11の画面が地図検索前に表示される。
【0053】
図12は、図8の管理者による表示形態の設定処理(S103)の内容を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS301において、表示形態を変更するかの入力を受付け、NOであればステップS303で通常表示に設定し、ステップS305で表示形態を確定させる。
【0055】
ステップS301でYESであれば、ステップS307で回転表示か矢印表示かのいずれかが選択されたかが判定される。NOであればステップS303へ進む。
【0056】
ステップS307でYESであれば、ステップS309で回転表示が選択されたかを判定する。YESであれば、ステップS311で回転表示に設定し、ステップS305へ進む。
【0057】
ステップS309でNOであれば、ステップS311で矢印表示に設定し、ステップS305へ進む。
【0058】
図13は、図12の設定処理においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【0059】
この画面においては、管理者が3つの表示形態の中から設定するものを選択することとしている。「設定確定」キーが押下されると、設定内容が確定される。
【0060】
図14は、図8の目的地の設定処理(S105)においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【0061】
この画面においてユーザは、地図検索の対象となるキーワード、エリア、種類などを入力する。また図14の画面において、表示形態の設定を検索前にユーザが行なうことも可能である。
【0062】
図15は、図8の地図の結果表示処理(S109)の内容を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS401において、表示形態のマニュアル設定を行なうかの入力を受付け、NOであればステップS403で現在の表示形態の設定を反映させる。ステップS405で、表示形態に基づいて地図の検索結果を表示する。
【0064】
ステップS401でYESであれば、ステップS407で回転表示が選択されたかを判定する。YESであれば、ステップS409で回転表示に設定し、ステップS405へ進む。
【0065】
ステップS407でNOであれば、ステップS411で矢印表示が選択されたかを判定する。YESであれば、ステップS413で矢印表示に設定し、ステップS405へ進む。
【0066】
ステップS411でNOであれば、ステップS415で通常表示に設定し、ステップS405へ進む。
【0067】
図16は、図15の結果表示処理(S405)においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【0068】
検索結果である地図データが、設定された表示形態で表示される。検索結果の表示をそのまま印刷することも可能であるが、画面下のキーを選択することで表示形態を変えて印刷を行なうこともできる。すなわち、図8のステップS111で印刷時の表示形態を設定してからその形態で印刷を行なうこともできる。
【0069】
また、画面の表示形態を変更するための入力をユーザから受付けるようにしてもよい。
図17は、地図の通常表示の具体例を示す図である。
【0070】
通常表示においては、北を上にして地図が表示される。また、MFPの設置されている現在地と、入力された目的地と、現在地から目的地に至る経路とが地図上に表示される。地図の縮尺は、現在地と目的地が1画面に表示可能なものが選択される(または現在地と経路の一部のみを表示する縮尺としてもよい)。
【0071】
図18は、地図の回転表示の具体例を示す図である。
回転表示においては、MFPの設置された方向を上にして地図が表示される。MFPの設置されている現在地と、入力された目的地と、現在地から目的地に至る経路とが地図上に表示される。
【0072】
ここではMFPの設置された方向(すなわち、MFPの表示部を見るユーザが向いている方向)を上にして地図が表示されるため、ユーザは自分が向いている方向から目的地に向かう経路を直感的に把握しやすくなる。
【0073】
図19は、地図の矢印表示の具体例を示す図である。
矢印表示においては、北(あるいは他の方向でもよい)を上にして地図が表示される。また、MFPの設置された方向がMFPの設置された現在地の表示の上に矢印で示される。現在地と、入力された目的地と、現在地から目的地に至る経路とが地図上に表示される。矢印として、たとえばカラーの矢印などを表示させると目立ちやすい。
【0074】
ここではMFPの設置された方向(すなわち、MFPの表示部を見るユーザが向いている方向)が矢印で表示されるため、ユーザは自分が向いている方向から目的地に向かう経路を把握しやすくなる。
【0075】
なお、ユーザから見た方角を示す記号や文字を含む地図を出力するようにしてもよい。
図20は、図8の印刷時の設定処理(S111)の内容を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS501において、画面上で通常表示が行なわれているかを判定し、NOであればステップS503で現在の表示形態を印刷設定に反映させる。
【0077】
ステップS501でYESであれば、ステップS505で地図の回転表示での印刷(回転印刷)が選択されたかを判定する。YESであれば、ステップS507で回転印刷に設定する。
【0078】
ステップS505でNOであれば、ステップS509で地図の矢印表示での印刷(矢印印刷)が選択されたかを判定する。YESであれば、ステップS511で矢印印刷に設定する。
【0079】
ステップS509でNOであれば、ステップS513で地図の通常表示での印刷(通常印刷)に設定する。
【0080】
以上のように構成されたMFPなどは、以下のように動作する。
あるユーザがMFPのWEBブラウザを使用して地図検索サイトにアクセスしたとき、またはPCや携帯電話などから受信した地図情報データ(地図のURLや携帯やPCでの目的地の検索ワードなど)で地図検索を行なうとき、通常表示では北が上になった検索結果の地図が表示される(図17)。これに代えて、MFPの前に立ったときの方角に応じた地図を作成することで(図18)、MFPのある現在地に対して目的地がどちらの方向であるかを容易に示すことができる。
【0081】
このために管理者はまず、MFPの位置情報(住所やGPSからの情報(緯度経度)など)と、方角情報(ユーザがMFPの前に立ったときに向く方角)を設定する。これら情報は、GPSにより自動的に取得してきて住所として設定することも可能であるし、デジタルコンパスなどで自動的に取得することも可能である。位置情報と方角情報とを利用して、MFPの方角を考慮した地図を作成する。仮にMFPの前にユーザが立ったときの向きが南であるとき、地図を回転させて南を上にした地図の表示(または印刷)を行なう。または、通常の地図の上に現在地にいるユーザの向きを矢印などで示した地図の表示(または印刷)を行なう。
【0082】
なお、画面の表示と印刷とで出力する地図を変えることができるため、画面に表示する場合には装置の方角に応じて変換された地図を表示し、印刷する場合には正規の地図(北を上にした地図)に装置の方角情報を合成した地図を出力することができる。印刷された地図は、ユーザの方向に従って容易に回転させることができるため、北を上にして表示しても特に問題ないためである。
【0083】
また画面の表示で通常表示が選択されているときには、自動的に通常印刷が設定されるようにすることで表示と同じ形態での印刷を行ない、回転表示や矢印表示が設定されている場合には、ユーザが見ていた方角を示す画像を合成して印刷することとしてもよい。
【0084】
なお、正規の地図のデータの記憶場所は、MFP内でもよいし、サーバ内でもよい。さらに、正規の地図のデータをユーザにとって装置の設置されている方角がわかるように加工(回転、矢印の合成など)する処理は、MFP内で行なってもよいし、サーバ内で行なってもよい。
【0085】
[実施の形態における効果]
通常の地図検索では北が上となった地図が表示、印刷されるため、ユーザは目的地へ向かう方角が理解し難い。本実施の形態では、現在地にあるMFPの位置とユーザが向いている方角と目的地の方向とを直感的にユーザが理解しやすい。ユーザは、現在地から目的地までの方向を直感的に理解することができるため、仮に道に迷っても目的地から離れていく方向には向かわないという効果がある。
【0086】
[その他]
本発明はMFP、街頭や店内に設置される情報表示装置、PCなどの地図出力装置に対して実施することができる。また本発明は、簡単には向きや位置を変えることができない地図表示装置に対して特に有効である。
【0087】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0088】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0089】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける地図表示システムの構成を示す図である。
【図2】MFP100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1のWEBサーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】MFP100の機能構成を示すブロック図である。
【図5】MFP100の実行する地図表示処理を説明する図である。
【図6】MFPの設置されている方向を説明するための斜視図である。
【図7】MFPの設置されている方向を説明するための平面図である。
【図8】MFP100の実行する地図取得処理を示すフローチャートである。
【図9】図8の管理者による現在地の設定処理(S101)の内容を示すフローチャートである。
【図10】図9の設定処理においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【図11】図10の画面の変形例を示す図である。
【図12】図8の管理者による表示形態の設定処理(S103)の内容を示すフローチャートである。
【図13】図12の設定処理においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【図14】図8の目的地の設定処理(S105)においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【図15】図8の地図の結果表示処理(S109)の内容を示すフローチャートである。
【図16】図15の結果表示処理(S405)においてMFPの表示部103に表示される画面を示す図である。
【図17】地図の通常表示の具体例を示す図である。
【図18】地図の回転表示の具体例を示す図である。
【図19】地図の矢印表示の具体例を示す図である。
【図20】図8の印刷時の設定処理(S111)の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
11 操作部、12 ディスプレイ部、13 スキャナ部、14 プリンタ部、16 通信インタフェース、17 ドキュメントフィーダ、18 給紙装置、22 RAM、22a 記憶領域、23 ハードディスク、23a 記憶領域、24 ユーザ認証部、25 ジョブ解析部、26 無線通信制御部、51 GPSユニット、53 デジタルコンパス、101 記憶部、103 表示部、105 操作部、107 印刷部、109 画像処理部、200 サーバ、300 ネットワーク、P ユーザ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって前記装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得手段と、
前記取得された地図情報を可視出力する出力手段とを備えた、地図出力装置。
【請求項2】
前記記憶手段はさらに、前記装置が設置されている位置の情報を記憶し、
前記出力手段は、前記装置が設置されている位置がわかるように前記地図情報を可視出力する、請求項1に記載の地図出力装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって方角がわかるように地図情報を変換する変換手段を含む、請求項1または2に記載の地図出力装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記装置を使用するユーザが見た方角を上にした地図の情報を取得する、請求項1から3のいずれかに記載の地図出力装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記記憶手段に記憶された方角に基づいて、前記装置を使用するユーザが見た方角を示す記号または文字を含む地図の情報を取得する、請求項1から4のいずれかに記載の地図出力装置。
【請求項6】
前記出力手段は、表示手段と印刷手段とを備え、
前記取得手段は、前記表示手段で表示出力する場合と前記印刷手段で印刷出力する場合とで異なる形態の地図情報を取得する、請求項1から5のいずれかに記載の地図出力装置。
【請求項7】
前記表示手段では、装置の方角に応じて変換された地図を出力し、
前記印刷手段では、正規の地図情報に装置の方角情報を合成した地図を出力する、請求項6に記載の地図出力装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記変換がされない地図を出力することが可能であり、
前記印刷手段は、前記表示手段で前記変換がされない地図が出力されたときには、前記変換がされない地図を出力する、請求項7に記載の地図出力装置。
【請求項9】
前記取得手段は、ユーザによって実行された検索に基づいて地図情報を取得する、請求項1から8のいずれかに記載の地図出力装置。
【請求項10】
前記装置の設置されている方角に応じた地図の出力と、正規の地図の出力とをユーザに選択させる選択キーを備えた、請求項1から9のいずれかに記載の地図出力装置。
【請求項11】
装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段を備えた地図出力装置の制御方法であって、
前記記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって前記装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得ステップと、
前記取得された地図情報を可視出力する出力ステップとを備えた、地図出力装置の制御方法。
【請求項12】
装置の設置されている方角を記憶するための記憶手段を備えた地図出力装置の制御プログラムであって、
前記記憶手段に記憶された方角に基づいて、ユーザにとって前記装置の設置されている方角がわかるように加工された地図情報を取得する取得ステップと、
前記取得された地図情報を可視出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる、地図出力装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−180894(P2008−180894A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14085(P2007−14085)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】