説明

地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置

【課題】 ナビゲーション装置の負荷を軽減できる地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置を提供する。地図描画機能の変更の際に要する労力を軽減することができる地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置を提供する。
【解決手段】 GPS受信部13及び道路データ記憶部14を備えたナビ装置10と、座標に関連付けられた地図描画データ26aを格納した地図描画データ記憶部26及び地図画像を表示するタッチパネル24を備えた入出力装置20は、データを送受信可能に接続されている。ナビ装置10は、自車位置の座標及び方位を入出力装置20に送信する。入出力装置20は、受信した座標及び方位に対応する地図描画データ26aを地図描画データ記憶部26から読出して、タッチパネル24に表示する。さらに、座標及び方位に基づいて、自車位置マークをタッチパネル24に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されるナビゲーション装置では、自車位置を、自車位置周辺の地図画像に重ねてディスプレイに表示する自車位置表示機能と、目的地までの最適な経路を探索する経路探索機能と、経路を地図上に表示する経路案内機能とを備えている。各地図画像をディスプレイに表示するための地図描画データは、ナビゲーション装置が具備する記憶手段に格納されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、最近では、ユーザの指定により、平面図だけでなく、鳥瞰図、立体図等の地図画像を表示するナビゲーション装置が提案されている。また、自車位置マークの図柄がユーザによって選択できるナビゲーション装置等も提案されている。
【特許文献1】特開平10−122890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、地図表示機能が多様化し、その描画データ量が大きくなるに従い、各描画データの読出処理、描画処理等を行うことにより、ナビゲーション装置にかかる負荷が大きくなる可能性がある。このため、ナビゲーション装置の案内処理が遅れ、迅速な経路案内処理等に悪影響を与える可能性がある。
【0005】
また、道路新設等による地図の更新、又はユーザーインターフェースのさらなる向上等を図るため、地図描画データの更新、地図の表示様式等の変更を行う場合、ナビゲーション装置の本質的な処理機能が経路探索機能や経路案内処理機能等であるにも関わらず、ナビゲーション装置のソフトウェア等の変更が必要となる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ナビゲーション装置の負荷を軽減できる地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、地図描画機能の変更の際に要する労力を軽減することができる地図描画方法、地図描画システム、ナビゲーション装置及び入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とを使用して、前記表示手段に地図画像を表示する地図描画方法であって、前記ナビゲーション装置が、自車位置を示す位置データを前記入出力装置に送信する段階と、前記入出力装置が、受信した前記位置データに対応する地図データを前記地図データ記憶手段から読出す段階と、読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を表示する段階と、受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する段階とを有していることを要旨とする

【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の地図描画方法において、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含み、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する段階と、前記入出力装置が、受信した前記識別データと前記地図データの識別データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示する段階とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の地図描画方法において、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含み、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、前記案内経路を示す前記座標データを前記入出力装置に送信する段階と、前記入出力装置が、受信した前記座標データと前記地図データの前記座標データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示する段階とを備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の地図描画方法において、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する段階と、自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する段階と、前記入出力装置が、前記描画指示データに基づいて、前記誘導図表示地点に関する誘導図を表示するための地図データを前記地図データ記憶手段から読出す段階と、読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に誘導図を表示する段階とを備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の地図描画方法において、前記誘導図及び前記誘導図表示地点は、それぞれ交差点拡大図及び交差点であって、前記描画指示データは、交差点の形状及び自車の進行方向を示すデータを有することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とから構成される地図描画システムであって、前記ナビゲーション装置が、自車位置を示す位置データを前記入出力装置に送信する第1送信手段を備え、前記入出力装置が、受信した前記位置データに対応する地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第1読出手段と、読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を出力する第1表示制御手段と、受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する位置表示制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の地図描画システムにおいて、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含み、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備え、前記入出力装置の前記第1表示制御手段
が、受信した前記識別データと前記地図データの識別データとに基づいて、案内経路を表示する経路指標を前記表示手段に表示することを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の地図描画システムにおいて、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含み、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路を示す前記位置データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備え、前記入出力装置の前記第1表示制御手段が、受信した前記座標データと前記地図データの座標データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示することを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか一つに記載の地図描画システムにおいて、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する第3送信手段とを備え、前記入出力装置が、前記描画指示データに基づいて、前記誘導図表示地点に関する誘導図を表示するための地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第2読出手段と、読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に誘導図を表示する第2表示制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置において、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備えた入出力装置とデータを送受信可能に接続されるとともに、自車位置の位置データを前記入出力装置に送信する第1送信手段を備えたことを要旨とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データは、前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データが有する、道路を識別するための識別データを含むとともに、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備えたことを要旨とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載のナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データは、前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データが有する、道路を識別するための座標データを含むとともに、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路を示す前記座標データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備えたことを要旨とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項10〜12のいずれか一つに記載のナビゲーション装置において、前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する第3送信手段とを備えることを要旨とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーショ
ン装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置であって、地図画像を表示する表示手段と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置から送信された、自車位置の位置データを受信する受信手段と、受信した前記位置データに基づいて、前記地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第1読出手段と、読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を出力する第1表示制御手段と、受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する位置表示制御手段とを備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、自車位置検出手段を備え、道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び表示手段を備えた入出力装置とは、データを送受信可能に接続されている。また、表示手段に地図画像を表示する際には、ナビゲーション装置が、自車位置の位置データを入出力装置に送信する。さらに、入出力装置により、位置データに対応する地図データを読出し、読出した地図データを表示手段に表示する。また、位置データに基づいて自車位置指標の位置を表示する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい位置データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビゲーション装置は、地図データの読出処理等を行うことなく、データ量の小さい位置データを使用して自車位置表示を行うため、演算処理の負荷が軽減される。さらに、入出力装置の地図データを変更しても、ナビゲーション装置のソフトウェア等は変更する必要がないので、地図データ変更の際の労力が軽減される。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、道路データ記憶手段の道路データ及び入出力装置が具備する地図データ記憶手段に格納された地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含む。また、ナビゲーション装置は、案内経路を算出し、その案内経路を示す識別データを入出力装置に送信する。さらに、入出力装置は、受信した識別データと、地図データの識別データとに基づいて、案内経路指標を表示手段に表示する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい識別データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、道路データ記憶手段の道路データ及び入出力装置が具備する地図データ記憶手段に格納された地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含む。また、ナビゲーション装置は、案内経路を算出し、その案内経路を示す座標データを入出力装置に送信する。さらに、入出力装置は、受信した座標データと、地図データの座標データとに基づいて、案内経路指標を表示手段に表示する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい座標データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、ナビゲーション装置が、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する段階と、その地点に接近した際に、誘導図の描画を指示するための描画指示データを送信する段階とを有する。また、入出力装置が、描画指示データに基づいて、誘導図を表示する地図データを読出す段階と、その地図データに基づいて誘導図を表示手段に表示する段階とを有する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい描画指示データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、誘導図及び誘導図表示地点は、交差点拡大図及び交差点であって、描画指示データは、交差点の形状及び進行方向を有する。このため、描画指示データのデータ量を縮小化することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、地図描画システムは、自車位置検出手段を備え、道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置を備えている。また、地図描画システムは、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び表示手段を備えた入出力装置を備えている。これらのナビゲーション装置及び入出力装置は、互いにデータを送受信可能に接続されている。また、ナビゲーション装置は、自車位置の位置データを入出力装置に送信する第1送信手段を有している。さらに、入出力装置は、位置データに対応する地図データを読出す第1読出手段と、読出した地図データを表示手段に表示する第1表示制御手段と、位置データに基づいて自車位置指標を表示する位置表示制御手段とを備えている。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい位置データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビゲーション装置は、地図データの読出処理等を行うことなく、データ量の小さい位置データを使用して自車位置表示を行うため、演算処理の負荷が軽減される。さらに、入出力装置の地図データを変更しても、ナビゲーション装置のソフトウェア等は変更する必要がないので、地図データ変更の際の労力が軽減される。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、道路データ記憶手段に格納された道路データ及び入出力装置の地図データ記憶手段に格納された地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含む。また、地図描画システムのナビゲーション装置は、案内経路を算出する探索手段と、案内経路を示す識別データを入出力装置に送信する第2送信手段とを備える。さらに、入出力装置の第1表示制御手段は、受信した識別データと、地図データの識別データとに基づいて、案内経路を表示するための経路指標を表示する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい識別データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、道路データ記憶手段に格納された道路データ及び入出力装置の地図データ記憶手段に格納された地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含む。また、地図描画システムのナビゲーション装置は、案内経路を算出する探索手段と、案内経路を示す座標データを入出力装置に送信する第2送信手段とを備える。さらに、入出力装置の第1表示制御手段は、受信した座標データと、地図データの座標データとに基づいて、案内経路を表示するための経路指標を表示する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい座標データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、誘導図表示地点に接近した際に、誘導図の描画を指示するための描画指示データを入出力装置に送信する第3送信手段とを備える。また、入出力装置が、描画指示データに基づいて、誘導図を表示するための地図データを読出す第2読出手段と、その地図データに基づいて誘導図を表示手段に表示する第2表示制御手段とを有する。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい描画指示データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、自車位置検出手段を備え、道路データを読出可能に構成されている。また、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備えた入出力装置にデータを送受信可能に接続されている。また、自車位置の位置データを、入出力装置に送信する第1送信手段を備えている。このため、自車位置の位置データを受信した入出力装置は、位置データに基づいて、自車位置周辺の地図データを読出し、表示手段に表示することができる。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい位置データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
また、ナビゲーション装置は、地図データの読出処理等を行うことなく、データ量の小さい位置データを使用して自車位置表示を行うため、演算処理の負荷が軽減される。さらに、入出力装置の地図データを変更しても、ナビゲーション装置のソフトウェア等は変更する必要がないので、地図データ変更の際の労力が軽減される。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、案内経路を示す識別データを入出力装置に送信する第2送信手段とを備える。また、識別データは、道路データ及び入出力装置の地図データ記憶手段に格納された地図データが共有している。このため、ナビゲーション装置から受信した識別データに基づいて、入出力装置が地図データを読出して、表示手段に表示することができる。また、ナビゲーション装置から、データ量の小さい識別データが送信されるので、データ転送時間を短くすることができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、案内経路を示す座標データを入出力装置に送信する第2送信手段とを備える。また、座標データは、道路データ及び入出力装置の地図データ記憶手段に格納された地図データが共有している。このため、ナビゲーション装置から受信した座標データに基づいて、入出力装置が地図データを読出して、表示手段に表示することができる。また、ナビゲーション装置から、データ量の小さい座標データが送信されるので、データ転送時間を短くすることができる。
【0034】
請求項13に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、誘導図の描画を指示するための描画指示データを入出力装置に送信する第3送信手段とを備える。このため、ナビゲーション装置は、地図データよりもデータ量の小さい描画指示データを送信するので、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0035】
請求項14に記載の発明によれば、入出力装置は、自車位置検出手段を備え、道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続されている。また、入出力装置は、地図画像を表示する表示手段と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段とを備える。さらに、自車位置の位置データをナビゲーション装置から受信する受信手段と、受信した位置データに基づいて地図データを読出す読出手段と、読出された地図データに基づいて、表示手段に地図画像を表示する表示制御手段とを備える。つまり、入出力装置が地図データ記憶手段を一体に備えるので、入出力装置の地図データを変更しても、ナビゲーション装置のソフトウェア等は変更する必要がない。従って、地図データ変更の際の労力が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、本実施形態の経路案内システムの構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、地図描画システムとしての経路案内システム1は、車両に搭載されるナビゲーション装置(以下、単にナビ装置と言う)10及び入出力装置20を備えている。ナビ装置10は、自車位置検出手段、第1送信手段、探索手段、第2送信手段、判断手段及び第3送信手段を構成する案内制御部11を備えている。案内制御部11は、経路を探索するためのCPU、RAM等のハードウェア、探索用プログラム、自車位置表示用プログラム、拡大図表示プログラム、拡大図更新プログラム等のソフトウェアを備えた案内用モジュールである。
【0037】
また、ナビ装置10は、受信制御手段、送信制御手段を構成する送受信制御部12を備
えている。送受信制御部12は、ケーブル7を介して、入出力装置20との各種データの送受信を制御する。これらの送受信制御部12及びケーブル7は、公知のインターフェース及びケーブルであって、例えば、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)規格等のインタフェース及びケーブルが使用可能である

【0038】
また、ナビ装置10は、自車位置検出手段を構成するGPS(Global Positioning System)受信部13を備え、GPS衛星から受信した電波に基づき、自車位置の緯度、経度
、高度を算出する。案内制御部11は、GPS衛星からの電波受信状況が良好でない場合に、車両に設けられた車速センサ5、方位センサ6から各種データを受信して、相対移動距離、相対方位を算出して自車位置を求めたり、GPS受信部13に基づいて算出した自車位置の補正を行う。
【0039】
さらに、ナビ装置10は、道路データ記憶手段としての道路データ記憶部14を備えている。道路データ記憶部14は、ハードディスクから構成され、識別データ、座標データ、及び交差点データを有する各道路データ15を格納している。各道路データ15は、全国を単位区域ごとに区画した各エリア内にある道路のデータであって、識別データとしてのノードデータ及びリンクデータ、緯度、経度等から構成される座標データ、道路幅員データ、道路種別データ等の各種情報を有している。また、道路データ15は、交差点(誘導図表示地点)の概略形状等からなる交差点データ(描画指示データ)を有している。
【0040】
ナビ装置10とケーブル7を介して接続された入出力装置20は、第1読出手段、第1表示制御手段、位置表示制御手段、第2読出手段、第2表示制御手段及び受信手段を構成する入出力制御部21を備えている。入出力制御部21は、CPU等のハードウェア及びソフトウェアから構成されている。また、入出力制御部21は、ケーブル7と接続されたIEEE1394規格等のインターフェース(I/F)22を介してナビ装置10と各種データを送受信可能に接続されている。
【0041】
さらに、入出力装置20は、表示手段としての表示部23を備えている。表示部23には、各画像を表示するタッチパネル24と各スイッチ25とが備えられている。入出力制御部21は、タッチパネル24、各スイッチ25の操作により各種命令を実行する。
【0042】
また、入出力装置20は、地図データ記憶手段を構成するハードディスクからなる地図描画データ記憶部26を備えている。地図描画データ記憶部26には、全国を単位区域ごとに区画した各エリアに対応する、地図データ、識別データ、座標データを構成する地図描画データ26aが格納されている。地図描画データ26aには、「市街地」、「私有地」、「施設」等、道路以外の場所を識別するための識別子及びそれらの領域を描画するための背景データが含まれている。また、ナビ装置10の有する道路データ15に含まれる、交差点データに基づいて、交差点の拡大図を描画するためのデータ、道路名、施設名等の文字データ等も含まれている。
【0043】
さらに、地図描画データ26aには、地図が描画する道路に対応した、識別データとしてのノードデータ及びリンクデータと、経度・緯度等の座標データとが含まれている。即ち、地図描画データ26aは、ナビ装置10の道路データ記憶部14に格納された道路データ15と共通するノードデータ、リンクデータ及び座標データを有している。
【0044】
また、入出力装置20は、地図データ記憶手段を構成するハードディスクからなる画面描画データ記憶部27を備えている。画面描画データ記憶部27には、各画面意匠(画面のデザイン、表示様式)に応じて、各種画面を表示するための地図データを構成する画面描画データ27aが格納されている。例えば、画面描画データ27aは、メニュー画面、
検索画面等の地図以外の画像を示す描画データであって、その画面に連続して表示される他の画面の識別子等を示す遷移データが付与されている。また、画面描画データ27aは、矢印、自動車のマーク等の自車位置マーク(自車位置指標)を表示するための各描画データである。さらに、画面描画データ27aは、建物等を地図画像上に立体的に表示するためのデータや、自車位置から視た建物の高さ、幅等を演算するためのプログラム等である。また、ナビ装置10は、地図描画データ26a等を一時格納するためのRAM29を備えている。
【0045】
次に、自車位置表示プログラムに基づく自車位置表示処理について図2に従って説明する。この処理では、入出力装置20及びナビ装置10が、自車位置表示モードに設定されているものとする。
【0046】
また、ナビ装置10が、探索用プログラムに従って目的地までの経路を探索する経路探索モードに設定されている場合には、経路探索処理を行う。経路探索処理では、ナビ装置10は、ケーブル7を介して入出力装置20から、目的地を指定するためのデータを受信する。このデータは、入出力装置20のスイッチ25、タッチパネル24等が操作されることにより、入出力装置20に入力されたデータである。ナビ装置10は、この受信したデータと、自車位置とに基づいて、道路データ15を使用して、目的地までの最適な案内経路を探索する。また、案内制御部11は、案内経路に基づいた識別データ(ノードデータ、リンクデータ)及び座標データの少なくとも一方を、ケーブル7を介して入出力装置20に送信する。
【0047】
そして、ナビ装置10の案内制御部11は、車速センサ5、方位センサ6及びGPS受信部13に基づいて、所定時間ごとに、自車位置を示す座標データ及び方位データ(位置データ)をケーブル7を介して入出力装置20に送信する(ステップS1−1)。
【0048】
入出力装置20の入出力制御部21は、座標データ及び方位データを受信すると、タッチパネル24に既に表示されている画像の変更が必要か否かを判断する(ステップS1−2)。つまり、入出力制御部21が、その時点での自車位置が、図3に示す地図画像100上に鎖線で示す自車位置マーク101から更に進行し、既にタッチパネル24に表示された地図画像100の領域外にあると判断したとき、自車位置を含む地図画像への変更が必要であると判断する。さらに、入出力制御部21は、ユーザの操作等により、自車位置マークの変更設定、立体表示設定等の、表示様式の変更設定が行われているか否かを判断し、それらの設定が行われている場合には、地図画像の変更が必要であると判断する。
【0049】
そして、入出力制御部21が、画像の変更が必要であると判断した場合には(ステップS1−2においてYES)、入出力制御部21は、地図描画データ26a又は画面描画データ27aの読出しを行う(ステップS1−3)。具体的には、入出力制御部21は、自車位置の移動により地図画像を変更する必要があると判断した場合には、自車位置周辺の地図を表示するために必要な地図描画データ26aを読出す。また、表示様式の変更があると判断した場合には、該当する画面描画データ27aを読出す。
【0050】
次に、入出力制御部21は、読出した地図描画データ26a又は画面描画データ27aに基づいて、タッチパネル24に画像を表示する(ステップS1−4)。例えば、地図画像を変更した場合には、図3に示すように、自車位置マーク101を表示した地図画像100から、図4に示すような、地図画像100に連続した地図画像102と自車位置マーク103とが表示された状態に変わる。また、経路探索モードに設定されている場合には、入出力制御部21は、ナビ装置10から受信した案内経路を示す識別データ又は座標データに基づいて、地図画像102に、案内経路を示す経路指標104を表示する。
【0051】
また、例えば、自車位置マークの変更が設定された場合には、矢印等の自車位置マーク101を、自動車の画像の自車位置マークに変更する。さらに、立体表示設定等が行われた場合には、周辺の建物に対応する画面描画データ27aを読出する。そして、それらのデータに基づいて、建物の高さ、幅等を演算し、地図画像内に建物を立体表示する。このように、入出力制御部21によりタッチパネル24に画像を表示すると、ステップS1−5に進む。
【0052】
入出力制御部21が、画像の変更が必要でないと判断した場合(ステップS1−2においてNO)及びタッチパネル24に画像を表示した(ステップS1−4)後は、入出力制御部21は、受信した座標データに基づいて自車位置を更新する(ステップS1−5)。つまり、地図画像100を変更する必要がない場合には、図3に示す自車位置マーク101の位置のみを、図3中鎖線で示す自車位置マーク105のように移動表示する。
【0053】
次に、ナビ装置10は、自車位置表示又は経路案内等の案内が終了したか否かを判断する(ステップS1−6)。案内が終了していない場合には(ステップS1−6においてNO)、前記した処理を繰り返す。案内が終了した場合には(ステップS1−6においてYES)、そのまま処理を終了する。
【0054】
次に、拡大図表示プログラムに基づく拡大図表示処理について図5〜図7に従って説明する。この拡大図表示処理は、ナビ装置10が経路案内モードに設定されている場合に、自車位置表示プログラムに従って自車位置表示処理と同時に行われる。
【0055】
図5に示すように、ナビ装置10の案内制御部11は、前記した経路探索処理で算出された案内経路と、道路データ15とに基づいて、自車位置が交差点(誘導図表示地点)に接近しているか否かを判断する(ステップS2−1)。このとき、自車位置と交差点との相対距離が、所定距離以内(例えば20m以内)であるか否か等を判断する。交差点が接近していない場合(ステップ2−1においてNO)には、交差点の接近の判断を繰り返す。
【0056】
交差点が接近していると判断すると(ステップS2−1においてYES)、案内制御部11は、入出力装置20に、接近通知を送受信制御部12及びケーブル7を介して送信する(ステップS2−2)。このとき、図6に示すように、タッチパネル24には、地図画像110に、自車位置マーク111、経路指標112が重ねて表示されている。
【0057】
入出力装置20は接近通知を受信すると、図示しない記憶部等を検索して、交差点の拡大図表示が設定されているか否かを判断する(ステップS2−3)。この拡大図表示は選択可能になっており、入出力装置20によって実行する場合と実行しない場合とがある。拡大図表示が設定されていない場合(ステップS2−3においてNO)には、そのまま処理を終了する。
【0058】
拡大図表示が設定されている場合(ステップS2−3においてYES)には、交差点データ(描画指示データ)の要求命令をインターフェース22及びケーブル7を介してナビ装置10に送信する(ステップS2−4)。
【0059】
ナビ装置10は、その要求命令を受信すると、道路データ15から交差点データを読出し、交差点データを入出力装置20に送信する(ステップS2−5)。ナビ装置10から送信される交差点データは、交差点の概略形状、交差点での車両の進行方向(右折、左折、直進等)等から構成されている。入出力装置20は、ケーブル7及びインターフェース22を介して交差点データを受信する。そして、その交差点データに基づいて、地図描画データ記憶部26から地図描画データ26aを読出し、交差点拡大図を表示するための拡
大図描画データを作成する(ステップS2−6)。そして、その拡大図描画データをRAM29に一時格納する(ステップS2−7)。
【0060】
ナビ装置10は、自車位置が交差点に差しかかると(例えば交差点手前10m)、拡大図を表示させるための表示命令を送信する(ステップS2−8)。入出力装置20は、表示命令を受信すると、RAM29に一時格納した拡大図描画データを読出して、拡大図をタッチパネル24に表示する(ステップS2−9)。その結果、図7に示すように、タッチパネル24の表示領域の半分に、誘導図としての拡大図113が表示される。この拡大図113には、交差点の拡大画像114とともに、進行方向を示す指標115が表示される。また、タッチパネル24の表示領域の他方には、例えば、地図画像110の要部が表示される。
【0061】
次に、拡大図更新プログラムに基づく拡大図更新処理について、図8に従って説明する。ナビ装置10の案内制御部11は、タッチパネル24に拡大図113を表示した場合にも、自車位置表示処理と同じように、自車位置の座標データ及び方位データを、ケーブル7を介して入出力装置20に送信する(ステップS1−1)。入出力装置20の入出力制御部21は、座標データ及び方位データを受信すると、それらのデータに基づいて、拡大図113内の自車位置マーク116の表示位置を更新する(ステップS3−1)。また、入出力制御部21は、図7中左半分に表示された地図画像110の自車位置マーク111の位置も更新する。
【0062】
そして、ナビ装置10の案内制御部11は、道路データ15に基づいて、自車位置が交差点から退出したか否かを判断する(ステップS3−2)。自車位置が交差点を通過中であると判断した場合には(ステップS3−2においてNO)、案内制御部11は、自車位置の座標データ及び方位データの送信を繰り返す。
【0063】
案内制御部11が、交差点から退出したと判断した場合(ステップS3−2においてYES)、案内制御部11は、入出力装置20にケーブル7を介して拡大図消去命令を送信する(ステップS3−3)。入出力装置20は、拡大図消去命令を受信すると、タッチパネル24に表示された拡大図113を消去する(ステップS3−4)。そして、地図画像110を、図6のように全表示領域に亘って表示する。このとき、図中鎖線で示すように、自車位置マーク117は、交差点を通り過ぎた位置に配置されている。
【0064】
そして、案内制御部11は、自車が目的地に到達する等のように、経路案内が終了したか否かを判断する(ステップS3−5)。経路案内が終了した場合(ステップS3−5においてNO)は、処理を終了する。経路案内が終了していない場合(ステップS3−5においてYES)は、上記した処理を繰り返す。
【0065】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1実施形態では、ナビ装置10(案内制御部11)は、地図描画データ記憶部26、画面描画データ記憶部27、表示部23及び音声を再生する入出力制御部21を備えた入出力装置20に、ケーブル7を介してデータを送受信可能に接続されるようにした。また、ナビ装置10は、自車位置の座標データ及び方位データを入出力装置20に送信するようにした。
【0066】
さらに、入出力装置20は、受信した座標データ及び方位データに対応する地図描画データ26a又は画面描画データ27aを読出し、読出した地図描画データ26a等をタッチパネル24に表示するようにした。また、入出力装置20は、座標データに基づいて自車位置マークの位置を表示するようにした。このため、自車位置表示処理の際に、ナビ装置10は、地図描画データ26a及び画面描画データ27aよりもデータ量の小さい座標
データ及び方位データを入出力装置20に送信するので、入出力装置20へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビ装置10において自車位置検出処理、経路探索処理を行い、入出力装置20において地図画像等の表示処理を行って、処理動作を分担させるようにしたので、地図描画処理におけるナビ装置10の演算処理の負荷が軽減される。このため、ナビ装置10の自車位置検出機能等、その他の機能を向上させることができる。さらに、地図の更新、ユーザインターフェースの変更の際には、地図描画データ26a又は画面描画データ27aを更新した入出力装置20を、ナビ装置10に取り付ければよいので、地図の更新、ユーザインターフェースの変更を容易に行うことができる。
【0067】
(2)上記実施形態では、ナビ装置10が具備する道路データ記憶部14の道路データ15は、道路を識別する識別データ(ノードデータ、リンクデータ)及び座標データを有する。また、入出力装置20が具備する地図描画データ記憶部26に格納された地図描画データ26aも、道路を識別するための識別データ及び座標データを含む。そして、経路案内の際には、ナビ装置10が案内経路を探索し、案内経路を示す識別データ又は座標データを入出力装置20に送信するようにした。さらに、入出力装置20は、受信した識別データ(又は座標データ)と、地図描画データ26aの識別データ(又は座標データ)とに基づいて、地図画像に重ねて経路指標を表示するようにした。従って、ナビ装置10は、経路案内処理においても、地図描画データ26a等よりもデータ量の小さい識別データ又は座標データを送信するので、入出力装置20へのデータ転送を短時間で完了させることができる。
【0068】
(3)上記実施形態によれば、ナビ装置10は、自車位置が交差点に接近したか否かを判断するようにした。また、自車位置が交差点に接近した際に、道路データ15に基づいて、交差点の形状及び車両の進行方向を示す交差点データを送信するようにした。また、入出力装置20が、受信した交差点データに基づいて、交差点の拡大図を表示する地図描画データ26aを読出し、その地図描画データ26aに基づいて拡大図113をタッチパネル24に表示するようにした。従って、交差点拡大図を表示する処理でも、ナビ装置10は、地図描画データ26aよりもデータ量の小さい交差点データを送信するので、入出力装置20へのデータ転送を短時間で完了させることができる。しかも、ナビ装置10は、拡大図を描画する地図描画データ26aの読出処理等を行う必要がないので、負荷を軽減できる。
【0069】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ナビ装置10は、交差点が接近したと判断した際に(ステップS2−1においてYES)、すぐに入出力装置20に交差点データを送信してもよい(ステップS2−5)。つまり、拡大図表示モードの有無の判断等のステップS2−2〜S2−4を省略してもよい。
【0070】
・交差点データを受信した入出力装置20は、すぐに拡大図描画データを作成し(ステップS2−6)、RAM29に一時格納せずにタッチパネル24に表示する(ステップS2−9)ようにしてもよい。つまり、RAM29に拡大図描画データを一時格納し、ナビ装置10から送信される命令を待つ処理(ステップS2−7〜ステップS2−8)を省略してもよい。
【0071】
・拡大図更新処理(ステップS1−1、ステップS3−1〜ステップS3−5)において、自車が交差点から退出したか否かの判断(ステップS3−2)は、入出力装置20が、ナビ装置10から受信した座標と、地図描画データ26aのノードデータ、リンクデータとに基づいて行ってもよい。この場合、拡大図消去命令送信(ステップS3−3)は省略される。
【0072】
・交差点の拡大図を表示する際に、例えば、自車位置と交差点との相対距離が、所定距離以内(例えば20m以内)であるか否か等を判断する(ステップS2−1)ようにしたが、この所定距離を、車速によって変更してもよい。
【0073】
・タッチパネル24に誘導図を表示する誘導図表示地点は、交差点以外に、車線変更地点、料金所、高速道路の出口等の交差点以外の地点でもよい。この場合、それらの地点でタッチパネル24に表示される誘導図は、車線案内図、料金所ゲート案内図等であって、描画指示データは、車線数等を有する車線案内データや、料金所ゲート数、ETC(Electronic Toll Collection System)支払ゲートの位置等を有する料金所データ等である。
【0074】
車線案合図をタッチパネル24に表示する場合、例えば、ナビ装置10の案内制御部11は、道路データ15に基づいて、交差点の手前に車線が複数あると判断した際に、入出力装置20に車線案内データ(描画指示データ)を送信する。この車線変更データは、道路データ15に含まれており、車線数、直進用車線・右折用車線等の各車線の種別と、案内経路に基づいた自車が進行する車線の位置等から構成される。入出力装置20は、受信した車線案内データに基づいて、タッチパネル24に、複数の車線と、自車が進むべき車線を指示する指標とが表示された車線案内図(誘導図)を出力する。
【0075】
・地図描画データ26aには、地図が描画する道路に対応した、ノードデータ及びリンクデータと、経度・緯度等の座標データとが含まれているとしたが、どちらか一方でもよい。このとき、例えば、地図描画データ26aに座標データのみが含まれている場合には、ナビ装置10は、案内経路を示す座標データを送信することにより、入出力装置20に案内経路を通知する。
【0076】
・案内制御部11は、自車位置を示す、位置データとしての座標データ及び方位データを送信するようにしたが、座標データのみでもよい。また、位置データとして、ノードデータ、リンクデータ等を送信するようにしてもよい。
【0077】
・ナビ装置10に備えられる道路データ記憶部14は、ナビ装置10が備える図示しないディスクドライブに挿入される光ディスクから構成されてもよい。
・ナビ装置10と入出力装置20は、IEEE1394規格以外の高速シリアルバスで接続したり、ナビ装置10と入出力装置20とを光通信で接続したりしてもよい。要は、ナビ装置10と入出力装置20とを分離可能に接続できる通信インターフェースであれば、どんなインターフェースでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態の経路探索システムの構成を説明するブロック図。
【図2】自車位置表示処理の処理手順の説明図。
【図3】タッチパネルに表示された画面の説明図。
【図4】タッチパネルに表示された画面の説明図。
【図5】拡大図表示処理の処理手順の説明図。
【図6】タッチパネルに表示された画面の説明図。
【図7】タッチパネルに表示された画面の説明図。
【図8】拡大図更新処理の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0079】
1…地図描画システムとしての経路案内システム、10…ナビゲーション装置、11…自車位置検出手段、第1送信手段、探索手段、第2送信手段、判断手段及び第3送信手段を構成する探索制御部、13…自車位置検出手段を構成するGPS受信部、14…道路デ
ータ記憶手段としての道路データ記憶部、15…識別データ、描画指示データ及び交差点データを有する道路データ、20…入出力装置、21…第1読出手段、第1表示制御手段、位置表示制御手段、第2読出手段、第2表示制御手段及び受信手段としての入出力制御部、23…表示手段としての表示部、26…地図データ記憶手段を構成する地図描画データ記憶部、27…地図データ記憶手段を構成する画面描画データ記憶部、26a…地図データ、識別データ又は座標データを構成する地図描画データ、27a…地図データを構成する画面描画データ、100,102,110…地図画像、101,103,105,116…自車位置指標としての自車位置マーク、104,112…案内経路指標としての経路指標,113…誘導図としての拡大図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、
位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とを使用して、前記表示手段に地図画像を表示する地図描画方法であって、
前記ナビゲーション装置が、自車位置を示す位置データを前記入出力装置に送信する段階と、
前記入出力装置が、
受信した前記位置データに対応する地図データを前記地図データ記憶手段から読出す段階と、
読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を表示する段階と、
受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する段階と
を有していることを特徴とする地図描画方法。
【請求項2】
請求項1に記載の地図描画方法において、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含み、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、
前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する段階と、
前記入出力装置が、受信した前記識別データと前記地図データの識別データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示する段階と
を備えたことを特徴とする地図描画方法。
【請求項3】
請求項1に記載の地図描画方法において、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含み、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、
前記案内経路を示す前記座標データを前記入出力装置に送信する段階と、
前記入出力装置が、受信した前記座標データと前記地図データの前記座標データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示する段階と
を備えたことを特徴とする地図描画方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の地図描画方法において、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する段階と、
自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する段階と、
前記入出力装置が、
前記描画指示データに基づいて、前記誘導図表示地点に関する誘導図を表示するための地図データを前記地図データ記憶手段から読出す段階と、
読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に誘導図を表示する段階とを
備えたことを特徴とする地図描画方法。
【請求項5】
請求項4に記載の地図描画方法において、
前記誘導図及び前記誘導図表示地点は、それぞれ交差点拡大図及び交差点であって、
前記描画指示データは、交差点の形状及び自車の進行方向を示すデータを有することを特徴とする地図描画方法。
【請求項6】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とから構成される地図描画システムであって、
前記ナビゲーション装置が、自車位置を示す位置データを前記入出力装置に送信する第1送信手段を備え、
前記入出力装置が、
受信した前記位置データに対応する地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第1読出手段と、
読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を出力する第1表示制御手段と、
受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する位置表示制御手段と
を備えたことを特徴とする地図描画システム。
【請求項7】
請求項6に記載の地図描画システムにおいて、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための識別データをそれぞれ含み、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備え、
前記入出力装置の前記第1表示制御手段が、受信した前記識別データと前記地図データの識別データとに基づいて、案内経路を表示する経路指標を前記表示手段に表示することを特徴とする地図描画システム。
【請求項8】
請求項6に記載の地図描画システムにおいて、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データ及び前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データは、道路を識別するための座標データをそれぞれ含み、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路を示す前記位置データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備え、
前記入出力装置の前記第1表示制御手段が、受信した前記座標データと前記地図データの座標データとに基づいて、案内経路を示す経路指標を前記表示手段に表示することを特徴とする地図描画システム。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一つに記載の地図描画システムにおいて、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、
自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する第3送信手段とを備え、
前記入出力装置が、
前記描画指示データに基づいて、前記誘導図表示地点に関する誘導図を表示するための地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第2読出手段と、
読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に誘導図を表示する第2表示制御手段とを
備えたことを特徴とする地図描画システム。
【請求項10】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置において、
位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段及び地図画像を表示する表示手段を備えた入出力装置とデータを送受信可能に接続されるとともに、
自車位置の位置データを前記入出力装置に送信する第1送信手段を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データは、前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データが有する、道路を識別するための識別データを含むとともに、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路を示す前記識別データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項10に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置の前記道路データ記憶手段に格納された前記道路データは、前記入出力装置の前記地図データ記憶手段に格納された前記地図データが有する、道路を識別するための座標データを含むとともに、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路を示す前記座標データを前記入出力装置に送信する第2送信手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一つに記載のナビゲーション装置において、
前記道路データに基づいて、自車位置が誘導図表示地点に接近したか否かを判断する判断手段と、
自車位置が前記誘導図表示地点に接近したと判断した際に、前記道路データに基づいて、誘導図の描画を指示するための描画指示データを前記入出力装置に送信する第3送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置であって、
地図画像を表示する表示手段と、
位置データに関連付けられた地図データを格納した地図データ記憶手段と、
前記ナビゲーション装置から送信された、自車位置の位置データを受信する受信手段と

受信した前記位置データに基づいて、前記地図データを前記地図データ記憶手段から読出す第1読出手段と、
読出した前記地図データに基づいて、前記表示手段に地図画像を出力する第1表示制御手段と、
受信した前記位置データに基づいて、自車位置指標を前記地図画像とともに表示する位置表示制御手段と
を備えたことを特徴とする入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−154538(P2006−154538A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347480(P2004−347480)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】