説明

地図表示装置、地図表示方法及びプログラム

【課題】POIアイコンの重なり合いを解消してその内容を見やすく表示する。
【解決手段】地図表示装置10は、地図データを格納する地図データ格納部21と、地図データ格納部21に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つPOIデータを格納するPOIデータ格納部22と、地図データ格納部21に格納された地図データのうち、利用者の指示条件に応じた特定の地図データを表示する地図表示制御部11と、POIデータ格納部22に格納されたPOIデータのうち、利用者の指示条件に応じた特定のPOIデータのいずれか2つ以上が、特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるかを判定する判定部15と、重なって表示されると判定された特定のPOIデータを、表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示するPOIアイコン表示制御部12とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置、地図表示方法及びプログラムに関する。特に、電子地図から特定の位置を見つけるために役立つ情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の利便性のために電子地図から特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データの一例として、たとえば、ランドマーク等のPOI(Point of Interest)を地図上に記す技術が実用化されている。このような電子地図では、図12に示すように、表示しようとするPOIの密度が高い部分が生じる場合がある。この密集地点では、複数のPOIアイコンが重なりあってしまう。このため、重なってしまったPOIアイコンの内容が判別しにくいという課題や、重なってしまったPOIアイコンの中から選択したいPOIアイコンを指定することが困難になるという課題が生じる。この課題に対し、特許文献1〜7に示す技術が既に提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1及び特許文献2に記載されている方法では、図12の状態の地図を、図13に示すように、重なりあう複数のPOIアイコンに代えて、代表するPOIアイコンを表示する。図13では、ニ重丸、三重丸というように丸の数でアイコン数を表現している。この際、代表するPOIアイコンの形体を重なりあう複数のPOIの属性や数に応じて変化させることによって、代表するPOIアイコンを見るだけで、元の複数のPOIが分かるとしている。
【0004】
特許文献3に記載されている方法では、図12の状態の地図を、図14に示すように、表示画面を複数の区画に分割し、それぞれの区画に含まれているPOIの数をPOIアイコンに代えて表示する。
【0005】
特許文献4に記載されている方法では、図12の状態の地図を、図15に示すように、地図の縮尺が小さい場合はPOIの密度を表示し、縮尺が大きい場合はそれぞれのPOIアイコンを表示する。
【0006】
特許文献5及び特許文献6に記載されている方法では、図12の状態の地図を、POIをカテゴリに分類し、図16に示すように、表示範囲内のPOIのうち、特定のカテゴリのもののみ、POIアイコンを表示する。
【0007】
特許文献7に記載されている方法では、図12の状態の地図を、図17に示すように、重なりあうPOIアイコンそれぞれを周期的に全体が表示されるよう、個々のPOIアイコンをある時間間隔で順に最前面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−125702号公報
【特許文献2】特開2007−278807号公報
【特許文献3】特開2004−191218号公報
【特許文献4】特開2008−26001号公報
【特許文献5】特開2005−37144号公報
【特許文献6】特開2002−098544号公報
【特許文献7】特開2001−317955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されている方法(図13)では、元のPOIの位置を、代表するPOIアイコンから正確に読み取ることができない。また.属性の数や重なりあう数の組み合わせが多くなると、代表するPOIアイコンの形体もそれに応じたパターンで表示されることとなり、利用者が、そのPOIアイコンの形体のパターンを瞬時に正確に読み取り理解することは困難であり、特に、アイコンの色を含めた形体を利用者が区別する必要があるため、視覚障害をもつユーザには識別困難であり、アクセシビリティに劣る。
【0010】
特許文献3に記載されている方法(図14)では、POIアイコンを表示しないため、特許文献1及び特許文献2の従来技術での、代表するPOIアイコンの形体パターンの増加による問題は発生しないが、元のPOIの位置は、特許文献1及び特許文献2に記載されている方法以上に分からなくなる。
【0011】
特許文献4に記載されている方法(図15)では、それぞれのPOIの位置や内容を見るためには、縮尺が小さい表示状態で、それぞれ密度で表示された部分を選択し、縮尺を大きくするまで内容が分からないため、他の方法に比べて一覧性に問題がある。
【0012】
特許文献5及び特許文献6に記載されている方法(図16)では、特定のカテゴリ以外のPOIアイコンは表示されないため、カテゴリが適切に設定されていなかったり、利用者が希望、意識するカテゴリとシステムの用意するカテゴリとが一致しなかったり等の理由で、意図せず情報を見落とす可能性が高い。
【0013】
特許文献7に記載されている方法(図17)では、元のPOIの位置や内容を見ることができる点で、特許文献1〜特許文献6の方法に比べて優れている。しかしながら、重なったままPOIアイコンが入れ替わるので、POIアイコンの指す先(実際の位置)が後方のPOIアイコンの模様等で見づらい、あるいは、背景である地図が常にPOIアイコンに隠れて見づらいといった課題が残る。
【0014】
上記問題に鑑み、本発明は、地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データが密集した場合においても、位置表現データの重なり合いを解消してその内容を見やすく表示し、また選択したい位置表現データへのアクセシビリティにも優れた地図表示装置、地図表示方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、地図データを格納する地図データ格納部と、前記地図データ格納部に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを格納する位置表現データ格納部と、前記地図データ格納部に格納された地図データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを表示する地図表示制御部と、前記位置表現データ格納部に格納された位置表現データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する判定部と、前記判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示する位置表現表示制御部と、を有する地図表示装置が提供される。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、地図データを格納する地図データ格納部と、前記地図データ格納部に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを格納する位置表現データ格納部と、前記地図データ格納部に格納された地図データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを表示する地図表示制御部と、前記位置表現データ格納部に格納された位置表現データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する判定部と、前記判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示する位置表現表示制御部と、を有する地図表示装置が提供される。
【0017】
かかる構成によれば、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データは、判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、利用者により指示された特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示される。または、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データは、判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、利用者により指示された特定の地図データの所定位置周辺を拡大しながら、その拡大された地図データ上に表示される。これにより、複数の位置表現データが密集する部分であっても、各位置表現データが重なり合うことを回避することができる。
【0018】
この結果、位置表現データが密集した場合においても、各位置表現データの内容を見やすく表示することができる。これにより、利用者は地図データから特定の位置をより容易に見つけ、知りたい情報を取得するために位置表現データをクリックする等の動作も容易になって、必要なデータへのアクセシビリティを高めることができる。
【0019】
前記位置表現表示制御部は、前記重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを回転させながら表示する場合、前記2つ以上の位置表現データのそれぞれが所定の周期毎に順番に正面に表示されるように回転させてもよい。
【0020】
前記位置表現表示制御部は、前記2つ以上の位置表現データのそれぞれの表示角度が前記利用者の見る方向に対して90度に近づく程、各位置表現データの角速度を低速に制御してもよい。
【0021】
前記位置表現表示制御部は、前記2つ以上の位置表現データのそれぞれの表示角度が前記利用者の見る方向に対して正面に表示される角度にほぼ等しくなったとき、各位置表現データの角速度を一時的に「0」にしながら回転させてもよい。
【0022】
前記位置表現表示制御部は、前記重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データは拡大せずに前記拡大された地図データ上の所定位置に表示してもよい。
【0023】
前記位置表現表示制御部は、前記2つ以上の位置表現データの大きさと隣接する位置表現データ間の距離とに基づき拡大率を計算し、前記拡大率に応じて前記特定の地図データの所定位置周辺を拡大してもよい。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示するステップと、地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定するステップと、前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定するステップと、前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示するステップと、を含む地図表示方法が提供される。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示する処理と、地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定する処理と、前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する処理と、前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0026】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示するステップと、地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定するステップと、前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定するステップと、前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示するステップと、を含む地図表示方法が提供される。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示する処理と、地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定する処理と、前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する処理と、前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、位置表現データの重なり合いを解消してその内容を見やすく表示し、また選択したい位置表現データへのアクセシビリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る地図表示装置の機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る地図表示装置の動作を示したフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る各アイコンの表示周期の一例を示した図である。
【図4】第1実施形態に係るアイコン表示の動作例を示した図である。
【図5】第1実施形態に係るアイコン表示の回転動作例を示した図である。
【図6】第1実施形態に係るアイコン表示の回転動作を説明するための図である。
【図7】第2実施形態に係る地図表示装置の動作を示したフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る拡大率の算出方法を説明するための図である。
【図9】第2実施形態に係るPOIアイコン表示制御テーブル14の格納データの形式の一例を示した図である。
【図10】第2実施形態に係るPOIアイコン表示の動作例を示した図である。
【図11】POIデータの収集にインターネットを用いる場合を示した図である。
【図12】従来技術を説明するための図である。
【図13】従来技術を説明するための図である。
【図14】従来技術を説明するための図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【図17】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
また、以下の各実施形態で参照する図では、POIアイコン毎に記号を記入しているが、これは説明のためであり、実際の利用においては、いずれかのアイコンを指し示したときに、それぞれのアイコンに応じた次の動作をすればよく、利用者が記号を識別する必要はなく、記号をアイコンに含める必要もない。
【0032】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る地図表示装置10の機能構成について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(地図表示装置の機能構成)
図1は、本実施形態に係る地図表示装置10の機能ブロック図である。本実施形態に係る地図表示装置10は、地図表示制御部11、POIアイコン表示制御部12、POIアイコン描画部13、POIアイコン表示制御テーブル14及び判定部15を有している。地図表示装置10は、地図データ格納部21に格納されたデータ、POIデータ格納部22に格納されたデータ、及び表示条件入力部30により入力されたデータを用いて、所望の電子地図を表示するとともに、その地図上の特定位置にPOIアイコンを表示する。
【0034】
POI(Point of Interest)アイコンは、電子地図からランドマーク等の特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データの一例である。たとえば、図12には、利用者の利便性のために、地図Map上にPOIアイコンa〜gが示されている。これにより、利用者は、POIアイコンa〜gを手がかりに、地図Map上の特定の位置を迅速に見つけることができる。
【0035】
地図データ格納部21は、地図データを格納する。具体的には、地図データ格納部21は、一般的な地図情報(山河、道路、鉄道)などに関する地図を描画するためのデータを格納する。格納されたデータは、たとえば、名称や座標情報などからなる。
【0036】
POIデータ格納部22は、POI(Point of Interest)を地図上に描画するためのデータを格納した部分であり、データは少なくともPOIそれぞれについての座標情報を含む。POIデータ格納部22は、地図データ格納部21に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを格納する位置表現データ格納部の一例である。
【0037】
地図データ格納部21およびPOIデータ格納部22は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)等の記憶デバイスを含むハードウエア資源で実現される。
【0038】
表示条件入力部30は、表示すべき範囲等、地図表示条件に関する情報を、例えば緯度経度、縮尺、表示範囲などを数値データとして入力する部分であり、キーボード、マウス、GPS(Global Positioning system)受信機などの入力装置を含むハードウエア資源で実現される。表示条件入力部30は、利用者が地図表示に関する条件を地図表示装置10に入力するための手段の一つである。
【0039】
地図表示制御部11は、地図データ格納部21に格納された地図データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを表示する。すなわち、地図表示制御部11は、表示条件入力部30で入力された条件に従って、地図データ格納部21から必要なデータを取得し、これを用いて地図画像を作成し、表示用メモリ40に書き込む。
【0040】
POIアイコン表示制御部12は、表示条件入力部30で入力された条件に従って、POIデータ格納部22から必要なデータを取得し、次の「地図表示装置の動作」の説明の項で述べる手順に従ってPOIアイコン表示制御テーブル14に、POIアイコンを表示するための表示制御情報を書き込む。
【0041】
なお、本実施形態に係るPOIアイコン表示制御部12は、POIデータ格納部22に格納された位置表現データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示する位置表現表示制御部に相当する。
【0042】
POIアイコン描画部13は、POIアイコン表示制御テーブル14に描かれているPOIアイコンの表示制御情報を用いて表示するアイコンを決定し、表示用メモリ40にアイコン画像を書き込む。
【0043】
判定部15は、特定のPOIアイコンが複数存在し、それらのPOIアイコンのいずれか2つ以上が特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する。この判定の結果、POIアイコンが重なって表示されると判定された場合、POIアイコン表示制御部12は、重なって表示されると判定された2つ以上のPOIアイコンを回転させながら表示する。
【0044】
回転方法の一例としては、2つ以上のPOIアイコンのそれぞれが所定の周期毎に順番に正面に表示されるように回転させる方法が挙げられる。2つ以上のPOIアイコンのそれぞれの表示角度が利用者の見る方向に対して正面に表示される角度に近づく程、各POIアイコンの角速度を低速にして回転させてもよい。または、2つ以上のPOIアイコンのそれぞれの表示角度が利用者の見る方向に対して正面に表示される角度にほぼ等しくなったとき、各POIアイコンの角速度を一時停止させながら回転させてもよい。回転方法については後程詳述する。
【0045】
なお、地図表示装置10に示された各ブロック(地図表示制御部11〜判定部15)は、専用の電子制御デバイスで実現され、あるいは、コンピュータプ口グラムを実行するプ口セッサと、そのプ口セッサで実行するプ口グラムと、使用するデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスを含むハードウエア資源で実現される。
【0046】
表示用メモリ40は、地図表示制御部11やPOIアイコン描画部13の制御により表示すると判断された画像データを記憶する部分であり、RAM(Random Access Memory)等の記憶デバイスを含むハードウエア資源で実現される。
【0047】
画像表示制御部50は、表示用メモリ40に記憶された画像データを用いて画像出力部に描画信号を送る部分であり、描画信号生成LSIなどを含むハードウエア資源で実現される。
【0048】
画像出力部60は、描画信号に従い画像を表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)あるいは、CRT(Cathode Ray Tube)といった表示装置を含むハードウエア資源で実現される。
【0049】
なお、地図表示装置10としては、例えば、サーバやその他のコンピュータにより実現され、地図表示装置10に設けられたディスプレイや、地図表示装置10と通信可能なデジタルテレビなどのディスプレイや、受信したり記録された地図に関するコンテンツを再生できる携帯電話・PDA(Personal Digital Assistant)などのディスプレイに所望の地図データ及びPOIアイコンを表示する。
【0050】
(地図表示装置の動作)
次に、地図表示装置10の動作について説明する。ここでは、主に本装置の特徴でもあるPOIアイコン表示制御部12及び判定部15の動作を主として図12及び図2〜図4を用いて説明する。
【0051】
図2の動作は、利用者の入力操作に従い、POIアイコン表示制御部12に表示条件入力部30から表示条件が入力されたことを契機に開始される。まず、POIアイコン表示制御部12は、表示条件入力部30から送られた表示条件に合致する、例えば指定された表示範囲内のPOIデータをPOIデータ格納部22から取得する(S200)。
【0052】
なお、図示していないが、同様に、地図表示制御部11は、表示条件入力部30から送られた表示条件に合致する、例えば指定された地図データを地図データ格納部21から取得する。
【0053】
次に、判定部15は、取得したPOIデータをPOIアイコンとして表示した際に、密集地点でPOIアイコン同士が重なって表示されるか否かを判定する。POIアイコン同士が重なって表示されるか否かは、POIアイコンの表示位置とアイコンのサイズを用いた計算の結果に基づき判定される。
【0054】
その結果、POIアイコンの重なりが生じないと判定された場合(すなわち、S210にて「No」の場合)、POIアイコン表示制御部12は、すべてのPOIアイコンが常に表示されるように、POIアイコン表示制御テーブル14を更新する(S220)。これに従い、すべてのPOIアイコンが重ならないように特定の地図データ上に表示される。
【0055】
一方、POIアイコンの重なりが生じると判定された場合(すなわち、S210にて「Yes」の場合)、判定部15は、重なるPOIアイコンの数を求める(S205)。図12を例にこの値を求めると、POIアイコンa、b、cの密集地点での重なり数は「3」、POIアイコンe、fの密集地点での重なり数は「2」となる。
【0056】
POIアイコン表示制御部12は、各密集地点のアイコンの重なり数から各密集地点のアイコンの表示周期を決定し(S215)、その結果に基づき、重なり合うPOIアイコンが周期性をもって順番に表示されるようにPOIアイコン表示制御テーブル14を更新する(S220)。
【0057】
この表示周期の決定方法としては、例えば、各密集地点の重なり数の最小公倍数を求め、1周期Tをその最小公倍数で分割し、それぞれの密集地点に各アイコンが順に表示されるよう表示周期を決定する方法が採用できる。
【0058】
図12を例に説明すると、POIアイコンa、b、cの密集地点でのアイコンの重なり数は「3」、POIアイコンe、fの密集地点でのアイコンの重なり数は「2」であり、他は「1」であるから最小公倍数は6となる。よって、1周期Tをtl〜t6に6分割し、それぞれの密集地点毎に各アイコンが順に表示されるよう表示周期を決定してもよい。この結果がPOIアイコン表示制御テーブル14に格納される。
【0059】
図12の場合の結果の一例を図3に示す。図12では、丸印が、アイコンが表示されることを表している。つまり、POIアイコンa、b、cの密集地点では、アイコンa、b、cのそれぞれが順に表示され、POIアイコンe、fの密集地点ではアイコンe、fが順に表示される。密集地点でない場所では、POIアイコンd、gが常に表示される。
【0060】
図4は、このようにPOIアイコン表示制御テーブル14が更新された場合のPOIアイコン表示の動作例である。密集地点では、時間tlの間、図3の時間t1で丸印の付けられたPOIアイコンaとPOIアイコンeが表示される。次の時間t2では同様に、POIアイコンbとPOIアイコンfが表示される。次の時間t3ではPOIアイコンcとPOIアイコンeが表示される。密集地点以外では、POIアイコンdとPOIアイコンgが常に表示される。時間t4〜t6の説明は省略するが同様である。
【0061】
なお、ここでは時間tl〜t6は全て同じ時間あってもよく、そうでなくてもよい。さらには、ひとつのアイコンの表示が時間tl〜t6の間で連続してもよい。例えば、POIの重要度を考慮し、時間tl〜t6のいずれかの時間を長くし、あるいは、いくつかを連続的に表示とすることで、重要度の高いものを長く表示することも可能となる。
【0062】
また、アイコンの表示、非表示の切り替えは単純に表示、非表示状態を切り換えるほか、フェードインとフェードアウト、あるいは回転といったアニメーション処理で切り替えることも可能である。
【0063】
(回転のアニメーション動作)
POIアイコンの表示、非表示状態を回転によって切り替える場合、POIアイコンの角速度は表示周期のすべてにおいて等速でなくてもよい。たとえば、表示状態のPOIアイコン(たとえば、図3の各時間t1〜t6において丸印のあるPOIアイコン)が正面を向いた状態で停止、あるいは低速で回転し、切り替えの際に正面を向いた状態から急速に90度近い角度に回転するようにすれば、回転中にPOIアイコンが識別しがたい時間を削減することができ、その結果、利用者は回転するPOIアイコンを識別しやすくなる。
【0064】
これによれば、図5に示したアイコンの回転状態S1〜S4のうち、状態S1、S4及びこれに近い状態では、アイコンf又はアイコンeが正面を向いた状態であるから、表示時間を長くする。一方、状態S2、S3及びこれに近い状態では、正面を向いたアイコンが存在しない状態であるため、表示時間を短くする。
【0065】
以上の回転のアニメーション動作は、アイコンの表示角度によって制御できる。たとえば、アイコンの表示は、アイコンを厚さ0の板と考え、全面表示状態から90度回転したときに消えるようにする。
【0066】
図5では、利用者の見る方向は、紙面の手前側から奥側に向かう、紙面に対して垂直な方向である。アイコンが正面に見えている場合、アイコンの角度は、利用者の見る方向に対して90度回転された状態になっている。たとえば、図5の状態S1では、POIアイコンfは、利用者の見る方向に対してほぼ垂直な位置まで回転された状態になっている。
【0067】
一方、アイコンが見えていない場合、アイコンの角度は、利用者の見る方向に対して0度回転された状態、つまり、利用者の見る方向とアイコンとは平行になっている。たとえば、図5の状態S4では、POIアイコンfは、利用者の見る方向に対してほぼ平行な位置まで回転された状態になっている。
【0068】
図5のアイコンfの回転状態を図6に示す。図6は、図5に示したアイコンを上部から見たものである。円の下方が表示の正面、円の上方が表示の裏面になっている。図6(a)は図5の回転状態S1、図6(b)は図5の回転状態S2,S3、図6(c)は図5の回転状態S4に対応する。
【0069】
図6(a)に示したように、アイコンfが、利用者が見る方向に対してほぼ90度の角度まで回転したとき、アイコンfは正面に見える。このように、アイコンfの角度が、利用者が見る方向に対して90度に近くなると、アイコンfが全面に見えている状態とほぼ同じ又はこれに近い状態になり、利用者の目に付きやすくなる。
【0070】
図6(b)に示したように、利用者が見る方向に対するアイコンfの角度が小さくなるに従い、アイコンfは正面に見える状態から、傾いて見える状態に遷移する。たとえば、アイコンfが、利用者が見る方向に対して75度まで回転すると、アイコンfは、図5の状態S2のように傾いて表示される。さらに、アイコンfが、利用者が見る方向に対して15度まで回転すると、アイコンfは、図5の状態S3のようにさらに傾いて表示される。このように、利用者が見る方向に対してアイコンfの表示角度が小さくなるほど、アイコンfは利用者の目に付きにくくなる。
【0071】
図6(c)に示したように、アイコンfが、利用者が見る方向に対してほぼ0度の角度まで回転したとき、アイコンfは厚さ0の板であるため、利用者に全く見えなくなる。よって、アイコンの角速度を一定にするよりも、アイコンfの角度が、利用者が見る方向に対してほぼ90度にあるときにはアイコンの角速度を低速に制御し、アイコンの角度が90度から所定角度以上(たとえば、15度以上)離れたら、角速度を急激に高速に制御するようにしても良い。これによれば、利用者により見やすい表示を提供することができるとともに、利用者のアクセシビリティを向上させることができる。
【0072】
他にも、アイコンを100%非表示とするかわりに、透過処理で透過率を高めることによっても目的を達成することが可能である。これらの方法を用いることによって、画像処理の負荷は多少高まるが、地図表示のエンターテイメント性を高めることが可能になる。
【0073】
本実施形態によると、重なるPOIアイコンは周期的に表示.非表示したり、利用者の見やすさを考慮してアイコンの角速度を制御しながら回転表示したりする表示方法を繰り返すことにより、各アイコンを他のアイコンと重ならせることなく周期的に表示することができる。よって、従来のように、表示しようとするPOIの密度が高い部分で、複数のPOIアイコンが重なりあってしまうため、重なってしまったPOIアイコンの内容がわかり難くなり、また、重なってしまったPOIアイコンの中から選択したいPOIアイコンを指定することが困難になるという課題を解消することができる。
【0074】
さらに、従来の手法例の特許文献1〜5のように、個々のPOIをまとめてしまったことで、元のPOI個々の情報を失ってしまい、その結果、個々のPOIの位置や内容が分からなくなってしまうといった問題は生じない。さらに従来の手法例の特許文献6のように、POIアイコンの指す先(実際の位置)が後方のPOIアイコンの模様などで見づらくなったり、背景である地図が常にPOIアイコンに隠れて見づらくなったりという問題も発生しない。また、POIアイコンの色を含めた携帯を区別する必要がないため、従来の手法例の特許文献1、2に比べてアクセシビリティにも優れた表示方法を実現できる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る地図表示装置10について図面を参照しながら説明する。
(地図表示装置の機能構成)
本実施形態に係る地図表示装置10の機能構成は、図1に示した第1実施形態に係る地図表示装置10の機能構成と同じであるため省略する。ただし、第1の実施形態が注目点の周辺の重なったPOIアイコンについて周期的に表示・非表示又は回転して表示する制御を行なっているのに対し、本実施形態では該当範囲のPOIアイコンが重ならずに表示できるよう、POIアイコンが含まれている範囲を拡大表示する点が異なる。また、POIアイコン表示制御テーブル14の格納データの形式が異なる。よって、POIアイコン表示制御部12及びPOIアイコン表示制御テーブル14に関するそれらの相違点を中心に、本実施形態に係る地図表示装置10を説明する。
【0076】
POIアイコン表示制御テーブル14の格納データの形式は、具体的には、図9に示したように、着目点、拡大半径、倍率を格納する。
【0077】
POIアイコン表示制御部12は、POIデータ格納部22に格納されたPOIデータのうち、利用者により指示された条件に応じた特定のPOIデータを、特定の地図データの所定位置周辺を拡大しながら、その拡大された地図データ上に表示する。
【0078】
たとえば、POIアイコン表示制御部12は、判定部15によりPOIデータが重なって表示されると判定された場合、特定の地図データの所定位置周辺を拡大しながら、重なって表示されると判定された2つ以上のPOIデータを前記拡大された地図データ上に表示する。その際、重なって表示されると判定された2つ以上のPOIデータは拡大せずに前記拡大された地図データ上の所定位置に表示する。
【0079】
その際、POIアイコン表示制御部12は、2つ以上のPOIデータの大きさと隣接するPOIデータ間の距離とに基づき拡大率を計算し、その拡大率に応じて特定の地図データの所定位置周辺を拡大して表示する。
【0080】
(地図表示装置の動作)
次に、地図表示装置10の動作について説明する。ここでは、主に本装置の特徴でもあるPOIアイコン表示制御部12、及び判定部15の動作を主として図12及び図7〜図10を用いて説明する。
【0081】
図7の動作中、最初のS600のPOIデータの取得処理、及びS605のPOIアイコンが重なり合うかの判定処理は、第1実施形態と同様なのでここでは省略する。
【0082】
S610のステップにて、S605のステップで得られた注目点に最も近いPOIアイコンが、POIデータをPOIアイコンとして表示した際に、このPOIアイコンと重なる別のPOIアイコンが存在する場合、S615のステップに進んで、注目点に最も近いアイコンと他のアイコンが重ならないための拡大率を、アイコンの表示位置とアイコンのサイズを用いて計算する。
【0083】
S620のステップでは、その結果でPOIアイコン表示制御テーブル14を更新する。図8を例にすると、アイコンのPOI内容表示部分の半径をrとし、隣接するPOIアイコンの距離をdとすると、md≧2rとなる拡大率mを求めればよい。但し、ここでの距離dとは、該当する二点間の実距離ではなく、画面上での距離であり、単位はアイコンの半径rを表すものと同じものを用いる。重なるアイコンが複数ある場合は、それぞれについてmを求め、最も大きなmを採用する。あるいは最も小さなdを求め、上の条件式を満たすmを求める。この結果が、図9に示した形式にてPOIアイコン表示制御テーブル14に格納される。
【0084】
図10は、このようにPOIアイコン表示制御テーブル14が更新された場合の、POIアイコン表示の動作例である。×印で記された注目点周辺のPOIアイコンa、b、cの周辺が拡大表示されている。このとき、POIアイコンそのものは拡大しない。
【0085】
なお、求められる拡大範囲または拡大率が大きいために、拡大表示部分が表示画面におさまらない、あるいは非常に高い割合をしめる場合には、拡大表示部分の大きさを制限し、スクロールやドラッグ操作によって拡大表示部分内がスクロールするようにしてもよい。
【0086】
本実施形態においても、注目点周辺のPOIアイコンについて第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。注目点周辺以外のPOIアイコンは重なったままであるから、一覧性は第1の実施形態より多少は劣るが、POIアイコンが点滅したり回転したりすることがないので、利用者が通常感じる、ちらつき感を感じない分だけ見やすいという利点がある。また、POIアイコン描画部13の負荷が第1の実施形態よりも少ないという利点がある。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
上記各実施形態において地図表示装置を構成する各部の動作は互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作及び一連の処理として置き換えることができる。これにより、地図表示装置の実施形態を、地図表示方法の実施形態及び地図表示装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムの実施形態とすることができる。
【0089】
また、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0090】
各実施形態で説明した構成は、構成の一例として機能別に説明したものであり、実現するハードウ工アの物理構成がここで説明した機能部毎に明確に分離され、独立に用意されている必要はない。例えば、本発明に係る地図表示装置では、地図表示制御部11〜判定部15の一部又は全部を実現するプ口セッサとRAM、ROMは共通で分離不可のものであってもよく、さらには他の機能を実現する装置の一部を利用してもよい。また、本装置を構成する部分の一部をコンピュータネットワークで接続された他の場所に配置してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、POIイコンの重なりについて説明した。しかしながら、本発明に係る地図表示装置では、電子地図上の地図記号や名称なとのテキストの重なりついても同様に適応可能である。すなわち、本発明に係る地図表示装置では、地図記号、文字列及びPOIを示すアイコンの少なくともいずれか一種類以上を位置表現データとして表示する場合の表示の重なりを解消するために適用することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、時間tl〜t6を、重要度に応じて長く、あるいは連続的に表示することを説明した。これに対して、本発明に係る地図表示装置では、図11に示したように、コンテンツ収集部200により、インターネット300を介してPOIデータを収集し、更新するようなシステムにおいては、重要度を収集日時を用いて決定することができる。このようにすれば、新鮮なコンテンツが属するするPOIを、より目立たすことができ、その結果、新鮮なコンテンツを選択することが容易になる。また、同じシステムにおいて重要度を収集したコンテンツ数を用いて決定することができる。このようにすれば、情報量の多いPOIを選択することが容易になる。
【符号の説明】
【0093】
10 地図表示装置
11 地図表示制御部
12 POIアイコン表示制御部
13 POIアイコン描画部
14 POIアイコン表示制御テーブル
15 判定部
21 地図データ格納部
22 POIデータ格納部
30 表示条件入力部
40 表示用メモリ
50 画像表示制御部
60 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを格納する地図データ格納部と、
前記地図データ格納部に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを格納する位置表現データ格納部と、
前記地図データ格納部に格納された地図データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを表示する地図表示制御部と、
前記位置表現データ格納部に格納された位置表現データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示する位置表現表示制御部と、
を備える地図表示装置。
【請求項2】
地図データを格納する地図データ格納部と、
前記地図データ格納部に格納された地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを格納する位置表現データ格納部と、
前記地図データ格納部に格納された地図データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを表示する地図表示制御部と、
前記位置表現データ格納部に格納された位置表現データのうち、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示する位置表現表示制御部と、
を備える地図表示装置。
【請求項3】
前記位置表現表示制御部は、
前記重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを回転させながら表示する場合、前記2つ以上の位置表現データのそれぞれが所定の周期毎に順番に正面に表示されるように回転させる請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記位置表現表示制御部は、
前記2つ以上の位置表現データのそれぞれの表示角度が前記利用者の見る方向に対して90度に近づく程、各位置表現データの角速度を低速に制御する請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記位置表現表示制御部は、
前記重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データは拡大せずに前記拡大された地図データ上の所定位置に表示する請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記位置表現表示制御部は、
前記2つ以上の位置表現データの大きさと隣接する位置表現データ間の距離とに基づき拡大率を計算し、前記拡大率に応じて前記特定の地図データの所定位置周辺を拡大する請求項2又は5のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項7】
予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示するステップと、
地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定するステップと、
前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定するステップと、
前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示するステップと、
を含む地図表示方法。
【請求項8】
予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示する処理と、
地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定する処理と、
前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する処理と、
前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データ上の所定位置に回転させながら表示する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示するステップと、
地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定するステップと、
前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定するステップと、
前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示するステップと、
を含む地図表示方法。
【請求項10】
予め地図データを格納した地図データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の地図データを特定し、表示する処理と、
地図データから特定の位置を見つけるために役立つ位置表現データを予め格納した位置表現データ格納部から、利用者により指示された条件に応じた特定の位置表現データを特定する処理と、
前記特定の位置表現データが複数存在する場合、該複数の位置表現データのいずれか2つ以上が前記特定の地図データ上の所定位置にて重なって表示されるか否かを判定する処理と、
前記2つ以上の位置表現データが重なって表示されると判定された場合、該重なって表示されると判定された2つ以上の位置表現データを、前記表示されている特定の地図データの所定位置周辺を拡大させながら、該拡大された地図データ上に表示する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−237393(P2010−237393A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84536(P2009−84536)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】