説明

地方自治体同報通信装置

【課題】地方自治体から地域住民に報知する同報情報を携帯電話機の基地局の接続された公衆通信網を利用して知らせるようにする。
【解決手段】操作者が発信場所2に設けられた送信装置1を操作すると、送信装置1が操作者の操作に応じた地方自治体から地域住民に報知する防災情報や催事などの情報のような同報情報を格納したパケットをIPネットワークとして構成された公衆通信網6に送信し、ルータ16がパケットのIPアドレスに対応する告知端末装置9に送信し、IPアドレスに対応する告知端末装置9の接続されたスピーカ8が同報情報としての音声を放出するので、既存の基地局4の接続された公衆通信網6を利用することができ、発信場所2において送信装置1を公衆通信網6に配線7で接続しかつ架設構造体11において告知端末装置9を基地局4の公衆通信網6の側に配線10で接続するという小規模な配線工事だけで済むという利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地方自治体から地域住民に報知する防災情報や催事などの情報のような同報情報を携帯電話機の基地局に接続された公衆通信網を利用して知らせることができる地方自治体同報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示された同報通信装置は、CATVセンタ又は告知放送センタからの音声信号を加入者宅に設けられた告知受信端末装置で受信する構成であるが、CATVセンタ又は告知放送センタと告知受信端末装置とを結ぶ大規模な配線工事が必要であるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−179715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、大規模な配線工事が必要であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る地方自治体同報通信装置は、地方自治体から地域住民に報知する防災情報や催事などの情報のような同報情報を発信する送信装置が地方自治体の防災情報や催事などの情報などの同報情報を発信する発信場所に設けられるとともに携帯通信用の固定アンテナを備える基地局に接続された公衆通信網に接続され、スピーカを備える告知端末装置が基地局の公衆通信網の側に接続されるとともに固定アンテナを備える基地局の設けられた架設構造体に設けられたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る地方自治体同報通信装置は、送信装置が発信場所に設けられ、告知端末装置やスピーカが既存の固定アンテナや基地局の設けられた架設構造体に設けられることによって、既存の基地局の接続された公衆通信網を利用することができるので、告知端末装置及びスピーカを設ける際、防災情報や催事などの情報を地方自治体全域に広く報知できるよう考慮する必要がなく、発信場所において送信装置を公衆通信網に接続しかつ架設構造体において告知端末装置を基地局の公衆通信網の側に接続するという小規模な配線工事だけで済むという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1に係る地方自治体同報通信装置の構成を示す模式図。
【図2】実施の形態1;2に係る画像表示器の表示画面を示す模式図。
【図3】実施の形態2に係る地方自治体同報通信装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「実施の形態1」
図1を参照し、実施の形態1に係る地方自治体同報通信装置の構成について説明する。地方自治体同報通信装置は、地方自治体から地域住民に報知する防災情報や催事などの情報のような同報情報を発信する送信装置1が当該同報情報を発信する役場のような発信場所2に設けられるとともに携帯通信用の固定アンテナ3を備える基地局4の光ケーブルのような配線5で接続されたIPネットワークのような公衆通信網6に光ケーブルのような配線7で接続され、スピーカ8を備える告知端末装置9が基地局4の公衆通信網6の側に光ケーブルのような配線10で接続されるとともに固定アンテナ3を備える基地局4の設けられた電柱のような架設構造体11に設けられた、態様である。
【0009】
したがって、この実施の形態1に係る地方自治体同報通信装置によれば、送信装置1が発信場所2に設けられ、スピーカ8や告知端末装置9が既存の固定アンテナ3や基地局4の設けられた架設構造体11に設けられることによって、既存の基地局4の接続された公衆通信網6を利用することができるので、スピーカ8及び告知端末装置9を設ける際、防災情報や催事などの情報を地方自治体全域に広く報知できるよう考慮する必要がなく、発信場所2において送信装置1を公衆通信網6に配線7で接続しかつ架設構造体11において告知端末装置9を基地局4の公衆通信網6の側に配線10で接続するという小規模な配線工事だけで済むという利点がある。
【0010】
送信装置1としては、パソコンのようなコンピュータ13やキーボードのような操作部14及び液晶表示器のような画像表示器15を備える構成を例示する。コンピュータ13には、図示しないが、IPによる同報プログラムや同報データベース及びIPアドレスデータベースが設けられる。同報データベースには、津波情報、地震情報、雪崩情報、土砂崩れ情報、行政情報のような複数の同報情報を表現する音声データが予め格納されている。例えば、操作者がコンピュータ13に接続したマクロフォン42に向かって喋った「津波がきたので高台に避難して下さい」というような音声データを同報データベースに予め登録しておくか、又は、操作者が既に作成された「津波がきたので高台に避難して下さい」というような音声データの格納された音声ファイルを同報データベースに予め登録しておく。IPアドレスデータベースには、個別地域選択信号とそれに対応する告知端末装置9を特定するIPアドレスが記録される。
【0011】
基地局4は、IPによるパケット通信処理機能を有する。公衆通信網6としてのIPネットワークは、IP(Internet Protocol)により或るネットワークに存在する図外のコンピュータと別のネットワークに存在する図外のコンピュータとを互いに接続するコンピュータネットワークである。IPは、コンピュータ同士で情報をやり取りするときの手順やルールの取り決めである。公衆通信網6としてのIPネットワークには、ルータ16が設けられる。ルータ16は、送信装置1から同報情報の格納されたパケットをそのパケットに付されたIPアドレスに対応する告知端末装置9に向けて送信する機器である。
【0012】
架設構造体11には、分電ボックス17が設けられる。分電ボックス17は、公衆通信網6から基地局4の側に延びる光ケーブルのような配線18に、基地局4から公衆通信網6の側に延びる光ケーブルのような配線5と告知端末装置9から公衆通信網6の側に延びる光ケーブルのような配線10とを接続する器具である。架設構造体11としては、ビルや鉄塔であってもよい。
【0013】
固定アンテナ3と基地局4とが互いに配線19で接続される。各告知端末装置9に配線20で接続されるスピーカ8の個数は、1個でもよいが、複数個の方が各スピーカ8の音声の放出される方向を周辺の地域住民に良好に聞こえるように向けることができるので好適である。
【0014】
次に、図1に図示された固定アンテナ3と基地局4とスピーカ8と告知端末装置9及び分電ボックス17の設けられた複数の架設構造体11が1つずつ又は複数ずつ発信場所2を管轄する複数の地域21;22;23;24ごとに設けられた場合を仮定し、実施の形態1に係る地方自治体同報通信装置の動作について説明する。複数の地域22乃至24は、4つに限定されるものではなく、2つ又は3つ又は5つ以上であってもよい。
【0015】
先ず、操作者がコンピュータ13の電源をオン操作すると、コンピュータ13の同報プログラムが起動して選択画面が画像表示器15に表示される。この選択画面としては、図2に示すように、例えば、全地域選択釦25、複数の個別地域選択釦26;27;28;29、複数の同報情報選択釦30;31;32、釦別説明表示部33;34が画像表示器15に表示された態様である。個別地域選択釦26乃至29は、発信場所2の管轄する複数の地域21乃至24ごとに対応する複数の釦からなる。同報情報選択釦30乃至32は、同報データベースに記録された複数の同報情報ごとに対応する複数の釦からなる。釦別説明表示部33には、地域選択釦別説明文表示領域35;36;37;38が表示された態様である。地域選択釦別説明文表示領域35には「個別地域選択釦26は海側地域です」の文言が表示され、地域選択釦別説明文表示領域36には「個別地域選択釦27は山側地域です」の文言が表示され、地域選択釦別説明文表示領域37には「個別地域選択釦28は川側地域です」の文言が表示され、地域選択釦別説明文表示領域38には「個別地域選択釦29は市街地域です」の文言が表示されている。釦別説明表示部34には、同報釦別説明文表示領域39;40;41が表示された態様である。同報釦別説明文表示領域39には「同報情報選択釦30は「津波が来たので高台に避難して下さい」です」の文言が表示され、同報釦別説明文表示領域40には「同報情報選択釦31は「土砂崩れが発生しやすいので公民館に非難して下さい」です」の文言が表示され、同報釦別説明文表示領域41には「同報情報選択釦32は上流に大雨が降ったので高台に非難して下さい」です」の文言が表示されている。
【0016】
図2に示すような選択画面が画像表示器15に表示された状態において、操作者が操作部14(図1参照)を操作して、全地域選択釦25又は複数の個別地域選択釦26乃至29の何れか1つ又は複数を選択するとともに複数の同報情報選択釦30乃至32の何れか1つ又は複数を選択する。これによって、図1において、コンピュータ13の同報プログラムによる同報処理が開始する。この同報処理の結果、選択された全地域選択釦25(図2参照)又は複数の個別地域選択釦26乃至29(図2参照)の何れかを表現する同報地域選択コードや同報データベースから選択された同報情報選択釦30乃至32(図2参照)に対応して抽出された同報情報としての音声データを格納したパケットがコンピュータ13から配線7を経由して公衆通信網6としてのIPネットワークに送信される。このパケットにはIPアドレスが付与されている。IPアドレス(Internet Protocol Address)は、パケットの配信先の機器としての告知端末装置9を判別するための識別番号である。よって、IPアドレスとしては、操作者による全地域選択釦25又は複数の個別地域選択釦26乃至29の選択の結果によって決定される。
【0017】
そして、図1において、ルータ16が上記同報処理によって公衆通信網6としてのIPネットワークに送信されたパケットをそのパケットに付されたIPアドレスに対応する告知端末装置9に向けて送信する。このIPアドレスに対応する告知端末装置9に向けて送信されたパケットは、分電ボックス17を経由して上記告知端末装置9の設けられた架設構造体11に設けられた基地局4と当該告知端末装置9との双方に送信される。基地局4は、送信されてきたパケットに付されたIPアドレスから当該パケットが自分宛のものである否かを判断し、送信されてきたパケットが自分宛である場合は当該パケットを受信し、送信されてきたパケットが自分宛のものでない場合は当該パケットを破棄する。IPアドレスに対応する告知端末装置9は、送信されてきたパケットに付されたIPアドレスから当該パケットが自分宛のものである否かを判断し、送信されてきたパケットが自分宛でない場合は当該パケットを破棄し、送信されてきたパケットが自分宛である場合は当該パケットを受信し、当該受信したパケット内の同報情報としての音声データに対応する信号をIPアドレスに対応する告知端末装置9に接続されたスピーカ8に送信し、当該スピーカ8が信号に対応する同報情報としての音声を放出する。
【0018】
例えば、操作者が図2に示す画像表示器15に表示された選択画面において全地域選択釦25を選択した場合には、図1に示すコンピュータ13による同報処理では全地域選択釦25(図2参照)を表現する同報地域選択コードに対応するIPアドレスとして複数の地域21乃至24のそれぞれに設けられた告知端末装置9を表すIPアドレスが送信装置1で作成されたパケットに付与されるので、複数の地域21乃至24のそれぞれに設けられたスピーカ8から同じ同報情報が放出される。
【0019】
例えば、操作者が図2に示す画像表示器15に表示された選択画面において1つの地域21に対応する1つの個別地域選択釦26又は個別地域選択釦27又は個別地域選択釦28又は個別地域選択釦29を選択した場合には、図1に示すコンピュータ13による同報処理では1つの地域21に対応する1つの個別地域選択釦26(図2参照)又は個別地域選択釦27(図2参照)又は個別地域選択釦28(図2参照)又は個別地域選択釦29(図2参照)を表現する同報地域選択コードに対応するIPアドレスとして1つの地域21に設けられた告知端末装置9を表すIPアドレスが送信装置1で作成されたパケットに付与されるので、1つの地域21に設けられたスピーカ8から同報情報が放出される。1つの地域21を残りの地域22乃至24のうちの何れか1つと読み替えることによって、複数の地域22乃至24の1つに設けられたスピーカ8から同報情報を放出することもできる。
【0020】
例えば、操作者が図2に示す画像表示器15に表示された選択画面において複数の地域21;22に対応する複数の個別地域選択釦26;27又は個別地域選択釦26;28又は個別地域選択釦26;29を選択した場合には、図1において、コンピュータ13による同報処理では複数の地域21;22に対応する複数の個別地域選択釦26;27(図2参照)又は個別地域選択釦26;28(図2参照)又は個別地域選択釦26;29(図2参照)を表現する同報地域選択コードに対応するIPアドレスとして複数の地域21;22のそれぞれに設けられた告知端末装置9を表すIPアドレスが送信装置1で作成されたパケットに付与されるので、複数の地域21;22のそれぞれに設けられたスピーカ8から同じ同報情報が放出される。複数の地域21;22を残りの地域23;24又は地域22;23又は地域22;24と読み替えることによって、複数の地域22乃至24に設けられたスピーカ8から同報情報を放出することもできる。複数の個別地域選択釦26乃至29のうち選択される3個以上であってもよく選択される組み合わせも上記に限定されるものではない。
【0021】
例えば、操作者が図2に示す画像表示器15に表示された選択画面において複数の地域21;22に対応する複数の個別地域選択釦26;27又は個別地域選択釦26;28又は個別地域選択釦26;29を選択し、また、操作者が選択した1つの地域21への同報情報に対応する1つの同報情報選択釦30又は同報情報選択釦31又は同報情報選択釦32を選択し、さらに、操作者が選択したもう1つの地域22への同報情報に対応する1つの同報情報選択釦30又は同報情報選択釦31又は同報情報選択釦32を選択した場合には、図1において、コンピュータ13による同報処理では1つの地域21に対応する例えば個別地域選択釦26(図2参照)を表わす同報地域選択コードに対応するIPアドレスとして1つの地域21に設けられた告知端末装置9を表すIPアドレスが送信装置1で作成された1つの地域21への例えば同報情報選択釦30(図2参照)による同報情報を格納したパケットに付与され、コンピュータ13による同報処理ではもう1つの地域22に対応する例えば個別地域選択釦27(図2参照)を表わす同報地域選択コードに対応するIPアドレスとしてもう1つの地域22に設けられた告知端末装置9を表すIPアドレスが送信装置1で作成されたもう1つの地域22への例えば同報情報選択釦31(図2参照)による同報情報を格納したパケットに付与されるので、複数の地域21;22のそれぞれに設けられたスピーカ8から異なる同報情報が個別に放出される。例えば、上記1つの地域21が海側の地域である場合には送信装置1から図2に示す同報釦別説明文表示領域39中における「津波が来たので高台に避難して下さい」というような津波情報を地域21のスピーカ8から放出し、上記もう1つの地域22が山側の地域である場合には送信装置1から図2に示す同報釦別説明文表示領域40中における「土砂崩れが発生しやすいので公民館に非難して下さい」というような土砂崩れ情報を地域22のスピーカ8から放出するというように、各地域21乃至24ごとに異なる同報情報を放送してもよい。複数の個別地域選択釦26乃至29のうち選択される3個以上であってもよく選択される組み合わせも上記に限定されるものではない。
【0022】
図1において、送信装置1のコンピュータ13に同報データベースを設けることなく、同報データベースを告知端末装置9に設けてもよい。この場合、コンピュータ1からは操作部14の操作に応じた例えば「音声ファイルを再生せよ」というような操作情報がパケットに入れられて告知端末装置9に配信され、告知端末装置9がコンピュータ1からの操作情報に応じた音声データに対応する信号をスピーカ8に送る。また、コンピュータ1が気象庁から公衆通信網6を経由して受信した防災情報をそのまま流したり、又は、コンピュータ1が気象庁から公衆通信網6を経由して防災情報を受信した場合、操作者が当該受信した防災情報を地域21乃至24に適する情報として加工した後にコンピュータ1に同報指示をおこなってもよい。催事などの情報としては、地域商店街のバーゲン情報でもよい。
【0023】
また、送信装置1のコンピュータ13に音声入力機器としてのマイクロフォン42を接続し、操作者がマイクロフォン42に向かって同報情報を喋ると、送信装置1がマイクロフォン42から入力された同報情報をパケットに格納するとともに操作者による複数の個別地域選択釦26乃至29(図2参照)の選択に応じたIPアドレスを当該パケットに付与して公衆通信網6に送信するようにしてもよい。
【0024】
同報情報をIPアドレスで分けて告知端末装置9に配信する代わりに、同報情報を同報情報の搬送波の周波数で分けて告知端末装置9に配信したり、同報情報を時分割多重で分けて告知端末装置9に配信したり、同報情報を電話番号で分けて告知端末装置9に配信したりしてもよい。同報情報を同報情報の搬送波の周波数で分けて告知端末装置9に配信する場合には、分電ボックス17に代わり搬送波の周波数で搬送波を弁別する装置を架設構造体11に設ければよい。同報情報を時分割多重で分けて告知端末装置9に配信する場合には、送信装置1に多重化装置を用いて多重化を行い、分電ボックス17に代わり上記多重化された信号を各チャネルに分ける分離装置を架設構造体11に設ければよい。同報情報を電話番号で分けて告知端末装置9に配信する場合については、図2で説明する。
【0025】
「実施の形態2」
図3を参照し、実施の形態2に係る地方自治体同報通信装置として同報情報を電話番号で分けて告知端末装置9に配信する場合を例として説明すると、公衆通信網6がIPネットワークを利用した電話網を構成し、発信装置1と公衆通信網6とを接続する配線7が光ケーブルによる電話回線を構成し、公衆通信網6にはルータ16(図1参照)に代わり発信場所2を管轄する電話交換装置43が設けられ、架設構造体11には分電ボックス17(図1参照)に代わり経路切換装置44が設けられる。
【0026】
したがって、この実施の形態2に係る地方自治体同報通信装置によれば、送信装置1が発信場所2に設けられ、告知端末装置9やスピーカ8及び経路切換装置44が既存の固定アンテナ3や基地局4の設けられた架設構造体11に設けられることによって、既存の基地局4の接続された公衆通信網6を利用することができるので、告知端末装置9及びスピーカ8及び経路切換装置44を設ける際、防災情報や催事などの情報を地方自治体全域に広く報知できるよう考慮する必要がなく、発信場所2において送信装置1を公衆通信網6に配線7で接続しかつ架設構造体11において告知端末装置9を経路切換装置44を介して基地局4の公衆通信網6の側に配線10で接続するという小規模な配線工事だけで済むという利点がある。
【0027】
次に、実施の形態2に係る地方自治体同報通信装置の動作について説明する。操作者がコンピュータ13の電源をオン操作すると、コンピュータ13の同報プログラムが起動して選択画面が画像表示器15に表示される。選択画面が画像表示器15に表示された状態において、操作者が操作部14を操作して、全地域選択釦25(図2参照)又は複数の個別地域選択釦26乃至29(図2参照)の何れかを選択するとともに複数の同報情報選択釦30乃至31(図2参照)の何れかを選択する。これによって、コンピュータ13の同報プログラムによる同報処理が開始する。この同報処理の結果、操作者で選択された全地域選択釦25(図2参照)又は複数の個別地域選択釦26乃至29(図2参照)の何れかを表現する同報地域選択コードとしての電話番号や同報データベースから選択された同報情報選択釦30乃至32(図2参照)に対応して抽出された同報情報としての音声データがコンピュータ13から配線8を経由して公衆通信網6としての電話網の電話交換装置43に送信される。
【0028】
そして、電話交換装置43が前記電話番号を検出すると、電話交換装置43が切換信号を経路切換装置44に出力し、切換信号を検出した経路切換装置44が基地局4を公衆通信網6から切断するとともに告知端末12を公衆通信網6に接続した後、電話交換装置43が音声データを電話番号に対応する告知端末装置9に向けて送信し、電話番号に対応する告知端末装置9が送信されてきた同報情報としての音声データに対応する信号を電話番号に対応する告知端末装置9に接続されたスピーカ8に送信し、当該スピーカ8が信号に対応する同報情報としての音声を放出する。
【0029】
さらに、同報情報の放送が終了するのに伴って、送信装置1が同報終了信号を電話交換装置43に出力し、同報終了信号を検出した電話交換装置43が切換信号を経路切換装置44に出力し、切換信号を検出した経路切換装置44が基地局4を公衆通信網6に接続するとともに告知端末12を公衆通信網6から切断する。
【符号の説明】
【0030】
1は送信装置、2は発信場所、3は固定アンテナ、4は基地局、5は配線、6は公衆通信網、7は配線、8はスピーカ、9は告知端末装置、10は配線、11は架設構造体、12は欠番、13はコンピュータ、14は操作部、15は画像表示器、16はルータ、17は分電ボックス、18乃至20は配線、21乃至24は地域、25は全地域選択釦、26乃至29は個別地域選択釦、30乃至31は同報情報選択釦、33;34は釦別説明表示部、35乃至38は地域選択釦別説明文表示領域、39乃至41は同報釦別説明文表示領域、42はマイクロフォン、43は電話交換装置、44は経路切換装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地方自治体から地域住民に報知する防災情報や催事などの情報のような同報情報を発信する送信装置が地方自治体の防災情報や催事などの情報などの同報情報を発信する発信場所に設けられるとともに携帯通信用の固定アンテナを備える基地局に接続された公衆通信網に接続され、スピーカを備える告知端末装置が基地局の公衆通信網の側に接続されるとともに固定アンテナを備える基地局の設けられた架設構造体に設けられたことを特徴とする地方自治体同報通信装置。
【請求項2】
公衆通信網がIPネットワークにより構成されたことを特徴とする請求項1記載の地方自治体同報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−119789(P2011−119789A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272661(P2009−272661)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】