説明

型材の断熱接合構造

【課題】断熱材を介在させたかしめを採用することで、複数の型材を断熱して接合することができる型材の断熱接合構造を提供すること。
【解決手段】複数の型材の側端部にかしめ部材を設け、このかしめ部材を断熱材を介在させてかしめることで、型材相互が断熱された接合を行う型材の断熱接合構造であって、上記型材1の一方の側端部2に設けるかしめ部材4は、型材の側端部から裏側へ突出する突縁であり、他方の型材の側端部に設けられるかしめ部材5は、型材の側端部から裏側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであって、上記断熱材6は、内部に上記突縁のかしめ部材を嵌合する溝14を有し、外形を上記鉤形をなすかしめ部材のかしめ形状に適合させたものであって、この断熱材を上記突縁のかしめ部材へ取り付けて、その外側に上記コ字形をなすかしめ部材を被せてかしめ付けを行うものであること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の型材を断熱して接合することができる型材の断熱接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、型材を接合する構造として、帯板材の一側端に第1の接合片を設け、他側端に第2の接合片を設けて、これら接合片を嵌合させた後、両接合片の当接部の間隔をねじの締め込みにより広げて、帯板材同士を密着させることで接合を行うようにしたものは、例えば特許文献1により知られている。
【特許文献1】実公平7−17846号公報
【0003】
しかしながら、上記接合構造は複数の帯板材が密着接合されるため、帯板材相互間で熱伝導が行なわれて、断熱した帯板材の接合はできない問題点があつた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点を解消し、断熱材を介在させたかしめを採用することで、複数の型材を断熱して接合することができる型材の断熱接合構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため本発明に係る型材の断熱接合構造は、下記の構成を採用することを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明は、複数の型材の側端部にかしめ部材を設け、このかしめ部材を断熱材を介在させてかしめることで、型材相互が断熱された接合を行う型材の断熱接合構造であって、上記型材の一方の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から裏側へ突出する突縁であり、他方の型材の側端部に設けられるかしめ部材は、型材の側端部から表側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであって、上記断熱材は、内部に上記突縁のかしめ部材を嵌合する溝を有し、外形を上記鉤形をなすかしめ部材のかしめ形状に適合させたものであり、この断熱材を上記突縁のかしめ部材へ取り付け、その外側に上記コ字形をなすかしめ部材を被せてそのかしめ付けを行うこと。
【0007】
請求項2に係る発明は、複数の型材の側端部にかしめ部材を設け、このかしめ部材を断熱材を介材させてかしめることで、型材相互が断熱された接合を行う型材の断熱接合構造であって、上記型材の一方の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から裏側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであり、他方は型材の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から表側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであり、上記断熱材は、上記一対のコ字形をなすかしめ部材のかしめ形状に適合する一対の接合部を連結部により対称的に連結した形状のものであり、この断熱材の一対の接合片をコ字形をなす一対のかしめ部材へそれぞれ嵌合して、かしめ部材のかしめ付け行うこと。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記突縁であるかしめ部材と、コ字形をなすかしめ部材とが上記断熱材へ接する部分に凸部または凹部を設けられ、この凸部または凹部に対応させて断熱材が凹部または凸部を設けられること。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記側端部に設けたかしめ部材を断熱材を介在させて接合した型材によって面状の構造材を構成する場合、各型材の裏側に断熱材を取り付けるようにしたこと。
【0010】
請求項5に係る発明は、上記側端部に設けたかしめ部材を断熱材を介在させて接合した型材によって筒状等の構造材を構成する場合、内部に生ずる空間へ断熱材を充填するようにしたこと。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、複数の型材の側端部に設けた突縁のかしめ部材と、コ字形をなすかしめ部材との間に断熱材を介在させてコ字形をなすかしめ部材をかしめ付けることで型材を接合するため、型材を相互が断熱された状態で確実に接合して面状、筒状、その他の建築用の構造体を簡単に構成することができて、しかも、構成された構造体は、型材相互の断熱によって一部が加熱または冷却されても他の部分への伝達が少なくて、構造体で構築する建物、設備等の内部に対する外気温度の影響を極力少なくすることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、複数の型材の側端部にコ字形をなすかしめ部材を対称的に設け、これらかしめ部材に断熱材の一対の接合部を嵌合して、かしめ部材のかしめ付けを行うことで型材を接合するため、型材を相互が断熱された状態で確実に接合した面状、筒状、その他の建築用の構造体を簡単に構成することができて、請求項1と同様の効果が得られる上に、断熱材の弾性によって接合部が緩衝性を持ち、振動や衝撃を吸収するので接合部の損傷を生じ難くなる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、型材の側端部に設けたかしめ部材と断熱材とが接する部分の一方に凸部を設け、これに対応させて他方には凹部を設けたため、かしめ部材をかしめ付けると凸部が凹部に係合して、接合部のずれや外れを防止して接合部の変形、損傷を抑制する。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、断熱材を介在させたかしめで複数の型材を接合することで面状に構成した構造体の裏側に断熱材を取り付けるため、一部の型材が加熱または冷却されても接合部の断熱で他の型材への影響が抑制されるとともに、構造体の表面が加熱または冷却される場合も、裏側に設けた断熱材による断熱で構造体の裏側への影響が抑制されるので、構造体で構築する建物、設備等の内部に対する外気温度の影響を極力少なくする効果を一層高めることができる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、断熱材を介在させたかしめで複数の型材を接合して筒状等の構造体を得た場合、内部に生ずる空間へ断熱材を充填するため、一部の型材が加熱または冷却されても接合部の断熱で他の型材への影響が抑制されるとともに、構造体の表側が加熱または冷却される場合も、内部の空間に充填した断熱材の断熱で構造体への影響が抑制されるので、構造体で構築する建物、設備等の建物等の内部に対する外気温度の影響を極力少なくする効果を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明に係る型材の断熱接合構造の実施形態を図面について説明する。
【0017】
図1〜図7は、本発明に係る型材の断熱接合構造の請求項1に係る実施形態を示すものであって、この型材の断熱接合構造は、図中において符号Aで示され、複数の型材1の側端部2と3にかしめ部材4と5を設け、これらかしめ部材4と5を断熱材6を介在させてかしめることで、図3、図5に示す通り複数の型材1を相互が断熱されるように接合することを基本構成としている。
【0018】
上記型材の断熱接合構造Aによって接合する複数の型材1は、アルミニウムの押出成型によって構成する構造体に適した断面形状の長尺物に形成するものであって、図3に示す壁等の面状をなす構造体7を構成する場合は、型材1は図4に示す通り一方の側端部2に裏側(図4においては上方)へ突出する突縁のかしめ部材4を設けて、このかしめ部材4に近い型材の裏側には断熱材6のはみ出し防止片8を設け、他方の側端部3には裏側(図4においては上方)へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなして折返部をかしめ片5aとしたかしめ部材5を設け、型材1の裏側の中央部には補強用のリブ9を長手方向に複数を並設した構造に形成して、この1種類の必要数だけ用いる。
【0019】
また、図5に示す筒状等の構造体10を構成する場合は、型材は図6に示す通り1−1と1−2の2種類を必要とするものであって、型材1−1と1−2は、側端部2と3に対向して立上片11と12を設け、一方の型材1−1の立上片11と12の先端には裏側(図6においては内方)へ突出する突縁のかしめ部材4を設け、他方の型材1−2の立上片11と12の先端には裏側(図4においては内方)へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片5aとしたかしめ部材5を設ける構造とした2種類を1組として用いる。
【0020】
更に、上記突縁をなすかしめ部材4と、コ字形をなすかしめ部5が、断熱材6の内側及び外側へ接する部分には、接する1面に対して1個以上の凸部13(反対の凹部でもよい)を図1、図2に示す通り設けて、断熱材6に後記の通り設ける凹部15へ係合させるようにする。
【0021】
上記断熱材6は、断熱性に優れて適度な弾性も有する合成樹脂、合成ゴム等で、図7に示す通り内側に下方へ開口する溝14を有し、外形をコ字形をなすかしめ部材5をかしめた形状に適合するものとした長尺物に形成するものであって、突縁のかしめ部材4に当る溝14の部分と、コ字形をなすかしめ部材5の内側へ当る外周の部分には、上記かしめ部材5に設けた凸部13に対応する凹部15を設けて、かしめ部材4のかしめ付けを行うとき凹部15へ凸部13が係合して、断熱材6を介してのかしめ部材4と5の接合が確実に行われるようにする。なお、断熱材6に設ける凹部15は、かしめ部材5に設ける凸部13を凹部に変更する場合は、これに対応して凸部に変更する。
【0022】
上記構成の型材の断熱接合構造Aによって型材1を接合する場合は、図2(a)に示す通り一方の型材の側端部2に設けた突縁のかしめ部材4へ、内側に設けた溝14を嵌合して断熱材6を取り付け、この断熱材6の外側へ図2(b)に示す通りコ字形をなすかしめ部材5を被せて、かしめ片5aを図2(c)に示す通り断熱材6へかしめ付けると、かしめ部材4と5に設けた凸部13が断熱材6に設けた凹部15へ係合するため、接合のずれや外れを生ずることがなくて、断熱材6を介した接合で型材同士の熱伝導が抑制された型材の断熱接合が容易に行なわれる。
【0023】
上記型材の断熱接合構造Aを、図3に示す壁、屋根、その他の面状をなす構造体7の構成に使用する場合は、型材1は図4に示す通り一方の側端部2に突縁のかしめ部材4を設け、他方の側端部3にコ字形をなすかしめ部材5を設けた構造として、型材1の必要数を並べて突縁のかしめ部材4に断熱材6を取り付け、この断熱材6にコ字形をなすかしめ部材5を被せ、かしめ片5aのかしめを行うことで型材1を接合する操作を順次に行えば、必要数の型材1が断熱して面状に接合されて、図3に一部分を示す通り壁等の構造体7を構成する。このように構成された構造体7は各型材1の裏側へ図3に示す通り断熱材6を取り付ければ、構造体7は型材の接合部の断熱に加えて、表面部の断熱も行われるため極めて断熱性に優れたものとなる。なお、型材1の表面に断熱材16を配してもよく、あるいは断熱材16はなくてもよい。また、型材1は端部に使用する場合、一方の側端部2に突縁のかしめ部材4を設け、他方の側端部3には、コ字形をなしたかしめ部材5がなくてもよい。あるいは型材は、一方の側端部2がなく、他方の側端部3のみが形成され、他材の突縁のかしめ部材とかしめることができればよい。
【0024】
また、図5に示す窓枠、梁、桁等の筒状をなす構造体10の構成に使用する場合は、型材は形状の異なる1−1と1−2の2種類が必要である。このため、一方の型材1−1と他方の型材1−2は図6に示す通り側端部2と3から対向して立上片11と12を立ち上がらせ、型材1−1側の立上片11と12は先端の内側に突縁のかしめ部材4を設け、他方の型材1−2側の立上片11と12は先端の内側にコ字形をなすかしめ部材5を設けるようにする。そして、一方の型材1−1のかしめ部材4に断熱材6を取り付け、この断熱材6に他方の型材1−2のコ字形をなすかしめ部材5を被せて、かしめ片5aのかしめ付けを行うと、図5に示す通りの窓枠等の筒状の構造体10が構成されて、この構造体10は内部に生ずる空間へ断熱材17を充填すれば、型材の接合部の断熱に加えて、内部に生ずる空間の断熱も行われるため極めて断熱効果に優れた構造体10が得られて、この構造体10は一方の型材1−1が屋外にあり、他方の型材1−2が屋内にあるように使用しても、屋外の暑気や冷気が屋内へ伝わりにくいため、屋内側の型材が熱くなったり、結露を生じたりすることがない。なお、構造体10の内部に断熱材17を配してもよく、あるいは断熱材17なくてもよい。
【0025】
図8〜図14は、型材の断熱接合構造の請求項2に係る実施形態を示すものであって、この型材の断熱接合構造は図中に符号Aで示され、複数の型材1の側端部2と3にかしめ部材4と5を設け、このかしめ部材4と5を断熱材6を介在させてかしめることで、型材1の相互が断熱された接合を行う基本構成は請求項1に係る型材の断熱接合構造Aと同じである。しかし、型材1のかしめ部材4と5を同じ形状のものが対称的に配置されるようにし、これに応じて断熱材6を一対のかしめ部材4と5に跨る構造とした点において相違する。
【0026】
この実施形態の型材の断熱接合構造Aによって接合する複数の型材1は、アルミニウムの押出成形で構成する構造体に適した断面形状の長尺物に形成するものであって、図10に示す壁等の面状をなす構造体7を構成する場合は、型材1は図11に示す通り一方の側端部2に裏側(図11においては上側)へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片4aとしたかしめ部材4を設け、他方の側端部3に表側(図11においては下側)へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片5aとしたかしめ部材5を設け、中央部の裏側には補強用のリブ9を長手方向に複数条並設した形状の1種類を必要数用いる。なお、図10において、型材1の表面に断熱材16を配してもよく、あるいは断熱材16はなくてもよい。
【0027】
また、図12に示す窓枠、梁、桁、等の筒状をなす構造体10を構成する場合は、型材は図13に示す通り1−1と1−2の2種類が必要である。このため、一方の型材1−1と1−2は、側端部2と3に対向して立上片11と12を設け、型材1−1は立上片2と3の先端に外側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片4aとしたかしめ部材4を設けた構造とし、他方の型材1−2は側端部2と3の先端に内側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片5aとしたかしめ部材5を設けた構造として、異なる2種類を構成してその1組を使用する。
【0028】
更に、上記の通りコ字形をなす一方のかしめ部材4と、他方のかしめ部材5との断熱材6に当接する部分には、かしめ部材4と5をかしめた際に断熱材6に接する部分に接する1面に対して1個以上の凸部13(反対の凹部でもよい)を設けて、これらを断熱材6へ後記の通り設ける凹部へ係合させるようにする。
【0029】
上記断熱材6は、断熱性に優れて適度な弾力性をも有する合成樹脂、合成ゴム等で図14に示す通り、コ字形をなすかしめ部材4と5へ挿入する接合部6aと6bが連結部6cの両側へ対称的に位置付けされる形状の長尺物に形成して、上記接合部6aと6bにはかしめ部材4及び5に設けた凸部13(図12参照)に対応する凹部15を形成してある。なお、この凹部15はかしめ部材4と5に設ける凸部13を凹部に変更する場合は、これに応じて凸部に変更する。
【0030】
上記構成の型材の断熱接合構造Aで型材1を接合するには、図9(a)に示す通り一方の型材1の側端部2に設けたコ字形をなすかしめ部材4と、他方の型材1の側端部3に設けたコ字形をなすかしめ部材5を前後に対称となるように位置させて、各々の内側へ断熱材6の接合部6aと6bを挿入し、かしめ部材4と5のかしめ片4aと5aを図9(b)に示す通り断熱材6へかしめ付ければ、かしめ部材4及び5に設けた凸部13が断熱材6に設けた凹部15へ係合するため、接合のずれや外れ等を生ずることがなくて、断熱材6を介した接合で型材1同士の熱伝導が抑制された型材の断熱接合を容易に行なわれる。なお、この型材の断熱接合構造Aは、型枠1のコ字形をなすかしめ部材5の基部に設けた凸部とこれに対応する断熱材6の凹部をなくした図8の円内に示す通りの構造とすることもできる。
【0031】
上記型材の断熱接合構造Aを、図10に示す壁、屋根、その他の面状をなす構造体7の構成に使用する場合は、型材1を図11に示す通り一方の側端部2にコ字形をなすかしめ部材4を設け、他方の側端部3にコ字形をなすかしめ部材5を設けた構造として、型材1の必要数をかしめ部材4と5が前後に対称的に位置するように並べ置いて、各々のかしめ部材4と5へ断熱材6の一対の接合部6aと6bを挿入し、かしめ部材4と5のかしめ片4aと5aをかしめ付ける操作を順次に行えば、所要数の型材1が断熱して面状に接合された図10に示す通りの壁等の構造体7が構成されて、この構造体7は各型材1の裏側へ図11に示す通り断熱材6を取り付けると、接合部の断熱に加えて、型材の表面部の断熱も行われるため断熱の効果に優れた接合構造体7を得ることができる。
【0032】
また、図12に示す窓枠、梁、桁、その他の筒状等をなす構造体10の構成に使用する場合は、型材は形状が異なる1−1と1−2の2種類が必要である。このため、一方の型材1−1と他方の型材1−2は図13に示す通り側端部2と3から対向して立上片11と12を設け、型材1−1側は立上片11と12の先端にそれぞれ外方へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片4aとしたかしめ部材4を設ける構造とし、型材1−2側は立上片11と12の先端にそれぞれ内方へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなし折返部をかしめ片5aとしたかしめ部材5を設けた構造とした2種類の型材の1組を用いる。そして、一方の型材1−1に設けたかしめ部材4、4と他方の型材1−2に設けたかしめ部材5、5とを前後に対称となるように位置付けして、両かしめ部材4、4と5、5の内側へ断熱材6の接合部6aと6bを挿入し、かしめ部材4、4及び5、5の折返片4a、4aと5a、5aを接合部6aと6bへかしめ付ければ、1組の型材1−1と1−2を断熱して筒状に接合した図4に示す通りの窓枠等の構造体10が構成されて、この構造体10は内部に生ずる空間へ断熱材17を充填すれば、接合部の断熱に加えて、内部に生ずる空間の断熱も行われるため断熱の効果に特に優れた接合構造体10が得られて、この構造体10は一方の型材1−1が屋外にあり、他方の型材1−2が屋内にあるように使用しても、屋外の暑気や冷気が屋内へ伝わらないため、屋内側の型材の帯熱や結露等を生じることがない。なお、構造体10の内部に断熱材17を配してもよく、あるいは断熱材17なくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、型材を断熱接合した壁、屋根等の面状をなす構造体や窓枠、梁、桁等の筒状をなす構造体の製造に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の請求項1に係る型材の断熱接合構造で型材を断熱接合した拡大端面図
【図2】(a)(b)(c)は同上接合構造による型材の接合状態を示す解説図
【図3】同上接合構造による型材の接合で構成した面状をなす構造体の一部分を示す断面図
【図4】面状をなす構造体の構成に適した型材の一部分を示す斜視図
【図5】同上接合構造による型材の接合で構成した筒状をなす構造体の断面図
【図6】筒状をなす構造体の構成に適した型材の一部分を示す斜視図
【図7】接合部の断熱に使用する断熱材の一部分を示す斜視図
【図8】本発明の請求項2に係る型材の断熱接合構造で型材を断熱接合した拡大端面図
【図9】(a)(b)は同上接合構造による型材の接合状態を示す解説図
【図10】同上接合構造による型材の接合で構成した面状をなす構造体の一部分を示す断面図
【図11】面状をなす構造体の構成に適した型材の一部分を示す斜視図
【図12】同上接合構造による型材の接合で構成した筒状をなす構造体の断面図
【図13】筒状をなす構造体の構成に適した型材の一部分を示す斜視図
【図14】接合部の断熱に使用する断熱材の一部分を示す斜視図
【符号の説明】
【0035】
A 型材の断熱接合構造
1 型材
2、3 側端部
4、5 かしめ部材
6 断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の型材の側端部にかしめ部材を設け、このかしめ部材を断熱材を介在させてかしめることで、型材相互が断熱された接合を行う型材の断熱接合構造であって、
上記型材の一方の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から裏側へ突出する突縁であり、他方の型材の側端部に設けられるかしめ部材は、型材の側端部から裏側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであって、
上記断熱材は、内部に上記突縁のかしめ部材を嵌合する溝を有し、外形を上記鉤形をなすかしめ部材のかしめ形状に適合させたものであり、
この、断熱材を上記突縁のかしめ部材へ取り付けて、その外側に上記コ字形をなすかしめ部材を被せてかしめ付けを行うものである
ことを特徴とした型材の断熱接合構造。
【請求項2】
複数の型材の側端部にかしめ部材を設け、このかしめ部材を断熱材を介材させてかしめることで、型材相互が断熱された接合を行う型材の断熱接合構造であって、
上記型材の一方の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から裏側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであり、他方の型材の側端部に設けるかしめ部材は、型材の側端部から表側へ突出して先端より折り返すことでコ字形をなすものであって、
上記断熱材は、上記一対のコ字形をなすかしめ部材のかしめ形状に適合する一対の接合部を連結部により対称的に連結したものであり、
この断熱材の一対の接合部をコ字形をなす一対のかしめ部材へそれぞれ嵌合して、かしめ部材のかしめ付けを行うものである
ことを特徴とする型材の断熱接合構造。
【請求項3】
上記突縁であるかしめ部材と、コ字形をなすかしめ部材とが上記断熱材へ接する部分に凸部または凹部を設けられ、この凸部または凹部に対応させて断熱材が凹部または凸部を設けられる
ことを特徴とする請求項1及び2に記載の型材の断熱接合構造。
【請求項4】
上記側端部に設けたかしめ部材を断熱材を介在させて接合した型材によって面状の構造材を構成する場合、各型材の裏側に断熱材を取り付けるようにした
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の型材の断熱接合構造。
【請求項5】
上記側端部に設けたかしめ部材を断熱材を介在させて接合した型材によって筒状等の構造材を構成する場合、内部に生ずる空間へ断熱材を充填するようにした
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の型材の断熱接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−138623(P2007−138623A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335791(P2005−335791)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】