型枠構造
【課題】施工現場での作業効率を向上させ、施工期間を短縮させること。
【解決手段】鋼製の型枠構造2は、複数の柱型枠4と、上方に開放された溝を有する複数の主梁型枠6及び8と、主梁型枠6及び8に囲まれることにより形成された空間S1を、溝の内側において上方から覆うフロア型枠18とを備えている。主梁型枠6及び8は、それぞれ、底枠22及び側枠24、26と、底枠28及び一対の側枠30とを備えている。溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠4の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置されている。
【解決手段】鋼製の型枠構造2は、複数の柱型枠4と、上方に開放された溝を有する複数の主梁型枠6及び8と、主梁型枠6及び8に囲まれることにより形成された空間S1を、溝の内側において上方から覆うフロア型枠18とを備えている。主梁型枠6及び8は、それぞれ、底枠22及び側枠24、26と、底枠28及び一対の側枠30とを備えている。溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠4の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造に関する。
【背景技術】
【0002】
構築予定建物を、柱と梁とスラブ(床)とを備えた複数の構造体部分にブロック化して構築場所以外の場所で予め形成し、それら構造体部分を構築場所に搬入して据え付ける建物の施工方法は既に知られている(特許文献1参照)。構築場所以外の場所とは、例えば、構築現場の敷地内に設置した形成領域、あるいは構築現場から離れた工場などである。上記構造体部分を形成する型枠設備は、柱型枠と、梁型枠と、スラブ型枠とを備え、鉄筋を組み込んだ後、コンクリートを打設することにより、柱と梁とスラブとが一体の構造体部分が形成される。このようにして形成された構造体部分をクレーンなどの重機により、構築箇所に搬入して据え付けることにより、建物が構築される。
【0003】
上記施工方法によれば、建物をコンクリートの現場打ちで形成する施工方法に較べて、現場での作業工数が低減され、施工期間が短縮される、などのメリットがある。しかしながら、上記した型枠設備により形成される、柱と梁とスラブとが一体のコンクリート製の構造体部分は、クレーンなどを利用して構築箇所に搬入可能なものであることに起因して、柱の間隔や高さ、梁の長さや断面積、スラブの厚さや面積、そして全体の大きさなどが著しく制約され、多様なニーズに対応することはできない。多様なニーズに対応するための好適な手段として、柱と梁とスラブとが一体の立体構築物を、コンクリートの現場打ちで形成する手段が知られているが、その場合、可能な限り、施工現場での作業効率が向上し、施工期間が短縮されることが望まれる。
【0004】
一般的に、コンクリート製のスラブを形成するためのスラブ型枠を所定の高さに支持するためには、多数のサポートを必要とする(例えば特許文献2参照)。梁型枠を支持するサポートは、概ね線状に配列されるため、施工作業の支障になることは少ないが、スラブ型枠を支持するサポートは、面状に広がって多数配置されるので、施工作業の支障になることが多く、施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。また、このようにスラブ型枠の下方空間に多数のサポートが配置されると、コンクリートの養生期間が経過しない限り、該下方空間での作業が遂行できなくなるので、施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。
【0005】
また、一般的に、コンクリートを打ち込むために一対の鋼製側枠を相互に間隔をおいて対向するよう配設した場合には、間隔を保持するために、またコンクリートの側圧に対抗するために、複数のセパレータ及びこれに関連する角材など、多数の部品が必要となる(例えば特許文献3参照)。その結果、施工工数が増加して施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。また、セパレータはコンクリートに埋設されるので消耗品となり、省資源に反することになる。
【0006】
したがって、柱と梁とスラブとが一体の立体構築物を、コンクリートの現場打ちで形成するに際しては、上記技術的課題を解決することが望まれる。
【特許文献1】特開平05−179694号公報
【特許文献2】特開平05−113031号公報
【特許文献3】特開2002−213077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、施工現場での作業効率を向上させ、施工期間を短縮させると共に施工費用を低減させることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、スラブ型枠を支持するためのサポートを不用とすることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、相互に間隔をおいて対向するよう配置された側枠の存在にも拘わらず、セパレータを不用とすることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造において、
水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向及び水平縦方向にそれぞれ相互に間隔をおいて載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられた複数の鋼製の柱型枠と、少なくとも、該水平横方向及び該水平縦方向に相互に対向する柱型枠の各々における上端面間に水平に架け渡されて分離自在に連結された鋼製の主梁型枠を含む複数の鋼製の梁型枠であって、上方に開放された溝を有する複数の鋼製の梁型枠と、梁型枠に囲まれることにより形成された少なくとも1個の平面矩形状の空間を、溝の内側において上方から覆うよう、該空間を形成する梁型枠の各々の上端面に分離自在に取り付けられた鋼製のフロア型枠とを備え、梁型枠の各々は、溝の底面を形成する底枠と、底枠の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する側枠とを備え、該空間を形成する梁型枠の各々の該上端面は、該空間を形成する、梁型枠の各々における側枠であって、該矩形状に配置された側枠の上端面からなり、溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置され、周縁に位置する梁型枠の側枠を連続させることにより無端状の周縁側枠が形成され、周縁側枠は、内側に配置されたフロア型枠の上面に対し所定の高さだけ高く形成される、
ことを特徴とする型枠構造、が提供される。
周縁側枠の内側に位置する側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられ、該フロア型枠の上面は同一水平面上に位置付けられる、ことが好ましい。
周縁側枠の外側には、周縁側枠の外側への倒れを防止するための複数の支持枠が配置され、支持枠の各々は、周縁側枠が連結された底枠に分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠と、相互に対向する一対の側枠及び/又は他の一対の側枠との間には、ブレースが分離自在に取り付けられる、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、相互に対向する一対の主梁型枠の側面間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間主梁型枠を備えている、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々における上端面から該水平横方向における外方に水平に延び出すよう分離自在に連結された鋼製の張出梁型枠と、同じ該水平横方向方向に延び出した張出梁型枠の各々の先端面間を該水平縦方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結された鋼製の先端梁型枠とを備えている、ことが好ましい。
先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設される、ことが好ましい。
他の先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設され、側フレームの各々における長手方向の一端には、横フレームが、側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームは、側フレームの各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレームの各々の該水平幅方向の先端から先端まで延在し、横フレームの上面及び下面は、それぞれ側フレームの各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、先端梁型枠の側面と、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々間を延在する主梁型枠の側面との間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間張出梁型枠を備えている、ことが好ましい。
複数の梁型枠における底枠は、水平方向に一定の間隔をおいて平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレーム間に配設された底板部材とを備え、側フレームの各々の上面及び底板部材の上面は実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレームの各々の下面は、側フレームの各々の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられる、ことが好ましい。
複数の横フレームが、側フレームの各々間における、長手方向の両端部及び中間部に相互に長手方向に間隔をおいて側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームの各々は各々は、側フレームの各々の上面よりも低い全上面又は一部上面を有し、底板部材は、下方に開放されたチャンネル形状を有すると共に、横フレームの各々の該上面上に載置されかつ側フレームの各々間に分離自在に嵌合される、ことが好ましい。
側フレームの各々の上面は、底枠の上面における該両側面を規定する、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在する、矩形状の平板本体と、平板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する一端及び他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、一端フランジ及び他端フランジとを備えている、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が裏面方向に向う円弧状に形成され、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の裏面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における先端部であって円弧状の一端部及び他端部における先端の内側には、それぞれ一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する更に他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部が裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、他端フランジとを備え、一側及び他側フランジの一端部における先端部であって、円弧状の一端部における先端の内側には、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、ことが好ましい。
複数の該空間の各々において、相互に対向する一対の側枠は、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠からなり、相互に対向する他の一対の側枠は、矩形状の平板本体を備えた側枠からなり、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、それぞれ、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠の各々における該連結板の各々と、矩形状の平板本体を備えた側枠の各々における一端フランジ及び他端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、ことが好ましい。
他の複数の該空間の各々において、該空間の角は、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠と、矩形状の平板本体を備えた側枠とから構成され、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠における連結板と、矩形状の平板本体を備えた側枠における一端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠は、該空間の相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニットを備え、端部フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部、他端部、該幅方向一側部、該一側部と一端部とが交わる角部、及び該一側部と他端部とが交わる角部が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向他側から、板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジとを備え、他側フランジの両端部、該一端部、該他端部、該幅方向一側部、該一側部と該一端部とが交わる角部及び該一側部と該他端部とが交わる角部、の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠は、端部フロア型枠ユニットの間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠ユニットを備え、中間フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における下端部であって円弧状の一端部及び他端部における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板の各々は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、
相互に幅方向に隣接された端部フロア型枠ユニットと中間フロア型枠ユニットとは、端部フロア型枠ユニットの他側フランジと中間フロア型枠ユニットの一側フランジ又は他側フランジとが分離自在に連結される、ことが好ましい。
相互に幅方向に隣接された中間フロア型枠ユニットの各々は、片方の端部フロア型枠ユニットにおける一側フランジと、他方の端部フロア型枠ユニットにおける他側フランジとが分離自在に連結される、ことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による型枠構造の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1〜図7には、本発明による型枠構造が要約して示されている。また、図8〜図35には、更に具体的な型枠構造200、型枠構造200の主要な構成要素、及び該型枠構造200を使用して形成されたコンクリート製の立体駐車場などが示されている。これらの図において、実質的に同じ構成を有する部材は、同一符号で示されている。先ず図1〜図3を参照して、本発明による型枠構造2は、複数の柱型枠4と、複数の主梁型枠6及び8と、少なくとも1個の中間主梁型枠10と、複数の張出梁型枠12と、複数の先端梁型枠14と、少なくとも1個の中間張出梁型枠16と、2点鎖線で示す複数のフロア型枠18及び20とを備えている。柱型枠4、主梁型枠6及び8の各々、中間主梁型枠10、張出梁型枠12の各々、先端梁型枠14の各々、中間張出梁型枠16の各々、フロア型枠18及び20の各々は、いずれも鋼製である。梁型枠、実施形態においては、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12及び先端梁型枠14の各々は、上方に開放された溝を有している。
【0013】
柱型枠4は、水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向(図1〜図3においてX−X方向)及び該水平横方向に直交する水平縦方向(図1〜図3においてY−Y方向)にそれぞれ相互に等間隔をおいて実質的に水平な載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられる。柱型枠4は、図3に示すように、平面矩形状に4個、配置される。以下の記載において、X−X方向とは、上記水平横方向を示し、Y−Y方向とは、上記水平縦方向を示すものとする。
【0014】
2個の主梁型枠6は、それぞれ、X−X方向に相互に対向する柱型枠4の各々における上端面間に水平にかつ相互に平行に架け渡されて分離自在に連結される。他の2個の主梁型枠8は、それぞれ、Y−Y方向に相互に対向する柱型枠4の各々における上端面間に水平にかつ相互に平行に架け渡されて分離自在に連結される。少なくとも1個の(実施形態においては1個の)中間主梁型枠10は、相互に対向する一対の主梁型枠8の長手方向中央における側面間に分離自在に連結される。中間主梁型枠10は、主梁型枠6の各々に平行に延在する。
【0015】
張出梁型枠12は、Y−Y方向に対向する柱型枠4の各々における上端面から、それぞれ、X−X方向における外方に(図1においては上方及び下方に)水平に相互に平行に延び出すよう分離自在に連結される。張出梁型枠12の数は、合計4個である。先端梁型枠14は、それぞれ、同じX−X方向に延び出した張出梁型枠12の各々の先端面間をY−Y方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結される。先端梁型枠14の数は、合計2個である。中間張出梁型枠16は、先端梁型枠14の各々における側面と、それぞれY−Y方向に対向する柱型枠4の各々間を延在する主梁型枠8の側面との間に、それぞれ、少なくとも1個(実施形態においてはそれぞれ1個)、分離自在に連結される。中間張出梁型枠16の数は、合計2個である。
【0016】
主梁型枠6の各々、中間主梁型枠10、及び主梁型枠8の各々に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、2個の平面矩形状の空間S1が形成される。それぞれ片方の、主梁型枠8、先端梁型枠14、張出梁型枠12の各々及び中間張出梁型枠16に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、2個の平面矩形状の空間S2が形成される。また、それぞれ他方の、主梁型枠8、先端梁型枠14、張出梁型枠12の各々及び中間張出梁型枠16に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、他の2個の平面矩形状の空間S2が形成される。空間S1の各々は、それぞれフロア型枠18が、空間S1の各々を形成する上記各型枠の溝の内側において、空間S1の各々を形成する上記各型枠の各々の上端面に上方から分離自在に取り付けられて覆われる。空間S2の各々は、それぞれフロア型枠20が、空間S2の各々を形成する上記各型枠の溝の内側において、空間S2の各々を形成する上記各型枠の各々の上端面に上方から分離自在に取り付けられて覆われる。
【0017】
主梁型枠6の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠22と、底枠22の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠24及び26とを備えている。主梁型枠6の各々において、底枠22の各々は相互に分離自在に連結されている。側枠24の各々は、底枠22の各々の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)において相互に分離自在に連結され、側枠26の各々は、底枠22の各々の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0018】
主梁型枠8の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠28と、底枠28の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠30とを備えている。側枠30の各々は、それぞれ、底枠22の各々の両側上面(X−X方向の両側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0019】
中間主梁型枠10は、溝の底面を形成する2個の底枠32と、底枠32の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠26とを備えている。側枠26の各々は、それぞれ、底枠32の各々の両側上面(Y−Y方向の両側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0020】
張出梁型枠12の各々は、溝の底面を形成する1個の底枠23と、底枠23の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ1個の側枠34及び36とを備えている。張出梁型枠12の各々において、側枠34は、底枠23の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)に分離自在に連結され、側枠36は、底枠23の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他片側上面)に分離自在に連結される。
【0021】
先端梁型枠14の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠38と、底枠38の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠40及び30とを備えている。先端梁型枠14の各々において、側枠40は、底枠38の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)に分離自在に連結され、側枠30は、底枠38の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他側上面)に分離自在に連結される。
【0022】
中間張出梁型枠16の各々は、溝の底面を形成する1個の底枠42と、底枠42の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ1個の側枠36とを備えている。中間張出梁型枠16の各々において、側枠36は、底枠42の両側上面(Y−Y方向の両側上面)に分離自在に連結される。
【0023】
上記2個の空間S1は、それぞれ、主梁型枠6の各々における側枠26の各々、中間主梁型枠10における側枠26の各々及び主梁型枠8の各々における側枠30の各々に囲まれることにより形成される。フロア型枠18は、それぞれ、主梁型枠6の各々における側枠26の各々、中間主梁型枠10における側枠26の各々及び主梁型枠8の各々における側枠30の各々における上端面に、分離自在に取り付けられる。
【0024】
上記2個の空間S2は、それぞれ片方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36に、それぞれ囲まれることにより形成される。フロア型枠20は、それぞれ、片方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36における上端面に、分離自在に取り付けられる。また、上記他の2個の空間S2は、それぞれ他方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36に、それぞれ囲まれることにより形成される。他のフロア型枠20は、それぞれ、他方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36における上端面に、分離自在に取り付けられる。
【0025】
主梁型枠6及び8の各々、中間主梁型枠10、張出梁型枠12の各々、先端梁型枠14の各々、中間張出梁型枠16の各々における溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠4の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置される。型枠構造2の周縁に位置する梁型枠の側枠、すなわち、主梁型枠6及び8の各々における側枠24の各々、張出梁型枠12の各々における側枠34の各々、先端梁型枠14の各々における側枠40の各々を連続させることにより無端状の周縁側枠43が形成される。平面矩形状の周縁側枠43は、柱型枠4の各々における上端面であって、Y−Y方向の外側に位置する上端面に、それぞれ、側枠44を分離自在に直立して取り付けることにより形成される。側枠44の各々は、側枠34と24との間に配置される。周縁側枠43は、内側に配置されたフロア型枠18及び20の上面に対し所定の高さだけ高く形成される。周縁側枠43の内側に位置する全ての側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられる。また、フロア型枠18及び20の上面は同一水平面上に位置付けられる。
【0026】
柱型枠4の各々は相互に実質的に同一の構成を有するので、そのうちの一つの構成を説明する。図4及び図8に示されているように、柱型枠4は、下柱型枠ユニット4A、中間柱型枠ユニット4B及び上柱型枠ユニット4Cの、3つの柱型枠ユニットから構成されている。3つの柱型枠ユニットにおいて、下柱型枠ユニット4A及び中間柱型枠ユニット4Bは高さが同じであり、上柱型枠ユニット4Cは、それらより高さが低く形成されている。しかしながら、柱型枠ユニット4A〜4Cの基本的構成は、相互に実質的に同じであるので、以下、それらを代表して下柱型枠ユニット4Aの構成を説明する。
【0027】
図14を参照して、下柱型枠ユニット4Aは、相互に実質的に同じ構成を有する4つのL形状板部材50から構成されている。L形状板部材50は、水平断面がL形状をなすように直角に折り曲げられて鉛直に延在するL形状板52と、L形状板52の、相互に水平な上端及び下端にそれぞれ一体に配設された上端フランジ54及び下端フランジ56と、L形状板52の、相互に鉛直な一側及び他側にそれぞれ一体に配設された一側フランジ58及び他側フランジ60とを備えている。上端及び下端フランジ54及び56は、それぞれ、L形状板52の上端及び下端から外側に一定の長さだけ水平に延び出しかつ、上端及び下端に沿って一側から他側まで延在する。一側及び他側フランジ58及び60は、それぞれ、L形状板52の一側及び他側から外側に一定の長さだけ水平に延び出しかつ、一側及び他側に沿って、上端及び下端フランジ54及び56間を延在する。上端及び下端フランジ54及び56には、それぞれ複数の取付穴54a及び56aが形成されている。
【0028】
L形状板52の外側面には、上端及び下端フランジ54及び56間において、鉛直方向に間隔をおいて水平方向に平行に延在する複数の補強板62が配設されている。補強板62の各々は、一側及び他側フランジ58及び60間を延在する。L形状板52の外側面における、上端フランジ54と上端フランジ54に対向する補強板62との間、補強板62の各々間、及び下端フランジ56と下端フランジ56に対向する補強板62との間には、それぞれ、一側及び他側フランジ58及び60に対し等間隔をおいて平行に対向する他の補強板64及び66が配設されている。一側フランジ58と補強板64の各々には、相互に共通の水平軸線を有する複数の貫通穴58a及び64aが形成されている。また、他側フランジ60と補強板66の各々には、相互に共通の水平軸線を有する複数の貫通穴60a及び66aが形成されている。
【0029】
以上のように構成された4個のL形状板部材50の各々における一側フランジ58同士及び他側フランジ60同士を相互に重合させ、相互に水平方向に整合する貫通穴58a及び60aを利用して、ボルトナット68やいわゆるUクリップ70などの締結具により分離自在に連結することにより、水平断面が矩形状をなす筒状の下柱型枠ユニット4Aを組み立てることができる。L形状板部材50の各々は、締結具による締結を解除することにより、それぞれ水平方向外方に分離自在である。なお、相互に水平方向に整合する貫通穴58aと貫通穴64aの各々、貫通穴60aと貫通穴66aの各々に金属ロッド72を離脱自在に挿入することにより、コンクリート打設時における耐圧性を向上させることができる。中間柱型枠ユニット4B及び上柱型枠ユニット4Cも同様にして分離自在に組み立てることができる。なお、L形状板部材50の各々における一側フランジ58と他側フランジ60とを相互に重合させて分離自在に締結して各柱型枠ユニットを組み立てる、他の実施形態もある。
【0030】
下柱型枠ユニット4Aは、例えばコンクリート製の水平載置面上の所定の位置に直立するよう載置される。図8に示されているように、下柱型枠ユニット4Aの下端部の周囲に、それ自体は周知の構成を利用することでよい締付バンド73を解除自在に締結することが、更なる耐圧性の向上のためには好ましい。下柱型枠ユニット4Aの上端フランジ54上に中間柱型枠ユニット4Bの下端フランジ56を重合し、また、中間柱型枠ユニット4Bの上端フランジ54上に上柱型枠ユニット4Cの下端フランジ56を重合し、それぞれ、相互に鉛直方向に整合された取付穴54a及び56a利用して、ボルトナット68やUクリップ70などの締結具(以下、単に締結具と略称する)により分離自在に連結することにより、柱型枠4が組み立てられる。組立状態において、柱型枠4の上端及び下端には、それぞれ、筒状空間の周縁から外方に水平に延び出す実質的に無端状の上端周縁フランジ74及び下縁周縁フランジ75が形成される(図4参照)。上端周縁フランジ74は、上柱型枠ユニット4Cの上端フランジ54の各々により構成される。下端周縁フランジ75は、下柱型枠ユニット4Aの下端フランジ56の各々により構成される。4個の柱型枠4における上端面及び下端面は、それぞれ、上端周縁フランジ74の上面及び下端周縁フランジ75により規定され、上端周縁フランジ74の上面の各々及び下端周縁フランジ75の上面の各々は、それぞれ、実質的に同一水平面上に位置付けられる。このように、柱型枠4は、機械を使用しないで設置場所に各構成部材を搬送し、人力により組み立てることが可能である。
【0031】
図1及び図2に示されているように、主柱型枠6の各々は、2個の底枠22と、それぞれ一対の側枠24及び26とを備えている。図15〜図21を参照して、底枠22は、水平横方向に一定の間隔をおいて平行に水平長手方向に直線状に延在する一対の側フレーム80及び82と、側フレーム80及び82間に配設された底板部材83とを備えている。相互に実質的に同一の構成を有する側フレーム80及び82は、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形をなし、各々の上フランジ部及び下フランジ部には、複数の連結穴80a及び82aが該長手方向に間隔をおいて形成されている。側フレーム80及び82の上面(上フランジ部の上面)は、実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレーム80及び82の下面(下フランジ部の下面)は、側フレーム80及び82の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられている。側フレーム80及び82の上面は、底枠22の上面における両側上面を規定する。側フレーム80及び82の間には、複数の横フレーム84及び86が、長手方向に間隔をおいて側フレーム80及び82の各々に直交するよう固着されている。
【0032】
側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の一端部に配置された横フレーム84は、チャンネル部材88と、横断面がL形のフレーム部材90と、補強板92とを備えている。チャンネル部材88は、該長手方向における他端に向かって開放され、上面及び下面が、それぞれ、側フレーム80及び82の上面及び下面と実質的に同一水平面上に位置付けられている。フレーム部材90は、鉛直部91と、水平部93とからなり、チャンネル部材88の開放端側を、側フレーム80及び82の鉛直対向面間を水平に延在するよう配設されている。鉛直部91は、チャンネル部材88の開放側の上端下面から下方に延び、水平部93は、鉛直部91の下端から該長手方向における他端方向に水平に延びている。補強板92は、チャンネル部材88における該横方向の中央に鉛直両面が該横方向に向けられて配置され、チャンネル部材88とフレーム部材90とにより囲まれた空間内に位置付けられている。側フレーム80及び82の各々は、横フレーム84のチャンネル部材88に対し、該他端方向に同じ長さだけ延び出している。側フレーム80及び82の各々の一端には、矩形の連結板94が配設されている。連結板94の各々は、側フレーム80及び82の各々のチャンネル内の一端に配置され、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板94の各々には複数の連結穴94aが形成されている。
【0033】
側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86は、横断面が矩形の角パイプから形成されている。側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86と長手方向の一端部に配置された横フレーム84との間には、他の横フレーム86が該長手方向に間隔をおいて配設されている。横フレーム86の各々の上面と、横フレーム84のフレーム部材90の水平部93における上面とは、側フレーム80及び82の各々の上面と平行でありかつ、該上面よりも低い、実質的に同じ水平面上に位置付けられている。横フレーム86の各々の下面は、側フレーム80及び82の各々の下面と実質的に同じ水平面上に位置付けられている。側フレーム80及び82の各々の他端には矩形の連結板96が配設されている。連結板96の各々は、側フレーム80及び82の各々のチャンネル内の他端に配置され、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板96の各々には複数の連結穴96aが形成されている。側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86には、それぞれ該長手方向に延在する水平軸線を有する複数の連結穴(貫通穴)86aが形成されている。
【0034】
図21に示されているように、底板部材83は、一定の幅で水平に長手方向に直線状に延在する平板本体部98と、平板本体部98の両側から下方に直角に同じ長さだけ延び出したフランジ100とを備え、全体が、下方に開放されたチャンネル形状を有している。底板部材83のチャンネル内における一端及び他端には、それぞれ連結板102が配置されている。連結板102の各々は、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板102の各々には複数の連結穴102aが形成されている。底板部材83は、底枠22の横フレーム84におけるフレーム部材90の水平部93の上面と、横フレーム86の各々の上面上にフランジ100の各々の下端が載置されかつ、側フレーム80及び82の各々間に実質的に隙間なく分離自在に嵌合される(図5及び図21参照)。このように、底枠22において、底板部材83を分離自在に装着する構成は、人力による搬送を可能にするためである。
【0035】
図22〜図24を参照して、側枠24は、所定の幅(組立時における高さ方向幅)をもって直線状に延在する、矩形状の平板本体104を備えている。平板本体104の、相互に平行に直線状に延在する該幅方向一側及び他側には、それぞれ、平板本体104の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ106及び他側フランジ108が折り曲げ形成されている。平板本体104の、一側及び他側にそれぞれ直交しかつ相互に平行に直線状に延在する一端及び他端には、それぞれ、一端及び他端から、平板本体104の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一端フランジ110及び他端フランジ112が配設されている。
【0036】
一側フランジ106及び他側フランジ108は、相互に平行にかつ同じ幅で、それぞれ、平板本体104の一端から他端まで、一側及び他側に沿って延在する。一端フランジ110及び他端フランジ112は、相互に平行にかつ同じ幅で、それぞれ、一側フランジ106及び他側フランジ108の内側間を、一端及び他端に沿って延在する。一側フランジ106及び他側フランジ108の幅と、一端フランジ110及び他端フランジ112の幅は相互に同じである。一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110及び他端フランジ112には、それぞれ、複数の取付穴106a、108a、110a及び112aが長手方向に間隔をおいて形成されている。平板本体104の裏面であって、一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110及び他端フランジ112に囲まれた裏面には、それぞれ、複数の補強板114及び116が、該裏面から直角に延び出しかつ、縦横に延在するよう配設されている。一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110、他端フランジ112、補強板114及び116の先端面は、平板本体104と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0037】
図25及び図26を参照して、側枠26は、一部を除き、側枠24と実質的に共通の構成を有しているので、共通の構成については同一符号を付し、説明は省略する。側枠26は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部118aが裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体118を備えている。一側フランジ106及び他側フランジ108の一端部における先端部であって、円弧状の一端部118aにおける先端の内側には、一側フランジ106及び他側フランジ108間を、両面が板本体118の平板状部の裏面に平行に延在する連結板120が配設されている。連結板120は、円弧状の一端部118aに沿って、一定の幅で一側フランジ106及び他側フランジ108間を延在する。連結板120には複数の連結穴120aが連結板120の長手方向に間隔をおいて形成されている。一側フランジ106、他側フランジ108、円弧状の一端部118aにおける先端面、他端フランジ112、補強板114及び116の先端面、及び連結板120の下面は、板本体118の平板状部と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0038】
側枠24の幅は、側枠26の幅よりも一定の長さだけ大きく形成されている。側枠24の平板本体104の表面及び側枠26の板本体118の表面は、それぞれ、主柱型枠6における型枠面をなす。
【0039】
図1及び図2を参照して、上記底枠22(図15〜図21)の各々の一端部は、X−X方向に対向する柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面における一端領域(X−X方向において相互に対向する一端領域)に載置され、締結具により分離自在に締結される(図6参照)。底枠22の各々の一端面は、上端周縁フランジ74の上面において間隔をおいて対向する。また、底枠22の各々の他端面同士が相互に当接させられて、締結具により分離自在に締結される。底枠22の各々において、外側に連続して位置する側フレーム80及び82の上面の全領域には、それぞれ側枠24(図22〜図24)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。また、内側に連続して位置する側フレーム80及び82の上面の全領域には、それぞれ側枠26(図25及び図26)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠26の各々の円弧状の一端部118aは、それぞれ、底枠22を越えて、後述する主柱型枠8の底枠28の一端部における一側上面に延び出している。側枠24及び26の各々の型枠面は相互に対向して位置付けられる。
【0040】
図1及び図2に示されているように、主柱型枠8の各々は、2個の底枠28と、それぞれ一対の側枠30とを備えている。底枠28の各々は、一部を除き、底枠22と実質的に同じ構成を有している。すなわち、底枠28の各々の一端は、横フレーム84のチャンネル部材88により規定されており、側フレーム80及び82の各々はチャンネル部材88から突出していない(図4参照)。それ以外の構成は、底枠22と実質的に同じである。底枠28の各々の他端面は、相互に当接されて締結具により分離自在に締結される。底枠28の各々の一端部はチャンネル部材88を介して、Y−Y方向に対向する柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面間に固着具により分離自在に締結される(図4参照)。また、側枠30の各々は、側枠24と実質的に同じ構成を有し、底枠28の各々に対し、底枠22に対するのと実質的に同じ形態で分離自在に連結されている。ただし、側枠30の各々の幅(高さ)は側枠26のそれと同じである。側枠30の各々は、それぞれ、主柱型枠8の各々の一端領域及び他端領域を除く領域に配置される。内側の側枠30の各々の一端フランジ110(図23)は、側枠26の連結板120(図26)に締結具により離脱自在に締結される。X−X方向における外側に位置する側枠30の各々の他端フランジ112(図22、図23)は、それぞれ、主柱型枠8の各々の中間において、相互に間隔をおいて対向するよう位置付けられる。
【0041】
中間主梁型枠10は、2個の底枠32と、それぞれ一対の側枠26とを備えている。底枠32の各々の両端部は、底枠22の他端部(横フレーム86(図15)が配設された他端部)と実質的に同じ構成を有し、その他の構成は、底枠22と実質的に同じである。底枠32の各々は、各々の一端面同士が相互に当接させられて、締結具により分離自在に締結される。底枠32の各々の他端面は、主梁型枠8における、相互に連結された底枠28の組立体の各々における中央部の側面に、それぞれ、締結具により分離自在に締結される(図7参照)。該締結に対応するため、底枠28の組立体の各々における中央部の側面には、それぞれ図示しない連結板が配設されている。側枠26の各々は、底枠32の各々に対し、底枠22に対するのと実質的に同じ形態で分離自在に連結されている。側枠26の各々の一端部の連結板120(図26)は、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112(図23)に締結具により分離自在に締結される。それぞれ、相互に対向する側枠26の各々と側枠30の各々とにより、2個の平面矩形状の空間S1が形成される。
【0042】
張出梁型枠12の各々は、1個の底枠23と、それぞれ一対の側枠34及び36とを備えている。底枠23は、底枠22と実質的に同じ構成を有している。底枠23の各々の一端部は、柱型枠4に対し、底枠22におけると同じ形態で締結具により分離自在に締結され、柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面からX−X方向外方に水平に、それぞれ同じ長さだけ延び出している(図6参照)。側枠34の各々の基本的構成は、側枠24(図23)と実質的に同じであるが、平板本体104(図23)が側枠34の一端から延び出して、連結フランジ122(図1)を形成している構成が相違する。
【0043】
図27及び図28を参照して、側枠36は、一部を除き、側枠24(図23)と実質的に共通の構成を有しているので、共通の構成については同一符号を付し、説明は省略する。側枠36は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部124a及び他端部124bが裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体124を備えている。一側フランジ106及び他側フランジ108の一端部及び他端部における先端部であって、円弧状の一端部124a及び他端部124bの各々における先端の内側には、それぞれ、一側フランジ106及び他側フランジ108間を、両面が板本体124の平板状部の裏面に平行に延在する連結板126及び128が配設されている。連結板126及び128は、それぞれ、円弧状の一端部124a及び124bに沿って、一定の幅で一側フランジ106及び他側フランジ108間を延在する。連結板126及び128には、それぞれ、複数の連結穴126a及び128aが、連結板126及び128の長手方向に間隔をおいて形成されている。一側フランジ106、他側フランジ108、円弧状の一端部124a及び他端部124bにおける先端面、補強板114及び116の先端面、及び連結板126及び128の下面は、板本体124の平板状部と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0044】
底枠23の各々において、外側に位置する側フレーム80又は82の上面の全領域には、それぞれ側枠34が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠34の各々の、連結フランジ122が形成された一端部は、対応する底枠23の他端を越えてX−X方向における外方に延び出している。相互にY−Y方向に対向する側枠34の各々の連結フランジ122は、側枠34の各々において、Y−Y方向の内側に位置付けられる。また、Y−Y方向内側に位置する側フレーム80又は82の上面の全領域には、それぞれ側枠36(図27及び図28)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠36の各々の円弧状の一端部124a又は他端部124b(図28)は、それぞれ、底枠23の両端を越えて、主柱型枠8の底枠28の一側上面(X−X方向の外側に位置する一側上面)及び後述する先端梁型枠38の一側上面(X−X方向の内側に位置する一側上面)に延び出している。底枠28の一側上面に延び出した一端部124a又は他端部124bは、それぞれ、連結板126又は128を介して、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112に締結具により分離自在に連結される。
【0045】
図1及び図2を参照して、先端梁型枠14の各々は、2個の底枠38と、それぞれ一対の側枠30及び40とを備えている。底枠38は、側枠32と同じ構成でもよいが、実施形態においては、図6及び図13に示されているように、底枠22(図15〜図21)と同様に配置された側フレーム80及び82と、側フレーム80及び82の各々間に固着された底板130とを備えている。底板130は、側フレーム80及び82の各々の上面と同一面上に位置付けられた上面130aと、上面130aに対し下方に突出した凹部130bとからなる一定の横断面を有すると共に、側フレーム80及び82の長手方向の全領域にわたって延在するよう配設されている。底板130の下側には、複数の補強板132が、底枠38の長手方向に間隔をおいて配設されている。補強板132の各々は、側フレーム80及び82間を側フレーム80及び82に直交するよう延在すると共に、上端が底板130の下面に固着されている。凹部130bは、コンクリート製の梁先端部に垂下部202a(図9参照)を形成するためである。
【0046】
側フレーム80及び82の各々における長手方向の一端には、横フレーム234(図2参照)が、側フレーム80及び82の各々に直交するよう配設されている。横フレーム134は、側フレーム80及び82の各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレーム80及び82の各々の水平幅方向の先端から先端まで延在する。横フレーム134の上面及び下面は、それぞれ側フレーム80及び82の各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる。横フレーム134により、底枠38の凹部130bの一端外方への開放が閉塞される。横フレーム134が設けられていない底枠38の凹部130bの他端は、他端に開放される。補強板132の一つは、側フレーム80及び82の各々における長手方向の他端に配置され、該補強板132には、複数の連結穴132aが形成されている。
【0047】
なお、底枠38が3個以上相互に連結される実施形態においては、中間に配置される底枠38の両端に横フレーム134は配設されない。これは、相互に長手方向に隣接する他の底枠38との間に、凹部130bを連続させるためである。
【0048】
側枠40は、側枠30と実質的に同じ構成を有しているが、幅(高さ)は、側枠24及び34の各々と同じである。
【0049】
先端梁型枠14の各々において、底枠38の各々は、他端の補強板132同士が相互に当接されて締結具により分離自在に締結され、底枠38の各々の一端領域の側面が、それぞれ、対応する張出梁型枠12の底枠23の先端面に締結具により分離自在に締結される。該締結に対応するため、底枠38の各々の一端領域の側面には図示しない連結板が配設されている。底枠38の各々の、X−X方向外側に位置する側フレーム80及び82の上面には、それぞれ側枠40が、他側フランジ108(図23)を介して締結具により分離自在に締結される。側枠40の各々における一端フランジ110と他端フランジ112とが締結具により分離自在に締結される。側枠40の各々における他端フランジ112及び一端フランジ110は、それぞれ、側枠34の連結フランジ122(図1)に締結具により分離自在に締結される。底枠38の各々の、X−X方向内側に位置する側フレーム80及び82の上面における中間領域には、それぞれ側枠30が、他側フランジ108(図23)を介して締結具により分離自在に締結される。側枠30の各々の一端フランジ110及び他端フランジ112は、それぞれ、張出梁型枠12における側枠36の連結板126に締結具により分離自在に締結される。
【0050】
中間梁型枠16の各々は、1個の底枠42と、一対の側枠36とを備えている。底枠42は、底枠32と実質的に同じ構成を有している。底枠42の各々の両端面は、主梁型枠8における、相互に連結された底枠28の組立体の中央部における側面と、先端梁型枠14における、相互に連結された底枠38の組立体の中央部における側面とに、それぞれ、締結具により分離自在に締結される(図7参照)。該締結に対応するため、底枠28の組立体の中央部における側面と、底枠38の組立体の中央部における側面とには、それぞれ図示しない連結板が配設されている。側枠36の各々は、対応する底枠42の側フレーム80及び82の上面に、それぞれ、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠36の各々の円弧状の一端部124a又は他端部124bは、それぞれ、底枠42の両端を越えて、主柱型枠8の底枠28及び先端梁型枠14の底枠38の一側上面に延び出して、それぞれ、連結板126又は128を介して、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112に締結具により分離自在に連結される。それぞれ、相互に対向する側枠30の各々と側枠36の各々とにより、4個の平面矩形状の空間S2が形成される。
【0051】
柱型枠4の各々の上端周縁フランジ74において、相互にX−X方向に間隔をおいて対向する側枠34と24の各々間には、側枠44が配設される。側枠44の各々は、側枠24と実質的に同じ構成を有している。側枠44の各々の一側フランジ106又は他側フランジ108は、対応する柱型枠4の上端周縁フランジ74上に載置され、締結具により分離自在に締結される。その結果、型枠構造2の周縁に位置する側枠40、34及び24の各々と側枠44の各々が連続させられ、実質的に無端状の周縁側枠43が形成される。
【0052】
上記空間S1及び空間S2の各々は、フロア型枠18により分離自在に覆われる。フロア型枠18は、空間S1及び空間S2の各々の、相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)と、端部フロア型枠ユニット140の間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠142(図32〜図34)とを備えている。
【0053】
図29〜図31を参照して、端部フロア型枠ユニット140は実質的に矩形状の板本体144を備えている。板本体144は、所定の水平方向幅(図29において上下方向幅)をもって水平方向に直線状に延在しかつ長手方向一端部146、他端部148、該幅方向一側部150、該一側部150と一端部146とが交わる角部152、及び該一側部150と他端部148とが交わる角部154が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている。板本体144における、該幅方向他側には、該他側から、板本体144の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部146と他端部148との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジ156が形成されている。他側フランジ156の両端部、一端部146、他端部148、一側部150、角部152及び154の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体144の平板状部の裏面に平行に延在する連結板158が配設されている。連結板158は一定の水平方向幅を有している。板本体144の裏面には縦横に交叉する複数の補強板160及び162が配設されている。他側フランジ156及び連結板158には、それぞれ、複数の連結穴156a及び連結穴158aが、他側フランジ156及び連結板158の長手方向に間隔をおいて形成されている。一端部146、他端部148、該幅方向一側部150、角部152、角部154、及び他側フランジ156の各々、及び、補強板160及び162、の各々の先端(下端)と、連結板158の下面とは、板本体144の平板状部の裏面に平行な実質的に水平面上に位置付けられている。
【0054】
図32〜図34を参照して、中間フロア型枠ユニット142は実質的に矩形状の板本体164を備えている。板本体164は、所定の水平方向幅(図32において上下方向幅)をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部166及び他端部168が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている。板本体164における、該幅方向一側及び他側には、該一側及び該他側から、それぞれ板本体164の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部166と他端部168との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ170及び他側フランジ172とを備えている。一側及び他側フランジ170及び172の両端部における下端部であって円弧状の一端部166及び他端部168における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ170及び172間を、両面が板本体164の平板状部の裏面に平行に延在する連結板174及び176が配設されている。連結板174及び176は、それぞれ一定の水平方向幅を有している。板本体164の裏面には縦横に交叉する複数の補強板178及び180が配設されている。一側及び他側フランジ170及び172、及び、連結板174及び176には、それぞれ、複数の連結穴170a、172a、174a及び176aが、一側及び他側フランジ170及び172、及び、連結板174及び176の長手方向に間隔をおいて形成されている。一端部166と他端部168、一側及び他側フランジ170及び172、補強板178及び180の各々の先端(下端)と、連結板174及び176の下面とは、板本体164の平板状部の裏面に平行な実質的に水平面上に位置付けられている。
【0055】
側枠30の各々及び側枠26の各々により形成される空間S1の各々における一端領域及び他端領域において、端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)は、連結板150を介して側枠30及び側枠26の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。中間フロア型枠142(図32〜図34)は、端部フロア型枠ユニット140の各々間において、連結板174及び176を介して側枠26の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。相互にX−X方向に隣接された端部フロア型枠ユニット140の各々と中間フロア型枠ユニット142とは、端部フロア型枠ユニット140の他側フランジ156と中間フロア型枠ユニット142の一側フランジ170又は他側フランジ172とが締結具により分離自在に連結される。相互にX−X方向に隣接された中間フロア型枠ユニット142の各々は、片方の端部フロア型枠ユニット142における一側フランジ170と、他方の端部フロア型枠ユニット142における他側フランジ172とが分離自在に連結される。
【0056】
側枠30の各々及び側枠36の各々により形成される空間S2の各々における一端領域及び他端領域において、端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)は、連結板150を介して側枠30及び側枠36の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。中間フロア型枠142(図32〜図34)は、端部フロア型枠ユニット140の各々間において、連結板174及び176を介して側枠30及び側枠36の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。相互にX−X方向に隣接された端部フロア型枠ユニット140の各々と中間フロア型枠ユニット142とは、端部フロア型枠ユニット140の他側フランジ156と中間フロア型枠ユニット142の一側フランジ170又は他側フランジ172とが締結具により分離自在に連結される。なお、図4〜図7には、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142の装着状態の一部が図示されている。
【0057】
図1〜図3を参照して、上記説明から明らかなように、型枠構造2は、最初に柱型枠4の各々を所定の位置に設置し、続いて、各底枠22、28、32、23、42、38を、底板部材83を装着しない状態(底枠38の各々を除く)で、それぞれ上記したとおりにして組付ける。これは、重量を軽くして、人力による組み立て作業を容易にするためである。各底枠22、28、32、23、42、38の組付けに際しては、上記各底枠における適宜下方位置に、高さ調整自在のサポート180(図10及び図11参照)を配置して支持することが好ましい。続いて、所定の位置に組み付けられた、底枠38の各々を除く上記各底枠に、それぞれ、底板部材83を装着する。底板部材83が装着された底枠22、28、32、23及び42の表面は、実質的に同じ水平面上に位置付けられるので、施工作業における足場として利用することができ、有用である。上記各底枠を所定の位置にセットした後、各側枠24、26、30、34、36、40を、それぞれ上記したとおりにして組付ける。更に、端部フロア型枠ユニット140及び中間フロア型枠ユニット142を、それぞれ上記したとおりにして組付ける。主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間は更に安定した足場として利用することができる。
【0058】
図13に示すように、周縁側枠43の外側における適宜位置に、周縁側枠43の外側への倒れを防止するための複数の支持枠182を配置することが好ましい。支持枠182の各々は、水平に延在する支持フレーム184と、支持フレーム184の中間位置から直立する抑えフレーム186と、抑えフレーム186の上端部と支持フレーム184の一端とを連結するブレース部材188と、ブレース部材188の中間部と、抑えフレーム186及び支持フレーム184間の角部とを連結する他のブレース部材190とを備えている。そして、支持フレーム184が、周縁側枠43が連結された底枠、図示の実施形態においては、先端梁型枠14の底枠38の底面に当接させられて、ボルトナット192により分離自在に連結される。支持フレーム184の下面をサポート180により支持することが好ましい。
【0059】
上記型枠構造2を組み立てるに際し、柱型枠4の各々の筒状空間内、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間及びフロア型枠18及び20の上面と一致する水平面と、周縁側枠43の上端面と一致する水平面との間の空間には、適宜のタイミングで鉄筋が配設されることはいうまでもない。
【0060】
上記型枠構造2を組み立てた後、コンクリートが打ち込まれる。コンクリートは、鉄筋が配設された上記空間の各々に充填される。周縁側枠43に作用するコンクリートの圧力は、複数の支持枠182により確実に受け止められ、周縁側枠43は外方に倒れることなく、セット位置に保持される。フロア型枠18及び20の各々は、それぞれ、矩形状に配置された側枠30の各々と側枠26の各々、及び側枠30の各々と側枠36の各々、により周縁を分離自在に締結されることに起因して、その下方にサポート180を配置することなく、コンクリートの圧力に十分耐えることができると共に、側枠30の各々及び側枠26の各々、及び側枠30の各々及び側枠36の各々の膨らみも防止できる。その結果、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間にセパレータを埋設する必要がなく、省資源に寄与する。また、フロア型枠18及び20の各々の下方には、広い作業空間が確保されるので、施工作業を円滑に行うことができ、施工効率を向上させ、施工費用を低減することが可能になる。更にはまた、コンクリートの養生期間が経過しない間においても、該下方空間での作業が遂行できるので、この面においても、施工効率を向上させ、施工費用を低減することが可能になる。
【0061】
なお、図12に示されているように、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142と、相互に対向する一対の側枠26、36及び/又は他の一対の側枠30との間に、ブレースBを分離自在に取り付けた場合には、トラス構造が形成されるので、側枠26、36、30などの傾斜を一層確実に防止することができる。同時に、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142に作用するコンクリートの圧力を支持することができるので、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142の撓みも効果的に防止できる。図12の実施形態において、ブレースBは、両端部が直角に折り曲げられた鋼製のロッドからなり、一端が、側枠26の補強板116に形成された貫通穴116aに分離自在に挿入され、他端が、中間フロア型枠ユニット142の他側フランジ170に形成された連結穴172aに分離自在に挿入される。
【0062】
上記型枠構造2においては、各構成部材を、人力で搬送可能な大きさ及び重量に設定できるので、重機を使用することなく、人力による施工作業(組立及び脱型作業)を容易に遂行することが可能になる。特に、脱型作業が容易となり、実用的価値が高い。
【0063】
所定の養生期間が経過した後、柱型枠4、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々を適宜の順序で脱型することにより、基本的な構成として、図9に示すようなコンクリート製の柱201、梁202及びスラブ204からなる立体構築物が一体に形成される。各型枠の脱型は、締結具による締結を解除することにより容易に行うことができる。
【0064】
円弧状の一端部118aを有する側枠26、円弧状の一端部124a及び他端部124bを有する側枠36、端部フロア型枠ユニット140及び中間フロア型枠ユニット142を使用することにより、コンクリート製の梁202間の角部及び梁202とスラブ204間の角部に曲面が形成されるので、脱型を容易にすると共に、角部の強度アップ、美観の向上、などのメリットが得られる。
【0065】
本発明による型枠構造2は、X−X方向及び/又はY−Y方向に、その大きさを拡大することは容易である。また、上方への拡大も容易である。図9に示す柱201における鉄筋を予めコンクリートスラブ204の上方に突出させておくことにより、コンクリートスラブ204を次の載置面として、3階以上の立体構築物を順次、容易に形成することができる。図35には、本発明による型枠構造2に基づいて形成することが可能な立体構築物である立体駐車場が図示されている。
【0066】
先に述べたように、図1〜図7には、本発明による型枠構造が要約して示され、図8〜図35には、更に具体的な(実用に適した)型枠構造200、型枠構造200の主要な構成要素、及び該型枠構造200を使用して一体に形成された、コンクリート製の柱201、梁202及びスラブ204からなる立体構築物(図9)、あるいはコンクリート製の立体駐車場(図35)などが示されている。なお、図9において、符号202aは、先端梁型枠14により形成された下方への突起部を示している。図8に示す型枠構造200は、図1及び図2に示す型枠構造のレイアウトに対し、X−X方向及びY−Y方向に拡大されたレイアウトを有している。このため各構成要素の数などが増加しているが、基本的構成は、先に説明した型枠構造2と実質的に同じである。したがって、更なる説明は省略する。なお、図10は、型枠構造200における一部の構成部材を分解して示しかつ支持枠182と共に示す断面図、(b)は、それらを組み立てた断面図であって、支持枠182、サポート180及び打ち込まれたコンクリートと共に示す断面図である。また、図11は、図8に示す型枠構造200の一部を分解しかつ拡大し、そして打ち込まれたコンクリートの一部と共に示す斜視図である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に従って構成された型枠構造の実施形態を要約して示す平面図である。
【図2】図1に示す型枠構造において、全ての側枠を除去して示す平面図である。
【図3】図1に示す型枠構造に含まれる柱型枠のみを示す平面図である。
【図4】図1のA−A矢視断面図である。
【図5】図1のB−B矢視断面図であって、支持枠と共に示すB−B矢視断面図である。
【図6】図1のC−C矢視断面図である。
【図7】図1のD−D矢視断面図である。
【図8】本発明に従って構成された型枠構造における他の実施形態の構成を、一部を分解して正面側から見た斜視図(図1においてY方向に左方から見た斜視図)である。
【図9】図8に示す型枠構造を使用して一体に形成された、コンクリート製の立体構築物における柱、梁及びスラブの構成を、一部を断面にして正面側から見た斜視図である。
【図10】図8に示す型枠構造を図8において、X−X方向の断面図であって、(a)は、各構成部材を分解して示しかつ支持枠と共に示す断面図、(b)は、それらを組み立てた断面図であって、支持枠、サポート及び打ち込まれたコンクリートと共に示す断面図である。
【図11】図8に示す型枠構造の一部を分解しかつ拡大し、そして打ち込まれたコンクリートの一部と共に示す斜視図である。
【図12】図10(b)の矢印Hで示す部分を拡大して示す図であって、支持枠及びサポートを除去して示す図である(図5に対応する断面図である)。
【図13】図8に示す型枠構造における先端梁型枠の拡大断面図であって、支持枠と共に示す断面図である。
【図14】図8に示す型枠構造における柱型枠の一つのユニットを、一部を分解して示す斜視図である。
【図15】梁型枠の一部を構成する底枠の実施形態を示す平面図である。
【図16】図15に示す底枠を、図15において下方から見た側面図である。
【図17】図15に示す底枠を、図15において左方から見た端面拡大図である。
【図18】図16に示す底枠の、図16における左端部を拡大して示す側面図である。
【図19】図15に示す底枠の、図15における左端部を拡大して示す斜視図である。
【図20】図15に示す底枠を、図15において右方から見た端面拡大図である。
【図21】図15に示す底枠に装着される底板部材を長手方向に見た斜視図である。
【図22】梁型枠の一部を構成する側枠の実施形態を裏面から見た図である。
【図23】図22に示す側枠を、図22において上方から見た側面図である。
【図24】図23に示す側枠を、図23において左方から見た端面図である。
【図25】梁型枠の一部を構成する側枠の他の実施形態を裏面から見た図である。
【図26】図25に示す側枠を、図25において上方から見た側面図である。
【図27】梁型枠の一部を構成する側枠の更に他の実施形態を裏面から見た図である。
【図28】図27に示す側枠を、図27において上方から見た側面図である。
【図29】フロア型枠の一部を構成する端部フロア型枠ユニットの平面図である。
【図30】図29に示す端部フロア型枠ユニットを、図29において下方から見た側面図である。
【図31】図29に示す端部フロア型枠ユニットを、図29において右方から見た端面図である。
【図32】フロア型枠の一部を構成する中間フロア型枠ユニットの平面図である。
【図33】図32に示す中間フロア型枠ユニットを、図32において下方から見た側面図である。
【図34】図33のK−K矢視断面図である。
【図35】本発明による型枠構造を使用して構築されたコンクリート製の立体駐車場の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
2、200:型枠構造
4:柱型枠
6、8:主柱型枠
10:中間主柱型枠
12:張出梁型枠
14:先端梁型枠
16:中間張出梁型枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造に関する。
【背景技術】
【0002】
構築予定建物を、柱と梁とスラブ(床)とを備えた複数の構造体部分にブロック化して構築場所以外の場所で予め形成し、それら構造体部分を構築場所に搬入して据え付ける建物の施工方法は既に知られている(特許文献1参照)。構築場所以外の場所とは、例えば、構築現場の敷地内に設置した形成領域、あるいは構築現場から離れた工場などである。上記構造体部分を形成する型枠設備は、柱型枠と、梁型枠と、スラブ型枠とを備え、鉄筋を組み込んだ後、コンクリートを打設することにより、柱と梁とスラブとが一体の構造体部分が形成される。このようにして形成された構造体部分をクレーンなどの重機により、構築箇所に搬入して据え付けることにより、建物が構築される。
【0003】
上記施工方法によれば、建物をコンクリートの現場打ちで形成する施工方法に較べて、現場での作業工数が低減され、施工期間が短縮される、などのメリットがある。しかしながら、上記した型枠設備により形成される、柱と梁とスラブとが一体のコンクリート製の構造体部分は、クレーンなどを利用して構築箇所に搬入可能なものであることに起因して、柱の間隔や高さ、梁の長さや断面積、スラブの厚さや面積、そして全体の大きさなどが著しく制約され、多様なニーズに対応することはできない。多様なニーズに対応するための好適な手段として、柱と梁とスラブとが一体の立体構築物を、コンクリートの現場打ちで形成する手段が知られているが、その場合、可能な限り、施工現場での作業効率が向上し、施工期間が短縮されることが望まれる。
【0004】
一般的に、コンクリート製のスラブを形成するためのスラブ型枠を所定の高さに支持するためには、多数のサポートを必要とする(例えば特許文献2参照)。梁型枠を支持するサポートは、概ね線状に配列されるため、施工作業の支障になることは少ないが、スラブ型枠を支持するサポートは、面状に広がって多数配置されるので、施工作業の支障になることが多く、施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。また、このようにスラブ型枠の下方空間に多数のサポートが配置されると、コンクリートの養生期間が経過しない限り、該下方空間での作業が遂行できなくなるので、施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。
【0005】
また、一般的に、コンクリートを打ち込むために一対の鋼製側枠を相互に間隔をおいて対向するよう配設した場合には、間隔を保持するために、またコンクリートの側圧に対抗するために、複数のセパレータ及びこれに関連する角材など、多数の部品が必要となる(例えば特許文献3参照)。その結果、施工工数が増加して施工効率を低下させ、施工費用のアップをまねく。また、セパレータはコンクリートに埋設されるので消耗品となり、省資源に反することになる。
【0006】
したがって、柱と梁とスラブとが一体の立体構築物を、コンクリートの現場打ちで形成するに際しては、上記技術的課題を解決することが望まれる。
【特許文献1】特開平05−179694号公報
【特許文献2】特開平05−113031号公報
【特許文献3】特開2002−213077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、施工現場での作業効率を向上させ、施工期間を短縮させると共に施工費用を低減させることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、スラブ型枠を支持するためのサポートを不用とすることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、相互に間隔をおいて対向するよう配置された側枠の存在にも拘わらず、セパレータを不用とすることを可能にする、新規な型枠構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造において、
水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向及び水平縦方向にそれぞれ相互に間隔をおいて載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられた複数の鋼製の柱型枠と、少なくとも、該水平横方向及び該水平縦方向に相互に対向する柱型枠の各々における上端面間に水平に架け渡されて分離自在に連結された鋼製の主梁型枠を含む複数の鋼製の梁型枠であって、上方に開放された溝を有する複数の鋼製の梁型枠と、梁型枠に囲まれることにより形成された少なくとも1個の平面矩形状の空間を、溝の内側において上方から覆うよう、該空間を形成する梁型枠の各々の上端面に分離自在に取り付けられた鋼製のフロア型枠とを備え、梁型枠の各々は、溝の底面を形成する底枠と、底枠の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する側枠とを備え、該空間を形成する梁型枠の各々の該上端面は、該空間を形成する、梁型枠の各々における側枠であって、該矩形状に配置された側枠の上端面からなり、溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置され、周縁に位置する梁型枠の側枠を連続させることにより無端状の周縁側枠が形成され、周縁側枠は、内側に配置されたフロア型枠の上面に対し所定の高さだけ高く形成される、
ことを特徴とする型枠構造、が提供される。
周縁側枠の内側に位置する側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられ、該フロア型枠の上面は同一水平面上に位置付けられる、ことが好ましい。
周縁側枠の外側には、周縁側枠の外側への倒れを防止するための複数の支持枠が配置され、支持枠の各々は、周縁側枠が連結された底枠に分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠と、相互に対向する一対の側枠及び/又は他の一対の側枠との間には、ブレースが分離自在に取り付けられる、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、相互に対向する一対の主梁型枠の側面間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間主梁型枠を備えている、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々における上端面から該水平横方向における外方に水平に延び出すよう分離自在に連結された鋼製の張出梁型枠と、同じ該水平横方向方向に延び出した張出梁型枠の各々の先端面間を該水平縦方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結された鋼製の先端梁型枠とを備えている、ことが好ましい。
先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設される、ことが好ましい。
他の先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設され、側フレームの各々における長手方向の一端には、横フレームが、側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームは、側フレームの各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレームの各々の該水平幅方向の先端から先端まで延在し、横フレームの上面及び下面は、それぞれ側フレームの各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる、ことが好ましい。
該複数の梁型枠は、先端梁型枠の側面と、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々間を延在する主梁型枠の側面との間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間張出梁型枠を備えている、ことが好ましい。
複数の梁型枠における底枠は、水平方向に一定の間隔をおいて平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレーム間に配設された底板部材とを備え、側フレームの各々の上面及び底板部材の上面は実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレームの各々の下面は、側フレームの各々の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられる、ことが好ましい。
複数の横フレームが、側フレームの各々間における、長手方向の両端部及び中間部に相互に長手方向に間隔をおいて側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームの各々は各々は、側フレームの各々の上面よりも低い全上面又は一部上面を有し、底板部材は、下方に開放されたチャンネル形状を有すると共に、横フレームの各々の該上面上に載置されかつ側フレームの各々間に分離自在に嵌合される、ことが好ましい。
側フレームの各々の上面は、底枠の上面における該両側面を規定する、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在する、矩形状の平板本体と、平板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する一端及び他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、一端フランジ及び他端フランジとを備えている、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が裏面方向に向う円弧状に形成され、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の裏面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における先端部であって円弧状の一端部及び他端部における先端の内側には、それぞれ一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、ことが好ましい。
梁型枠の一部を構成する更に他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部が裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、他端フランジとを備え、一側及び他側フランジの一端部における先端部であって、円弧状の一端部における先端の内側には、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、ことが好ましい。
複数の該空間の各々において、相互に対向する一対の側枠は、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠からなり、相互に対向する他の一対の側枠は、矩形状の平板本体を備えた側枠からなり、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、それぞれ、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠の各々における該連結板の各々と、矩形状の平板本体を備えた側枠の各々における一端フランジ及び他端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、ことが好ましい。
他の複数の該空間の各々において、該空間の角は、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠と、矩形状の平板本体を備えた側枠とから構成され、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠における連結板と、矩形状の平板本体を備えた側枠における一端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠は、該空間の相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニットを備え、端部フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部、他端部、該幅方向一側部、該一側部と一端部とが交わる角部、及び該一側部と他端部とが交わる角部が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向他側から、板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジとを備え、他側フランジの両端部、該一端部、該他端部、該幅方向一側部、該一側部と該一端部とが交わる角部及び該一側部と該他端部とが交わる角部、の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、ことが好ましい。
フロア型枠は、端部フロア型枠ユニットの間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠ユニットを備え、中間フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における下端部であって円弧状の一端部及び他端部における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板の各々は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、
相互に幅方向に隣接された端部フロア型枠ユニットと中間フロア型枠ユニットとは、端部フロア型枠ユニットの他側フランジと中間フロア型枠ユニットの一側フランジ又は他側フランジとが分離自在に連結される、ことが好ましい。
相互に幅方向に隣接された中間フロア型枠ユニットの各々は、片方の端部フロア型枠ユニットにおける一側フランジと、他方の端部フロア型枠ユニットにおける他側フランジとが分離自在に連結される、ことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による型枠構造の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1〜図7には、本発明による型枠構造が要約して示されている。また、図8〜図35には、更に具体的な型枠構造200、型枠構造200の主要な構成要素、及び該型枠構造200を使用して形成されたコンクリート製の立体駐車場などが示されている。これらの図において、実質的に同じ構成を有する部材は、同一符号で示されている。先ず図1〜図3を参照して、本発明による型枠構造2は、複数の柱型枠4と、複数の主梁型枠6及び8と、少なくとも1個の中間主梁型枠10と、複数の張出梁型枠12と、複数の先端梁型枠14と、少なくとも1個の中間張出梁型枠16と、2点鎖線で示す複数のフロア型枠18及び20とを備えている。柱型枠4、主梁型枠6及び8の各々、中間主梁型枠10、張出梁型枠12の各々、先端梁型枠14の各々、中間張出梁型枠16の各々、フロア型枠18及び20の各々は、いずれも鋼製である。梁型枠、実施形態においては、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12及び先端梁型枠14の各々は、上方に開放された溝を有している。
【0013】
柱型枠4は、水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向(図1〜図3においてX−X方向)及び該水平横方向に直交する水平縦方向(図1〜図3においてY−Y方向)にそれぞれ相互に等間隔をおいて実質的に水平な載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられる。柱型枠4は、図3に示すように、平面矩形状に4個、配置される。以下の記載において、X−X方向とは、上記水平横方向を示し、Y−Y方向とは、上記水平縦方向を示すものとする。
【0014】
2個の主梁型枠6は、それぞれ、X−X方向に相互に対向する柱型枠4の各々における上端面間に水平にかつ相互に平行に架け渡されて分離自在に連結される。他の2個の主梁型枠8は、それぞれ、Y−Y方向に相互に対向する柱型枠4の各々における上端面間に水平にかつ相互に平行に架け渡されて分離自在に連結される。少なくとも1個の(実施形態においては1個の)中間主梁型枠10は、相互に対向する一対の主梁型枠8の長手方向中央における側面間に分離自在に連結される。中間主梁型枠10は、主梁型枠6の各々に平行に延在する。
【0015】
張出梁型枠12は、Y−Y方向に対向する柱型枠4の各々における上端面から、それぞれ、X−X方向における外方に(図1においては上方及び下方に)水平に相互に平行に延び出すよう分離自在に連結される。張出梁型枠12の数は、合計4個である。先端梁型枠14は、それぞれ、同じX−X方向に延び出した張出梁型枠12の各々の先端面間をY−Y方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結される。先端梁型枠14の数は、合計2個である。中間張出梁型枠16は、先端梁型枠14の各々における側面と、それぞれY−Y方向に対向する柱型枠4の各々間を延在する主梁型枠8の側面との間に、それぞれ、少なくとも1個(実施形態においてはそれぞれ1個)、分離自在に連結される。中間張出梁型枠16の数は、合計2個である。
【0016】
主梁型枠6の各々、中間主梁型枠10、及び主梁型枠8の各々に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、2個の平面矩形状の空間S1が形成される。それぞれ片方の、主梁型枠8、先端梁型枠14、張出梁型枠12の各々及び中間張出梁型枠16に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、2個の平面矩形状の空間S2が形成される。また、それぞれ他方の、主梁型枠8、先端梁型枠14、張出梁型枠12の各々及び中間張出梁型枠16に囲まれることにより、相互に実質的に同形の、他の2個の平面矩形状の空間S2が形成される。空間S1の各々は、それぞれフロア型枠18が、空間S1の各々を形成する上記各型枠の溝の内側において、空間S1の各々を形成する上記各型枠の各々の上端面に上方から分離自在に取り付けられて覆われる。空間S2の各々は、それぞれフロア型枠20が、空間S2の各々を形成する上記各型枠の溝の内側において、空間S2の各々を形成する上記各型枠の各々の上端面に上方から分離自在に取り付けられて覆われる。
【0017】
主梁型枠6の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠22と、底枠22の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠24及び26とを備えている。主梁型枠6の各々において、底枠22の各々は相互に分離自在に連結されている。側枠24の各々は、底枠22の各々の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)において相互に分離自在に連結され、側枠26の各々は、底枠22の各々の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0018】
主梁型枠8の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠28と、底枠28の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠30とを備えている。側枠30の各々は、それぞれ、底枠22の各々の両側上面(X−X方向の両側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0019】
中間主梁型枠10は、溝の底面を形成する2個の底枠32と、底枠32の各々の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠26とを備えている。側枠26の各々は、それぞれ、底枠32の各々の両側上面(Y−Y方向の両側上面)において相互に分離自在に連結される。
【0020】
張出梁型枠12の各々は、溝の底面を形成する1個の底枠23と、底枠23の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ1個の側枠34及び36とを備えている。張出梁型枠12の各々において、側枠34は、底枠23の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)に分離自在に連結され、側枠36は、底枠23の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他片側上面)に分離自在に連結される。
【0021】
先端梁型枠14の各々は、溝の底面を形成する2個の底枠38と、底枠38の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ2個の側枠40及び30とを備えている。先端梁型枠14の各々において、側枠40は、底枠38の片側上面(Y−Y方向の外側に位置する片側上面)に分離自在に連結され、側枠30は、底枠38の他側上面(Y−Y方向の内側に位置する他側上面)に分離自在に連結される。
【0022】
中間張出梁型枠16の各々は、溝の底面を形成する1個の底枠42と、底枠42の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する、それぞれ1個の側枠36とを備えている。中間張出梁型枠16の各々において、側枠36は、底枠42の両側上面(Y−Y方向の両側上面)に分離自在に連結される。
【0023】
上記2個の空間S1は、それぞれ、主梁型枠6の各々における側枠26の各々、中間主梁型枠10における側枠26の各々及び主梁型枠8の各々における側枠30の各々に囲まれることにより形成される。フロア型枠18は、それぞれ、主梁型枠6の各々における側枠26の各々、中間主梁型枠10における側枠26の各々及び主梁型枠8の各々における側枠30の各々における上端面に、分離自在に取り付けられる。
【0024】
上記2個の空間S2は、それぞれ片方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36に、それぞれ囲まれることにより形成される。フロア型枠20は、それぞれ、片方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36における上端面に、分離自在に取り付けられる。また、上記他の2個の空間S2は、それぞれ他方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36に、それぞれ囲まれることにより形成される。他のフロア型枠20は、それぞれ、他方の、主梁型枠8の側枠30、先端梁型枠14の側枠30、張出梁型枠12の各々における側枠36及び中間張出梁型枠16の側枠36における上端面に、分離自在に取り付けられる。
【0025】
主梁型枠6及び8の各々、中間主梁型枠10、張出梁型枠12の各々、先端梁型枠14の各々、中間張出梁型枠16の各々における溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠4の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置される。型枠構造2の周縁に位置する梁型枠の側枠、すなわち、主梁型枠6及び8の各々における側枠24の各々、張出梁型枠12の各々における側枠34の各々、先端梁型枠14の各々における側枠40の各々を連続させることにより無端状の周縁側枠43が形成される。平面矩形状の周縁側枠43は、柱型枠4の各々における上端面であって、Y−Y方向の外側に位置する上端面に、それぞれ、側枠44を分離自在に直立して取り付けることにより形成される。側枠44の各々は、側枠34と24との間に配置される。周縁側枠43は、内側に配置されたフロア型枠18及び20の上面に対し所定の高さだけ高く形成される。周縁側枠43の内側に位置する全ての側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられる。また、フロア型枠18及び20の上面は同一水平面上に位置付けられる。
【0026】
柱型枠4の各々は相互に実質的に同一の構成を有するので、そのうちの一つの構成を説明する。図4及び図8に示されているように、柱型枠4は、下柱型枠ユニット4A、中間柱型枠ユニット4B及び上柱型枠ユニット4Cの、3つの柱型枠ユニットから構成されている。3つの柱型枠ユニットにおいて、下柱型枠ユニット4A及び中間柱型枠ユニット4Bは高さが同じであり、上柱型枠ユニット4Cは、それらより高さが低く形成されている。しかしながら、柱型枠ユニット4A〜4Cの基本的構成は、相互に実質的に同じであるので、以下、それらを代表して下柱型枠ユニット4Aの構成を説明する。
【0027】
図14を参照して、下柱型枠ユニット4Aは、相互に実質的に同じ構成を有する4つのL形状板部材50から構成されている。L形状板部材50は、水平断面がL形状をなすように直角に折り曲げられて鉛直に延在するL形状板52と、L形状板52の、相互に水平な上端及び下端にそれぞれ一体に配設された上端フランジ54及び下端フランジ56と、L形状板52の、相互に鉛直な一側及び他側にそれぞれ一体に配設された一側フランジ58及び他側フランジ60とを備えている。上端及び下端フランジ54及び56は、それぞれ、L形状板52の上端及び下端から外側に一定の長さだけ水平に延び出しかつ、上端及び下端に沿って一側から他側まで延在する。一側及び他側フランジ58及び60は、それぞれ、L形状板52の一側及び他側から外側に一定の長さだけ水平に延び出しかつ、一側及び他側に沿って、上端及び下端フランジ54及び56間を延在する。上端及び下端フランジ54及び56には、それぞれ複数の取付穴54a及び56aが形成されている。
【0028】
L形状板52の外側面には、上端及び下端フランジ54及び56間において、鉛直方向に間隔をおいて水平方向に平行に延在する複数の補強板62が配設されている。補強板62の各々は、一側及び他側フランジ58及び60間を延在する。L形状板52の外側面における、上端フランジ54と上端フランジ54に対向する補強板62との間、補強板62の各々間、及び下端フランジ56と下端フランジ56に対向する補強板62との間には、それぞれ、一側及び他側フランジ58及び60に対し等間隔をおいて平行に対向する他の補強板64及び66が配設されている。一側フランジ58と補強板64の各々には、相互に共通の水平軸線を有する複数の貫通穴58a及び64aが形成されている。また、他側フランジ60と補強板66の各々には、相互に共通の水平軸線を有する複数の貫通穴60a及び66aが形成されている。
【0029】
以上のように構成された4個のL形状板部材50の各々における一側フランジ58同士及び他側フランジ60同士を相互に重合させ、相互に水平方向に整合する貫通穴58a及び60aを利用して、ボルトナット68やいわゆるUクリップ70などの締結具により分離自在に連結することにより、水平断面が矩形状をなす筒状の下柱型枠ユニット4Aを組み立てることができる。L形状板部材50の各々は、締結具による締結を解除することにより、それぞれ水平方向外方に分離自在である。なお、相互に水平方向に整合する貫通穴58aと貫通穴64aの各々、貫通穴60aと貫通穴66aの各々に金属ロッド72を離脱自在に挿入することにより、コンクリート打設時における耐圧性を向上させることができる。中間柱型枠ユニット4B及び上柱型枠ユニット4Cも同様にして分離自在に組み立てることができる。なお、L形状板部材50の各々における一側フランジ58と他側フランジ60とを相互に重合させて分離自在に締結して各柱型枠ユニットを組み立てる、他の実施形態もある。
【0030】
下柱型枠ユニット4Aは、例えばコンクリート製の水平載置面上の所定の位置に直立するよう載置される。図8に示されているように、下柱型枠ユニット4Aの下端部の周囲に、それ自体は周知の構成を利用することでよい締付バンド73を解除自在に締結することが、更なる耐圧性の向上のためには好ましい。下柱型枠ユニット4Aの上端フランジ54上に中間柱型枠ユニット4Bの下端フランジ56を重合し、また、中間柱型枠ユニット4Bの上端フランジ54上に上柱型枠ユニット4Cの下端フランジ56を重合し、それぞれ、相互に鉛直方向に整合された取付穴54a及び56a利用して、ボルトナット68やUクリップ70などの締結具(以下、単に締結具と略称する)により分離自在に連結することにより、柱型枠4が組み立てられる。組立状態において、柱型枠4の上端及び下端には、それぞれ、筒状空間の周縁から外方に水平に延び出す実質的に無端状の上端周縁フランジ74及び下縁周縁フランジ75が形成される(図4参照)。上端周縁フランジ74は、上柱型枠ユニット4Cの上端フランジ54の各々により構成される。下端周縁フランジ75は、下柱型枠ユニット4Aの下端フランジ56の各々により構成される。4個の柱型枠4における上端面及び下端面は、それぞれ、上端周縁フランジ74の上面及び下端周縁フランジ75により規定され、上端周縁フランジ74の上面の各々及び下端周縁フランジ75の上面の各々は、それぞれ、実質的に同一水平面上に位置付けられる。このように、柱型枠4は、機械を使用しないで設置場所に各構成部材を搬送し、人力により組み立てることが可能である。
【0031】
図1及び図2に示されているように、主柱型枠6の各々は、2個の底枠22と、それぞれ一対の側枠24及び26とを備えている。図15〜図21を参照して、底枠22は、水平横方向に一定の間隔をおいて平行に水平長手方向に直線状に延在する一対の側フレーム80及び82と、側フレーム80及び82間に配設された底板部材83とを備えている。相互に実質的に同一の構成を有する側フレーム80及び82は、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形をなし、各々の上フランジ部及び下フランジ部には、複数の連結穴80a及び82aが該長手方向に間隔をおいて形成されている。側フレーム80及び82の上面(上フランジ部の上面)は、実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレーム80及び82の下面(下フランジ部の下面)は、側フレーム80及び82の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられている。側フレーム80及び82の上面は、底枠22の上面における両側上面を規定する。側フレーム80及び82の間には、複数の横フレーム84及び86が、長手方向に間隔をおいて側フレーム80及び82の各々に直交するよう固着されている。
【0032】
側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の一端部に配置された横フレーム84は、チャンネル部材88と、横断面がL形のフレーム部材90と、補強板92とを備えている。チャンネル部材88は、該長手方向における他端に向かって開放され、上面及び下面が、それぞれ、側フレーム80及び82の上面及び下面と実質的に同一水平面上に位置付けられている。フレーム部材90は、鉛直部91と、水平部93とからなり、チャンネル部材88の開放端側を、側フレーム80及び82の鉛直対向面間を水平に延在するよう配設されている。鉛直部91は、チャンネル部材88の開放側の上端下面から下方に延び、水平部93は、鉛直部91の下端から該長手方向における他端方向に水平に延びている。補強板92は、チャンネル部材88における該横方向の中央に鉛直両面が該横方向に向けられて配置され、チャンネル部材88とフレーム部材90とにより囲まれた空間内に位置付けられている。側フレーム80及び82の各々は、横フレーム84のチャンネル部材88に対し、該他端方向に同じ長さだけ延び出している。側フレーム80及び82の各々の一端には、矩形の連結板94が配設されている。連結板94の各々は、側フレーム80及び82の各々のチャンネル内の一端に配置され、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板94の各々には複数の連結穴94aが形成されている。
【0033】
側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86は、横断面が矩形の角パイプから形成されている。側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86と長手方向の一端部に配置された横フレーム84との間には、他の横フレーム86が該長手方向に間隔をおいて配設されている。横フレーム86の各々の上面と、横フレーム84のフレーム部材90の水平部93における上面とは、側フレーム80及び82の各々の上面と平行でありかつ、該上面よりも低い、実質的に同じ水平面上に位置付けられている。横フレーム86の各々の下面は、側フレーム80及び82の各々の下面と実質的に同じ水平面上に位置付けられている。側フレーム80及び82の各々の他端には矩形の連結板96が配設されている。連結板96の各々は、側フレーム80及び82の各々のチャンネル内の他端に配置され、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板96の各々には複数の連結穴96aが形成されている。側フレーム80及び82の各々間における、長手方向の他端部に配置された横フレーム86には、それぞれ該長手方向に延在する水平軸線を有する複数の連結穴(貫通穴)86aが形成されている。
【0034】
図21に示されているように、底板部材83は、一定の幅で水平に長手方向に直線状に延在する平板本体部98と、平板本体部98の両側から下方に直角に同じ長さだけ延び出したフランジ100とを備え、全体が、下方に開放されたチャンネル形状を有している。底板部材83のチャンネル内における一端及び他端には、それぞれ連結板102が配置されている。連結板102の各々は、鉛直両面が該長手方向に向けられている。連結板102の各々には複数の連結穴102aが形成されている。底板部材83は、底枠22の横フレーム84におけるフレーム部材90の水平部93の上面と、横フレーム86の各々の上面上にフランジ100の各々の下端が載置されかつ、側フレーム80及び82の各々間に実質的に隙間なく分離自在に嵌合される(図5及び図21参照)。このように、底枠22において、底板部材83を分離自在に装着する構成は、人力による搬送を可能にするためである。
【0035】
図22〜図24を参照して、側枠24は、所定の幅(組立時における高さ方向幅)をもって直線状に延在する、矩形状の平板本体104を備えている。平板本体104の、相互に平行に直線状に延在する該幅方向一側及び他側には、それぞれ、平板本体104の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ106及び他側フランジ108が折り曲げ形成されている。平板本体104の、一側及び他側にそれぞれ直交しかつ相互に平行に直線状に延在する一端及び他端には、それぞれ、一端及び他端から、平板本体104の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一端フランジ110及び他端フランジ112が配設されている。
【0036】
一側フランジ106及び他側フランジ108は、相互に平行にかつ同じ幅で、それぞれ、平板本体104の一端から他端まで、一側及び他側に沿って延在する。一端フランジ110及び他端フランジ112は、相互に平行にかつ同じ幅で、それぞれ、一側フランジ106及び他側フランジ108の内側間を、一端及び他端に沿って延在する。一側フランジ106及び他側フランジ108の幅と、一端フランジ110及び他端フランジ112の幅は相互に同じである。一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110及び他端フランジ112には、それぞれ、複数の取付穴106a、108a、110a及び112aが長手方向に間隔をおいて形成されている。平板本体104の裏面であって、一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110及び他端フランジ112に囲まれた裏面には、それぞれ、複数の補強板114及び116が、該裏面から直角に延び出しかつ、縦横に延在するよう配設されている。一側フランジ106、他側フランジ108、一端フランジ110、他端フランジ112、補強板114及び116の先端面は、平板本体104と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0037】
図25及び図26を参照して、側枠26は、一部を除き、側枠24と実質的に共通の構成を有しているので、共通の構成については同一符号を付し、説明は省略する。側枠26は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部118aが裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体118を備えている。一側フランジ106及び他側フランジ108の一端部における先端部であって、円弧状の一端部118aにおける先端の内側には、一側フランジ106及び他側フランジ108間を、両面が板本体118の平板状部の裏面に平行に延在する連結板120が配設されている。連結板120は、円弧状の一端部118aに沿って、一定の幅で一側フランジ106及び他側フランジ108間を延在する。連結板120には複数の連結穴120aが連結板120の長手方向に間隔をおいて形成されている。一側フランジ106、他側フランジ108、円弧状の一端部118aにおける先端面、他端フランジ112、補強板114及び116の先端面、及び連結板120の下面は、板本体118の平板状部と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0038】
側枠24の幅は、側枠26の幅よりも一定の長さだけ大きく形成されている。側枠24の平板本体104の表面及び側枠26の板本体118の表面は、それぞれ、主柱型枠6における型枠面をなす。
【0039】
図1及び図2を参照して、上記底枠22(図15〜図21)の各々の一端部は、X−X方向に対向する柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面における一端領域(X−X方向において相互に対向する一端領域)に載置され、締結具により分離自在に締結される(図6参照)。底枠22の各々の一端面は、上端周縁フランジ74の上面において間隔をおいて対向する。また、底枠22の各々の他端面同士が相互に当接させられて、締結具により分離自在に締結される。底枠22の各々において、外側に連続して位置する側フレーム80及び82の上面の全領域には、それぞれ側枠24(図22〜図24)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。また、内側に連続して位置する側フレーム80及び82の上面の全領域には、それぞれ側枠26(図25及び図26)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠26の各々の円弧状の一端部118aは、それぞれ、底枠22を越えて、後述する主柱型枠8の底枠28の一端部における一側上面に延び出している。側枠24及び26の各々の型枠面は相互に対向して位置付けられる。
【0040】
図1及び図2に示されているように、主柱型枠8の各々は、2個の底枠28と、それぞれ一対の側枠30とを備えている。底枠28の各々は、一部を除き、底枠22と実質的に同じ構成を有している。すなわち、底枠28の各々の一端は、横フレーム84のチャンネル部材88により規定されており、側フレーム80及び82の各々はチャンネル部材88から突出していない(図4参照)。それ以外の構成は、底枠22と実質的に同じである。底枠28の各々の他端面は、相互に当接されて締結具により分離自在に締結される。底枠28の各々の一端部はチャンネル部材88を介して、Y−Y方向に対向する柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面間に固着具により分離自在に締結される(図4参照)。また、側枠30の各々は、側枠24と実質的に同じ構成を有し、底枠28の各々に対し、底枠22に対するのと実質的に同じ形態で分離自在に連結されている。ただし、側枠30の各々の幅(高さ)は側枠26のそれと同じである。側枠30の各々は、それぞれ、主柱型枠8の各々の一端領域及び他端領域を除く領域に配置される。内側の側枠30の各々の一端フランジ110(図23)は、側枠26の連結板120(図26)に締結具により離脱自在に締結される。X−X方向における外側に位置する側枠30の各々の他端フランジ112(図22、図23)は、それぞれ、主柱型枠8の各々の中間において、相互に間隔をおいて対向するよう位置付けられる。
【0041】
中間主梁型枠10は、2個の底枠32と、それぞれ一対の側枠26とを備えている。底枠32の各々の両端部は、底枠22の他端部(横フレーム86(図15)が配設された他端部)と実質的に同じ構成を有し、その他の構成は、底枠22と実質的に同じである。底枠32の各々は、各々の一端面同士が相互に当接させられて、締結具により分離自在に締結される。底枠32の各々の他端面は、主梁型枠8における、相互に連結された底枠28の組立体の各々における中央部の側面に、それぞれ、締結具により分離自在に締結される(図7参照)。該締結に対応するため、底枠28の組立体の各々における中央部の側面には、それぞれ図示しない連結板が配設されている。側枠26の各々は、底枠32の各々に対し、底枠22に対するのと実質的に同じ形態で分離自在に連結されている。側枠26の各々の一端部の連結板120(図26)は、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112(図23)に締結具により分離自在に締結される。それぞれ、相互に対向する側枠26の各々と側枠30の各々とにより、2個の平面矩形状の空間S1が形成される。
【0042】
張出梁型枠12の各々は、1個の底枠23と、それぞれ一対の側枠34及び36とを備えている。底枠23は、底枠22と実質的に同じ構成を有している。底枠23の各々の一端部は、柱型枠4に対し、底枠22におけると同じ形態で締結具により分離自在に締結され、柱型枠4の各々における上端周縁フランジ74の上面からX−X方向外方に水平に、それぞれ同じ長さだけ延び出している(図6参照)。側枠34の各々の基本的構成は、側枠24(図23)と実質的に同じであるが、平板本体104(図23)が側枠34の一端から延び出して、連結フランジ122(図1)を形成している構成が相違する。
【0043】
図27及び図28を参照して、側枠36は、一部を除き、側枠24(図23)と実質的に共通の構成を有しているので、共通の構成については同一符号を付し、説明は省略する。側枠36は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部124a及び他端部124bが裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体124を備えている。一側フランジ106及び他側フランジ108の一端部及び他端部における先端部であって、円弧状の一端部124a及び他端部124bの各々における先端の内側には、それぞれ、一側フランジ106及び他側フランジ108間を、両面が板本体124の平板状部の裏面に平行に延在する連結板126及び128が配設されている。連結板126及び128は、それぞれ、円弧状の一端部124a及び124bに沿って、一定の幅で一側フランジ106及び他側フランジ108間を延在する。連結板126及び128には、それぞれ、複数の連結穴126a及び128aが、連結板126及び128の長手方向に間隔をおいて形成されている。一側フランジ106、他側フランジ108、円弧状の一端部124a及び他端部124bにおける先端面、補強板114及び116の先端面、及び連結板126及び128の下面は、板本体124の平板状部と平行な実質的に同一水平面上に位置付けられている。
【0044】
底枠23の各々において、外側に位置する側フレーム80又は82の上面の全領域には、それぞれ側枠34が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠34の各々の、連結フランジ122が形成された一端部は、対応する底枠23の他端を越えてX−X方向における外方に延び出している。相互にY−Y方向に対向する側枠34の各々の連結フランジ122は、側枠34の各々において、Y−Y方向の内側に位置付けられる。また、Y−Y方向内側に位置する側フレーム80又は82の上面の全領域には、それぞれ側枠36(図27及び図28)が、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠36の各々の円弧状の一端部124a又は他端部124b(図28)は、それぞれ、底枠23の両端を越えて、主柱型枠8の底枠28の一側上面(X−X方向の外側に位置する一側上面)及び後述する先端梁型枠38の一側上面(X−X方向の内側に位置する一側上面)に延び出している。底枠28の一側上面に延び出した一端部124a又は他端部124bは、それぞれ、連結板126又は128を介して、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112に締結具により分離自在に連結される。
【0045】
図1及び図2を参照して、先端梁型枠14の各々は、2個の底枠38と、それぞれ一対の側枠30及び40とを備えている。底枠38は、側枠32と同じ構成でもよいが、実施形態においては、図6及び図13に示されているように、底枠22(図15〜図21)と同様に配置された側フレーム80及び82と、側フレーム80及び82の各々間に固着された底板130とを備えている。底板130は、側フレーム80及び82の各々の上面と同一面上に位置付けられた上面130aと、上面130aに対し下方に突出した凹部130bとからなる一定の横断面を有すると共に、側フレーム80及び82の長手方向の全領域にわたって延在するよう配設されている。底板130の下側には、複数の補強板132が、底枠38の長手方向に間隔をおいて配設されている。補強板132の各々は、側フレーム80及び82間を側フレーム80及び82に直交するよう延在すると共に、上端が底板130の下面に固着されている。凹部130bは、コンクリート製の梁先端部に垂下部202a(図9参照)を形成するためである。
【0046】
側フレーム80及び82の各々における長手方向の一端には、横フレーム234(図2参照)が、側フレーム80及び82の各々に直交するよう配設されている。横フレーム134は、側フレーム80及び82の各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレーム80及び82の各々の水平幅方向の先端から先端まで延在する。横フレーム134の上面及び下面は、それぞれ側フレーム80及び82の各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる。横フレーム134により、底枠38の凹部130bの一端外方への開放が閉塞される。横フレーム134が設けられていない底枠38の凹部130bの他端は、他端に開放される。補強板132の一つは、側フレーム80及び82の各々における長手方向の他端に配置され、該補強板132には、複数の連結穴132aが形成されている。
【0047】
なお、底枠38が3個以上相互に連結される実施形態においては、中間に配置される底枠38の両端に横フレーム134は配設されない。これは、相互に長手方向に隣接する他の底枠38との間に、凹部130bを連続させるためである。
【0048】
側枠40は、側枠30と実質的に同じ構成を有しているが、幅(高さ)は、側枠24及び34の各々と同じである。
【0049】
先端梁型枠14の各々において、底枠38の各々は、他端の補強板132同士が相互に当接されて締結具により分離自在に締結され、底枠38の各々の一端領域の側面が、それぞれ、対応する張出梁型枠12の底枠23の先端面に締結具により分離自在に締結される。該締結に対応するため、底枠38の各々の一端領域の側面には図示しない連結板が配設されている。底枠38の各々の、X−X方向外側に位置する側フレーム80及び82の上面には、それぞれ側枠40が、他側フランジ108(図23)を介して締結具により分離自在に締結される。側枠40の各々における一端フランジ110と他端フランジ112とが締結具により分離自在に締結される。側枠40の各々における他端フランジ112及び一端フランジ110は、それぞれ、側枠34の連結フランジ122(図1)に締結具により分離自在に締結される。底枠38の各々の、X−X方向内側に位置する側フレーム80及び82の上面における中間領域には、それぞれ側枠30が、他側フランジ108(図23)を介して締結具により分離自在に締結される。側枠30の各々の一端フランジ110及び他端フランジ112は、それぞれ、張出梁型枠12における側枠36の連結板126に締結具により分離自在に締結される。
【0050】
中間梁型枠16の各々は、1個の底枠42と、一対の側枠36とを備えている。底枠42は、底枠32と実質的に同じ構成を有している。底枠42の各々の両端面は、主梁型枠8における、相互に連結された底枠28の組立体の中央部における側面と、先端梁型枠14における、相互に連結された底枠38の組立体の中央部における側面とに、それぞれ、締結具により分離自在に締結される(図7参照)。該締結に対応するため、底枠28の組立体の中央部における側面と、底枠38の組立体の中央部における側面とには、それぞれ図示しない連結板が配設されている。側枠36の各々は、対応する底枠42の側フレーム80及び82の上面に、それぞれ、一側フランジ106又は他側フランジ108を介して締結具により分離自在に締結される。側枠36の各々の円弧状の一端部124a又は他端部124bは、それぞれ、底枠42の両端を越えて、主柱型枠8の底枠28及び先端梁型枠14の底枠38の一側上面に延び出して、それぞれ、連結板126又は128を介して、対応する側枠30の一端フランジ110又は他端フランジ112に締結具により分離自在に連結される。それぞれ、相互に対向する側枠30の各々と側枠36の各々とにより、4個の平面矩形状の空間S2が形成される。
【0051】
柱型枠4の各々の上端周縁フランジ74において、相互にX−X方向に間隔をおいて対向する側枠34と24の各々間には、側枠44が配設される。側枠44の各々は、側枠24と実質的に同じ構成を有している。側枠44の各々の一側フランジ106又は他側フランジ108は、対応する柱型枠4の上端周縁フランジ74上に載置され、締結具により分離自在に締結される。その結果、型枠構造2の周縁に位置する側枠40、34及び24の各々と側枠44の各々が連続させられ、実質的に無端状の周縁側枠43が形成される。
【0052】
上記空間S1及び空間S2の各々は、フロア型枠18により分離自在に覆われる。フロア型枠18は、空間S1及び空間S2の各々の、相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)と、端部フロア型枠ユニット140の間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠142(図32〜図34)とを備えている。
【0053】
図29〜図31を参照して、端部フロア型枠ユニット140は実質的に矩形状の板本体144を備えている。板本体144は、所定の水平方向幅(図29において上下方向幅)をもって水平方向に直線状に延在しかつ長手方向一端部146、他端部148、該幅方向一側部150、該一側部150と一端部146とが交わる角部152、及び該一側部150と他端部148とが交わる角部154が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている。板本体144における、該幅方向他側には、該他側から、板本体144の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部146と他端部148との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジ156が形成されている。他側フランジ156の両端部、一端部146、他端部148、一側部150、角部152及び154の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体144の平板状部の裏面に平行に延在する連結板158が配設されている。連結板158は一定の水平方向幅を有している。板本体144の裏面には縦横に交叉する複数の補強板160及び162が配設されている。他側フランジ156及び連結板158には、それぞれ、複数の連結穴156a及び連結穴158aが、他側フランジ156及び連結板158の長手方向に間隔をおいて形成されている。一端部146、他端部148、該幅方向一側部150、角部152、角部154、及び他側フランジ156の各々、及び、補強板160及び162、の各々の先端(下端)と、連結板158の下面とは、板本体144の平板状部の裏面に平行な実質的に水平面上に位置付けられている。
【0054】
図32〜図34を参照して、中間フロア型枠ユニット142は実質的に矩形状の板本体164を備えている。板本体164は、所定の水平方向幅(図32において上下方向幅)をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部166及び他端部168が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている。板本体164における、該幅方向一側及び他側には、該一側及び該他側から、それぞれ板本体164の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部166と他端部168との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ170及び他側フランジ172とを備えている。一側及び他側フランジ170及び172の両端部における下端部であって円弧状の一端部166及び他端部168における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ170及び172間を、両面が板本体164の平板状部の裏面に平行に延在する連結板174及び176が配設されている。連結板174及び176は、それぞれ一定の水平方向幅を有している。板本体164の裏面には縦横に交叉する複数の補強板178及び180が配設されている。一側及び他側フランジ170及び172、及び、連結板174及び176には、それぞれ、複数の連結穴170a、172a、174a及び176aが、一側及び他側フランジ170及び172、及び、連結板174及び176の長手方向に間隔をおいて形成されている。一端部166と他端部168、一側及び他側フランジ170及び172、補強板178及び180の各々の先端(下端)と、連結板174及び176の下面とは、板本体164の平板状部の裏面に平行な実質的に水平面上に位置付けられている。
【0055】
側枠30の各々及び側枠26の各々により形成される空間S1の各々における一端領域及び他端領域において、端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)は、連結板150を介して側枠30及び側枠26の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。中間フロア型枠142(図32〜図34)は、端部フロア型枠ユニット140の各々間において、連結板174及び176を介して側枠26の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。相互にX−X方向に隣接された端部フロア型枠ユニット140の各々と中間フロア型枠ユニット142とは、端部フロア型枠ユニット140の他側フランジ156と中間フロア型枠ユニット142の一側フランジ170又は他側フランジ172とが締結具により分離自在に連結される。相互にX−X方向に隣接された中間フロア型枠ユニット142の各々は、片方の端部フロア型枠ユニット142における一側フランジ170と、他方の端部フロア型枠ユニット142における他側フランジ172とが分離自在に連結される。
【0056】
側枠30の各々及び側枠36の各々により形成される空間S2の各々における一端領域及び他端領域において、端部フロア型枠ユニット140(図29〜図31)は、連結板150を介して側枠30及び側枠36の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。中間フロア型枠142(図32〜図34)は、端部フロア型枠ユニット140の各々間において、連結板174及び176を介して側枠30及び側枠36の各々の上端面(一側フランジ106又は他側フランジ108)に締結具により分離自在に締結される。相互にX−X方向に隣接された端部フロア型枠ユニット140の各々と中間フロア型枠ユニット142とは、端部フロア型枠ユニット140の他側フランジ156と中間フロア型枠ユニット142の一側フランジ170又は他側フランジ172とが締結具により分離自在に連結される。なお、図4〜図7には、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142の装着状態の一部が図示されている。
【0057】
図1〜図3を参照して、上記説明から明らかなように、型枠構造2は、最初に柱型枠4の各々を所定の位置に設置し、続いて、各底枠22、28、32、23、42、38を、底板部材83を装着しない状態(底枠38の各々を除く)で、それぞれ上記したとおりにして組付ける。これは、重量を軽くして、人力による組み立て作業を容易にするためである。各底枠22、28、32、23、42、38の組付けに際しては、上記各底枠における適宜下方位置に、高さ調整自在のサポート180(図10及び図11参照)を配置して支持することが好ましい。続いて、所定の位置に組み付けられた、底枠38の各々を除く上記各底枠に、それぞれ、底板部材83を装着する。底板部材83が装着された底枠22、28、32、23及び42の表面は、実質的に同じ水平面上に位置付けられるので、施工作業における足場として利用することができ、有用である。上記各底枠を所定の位置にセットした後、各側枠24、26、30、34、36、40を、それぞれ上記したとおりにして組付ける。更に、端部フロア型枠ユニット140及び中間フロア型枠ユニット142を、それぞれ上記したとおりにして組付ける。主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間は更に安定した足場として利用することができる。
【0058】
図13に示すように、周縁側枠43の外側における適宜位置に、周縁側枠43の外側への倒れを防止するための複数の支持枠182を配置することが好ましい。支持枠182の各々は、水平に延在する支持フレーム184と、支持フレーム184の中間位置から直立する抑えフレーム186と、抑えフレーム186の上端部と支持フレーム184の一端とを連結するブレース部材188と、ブレース部材188の中間部と、抑えフレーム186及び支持フレーム184間の角部とを連結する他のブレース部材190とを備えている。そして、支持フレーム184が、周縁側枠43が連結された底枠、図示の実施形態においては、先端梁型枠14の底枠38の底面に当接させられて、ボルトナット192により分離自在に連結される。支持フレーム184の下面をサポート180により支持することが好ましい。
【0059】
上記型枠構造2を組み立てるに際し、柱型枠4の各々の筒状空間内、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間及びフロア型枠18及び20の上面と一致する水平面と、周縁側枠43の上端面と一致する水平面との間の空間には、適宜のタイミングで鉄筋が配設されることはいうまでもない。
【0060】
上記型枠構造2を組み立てた後、コンクリートが打ち込まれる。コンクリートは、鉄筋が配設された上記空間の各々に充填される。周縁側枠43に作用するコンクリートの圧力は、複数の支持枠182により確実に受け止められ、周縁側枠43は外方に倒れることなく、セット位置に保持される。フロア型枠18及び20の各々は、それぞれ、矩形状に配置された側枠30の各々と側枠26の各々、及び側枠30の各々と側枠36の各々、により周縁を分離自在に締結されることに起因して、その下方にサポート180を配置することなく、コンクリートの圧力に十分耐えることができると共に、側枠30の各々及び側枠26の各々、及び側枠30の各々及び側枠36の各々の膨らみも防止できる。その結果、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々における溝空間にセパレータを埋設する必要がなく、省資源に寄与する。また、フロア型枠18及び20の各々の下方には、広い作業空間が確保されるので、施工作業を円滑に行うことができ、施工効率を向上させ、施工費用を低減することが可能になる。更にはまた、コンクリートの養生期間が経過しない間においても、該下方空間での作業が遂行できるので、この面においても、施工効率を向上させ、施工費用を低減することが可能になる。
【0061】
なお、図12に示されているように、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142と、相互に対向する一対の側枠26、36及び/又は他の一対の側枠30との間に、ブレースBを分離自在に取り付けた場合には、トラス構造が形成されるので、側枠26、36、30などの傾斜を一層確実に防止することができる。同時に、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142に作用するコンクリートの圧力を支持することができるので、端部フロア型枠ユニット140及び/又は中間フロア型枠ユニット142の撓みも効果的に防止できる。図12の実施形態において、ブレースBは、両端部が直角に折り曲げられた鋼製のロッドからなり、一端が、側枠26の補強板116に形成された貫通穴116aに分離自在に挿入され、他端が、中間フロア型枠ユニット142の他側フランジ170に形成された連結穴172aに分離自在に挿入される。
【0062】
上記型枠構造2においては、各構成部材を、人力で搬送可能な大きさ及び重量に設定できるので、重機を使用することなく、人力による施工作業(組立及び脱型作業)を容易に遂行することが可能になる。特に、脱型作業が容易となり、実用的価値が高い。
【0063】
所定の養生期間が経過した後、柱型枠4、主梁型枠6及び8、中間主梁型枠10、張出梁型枠12、先端梁型枠14及び中間張出梁型枠16の各々を適宜の順序で脱型することにより、基本的な構成として、図9に示すようなコンクリート製の柱201、梁202及びスラブ204からなる立体構築物が一体に形成される。各型枠の脱型は、締結具による締結を解除することにより容易に行うことができる。
【0064】
円弧状の一端部118aを有する側枠26、円弧状の一端部124a及び他端部124bを有する側枠36、端部フロア型枠ユニット140及び中間フロア型枠ユニット142を使用することにより、コンクリート製の梁202間の角部及び梁202とスラブ204間の角部に曲面が形成されるので、脱型を容易にすると共に、角部の強度アップ、美観の向上、などのメリットが得られる。
【0065】
本発明による型枠構造2は、X−X方向及び/又はY−Y方向に、その大きさを拡大することは容易である。また、上方への拡大も容易である。図9に示す柱201における鉄筋を予めコンクリートスラブ204の上方に突出させておくことにより、コンクリートスラブ204を次の載置面として、3階以上の立体構築物を順次、容易に形成することができる。図35には、本発明による型枠構造2に基づいて形成することが可能な立体構築物である立体駐車場が図示されている。
【0066】
先に述べたように、図1〜図7には、本発明による型枠構造が要約して示され、図8〜図35には、更に具体的な(実用に適した)型枠構造200、型枠構造200の主要な構成要素、及び該型枠構造200を使用して一体に形成された、コンクリート製の柱201、梁202及びスラブ204からなる立体構築物(図9)、あるいはコンクリート製の立体駐車場(図35)などが示されている。なお、図9において、符号202aは、先端梁型枠14により形成された下方への突起部を示している。図8に示す型枠構造200は、図1及び図2に示す型枠構造のレイアウトに対し、X−X方向及びY−Y方向に拡大されたレイアウトを有している。このため各構成要素の数などが増加しているが、基本的構成は、先に説明した型枠構造2と実質的に同じである。したがって、更なる説明は省略する。なお、図10は、型枠構造200における一部の構成部材を分解して示しかつ支持枠182と共に示す断面図、(b)は、それらを組み立てた断面図であって、支持枠182、サポート180及び打ち込まれたコンクリートと共に示す断面図である。また、図11は、図8に示す型枠構造200の一部を分解しかつ拡大し、そして打ち込まれたコンクリートの一部と共に示す斜視図である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に従って構成された型枠構造の実施形態を要約して示す平面図である。
【図2】図1に示す型枠構造において、全ての側枠を除去して示す平面図である。
【図3】図1に示す型枠構造に含まれる柱型枠のみを示す平面図である。
【図4】図1のA−A矢視断面図である。
【図5】図1のB−B矢視断面図であって、支持枠と共に示すB−B矢視断面図である。
【図6】図1のC−C矢視断面図である。
【図7】図1のD−D矢視断面図である。
【図8】本発明に従って構成された型枠構造における他の実施形態の構成を、一部を分解して正面側から見た斜視図(図1においてY方向に左方から見た斜視図)である。
【図9】図8に示す型枠構造を使用して一体に形成された、コンクリート製の立体構築物における柱、梁及びスラブの構成を、一部を断面にして正面側から見た斜視図である。
【図10】図8に示す型枠構造を図8において、X−X方向の断面図であって、(a)は、各構成部材を分解して示しかつ支持枠と共に示す断面図、(b)は、それらを組み立てた断面図であって、支持枠、サポート及び打ち込まれたコンクリートと共に示す断面図である。
【図11】図8に示す型枠構造の一部を分解しかつ拡大し、そして打ち込まれたコンクリートの一部と共に示す斜視図である。
【図12】図10(b)の矢印Hで示す部分を拡大して示す図であって、支持枠及びサポートを除去して示す図である(図5に対応する断面図である)。
【図13】図8に示す型枠構造における先端梁型枠の拡大断面図であって、支持枠と共に示す断面図である。
【図14】図8に示す型枠構造における柱型枠の一つのユニットを、一部を分解して示す斜視図である。
【図15】梁型枠の一部を構成する底枠の実施形態を示す平面図である。
【図16】図15に示す底枠を、図15において下方から見た側面図である。
【図17】図15に示す底枠を、図15において左方から見た端面拡大図である。
【図18】図16に示す底枠の、図16における左端部を拡大して示す側面図である。
【図19】図15に示す底枠の、図15における左端部を拡大して示す斜視図である。
【図20】図15に示す底枠を、図15において右方から見た端面拡大図である。
【図21】図15に示す底枠に装着される底板部材を長手方向に見た斜視図である。
【図22】梁型枠の一部を構成する側枠の実施形態を裏面から見た図である。
【図23】図22に示す側枠を、図22において上方から見た側面図である。
【図24】図23に示す側枠を、図23において左方から見た端面図である。
【図25】梁型枠の一部を構成する側枠の他の実施形態を裏面から見た図である。
【図26】図25に示す側枠を、図25において上方から見た側面図である。
【図27】梁型枠の一部を構成する側枠の更に他の実施形態を裏面から見た図である。
【図28】図27に示す側枠を、図27において上方から見た側面図である。
【図29】フロア型枠の一部を構成する端部フロア型枠ユニットの平面図である。
【図30】図29に示す端部フロア型枠ユニットを、図29において下方から見た側面図である。
【図31】図29に示す端部フロア型枠ユニットを、図29において右方から見た端面図である。
【図32】フロア型枠の一部を構成する中間フロア型枠ユニットの平面図である。
【図33】図32に示す中間フロア型枠ユニットを、図32において下方から見た側面図である。
【図34】図33のK−K矢視断面図である。
【図35】本発明による型枠構造を使用して構築されたコンクリート製の立体駐車場の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
2、200:型枠構造
4:柱型枠
6、8:主柱型枠
10:中間主柱型枠
12:張出梁型枠
14:先端梁型枠
16:中間張出梁型枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造において、
水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向及び水平縦方向にそれぞれ相互に間隔をおいて載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられた複数の鋼製の柱型枠と、少なくとも、該水平横方向及び該水平縦方向に相互に対向する柱型枠の各々における上端面間に水平に架け渡されて分離自在に連結された鋼製の主梁型枠を含む複数の鋼製の梁型枠であって、上方に開放された溝を有する複数の鋼製の梁型枠と、梁型枠に囲まれることにより形成された少なくとも1個の平面矩形状の空間を、溝の内側において上方から覆うよう、該空間を形成する梁型枠の各々の上端面に分離自在に取り付けられた鋼製のフロア型枠とを備え、梁型枠の各々は、溝の底面を形成する底枠と、底枠の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する側枠とを備え、該空間を形成する梁型枠の各々の該上端面は、該空間を形成する、梁型枠の各々における側枠であって、該矩形状に配置された側枠の上端面からなり、溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置され、周縁に位置する梁型枠の側枠を連続させることにより無端状の周縁側枠が形成され、周縁側枠は、内側に配置されたフロア型枠の上面に対し所定の高さだけ高く形成される、
ことを特徴とする型枠構造。
【請求項2】
周縁側枠の内側に位置する側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられ、該フロア型枠の上面は同一水平面上に位置付けられる、請求項1記載の型枠構造。
【請求項3】
周縁側枠の外側には、周縁側枠の外側への倒れを防止するための複数の支持枠が配置され、支持枠の各々は、周縁側枠が連結された底枠に分離自在に連結される、請求項1又は請求項2記載の型枠構造。
【請求項4】
フロア型枠と、相互に対向する一対の側枠及び/又は他の一対の側枠との間には、ブレースが分離自在に取り付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項5】
該複数の梁型枠は、相互に対向する一対の主梁型枠の側面間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間主梁型枠を備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項6】
該複数の梁型枠は、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々における上端面から該水平横方向における外方に水平に延び出すよう分離自在に連結された鋼製の張出梁型枠と、同じ該水平横方向方向に延び出した張出梁型枠の各々の先端面間を該水平縦方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結された鋼製の先端梁型枠とを備えている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項7】
先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設される、請求項6記載の型枠構造。
【請求項8】
他の先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設され、側フレームの各々における長手方向の一端には、横フレームが、側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームは、側フレームの各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレームの各々の該水平幅方向の先端から先端まで延在し、横フレームの上面及び下面は、それぞれ側フレームの各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる、請求項6記載の型枠構造。
【請求項9】
該複数の梁型枠は、先端梁型枠の側面と、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々間を延在する主梁型枠の側面との間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間張出梁型枠を備えている、請求項6記載の型枠構造。
【請求項10】
複数の梁型枠における底枠は、水平方向に一定の間隔をおいて平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレーム間に配設された底板部材とを備え、側フレームの各々の上面及び底板部材の上面は実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレームの各々の下面は、側フレームの各々の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられる、請求項1〜6又は9のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項11】
複数の横フレームが、側フレームの各々間における、長手方向の両端部及び中間部に相互に長手方向に間隔をおいて側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームの各々は各々は、側フレームの各々の上面よりも低い全上面又は一部上面を有し、底板部材は、下方に開放されたチャンネル形状を有すると共に、横フレームの各々の該上面上に載置されかつ側フレームの各々間に分離自在に嵌合される、請求項10記載の型枠構造。
【請求項12】
側フレームの各々の上面は、底枠の上面における該両側面を規定する、請求項7、8、10又は11のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項13】
梁型枠の一部を構成する複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在する、矩形状の平板本体と、平板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する一端及び他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、一端フランジ及び他端フランジとを備えている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項14】
梁型枠の一部を構成する他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が裏面方向に向う円弧状に形成され、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の裏面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における先端部であって円弧状の一端部及び他端部における先端の内側には、それぞれ一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項15】
梁型枠の一部を構成する更に他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部が裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、他端フランジとを備え、一側及び他側フランジの一端部における先端部であって、円弧状の一端部における先端の内側には、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項16】
複数の該空間の各々において、相互に対向する一対の側枠は、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠からなり、相互に対向する他の一対の側枠は、矩形状の平板本体を備えた側枠からなり、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、それぞれ、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠の各々における該連結板の各々と、矩形状の平板本体を備えた側枠の各々における一端フランジ及び他端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、請求項14記載の型枠構造。
【請求項17】
他の複数の該空間の各々において、該空間の角は、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠と、矩形状の平板本体を備えた側枠とから構成され、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠における連結板と、矩形状の平板本体を備えた側枠における一端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、請求項15記載の型枠構造。
【請求項18】
フロア型枠は、該空間の相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニットを備え、端部フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部、他端部、該幅方向一側部、該一側部と一端部とが交わる角部、及び該一側部と他端部とが交わる角部が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向他側から、板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジとを備え、他側フランジの両端部、該一端部、該他端部、該幅方向一側部、該一側部と該一端部とが交わる角部及び該一側部と該他端部とが交わる角部、の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、請求項16又は請求項17記載の型枠構造。
【請求項19】
フロア型枠は、端部フロア型枠ユニットの間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠ユニットを備え、中間フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における下端部であって円弧状の一端部及び他端部における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板の各々は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、請求項18記載の型枠構造。
【請求項20】
相互に幅方向に隣接された端部フロア型枠ユニットと中間フロア型枠ユニットとは、端部フロア型枠ユニットの他側フランジと中間フロア型枠ユニットの一側フランジ又は他側フランジとが分離自在に連結される、請求項19記載の型枠構造。
【請求項21】
相互に幅方向に隣接された中間フロア型枠ユニットの各々は、片方の端部フロア型枠ユニットにおける一側フランジと、他方の端部フロア型枠ユニットにおける他側フランジとが分離自在に連結される、請求項19記載の型枠構造。
【請求項1】
コンクリート製立体構築物における柱と梁とスラブとを一体に形成するための型枠構造において、
水平方向に分離自在に筒状に組み立てられかつ、水平横方向及び水平縦方向にそれぞれ相互に間隔をおいて載置面上に、上端面が同一水平面上に位置付けられるよう直立させられた複数の鋼製の柱型枠と、少なくとも、該水平横方向及び該水平縦方向に相互に対向する柱型枠の各々における上端面間に水平に架け渡されて分離自在に連結された鋼製の主梁型枠を含む複数の鋼製の梁型枠であって、上方に開放された溝を有する複数の鋼製の梁型枠と、梁型枠に囲まれることにより形成された少なくとも1個の平面矩形状の空間を、溝の内側において上方から覆うよう、該空間を形成する梁型枠の各々の上端面に分離自在に取り付けられた鋼製のフロア型枠とを備え、梁型枠の各々は、溝の底面を形成する底枠と、底枠の両側上面から直立して相互に間隔をおいて対向するよう分離自在に連結されかつ、溝の両側面を形成する側枠とを備え、該空間を形成する梁型枠の各々の該上端面は、該空間を形成する、梁型枠の各々における側枠であって、該矩形状に配置された側枠の上端面からなり、溝の各々は、相互に連通されかつ、柱型枠の各々における筒状空間の上端に連通するよう配置され、周縁に位置する梁型枠の側枠を連続させることにより無端状の周縁側枠が形成され、周縁側枠は、内側に配置されたフロア型枠の上面に対し所定の高さだけ高く形成される、
ことを特徴とする型枠構造。
【請求項2】
周縁側枠の内側に位置する側枠の各々の上端面は同一水平面上に位置付けられ、該フロア型枠の上面は同一水平面上に位置付けられる、請求項1記載の型枠構造。
【請求項3】
周縁側枠の外側には、周縁側枠の外側への倒れを防止するための複数の支持枠が配置され、支持枠の各々は、周縁側枠が連結された底枠に分離自在に連結される、請求項1又は請求項2記載の型枠構造。
【請求項4】
フロア型枠と、相互に対向する一対の側枠及び/又は他の一対の側枠との間には、ブレースが分離自在に取り付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項5】
該複数の梁型枠は、相互に対向する一対の主梁型枠の側面間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間主梁型枠を備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項6】
該複数の梁型枠は、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々における上端面から該水平横方向における外方に水平に延び出すよう分離自在に連結された鋼製の張出梁型枠と、同じ該水平横方向方向に延び出した張出梁型枠の各々の先端面間を該水平縦方向に延在しかつ、該先端面の各々に分離自在に連結された鋼製の先端梁型枠とを備えている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項7】
先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設される、請求項6記載の型枠構造。
【請求項8】
他の先端梁型枠の底枠は、水平幅方向に一定の間隔をおいて水平長手方向に平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレームの各々間に固着された底板とを備え、側フレームの各々の上面及び下面は、それぞれ相互に平行である実質的に同一水平面上に位置付けられ、底板は、側フレームの各々の上面と同一面上に位置付けられた上面と、該上面に対し下方に突出した凹部とからなる一定の横断面を有すると共に、側フレームの長手方向の全領域にわたって延在するよう配設され、側フレームの各々における長手方向の一端には、横フレームが、側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームは、側フレームの各々の該長手方向の外方に開放されたチャンネル形状をなすと共に、側フレームの各々の該水平幅方向の先端から先端まで延在し、横フレームの上面及び下面は、それぞれ側フレームの各々の上面及び下面と実質的に同一面上に位置付けられる、請求項6記載の型枠構造。
【請求項9】
該複数の梁型枠は、先端梁型枠の側面と、該水平縦方向に対向する柱型枠の各々間を延在する主梁型枠の側面との間に分離自在に連結された少なくとも1個の鋼製の中間張出梁型枠を備えている、請求項6記載の型枠構造。
【請求項10】
複数の梁型枠における底枠は、水平方向に一定の間隔をおいて平行に直線状に延在する一対の側フレームであって、それぞれ側外方に開放されたチャンネル形の一対の側フレームと、側フレーム間に配設された底板部材とを備え、側フレームの各々の上面及び底板部材の上面は実質的に同一水平面上に位置付けられ、側フレームの各々の下面は、側フレームの各々の上面と平行である実質的に同一水平面上に位置付けられる、請求項1〜6又は9のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項11】
複数の横フレームが、側フレームの各々間における、長手方向の両端部及び中間部に相互に長手方向に間隔をおいて側フレームの各々に直交するよう配設され、横フレームの各々は各々は、側フレームの各々の上面よりも低い全上面又は一部上面を有し、底板部材は、下方に開放されたチャンネル形状を有すると共に、横フレームの各々の該上面上に載置されかつ側フレームの各々間に分離自在に嵌合される、請求項10記載の型枠構造。
【請求項12】
側フレームの各々の上面は、底枠の上面における該両側面を規定する、請求項7、8、10又は11のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項13】
梁型枠の一部を構成する複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在する、矩形状の平板本体と、平板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する一端及び他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、一端フランジ及び他端フランジとを備えている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項14】
梁型枠の一部を構成する他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が裏面方向に向う円弧状に形成され、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の裏面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における先端部であって円弧状の一端部及び他端部における先端の内側には、それぞれ一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項15】
梁型枠の一部を構成する更に他の複数の側枠は、所定の幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部が裏面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側と、一側及び他側にそれぞれ直交する他端とから、それぞれ平板本体の裏面側に直角に同じ長さだけ延び出す一側フランジ及び他側フランジと、他端フランジとを備え、一側及び他側フランジの一端部における先端部であって、円弧状の一端部における先端の内側には、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の型枠構造。
【請求項16】
複数の該空間の各々において、相互に対向する一対の側枠は、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠からなり、相互に対向する他の一対の側枠は、矩形状の平板本体を備えた側枠からなり、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、それぞれ、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部及び他端部を有する板本体を備えた側枠の各々における該連結板の各々と、矩形状の平板本体を備えた側枠の各々における一端フランジ及び他端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、請求項14記載の型枠構造。
【請求項17】
他の複数の該空間の各々において、該空間の角は、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠と、矩形状の平板本体を備えた側枠とから構成され、側枠の各々は、一側又は他側フランジを介して、対応する底枠の片側面に分離自在に連結され、円弧状の一端部を有する板本体を備えた側枠における連結板と、矩形状の平板本体を備えた側枠における一端フランジとが、それぞれ、分離自在に連結される、請求項15記載の型枠構造。
【請求項18】
フロア型枠は、該空間の相互に対向する一端領域及び他端領域に配置される端部フロア型枠ユニットを備え、端部フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部、他端部、該幅方向一側部、該一側部と一端部とが交わる角部、及び該一側部と他端部とが交わる角部が、それぞれ、下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向他側から、板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ該他側に沿って平行に延在する他側フランジとを備え、他側フランジの両端部、該一端部、該他端部、該幅方向一側部、該一側部と該一端部とが交わる角部及び該一側部と該他端部とが交わる角部、の各々における下端部内側には、それらの間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、請求項16又は請求項17記載の型枠構造。
【請求項19】
フロア型枠は、端部フロア型枠ユニットの間に配置される少なくとも1個の中間フロア型枠ユニットを備え、中間フロア型枠ユニットは、所定の水平方向幅をもって水平方向に直線状に延在しかつ一端部及び他端部が下面方向に向う円弧状に形成されかつ、他の部分は平板状に形成されている、実質的に矩形状の板本体と、板本体における、該幅方向一側及び他側から、それぞれ板本体の下面側に直角に延び出しかつ、円弧状の一端部と他端部との間を、それぞれ一側及び他側に沿って平行に延在する一側フランジ及び他側フランジとを備え、一側及び他側フランジの両端部における下端部であって円弧状の一端部及び他端部における下端の内側には、それぞれ、一側及び他側フランジ間を、両面が板本体の平板状部の裏面に平行に延在する連結板が配設され、該連結板の各々は、側枠の各々の上端面を規定するフランジに分離自在に連結される、請求項18記載の型枠構造。
【請求項20】
相互に幅方向に隣接された端部フロア型枠ユニットと中間フロア型枠ユニットとは、端部フロア型枠ユニットの他側フランジと中間フロア型枠ユニットの一側フランジ又は他側フランジとが分離自在に連結される、請求項19記載の型枠構造。
【請求項21】
相互に幅方向に隣接された中間フロア型枠ユニットの各々は、片方の端部フロア型枠ユニットにおける一側フランジと、他方の端部フロア型枠ユニットにおける他側フランジとが分離自在に連結される、請求項19記載の型枠構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2006−152575(P2006−152575A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341152(P2004−341152)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(592205643)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(592205643)
【Fターム(参考)】
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